WO2021210670A1 - 車両用強度部材 - Google Patents
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Abstract
車両用強度部材は、天板と一対の縦壁とを備え、断面ハット形状に形成されている。また車両用強度部材は、短手方向に延びる折れ線によって屈曲された折れ部を長手方向に複数備え、全体として湾曲している。前記天板は、中央で前記長手方向に延びる凹部と、この凹部の両側で前記長手方向に延びる一対の突条とを有する。また前記天板は、前記各折れ部と対応する位置に前記凹部内で前記短手方向に延びる少なくとも一つの凸ビードとを備えており、該凸ビードの両端は、前記突条の側部に結合している。
Description
本発明は、車体のルーフセンタリインフォースメント、フロントバンパ等に用いられる車両用強度部材に関する。
車両のルーフには、おおよそ左右のセンタピラーに挟まれる位置に、ルーフセンタリインフォースメントと呼ばれる強度部材が設けられている(特開2019-077381号公報参照)。このルーフセンタリインフォースメントは、長手方向に直交する断面が概ねハット形状であり、左右のセンタピラー間に延びて形成されている。しかも、ルーフセンタリインフォースメントは、長手方向の複数箇所に折れ部を備え、長手方向の中央部で車両フロアからの高さが高くなるように湾曲形状とされている。
上記ルーフセンタリインフォースメントは、鋼板をプレス成形することにより形成される。しかし、プレス成形時にスプリングバックが生じ、製品を精度良く製造できない問題があった。したがって、このような強度部材のプレス成形時のスプリングバックを抑制することが望まれる。
ひとつの態様は車両用強度部材であり、天板と一対の縦壁とを備え、断面ハット形状に形成されている。また車両用強度部材は、短手方向に延びる折れ線によって屈曲された折れ部を長手方向に複数備え、全体として湾曲している。前記天板は、中央で前記長手方向に延びる凹部と、この凹部の両側で前記長手方向に延びる一対の突条とを有する。また前記天板は、前記各折れ部と対応する位置に前記凹部内で前記短手方向に延びる少なくとも一つの凸ビードとを備えており、該凸ビードの両端は、前記突条の側部に結合している。
実施形態によっては、前記一対の突条のそれぞれは、前記各折れ部と対応する位置に、前記長手方向に沿って延びる凹ビードを備える。
実施形態によっては、前記各折れ部に対応する前記少なくとも一つの凸ビードは、前記折れ線上に配置された1本の凸ビードである。
実施形態によっては、前記各折れ部の前記折れ線は対応する前記凸ビードによって分断され、前記凸ビードの天板面は平坦面とされている。
実施形態によっては、前記各折れ部に対応する前記少なくとも一つの凸ビードは、同じ折れ部に対応する2つの前記凹ビードの間に配置された2本の凸ビードであり、前記2本の凸ビードは、対応する前記折れ線を挟んで配置されている。
実施形態によっては、前記車両用強度部材は、前記折れ部で屈曲されることにより前記天板が湾曲の内側となるように形成されたルーフセンタリインフォースメントである。
<ルーフセンタリインフォースメント>
図1は、一つの実施形態としてのルーフセンタリインフォースメントを示す。以下ではこのルーフセンタリインフォースメントを例として説明するが、以下に説明する様々な特徴は、フロントバンパの強度部材など、車体の種々の強度部材や補強部材に適用できる。図1は、車体上部の骨格構造を示す。図1のように、車両1の左右両側にはそれぞれルーフサイドレール2を備える。左右の各ルーフサイドレール2は、それぞれ左右一対のフロントピラー(図示略)、センタピラー6及びリヤピラー7により下方から支持されている。左右の各ルーフサイドレール2間で、左右のセンタピラー6に挟まれる部位には、ルーフセンタリインフォースメント3と呼ばれる横断部材が固定されている。また、ルーフセンタリインフォースメント3の前後で、左右の各ルーフサイドレール2間には、フロントヘッダ4及びリヤヘッダ5と呼ばれる別の横断部材が固定されている。左右の各ルーフサイドレール2間で、フロントヘッダ4、ルーフセンタリインフォースメント3及びリヤヘッダ5の上には、ルーフパネル8が被せられて固定されている。
