JP5281194B2 - 車輌用衝突補強材 - Google Patents

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Description

[参照]
本願は、2011年3月24日に日本特許庁に出願された日本特許出願(特願2011−065678)に基づく優先権を主張する。
[技術分野]
本発明は、車輌の衝突時のエネルギーを吸収して車輌内側への車体の変形を軽減するために取り付けられる、車輌用衝突補強材に関するものである。
車輌用衝突補強材の一種として、車輌のドア内面に取り付けられるドアインパクトビーム(ドアガードともいう)が知られている。これまでは、パイプ状の本体の両端部にブラケット(取付金具)を溶接したドアインパクトビームが広く用いられていた。しかし近年では、ビーム本体とブラケットとを一体プレス成形したドアインパクトビームが主流となっている。このようなビーム本体とブラケットとが一体化したドアインパクトビームに於いては、ビーム本体の横断面形状がハット形をした開放断面形状のドアインパクトビームが普及している。
例えば、特許文献1の車輌用ドアガードは、鋼板をプレス成形してビーム本体とブラケットとが一体に形成されたものであり、その本体部分には断面R山型の屈曲部1a(壁部と中央フランジ部とコーナー湾曲部が含まれる)が全長に亘って一体に形成され、その屈曲部の基部の上下には平坦なフランジ部1b(外周フランジ部に相当)がそれぞれ形成されている。つまり、屈曲部1aと一対のフランジ部1bとからなるハット形の断面形状が本体部の全長に亘って一様に形成されている。
特許文献2に開示されたドアインパクトビームは、隆起部2(壁部と中央フランジ部とコーナー湾曲部が含まれる)と、その幅方向両側の底部3(外周フランジ部に相当)とを備えており、これらによって本体部におけるハット断面形状が形作られている。このドアインパクトビームの幅寸法は、長さ方向の中央において最も大きくなっており、その中央から長さ方向の両端に向かって幅寸法は次第に小さくなり、中央から所定距離離れた箇所からは最小の幅寸法が長さ方向の両端まで連続している。各部におけるハット形の断面形状の寸法もほぼこれに準じている。
特開2002−19559号公報(第0016段落、図1) 特開2004−168141号公報(第0040〜43段落)
しかしながら、上記従来例のような中央から端部までの長手方向の断面形状が一定のドアインパクトビームは、側面衝突時に荷重が入力されると、荷重の入力点のみに集中荷重が加わって、荷重の入力点で折れ曲がったり、壁部材が外側に開いて変形する可能性があった。そして荷重の入力点を中心にした変形が発生すると、荷重の入力点の近傍だけに応力集中が発生して塑性歪みが生じる結果、ビームの変形が進むに連れて曲げ剛性が低下し、反力が急激に低下するという欠点があった(後記比較例参照)。従来のドアインパクトビームでは、このような欠点を補うために、材料の肉厚化やハット形断面の大型化によってドアインパクトビームの強度を向上させる必要があり、製造コストの上昇や重量増等の不都合を招いていた。
本発明の目的は、車輌衝突時の荷重入力に際して変形が進んだ場合であっても、剛性の低下を極力防止することができ、その結果衝突エネルギーの吸収性能を維持することのできる車輌用衝突補強材を提供することにある。
本発明は、それぞれに前端部及び後端部を有してなる、相対向する一対の壁部と、両壁部の前端部間に配置される平板状の中央フランジ部と、壁部の前端部と中央フランジ部とを連結する一対のコーナー湾曲部と、両壁部の各々の後端部からそれぞれ外方向に延出した一対の外周フランジ部と、を有する長尺な本体部を備え、その本体部の横断面形状が、一対の壁部、中央フランジ部、一対のコーナー湾曲部、及び一対の外周フランジ部によって、両壁部の後端部側に開口したハット形開放断面形状をなしている車輌用衝突補強材に関する。本体部は、その長手方向の中央部から一端部までの範囲において、中央部又はその近傍を占める第1部分と、前記長手方向一端部及びその近傍を占める第2部分と、前記第1部分と前記第2部分とをつなぐ第3部分とに区分される。前記第1部分における中央フランジ部の幅(C1)が前記第2部分における中央フランジ部の幅(C2)よりも広くなっている。前記第1部分における各コーナー湾曲部の断面積が前記第2部分における各コーナー湾曲部の断面積よりも狭くなっている。前記第1部分の断面高さ(H1)が前記第2部分の断面高さ(H2)よりも高く形成されている。前記第3部分は、前記第1部分と前記第2部分とを滑らかに接続する除変部分として設けられている。
好ましくは、前記本体部は、その中央部を占める第1部分と、前記第1部分の長手方向両側に位置する一対の第3部分と、それぞれの第3部分に連結して当該本体部の長手方向両端部にまで延びる一対の第2部分とを備えており、且つ、この本体部は、前記中央部に対し長手方向において対称な形状を有している。
本発明の車輌用衝突補強材は、その本体部の平板状の中央フランジ部側(ハット形開放断面形状の開口の反対側)が衝突時の荷重入力方向に向き合うような配置で車輌に取り付けられる。本発明の車輌用衝突補強材は、上述の形状を備えることによって、第1部分は第2部分と比較すると断面二次モーメントの値が有意に大きくなり、第1部分の平板状の中央フランジ部側から加えられた荷重に対して変形しにくくなるという特性を備えることができる。これに加えて、第1部分と第2部分とをつなぐ第3部分(除変部分)には形状の非線形性が存在し、特に第1部分と第3部分との接続箇所、及び第2部分と第3部分との接続箇所は、荷重を受けた場合に応力集中が他の部分よりも発生しやすくなっている。従って、衝突荷重を受けた車輌用衝突補強材は、通常であれば荷重の入力点を中心として湾曲変形が進行するところ、荷重の入力点と除変部分の両方の部分において湾曲変形が進行し、結果として荷重が分散して三箇所で荷重を受けることになる。このように衝突荷重が分散される結果、衝突の早い段階における塑性歪みもまた分散されて、塑性変形による断面崩れが防止されるので、衝突荷重による変形が進行しても急激な曲げ剛性の低下が防止される。この結果、本発明の車輌用衝突補強材は、車輌の衝突時に、衝突エネルギーの吸収性能を従来よりも持続させることができる。
好ましくは、前記一対のコーナー湾曲部の各々の断面形状は中心角が90°の円弧状である。そして、第1部分におけるコーナー湾曲部の断面の半径を「R1」とし、第2部分におけるコーナー湾曲部の断面の半径を「R2」とするとき、半径R1と半径R2との比(R1/R2)が、1/2〜1/5の範囲に設定されている。
上記の比(R1/R2)が1/2〜1/5の範囲に設定されることで、第1部分と第2部分の間の断面二次モーメントの変化は明確となり、第1部分と第2部分とをつなぐ第3部分(除変部分)に効果的に衝突荷重を分散させることが可能となる。比(R1/R2)が上記1/2よりも大きい場合は、第1部分と第2部分のコーナー湾曲部の断面形状の違いが小さくなるため、第1部分と第2部分の間の断面二次モーメントの変化が不明確となり、除変部分への衝突荷重の分散が不充分となって、従来と同等の曲げ剛性しか得られない恐れがある。また比(R1/R2)が1/5よりも小さい場合は、第1部分のコーナー湾曲部の半径が小さすぎる状態を意味しており、この断面形状が変形時のコーナー湾曲部への不適切な応力集中の一因となる恐れがある。
