JP5277723B2 - エレベーター制御ケーブル制振装置 - Google Patents
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Description
また、昇降路に縦設される磁石板と、この磁石板の表面側に対置される磁性板と、前記昇降路を昇降する乗りかごに一端が支持され他端で前記磁性板にテールコードを押圧する押圧具と、を備えたものも知られている(例えば、特許文献1の第2の実施形態参照)。
そして、特許文献1の第2の実施形態に示された従来におけるエレベーター制御ケーブル制振装置においては、昇降路壁面の上下方向に亘って磁石板を設け、この磁石板と乗りかごの昇降経路との間にさらに磁性板を設けた上で、乗りかごには押圧具を設ける必要があるため、前述の特許文献1の第1の実施形態に示された従来におけるエレベーター制御ケーブル制振装置と同様、その構成が複雑化してしまうという課題や、乗りかごが上昇する際にテールコードと磁石板及び磁性板との係合が円滑に外れることができる否かという点について考慮がなされていないという課題がある。
また、いずれにおいても、テールコードの昇降路に対する揺れを抑えることを目的とするものであり、複数の制御ケーブルが並設される場合にこれらの制御ケーブルが別々に振動することにより互いに干渉してしまうことを未然に防止することができないという課題がある。
そして、第2の目的は、乗りかごが上昇する際に円滑にテールコードと制振装置との係合が外れることができるエレベーター制御ケーブル制振装置を得るものである。
また、第3の目的は、複数の制御ケーブルが並設される場合にこれらの制御ケーブルが別々に振動することにより互いに干渉してしまうことを未然に防止することができるエレベーター制御ケーブル制振装置を得るものである。
また、複数の制御ケーブルが並設される場合にこれらの制御ケーブルが別々に振動することにより互いに干渉してしまうことを未然に防止することができるという効果も併せ奏する。
図1及び図2は、この発明の実施の形態1に関するもので、図1は制御ケーブルの断面図、図2は制御ケーブル同士を互いに係合した状態を示す断面図である。
図において1はエレベーターの昇降路内に設けられた第1の制御ケーブルであり、次のようにして構成されている。
すなわち、電気信号及び電力等を通電する導電線からなる複数の第1の線芯2、並びに、特に高層ビル等に設置される高楊程エレベーターにおいて用いられる長尺の制御ケーブルを補強支持するためのワイヤロープからなる第1の鋼芯A3a及び第1の鋼芯B3bが平板状に平行して配置されて、その外側が第1の被覆5により覆われている。なお、これらの鋼芯は磁性体からできている。
ここで、前記第1の鋼芯A3aと前記第1の鋼芯B3bとは、前記第1の制御ケーブル1断面の中心に対して線対称となる位置に配置されている。
そして、平板状の前記第1の制御ケーブル1における一方側の面の、前記第1の鋼芯A3a及び前記第1の鋼芯B3bのいずれか一方(ここでは前記第1の鋼芯A3a)の長手方向に沿って、所定間隔でもって第1の制御ケーブル側磁石4a(以下、第1の磁石A4aという)が前記第1の被覆5に埋設されている。
すなわち、平板状の前記第1の制御ケーブル1における前記第1の磁石A4aが埋設された側の面と、同じく平板状の前記第2の制御ケーブル6における第2の制御ケーブル側磁石9(以下、第2の磁石9という)が埋設された側の面とが互いに対向するようにして配置する。
この際、それぞれの制御ケーブルの鋼芯同士の位置関係に着目すると、平板状の制御ケーブル断面の中心に対して2本の鋼芯が線対称に配置されていることから、前記第1の制御ケーブル1の前記第1の鋼芯A3aと前記第2の制御ケーブル6の第2の鋼芯B8bとが互いに対向し、前記第1の制御ケーブル1の前記第1の鋼芯B3bと前記第2の制御ケーブル6の第2の鋼芯A8aとが互いに対向することになる。
