JP5280219B2 - スポイラー - Google Patents

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Description

本発明は自動車のスポイラーに関する。
例えば、ワゴンタイプ,ワンボックスタイプ等の自動車のルーフエンドやリアウィンド上部には車幅方向に延びるスポイラーが取付けられる場合がある。このスポイラーは、合成樹脂材料を用いて中空状に形成される。そのため、特開2007−62439公報,特開2004−106765公報等のブロー成形による提案がいくつもあった。
一方で、最近のスポイラーはアンテナ内蔵やワイパー格納といった機能が付加されるケースが多い。ブロー成形品であるとスポイラーに孔を開けてアンテナを取付けなければならなかった。孔開け工数増の問題にとどまらず、アンテナが傷つく虞もあった。
こうした問題を解決するのに、例えば射出成形品のアッパー部材とロア部材を振動溶着で一体化する二枚合わせのスポイラーが提案されている(例えば特許文献1、2)。
特開2004−306522公報 特開2001−260230公報
しかしながら、特許文献1が、外観が良好で製造に手間がかからないエアスポイラ−の提供を目的とし、特許文献2は、アンダーカット的な断面形状の部分を有するスポイラーを製造できる振動溶着方法の提供を目的とする発明にとどまっていた。
射出成形品のアッパー部材とロア部材を振動溶着で一体化する二枚合わせスポイラーの場合、次のような問題がある。車幅方向に長いスポイラーにあっては、図9(イ)のごとく竹を裂くような剥がす力が、両部材に加わると、図9(ロ)のように、振動溶着部分が比較的簡単に剥がされてしまう。この不具合を改善するため、溶着用リブの厚み等を増して頑丈にすると、製品表面がこの溶着されるリブによりヒケが発生し、外観に悪影響を及ぼす。
また、AM、FMラジオ放送アンテナやデジタルTV放送アンテナ等の電子機器部品がスポイラーに内蔵される場合、これらの電子機器部品を内蔵した状態で振動溶着がなされるため、該電子機器部品を傷つける虞がある。振動溶着時に電子機器部品が接触しない十分な空間を確保すればよいが、その分、スポイラーを大きくしなければならない。さらに、振動溶着時に電子機器部品が接触しない十分な空間を確保できたとしても、車両走行中の振動に、電子機器部品が共振し、電子機器部品が小刻みに震え、異音の発生や品質劣化する問題がある。
本発明は、上記問題点を解決するもので、製品表面の外観品質を保ちながら、これまでの振動溶着による接合力の弱点を克服し、さらに内蔵される電子機器部品の品質安定にも貢献するスポイラーを提供することを目的とする。
上記目的を達成すべく、請求項1に記載の発明の要旨は、アッパー部材とロア部材が振動溶着で一体化される合成樹脂製スポイラーであって、該アッパー部材と該ロア部材が接合される部分に、両者のいずれか一方の部材から他方の部材へ向けて突出する溶着用リブを設け、且つ該溶着用リブが振動溶着時の振動方向に沿って設けられる主リブと、該振動方向に対し直交する方向に設けられる副リブとを具備し、さらに該副リブを前記主リブよりもその高さを低くすると共に、該副リブが該主リブから離間して配設されることを特徴とするスポイラーにある。
