JP5277937B2 - 透明導電膜固定用両面粘着シート、透明導電膜積層体、タッチパネル装置 - Google Patents

透明導電膜固定用両面粘着シート、透明導電膜積層体、タッチパネル装置

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本発明は、透明導電膜に貼り付ける両面粘着シートおよび該両面粘着シートを使用した透明導電膜積層体、該透明導電膜積層体を使用したタッチパネル装置に関する。
近年、タッチセンサが携帯機器に搭載され始めている。携帯機器用のタッチセンサには、主に入力時の圧力で検知する抵抗膜方式のタッチパネルと、入力時の人体からの静電気で入力箇所を検知する静電容量方式のタッチパネルが主に搭載されており、入力方法の多機能性から静電容量方式が主流となりつつある。タッチパネルには、透明基材やガラスに導電層が設けられた透明導電膜が使用されており、静電容量方式のタッチパネルにおいては、当該透明導電膜の導電層表面が、両面粘着シートの粘着剤層表面と接するように固定される。
透明導電膜の導電層は、例えば酸化インジウムスズなど高い透明性と導電性を有する金属を蒸着することで形成されており、当該導電膜の導電層表面に粘着剤層が接するよう両面粘着シートを積層した場合には、両面粘着シートによる金属の酸化反応が起こり、導電機能の低下が起こる問題がある。このため、透明導電膜固定用の両面粘着シートには高い金属腐食防止性が要請されている。
金属腐食防止性を有する両面粘着シートとしては、粘着剤層に含有する酸成分が金属の腐食の原因であることから、酸成分を含有しない両面粘着シート(例えば、特許文献1参照)や金属腐食防止剤を含有する両面粘着シート(例えば、特許文献2参照)が提案されている。
これら両面粘着シートは、特定の粘着剤層により金属腐食防止性を有するものである。しかし、酸成分を含有しない両面粘着シートは、粘着剤層の凝集力不足による打ち抜き加工性の低下や、被着体への密着性不足による透明導電膜の剥がれ等の問題があった。
また、金属腐食防止剤を含有する両面粘着シートは、金属腐食防止剤が耐久性試験で変色し、光学特性を低下させる等の問題があった。
特開2005−325250号公報 特開2006−45315号公報
本発明が解決しようとする課題は、透明導電膜の導電層面に対して直接貼り合わせても導電層を腐食させず、また、粘着剤層の凝集力に優れ、高温条件下での剥がれが生じ難く、耐久性に優れる両面粘着シートを提供することにある。
本発明においては、両面粘着シートの粘着剤層の酸成分に対して、特定量の窒素原子含有成分を含有させることで、透明導電膜に対する腐食性を低下させ、高い粘着剤層の凝集力および透明導電膜への高い接着性を両立した両面粘着シートを実現した。
すなわち本発明は、透明導電膜の導電層面に貼り合わせる両面粘着シートであって、前記両面粘着シートの粘着剤層が、カルボキシル基含有(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)と、窒素原子含有(メタ)アクリル酸エステル共重合体(B)とを有する粘着剤組成物からなり、前記粘着剤組成物中のカルボキシル基含有(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)のカルボキシル基と、窒素原子含有(メタ)アクリル酸エステル共重合体(B)の窒素原子との当量比が1:0.05〜1:0.5である透明導電膜固定用両面粘着シートを提供するものである。
本発明の透明導電膜固定用両面粘着シートは、粘着剤層中で酸成分に対して特定量の窒素含有(メタ)アクリル酸エステル共重合体が配合されているため、酸成分による透明導電膜の導電層面の腐食を抑制でき、また凝集力が高まり打ち抜き加工性が優れ、さらに透明導電膜に対する密着性が高まり透明導電膜の剥がれの抑制を可能とする。
本発明の透明導電膜固定用両面粘着シートは、前記両面粘着シートの粘着剤層が、カルボキシル基含有(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)と、窒素原子含有(メタ)アクリル酸エステル共重合体(B)とを有する粘着剤組成物からなり、前記粘着剤組成物中のカルボキシル基含有(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)のカルボキシル基と、窒素原子含有(メタ)アクリル酸エステル共重合体(B)の窒素原子との当量比が1:0.05〜1:0.5の両面粘着シートである。
[カルボキシル基含有(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)]
本発明に用いられるカルボキシル基含有(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)は、炭素数2〜14の(メタ)アクリル酸エステル単量体を主成分とし、カルボキシル基含有(メタ)アクリル酸エステル単量体が共重合された重合体である。当該炭素数2〜14の(メタ)アクリル酸エステルを主成分とすることで、透明導電膜を固定する際に必要な接着力、または光学特性を粘着剤層に付与できる。また、カルボキシル基含有(メタ)アクリル酸エステル単量体を共重合することで、透明導電膜を固定するために必要な凝集力を粘着剤層に付与できる。