好ましくは、第1部分の断面高さ(H1)と第2部分の断面高さ(H2)の差と、第1部分の断面高さ(H1)との間の比((H1−H2)/H1)が、1/10〜1/2の範囲に設定されている。
上記の比((H1−H2)/H1)が、1/10〜1/2の範囲に設定されることで、車輌衝突時における本体部の第1部分の断面二次モーメントを第2部分の断面二次モーメントに対して有意に大きくすることが可能となる。仮に上記の比((H1−H2)/H1)が1/10未満である場合には、第1部分と第2部分との段差(高さの差)が小さすぎるため、第1部分、第2部分及び第3部分(除変部分)間の断面二次モーメントの差が小さくなり、衝突荷重を受けた場合の荷重分散の効果が小さくなる。また上記の比((H1−H2)/H1)が1/2よりも大きくなる場合には、除変部分の形状非線形性が大きくなるために、除変部分における第1部分又は第2部分との接続部分の強度が不足し、除変部分への応力集中が荷重の入力点よりも相対的に大きくなりすぎて、車輌用衝突補強材全体の強度を損なう恐れがある。
本発明の一実施態様においては、第3部分における断面高さが、第1部分の断面高さ(H1)と第2部分の断面高さ(H2)との間で徐々に変化する。また、第3部分における各コーナー湾曲部の断面積は、第1部分における各コーナー湾曲部の断面積と第2部分における各コーナー湾曲部の断面積との間で徐々に変化する。
本発明の別の実施態様(例えば図9,23)においては、第3部分(P23)は、第1部分(P21)に隣接すると共に第1部分と同一の断面高さ(H1)を有する一定長の区間と、第2部分(P22)に隣接する残り区間とを有しており、この残り区間では、第2部分(P22)に近づくにつれて断面高さが前記第2部分での断面高さ(H2)に向けて徐々に低くなる。また、第3部分(P23)のコーナー湾曲部の各々は、第2部分(P22)に隣接すると共に第2部分と同一の断面積を備えた一定長の区間と、第1部分(P21)に隣接する残り区間とを有しており、この残り区間では、第1部分(P21)に近づくにつれて各コーナー湾曲部の断面積が徐々に狭くなる。
かかる構成によれば、第3部分(除変部分)では、コーナー湾曲部の断面形状が変化しはじめる長手方向の位置と、断面高さが変化しはじめる長手方向の位置とが互いにずれている。つまり、この除変部分は、断面二次モーメントの変化を緩やかにして、衝突荷重を受けた場合の荷重の入力点に対する除変部分の応力集中の相対的な程度を調節することを可能にする。それ故、除変部分の形状を変更することによって、衝突荷重を受けた場合の、車輌用衝突補強材全体としての荷重と変位の関係を適宜調節することが可能になる。
本発明の更に別の実施態様(例えば図11,25)においては、第3部分(P43)は、第2部分(P42)に隣接すると共に第2部分と同一の断面高さ(H2)を有する一定長の区間と、第1部分(P41)に隣接する残り区間とを有しており、この残り区間では、第1部分(P41)に近づくにつれて断面高さが第1部分での断面高さ(H1)に向けて徐々に高くなる。また、第3部分(P43)のコーナー湾曲部の各々は、第1部分(P41)に隣接すると共に第1部分と同一の断面積を備えた一定長の区間と、第2部分(P42)に隣接する残り区間とを有しており、この残り区間では、第2部分(P42)に近づくにつれて各コーナー湾曲部の断面積が徐々に広くなる。
かかる構成によれば、第3部分(除変部分)では、コーナー湾曲部の断面形状が変化しはじめる長手方向の位置と、断面高さが変化しはじめる長手方向の位置とが互いにずれている。つまり、この除変部分は、断面二次モーメントの変化を緩やかにして、衝突荷重を受けた場合の荷重の入力点に対する除変部分の応力集中の相対的な程度を調節することを可能にする。それ故、除変部分の形状を変更することによって、衝突荷重を受けた場合の、車輌用衝突補強材全体としての荷重と変位の関係を適宜調節することが可能になる。
以上詳述したように、本発明に従う車輌用衝突補強材によれば、車輌の衝突時においても、衝突荷重の入力点とその周囲に配置されている除変部分の両方の部分において湾曲変形が進行し、結果として荷重が分散して三箇所で荷重を受けることができる。このような衝突荷重の分散の結果、本体部のハット形開放断面形状の塑性変形による断面崩れが比較的遅くまで防止されるので、車輌用衝突補強材全体の変形が進んでも剛性が高い状態が維持され、結果として優れた耐荷重性能が維持される。このような本発明の車輌用衝突補強材の固有の特性は、車輌の衝突時に、従来よりも衝突エネルギーをより多く吸収し、車輌内側への車体の変形をより低減することを可能とする。
本発明の車輌用衝突補強材は、衝突エネルギーの吸収特性に優れているので、より少ない素材を用いて軽量化を行った場合であっても、従来の車輌用衝突補強材と同等の衝突吸収特性を得ることができる。従って、本発明の車輌用衝突補強材を使用することにより、車輌の軽量化を図ることが可能となり、車輌の燃費の向上や二酸化炭素の削減を図ることができる。
ドアインパクトビームのドアへの取付状況を示す図である。 ドア内部の概略を示すドアの横断面図である。 本発明の実施例1に従うドアインパクトビームの片側半分を示しており、(A)は平面図、(B)は側面図、(C)は斜視図である。 (A)は図3(A)のX−X線での拡大横断面図、(B)は図3(A)のY−Y線での拡大横断面図である。 (A)は性能評価試験の概要を示す正面図、(B)は(A)のZ−Z線での拡大断面図である。 実施例1のドアインパクトビームへの性能評価試験後の変形と応力分布とを示す斜視図である。 図6の一部分の拡大図である。 実施例1及び比較例の性能特性を示すグラフである。 実施例2のドアインパクトビームの片側半分を示しており、(A)は平面図、(B)は側面図、(C)は斜視図である。 実施例2及び実施例1の性能特性を示すグラフ。 実施例3のドアインパクトビームの片側半分を示しており、(A)は平面図、(B)は側面図、(C)は斜視図である。 実施例3及び実施例1の性能特性を示すグラフ。 実施例4のドアインパクトビームの片側半分を示しており、(A)は平面図、(B)は側面図、(C)は斜視図である。 比較例のドアインパクトビームの片側半分を示しており、(A)は平面図、(B)は側面図、(C)は斜視図である。 比較例のドアインパクトビームへの性能評価試験後の変形と応力分布とを示す斜視図である。 図15の一部分の拡大図である。 バンパーリンフォースメントの車体フレームへの取付状況を示す斜視図である。 本発明の実施例5に従うバンパーリンフォースメントの片側半分を示しており、(A)は平面図、(B)は側面図、(C)は斜視図である。 (A)は図18(A)のX2−X2線での拡大横断面図、(B)は図18(A)のY2−Y2線での拡大横断面図である。 実施例5のバンパーリンフォースメントへの性能評価試験後の変形と応力分布とを示す斜視図である。 図20の一部分の拡大図である。 実施例5の性能特性を示すグラフである。 実施例6のバンパーリンフォースメントの片側半分を示しており、(A)は平面図、(B)は側面図、(C)は斜視図である。 実施例6及び実施例5の性能特性を示すグラフ。 実施例7のバンパーリンフォースメントの片側半分を示しており、(A)は平面図、(B)は側面図、(C)は斜視図である。 実施例7及び実施例5の性能特性を示すグラフ。 実施例8のバンパーリンフォースメントの片側半分を示しており、(A)は平面図、(B)は側面図、(C)は斜視図である。
