JP5277032B2 - クランクシャフトの支持構造 - Google Patents

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Description

本発明は、クランクケース部にクランクシャフトを支持するクランクシャフトの支持構造に関する。
複数に分割された部品の結合位置の位置決めには、ノックピンを使用する方法がある(例えば、特許文献1参照)。この種のノックピンは、一般的に、同径で真っ直ぐに延びるピン部材で形成され、複数に分割された部品の接合面を挟んで対向する位置に形成されたノック孔に嵌って各部品の結合位置を位置決めする。
特開昭59−73619号公報
しかしながら、この種のノックピンを用いて、鉄系材料で形成された部品(鉄系部品)と、アルミニウム合金系材料で形成された部品(アルミ合金系部品)とを結合する場合には、温度差が大きい使用環境で用いると、鉄系部品と比べてアルミ合金系部品の熱膨張率がかなり大きいため、ノックピンが嵌合した接合面に大きな荷重が作用する。
このような状態で、更に振動が加わる使用環境では、接合面とノックピンとの間に作用する力によって接合面表面に金属疲労による強度低下が生じやすい。このため、接合面を幅広にして接合面の強度アップを図る対策が必要であり、部品が重くなってしまうなどの弊害が生じてしまう。
例えば、自動二輪車等の車両に搭載されるエンジンの場合、エンジン軽量化のためにアルミ合金系部品を用いることが一般に行われているが、エンジンは温度差が比較的大きく生じ、振動も存在するため、アルミ合金系部品と鉄系部品との位置決めをノックピンで行った部分については接合面を広くして強度アップを図る対策が必要になり、その分だけ重量増加を招いてしまう。
本発明は、上述した事情を鑑みてなされたものであり、接合面積を広くしなくても、接合面への外部応力の影響を抑えることができるノックピンを用いたクランクシャフトの支持構造を提供することを目的としている。
上述した課題を解決するため、本発明は、クランクケース部(62B)にクランクシャフト(83)を支持するクランクシャフトの支持構造において、前記クランクシャフト(83)は、前記クランクケース部(62B)に形成されたジャーナル壁(101)と、前記ジャーナル壁(101)にボルト(102)で締結されるベアリングキャップ(111)との間に支持され、前記クランクケース部(62B)と前記ベアリングキャップ(111)とからなる二部品は熱膨張率が異なり、前記二部品(62B,111)には、前記クランクシャフト(83)のクランクジャーナル(83A)を挟んで一対のノック孔(101A,111A)が各々形成されるとともに、前記一対のノック孔(101A,111A)よりも前記クランクジャーナル(83A)に近い位置に、前記ボルト(102)を締結するための一対の孔(101B,111B)が各々形成され、前記一対のノック孔(101A,111A)に挿入されて前記二部品(62B,111)の結合位置を位置決めするノックピン(131)は、前記二部品(62B,111)の接合面(122)に対応する部位を、該接合面(122)と非接触となるくびれ部(133)に形成したことを特徴とする。
この発明によれば、ノックピンの熱膨張率が異なる二部品の接合面に対応する部位を、該接合面と非接触となるくびれ部に形成したので、熱膨張率が異なる二部品間で生じる外部応力が、ノックピンを介して接合面に作用することを回避できる。従って、接合面積を広くしなくても、接合面への外部応力の影響を抑えることができる。
上記構成において、前記ノックピンの(131)の両端部は、前記接合面(122)を挟んで対向する位置に形成された前記一対のノック孔(101A,111A)に各々嵌る嵌合部(134,135)に形成され、前記くびれ部(133)は、前記嵌合部(134,135)の間に形成されるようにしてもよい。この構成によれば、接合面と非接触にしつつ、両端の嵌合部によって熱膨張率が異なる二部品の位置決めを精度良く行うことができる。
また、上記構成において、前記ノックピン(131)の前記嵌合部(134,135)と前記くびれ部(133)とは、外形が滑らか変化するように形成してもよい。
本発明では、ノックピンの熱膨張率が異なる二部品の接合面に対応する部位を、該接合面と非接触となるくびれ部に形成したので、接合面積を広くしなくても、接合面への外部応力の影響を抑えることができる。
また、ノックピンの両端部は、熱膨張率が異なる二部品の各々に接合面を挟んで対向する位置に形成されたノック孔に各々嵌る嵌合部に形成され、くびれ部は、嵌合部の間に形成されるので、接合面と非接触にしつつ、両端の嵌合部によって熱膨張率が異なる二部品の位置決めを精度良く行うことができる。
以下、本発明の一実施形態を添付した図面を参照して説明する。なお、以下の説明中、前後左右および上下といった方向の記載は、車体に対してのものとする。
図1は本発明の実施形態を適用した自動二輪車の側面図を示している。