請求項2の発明たるスポイラーは、請求項1で、アッパー部材と前記ロア部材のいずれか一方の部材に、その長手方向に沿った長尺の前記主リブが設けられ、さらに、その一方の部材には、長手方向の両端又は両端寄りに、該主リブを延長させた場合にこれと交差するようになる前記副リブが設けられることを特徴とする。請求項3の発明たるスポイラーは、請求項1又は2で、アッパー部材と前記ロア部材のいずれか一方の部材に、他方の部材へ向けて部分的に隆起する柱状部分を形成して、該柱状部分の上端面を前記アッパー部材と前記ロア部材が接合される部分にし、該上端面に前記主リブと前記副リブとが設けられることを特徴とする。請求項4の発明たるスポイラーは、請求項1〜3で、副リブが主リブから少なくとも2mm以上離間して配設されることを特徴とする。請求項5の発明たるスポイラーは、請求項1〜4で、アッパー部材と前記ロア部材のうちの一方の非振動側の部材に装着される電子機器部品と、該電子機器部品が他方の振動側の部材と対向するその電子機器部品の対向面に貼着される発泡体と、をさらに具備し、該発泡体を振動側の部材と干渉させた圧縮状態下にして振動溶着による両部材の溶着一体化がされてなることを特徴とする。
請求項1の発明のごとく、アッパー部材とロア部材が接合される部分に、主リブと副リブを備えると、振動溶着部分に図9のごとく竹を裂くような剥がす力が働いた場合でも、図3のように副リブ4bのリブ長さLで利いて、その剥がす力に対抗し有効に阻止できる。図9(ハ)は図9(イ)のX-X線矢視図であるが、主リブがその断面積の点の大きさPでしか利かないのに対し、副リブ4bを設けると、図3のように副リブのLの線分で利くので、該振動溶着部分にて剥そうとする外力を効果的にブロックする。振動方向に対し直交する方向に設ける副リブ4bは、振動溶着時にバタつきがあり、製品外観に悪影響を及ぼす問題があるが、副リブ4bを主リブ4aよりもその高さを低くすると、その問題も解消できる。
請求項2の発明のごとく、アッパー部材とロア部材の一方の部材に、その長手方向に沿った長尺の主リブが設けられ、さらに、長手方向の両端又は両端寄りに、該主リブを延長させた場合にこれと交差するようになる副リブが設けられると、主リブの箇所で裂こうとしても、そのスタート時点で副リブがブロックする。主リブの両外側にある副リブが主リブを護る形で封止しているので、溶着されたスポイラーの口を開け、初期段階の裂き開ける動作自体が極めて困難になる。
請求項3の発明のごとく、柱状部分の上端面をアッパー部材とロア部材が接合される部分にし、該上端面に主リブと副リブが設けられると、スポイラー内部の空きスペースを有効活用して振動溶着による接合力を一層高めることができる。
請求項4の発明のごとく、副リブが主リブから少なくとも2mm以上離間して配設されると、振動溶着時における両者の溶融樹脂が干渉するのを排除して、該干渉から生じるヒケを完全になくすことができる。
請求項5の発明のごとく、アッパー部材と前記ロア部材のうちの一方の非振動側の部材に装着される電子機器部品と、該電子機器部品が他方の振動側の部材と対向するその電子機器部品の対向面に貼着される発泡体と、を備えると、スポイラー製造の振動溶着の振動作業時に該発泡体で電子機器部品を保護し、傷つくのを防止できる。さらに、該発泡体が振動側の部材と干渉した圧縮状態下におかれて溶着接合したスポイラーが出来上がると、そのスポイラーを取付けた車両の走行中の振動により電子機器部品が共振して振動するのを抑えることができる。
本発明のスポイラーは、製品表面の外観品質を維持しながら、外力の一方向からの剥がしに対して、強度的に弱かったこれまでの振動溶着による接合力を大幅に高め、またスポイラー製造時にこれに内蔵される電子機器部品の傷つき防止を図り、さらに該スポイラーが取着された車両の走行で、該電子機器部品を長期に亘って品質保持できるなど優れた効果を発揮する。
以下、本発明に係るスポイラーの実施形態について詳述する。図1〜図8は本発明のスポイラーの一形態を示したもので、図1はその概略分解斜視図、図2は図1のIV−IV線断面図、図3は図2の状態からアッパー部材とロア部材が接合された説明断面図、図4は図1のロア部材の部分拡大斜視図、図5は図1の柱状部分周りの平面図、図6は図5のVI−VI線矢視図、図7は図4のIX−IX線矢視図、図8の(イ)は振動溶着前の発泡体付き電子機器部品周りの断面説明図、(ロ)は(イ)の状態から振動溶着でアッパー部材とロア部材が一体化された説明断面図である。尚、図面を判り易くするため、各主リブ,副リブを強調図示し、図1〜図3は平板部の主リブが4本のところ2本で簡略図示する。