[ドアインパクトビーム]
本発明を車輌用衝突補強材の一種であるドアインパクトビームに具体化したいくつかの実施形態を、図面を参照しつつ説明する。図1及び図2に示すように、ドアインパクトビーム1は乗用自動車のサイドドアD内に取り付けられる。一般に乗用自動車のサイドドアDは、車体の内側に位置するドアインナパネル2と、車体の外側に位置するドアアウタパネル3とを具備し、両ドアパネル2,3の間には、ウインドウガラス4及びガラスホルダー5が配置される。図2に示すように、ドアインナパネル2の下半部周縁域には、ドアインパクトビーム1を固着すべくドアアウタパネル3側に盛り上がった段部2aが形成されており、この段部2aは、ウインドウガラス4及びガラスホルダー5と、ドアアウタパネル3との中間に位置する。
[実施例1]
図1に示すように、実施例1のドアインパクトビーム1には、長尺な本体部10の長手方向両端部にそれぞれブラケット部9が一体成形されている。図3は、ブラケット部9を除いて本体部10を中央から切断した状態の、ドアインパクトビーム1の平面図と側面図と斜視図とを示す。ドアインパクトビーム1の本体部10は、相対向する一対の壁部11(11a,11b,11c)と、両壁部11の前端部間に配置される平板状の中央フランジ部13(13a,13b,13c)と、壁部11の前端部と中央フランジ部13とを連結する一対のコーナー湾曲部12(12a,12b,12c)と、両壁部11の各々の後端部からそれぞれ外方向(図3(A)の上下方向、図4の左右方向)に延出した一対の外周フランジ部14(14a,14b,14c)とを有している。図4に示すように、本体部10は、その横断面形状が、一対の壁部11と、中央フランジ部13と、一対のコーナー湾曲部12と、一対の外周フランジ部14とが連なっていることによってハット形の開放断面形状をなしている。尚、ここでドアインパクトビーム1の形状を説明するために用いた前端及び後端という用語が示す「前後」の方向とは図4の上下方向である。
実施例1のドアインパクトビーム1の本体部10は、その長手方向中央部及びその近傍を占める第1部分P1と、本体部10の長手方向両端部とその近傍即ちブラケット部9に連なる部分を占める一対の第2部分P2と、第1部分P1と第2部分P2との間に位置しており、第1部分P1と第2部分P2とをそれぞれ滑らかに接続する一対の第3部分(除変部分)P3に区分される。
実施例1のドアインパクトビーム1において、第1部分P1は、第2部分P2よりも断面二次モーメントの値が有意に大きくなる形状を備えている。図4(A)に示すように、第1部分P1における中央フランジ部13aの幅C1は、第2部分P2における中央フランジ部13bの幅C2よりも広くなっている。また第1部分P1における各コーナー湾曲部12aの断面積は、第2部分P2における各コーナー湾曲部12bの断面積よりも狭くなっている。なお、本体部10の厚みはどこも均一であるため、各部分(P1〜P3)でのコーナー湾曲部12の断面積は、各部分(P1〜P3)でのコーナー湾曲部12の半径(R)と相関性を有する。更に第1部分P1の全体の断面高さH1が、第2部分P2の全体の断面高さH2よりも高く形成されている。この断面高さの差は、壁部11aが壁部11bよりも高く形成されていることに由来する。
より詳細には、第1部分P1と第2部分P2のコーナー湾曲部12a,12bの断面形状は、いずれも中心角が90°の円弧状に形成されている。好ましくは、第1部分P1におけるコーナー湾曲部12aの断面の半径R1と、第2部分P2におけるコーナー湾曲部12bの断面の半径R2との比(R1/R2)は、1/2〜1/5の範囲に設定される。また、第1部分の断面高さH1と第2部分の断面高さH2との差と、第1部分P1の断面高さH1との比((H1−H2)/H1)が、1/10〜1/2の範囲に設定されていることが好ましい。ここで、特に好ましい特性の得られる断面高さの比は、1/5である。第1部分P1と第2部分P2が以上のような形状の差異を有することにより、第1部分P1の断面二次モーメントは、第2部分P2の断面二次モーメントよりも、50%以上大きくなる。このような断面二次モーメントの違いから明らかなように、第1部分P1は第2部分P2よりも曲げモーメントに対する強度が有意に高くなっている。
第3部分(除変部分)P3では、第1部分P1と第2部分P2とを滑らかにつなぐために、壁部11cとコーナー湾曲部12cと中央フランジ部13cの形状が、長手方向の位置によって変化する。中央フランジ部13cは、第1部分P1と接続している箇所が第1部分P1の中央フランジ部13aと同一の幅C1を有するように広く形成されており、且つ第2部分P2と接続している箇所が第2部分P2の中央フランジ部13bと同一の幅C2を有するように狭く形成されている。中央フランジ部13cの幅の変化は、第1部分P1の近傍では緩やかであり、第2部分P2に向かうに連れて大きく且つ一定となり、第2部分P2の近傍では再び緩やかとなる。またコーナー湾曲部12cの断面の半径の変化は、第1部分P1との接続箇所の近傍では緩やかであり、第2部分P2に向かうに連れて大きく且つ一定となり、第2部分P2の近傍では再び緩やかとなる。更に、除変部分P3の壁部11cの高さの変化は、第1部分P1の壁部11aと接続している箇所が壁部11aと同一の高さであったのが、第2部分P2に向かうに連れて最初は急激に低くなったあと次第にゆるやかに低くなり、第2部分P2の壁部11bと同一の高さとなって接続している。この結果、除変部分P3の断面高さは、第1部分P1との接続箇所ではH1であるが第2部分P2に向かうに連れて最初は急激に低くなったあと次第にゆるやかに低くなり、第2部分P2の近傍では第2部分P2の高さと同一のH2となっている(図3参照)。除変部分P3の外周フランジ部14cは、第1部分P1と第2部分P2とを滑らかに接続している。除変部分P3がこのような形状の非線形性を有していることにより、ドアインパクトビーム1が衝突荷重を受けた場合、除変部分P3には応力集中が相対的に発生しやすくなっている。
なお、実施例1のドアインパクトビーム1は、金属板材(例えば厚さ1〜4mmの高張力鋼板)をプレスで一体成形することにより製造される。プレス成形の手法は熱間プレス又は冷間プレスのいずれでもよいが、プレス直前に金属板材を所定の高温度まで加熱し、その高温状態の金属板材に対して相対的に冷えたプレス型でプレス加工を施す熱間プレスの方が好ましい。一般に熱間プレスによれば、ダイクエンチ効果による引張り強度の飛躍的向上や成形後の寸法安定性の向上等を図ることができる。また、金属板材としては、高張力鋼板以外に、亜鉛メッキ鋼板、溶融亜鉛メッキ鋼板、合金化溶融亜鉛メッキ鋼板、アルミニウムメッキ鋼板などを用いることができる。