図1は、一つの実施形態としてのルーフセンタリインフォースメントを示す。以下ではこのルーフセンタリインフォースメントを例として説明するが、以下に説明する様々な特徴は、フロントバンパの強度部材など、車体の種々の強度部材や補強部材に適用できる。図1は、車体上部の骨格構造を示す。図1のように、車両1の左右両側にはそれぞれルーフサイドレール2を備える。左右の各ルーフサイドレール2は、それぞれ左右一対のフロントピラー(図示略)、センタピラー6及びリヤピラー7により下方から支持されている。左右の各ルーフサイドレール2間で、左右のセンタピラー6に挟まれる部位には、ルーフセンタリインフォースメント3と呼ばれる横断部材が固定されている。また、ルーフセンタリインフォースメント3の前後で、左右の各ルーフサイドレール2間には、フロントヘッダ4及びリヤヘッダ5と呼ばれる別の横断部材が固定されている。左右の各ルーフサイドレール2間で、フロントヘッダ4、ルーフセンタリインフォースメント3及びリヤヘッダ5の上には、ルーフパネル8が被せられて固定されている。
図2~6は、ルーフセンタリインフォースメント3を単品で示す。図2~6では、説明の都合上、ルーフセンタリインフォースメント3を図1とは上下逆転して図示している。図1のように、ルーフセンタリインフォースメント3は、長手を車両の左右方向に向けて配置されており、図2、5のように、断面は概ねハット形状である。したがって、ルーフセンタリインフォースメント3は、天板10と、天板10の両縁から延びる一対の縦壁13と、縦壁13の端縁から延びる一対のフランジ部14とを備える。また、天板10の短手方向中央部には、長手方向に延びる凹部11が形成されている。これにより、天板10の凹部11の両側には長手方向に延びる突条12が形成されている。ルーフセンタリインフォースメント3は、例えば、長尺の高張力鋼板(例えば引張強度が1180MPa程度で)をプレス成形することにより形成することができる。高張力鋼板の板厚は例えば1.2~1.6mm程度とすることができる。
<折れ部>
図2、図4に示すように、ルーフセンタリインフォースメント3は、長手方向に間隔を空けた複数の折れ部15で屈曲することにより、全体として湾曲形状となっている。折れ部の間隔は一定とすることができるが、実施形態によっては一定でない間隔とすることもできる。ルーフセンタリインフォースメント3の湾曲方向は天板10が湾曲の内側となるような方向とし、天板10を下方に向けた状態で左右のルーフサイドレール2の間に固定される。その結果、図1のように車体に組み付けられた状態で、ルーフセンタリインフォースメント3は、長手方向の中央部で車両フロアからの高さが最も高くなる。
図2、図4に示すように、ルーフセンタリインフォースメント3は、長手方向に間隔を空けた複数の折れ部15で屈曲することにより、全体として湾曲形状となっている。折れ部の間隔は一定とすることができるが、実施形態によっては一定でない間隔とすることもできる。ルーフセンタリインフォースメント3の湾曲方向は天板10が湾曲の内側となるような方向とし、天板10を下方に向けた状態で左右のルーフサイドレール2の間に固定される。その結果、図1のように車体に組み付けられた状態で、ルーフセンタリインフォースメント3は、長手方向の中央部で車両フロアからの高さが最も高くなる。
図4、図6に示すように、各折れ部15では、折れ線18の前後でルーフセンタリインフォースメント3が所定の角度θだけ屈曲している。各折れ部15における屈曲角度は、ルーフセンタリインフォースメント3が全体として必要な湾曲形状となるように決められる。なお、折れ部15は角を丸めることにより折れ線18が一本の明確な線とならない(図面ではCADによるフィレット処理の結果が三重線で表現されている)ようにすることができる。
<凹ビード>
図3に示すように、各突条12の各折れ部15に対応する部位には、所定長さで長手方向に延びる凹ビード16が形成されている。凹ビード16は、各突条12の短手方向の中央部の突出量を少なくする側に窪ませることにより形成されている。凹ビード16は、ルーフセンタリインフォースメント3の折れ部15を含む部位の面剛性を高める機能を有する。
図3に示すように、各突条12の各折れ部15に対応する部位には、所定長さで長手方向に延びる凹ビード16が形成されている。凹ビード16は、各突条12の短手方向の中央部の突出量を少なくする側に窪ませることにより形成されている。凹ビード16は、ルーフセンタリインフォースメント3の折れ部15を含む部位の面剛性を高める機能を有する。
<凸ビード>