スポイラー1は、溶着用リブ4を形成した一方の合成樹脂製ロア部材3と、他方の合成樹脂製アッパー部材2と、を具備し、両者が溶着一体化されたものである(図1〜図3)。ワゴンタイプの自動車のルーフエンドα近くのバックドアβに、図3のごとく車幅方向に延びる翼状の本スポイラー1が取付けられる。本実施形態のスポイラー1は、ロア部材3の色をブラックにして、アッパー部材2の色調をボディ色に合わせたツートンカラー仕立てにする。
アッパー部材2は、図2の紙面垂直方向の車幅方向に長いスポイラー1の上半部を形成する平板状の射出成形品である。車幅方向に長く延びた本体2aの両サイドは下方へ屈曲し、ガード部2bを形成する(図1)。
アッパー部材2の本体2aは、図3の車両取付け状態で、上面2Aが意匠面になる平坦な上壁部21と、この上壁部21が車両後方に向かって延び、その外周部分から側面視略L字状に屈曲して下方に延設される立壁部22と、を備える。ここで、本発明における「下方」とは、車両下側方向のことで、バックドアβにスポイラー1が図3のように取付けられた場合、同図の紙面下方をいい、「上方」とは同図紙面上方で、車両上側方向をいう。振動溶着時には、図2,図3のごとく、ロア部材3に被着するように上方側からアッパー部材2が溶着一体化される。
アッパー部材2の振動溶着の部位は、車両後方側の外周縁で、アッパー部材2の長手方向に沿った立壁部22の壁厚の下端面22aと、車両前方側の外周縁寄りで、アッパー部材2の長手方向に沿った上壁部21の下面2Bと、ロア部材3に設けた柱状部分35(後述)に対向する上壁部21の下面2Bと、がある。アッパー部材2は、振動溶着によるヒケ等の発生を最小限にするため、その肉厚を3.0mm以上とする。アッパー部材2に係る振動溶着の部位は、振動溶着時に、ロア部材3の溶着用リブ4に対向,当接する。
ロア部材3は前記アッパー部材2と溶着一体化されるスポイラー1の下半部で、車幅方向に長い形状とする。車幅方向に長く延びた主部3aの両サイドは下方へ屈曲し、囲い部3bを形成する(図1)。ロア部材3とアッパー部材2が溶着一体化されたとき、ロア部材3のメイン部分たる主部3aにアッパー部材2の本体2aが重なり、ロア部材3の囲い部3bをアッパー部材2のガード部2bが被う。
ロア部材3は平面視形状をアッパー部材2と略同じにして、図2〜図4のように、電子機器部品5の格納用凹所uを設ける。ここでは、電子機器部品5に、FM,AMラジオアンテナ5aとデジタルTVアンテナアンテナ5bを用いる。その他、ストップランプ等があるが、図示を省略する。アッパー部材2の本体2aに溶着一体化されるロア部材3の主部3aは、図1,図2のごとく平板部31と斜板部32と底板部33と起立部34とを備えて、前記凹所uを該斜板部と該底板部と該起立部とで形成する。車幅方向に沿って横長の凹所uが設けられる。主部3aには、車両前方側の外周縁を含めて、アッパー部材2の長手方向に沿った長い平板部31が設けられ、該平板部から車両後方側に向けて下降傾斜する斜板部32が延設される。さらに、該斜板部から車両後方側に向けて底板部33が延設され、該底板部の車両後方側の端縁を屈曲し、上方へ向けて起立部34が延設されて、図2に示すような側面視凹形の凹所uを形成する。
このロア部材3には、前記アッパー部材2と振動溶着により接合される部分に、ロア部材3からアッパー部材2へ向けて突出する溶着用リブ4が設けられる。該溶着用リブは、振動溶着時の振動方向に沿って設けられる主リブ4aと、該振動方向に対し直交する方向に設けられる副リブ4bとを備える。
