JP7363829B2 - 車体側部構造 - Google Patents

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Description

本発明は、車体側部構造に関し、特に、サイドシルとセンターピラーの下端部とを接合した車体側部構造に関する。
一般的に、自動車の車体側部構造は、車体下部に位置して車長方向に延びるサイドシルと車高方向に延びるセンターピラーの下端部とが接合した構造である。このような車体側部構造において、センターピラーは、車体の外面形状等に合わせた立体的な形状にプレス成形されることが要求されている。また、センターピラーにおいては、車両側方からの衝突に対する側面衝突性能や、車両走行中にレーンチェンジや段差乗り上げ時に生じる車体のねじりに対する剛性(以下、「ねじり剛性」という)を高めることが必要である。
サイドシルと接合されるセンターピラーの下端部は、特許文献1~特許文献4に開示されているように(図5参照)、車体の側面視において車長方向の前側と後側へと延出するように二又に分岐した形状である略逆T字型形状を有する天板部231と、天板部231から連続する縦壁部235と、を備えた形状にプレス成形されており、ハット断面形状のサイドシル210の車高方向上部側を覆うようにして接合される。
特許第6197841号公報 特許第6698393号公報 WO2015-098673号公報 特許第5663669号公報
近年、自動車に対するより一層の衝突安全性の向上要求に対し、高強度鋼板の自動車部品への適用拡大の動きがあり、センターピラー等の車体骨格部品についても高強度鋼板の適用が望まれている。
しかし、一般的に、鋼板のプレス成形性は高強度鋼板ほど低下し、特に引張強度980MPa級以上の高強度鋼板(以下、「超高強度鋼板」という)では、プレス成形過程での割れやしわの発生が従来の高強度鋼板に増して問題であった。
特許文献1~特許文献4に開示されているような略逆T字型形状の下端部を有するハット断面形状のセンターピラー230(図5)のプレス成形においては、天板部231における略逆T字型形状の付け根に相当する湾曲した部位から連続する縦壁部235は伸びフランジ成形となり、縦壁部235の下端においては伸びフランジ割れが発生しやすく、また、天板部231においては縮みフランジ成形となりしわが発生しやすい。
その上、略逆T字型形状といった複雑な形状の下端部を有するセンターピラー230のプレス成形に高強度鋼板を適用した場合、プレス成形により生じた残留応力が駆動力となり、金型から離型した後の弾性変形によるスプリングバックが発生し、センターピラー230の寸法精度の確保が難しくなる場合がある。
このように、略逆T字型形状の下端部を有するセンターピラー230は、その成形過程において伸びフランジ成形を伴う難成形部品であり、また、プレス成形した後のスプリングバックによる寸法精度の低下が起こりやすいため、超高強度鋼板の適用が阻害されていた。
そこで、センターピラーへの超高強度鋼板の適用を図るため、センターピラーの下端部を長手方向に直線状に延在させて立体的な湾曲形状を廃した形状(以下、「ストレート形状」という)とすることにより、割れやしわの発生に関わるプレス成形難易度が低下することが考えられる。しかしながら、センターピラーの下端部を単純なストレート形状とすることで、センターピラー自体のねじり剛性は低下し、該下端部をサイドシルに接合した車体側部構造全体についてもねじり剛性が低下してしまう。そのため、サイドシルに接合するセンターピラーに対しては、プレス成形難易度を低下した形状にしつつねじり剛性を確保することが望まれていた。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、超高強度鋼板を適用可能な形状とした下端部を有するセンターピラーをサイドシルに接合してねじり剛性を確保することができる自動車の車体側部構造を提供することを目的とする。
(1)本発明における車体側部構造は、車長方向に延在するサイドシルに車高方向に延在するセンターピラーの下端部が接合されたものであって、
前記サイドシルは、
車幅方向の車外側に配置される側板部と、
該側板部の上端辺から連続する上側縦壁部と、
該上側縦壁部から連続する上側フランジ部と、
前記側板部の下端辺から連続する下側縦壁部と、
該下側縦壁部から連続する下側フランジ部と、を備えるハット断面形状であり、
前記上側縦壁部から前記上側フランジ部にわたって形成されて前記センターピラーの前記下端部が挿入する開口部を有し、