凹部11の各折れ部15に対応する部位には、各突条12の突出方向と同方向に突出する凸ビード17が形成されている。凸ビード17は、各折れ部15の折れ線18の延長線上にルーフセンタリインフォースメント3の短手方向に延びて形成され、その両端が各突条12の側部に結合している。従って、凸ビード17は対向配置された二つの凹ビード16の間に挟まれて配置されている。このように凸ビード17が形成されることにより、ルーフセンタリインフォースメント3の折れ部15を含む部位の面剛性が更に高められる。図2に示すように、ルーフセンタリインフォースメント3の長手方向の両端部には、折れ部15は設けられていないが、上記凸ビード17と同様の凸ビード17が形成されている。従って、ルーフセンタリインフォースメント3の長手方向の両端部の面剛性が高められている。図3に示すように、各折れ部15の折れ線18は凸ビード17で分断させ、凸ビード17の天板面は平坦面としている。このように凸ビード17には折れ線が形成されないようにすることにより、折れ線が形成された場合に比べて、ルーフセンタリインフォースメント3の折れ部15を含む部位の面剛性は若干高められる。
凹部11の各折れ部15に対応する部位には、各突条12の突出方向と同方向に突出する凸ビード17が形成されている。凸ビード17は、各折れ部15の折れ線18の延長線上にルーフセンタリインフォースメント3の短手方向に延びて形成され、その両端が各突条12の側部に結合している。従って、凸ビード17は対向配置された二つの凹ビード16の間に挟まれて配置されている。このように凸ビード17が形成されることにより、ルーフセンタリインフォースメント3の折れ部15を含む部位の面剛性が更に高められる。図2に示すように、ルーフセンタリインフォースメント3の長手方向の両端部には、折れ部15は設けられていないが、上記凸ビード17と同様の凸ビード17が形成されている。従って、ルーフセンタリインフォースメント3の長手方向の両端部の面剛性が高められている。図3に示すように、各折れ部15の折れ線18は凸ビード17で分断させ、凸ビード17の天板面は平坦面としている。このように凸ビード17には折れ線が形成されないようにすることにより、折れ線が形成された場合に比べて、ルーフセンタリインフォースメント3の折れ部15を含む部位の面剛性は若干高められる。
<スプリングバック量の試験>
CAE解析により幾つかの形態のルーフセンタリインフォースメントのプレス成形をシミュレーションし、端部におけるスプリングバック量を比較した。いずれのルーフセンタリインフォースメントも引張強度1180MPaの高張力鋼板からプレス成形し、長さ(長手方向)1000mm、幅(短手方向)175mm、板厚1.4mmであった。図11は、比較に用いた二つのルーフセンタリインフォースメントを便宜上合成して描いたものであり、中心線より右側は上述のように構成された実施形態のルーフセンタリインフォースメント3を示し、左側は上述のような凹ビード16や凸ビード17を備えない比較例のルーフセンタリインフォースメントを示す。図11の右端の2箇所に示す数値は、プレス成形後の2つのルーフセンタリインフォースメント3のその箇所におけるスプリングバック量の差を表す。プレス成形は各ルーフセンタリインフォースメント3を中央で固定した状態で行った。各ルーフセンタリインフォースメント3は基本的に左右対称であるため、表示していないが、当然ながら図11の左端でも右端と同様の数値となる。この数値から、本実施形態のルーフセンタリインフォースメント3では比較例に対してスプリングバック量が2.8mm程度少なくなることが判る。従って、本実施形態では、比較例に比べてルーフセンタリインフォースメント3を精度良く製造することができる。
CAE解析により幾つかの形態のルーフセンタリインフォースメントのプレス成形をシミュレーションし、端部におけるスプリングバック量を比較した。いずれのルーフセンタリインフォースメントも引張強度1180MPaの高張力鋼板からプレス成形し、長さ(長手方向)1000mm、幅(短手方向)175mm、板厚1.4mmであった。図11は、比較に用いた二つのルーフセンタリインフォースメントを便宜上合成して描いたものであり、中心線より右側は上述のように構成された実施形態のルーフセンタリインフォースメント3を示し、左側は上述のような凹ビード16や凸ビード17を備えない比較例のルーフセンタリインフォースメントを示す。図11の右端の2箇所に示す数値は、プレス成形後の2つのルーフセンタリインフォースメント3のその箇所におけるスプリングバック量の差を表す。プレス成形は各ルーフセンタリインフォースメント3を中央で固定した状態で行った。各ルーフセンタリインフォースメント3は基本的に左右対称であるため、表示していないが、当然ながら図11の左端でも右端と同様の数値となる。この数値から、本実施形態のルーフセンタリインフォースメント3では比較例に対してスプリングバック量が2.8mm程度少なくなることが判る。従って、本実施形態では、比較例に比べてルーフセンタリインフォースメント3を精度良く製造することができる。