本実施形態は、振動溶着時の振動方向を、ロア部材3の車両前方側に配する平板部31の長手方向に合わせており、該平板部にその長手方向に沿った長尺の主リブ4aが複数本設けられる。主リブ4aが平板部31上に垂直起立するようにして、ロア部材3の成形時に一体成形される。実際は図4のごとく主リブ4aが4本設けられるが、図1〜図3は2本にして簡略図示する。また、前記起立部34の上半部にも車幅方向を振動方向とする主リブ4aが設けられる。スポイラー1の車両前方側を含めほぼ全般にわたってアッパー部材2とのロア部材3の一体化結合は、振動方向(車幅方向)に設けた平板部31の主リブ4aに委ねる。スポイラー1の車両後方側におけるアッパー部材2とのロア部材3の一体化結合は、車幅方向に沿った起立部34の上半部に設けた主リブ4aに委ねる。
前記主リブ4aを設けながら、平板部31の長手方向の両端寄り(又は両端)には、該主リブを延長させた場合にこれと交差するようになる副リブ4bが、また別に設けられる。副リブ4bも平板部31上に垂直起立するようにして、ロア部材3の成形時に一体成形される。平板部31上の各主リブ4aを振動方向に仮想延長させると、各主リブ4aが両外側にそれぞれ設けた1本の副リブ4bと交差する。各主リブ4aの両端近くに、該主リブの仮想延長線と交差する副リブ4bが設けられる。図9(イ),(ロ)の矢印で示す竹を裂くような外力が加わった際、主リブ4aの端部から外力で引き裂かれていくのを、その手前で、副リブ4bがガードし、引き裂きを阻止する狙いがある。平板部31のいずれの主リブ4aもその延長線上に、これとクロスオーバーする副リブ4bを設けるので、該外力の引き裂きに万全の対策が講じられている。
ここで、平板部31に設けた前記副リブ4bは、同じく平板部31に設けた前記主リブ4aよりもその高さを低くする。副リブ4bは振動方向に対し直交する方向に設けられるため、通常、振動溶着時にバタつき、外観に悪影響を及ぼす。振動溶着時の該バタつきを、副リブ4bの高さを低くすることにより解消する。具体的には、副リブ4bの高さを主リブ4aの高さよりも0.3mm〜0.6mmの範囲で低く設定する。本実施形態は各本リブの高さを0.9mm〜1.2mmの範囲とするのに対し、各副リブ4bの高さを0.4〜0.7mmの範囲とする。
さらに、各副リブ4bは主リブ4aから離間して配設される。両者が離れずにつながってしまうと、振動溶着時にその箇所の溶融樹脂の逃げ場がなくなりヒケ易くなるからである。主リブ4aを仮想延長させた場合に、初めて該主リブと交差する副リブ4bにして、この両者の交差部位CR(仮想交差する部分の位置)に溶融樹脂の逃げ場をつくり、ヒケの問題解決を図る。振動方向リブの主リブ4aと、これに対し垂直なリブの副リブ4bとの交差部位CRでの隙間εは、少なくとも2mm以上確保される。振動溶着時には主リブ4a,副リブ4bからそれぞれ溶融樹脂の溶け出しが1mm程度あることから、副リブ4bが主リブ4aから少なくとも2mm以上離間して配設される。
本実施形態は、さらに前記凹所uの領域に柱状部分35を形成し、ここにも溶着用リブ4が設けられる。凹所uの領域で、アンテナ格納用スペースから免れた箇所に、斜板部32や底板部33を部分的に隆起させて柱状部分35を形成する。
車幅方向に形成された凹所uの両サイド寄りの底板部33を隆起させて、柱状部分35が二箇所形成される(図1)。また、凹所uの中央寄りの斜板部32を隆起させて、柱状部分35が二箇所形成される。符号35bは柱状部分35を形成する隆起側壁を示す。該柱状部分の上端面35aを、アッパー部材2とロア部材3の接合される部分とし、該上端面に主リブ4aと副リブ4bが設けられる。