実施例1のドアインパクトビーム1は、図1及び図2に示すように、壁部11の後端部側のハット形開放断面の開口がドアインナパネル2に向くように配置されて、ドアDに取り付けられる。通常、ドアインパクトビーム1は、その両端のブラケット部9をドアインナパネル2の前後の段部2aにスポット溶接することで、ドア内部に固定される。ドアインナパネルの段部2aはドアアウタパネル3側に盛り上がっているため、ドアインパクトビーム1のドアインナパネル2への固定後ドアアウタパネル3の取り付けを完了した段階で、ドアインパクトビーム1の中央フランジ部13がドアアウタパネル3の内面に接近配置される。
[比較例]
ここで、実施例1のドアインパクトビーム1と対比されるべき比較例のドアインパクトビーム100について図14を用いて説明する。比較例のドアインパクトビーム100は、使用される材料、製造方法及び取付位置はドアインパクトビーム1と同一であるが、その断面形状に違いがある。比較例のドアインパクトビーム100は、ドアインパクトビーム1と同様に、両端にブラケット部が一体成形された長尺な本体部を備えている。図14(C)に示すように、ドアインパクトビーム100の本体部は、中央フランジ部113、一対のコーナー湾曲部112、一対の壁部111及び一対の外周フランジ部114が連なることによってハット形開放断面形状に形成されている。図14に示すように、中央フランジ部113、コーナー湾曲部112、壁部111及び外周フランジ部114の形状は、中央部(図14の右側の端部)から後述する第1部分P101と第3部分(除変部分)P103との境界まで一定である。また、その範囲の断面形状は、実施例1のドアインパクトビーム1の第1部分P1の各部の断面形状と同一である。ドアインパクトビーム100の本体部は、中央部及びその近傍を占める第1部分P101と、長手方向一端部及びその近傍を占める第2部分P102と、第1部分P101と第2部分P102とをつなぐ第3部分(除変部分)P103とに区分される。このとき、各壁部111は、第1部分P101における断面高さが、第2部分P102における断面高さよりも高く形成されている。一方で、比較例のドアインパクトビーム100のコーナー湾曲部112は、ドアインパクトビーム1のコーナー湾曲部12が備えているような形状の変化がない。このことから、ドアインパクトビーム100は、第1部分P101と第2部分P102の断面二次モーメントの差異がドアインパクトビーム1(実施例1)よりも小さくなっており、第3部分(除変部分)P103における形状の非線形性もまた小さくなっている。
[性能の評価]
実施例1のドアインパクトビーム1と比較例のドアインパクトビーム100とを、これらがドア内部に取り付けられた状態での側面衝突を想定した、図5に示すような三点曲げ試験に基づいて性能特性を評価した。例として、三点曲げ試験をドアインパクトビーム1に対して行う場合を説明する。図5(A)に示すように、所定間隔を隔てた二つの支脚6間に評価対象物たるドアインパクトビーム1を架け渡すと共に、両支脚6の中間に位置するドアインパクトビーム1の第1部分P1の荷重の入力点8に、略蒲鉾型の押圧具7を用いて垂直方向の荷重を加えている。なお、図1及び図2に示したドアインパクトビーム1の取り付け構造に対応させるべく、図5(B)に示すように、ハット形開放横断面の開口部が下向きに開口すると共に、中央フランジ部13が押圧具7の下側表面に接するような姿勢でドアインパクトビームを両支脚6上に配置した。その状態でドアインパクトビーム1の第1部分P1に対し、押圧具7による垂直荷重を加えた。
実施例1のドアインパクトビーム1と比較例のドアインパクトビーム100について、三点曲げ試験を行った結果を図8のグラフに示す。グラフの横軸は、押圧具7がドアインパクトビームに対して加えた強制的な変位量を示す。グラフの縦軸は、押圧具7の荷重値を示す。ここで、押圧具7とドアインパクトビームとの接触面は実際には特定の面積を有する領域となるが、その面積はドアインパクトビームの表面積と比較すると非常に小さいため、点として扱うこととし、以下においては「荷重の入力点8」と称する。荷重の入力点8に加わる押圧具7の荷重値はドアインパクトビームの反力とつりあう。それ故、変位量が増大した場合に押圧具7の荷重が減少しないほど、側面衝突が進行してドアインパクトビームが変形してもその剛性が低下しておらず、好ましい衝撃吸収特性を維持していることになる。図8では、実施例1のドアインパクトビーム1に対する荷重値が実線で示されており、比較例のドアインパクトビーム100に対する荷重値が破線で示されている。
図8のグラフからわかるように実施例1のドアインパクトビーム1では、荷重の入力点の変位量が0から30mmになるまでの範囲では、荷重値が右上がり傾向、つまり荷重の入力点8の変位量の増大に伴って荷重値も単調増加する弾性変形に近い傾向を示した。更に、変位量が30mmを超えたあとも荷重値は徐々に増加して、変位量が90mmとなる手前で荷重値は最大値(max)となった。その後、変位量が90mmを超えるあたりから荷重値は徐々に低下する傾向を示した。つまり実施例1のドアインパクトビーム1は、側面衝突が進行してドアインパクトビームの変形量が増大し、一部に塑性歪みが発生した後も反力が急に低下することがなく、従って衝突エネルギー吸収性能を安定的に維持できることが明らかとなった。
これに対して、比較例のドアインパクトビーム100では、荷重の入力点8の変位量が0から約30mmの範囲では、ドアインパクトビーム1と同じように荷重値が単調増加する弾性変形に近い傾向を示し、更に変位量が30mmから90mmの範囲においても荷重値は徐々に増加して最大値(Max)に到達した。しかしながら、変位量が約90mmを超えてからは、荷重値が急勾配で単調減少傾向を示し、変位量が120mmに達した時点でのドアインパクトビーム100に対する荷重値は、ドアインパクトビーム100の荷重値の最大値(Max)の三分の一程度にまで低下した。つまりドアインパクトビーム100では、側面衝突が進行してドアインパクトビームの変形量が増大していくと、衝突エネルギーの吸収性能が比較的早く低下し、衝突エネルギー吸収性能を安定的に維持することができないことが明らかとなった。
図6は、実施例1のドアインパクトビーム1の性能評価試験後の変形と応力分布とを示す。図7は、特に荷重の入力点8の近傍の変形と応力分布の部分拡大図である。第1部分P1の荷重の入力点8に応力集中が発生している。これに加えて、断面二次モーメントが第1部分P1よりも小さい第2部分P2と第3部分P3との接続箇所(2つ)に入力点とほぼ同程度の応力値を示している箇所がある。つまり、荷重の入力点8と、第2部分P2と第3部分P3との接続箇所の合計三点で、荷重を分散して受けていることが判明した。また変形に関しては、荷重の入力点8の変位量が最も大きくなっている一方で、第2部分P2と第3部分P3とが接続している箇所の変形が周囲よりも大きくなっており、ドアインパクトビーム1全体が湾曲するように変形したことが判明した。