図12は別のルーフセンタリインフォースメントの組み合わせを合成して描いたものであり、中心線より右側は図11と同じであるが、左側は折れ線18が凸ビード17を貫通した比較例のルーフセンタリインフォースメントを示す。図12の右端の数値から、本実施形態のルーフセンタリインフォースメント3では比較例に対してスプリングバック量が中心線の片側で0.35mm程度少なくなることが判る。従って、凸ビード17に折れ線が形成されない本実施形態では、凸ビード17に折れ線が形成された場合に比べてルーフセンタリインフォースメント3を精度良く製造することができる。
<2本の凸ビード>
図7、8に示すように、各凸ビード17を2本の凸ビード17A、17Bにより構成することもできる。具体的には、2本の凸ビード17A、17Bは、ルーフセンタリインフォースメント3の長手方向で折れ部15を挟んで配置されている。2本の凸ビード17A、17Bの各端部は、各突条12の側部に結合している。その結果、2本の凸ビード17A、17Bが凹部11上で占有する長手方向の寸法L1は、凹ビード16の長手方向の寸法L2と同程度とされている。
図7、8に示すように、各凸ビード17を2本の凸ビード17A、17Bにより構成することもできる。具体的には、2本の凸ビード17A、17Bは、ルーフセンタリインフォースメント3の長手方向で折れ部15を挟んで配置されている。2本の凸ビード17A、17Bの各端部は、各突条12の側部に結合している。その結果、2本の凸ビード17A、17Bが凹部11上で占有する長手方向の寸法L1は、凹ビード16の長手方向の寸法L2と同程度とされている。
図13は、この2本の凸ビードを備えたルーフセンタリインフォースメント3(右側)を、凹ビード16や凸ビード17を備えない比較例のルーフセンタリインフォースメント(左側)と合成して描いたものである。図13の右端に示す数値から、本実施形態のルーフセンタリインフォースメント3では比較例に対してスプリングバック量が中心線の片側で2.3mm程度少なくなることが判る。従って、本実施形態でも、比較例に比べてルーフセンタリインフォースメント3を精度良く製造することができる。
<凹ビードの省略>
図9に示すように、凹ビード16を無くすことも可能である。この場合においても前述の図2の実施形態と同様の凸ビード17を折れ部15に対応して形成することができる。
図9に示すように、凹ビード16を無くすことも可能である。この場合においても前述の図2の実施形態と同様の凸ビード17を折れ部15に対応して形成することができる。
図14は、この凹ビード16を省いたルーフセンタリインフォースメント3(右側)を、上述の凹ビード16や凸ビード17を備えない比較例のルーフセンタリインフォースメント(左側)と合成して描いたものである。図14の右端に示す数値から、本実施形態のルーフセンタリインフォースメント3では、比較例に対してスプリングバック量が中心線の片側で0.8mm程度少なくなることが判る。従って、本実施形態でも、比較例に比べてルーフセンタリインフォースメント3を精度良く製造することができる。
<X字形状の凸ビード>
図10に示すように、各凸ビード17を凹部11の折れ部15上で交わるX字形状の凸ビード17Cとすることもできる。具体的には、X字形状の凸ビード17Cは、凹部11の折れ部15上で交わるX字形状であり、X字形状の各端部は、各突条12の側部に結合している。その結果、凸ビード17Cが凹部11上で占有する長手方向の寸法L3は、凹ビード16の長手方向の寸法L4より僅かに大きいが概ね同程度とされている。
図10に示すように、各凸ビード17を凹部11の折れ部15上で交わるX字形状の凸ビード17Cとすることもできる。具体的には、X字形状の凸ビード17Cは、凹部11の折れ部15上で交わるX字形状であり、X字形状の各端部は、各突条12の側部に結合している。その結果、凸ビード17Cが凹部11上で占有する長手方向の寸法L3は、凹ビード16の長手方向の寸法L4より僅かに大きいが概ね同程度とされている。
図9のルーフセンタリインフォースメント3をプレス成形した際のスプリングバック量は、図示を省略したが、図7の実施形態の場合と同程度となった。従って、本実施形態でも、比較例に比べてルーフセンタリインフォースメント3を精度良く製造することができる。
<実施形態の利点>
以上に説明した実施形態は少なくとも以下の利点を有する。
以上に説明した実施形態は少なくとも以下の利点を有する。