図5,図6のような方形の上端面35aに、振動溶着時の振動方向に沿った主リブ4aが設けられ、また、該振動方向に対し直交する方向に配した副リブ4bが設けられる。ここでは、それぞれの上端面35aに、車幅方向を振動方向とする主リブ4aを2本設ける。上端面35aの長手方向の両端寄り(又は両端)には、主リブ4aを延長させた場合にこれと交差する副リブ4bがそれぞれ1本設けられる。上端面35aに在る各主リブ4aを振動方向に仮想延長させると、図5のごとく各主リブ4aが上端面35aの左右両側にそれぞれ設けた1本の副リブ4bと交差する。図1,図2では主リブ4aの長さが副リブ4bのものよりも短いが、実際は図5のように主リブ4aの長さの方が長い。主リブ4aの長さを副リブ4bのものよりも長くして、アッパー部材2とロア部材3とを剥がそうとする種々の外力に該主リブが対抗して護る。その一方で、図9のような引き裂く外力に対しては、副リブ4bが対抗して護るようにしている。
主リブ4a,副リブ4bが、上端面35aに垂直起立するよう、ロア部材3の成形時に一体成形される。副リブ4bは主リブ4aよりもその高さを低くすると共に、該副リブが該主リブから離間して配設される。また、平板部31に設けた溶着用リブ4と同様、主リブ4aと副リブ4bの交差部位CRでの隙間εが少なくとも2mm以上確保される。
平板部31、起立部34、及び柱状部分35の各溶着用リブ4に係る主リブ4aの肉厚及び副リブ4bの肉厚は、スポイラー1の外観品質が確保できるよう、共に1mmとする。
本実施形態は、さらにアッパー部材2とロア部材3のうちの一方の非振動側の部材(ロア部材3)に装着される電子機器部品5と、該電子機器部品5の上面に貼着される発泡体7と、を具備する。
振動溶着に先立ち、発泡体7が貼着された電子機器部品5が図1,図4のごとくロア部材3に取付けられる。ここでは、電子機器部品5として、ロア部材3に係る凹所uの中央域にFM,AMラジオアンテナ5aが取付けられ、該凹所uの両サイド域に一対のデジタルTVアンテナ5bが取付けられる。両アンテナ5a,5bの上面には、図4のように随所に弾性変形可能な発泡体7が貼着される。これら発泡体7がアッパー部材2(振動側の部材)と干渉させた圧縮状態を保ったまま、振動溶着でアッパー部材2,ロア部材3の溶着一体化がなされるスポイラー1とする。
各電子機器部品5の上面に発泡体7を貼着するのは、振動溶着時に電子機器部品5が傷つかないようにするためである。発泡体7をアッパー部材2と干渉させた圧縮状態のままで両部材2,3を溶着一体化するのは、車両に組み込まれたスポイラー1が、車両走行の振動に対しても電子機器部品5を保護できるからである。例えば、図4のデジタルTVアンテナ5bに設けた発泡体7は、該アンテナを構成する基板5bから外方に張出した突出片5b上に貼着される。発泡体7は、図8(イ)のごとく溶着前の無負荷状態から、振動溶着時には、同図(ロ)のごとくアッパー部材2と干渉する圧縮状態下におかれる。この状態のままで両部材が溶着一体化されてスポイラー1が製品化される。
前記発泡体7はクッション性に富むウレタン等の軟質発泡体7で造られた板片状体である。本実施形態は基材をEPDM発泡体7にし、さらにその下面に粘着剤、離型シールを付与した粘着剤付き発泡体7(商品名:エプトシーラ、日東電工株式会社製)とする。離型シールを剥がして、電子機器部品5の上面に発泡体7が貼着される。
スポイラー1は、前記アッパー部材2,ロア部材3,電子機器部品5,発泡体7を準備して、例えば次のように造られる。
まず、振動溶着に先立ち、アッパー部材2,ロア部材3にツートンカラー対応に合わせた塗装が施される。塗装終了後の非振動側の部材たるロア部材3に、図4に示すようにFM,AMラジオアンテナ5aとデジタルTVアンテナ5bが、ビス等の止具6を用いて装着される。電子機器部品5を振動側のアッパー部材2に装着しないのは、溶着振動時の振動によりダメージを受ける虞があるからである。続いて、これらアンテナ5a,5bの上面(アッパー部材2側の面)の必要箇所に方形体の発泡体7を貼着する。発泡体7は電子機器部品5が振動側の部材(ここではアッパー部材2)と対向するその電子機器部品5の対向面に貼着される。振動溶着時に傷つき易い箇所や、該スポイラー1を組み込んだ車両が走行中の振動で、揺れ易くなる箇所に、発泡体7が貼着される。