なお、本明細書においてはアクリル酸及びメタアクリル酸を総称して(メタ)アクリル酸と標記し、これらの誘導体についても同様に表記する。
炭素数2〜14の(メタ)アクリル酸エステル単量体としては、具体的には、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、sec−ブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、イソノニルアクリレート、イソデシルアクリレート、ラウリルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、sec−ブチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、イソオクチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、イソノニルメタクリレート、イソデシルメタクリレート、ラウリルメタクリレート等が挙げられる。
そのなかでも、炭素数が4〜9のアルキル側鎖を有するメタアクリル酸アルキルエステル単量体又は炭素数が4〜9のアルキル側鎖を有するアクリル酸アルキルエステル単量体が好ましく、炭素数が4〜9のアルキル側鎖を有するアクリル酸アルキルエステル単量体がより好ましい。なかでもn−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレートが特に好ましい。当該範囲の炭素数のアルキル側鎖を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルを使用することで、透明導電膜に対して高い接着性を付与できる。
カルボキシル基含有(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)中の炭素数2〜14の(メタ)アクリル酸エステル単量体の含有量は、90〜99質量%とすることが好ましく、90〜96質量%にすることがより好ましい。当該範囲のカルボキシル基含有(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)中の上記炭素数2〜14の(メタ)アクリル酸エステル単量体の含有量にすることで、粘着剤層に透明導電膜を固定するために必要な接着性を好適に付与できる。
カルボキシル基含有(メタ)アクリル酸エステル単量体としては、アクリル酸、メタアクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、クロトン酸、アクリル酸ダイマー、エチレンオキサイド変性コハク酸アクリレート等が挙げられる。なかでも汎用性が高いことからアクリル酸が好ましい。
カルボキシル基含有(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)を構成する単量体成分中のカルボキシル基含有(メタ)アクリル酸エステル単量体の含有量は、当該共重合体を構成する単量体成分の総量に対し、1〜20質量%とすることが好ましく、4〜20質量%にすることがより好ましい。当該範囲の含有量にすることで、粘着剤層に透明導電膜を固定するために必要な凝集力を好適に付与できる。
また、架橋剤と好適に架橋反応させることにより粘着剤層の凝集力を高くするために、架橋剤と反応する官能基を有するビニルモノマーを使用することも好ましい。架橋剤と反応する官能基を有するビニルモノマーとしては、特に限定されないが、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート等の水酸基含有ビニルモノマー等が挙げられる。中でも、4−ヒドロキシブチルアクリレートが好ましい。官能基を有するビニルモノマーの使用量はアクリル共重合体を構成するモノマー成分中の0.01質量%〜1.0質量%であることが好ましく、0.03〜0.5質量%であることが特に好ましい。
当該カルボキシル基含有(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)の重量平均分子量Mwは50万〜200万であることが好ましく、60万〜180万がより好ましく、70万〜160万がさらに好ましい。当該カルボキシル基含有(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)の重量平均分子量Mwが上記範囲内だと、透明導電膜を固定するために必要な接着力が好適に付与できる。
なお、本発明では、当該カルボキシル基含有(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)の重量平均分子量Mwは、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)により測定することができる。より具体的には、GPC測定装置として、東ソー株式会社製「SC8020」を用いて、ポリスチレン換算値により、次のGPC測定条件で測定して求めることができる。
(GPCの測定条件)
・サンプル濃度:0.5重量%(テトラヒドロフラン溶液)