前記センターピラーは、
車幅方向の車外側に配置される天板部と、
該天板部からパンチ肩R部を介して連続する縦壁部と、
該縦壁部からダイ肩R部を介して連続するフランジ部と、を備え、前記下端部における前記パンチ肩R部と前記ダイ肩R部とが直線状に延在するハット断面形状であり、
前記天板部の下端辺から延出して前記サイドシルの前記下側縦壁部及び前記下側フランジ部の内面に沿うように屈曲形成された天板延出部と、前記フランジ部の下端辺から延出したフランジ延出部とをさらに有し、
前記サイドシルの前記開口部に挿入された前記センターピラーの前記パンチ肩R部の下端が前記下側縦壁部の内面に当接した状態において、
前記天板部と前記側板部の内面とが当接する第1当接部と、
前記天板延出部と前記下側フランジ部の内面とが当接する第2当接部と、
前記フランジ部と前記上側フランジ部の内面とが当接する第3当接部と、
前記フランジ延出部と前記下側フランジ部の内面とが当接する第4当接部と、を有し、
前記第1当接部から前記第4当接部のうち1箇所以上が接合されていることを特徴とするものである。
(2)上記(1)に記載のものにおいて、
前記サイドシルと前記センターピラーの前記下端部とが接合された箇所として、前記第2当接部及び/又は前記第4当接部が含まれていることを特徴とするものである。
(3)本発明に係る車体側部構造は、車長方向に延在するサイドシルに車高方向に延在するセンターピラーの下端部が接合されたものであって、
前記サイドシルは、
車幅方向の車外側に配置される側板部と、
該側板部の上端辺から連続する上側縦壁部と、
該上側縦壁部から連続する上側フランジ部と、
前記側板部の下端辺から連続する下側縦壁部と、
該下側縦壁部から連続する下側フランジ部と、を備えるハット断面形状であり、
前記センターピラーは、
車幅方向の車外側に配置される天板部と、
該天板部からパンチ肩R部を介して連続する縦壁部と、
該縦壁部からダイ肩R部を介して連続するフランジ部と、を備え、前記下端部における前記パンチ肩R部と前記ダイ肩R部とが直線状に延在するハット断面形状であり、
前記天板部から延出して前記サイドシルの前記側板部、前記下側縦壁部及び前記下側フランジ部の外面に沿うように屈曲形成された天板延出部をさらに有し、
前記センターピラーの前記下端部における前記天板延出部が前記サイドシルの中央部における前記側板部、前記下側縦壁部及び前記下側フランジ部の外面を覆った状態において、
前記天板延出部と前記側板部の外面とが当接する第1当接部と、
前記天板延出部と前記下側縦壁部及び前記下側フランジ部の外面とが当接する第2当接部と、
前記フランジ部と前記上側フランジ部の外面とが当接する第3当接部と、を有し、
前記第1当接部から前記第3当接部のうち1箇所以上が接合されていることを特徴とするものである。
(4)上記(3)に記載のものにおいて、
前記サイドシルと前記センターピラーの前記下端部とが接合された箇所として、前記第2当接部が含まれていることを特徴とするものである。
(5)上記(1)乃至(4)のいずれかに記載のものにおいて、
前記センターピラーは、引張強度が980MPa級以上の鋼板を用いてプレス成形されたものであることを特徴とするものである。
本発明においては、ハット断面形状のセンターピラーの下端部におけるパンチ肩R部とダイ肩R部をストレート形状とすることでプレス成形難易度が低下して超高強度鋼板を適用可能な形状にしつつ、センターピラーの下端部とサイドシルとが接合可能な箇所を多くしたことにより、従来の車体側部構造と同等のねじり剛性を確保することができる。
本発明の実施の形態1に係る車体側部構造の構成を説明する図である((a)車幅方向の車外側からの側面図、(b)車幅方向の車内側からの側面図、(c)車長方向に直交する断面の断面図)。 本発明の実施の形態1に係る車体側部構造におけるサイドシルとセンターピラーを説明する図である((a)サイドシル、(b)センターピラー)。 本発明の実施の形態2に係る車体側部構造の構成を説明する図である((a)車幅方向の車外側からの側面図、(b)車長方向に直交する断面の断面図)。 実施例において、車体側部構造のねじり剛性の評価に用いた自動車と、該ねじり剛性の評価方法を説明する図である。 従来の車体側部構造の構成を説明する図である((a)車幅方向の車外側からの側面図、(b)車長方向に直交する断面の断面図)。
[実施の形態1]
本発明の実施の形態1に係る車体側部構造1は、図1に一例として示すように、車長方向に延在するサイドシル10に、車高方向に延在するセンターピラー30の下端部が結合されたものである。