次いで、このアンテナ組付けロア部材3を下治具8にセットし、上治具9に塗装が施されたアッパー部材2をセットする(図2)。その後、上治具9を下降させて、振動溶着のスタンバイ状態とする。ハーネス等の電子機器部品5の配線はロア部材3の孔を経て下治具8の外側に出し、溶着可能な状態にする。
しかる後、例えば振幅の幅1.5mm以下に設定し、周波数を100HZ以上にして振動溶着を実施する。アッパー部材2とロア部材3を接合方向に加圧すると共に、アッパー部材2に上治具9を介して振動を図3の紙面垂直方向に加える。この振動溶着時、発泡体7は弾性圧縮状態にある。主リブ4aの上部(すなわち溶け代h)の接合部分の一部が摩擦エネルギによって溶融し、続いて副リブ4bの上部(すなわち溶け代h)の接合部分の一部が摩擦エネルギとなって溶融する。該接合部分が溶着し、アッパー部材2とロア部材3が一体化する所望のスポイラー1が得られる。
図3中、主リブ4a,副リブ4bとアッパー部材2と実線交差して干渉するリブ上部が、アッパー部材2とロア部材3の溶着一体化を担う溶着用リブ4の溶け代h,hを示す。符号hは主リブ4a,副リブ4bとアッパー部材2との溶着を終えても残る残存部を示す。
このように構成したスポイラー1は、車両前方側を占める平板部31に、振動溶着時の振動方向である車幅方向に沿った長尺の主リブ4aを複数設けると共に、車両後方側の起立部34に、車幅方向に沿った主リブ4aを設けるので、通常の外力の剥がしに対し、従来の溶着タイプのスポイラー1と同様にガードする。しかし、車幅方向に長い該スポイラー1にあって、このままでは図9(イ),(ロ)のような竹を裂くような外力が加わると、剥がされ易い欠点がある。図9(ハ)のごとく車幅方向に走る主リブ4aが点の大きさPでしか支えないので、スポイラー1の両端末を起点として図9(ロ)のように容易に剥がされていく。
これに対し、本スポイラー1は振動方向に対し直交する方向に副リブ4bを設けるので、図9(イ),(ロ)のような裂き剥がす外力に対し、該副リブが威力を発揮する。図3に示すごとく、主リブ4aがその肉厚幅の点の大きさPでしか支えきれないのに対し、副リブ4bがその長さ全体Lで、裂き剥がす外力に対しブロックする。副リブ4bは振動方向に対し直交する方向に設けられるので、副リブ4bの長さLを最大限生かして、裂き剥がす外力を阻止する。
さらに、車両前方側の平板部31で、車幅方向に沿ったその長手方向の両端又は両端寄りに、該主リブを延長させた場合にこれと交差する副リブ4bがそれぞれ設けられるので、車幅方向に長いスポイラー1の両端末から裂き開ける初期段階の動作を極めて効果的に封じることができる。
その一方で、振動方向に対し直交する方向に副リブ4bを設けているので、振動溶着時の振動で、該副リブがバタつく問題が派生する。しかし、副リブ4bの高さを主リブ4aよりもその高さを低くしているので、斯かる問題を解決できる。また、副リブ4bを主リブ4aから離間して配設するので、振動溶着時の溶融樹脂の逃げ場が設けられ、ヒケの問題等も解消する。主リブ4aを延長させた場合に副リブ4bと交差する交差部位CRでの両者の隙間εを2mm以上にするので、振動溶着時の溶融樹脂の逃げ場が十分得られ、スポイラー1の外観品質が確保される。
加えて、柱状部分35の上端面35aにも溶着用リブ4の主リブ4aと副リブ4bとを設けるので、ロア部材3の空きスペースを活用して、アッパー部材2とロア部材3の溶着一体化を一段と強化できる。