上述の各実施形態では、折れ部15に対応して凸ビード17が形成されるため、折れ部15を含む部位の面剛性が高められる。そのため、車両用強度部材(ルーフセンタリインフォースメント3)がプレス成形される際のスプリングバック量が、凸ビード17を形成しない場合に比べて抑制され、しかも、スプリングバック量のばらつき幅が小さくなる。その結果、車両用強度部材を精度良く製造することができる。
実施形態によっては、折れ部15に対応して突条12に凹ビード16が更に形成されるため、折れ部15を含む部位の面剛性が更に高められる。そのため、車両用強度部材(ルーフセンタリインフォースメント3)がプレス成形される際のスプリングバック量が、凹ビード16を形成しない場合に比べて更に抑制され、しかも、スプリングバック量のばらつき幅が小さくなる。その結果、車両用強度部材を更に精度良く製造することができる。
実施形態によっては、各凹ビード16間で折れ部15の折れ線18の延長線上に1本の凸ビード17が形成されるため、凸ビード17が確実に機能して折れ部15を含む部位の面剛性が確実に高められる。そのため、車両用強度部材(ルーフセンタリインフォースメント3)がプレス成形される際のスプリングバック量が少なくなり、車両用強度部材を精度良く製造することができる。
実施形態によっては、凸ビード17の天板面が平坦面とされているため、凸ビード17の天板面に折れ部15の折れ線が形成される場合に比べて折れ部15を含む部位の面剛性が更に高められる。そのため、車両用強度部材(ルーフセンタリインフォースメント3)がプレス成形される際のスプリングバック量が、凸ビード17の天板面に折れ線が形成される場合に比べて更に抑制され、しかも、スプリングバック量のばらつき幅が小さくなる。その結果、車両用強度部材を更に精度良く製造することができる。
実施形態によっては、凹部11に折れ部15の折れ線が形成される場合でも、この折れ線を挟んで2本の凸ビード17A、17Bを形成するので、折れ部15を含む部位の面剛性を高めることができる。そのため、車両用強度部材(ルーフセンタリインフォースメント3)がプレス成形される際のスプリングバック量が、凸ビード17A、17Bを形成しない場合に比べて抑制され、しかも、スプリングバック量のばらつき幅が小さくなる。その結果、車両用強度部材を精度良く製造することができる。
実施形態によっては、ルーフセンタリインフォースメント3の折れ部15に対応して凸ビード17、17A、17B、17Cが形成されるため、ルーフセンタリインフォースメント3がプレス成形される際のスプリングバック量を抑制して、ルーフセンタリインフォースメント3を精度良く製造することができる。
以上、特定の実施形態について説明したが、本発明はそれらの実施形態に限定されず、当業者であれば種々の変更、置換、追加、削除が可能である。
Claims (6)
- 車両用強度部材であって、
天板と一対の縦壁とを備え、断面ハット形状に形成されており、短手方向に延びる折れ線によって屈曲された折れ部を長手方向に複数備え、全体として湾曲しており、
前記天板は、中央で前記長手方向に延びる凹部と、この凹部の両側で前記長手方向に延びる一対の突条と、前記各折れ部と対応する位置に前記凹部内で前記短手方向に延びる少なくとも一つの凸ビードとを備えており、
該凸ビードの両端は、前記突条の側部に結合している、
車両用強度部材。 - 請求項1の車両用強度部材であって、
前記一対の突条のそれぞれは、前記各折れ部と対応する位置に、前記長手方向に沿って延びる凹ビードを備える、
車両用強度部材。 - 請求項2の車両用強度部材であって、
前記各折れ部に対応する前記少なくとも一つの凸ビードは、前記折れ線上に配置された1本の凸ビードである、
車両用強度部材。 - 請求項3の車両用強度部材であって、
前記各折れ部の前記折れ線は対応する前記凸ビードによって分断され、前記凸ビードの天板面は平坦面とされている、
車両用強度部材。 - 請求項2の車両用強度部材であって、
前記各折れ部に対応する前記少なくとも一つの凸ビードは、同じ折れ部に対応する2つの前記凹ビードの間に配置された2本の凸ビードであり、
前記2本の凸ビードは、対応する前記折れ線を挟んで配置されている、
車両用強度部材。 - 請求項1~5のいずれかの車両用強度部材であって、
前記折れ部で屈曲されることにより前記天板が湾曲の内側となるように形成されたルーフセンタリインフォースメントである、
車両用強度部材。
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