JP5278695B2 - 感熱記録体 - Google Patents
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Description
さらに、記録部については、種々の環境における長期間の保存性が求められることから、特に耐油性、耐可塑剤性に優れることが求められる。
しかしながら、4,4’−(3−(トシル)ウレイド)ジフェニルメタン単独では、サリチル酸の金属塩と同様に、記録部の耐可塑剤性、耐油性は改善されるものの、高温高湿保存下における白紙部(地肌部)の発色がみられるなど、地肌部の耐熱湿性が劣っている。
本発明の感熱記録体に用いられる支持体としては、特に限定しないが、例えば、中性または酸性の上質紙、合成紙、透明又は半透明のプラスチックフィルム、白色のプラスチックフィルム等が挙げられる。支持体の厚みは特に限定しないが、通常、20〜200μm程度である。
感熱記録層内には、ロイコ染料、および呈色剤として、安息香酸亜鉛及び4,4’−(3−(トシル)ウレイド)ジフェニルメタンが含有されている。さらに、4−アリルオキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホンが含有されていることが好ましい。
以下、各順に説明する。
本発明で用いられるロイコ染料としては、各種公知のものが使用できる。ロイコ染料の具体例としては、例えば3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)−3−(4−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−ジエチルアミノ−7−ジベンジルアミノ−ベンゾ[α]フルオラン等の青発色性染料;3−(N−エチル−N−p−トリル)アミノ−7−N−メチルアニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−ジベンジルアミノフルオラン等の緑発色性染料;3−シクロヘキシルアミノ−6−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−6,8−ジメチルフルオラン等の赤発色性染料;3−(N−エチル−N−イソアミル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−メチル−N−シクロヘキシル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ(n−ブチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ(n−ペンチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ(n−ブチル)アミノ−7−(o−フルオロフェニルアミノ)フルオラン、3−(N−エチル−p−トルイジノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−テトラヒドロフルフリルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン等の黒発色性染料;3,3−ビス[1−(4−メトキシフェニル)−1−(4−ジメチルアミノフェニル)エチレン−2−イル]−4,5,6,7−テトラクロロフタリド、3−p−(p−ジメチルアミノアニリノ)アニリノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−p−(p−クロロアニリノ)アニリノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3、6−ビス(ジメチルアミノ)フルオレン−9−スピロ−3’−(6’−ジメチルアミノ)フタリド等の近赤外領域に吸収波長を有する染料等が挙げられる。勿論、これらに限定されるものではなく、また2種類以上を併用することも可能である。
安息香酸亜鉛は、ロイコ染料の呈色剤として含有されている。
一般に、芳香族カルボン酸亜鉛塩は、遷移金属である亜鉛原子のd軌道の電子受容能が、塩基性ロイコ染料に対し、顕色剤として機能できる。亜鉛原子のd軌道の電子吸引性は、芳香族のp位置換基の種類により異なる。電子吸引性基であるハロゲン、アルデヒド基、ニトロ基等を、p位置に有する芳香族カルボン酸は、結果として、発色性能、耐油性、耐可塑剤性といった記録部保存性に優れているが、安全性、特に廃棄物として処理される際に、塩素や窒素酸化物が排出されることから、使用しないことが求められるようになっている。ベンズアルデヒドは、このような廃棄物としての問題はないものの、高コストであり、大量に使用すると、感熱記録体の価格アップの原因となる。