・サンプル注入量:100μL
・溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
・流速:1.0mL/min
・カラム温度(測定温度):40℃
・カラム:東ソー株式会社製「TSKgel GMHHR−H」
・検出器:示差屈折
[窒素原子含有(メタ)アクリル酸エステル共重合体(B)]
本発明に用いられる窒素原子含有(メタ)アクリル酸エステル共重合体(B)は、炭素数1〜8のメタアクリル酸エステル単量体を主成分とし、窒素原子含有共重合性単量体が共重合された重合体である。当該炭素数1〜8の(メタ)アクリル酸エステルを主成分とすることで、透明導電膜を固定するために必要な凝集力と接着性を付与できる。また、窒素原子含有共重合性単量体を共重合することで、カルボキシル基含有(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)との相溶性が向上し、優れた光学特性を付与できる。
炭素数1〜8の(メタ)アクリル酸エステル単量体としては、具体的には、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、sec−ブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、sec−ブチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、イソオクチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート等が挙げられる。
その中でも、炭素数が1〜4のアルキル側鎖を有するメタアクリル酸アルキルエステル単量体が好ましい。なかでもメチルメタクリレートが特に好ましい。当該範囲の炭素数のアルキル側鎖を有するメタアクリル酸アルキルエステル単量体を使用することで、透明導電膜を固定するために必要な凝集力を好適に付与できる。
窒素原子含有(メタ)アクリル酸エステル共重合体(B)を構成する単量体成分中の炭素数1〜8の(メタ)アクリル酸エステル単量体の含有量は、70〜99質量%とすることが好ましく、90〜98質量%とすることがより好ましい。当該範囲内の窒素原子含有(メタ)アクリル酸エステル共重合体(B)中の上記炭素数1〜8の(メタ)アクリル酸エステル単量体の含有量にすることで、粘着剤層に透明導電膜を固定するために必要な接着性および凝集力を好適に付与できる。
窒素原子含有共重合性単量体としては、窒素原子を含有し、上記炭素数1〜8の(メタ)アクリル酸エステル単量体との共重合が可能であれば問題ないが、例えば、アミノ基含有単量体、アミド基含有単量体、窒素系複素環含有単量体、シアノ基含有単量体、イミド基含有単量体等が挙げられる。これら単量体としては、例えば、アミノ基含有単量体としては、(メタ)アクリル酸アミノメチル、(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メタ)アクリル酸アミノプロピル、(メタ)アクリル酸アミノイソプロピル等の(メタ)アクリル酸アミノアルキルや、(メタ)アクリル酸(N−置換)アミノアルキルなどが挙げられる。前記(メタ)アクリル酸(N−置換)アミノアルキルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸N−(t−ブチル)アミノエチル等の(メタ)アクリル酸N−アルキルアミノアルキル;(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミノプロピル等の(メタ)アクリル酸N,N−ジアルキルアミノアルキルなどが挙げられる。
その中でも、アミノ基含有単量体、アミド基含有単量体が好ましい。なかでもアミノ基含有単量体が特に好ましい。当該窒素含有共重合性単量体を使用することで、粘着剤層に優れた光学特性を付与できる。
窒素原子含有(メタ)アクリル酸エステル共重合体(B)を構成する単量体成分中の窒素原子含有共重合性単量体の含有量は、当該共重合体の総量に対し、1〜30重量%とすることが好ましく、1〜20質量%にすることがより好ましい。当該範囲の窒素原子含有(メタ)アクリル酸エステル共重合体(B)中の上記窒素原子含有共重合性単量体の含有量にすることで、粘着剤層に透明導電膜を固定するために必要な凝集力を付与できる。
当該窒素原子含有(メタ)アクリル酸エステル共重合体(B)の重量平均分子量Mwは5000〜10万であることが好ましく、5000〜8万がより好ましく、5000〜5万がさらに好ましい。当該窒素原子含有(メタ)アクリル酸エステル共重合体(B)の重量平均分子量Mwが上記範囲内だと、透明導電膜を固定するために必要な接着力が好適に付与できる。
[粘着剤組成物]
本発明の透明導電膜固定用両面粘着シートの粘着剤層を形成する粘着剤組成物は、上記カルボキシル基含有(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)と、窒素原子含有(メタ)アクリル酸エステル共重合体(B)とを有し、粘着剤組成物中のカルボキシル基含有(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)のカルボキシル基と、窒素原子含有(メタ)アクリル酸エステル共重合体(B)の窒素原子との当量比が1:0.05〜1:0.5であり、1:0.05〜1:0.3が好ましく、1:0.05〜0.2がさらに好ましい。上記範囲内で共重合体(A)と(B)とが配合されることで、透明導電膜の導電層の腐食を制御でき、さらに透明導電膜に対して優れた接着性能を当該両面粘着シートの粘着剤層に付与できる。