比較例のドアインパクトビーム100の性能評価試験後の変形と応力分布とを図15及び図16に示す。図16は、特に荷重の入力点8の近傍の変形と応力分布の部分拡大図である。ドアインパクトビーム100においては、第1部分P1の荷重の入力点8に著しい応力集中が発生しており、周囲にこれと同程度の応力値を示す領域は見いだせない。つまり、荷重が一点に集中していることが明らかとなった。また変形に関しては、荷重の入力点8が最も大きく変形し、インパクトビーム100が入力点8を中心にして屈曲したことが示されている。このように、比較例のドアインパクトビーム100では、荷重が入力点8に集中していることから、荷重入力点8あたりのみで塑性歪み量が増大して本体部のハット形開放断面形状が維持されなくなり、比較的早期に剛性が低下する。
上記性能評価試験によれば、実施例1のドアインパクトビーム1においては、荷重の分散が好適に行われることで塑性歪みもまた分散して生じ、変位量に対する塑性歪み量の増加が相対的に遅れると考えられる。それ故、実施例1のドアインパクトビーム1は、比較例よりも剛性の低下が防止されて、安定した衝突エネルギー吸収性能を発揮できる。
[実施例2]
図9は本発明の実施例2を示す。図9(A)〜(C)に示すように、実施例2のドアインパクトビーム20の本体部は、中央フランジ部33、一対のコーナー湾曲部32、一対の壁部31、一対の外周フランジ部34を備えており、これらの点は実施例1と同じである。実施例2では、ドアインパクトビーム20の第3部分(除変部分)P23は、実施例1の第3部分P3よりも長手方向に長く形成されている。
第3部分(除変部分)P23のコーナー湾曲部32cは、第2部分P22に隣接すると共にこの第2部分P22と同一の断面積を維持している一定長の区間と、第1部分P21に隣接する残り区間とを有している。この残り区間では、第1部分P21に近づくにつれてコーナー湾曲部32cの断面積が徐々に狭くなっている。
また、第3部分(除変部分)P23の壁部31cは、第1部分P21の壁部31aと接続している箇所では壁部31aと同一の高さであったのが、次第に低くなり、中央部分では一定の高さを維持した後に、第2部分P22の壁部31bに向かうに連れて急激に低くなり、最終的に第2部分P22の壁部31bと同一の高さとなっている。換言すれば、第3部分P23は、第1部分P21に隣接すると共に第1部分と同一の断面高さH1を有する一定長の区間と、第2部分P22に隣接する残り区間とを有している。この残り区間では、第2部分P22に近づくにつれて断面高さが第2部分での断面高さH2に向けて徐々に低くなっている。
このように、実施例2の除変部分P23は、コーナー湾曲部32cの断面積が第2部分P22のコーナー湾曲部32bの断面積と同一となる一定長の区間を備えると共に、断面高さが第1部分と同一の断面高さH1を有する一定長の区間を備えている。このため、実施例2の除変部分P23では、コーナー湾曲部32cの形状が第1部分P21との接続箇所から変化しはじめるのに対し、その断面高さが変化しはじめる長手方向の位置が第2部分P22寄りとなっている。従って、実施例2のドアインパクトビーム20の除変部分P23は、実施例1のドアインパクトビーム1と比較すると断面二次モーメントが緩やかに変化している。
実施例2のドアインパクトビーム20について、三点曲げ試験を行ったときの荷重の入力点8の変位量と荷重との関係を示すグラフを図10に実線で示す。比較のために、実施例1のドアインパクトビーム1の三点曲げ試験の結果を図10に破線で示す。ドアインパクトビーム20では、ドアインパクトビーム1と同様に、荷重の入力点8の変位量が0から約30mmの範囲では、変位量の増大に伴って荷重値も単調増加して弾性変形に近い傾向を示し、更に変位量が30mmを超えたあとも荷重値は徐々に増加して、変位量が90mmとなる手前で荷重値は最大値(max)となった。その後、変位量が90mm周辺から138mm周辺の領域にかけては、ドアインパクトビーム20の荷重値はドアインパクトビーム1の荷重値を常に下回る値となって、徐々に低下したが、変位量138mmを越えた領域では、ドアインパクトビーム1よりも高い荷重値を示した。
ドアインパクトビーム20の変位に対する荷重値の変化の傾向がドアインパクトビーム1と異なる理由は、除変部分P23と除変部分P3の形状の違いに由来して、荷重の入力点8とそれぞれの除変部分との間の荷重の分散される割合が、変形の程度によって異なってくることにあると考えられる。ドアインパクトビーム20のように除変部分P23の断面二次モーメントを急激に変化させない場合、変位量が90mm周辺から138mm周辺の領域では荷重の入力点8に荷重が集中して塑性変形が進むために、荷重値が相対的に小さくなると考えられる。逆に変位量が138mmを越えた場合には、それまで塑性変形が相対的に小さかった除変部分P23によって荷重が支持されるために、変位に対する荷重値が相対的に大きく保たれると考えられる。実施例2のドアインパクトビーム20のような除変部分P23の形状を備えることによって、衝突荷重を受けた場合の荷重と変位の関係を適宜調節することが可能となる。
[実施例3]
図11は本発明の実施例3を示す。図11(A)〜(C)に示すように、実施例3のドアインパクトビーム40の本体部は、中央フランジ部53、一対のコーナー湾曲部52、一対の壁部51、一対の外周フランジ部54を備えており、これらの点は実施例1と同じである。実施例3では、ドアインパクトビーム40の第3部分(除変部分)P43は、実施例1の第3部分P3よりも長手方向に長く形成されている。
第3部分(除変部分)P43のコーナー湾曲部52cは、第1部分P41に隣接すると共にこの第1部分P41と同一の断面積を維持している一定長の区間と、第2部分P42に隣接する残り区間とを有している。この残り区間では、第2部分P42に近づくにつれてコーナー湾曲部52cの断面積が徐々に広くなっている。
また、第3部分P43は、第2部分P42に隣接すると共に第2部分P42と同一の断面高さH2を有する一定長の区間と、第1部分P41に隣接する残り区間とを有している。この残り区間では、第1部分P41に近づくにつれて断面高さが第1部分での断面高さH1に向けて徐々に高くなっている。
このように、実施例3の除変部分P43では、コーナー湾曲部52cの形状が変化しはじめる長手方向の位置が第2部分P42寄りに位置すると共に、断面高さが変化しはじめる長手方向の位置が第1部分P41との接続する位置にある。従って、実施例3のドアインパクトビーム40は、実施例2とはその形状が異なるものの、実施例1のドアインパクトビーム1と比較すると断面二次モーメントの変化が緩やかであるという実施例2と同様の特徴を備えている。