なお、本明細書におけるセンターピラー及びサイドシルの姿勢及び配置に関する「上端辺」、「下端辺」、「下端部」、「下端」、「車外側」、「車内側」等の語句や、方向に関する「車高方向」、「車長方向」及び「車幅方向」といった語句は、実車両を基準とした相対的な位置及び方向を表すものである。
サイドシル10は、図1及び図2(a)に示すように、車幅方向の車外側に配置される側板部11と、側板部11の上端辺から連続する上側縦壁部13と、上側縦壁部13から連続する上側フランジ部15と、側板部11の下端辺から連続する下側縦壁部17と、下側縦壁部17から連続する下側フランジ部19と、を備えるハット断面形状であり、車長方向のほぼ中央部において上側縦壁部13から前記上側フランジ部15にわたって形成されてセンターピラー30の下端部が挿入される開口部21を有する。
センターピラー30は、図1及び図2(b)に示すように、ハット断面形状であり、車幅方向の車外側に配置される天板部31と、天板部31からパンチ肩R部33を経由して連続する縦壁部35と、縦壁部35からダイ肩R部37を経由して連続するフランジ部39と、を備えている。そして、下端部は、従来例(図5参照)のように二又に分岐することなく、パンチ肩R部33とダイ肩R部37とが直線状に延在している。
また、センターピラー30は、天板部31の下端辺31a(図1(c)(ii)、図2(b)参照)から延出してサイドシル10の下側縦壁部17及び下側フランジ部19の内面に沿うように屈曲形成された天板延出部41と、フランジ部39の下端辺から延出したフランジ延出部43とをさらに有している(図1(b)、図2(b)参照)。
そして、センターピラー30の下端部がサイドシル10の開口部21に挿入されてセンターピラー30のパンチ肩R部33の下端33a(図2(b)参照)が下側縦壁部17の内面に当接した状態(図1(b)参照)において、天板部31と側板部11の内面とが当接する第1当接部51と、天板延出部41と下側縦壁部17及び下側フランジ部19の内面とが当接する第2当接部53と、フランジ部39と上側フランジ部15の内面とが当接する第3当接部55と、フランジ延出部43と下側フランジ部19の内面とが当接する第4当接部57と、を有し、第1当接部51から第4当接部57のうち1箇所以上が接合されている。なお、第1当接部51から第4当接部57の4つの当接部のうちどの当接部を接合するのが有効であるかについては、後述する実施例で説明する。
本実施の形態1に係るセンターピラー30は、その下端部におけるパンチ肩R部33及びダイ肩R部37が長手方向に直線状に延在したストレート形状である。換言すれば、前述した従来のセンターピラー230(図5)のように略逆T字型形状といった立体的な湾曲形状を廃した形状であるので、センターピラー30のプレス成形過程における割れやしわの発生に関わるプレス成形難易度が低下する。これにより、従来のドロー成形(絞り成形)に代わり、フォーム成形(曲げ成形)でのセンターピラー30のプレス成形が可能となる。
フォーム成形は、ドロー成形のような曲げ・曲戻し変形を伴わないプレス成形方法であるため、プレス成形後の複雑な応力分布やひずみ分布が発生しにくく、センターピラー30における縦壁部35の反りやパンチ肩R部33やダイ肩R部37の角度変化といったスプリングバックによる形状精度不良が生じにくい。そのため、引張強度980MPa級以上の超高強度鋼板をセンターピラー30のプレス成形に適用することが容易となる。
しかしながら、センターピラー30の下端部を単純なストレート形状としたため、従来の略逆T字型形状の下端部を有するセンターピラー230(図5)と比較すると、センターピラー30自体の剛性は低下する。
そこで、本発明の実施の形態1に係る車体側部構造1においては、センターピラー30が車高方向に直線状に延在する構造であることを活かし、サイドシル10の車高方向上部側(上側フランジ部15、側板部11の車高方向上部側)に加えて、車高方向下部側(側板部11の車高方向下部側、下側縦壁部17、下側フランジ部19)ともセンターピラー30を当接させて、接合可能とすることで、車体側部構造1全体のねじり剛性を向上させるものである。
すなわち、本実施の形態1に係る車体側部構造1のセンターピラー30においては、フランジ部39の下端辺から延出するフランジ延出部43を設けることで、サイドシル10の車高方向上側の上側フランジ部15に加えて車高方向下側の下側フランジ部19といったより多くの箇所で接合可能とし、当該接合をすることで車体にねじり荷重が負荷された際におけるセンターピラー30の下端部のねじりを抑制し、サイドシル10のセンターピラー30との接合箇所の断面崩れ(断面変形)を抑制し、車体側部構造1全体のねじり剛性を向上させることができる。