また、カルボキシル基含有(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)100質量%に対して、窒素原子含有(メタ)アクリル酸エステル共重合体(B)は1〜50質量%が好ましく、5〜40質量%がより好ましく、5〜30質量%がさらに好ましい。上記範囲内で共重合体(A)と(B)とが配合されることで、当該両面粘着シートに優れた接着性能と凝集力を付与できる。
上記粘着剤組成物中には、上記共重合体(A)及び(B)以外の成分として、粘着剤層の凝集力を上げるために、架橋剤を含有することが好ましい。
使用する架橋剤としては、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、キレート系架橋剤、アジリン系架橋剤、多官能アクリレート系等が挙げられる。その中でも、(メタ)アクリル系共重合体の(A)成分との反応性に富むイソシアネート系架橋剤、または、エポキシ系架橋剤が好ましい。
当該両面粘着シートの粘着剤層に添加する架橋剤の配合量は、0.1〜5質量部が好ましく、0.1〜3質量部がより好ましく、0.1〜1.5質量部がさらに好ましい。当該範囲の架橋剤の含有量にすることで、粘着剤層のゲル分率を好適な範囲に調整しやすい。
[透明導電膜固定用両面粘着シート]
本発明の透明導電膜固定用両面粘着シートは、上記粘着剤組成物からなる粘着剤層を有することで、透明導電膜の導電層と好適に接着でき、かつ導電層の腐食が生じ難い。
本発明の透明導電膜固定用両面粘着シートは、基材を有するものであっても、基材を有さず粘着剤層のみからなる両面粘着シートであってもよい。また、粘着剤層は単一層からなるものであっても複数層が積層されていてもよい。なかでも、透明性の確保や、形状追従性の観点からは、基材を有さず、粘着剤層のみからなる両面粘着シートであることが好ましい。
本発明の透明導電膜固定用両面粘着シートが、基材を有する場合には、当該基材として透明基材を使用できる。当該透明基材としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、セロファン、ジアセチルセルロースフィルム、トリアセチルセルロースフィルム、アセチルセルロースブチレートフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリスルホンフィルム、ポリエーテルエーテルケトンフィルム、ポリエーテルスルホンフィルム、ポリエーテルイミドフィルム、ポリイミドフィルム、フッソ樹脂フィルム、ナイロンフィルム、アクリル樹脂フィルム等を挙げることができる。なかでもアクリル樹脂フィルムが好ましい。上記基材を使用すると、例えば、アクリル樹脂フィルムの屈折率が1.45〜1.49に対して、粘着剤層の屈折率が1.47程度であるため、基材と粘着剤層との間での屈折率の差が低く、粘着剤層と透明基材との間での反射ロスが抑制しやすい。
また、フィルム基材には、粘着剤層との密着性を向上させる目的で、サンドブラスト法や溶剤処理法などによる表面の凹凸化処理、あるいはコロナ放電処理、クロム酸処理、火炎処理、熱風処理、オゾン・紫外線照射処理などの表面の酸化処理などの表面処理を施すことができる。
本発明の透明導電膜固定用両面粘着シートの粘着剤層は、トルエン中に24時間浸漬した際の下記式で表されるゲル分率が、30〜90%であることが好ましく、40〜80%であるのがより好ましく、50〜80%が最も好ましい。粘着剤層のゲル分率が上記の範囲内だと、透明導電膜を固定において経時での剥がれを抑制しやすく、また、打ち抜き加工時に加工端面からの糸引きなどを抑制しやすい。
ゲル分率(%)=[(両面粘着シートのトルエン浸漬後質量)/(両面粘着シートのトルエン浸漬前質量)]×100
本発明の透明導電膜固定用両面粘着シートは、透明導電膜の透明性を阻害しないよう、60℃、90%RH条件下に100時間静置直後の全光線透過率が90%以上、ヘイズが1.0%以下であることが好ましい。上記範囲内だと、当該両面粘着シートを使用されたタッチパネル装置搭載ディスプレイが高温高湿条件でも高鮮明が保たれやすい。全光線透過率及びヘイズを上記範囲内にするためには、上記共重合体(A)100質量%に対する上記共重合体(B)の配合量を1〜50質量%にすることで達成しやすい。
本発明の透明導電膜固定用両面粘着シートの粘着剤層の吸水率は、60℃、90%RH条件下に静置後において2.0%以下であることが好ましい。上記範囲内に両面粘着シートの吸水率を制御することで、高温高湿条件下でも当該両面粘着シートを透明に維持しやすく、さらに水分が透明導電膜の導電膜層の腐食の要因一つであるため、透明導電膜の導電膜層の腐食を抑制しやすい。吸水率を上記範囲内にするためには、上記共重合体(A)中のカルボキシル基の含有量を、1〜20質量%にすることで達成しやすい。上記共重合体(A)中のカルボキシル基の含有量が上記範囲内だと、上記共重合体(A)中のカルボキシル基による吸水が抑制されやすい。