従って、前記第1の制御ケーブル1の前記第1の鋼芯A3aの長手方向に沿って配置された前記第1の磁石A4aは、前記第2の制御ケーブル6の前記第2の鋼芯B8bと対向し、前記第2の制御ケーブル6の前記第2の鋼芯A8aの長手方向に沿って配置された前記第2の磁石9は、前記第1の制御ケーブル1の前記第1の鋼芯B3bと対向する。
そして、これらの磁石と鋼芯との間に働く吸引力により前記第1の制御ケーブル1及び前記第2の制御ケーブル6とは互いに拘束し合うように係合する。
この際、それぞれの制御ケーブルに設けられた磁石は、相手方の制御ケーブル鋼芯の長手方向に対しては移動することが可能であるが、鋼芯の長手と直交する方向には移動することができない。
また、以上は2本の制御ケーブルを並設する場合についての説明であったが、並設される制御ケーブルの本数は2本に限られない。3本以上の制御ケーブルを並設する場合には、既に設けられた磁石のケーブル断面の中心に対して点対称となる位置に、別途磁石を埋設したものを用いればよい。
図3は、この発明の実施の形態2を示すもので、制御ケーブルの断面図である。
ここで説明する実施の形態2は、前述した実施の形態1の構成において、磁石をケーブル被覆の中に埋設するのではなく、磁石が埋設されたバンドをケーブル被覆の外側に装着することにより、所定の位置に磁石を配置するようにしたものである。
すなわち、第1の制御ケーブル1の第1の被覆5外周には、内部に第1の磁石A4aが埋設されたバンド11が装着されており、この際、平板状の前記第1の制御ケーブル1における一方側の面の、第1の鋼芯A3a及び第1の鋼芯B3bのいずれか一方(ここでは前記第1の鋼芯A3a)の長手方向に沿って、所定間隔でもって前記第1の磁石A4aが配置されるようにして複数の前記バンド11が装着される。
なお、他の構成は実施の形態1と同様であり、このようにして構成された前記第1の制御ケーブル1と同様の構成を持つ第2の制御ケーブル6とを互いに係合させることができる点についても実施の形態1と同様である。
図4及び図5は、この発明の実施の形態3に関するもので、図4は制御ケーブルの断面図、図5は昇降路の断面図である。
前述した実施の形態1及び実施の形態2は制御ケーブル同士を磁力により互いに係合させることにより、これらの制御ケーブルが別々に振動することにより互いに干渉してしまうことを未然に防止するものであったが、ここで説明する実施の形態3は、制御ケーブルと昇降路壁とを磁力により係合させることにより、制御ケーブルの制振を図るものである。
第1の制御ケーブル1は、実施の形態1同様、電気信号及び電力等を通電する導電線からなる複数の第1の線芯2、並びに、制御ケーブルを補強支持するためのワイヤロープからなる第1の鋼芯A3a及び第1の鋼芯B3bが平板状に平行して配置されて、その外側が第1の被覆5により覆われており、前記第1の鋼芯A3aと前記第1の鋼芯B3bとは、前記第1の制御ケーブル1断面の中心に対して線対称となる位置に配置されている。
そして、平板状の前記第1の制御ケーブル1における一方側の面の、前記第1の鋼芯A3aの長手方向に沿って所定間隔でもって第1の磁石A4aが前記第1の被覆5に埋設されるだけでなく、前記第1の鋼芯B3bの長手方向に沿って所定間隔でもって第1の磁石B4bが前記第1の被覆5に埋設されている。
15は先程説明した構成を持つ前記第1の制御ケーブル1からなるテールコードであり、一端が前記乗りかご13の上部に設けられた図示しない接続箱に接続されている。
このテールコード15の中間部は、前記乗りかご13の下部に設けられた図示しない固定具により係止されるとともに、この固定具から垂下し湾曲部を形成して立ち上がった前記テールコード15の他端は、前記昇降路12内壁に設けられた接続箱16に接続されている。この際、平板状の前記第1の制御ケーブル1(前記テールコード15)における前記第1の磁石A4a及び前記第1の磁石B4bが埋設された側の面が、前記昇降路12内壁と対向する向きに配設される。