さらに、車体側部構造1においては、サイドシル10の開口部21にセンターピラー30の下端部を挿入させ、天板部31と側板部11の内面とを当接させて接合可能とし、さらに天板部31と側板部11の内面とを当接させて接合可能とし、それに加えて、センターピラー30の天板部31の下端辺31aから延出して、サイドシル10の下側縦壁部17と下側フランジ部19の内面に沿うように屈曲形成して当接させ、天板延出部41をサイドシル10の下側フランジ部19と接合可能としたので、当該接合をすることで自動車にねじり荷重が負荷された際、サイドシル10のハット断面形状が開きにくくなってサイドシル10の断面崩れ(断面変形)が抑制される。その結果、車体側部構造1の全体としてのねじり剛性をさらに確保することが可能となる。
また、サイドシル10の開口部21に挿入されたセンターピラー30の下端部は、車両側方からの側面衝突時においてはサイドシル10のハット断面形状を潰れにくくする補強部材(バルク)としての役割を果たすことができるため、側面衝突に対する衝突特性を向上させることができる。
なお、車体側部構造1においては、第1当接部51から第4当接部57のうち少なくとも一ヶ所以上で接合するものであるが、例えばスポット溶接で接合する場合においては、第1当接部51から第4当接部57の各当接部においては少なくとも4~5点を打点するとよい。
また、サイドシル10とセンターピラー30とを接合する箇所については、車高方向において下方となる第2当接部53及び/又は第4当接部57が含まれていることが望ましい。
特に、第2当接部53と第4当接部57とを接合箇所とすることで、車長方向に沿った広い範囲でサイドシル10とセンターピラー30とが接合されるため、ねじり剛性をさらに確保できる。
もっとも、第1当接部51のみを接合した場合にあっても、従来の車体側部構造201(図5)に比べて、より車体下方側でサイドシル10とセンターピラー30とが接合されているので、ねじり剛性を確保できる。
また、第3当接部55のみを接合した場合にあっても、センターピラー30の下端部がサイドシル10の開口部21に挿入されて天板部31と側板部11の内面とが当接し、さらに、天板延出部41は、下側縦壁部17及び下側フランジ部19の内面に沿うように屈曲して当接するので、1箇所の接合のみでも、車体側部構造1全体として、ねじり剛性を確保できる。
本実施の形態1に係る車体側部構造1においては、センターピラー30のフランジ部39及びフランジ延出部43の幅(車長方向における長さ)が重要であり、車長方向に適切なピッチ幅を確保して4~5点のスポット溶接の打点数を最低限確保可能な幅にするとよい。
また、車長方向に複数打点でスポット溶接可能なフランジ部39及びフランジ延出部43の幅を確保できる場合には、ねじり剛性のさらなる向上効果を期待できるので、製品重量の増加や他の部品との干渉等の影響を勘案して、フランジ部39及びフランジ延出部43の幅を可能な限り広げるとよい。
また、サイドシル10の形状については、センターピラー30を挿入させるための開口部21を設けることができるハット断面形状であれば特に限定はなく、一般的なサイドシルの形状であればよい。
[実施の形態2]
本発明の実施の形態2に係る車体側部構造101は、図3に一例として示すように、車長方向に延在するサイドシル110に、車高方向に延在するセンターピラー130の下端部が接合されたものである。
サイドシル110は、図3に示すように、車幅方向の車外側に配置される側板部111と、側板部111の上端辺から連続する上側縦壁部113と、上側縦壁部113から連続する上側フランジ部115と、側板部111の下端辺から連続する下側縦壁部117と、下側縦壁部117から連続する下側フランジ部119と、を備えるハット断面形状である。
センターピラー130は、図3に示すように、車幅方向の車外側に配置される天板部131と、天板部131からパンチ肩R部133を経由して連続する縦壁部135と、縦壁部135からダイ肩R部137を経由して連続するフランジ部139と、を備え、下端部におけるパンチ肩R部133とダイ肩R部137とが直線状に延在するハット断面形状であり、天板部131の下端辺131aから延出してサイドシル110の側板部111、下側縦壁部117及び下側フランジ部119の外面に沿うように屈曲形成された天板延出部141をさらに有する。