本発明の透明導電膜固定用両面粘着シートの温度23℃、相対湿度50%RHの環境下で、酸化インジウムスズ膜に対し、2kgローラーを使用して圧着回数一往復で圧着し、1時間静置した後の300mm/minでの180°剥離接着力は、酸化インジウムスズ膜に対してそれぞれ5〜15N/20mmであることが好ましい。上記範囲内だと、透明導電膜の固定において端面からの剥がれを抑制しやすく、また、製造工程での貼り合わせ不良品において両面粘着シートの剥離が可能となる。
本発明の透明導電膜固定用両面粘着シートの厚みは、使用する態様により適宜選択すればよいが、5〜200μmであることが好ましい。なかでも、平滑面に接着する場合には、10〜100μmに調整することで、タッチパネル装置を薄型化しやすい。また、段差や凹凸を有する面に貼り付ける場合には、粘着剤層の厚さを20μm以上とすることが好ましく、25〜150μmとすることが特に好ましい。
本発明の透明導電膜固定用粘着シートは、一般的に使用されている方法で作成できる。例えば、フィルム基材または離型シート上に粘着剤層を形成して製造することができる。具体的には、粘着剤の組成物を基材フィルムに直接塗布し乾燥または硬化・重合するか、或いは、いったん離型シート上に塗布し、乾燥または硬化・重合し、粘着剤層を形成後、同様にして離型シート上に作成した粘着剤層又は基材フィルムに貼り合わせる方法などにより製造できる。
本発明の透明導電膜固定用粘着シートの打ちぬき加工後において、剥離フィルムの端面への粘着剤層の付着がないことが好ましい。粘着剤層が剥離フィルム端面に付着しないと、加工時での歩留まりが向上しやすい。
両面粘着シートの粘着剤層の剥離フィルム端面への付着を防ぐためには、粘着剤層の凝集力、接着性等を最適な範囲に調整することで達成しやすい。具体的な方法としては、粘着剤層へカルボキシル基含有単量体の使用、粘着剤層のゲル分率の上記範囲内への調整等が挙げられる。なかでも、打ち抜き加工に必要な凝集力の付与と透明導電膜を固定するために必要な接着性の付与の両立がしやすい粘着剤層へカルボキシル基含有単量体の使用が好ましい。
[透明導電膜積層体]
本発明の透明導電膜積層体は、透明導電膜の導電層に対して上記透明導電膜固定用両面粘着シートの粘着剤層が直接貼り合わされて少なくとも2層以上の積層体が形成されている積層体であり、例えば、基材上に導電層が設けられた透明導電膜と上記透明導電膜固定用両面粘着シートからなる積層体(図1)が挙げられる。また、導電層の反対面にハードコート層が設けられた積層体(図2)や、上記透明導電膜固定用両面粘着シートの両面にハードコート層を有する透明導電膜が設けられた積層体(図3)も挙げられる。積層体の傷つき防止のため、ハードコート層が設けられた積層体(図2、3)が好ましい。
本発明に使用する透明導電膜は、少なくとも片面の表層に導電層を有するものであればよく、透明基材の表層に導電物質が蒸着やコーティングにより設けられた透明導電膜を好適に使用できる。なかでも導電物質が蒸着により形成された導電層を有する透明導電膜が製造が容易であるため好ましい。
透明導電膜の導電層において蒸着やコーティングされる導電物質は、特に限定されないが、具体的には、酸化インジウムスズ、酸化インジウム、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化カドミウム、酸化ガリウム、酸化チタンなどが挙げられる。なかでも特に、透明性、導電性に優れる酸化インジウムスズが好ましい。
透明導電膜において、導電物質が蒸着またはコーティングされる基材としては、特に限定されるものではないが、ガラス、樹脂フィルムなどが挙げられる。
透明導電物質が蒸着される樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、セロファン、ジアセチルセルロースフィルム、トリアセチルセルロースフィルム、アセチルセルロースブチレートフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリスルホンフィルム、ポリエーテルエーテルケトンフィルム、ポリエーテルスルホンフィルム、ポリエーテルイミドフィルム、ポリイミドフィルム、フッソ樹脂フィルム、ナイロンフィルム、アクリル樹脂フィルム等を挙げることができる。なかでも、透明性、耐久性に優れたポリエチレンテレフタレートが好ましい。
透明導電膜の透明性は、全光線透過率が80%以上、ヘイズが1.0%以下であることが好ましく、全光線透過率が90%以上、ヘイズが0.5%以下であることがより好ましい。透明導電膜の透明性が上記範囲内だと、当該透明導電膜を使用されたタッチパネル装置搭載ディスプレイの透明性が保たれやすい。
当該透明導電膜積層体の厚さは、0.1mm〜2.0mmであることが好ましい。上記範囲内だと、タッチパネル装置を薄型にしやすい。
当該透明導電膜積層体において、下記の式で表される導電膜層の電気抵抗値の上昇率が、60℃、90%RH条件下に500時間放置後で20%以下であることが好ましい。上記範囲内だと、当該透明導電膜積層体を用いて製造されたタッチパネル装置が正常に作動する。