そして、前記接続箱16から前記昇降路12内壁に沿って垂下した前記テールコード15の前記第1の磁石A4a及び前記第1の磁石B4bに対向する位置の前記昇降路12内壁には、例えば鉄等からなる磁性体17が埋設されている。
また、制御ケーブルの長手方向全長に亘ってではなく、長手方向に沿って所定間隔でもって磁石を配置したため、より少ない磁石及び磁性体の必要量でもって制御ケーブルの制振を図ることが可能である。
図6は、この発明の実施の形態4に関するもので、制御ケーブルと昇降路の要部拡大断面図である。
ここで説明する実施の形態4は、前述した実施の形態3において、昇降路内壁に設けられ、テールコードの磁石に対向する位置に配置された磁性体を、極性切替可能な電磁石とし、乗りかごの昇降方向に合わせてこの電磁石の極性を切り替えることにより、昇降路に対するテールコードの吸着及び離間を円滑に行えるようにしたものである。
すなわち、前記磁性体17に代えて、前記接続箱16から前記昇降路12内壁に沿って垂下した前記テールコード15の前記第1の磁石A4a及び前記第1の磁石B4bに対向する位置の前記昇降路12内壁には、電磁石18が埋設されている。
この電磁石18は、通電方向を反転させることにより、前記テールコード15に対向する側の磁極性を切り替えることが可能であり、前記電磁石18に対する通電方向は、当該エレベーターの運転全般を制御する図示しない制御盤内に設けられた電磁石制御手段により制御される。
なお、他の構成は実施の形態3と同様である。
また逆に、前記乗りかご13を上昇運転する場合には、前記テールコード15は前記昇降路12内壁から下から順に離間する運転状態となるため、前記電磁石制御手段は、前記昇降路12の下側に位置する前記電磁石18から順に、前記テールコード15の前記第1の磁石A4a及び前記第1の磁石B4bと前記電磁石18とが互いに反発する磁極性、すなわち、前記第1の磁石A4a及び前記第1の磁石B4bの前記昇降路12内壁に対向する側の磁極と、前記電磁石18の前記テールコード15に対向する側の磁極とが異磁極となるように、前記電磁石18の通電方向を制御する。
また、構成が簡潔であるため、当該制御ケーブルの生産工程における作業手数や環境負荷を低減する等の有利な効果がある。
2 第1の線芯
3a 第1の鋼芯A
3b 第1の鋼芯B
4a 第1の磁石A
4b 第1の磁石B
5 第1の被覆
6 第2の制御ケーブル
7 第2の線芯
8a 第2の鋼芯A
8b 第2の鋼芯B
9 第2の磁石
10 第2の被覆
11 バンド
12 昇降路
13 乗りかご
14 主索
15 テールコード
16 接続箱
17 磁性体
18 電磁石
Claims (3)
- 第1の制御ケーブルと、
前記第1の制御ケーブルに、前記第1の制御ケーブルの長手方向に亘って設けられ、磁性体からなる第1の鋼芯と、
前記第1の制御ケーブルと並行して配置される第2の制御ケーブルと、
前記第2の制御ケーブルの前記第1の鋼芯に対向する位置に、前記第2の制御ケーブルの長手方向に沿って所定の間隔で配置して設けられ、前記第1の鋼芯を吸引する第2の制御ケーブル側磁石と、を備えたことを特徴とするエレベーター制御ケーブル制振装置。 - 前記第2の制御ケーブルは、前記第2の制御ケーブルの長手方向に亘って設けられ、磁性体からなる第2の鋼芯を備え、
前記第1の制御ケーブルは、前記第2の鋼芯に対向する位置に、前記第1の制御ケーブルの長手方向に沿って、所定の間隔で配置して設けられ、前記第2の鋼芯を吸引する第1の制御ケーブル側磁石を備えたことを特徴とする請求項1に記載のエレベーター制御ケーブル制振装置。 - 前記第2の制御ケーブル側磁石は、前記第2の制御ケーブルの外周に装着されたバンドに設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載のエレベーター制御ケーブル制振装置。
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