そして、センターピラー130の下端部における天板延出部141がサイドシル110の車長方向のほぼ中央部における側板部111、下側縦壁部117及び下側フランジ部119の外面を覆った状態において、天板延出部141と側板部111の外面とが当接する第1当接部151と、天板延出部141と下側フランジ部119の外面とが当接する第2当接部153と、フランジ部139と上側フランジ部115の外面とが当接する第3当接部155と、を有し、第1当接部151から第3当接部155のうち1箇所以上が接合されている。
前述の実施の形態1と同様、本実施の形態2におけるセンターピラー130は、その下端部におけるパンチ肩R部133及びダイ肩R部137が長手方向に直線状に延在したストレート形状である。そのため、従来のドロー成形(絞り成形)に代わり、フォーム成形(曲げ成形)により、引張強度980MPa級以上の超高強度鋼板をセンターピラー130のプレス成形に適用することが容易となる。
また、センターピラー130の下端部を単純なストレート形状としたため、従来の略逆T字型形状のセンターピラー230(図5)と比較するとセンターピラー130自体の剛性は低下する点に関しては、天板部131の下端辺131aから延出する天板延出部141と下側フランジ部119の外面と当接させた第2当接部153を接合可能とすることで、車高方向の下方側でセンターピラー130の下端部とサイドシル110とが接合できるため、センターピラー130のねじりを抑制して車体側部構造101全体のねじり剛性を向上させることができる。
なお、車体側部構造101においては、第1当接部151から第3当接部155のうちも一箇所以上で接合するものであるが、例えばスポット溶接で接合する場合、第1当接部151、第2当接部153及び第3当接部155の各当接部においてはいずれも少なくとも4~5点を打点するとよい。
また、サイドシル110とセンターピラー130とを接合する箇所については、車高方向において下方となる第2当接部153が含まれていることが望ましい。
特に、第2当接部153を接合箇所とすることで、車高方向のより下部でサイドシル110とセンターピラー130とが接合されるため、ねじり剛性をさらに向上できる。
もっとも、第1当接部151のみを接合した場合にあっても、従来の車体側部構造201(図5)に比べて、より車体下方側でサイドシル110とセンターピラー130と接合できるので、ねじり剛性を確保することができる。
また、第3当接部155のみを接合した場合にあっても、センターピラー130の天板延出部141が、サイドシル110の側板部111、下側縦壁部117及び下側フランジ部119の外面に沿うように屈曲して当接するので、車体側部構造101全体として、ねじり剛性を確保することができる。
本実施の形態2に係る車体側部構造101においては、サイドシル110の上側フランジ部115と接合するセンターピラー130のフランジ部139の幅、及び、サイドシル110の下側フランジ部119と接合するセンターピラー130の天板延出部141の幅が重要であり、フランジ部139及び天板延出部141の幅は、それぞれ、車長方向に適切なピッチ幅を確保して4~5点のスポット溶接の打点数を最低限確保可能な幅にするとよい。
車長方向に複数打点でスポット溶接可能なフランジ部139及び天板延出部141の幅を確保できる場合には、ねじり剛性のさらなる向上効果を期待できるので、製品重量の増加や他の部品との干渉等の影響を勘案して、フランジ部139及び天板延出部141の幅を可能な限り広げるとよい。
また、サイドシル110の形状については、特に限定はなく、ハット断面形状を有し、一般的に用いられている形状でよい。
なお、本発明において、センターピラーのプレス成形方法は、前述したように、割れやしわの発生を回避するため、フォーム成形を適用するのが好ましい。もっとも、プレス成形時の割れやしわの発生を軽減できれば、例えば、ホットプレスによるドロー成形等を適用してもよい。
さらに、サイドシルとセンターピラーとの接合は、一般的なスポット溶接を適用すればよいが、レーザー溶接等を適用した場合においては、ねじり剛性をさらに向上できるのでより好ましい。
また、センターピラーにおけるサイドシルと接合する下端部以外の天板部、パンチ肩R部及びダイ肩R部の形状や、縦壁部の傾斜及び高さ等は、割れやしわが発生することなくプレス成形可能な形状とすればよい。なお、本実施の形態1に係る車体側部構造1において、センターピラー30のパンチ肩R部33の近傍には凹凸形状が形成されているが(図1、図2参照)、本発明は、このような形状を有することに限定するものではない。