導電膜層の電気抵抗値の上昇率(%)=[(60℃、90%RHに500時間放置後の電気抵抗値)−(初期の電気抵抗値)]/(初期の電気抵抗値)×100
[タッチパネル装置]
本発明のタッチパネル装置は、上記両面粘着シートが透明導電膜に貼り合わせて形成された透明導電膜積層体を有することを特徴とする。本発明のタッチパネル装置の構成は特に制限されないが、静電容量方式のタッチパネルの構成であることが好ましい。
本発明のタッチパネル装置の好適な構成例としては、両面粘着シートの片面に透明導電膜が設けられた透明導電膜積層体が、表示パネル(透明パネル)と画像表示モジュールとの間に二層設けられた静電容量方式のタッチパネル装置(図4)を例示できる。二層設けられた粘着剤層付き透明導電膜のうち、少なくとも一層が上記本発明の透明導電膜積層体であればよく、画像表示モジュール側の粘着剤層付き透明導電膜が上記本発明の透明導電膜積層体である構成、または、二層の粘着剤層付き透明導電膜がいずれも上記本発明の透明導電膜積層体である構成を好ましい構成として使用できる。また、他の好適な構成例として、両面粘着シートの両面に透明導電膜が設けられた透明導電膜積層体が、固定用テープや固定用接着剤により表示パネルと画像表示モジュールの間に固定された静電容量方式のタッチパネル装置(図5)を例示できる。当該構成においては、表示パネル、透明導電膜積層体及び画像表示モジュールを、固定用テープや固定用接着剤を使用して固定することでタッチパネル装置を製造できるため組み立て工程が容易となる。
本発明のタッチパネル装置の保護パネルは、特に制限されないが、(メタ)アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ガラス、ポリエチレンテレフタレート樹脂等が挙げられる。なかでも、透明性と軽量性で優れた(メタ)アクリル樹脂が好ましい。
本発明のタッチパネル装置の表示パネルには、装飾部があってもよい。具体的な装飾部としては、例えば、携帯電子端末の画像表示部の周囲に視認される文字や図形、あるいは、これらの背面に設けられる黒色や白色の下地などが挙げられる。これら装飾部は、携帯電子端末へ意匠性を付与するため、設けられることが好ましい。
当該タッチパネル装置の画像表示モジュールを除いた厚さは、0.3mm〜3.0mmであることが好ましい。上記範囲内だと当該タッチパネル装置が組み込まれた電子機器を薄型にしやすい。
なお、画像表示モジュール側の粘着剤層付き透明導電膜を上記本発明の透明導電膜積層体とする場合には、当該透明導電膜積層体の両面粘着シートの厚さを5〜200μmとすることが好ましく、10〜100μmとすることが特に好ましい。また、表示パネルと貼り合わせる側の粘着剤層付き透明導電膜を上記本発明の透明導電膜積層体とする際に、表示パネルに装飾部が設けられている場合には、両面粘着シートの厚みは、25〜200μmが好ましく、25〜150μmがより好ましい。上記範囲内だと、表示パネルの装飾部に両面粘着シートが追従しやすい。
タッチパネル装置に使用する画像表示モジュールは、特に制限されず、小型電子端末に通常使用されるLCDモジュールや、有機ELモジュールなどが使用できる。
以下に実施例および比較例により本発明をより具体的に説明する。
[アクリル共重合体の調製]
<アクリル共重合体(1)>
アクリル共重合体の調製攪拌機、寒流冷却器、温度計、滴下漏斗及び窒素ガス導入口を備えた反応容器に、n−ブチルアクリレート91.5重量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート0.5重量部、アクリル酸8.0重量部と重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチルニトリル0.2部とを酢酸エチル100重量部に溶解し、窒素置換後、80℃で8時間重合して重量平均分子量80万のアクリル共重合体(1)を得た。
<アクリル共重合体(2)>
アクリル共重合体の調製攪拌機、寒流冷却器、温度計、滴下漏斗及び窒素ガス導入口を備えた反応容器に、n−ブチルアクリレート81.5重量部、シロヘキシルメタクリレート10.0重量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート0.5重量部、アクリル酸8.0重量部と重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチルニトリル0.2部とを酢酸エチル100重量部に溶解し、窒素置換後、80℃で8時間重合して重量平均分子量85万のアクリル共重合体(2)を得た。
<アクリル共重合体(3)>
n−ブチルアクリレートを95.5重量部、アクリル酸を4.0重量部とする以外は、アクリル酸共重合体(1)と同様にして、重量平均分子量80万のアクリル共重合体(3)を得た。
<アクリル共重合体(4)>