また、感熱記録層中のロイコ染料と安息香酸亜鉛の含有比率は、特に限定しないが、一般にロイコ染料1質量部に対して0.5〜50質量部、好ましくは1〜10質量部、より好ましくは1〜5質量部程度の安息香酸亜鉛を含有することが好ましい。
4,4’−(3−(トシル)ウレイド)ジフェニルメタンは、記録部の耐油性、耐可塑剤性に優れているが、耐油性、耐可塑剤性を満足できるレベルを確保できる量を添加すると、高温高湿保存により地肌かぶりがおこるという問題がある。しかしながら、本発明においては、安息香酸亜鉛との併用により、地肌かぶりが問題とならず、優れた記録部の耐油性、耐可塑剤性を確保することができる。
4,4’−(3−(トシル)ウレイド)ジフェニルメタンの粉砕処理は、安息香酸亜鉛の粉砕処理と別々に行ってもよいが、4,4’−(3−(トシル)ウレイド)ジフェニルメタン及び安息香酸亜鉛、好ましくは4,4’−(3−(トシル)ウレイド)ジフェニルメタン、安息香酸、および酸化亜鉛の組み合わせを水媒体中に仕込み、同時湿式粉砕処理することが好ましい。同時粉砕により得られる分散液は、個別に粉砕処理して得られた分散液を混合した場合よりも、耐油性、耐可塑剤性の改善効果が高く、また可塑剤と接触させたときの地肌かぶりも少なくて済み、感熱記録体の保存性に優れている。
4−アリルオキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホンは、安息香酸亜鉛及び4,4’−(3−(トシル)ウレイド)ジフェニルメタンと併用する事により、未記録部(地肌部)に影響を与えることなく、発色感度を上げることができる。
4−アリルオキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホンは、感熱記録層中、1〜15質量%含有することが好ましく、より好ましくは3〜10質量%である。
本発明では必要に応じて、公知の増感剤を併用することもできる。かかる増感剤の具体例としては、例えば、ステアリン酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、2−ナフチルベンジルエーテル、m−ターフェニル、p−ベンジルビフェニル、ジ(p−メトキシフェノキシエチル)エーテル、1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ジ(4−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ジ(4−メトキシフェノキシ)エタン、1,2−ジフェノキシエタン、1,4−ジ(フェニルチオ)ブタン、p−アセトトルイジド、p−アセトフェネチジド、N−アセトアセチル−p−トルイジン、ジ(β−ビフェニルエトキシ)ベンゼン、シュウ酸ジ−p−クロロベンジルエステル、シュウ酸ジ−p−メチルベンジルエステル、シュウ酸ジベンジルエステル等が挙げられる。
感熱記録層は、以上のような成分の他、接着成分を含有する。接着成分としては、例えば酸化澱粉、エステル化澱粉、エーテル化澱粉等の澱粉類、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メトキシセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース系樹脂、完全(または部分)鹸化ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール、珪素変性ポリビニルアルコール等のポリビニルアルコール類、スチレン・無水マレイン酸共重合体及びそのアルカリ塩、イソブチレン・無水マレイン酸共重合体及びそのアルカリ塩、カゼイン、ゼラチン、酢酸ビニル樹脂系ラテックス、ウレタン樹脂系ラテックス、スチレン・ブタジエン共重合体系ラテックス、アクリル樹脂系ラテックス等が挙げられる。
さらに、感熱記録層中には、必要により助剤としてカオリン、炭酸カルシウム、無定形シリカ、酸化チタン、水酸化アルミニウム、焼成カオリン等の顔料、パラフィンワックス、ポリエチレンワックス、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アミド等の滑剤、蛍光染料、着色染料、紫外線吸収剤、界面活性剤、耐水化剤等が含有されていてもよい。