本発明に係る車体側部構造の効果を検証するため、ねじり剛性に関する試験を行ったので、その結果について以下に説明する。
試験では、図4に示すように、サイドシルとセンターピラーとを接合した車体側部構造を有する自動車301を用い、自動車301の車両後部のリアサスタワー位置を固定した状態において、車両前部の左右のフロントサスタワーに車高方向の上下逆向きに荷重(1000N)を付与することで自動車301にねじりを付与した。
そして、図4に示すように、自動車301の車長方向前方から後方への投影面における左右のフロントサスタワー位置を結ぶ直線Lと左右のリアサスタワーを結ぶ直線Lとのなす角度(ねじり角)を求め、前記荷重とフロントサスタワーの変位の積を前記ねじり角で除した値を自動車301全体のねじり剛性の指標とした。
当該試験においては、前述した本発明の実施の形態1に係る車体側部構造1(図1)又は本発明の実施の形態2に係る車体側部構造101(図3)を適用したものを発明例とし、従来の車体側部構造201(図5)を適用したものを比較例とした。
そして、発明例及び比較例においては、表1に示すように、センターピラーの下端部とサイドシルとの接合箇所を変更し、自動車301全体のねじり剛性を評価した。
Figure 0007363829000001
表1に示すねじり剛性比は、従来の車体側部構造201においてセンターピラー230の下端部における天板部231の中央部とサイドシル210の側板部211とを当接させた第1当接部251と、天板部231の車長方向の前部及び後部と側板部211とを当接された第1’当接部251aと、フランジ部239と上側フランジ部215とを当接させた第3当接部255と、の全てを接合した比較例3におけるねじり剛性を基準として各条件におけるねじり剛性の比(以下、ねじり剛性比)を算出したものである。
比較例1は従来の車体側部構造201を、発明例1は実施の形態1に係る車体側部構造1を、発明例2は実施の形態2に係る車体側部構造101をそれぞれ適用したものであって、いずれも、センターピラーの下端部における天板部の車長方向の中央部とサイドシルの側板部とを当接させた第1当接部のみを接合したものである。
発明例1及び発明例2におけるねじり剛性比はいずれも97.7%であり、比較例1におけるねじり剛性比97.5%と同等であった。
比較例2、発明例3(車体側部構造1、図1)及び発明例4(車体側部構造101、図3)は、センターピラーの下端部におけるフランジ部とサイドシルの上側フランジ部とを当接させた第3当接部のみを接合したものである。
発明例3及び発明例4におけるねじり剛性比はいずれも97.6%であり、比較例2におけるねじり剛性比97.3%と同等であった。
発明例5から発明例15は、実施の形態1に係る車体側部構造1又は実施の形態2に係る車体側部構造101において、センターピラーの下端部とサイドシルとの接合箇所を変更したものである。
表1に示すねじり剛性比の結果から、センターピラーの下端部とサイドシルとの接合箇所を1箇所とする場合(発明例1~発明例7)、車高方向における下方となる箇所、すなわち、車体側部構造1においては第2当接部53又は第4当接部57、車体側部構造101においては第2当接部153を接合箇所とすることで、ねじり剛性比を向上させることができる。
例えば、車体側部構造1を適用した場合において、第1当接部51のみを接合した発明例1におけるねじり剛性比が97.7%、第3当接部55のみを接合した発明例3におけるねじり剛性比が97.6%であるのに対し、車高方向の下方となる第2当接部53のみを接合した発明例5や第4当接部57のみを接合した発明例7におけるねじり剛性比はそれぞれ98.0%及び98.1%であり、いずれも、ねじり剛性比は向上した。
また、接合箇所を増やすほど、ねじり剛性比が向上する結果となった。
車体側部構造1を適用した場合のねじり剛性比は、接合箇所が第4当接部57のみ1箇所の発明例7では98.1%、第1当接部51及び第4当接部57の2箇所の発明例12では98.5%、第1当接部51、第3当接部55及び第4当接部57の3箇所の発明例14では99.4%であった。
同様に、車体側部構造101を適用した場合のねじり剛性比は、接合箇所が第2当接部153のみ1箇所の発明例6では98.0%、第2当接部153及び第1当接部151の2箇所の発明例11では98.5%であった。
さらに、比較例3、発明例16及び発明例18は、それぞれ、センターピラーの下端部とサイドシルとが当接する部位の全てを接合した場合である。
表1に示すように、発明例16及び発明例17は、比較例3とほぼ同等のねじり剛性比であった。