アクリル共重合体の調製攪拌機、寒流冷却器、温度計、滴下漏斗及び窒素ガス導入口を備えた反応容器に、n−ブチルアクリレート96.5重量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート0.5重量部、ジメチルアミノエチルメタクリレート3.0重量部と重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチルニトリル0.2部とを酢酸エチル100重量部に溶解し、窒素置換後、80℃で8時間重合して重量平均分子量30万のアクリル共重合体(4)を得た。
<アクリル共重合体(5)>
アクリル共重合体の調製攪拌機、寒流冷却器、温度計、滴下漏斗及び窒素ガス導入口を備えた反応容器に、メチルメタクリレート95.0重量部、ジメチルアミノエチルメタクリレート5.0重量部と重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチルニトリル1.0重量部とを酢酸エチル100重量部に溶解し、窒素置換後、80℃で8時間重合して重量平均分子量2万のメタクリル共重合体(5)を得た。
<粘着剤A>
上記アクリル共重合体(1)100重量部に、上記アクリル共重合体(5)を20重量部添加し、酢酸エチルで希釈し樹脂固形分30%の粘着剤Aを得た。なお、アクリル共重合体(1)のカルボキシル基とアクリル共重合体(5)の窒素原子との当量比は、1:0.0625である。
<粘着剤B>
上記アクリル共重合体(2)100重量部に、上記アクリル共重合体(5)を20重量部添加し、酢酸エチルで希釈し樹脂固形分30%の粘着剤Bを得た。なお、アクリル共重合体(2)のカルボキシル基とアクリル共重合体(5)の窒素原子との当量比は、1:0.0625である。
<粘着剤C>
上記アクリル共重合体(3)100重量部に、上記アクリル共重合体(5)を20重量部添加し、酢酸エチルで希釈し樹脂固形分30%の粘着剤Cを得た。なお、アクリル共重合体(3)のカルボキシル基とアクリル共重合体(5)の窒素原子との当量比は、1:0.125である。
<粘着剤D>
上記アクリル共重合体(1)100重量部を酢酸エチルで希釈し樹脂固形分30%の粘着剤Dを得た。
<粘着剤E>
上記アクリル共重合体(4)100重量部を酢酸エチルで希釈し樹脂固形分30%の粘着剤Eを得た。
<粘着剤F>
上記アクリル共重合体(1)100重量部に、金属不活性剤BTZM(共同薬品(株)製)を5重量部添加し、酢酸エチルで希釈し樹脂固形分30%の粘着剤Fを得た。
(実施例1)
上記粘着剤A100重量部にイソシアネート系架橋剤(日本ポリウレタン社製コロネートL−45、固形分45%)を0.7重量部添加し15分攪拌後、シリコーン化合物で片面を剥離処理した厚さ50μmのポリエステルフィルム(以下#75剥離フィルム)上に乾燥後の厚さが25μmになるように塗工して、75℃で5分間乾燥した。得られた粘着シートと、シリコーン化合物で片面を剥離処理した厚さ38μmのポリエステルフィルム(以下#38剥離フィルム)を貼り合わせた。その後23℃で5日間熟成し厚さ25μmの、ゲル分率70%の基材レス粘着シートを得た。
(実施例2)
粘着剤A100重量部を粘着剤B100重量部にする以外は、実施例1と同様にして、ゲル分率75%の粘着シートを得た。
(実施例3)
粘着剤A100重量部を粘着剤C100重量部にする以外は、実施例1と同様にして、ゲル分率71%の粘着シートを得た。
(比較例1)
粘着剤A100重量部を粘着剤D100重量部にする以外は、実施例1と同様にして、ゲル分率85%の粘着シートを得た。
(比較例2)
粘着剤A100重量部を粘着剤E100重量部にする以外は、実施例1と同様にして、ゲル分率80%の粘着シートを得た。
(比較例3)
粘着剤A100重量部を粘着剤F100重量部にする以外は、実施例1と同様にして、ゲル分率70%の粘着シートを得た。
(酸化インジウムスズ膜の電気抵抗値測定)
両面粘着シートの片面にPETフィルム(100μm)に貼り合せた後、50mm×50mmに裁断して、100mm×100mmの酸化インジウムスズ蒸着PETフィルムの酸化インジウムスズ膜面に貼り合わせを行う。貼り合せた粘着シートの両端に電気抵抗値測定機 三菱化学(株)製「ロレスターGP」を使用し、初期の電気抵抗値(R1)を測定。粘着シートを貼り合わせた酸化インジウムスズ蒸着PETフィルムを60℃、)90%RH条件下に500時間放置し、23℃、50%RH条件下に1時間放置した後、初期と同じ箇所での電気抵抗値(R2)を測定した。酸化インジウムスズ膜の電気抵抗値上昇率は下記の式で算出した。
酸化インジウムスズ膜の電気抵抗値上昇率(%)=((R2−R1)/R1)×100
(全光線透過率およびヘイズ測定)
粘着シートを60℃、90%RH条件下に100時間放置した後、PETフィルム、ガラスの順で貼り合わせて試験サンプルを調整した。(株)村上色彩技術研究所製「HR−100型」を使用し、調整サンプルの全光線透過率およびヘイズ(%)を測定した。
(色差測定)
粘着シートをPETフィルム、ガラスの順で貼り合わせて試験サンプルを調整した。コニカミノルタセンシング(株)製「分光測色計CM3500d」を使用し、調整サンプルのL1、a1、b1を測定した。その後、調整サンプルを85℃、100時間放置し、L2、a2、b2を測定した。色差ΔEabは下記の式から算出し、粘着シートの変色を評価した。
色差ΔEab=[(L2−L1+(a2−a1+(b2−b11/2
○:ΔEab 0〜0.5