実施例3のドアインパクトビーム40について、三点曲げ試験を行ったときの荷重の入力点8の変位量と荷重との関係を示すグラフを図12に実線で示す。比較のために、実施例1のドアインパクトビーム1の三点曲げ試験の結果を図12に破線で示す。ドアインパクトビーム40では、ドアインパクトビーム1と同様に、荷重の入力点8の変位量が0から約30mmの範囲では、変位量の増大に伴って荷重値も単調増加する弾性変形に近い傾向を示し、更に変位量が30mmを超えたあとも荷重値は徐々に増加して、変位量が90mmとなる手前で荷重値は最大値(max)となった。その後、変位量が90mm周辺から138mm周辺の領域にかけては、ドアインパクトビーム40の荷重値はドアインパクトビーム1の荷重値を常に下回る値となって徐々に低下したが、変位量138mmを越えた領域では、ドアインパクトビーム1よりも高い荷重値を示した。このドアインパクトビーム40において、変位90mmから変位138mmにおける荷重値の減少は、実施例2のドアインパクトビーム20よりもゆるやかであり、変位138mmのときドアインパクトビーム1の荷重値の90%の値を示した。
実施例3のドアインパクトビーム40の性能特性評価から明らかであるように、除変部分の形状をアレンジすることで、衝突荷重を受けた場合の荷重と変位の関係を適宜調節することが可能となる。
[実施例4]
図13は本発明の実施例4を示す。図13(A)〜(C)に示すように、実施例4のドアインパクトビーム60の本体部は、中央フランジ部73、一対のコーナー湾曲部72、一対の壁部71、一対の外周フランジ部74を有しており、これらの点は実施例1と同じである。実施例4では、第1部分P61の中央フランジ部73aの幅が、第2部分P62の中央フランジ部73bの幅よりも広くなっている。第1部分P61におけるコーナー湾曲部72aの断面積が、第2部分P62におけるコーナー湾曲部72bの断面積よりも狭くなっている。第1部分P61の断面高さH1が第2部分P62の断面高さH2よりも高くなっている。そして、第3部分P63が、第1部分P61と第2部分P62とを滑らかに接続する除変部分として設けられている。第3部分P63における断面高さは、第1部分の断面高さH1と第2部分の断面高さH2との間で徐々に変化する。また、第3部分P63におけるコーナー湾曲部72cの断面積は、第1部分P61のコーナー湾曲部72aの断面積と第2部分P62のコーナー湾曲部72bの断面積との間で徐々に変化する。
更に実施例4では、第1部分P61の幅W1が第2部分P62の幅W2よりも広くなっている。ここで、幅(W1,W2)とは、第1又は第2部分における一方の外周フランジ部74の外端と、他方の外周フランジ部74の外端との間の距離をいう。第1部分P61の幅W1が、第2部分P62の幅W2よりも広いことで、第1部分P61の断面二次モーメントが第2部分P62の断面二次モーメントよりも一層大きくなっている。これにより、側面衝突時の荷重を、第2部分P62側により大きく分散させることができる。
[バンパーリンフォースメント]
本発明を車輌用衝突補強材の一種であるバンパーリンフォースメントに具体化したいくつかの実施形態を、図面を参照しつつ説明する。図17に示すように、一般にバンパーリンフォースメント(1B)は、乗用自動車のフレームを構成するサイドメンバー91の先端部に対し、クラッシュボックス92を介して支持される。
[実施例5]
実施例5のバンパーリンフォースメント1Bは、実施例1のドアインパクトビーム1と同様に長尺な本体部10を具備する。実施例5のバンパーリンフォースメント1Bの基本構造は、実施例1のドアインパクトビーム1の構造と大変類似している。それ故、図18〜図21では、図3,4,6,7で用いられたのと同様の部材参照番号を付けている。図18は、本体部10を中央で切断した状態のバンパーリンフォースメント1Bを示す。図18に示された本体部10の中央部及び端部の位置が、図3に示された中央部及び端部の位置と異なっている点に注意されたし。
バンパーリンフォースメント1Bの本体部10は、相対向する一対の壁部11(11a,11b,11c)と、両壁部11の前端部間に配置される平板状の中央フランジ部13(13a,13b,13c)と、壁部11の前端部と中央フランジ部13とを連結する一対のコーナー湾曲部12(12a,12b,12c)と、両壁部11の各々の後端部からそれぞれ外方向に延出した一対の外周フランジ部14(14a,14b,14c)とを有している。バンパーリンフォースメント1Bの本体部10は、実施例1と同様、ハット形の開放断面形状を有している。
バンパーリンフォースメント1Bの本体部10は、その長手方向中央部及びその近傍を占める第1部分P1と、本体部10の長手方向両端部とその近傍を占める一対の第2部分P2と、第1部分P1と第2部分P2との間に位置しており、第1部分P1と第2部分P2とをそれぞれ滑らかに接続する一対の第3部分(除変部分)P3に区分される。
バンパーリンフォースメント1Bにおいて、第1部分P1は、第2部分P2よりも断面二次モーメントの値が有意に大きくなる形状を備えている。図19(A)に示すように、第1部分P1における中央フランジ部13aの幅C1は、第2部分P2における中央フランジ部13bの幅C2よりも広くなっている。また第1部分P1における各コーナー湾曲部12aの断面積は、第2部分P2における各コーナー湾曲部12bの断面積よりも狭くなっている。なお、本体部10の厚みはどこも均一であるため、各部分(P1〜P3)でのコーナー湾曲部12の断面積は、各部分(P1〜P3)でのコーナー湾曲部12の半径(R)と相関性を有する。更に第1部分P1の断面高さH1が、第2部分P2の全体の断面高さH2よりも高く形成されている。この断面高さの差は、壁部11aが壁部11bよりも高く形成されていることに由来する。
より詳細には、第1部分P1と第2部分P2のコーナー湾曲部12a,12bの断面形状は、いずれも中心角が90°の円弧状に形成されている。好ましくは、第1部分P1におけるコーナー湾曲部12aの断面の半径R1と、第2部分P2におけるコーナー湾曲部12bの断面の半径R2との比(R1/R2)は、1/2〜1/5の範囲に設定される。また、第1部分の断面高さH1と第2部分の断面高さH2との差と、第1部分P1の断面高さH1との比((H1−H2)/H1)が、1/10〜1/2の範囲に設定されていることが好ましい。ここで、特に好ましい特性の得られる断面高さの比は、1/5である。第1部分P1と第2部分P2が以上のような形状の差異を有することにより、第1部分P1の断面二次モーメントは、第2部分P2の断面二次モーメントよりも、50%以上大きくなる。このような断面二次モーメントの違いから明らかなように、第1部分P1は第2部分P2よりも曲げモーメントに対する強度が有意に高くなっている。