以上のような成分、すなわち、ロイコ染料、安息香酸亜鉛、4,4’−(3−(トシル)ウレイド)ジフェニルメタン、さらに必要に応じて4−アリルオキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホン、増感剤、接着成分、さらに必要に応じて添加させる添加物を、水媒体に分散させてなる塗工液(感熱記録層用塗工液)を調製する。
以上のようにして調製される感熱記録層用塗工液を、支持体の一方の面に、乾燥後の塗布量が2〜10g/m2程度、好ましく2.5〜5g/m2程度となるように塗工し、乾燥することで、感熱記録層が形成される。
下塗り層に用いられる接着成分としては、感熱記録層で使用するような樹脂を用いることができる。すなわち、酸化澱粉、エステル化澱粉、エーテル化澱粉等の澱粉類、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メトキシセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース系樹脂、完全(または部分)鹸化ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール、珪素変性ポリビニルアルコール等のポリビニルアルコール類、スチレン・無水マレイン酸共重合体及びそのアルカリ塩、イソブチレン・無水マレイン酸共重合体及びそのアルカリ塩、カゼイン、ゼラチン、酢酸ビニル樹脂系ラテックス、ウレタン樹脂系ラテックス、スチレン・ブタジエン共重合体系ラテックス、アクリル樹脂系ラテックス等を用いることができる。
また、下塗り層に含有される有機顔料としては、球状樹脂粒子(所謂、密実型樹脂粒子)、中空樹脂粒子、貫通孔を有する樹脂粒子、中空樹脂粒子の一部を平面で裁断して得られるような開口部を有する樹脂粒子等が挙げられる。記録濃度を高めたい場合には、中空樹脂が好ましく用いられる。これらの樹脂粒子を構成する樹脂成分については、特に限定するものではなく、例えば、球状樹脂粒子としては、スチレン、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリロニトリル等の単量体の単独重合体やこれらの単量体の共重合体等が挙げられる。中空樹脂粒子、貫通孔を有する樹脂粒子、中空樹脂粒子の一部を平面で裁断して得られるような開口部を有する樹脂粒子としては、塩化ビニル、塩化ビニリデン、スチレン、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリロニトリル等の単量体の単独重合体や、これらの単量体の共重合体等が挙げられる。これらの有機顔料の平均粒子径については特に限定するものではないが、例えば、球状粒子では0.1〜2.0μm程度、中空樹脂粒子では0.5〜5.0μm程度、貫通孔を有する樹脂粒子では0.1〜2.0μm程度、開口部を有する樹脂粒子では0.3〜5.0μm程度のものが好ましく用いられる。
さらに、感熱記録層上に、成膜性を有する接着剤を主成分とする保護層を設けてもよい。保護層用塗液は、例えば水を媒体とし、接着成分、顔料、及び必要により助剤とを混合攪拌して調製される。保護層に用いられる接着成分、顔料、助剤は、上記の感熱記録層で用いられ得るものを使用できる。
〔測定評価方法〕
(1)記録濃度
感熱記録評価機(商品名:TH−PMD、大倉電機社製)を用いて、印加エネルギー0.25mJ/ドットにて各感熱記録体を印字し、記録部及び未記録部(地肌部)の濃度をマクベス濃度計(商品名:RD−914型、マクベス社)のビジュアルモードで測定した。
数値が大きい程、印字の濃度が濃いことを示しており、記録部については、実用上、1.20以上であることが必要とされる一方、地肌部については数値が小さいほど好ましく、0.2を超えると、地肌かぶりが問題となる。
(2−1)地肌部耐熱性
70℃雰囲気下で24時間放置した後の地肌部の濃度をマクベス濃度計で測定した。地肌部濃度が0.3を超えると、使用目的によっては地肌かぶりが問題となる。
(2−2)地肌部耐熱湿性
40℃、90RH%雰囲気下で24時間放置した後の地肌部の濃度をマクベス濃度計で測定した。地肌部濃度が0.2を超えると、地肌かぶりが問題となる。
発色させた各感熱記録体をコーン油に浸し、24時間放置後に引き上げてガーゼで拭いた後の記録部の濃度(記録濃度)をマクベス濃度計で測定した。また、下記式により、記録部の保存率を求めた。油浸漬処理後の記録濃度0.6以上で、保存率50%以上であれば問題ない。
保存率(%)=測定値(記録濃度)÷処理前の記録濃度×100