また、電子機器部品5には、溶着振動側の部材との対向面に発泡体7が貼着されるので、スポイラー1製造の振動溶着の振動作業時にアンテナ等の電子機器部品5を発泡体7で保護し、該電子機器部品が傷つくのを防止できる。さらに、発泡体7を圧縮状態下において、アッパー部材2とロア部材3の溶着接合されたスポイラー1では、そのスポイラー1を取付けた車両が走行中に振動しても、電子機器部品5に危害を与えない。車両走行の振動に対し、電子機器部品5が図8(ロ)の鎖線図示のように振れても、発泡体7の弾性伸縮作用が働いて、振動を吸収し電子機器部品5を保護できる優れた効果がある。
さらにいえば、塗装後に振動溶着されるスポイラー1が出来ることによって、ツートンカラー仕様に対し、安価で且つ品質的にも優れた製品を提供できるなど、数々の優れた効果を発揮する。
尚、本発明においては、上記実施例に示すものに限られず、目的,用途に応じて本発明の範囲で種々変更できる。アッパー部材2,ロア部材3,溶着用リブ4,主リブ4a,副リブ4b,柱状部分35,電子機器部品5,溶け代h,h等の形状,大きさ,個数などは用途に応じて適宜選択できる。例えば、実施形態は、ロア部材3を一方の部材,非振動側の部材にし、アッパー部材2を他方の部材,振動側の部材として取り上げたが、逆の入れ替えパターンも勿論適用できる。電子機器部品5はTVアンテナ等を用いたが、これ以外に、ワイパーモータ,ワイパーブレード等にも適用できる。
本発明のスポイラーの一形態を示したもので、その概略分解斜視図である。 図1のIV−IV線断面図である。 図2の状態からアッパー部材とロア部材が接合された説明断面図である。 図1のロア部材の部分拡大斜視図である。 図1の柱状部分周りの平面図である。 図5のVI−VI線矢視図である。 図4のIX−IX線矢視図である。 (イ)は振動溶着前の発泡体付き電子機器部品周りの断面説明図、(ロ)は(イ)の状態から振動溶着でアッパー部材とロア部材が一体化された説明断面図である。 従来技術の説明図である。
1 スポイラー
2 アッパー部材
3 ロア部材
35 柱状部分
35a 上端面
4 溶着用リブ
4a 主リブ
4b 副リブ
5 電子機器部品
7 発泡体

Claims (5)

  1. アッパー部材とロア部材が振動溶着で一体化される合成樹脂製スポイラーであって、
    該アッパー部材と該ロア部材が接合される部分に、両者のいずれか一方の部材から他方の部材へ向けて突出する溶着用リブを設け、且つ該溶着用リブが振動溶着時の振動方向に沿って設けられる主リブと、該振動方向に対し直交する方向に設けられる副リブとを具備し、さらに該副リブを前記主リブよりもその高さを低くすると共に、該副リブが該主リブから離間して配設されることを特徴とするスポイラー。
  2. 前記アッパー部材と前記ロア部材のいずれか一方の部材に、その長手方向に沿った長尺の前記主リブが設けられ、さらに、その一方の部材には、長手方向の両端又は両端寄りに、該主リブを延長させた場合にこれと交差するようになる前記副リブが設けられる請求項1記載のスポイラー。
  3. 前記アッパー部材と前記ロア部材のいずれか一方の部材に、他方の部材へ向けて部分的に隆起する柱状部分を形成して、該柱状部分の上端面を前記アッパー部材と前記ロア部材が接合される部分にし、該上端面に前記主リブと前記副リブとが設けられる請求項1又は2に記載のスポイラー。
  4. 前記副リブが前記主リブから少なくとも2mm以上離間して配設される請求項1乃至3のいずれか一項に記載のスポイラー。
  5. 前記アッパー部材と前記ロア部材のうちの一方の非振動側の部材に装着される電子機器部品と、該電子機器部品が他方の振動側の部材と対向するその電子機器部品の対向面に貼着される発泡体と、をさらに具備し、該発泡体を振動側の部材と干渉させた圧縮状態下にして振動溶着による両部材の溶着一体化がされてなる請求項1乃至4のいずれか一項に記載のスポイラー。
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