比較例3におけるセンターピラー230の下端部は、車幅方向における側面視において二又に湾曲して分岐した略逆T字型形状の天板部231及びフランジ部239を有し、サイドシル210の上半分の外面を覆うように接合されるため、高いねじり剛性が得られる。
これに対し、発明例16におけるセンターピラー130及び発明例17におけるセンターピラー130の下端部は湾曲形状を廃したストレート形状であるため、センターピラー30及びセンターピラー130自体では、比較例3におけるセンターピラー230と同等のねじり剛性を確保することが困難である。
しかしながら、車体側部構造1を適用した発明例16及び車体側部構造101を適用した発明例17は、ねじり剛性比がそれぞれ99.7%及び99.4%であり、比較例3とのねじれ剛性とほぼ同等とすることができる。
1 車体側部構造
10 サイドシル
11 側板部
13 上側縦壁部
15 上側フランジ部
17 下側縦壁部
19 下側フランジ部
21 開口部
30 センターピラー
31 天板部
31a 天板部の下端辺
33 パンチ肩R部
33a パンチ肩R部の下端
35 縦壁部
37 ダイ肩R部
39 フランジ部
41 天板延出部
43 フランジ延出部
51 第1当接部
53 第2当接部
55 第3当接部
57 第4当接部
101 車体側部構造
110 サイドシル
111 側板部
113 上側縦壁部
115 上側フランジ部
117 下側縦壁部
119 下側フランジ部
130 センターピラー
131 天板部
131a 天板部の下端辺
133 パンチ肩R部
135 縦壁部
137 ダイ肩R部
139 フランジ部
141 天板延出部
151 第1当接部
153 第2当接部
155 第3当接部
201 車体側部構造(従来例)
210 サイドシル
211 側板部
213 上側縦壁部
215 上側フランジ部
230 センターピラー
231 天板部
233 パンチ肩R部
235 縦壁部
237 ダイ肩R部
239 フランジ部
251 第1当接部
251a 第1’当接部
255 第3当接部
301 自動車

Claims (3)

  1. 車長方向に延在するサイドシルに車高方向に延在するセンターピラーの下端部が接合された車体側部構造であって、
    前記サイドシルは、
    車幅方向の車外側に配置される側板部と、
    該側板部の上端辺から連続する上側縦壁部と、
    該上側縦壁部から連続する上側フランジ部と、
    前記側板部の下端辺から連続する下側縦壁部と、
    該下側縦壁部から連続する下側フランジ部と、を備えるハット断面形状であり、
    前記上側縦壁部から前記上側フランジ部にわたって形成されて前記センターピラーの前記下端部が挿入する開口部を有し、
    前記センターピラーは、
    車幅方向の車外側に配置される天板部と、
    該天板部からパンチ肩R部を介して連続する縦壁部と、
    該縦壁部からダイ肩R部を介して連続するフランジ部と、を備え、前記下端部における前記パンチ肩R部と前記ダイ肩R部とが直線状に延在するハット断面形状であり、
    前記天板部の下端辺から延出して前記サイドシルの前記下側縦壁部及び前記下側フランジ部の内面に沿うように屈曲形成された天板延出部と、前記フランジ部の下端辺から延出したフランジ延出部とをさらに有し、
    前記サイドシルの前記開口部に挿入された前記センターピラーの前記パンチ肩R部の下端が前記下側縦壁部の内面に当接した状態において、
    前記天板部と前記側板部の内面とが当接する第1当接部と、
    前記天板延出部と前記下側フランジ部の内面とが当接する第2当接部と、
    前記フランジ部と前記上側フランジ部の内面とが当接する第3当接部と、
    前記フランジ延出部と前記下側フランジ部の内面とが当接する第4当接部と、を有し、
    前記第1当接部から前記第4当接部のうち1箇所以上が接合されていることを特徴とする車体側部構造。
  2. 前記サイドシルと前記センターピラーの前記下端部とが接合された箇所として、前記第2当接部及び/又は前記第4当接部が含まれていることを特徴とする請求項1記載の車体側部構造。
  3. 前記センターピラーは、引張強度が980MPa級以上の鋼板を用いてプレス成形されたものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の車体側部構造。
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