ポリカーボネイトパイプ(40mmΦ)上にラップフィルム(商品名:ハイラップKMA−W、三井化学社製)を三重に巻付け、その上に発色させた各感熱記録体を載せ、更にその上にラップフィルムを三重に巻き付けて40℃で24時間放置した後の記録部及び地肌部の濃度をマクベス濃度計で測定した。また、記録部の保存率を、耐油性の場合と同様に、上記式に基づいて、算出した。
処理後の記録濃度0.6以上で、保存率50%以上であれば問題ない。また、処理後の地肌部濃度が0.2を超えると、地肌かぶりが問題となる。
分散液を乾燥して、固形分重量を測定し、分散液に対する重量比率(質量%)を算出した。
球状樹脂粒子分散液(商品名:グロスデール130S、組成:スチレン、平均粒子径:0.8μm、三井化学社製、固形分濃度53質量%)90部、焼成カオリン(商品名:アンシレックス、エンゲルハード社製)の50%水分散液(平均粒子径:0.6μm)120部、スチレン−ブタジエン系ラテックス(商品名:L−1571、旭化成ケミカルズ社製、固形分濃度48質量%)10部、酸化澱粉の10%水溶液50部、及び水20部からなる組成物を、混合攪拌して下塗り層用塗液を得た。
(1)ロイコ染料分散液の調製(A液調製)
3−ジ(n−ブチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン100部、鹸化度60モル%、重合度200のポリビニルアルコールの20%水溶液50部、天然油脂系消泡剤の5%エマルジョン20部、及び水52部からなる組成物(懸濁液)を、サンドミルによりレーザー回折式粒径測定器SALD2200(島津製作所社製)によるメジアン径が1.0μmとなる様に処理してA液を得た。
(2−1)安息香酸亜鉛の分散液(b1液)
安息香酸244.2部、酸化亜鉛81.4部、鹸化度88モル%、重合度300のポリビニルアルコールの20%水溶液162.8部、天然油脂系消泡剤の5%エマルジョン65.1部、及び水169.3部からなる組成物(懸濁液)を、サンドミルにより動的光散乱式粒径分布測定装置LB−500(堀場製作所社製)によるメジアン径が1.5μmとなる様に処理してb1液を得た。b1液における安息香酸に対する亜鉛のモル比率(Zn/安息香酸)は、1/2である。
4,4’−(3−(トシル)ウレイド)ジフェニルメタン100.0部、鹸化度88モル%、重合度300のポリビニルアルコールの20%水溶液50部、天然油脂系消泡剤の5%エマルジョン20部、及び水50部からなる組成物(懸濁液)を、サンドミルにより、動的光散乱式粒径分布測定装置LB−500(堀場製作所社製)によるメジアン径が1.5μmとなる様に処理してb2液を得た。
4−アリルオキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホン100部、鹸化度88モル%、重合度300のポリビニルアルコールの20%水溶液50部、天然油脂系消泡剤の5%エマルション20部、及び水52部からなる組成物(懸濁液)を、サンドミルにより、動的光散乱式粒径分布測定装置LB−500(堀場製作所社製)によるメジアン径が1.5μmとなる様に処理してb3液を得た。
安息香酸244.2部、酸化亜鉛81.4部、4,4’−(3−(トシル)ウレイド)ジフェニルメタン76.4部、鹸化度88モル%、重合度300のポリビニルアルコールの20%水溶液203.5部、天然油脂系消泡剤の5%エマルジョン81.4部、及び水211.7部からなる組成物(懸濁液)を、サンドミルにより、動的光散乱式粒径分布測定装置LB−500(堀場製作所社製)によるメジアン径が1.5μmとなる様に処理してb4液を得た。
50℃に加熱した温水119.0部に、鹸化度88モル%、重合度300のポリビニルアルコールの20%水溶液233.6部、天然油脂系消泡剤の5%エマルジョン31.2部、ジトリデシルスルホコハク酸ナトリウム塩(商品名:ペレックスTRB、花王社製)の5%水溶液200.0部、安息香酸200.0部、酸化亜鉛73.3部を加えて1時間攪拌した。さらに4,4’−(3−(トシル)ウレイド)ジフェニルメタン188部を混合攪拌した後、サンドミルにより、動的光散乱式粒径分布測定装置LB−500(堀場製作所社製)によるメジアン径が1.5μmとなる様に処理してb5液を得た。
前記で調製したb5液を、40℃にて8時間加熱してb6液とした。
シュウ酸ジ−p−メチルベンジルエステル100部、ケン化度88モル%、重合度300のポリビニルアルコールの20%水溶液50部、天然油脂系消泡剤の5%エマルジョン20部、および水52部からなる組成物(懸濁液)を、サンドミルによりレーザー回折式粒径測定器によるメジアン径(商品名:SALD2200、島津製作所社製による50%値)が1.5μmとなるように処理して50%分散液を調製した。