第3部分(除変部分)P3では、第1部分P1と第2部分P2とを滑らかにつなぐために、壁部11cとコーナー湾曲部12cと中央フランジ部13cの形状が、長手方向の位置によって変化する。中央フランジ部13cは、第1部分P1と接続している箇所が第1部分P1の中央フランジ部13aと同一の幅C1を有するように広く形成されており、且つ第2部分P2と接続している箇所が第2部分P2の中央フランジ部13bと同一の幅C2を有するように狭く形成されている。中央フランジ部13cの幅の変化は、第1部分P1の近傍では緩やかであり、第2部分P2に向かうに連れて大きく且つ一定となり、第2部分P2の近傍では再び緩やかとなる。またコーナー湾曲部12cの断面の半径の変化は、第1部分P1との接続箇所の近傍では緩やかであり、第2部分P2に向かうに連れて大きく且つ一定となり、第2部分P2の近傍では再び緩やかとなる。更に、除変部分P3の壁部11cの高さの変化は、第1部分P1の壁部11aと接続している箇所が壁部11aと同一の高さであったのが、第2部分P2に向かうに連れて最初は急激に低くなったあと次第にゆるやかに低くなり、第2部分P2の壁部11bと同一の高さとなって接続している。この結果、除変部分P3の断面高さは、第1部分P1との接続箇所ではH1であるが第2部分P2に向かうに連れて最初は急激に低くなったあと次第にゆるやかに低くなり、第2部分P2の近傍では第2部分P2の高さと同一のH2となっている(図18参照)。除変部分P3の外周フランジ部14cは、第1部分P1と第2部分P2とを滑らかに接続している。除変部分P3がこのような形状の非線形性を有していることにより、バンパーリンフォースメント1Bが衝突荷重を受けた場合、除変部分P3には応力集中が相対的に発生しやすくなっている。
なお、実施例5のバンパーリンフォースメント1Bは、実施例1と同様、金属板材(例えば厚さ1〜4mmの高張力鋼板)をプレス(好ましくは熱間プレス)で一体成形することにより製造される。
実施例5のバンパーリンフォースメント1Bの性能特性を、実施例1と同様、図5に示すような三点曲げ試験によって評価した。その結果を図22のグラフに示す。図22のグラフから分かるように、実施例5のバンパーリンフォースメント1Bは、実施例1と同様、衝突時においても衝突エネルギー吸収性能を安定的に維持することができる。
図20は、実施例5のバンパーリンフォースメント1Bの性能評価試験後の変形と応力分布とを示す。図21は、荷重の入力点8の近傍の変形と応力分布の部分拡大図である。図20及び図21からわかるように、実施例5のバンパーリンフォースメント1Bは、実施例1と同様、衝突時の荷重を三点で分散して受け止めることができる。
[実施例6]
図23は本発明の実施例6を示す。実施例6のバンパーリンフォースメント20Bの基本構造は、実施例2のドアインパクトビーム20の構造と大変類似している。それ故、図23では、図9で用いられたのと同様の部材参照番号を付けている。
図23(A)〜(C)に示すように、バンパーリンフォースメント20Bの本体部は、中央フランジ部33、一対のコーナー湾曲部32、一対の壁部31、一対の外周フランジ部34を備えており、これらの点は実施例5と同じである。実施例6では、バンパーリンフォースメント20Bの第3部分(除変部分)P23は、実施例5の第3部分P3よりも長手方向に長く形成されている。
第3部分(除変部分)P23のコーナー湾曲部32cは、第2部分P22に隣接すると共にこの第2部分P22と同一の断面積を維持している一定長の区間と、第1部分P21に隣接する残り区間とを有している。この残り区間では、第1部分P21に近づくにつれてコーナー湾曲部32cの断面積が徐々に狭くなっている。また、第3部分P23は、第1部分P21に隣接すると共に第1部分と同一の断面高さH1を有する一定長の区間と、第2部分P22に隣接する残り区間とを有している。この残り区間では、第2部分P22に近づくにつれて断面高さが第2部分での断面高さH2に向けて徐々に低くなっている。
このように、実施例6の除変部分P23は、コーナー湾曲部32cの断面積が第2部分P22のコーナー湾曲部32bの断面積と同一となる一定長の区間を備えると共に、断面高さが第1部分P21と同一の断面高さH1を有する一定長の区間を備えている。このため、実施例6の除変部分P23では、コーナー湾曲部32cの形状が第1部分P21との接続箇所から変化しはじめるのに対し、その断面高さが変化しはじめる長手方向の位置が第2部分P22寄りとなっている。従って、実施例6のバンパーリンフォースメント20Bの除変部分P23は、実施例5のバンパーリンフォースメント1Bと比較すると断面二次モーメントが緩やかに変化している。
図24のグラフは、三点曲げ試験における変位量と荷重との関係を示す。図24から分かるように、実施例6のバンパーリンフォースメント20Bは、実施例5とほぼ同等の性能を示した。
[実施例7]
図25は本発明の実施例7を示す。実施例7のバンパーリンフォースメント40Bの基本構造は、実施例3のドアインパクトビーム40の構造と大変類似している。それ故、図25では、図11で用いられたのと同様の部材参照番号を付けている。
図25(A)〜(C)に示すように、バンパーリンフォースメント40Bの本体部は、中央フランジ部53、一対のコーナー湾曲部52、一対の壁部51、一対の外周フランジ部54を備えており、これらの点は実施例5と同じである。実施例7では、バンパーリンフォースメント40Bの第3部分(除変部分)P43は、実施例5の第3部分P3よりも長手方向に長く形成されている。
第3部分(除変部分)P43のコーナー湾曲部52cは、第1部分P41に隣接すると共にこの第1部分P41と同一の断面積を維持している一定長の区間と、第2部分P42に隣接する残り区間とを有している。この残り区間では、第2部分P42に近づくにつれてコーナー湾曲部52cの断面積が徐々に広くなっている。また、第3部分P43は、第2部分P42に隣接すると共に第2部分P42と同一の断面高さH2を有する一定長の区間と、第1部分P41に隣接する残り区間とを有している。この残り区間では、第1部分P41に近づくにつれて断面高さが第1部分での断面高さH1に向けて徐々に高くなっている。
このように、実施例7の除変部分P43では、コーナー湾曲部52cの形状が変化しはじめる長手方向の位置が第2部分P42寄りに位置すると共に、断面高さが変化しはじめる長手方向の位置が第1部分P41との接続する位置にある。従って、実施例7のバンパーリンフォースメント40Bは、実施例6とはその形状が異なるものの、実施例5のバンパーリンフォースメント1Bと比較すると断面二次モーメントの変化が緩やかであるという実施例6と同様の特徴を備えている。
図26のグラフは、三点曲げ試験における変位量と荷重との関係を示す。図26から分かるように、実施例7のバンパーリンフォースメント40Bは、実施例5とほぼ同等の性能を示した。
[実施例8]
図27は本発明の実施例8を示す。実施例8のバンパーリンフォースメント60Bの基本構造は、実施例4のドアインパクトビーム60の構造と大変類似している。それ故、図27では、図13で用いられたのと同様の部材参照番号を付けている。