△:ΔEab 0.5〜1.5
×:ΔEab 1.5以上
(吸水率測定)
100mm×100mmの両面粘着シートを、60℃、90%RH条件下に100時間放置した後、直ちに両面粘着シートの片面の剥離フィルムを剥がして150mm×150mmのアルミ箔に貼り合わせて秤量する(この重量をW1とする)。両面粘着シートのもう一方の剥離フィルムを剥がし、105℃条件下で2時間乾燥した後、秤量を行う(この重量をW2とする)。両面粘着シートの吸水率は下記の式で算出した。
両面粘着シートの吸水率(%)=(W1−W2)/W2 × 100
(耐剥がれ性の評価)
45mm×35mmのハードコート層付きPETフィルムのPETフィルム面と、50mm×40mmのガラスとを粘着シートで貼り合せた後、85℃条件に500時間放置し、目視でハードコート付きPETフィルムの剥がれを評価した。
○:剥がれ無し
×:剥がれ有り
Figure 0005277937
上記のとおり、実施例1〜3の両面粘着シートは、好適な耐剥がれ性を実現できるカルボキシル基含有(メタ)アクリル酸エステル共重合体を使用した場合であっても、高湿環境試験後の透明導電膜の導電層の電気抵抗値の上昇率を好適に抑制でき、変色による視認性の悪化を生じないものであった。また、タッチパネル等の画像表示装置に使用する際に要求される透明性や、ヘイズも好適であった。一方、窒素原子含有(メタ)アクリル酸エステル共重合体を使用しない比較例1の構成では、高湿環境試験により電気抵抗値の大幅な上昇が見られた。またカルボキシル基含有(メタ)アクリル酸エステル共重合体を使用しない比較例2の構成では好適な耐剥がれ性を実現できず、従来の金属腐食防止剤を使用した比較例3の構成は変色による視認性の悪化が生じるものであった。
本発明の透明導電膜固定用両面粘着シートと透明導電膜とが積層された透明導電膜積層体の一例を示す概念図である。 本発明の透明導電膜固定用両面粘着シートと透明導電膜とが積層された透明導電膜積層体の一例を示す概念図である。 本発明の透明導電膜固定用両面粘着シートと透明導電膜とが積層された透明導電膜積層体の一例を示す概念図である。 本発明の透明導電膜固定用両面粘着シートと透明導電膜とが積層された透明導電膜積層体を使用した静電容量型タッチパネル装置の概念図である。 本発明の透明導電膜固定用両面粘着シートと透明導電膜とが積層された透明導電膜積層体を使用した静電容量型タッチパネル装置の概念図である。
符号の説明
1 透明導電膜積層体
2 透明導電膜固定用両面粘着シート
3 導電層
4 透明基材
5 ハードコート層
6 保護パネル
7 装飾層
8 粘着剤層付き透明導電膜
9 固定用テープ
10 画像表示モジュール

Claims (7)

  1. 透明導電膜の導電層面に貼り合わせる両面粘着シートであって、前記両面粘着シートの粘着剤層が、カルボキシル基含有(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)と、窒素原子含有(メタ)アクリル酸エステル共重合体(B)とを有する粘着剤組成物からなり、前記粘着剤組成物中のカルボキシル基含有(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)のカルボキシル基と、窒素原子含有(メタ)アクリル酸エステル共重合体(B)の窒素原子との当量比が1:0.05〜1:0.5であることを特徴とする透明導電膜固定用両面粘着シート。
  2. 前記カルボキシル基含有(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)の重量平均分子量が50万〜200万であり、窒素原子含有(メタ)アクリル酸エステル共重合体(B)の重量平均分子量が5000〜10万である請求項1に記載の透明導電膜固定用両面粘着シート。
  3. 60℃、90%RH条件下に100時間静置後に測定した全光線透過率が90%以上であり、ヘイズが1.0%以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の透明導電膜固定用両面粘着シート。
  4. 60℃、90%RH条件下に100時間静置後の吸水率が2.0%以下である請求項1〜3のいずれかに記載の透明導電膜固定用両面粘着シート。
  5. 前記窒素原子含有(メタ)アクリル酸エステル共重合体(B)が、炭素数1〜8の(メタ)アクリル酸エステル単量体と、窒素原子含有共重合性単量体とを単量体成分として含有し、前記窒素原子含有共重合性単量体が、アミノ基含有単量体、アミド基含有単量体、窒素系複素環含有単量体、シアノ基含有単量体およびイミド基含有単量体の中の少なくとも1種である請求項1〜4いずれかの項に記載の透明導電膜固定用両面粘着シート。
  6. 請求項1〜5に記載の透明導電膜固定用両面粘着シートを透明導電膜に貼り合わせた透明導電膜積層体であって、60℃、90%RH条件下に500時間放置後の透明導電膜の電気抵抗値の上昇率が、貼り付け初期の電気抵抗値から20%以下であることを特徴とする透明導電膜積層体。
  7. 請求項6に記載の透明導電膜積層体を有するタッチパネル装置。
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