ロイコ染料液(A液)25部、増感剤分散液(C液)80部、微粒子無定形シリカ(商品名:ミズカシールP−603、水澤化学社製)10部、鹸化度98モル%、重合度1000のポリビニルアルコールの25%水溶液40部、ステアリン酸アミドの分散液(商品名:G−270、固形分濃度21.5%、中京油脂社製)50部、及び水50部、及び呈色剤液としてb1〜b6液を、感熱記録層固形分に対する安息香酸亜鉛及び/又は4,4’−(3−(トシル)ウレイド)ジフェニルメタンの含有率が所期の値となるように選択して、含有量を調節した。
粉砕処理として個別処理を選択する場合には、呈色剤分散液としてb1〜b3液を使用し、これらをロイコ染料液、増感剤分散液と混合した。粉砕処理として同時粉砕処理を選択する場合には、b4液、b5液を使用して、ロイコ染料液、増感剤分散液と混合して、感熱記録層用塗液を調製した。また、粉砕処理として同時粉砕処理及び加熱処理を選択する場合には、b6液を使用して、ロイコ染料液、増感剤分散液と混合して、感熱記録層用塗液を調製した。
64g/m2の上質紙(中性紙)の一方の面に、下塗り層用塗液を乾燥後の重量が8g/m2となるように塗布乾燥して下塗り層を形成し、次いで、この下塗り層上に、表1に示すような呈色剤含有率(感熱記録層固形分に対する質量%)となるように調製した感熱記録層用塗液を乾燥後の重量が4g/m2となるように塗布乾燥して感熱記録層を形成した後、スーパーキャレンダーを施し感熱記録体No.1〜18を作製した。No.1〜6及び13、15〜18が本発明実施例に該当する。
作製した感熱記録体No.1〜18について、上記測定評価方法に従って、記録濃度、地肌部耐熱湿性、記録部保存率、耐可塑剤性試験後の地肌部濃度を評価した。また、No.16〜18については、さらに地肌部耐熱性を評価した。結果を表1(No.1〜10)及び表2(No.11〜18)に示す。
また、4,4’−(3−(トシル)ウレイド)ジフェニルメタンを単独で使用した場合、感熱記録層中、5質量%では記録濃度が低く、保存性試験後の記録部濃度を確保することができず(No.8)、15質量%以上含有させることによって耐油性、耐可塑剤性を確保することができても、地肌部耐熱湿性が問題となるレベルにまで低下した(No.9、10、11)。
さらに、安息香酸亜鉛と4,4’−(3−(トシル)ウレイド)ジフェニルメタンを組み合わせて用いる場合であっても、4,4’−(3−(トシル)ウレイド)ジフェニルメタンの含有量が20質量%の場合には、地肌部の耐熱湿性が問題となるレベルにまで低下した(No.12)。
Claims (8)
- 支持体上に、ロイコ染料及び呈色剤を含有する感熱記録層を有する感熱記録体において、
前記呈色剤として、前記感熱記録層固形分に対して、安息香酸亜鉛を8〜30質量%、4,4’−(3−(トシル)ウレイド)ジフェニルメタンを2〜15質量%含有している感熱記録体。 - 前記呈色剤は、4,4’−(3−(トシル)ウレイド)ジフェニルメタン及び安息香酸亜鉛を、平均粒子径0.1〜3.0μmに、同時湿式粉砕したものである請求項1に記載の感熱記録体。
- 前記同時湿式粉砕された呈色剤の分散液が加熱処理されている請求項1または2に記載の感熱記録体。
- 前記加熱処理が、30〜70℃の温度範囲で行われる請求項1〜3のいずれかに記載の感熱記録体。
- 前記感熱記録層は、前記感熱記録層固形分に対して、安息香酸亜鉛を8〜25質量%、および4,4’−(3−(トシル)ウレイド)ジフェニルメタンを2〜12質量%含有している請求項1〜4のいずれかに記載の感熱記録体。
- 前記感熱記録層は、前記安息香酸亜鉛と4,4’−(3−(トシル)ウレイド)ジフェニルメタンの合計含有量が、前記感熱記録層固形分に対して、16〜35質量%である請求項1〜5のいずれかに記載の感熱記録体。
- 4,4’−(3−(トシル)ウレイド)ジフェニルメタンに対する安息香酸亜鉛の含有比率(安息香酸亜鉛/4,4’−(3−(トシル)ウレイド)ジフェニルメタン)は、0.8〜10である請求項1〜6のいずれかに記載の感熱記録体。
- 前記感熱記録層には、さらに4−アリルオキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホンが含有されている請求項1〜7のいずれかに記載の感熱記録体。
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