図27(A)〜(C)に示すように、バンパーリンフォースメント60Bの本体部は、中央フランジ部73、一対のコーナー湾曲部72、一対の壁部71、一対の外周フランジ部74を有しており、これらの点は実施例5と同じである。実施例8では、第1部分P61の中央フランジ部73aの幅が、第2部分P62の中央フランジ部73bの幅よりも広くなっている。第1部分P61におけるコーナー湾曲部72aの断面積が、第2部分P62におけるコーナー湾曲部72bの断面積よりも狭くなっている。第1部分P61の断面高さH1が第2部分P62の断面高さH2よりも高くなっている。そして、第3部分P63が、第1部分P61と第2部分P62とを滑らかに接続する除変部分として設けられている。第3部分P63における断面高さは、第1部分の断面高さH1と第2部分の断面高さH2との間で徐々に変化する。また、第3部分P63におけるコーナー湾曲部72cの断面積は、第1部分P61のコーナー湾曲部72aの断面積と第2部分P62のコーナー湾曲部72bの断面積との間で徐々に変化する。
更に実施例8では、第1部分P61の幅W1が第2部分P62の幅W2よりも広くなっている。第1部分P61の幅W1が、第2部分P62の幅W2よりも広いことで、第1部分P61の断面二次モーメントが第2部分P62の断面二次モーメントよりも一層大きくなっている。これにより、側面衝突時の荷重を、第2部分P62側により大きく分散させることができる。
1,20,40,60…ドアインパクトビーム
1B,20B,40B,60B…バンパーリンフォースメント
10…長尺な本体部
11,31,51,71…壁部
12,32,52,72…コーナー湾曲部
13,33,53,73…中央フランジ部
14,34,54,74…外周フランジ部
P1,P21,P41,P61…第1部分
P2,P22,P42,P62…第2部分
P3,P23,P43,P63…第3部分(除変部分)
C1…第1部分の中央フランジ部の幅
C2…第2部分の中央フランジ部の幅
H1…第1部分の断面高さ
H2…第2部分の断面高さ
R1…第1部分のコーナー湾曲部の半径
R2…第2部分のコーナー湾曲部の半径

Claims (7)

  1. それぞれに前端部及び後端部を有してなる、相対向する一対の壁部(11,31,51,71)と、
    前記両壁部の前端部間に配置される平板状の中央フランジ部(13,33,53,73)と、
    前記壁部の前端部と前記中央フランジ部とを連結する一対のコーナー湾曲部(12,32,52,72)と、
    前記両壁部の各々の後端部からそれぞれ外方向に延出した一対の外周フランジ部(14,34,54,74)と、
    を有する長尺な本体部(10)を備え、その本体部の横断面形状が、前記一対の壁部、中央フランジ部、一対のコーナー湾曲部、及び一対の外周フランジ部によって、両壁部の後端部側に開口したハット形開放断面形状をなしている車輌用衝突補強材であって、
    前記本体部(10)は、その長手方向の中央部から一端部までの範囲において、中央部又はその近傍を占める第1部分(P1,P21,P41,P61)と、前記長手方向一端部及びその近傍を占める第2部分(P2,P22,P42,P62)と、前記第1部分と前記第2部分とをつなぐ第3部分(P3,P23,P43,P63)とに区分され、
    前記第1部分における中央フランジ部の幅(C1)が前記第2部分における中央フランジ部の幅(C2)よりも広くなっており、
    前記第1部分における各コーナー湾曲部の断面積が前記第2部分における各コーナー湾曲部の断面積よりも狭くなっており、
    前記第1部分の断面高さ(H1)が前記第2部分の断面高さ(H2)よりも高く形成されており、
    前記第3部分が、前記第1部分と前記第2部分とを滑らかに接続する除変部分として設けられている、ことを特徴とする車輌用衝突補強材。
  2. 前記本体部(10)は、その中央部を占める第1部分(P1,P21,P41,P61)と、前記第1部分の長手方向両側に位置する一対の第3部分(P3,P23,P43,P63)と、それぞれの第3部分に連結して当該本体部の長手方向両端部にまで延びる一対の第2部分(P2,P22,P42,P62)とを備えており、且つ、この本体部は、前記中央部に対し長手方向において対称な形状を有している、ことを特徴とする請求項1に記載の車輌用衝突補強材。
  3. 前記一対のコーナー湾曲部の各々の断面形状は中心角が90°の円弧状であり、
    前記第1部分におけるコーナー湾曲部の断面の半径を「R1」とし、前記第2部分におけるコーナー湾曲部の断面の半径を「R2」とするとき、半径R1と半径R2との比(R1/R2)が、1/2〜1/5の範囲に設定されている、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の車輌用衝突補強材。
  4. 前記第1部分の断面高さ(H1)と前記第2部分の断面高さ(H2)の差と、前記第1部分の断面高さ(H1)との間の比((H1−H2)/H1)が、1/10〜1/2の範囲に設定されている、ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の車輌用衝突補強材。
  5. 前記第3部分(P3,P63)における断面高さは、前記第1部分の断面高さ(H1)と前記第2部分の断面高さ(H2)との間で徐々に変化し、
    前記第3部分(P3,P63)における各コーナー湾曲部の断面積は、前記第1部分における各コーナー湾曲部の断面積と前記第2部分における各コーナー湾曲部の断面積との間で徐々に変化する、ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の車輌用衝突補強材。
  6. 前記第3部分(P23)は、前記第1部分(P21)に隣接すると共に前記第1部分と同一の断面高さ(H1)を有する一定長の区間と、前記第2部分(P22)に隣接する残り区間とを有しており、この残り区間では、前記第2部分(P22)に近づくにつれて断面高さが前記第2部分での断面高さ(H2)に向けて徐々に低くなり、
    前記第3部分(P23)のコーナー湾曲部の各々は、前記第2部分(P22)に隣接すると共に前記第2部分と同一の断面積を備えた一定長の区間と、前記第1部分(P21)に隣接する残り区間とを有しており、この残り区間では、前記第1部分(P21)に近づくにつれて各コーナー湾曲部の断面積が徐々に狭くなる、ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の車輌用衝突補強材。
  7. 前記第3部分(P43)は、前記第2部分(P42)に隣接すると共に前記第2部分と同一の断面高さ(H2)を有する一定長の区間と、前記第1部分(P41)に隣接する残り区間とを有しており、この残り区間では、前記第1部分(P41)に近づくにつれて断面高さが前記第1部分での断面高さ(H1)に向けて徐々に高くなり、
    前記第3部分(P43)のコーナー湾曲部の各々は、前記第1部分(P41)に隣接すると共に前記第1部分と同一の断面積を備えた一定長の区間と、前記第2部分(P42)に隣接する残り区間とを有しており、この残り区間では、前記第2部分(P42)に近づくにつれて各コーナー湾曲部の断面積が徐々に広くなる、ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の車輌用衝突補強材。
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