この自動二輪車10は、車体フレーム11と、車体フレーム11の前端部に取り付けられたヘッドパイプ12に回動自在に支持された左右一対のフロントフォーク13と、フロントフォーク13の上端部を支持するトップブリッジ14に取り付けられた操舵用のハンドル15と、フロントフォーク13に回転自在に支持された前輪16と、車体フレーム11に支持されたエンジン17と、エンジン17の排気系の一部を構成する排気マフラー18と、車体フレーム11の後下部に通されたピボットシャフト19に上下に揺動自在に支持されたスイングアーム20と、このスイングアーム20の後端部に回転自在に支持された後輪21と、スイングアーム20と車体フレーム11との間に介挿されるリヤクッション(不図示)とを備える。
車体フレーム11は、ヘッドパイプ12から左右に分岐して後方斜め下方に延びる左右一対のメインフレーム24と、メインフレーム24の後部に接続される左右一対のピボットプレート25と、ピボットプレート25の前部および後部から後方斜め上方に延びる左右一対のシートレール26とを備える。
このメインフレーム24の下部にエンジン(パワーユニットとも言う)17が支持され、メインフレーム24の上方に燃料タンク22が支持される。また、シートレール26の上部には、乗員用シート23が取り付けられ、シートレール26の後部には、グラブレール30およびトランクボックス27が取り付けられる。
車体フレーム11のピボットプレート25には、前席23Aに着座した運転者用の左右一対のステップ(運転者用足置きステップ)28と、後席23Bに着座した同乗者用の左右一対のステップ(同乗者用足置きステップ)29とが取り付けられ、また、車体フレーム11には、同乗者が握るグラブレール30、メインスタンド31、サブスタンド32および車体フレーム11を覆う車体カウリング40等が取り付けられる。
車体カウリング40は、車体前方を覆うフロントフェアリング41と、車体側部を覆う左右一対のサイドカバー42と、車体下部を覆うアンダーカバー43と、車体後部を覆うリアシートカウル44とを備え、リアシートカウル44には、左右一対のサドルバック45が一体に形成される。
サイドカバー42は、車体側面視でフロントフェアリング41とエンジン17との間を覆うように延在し、車両前方からの外気をエンジン17の周囲に導入させる左右一対のエア開口42Aが形成される。また、アンダーカバー43は、エンジン17の下部および前部を覆う。すなわち、エンジン17の左右側面の一部は、外部に剥き出しであり、車体側面視で外部から臨めるように露出してこの自動二輪車10の外観の一部を構成している。
図2はエンジン17を周辺構成と共に示している。
このエンジン17は、車体前後方向に並ぶ3気筒を左右両側に備える水平対向6気筒エンジンであり、メインフレーム24およびピボットプレート25に支持される。図2中、各気筒を構成するシリンダを符号50で示している。
このエンジン17の左右一対のシリンダヘッド61上部には、各シリンダ50の吸気口に連通する吸気マニホールド51が接続され、この吸気マニホールド51の上端には、スロットルボディ52が連結され、このスロットルボディ52の上流側である上部には、エアクリーナ53が接続される。つまり、吸気マニホールド51、スロットルボディ52およびエアクリーナ53によってエンジン17の吸気系が構成される。
また、左右一対のシリンダヘッド61下部には、各シリンダ50の排気口に連通する複数の排気管55が接続され、各排気管55は、シリンダヘッド61から下方に延びた後、車体後方に向けて各々屈曲して車体後方へ延び、その後端が集合部に連結される。この集合部56は、一本の排気管57を介して排気マフラー18が接続され、これらによりエンジン17の排気系が構成される。
図3はこのエンジン17の内部構造を示している。また、図4はエンジン17のエンジンブロック62を周辺構成と共に示す側面図である。なお、図4に示すエンジンブロック62は車体右側のエンジンブロックである。
エンジン17は、左右分割構造に形成された左右一対のエンジンブロック62と、この左右一対のエンジンブロック62の両外端に連結される左右一対のシリンダヘッド61と、左右一対のシリンダヘッド61の両外端を覆う左右一対のシリンダヘッドカバー63と、左右一対のエンジンブロック62の後部に連結されるリヤケース64(図2参照)と、リヤケース64の後部に連結されるクラッチカバー65とを備え、これらケース・カバー部品は、アルミニウム合金材料で形成されている。
シリンダヘッド61には、燃焼室71と、燃焼室71につながる吸気ポート72および排気ポート73とが設けられ、吸気ポート72入口に上記吸気マニホールド51が接続され、排気ポート73出口に排気管55が接続される。なお、図3中、符号75は、吸気ポート72を開閉する吸気弁であり、符号76は、排気ポート73を開閉する排気弁であり、符号77は、エンジン17に燃料を噴射するインジェクタである。
両エンジンブロック62は、前後方向に間隔を空けて並ぶ左右のシリンダ50の軸線を略水平に対向配置するシリンダブロック部62Aと、このシリンダブロック部62Aの車体内側に構成されてクランクシャフト83等を回転自在に支持するクランクケース部62Bとを一体に備えて構成される。
各シリンダ50には、ピストン81が車体左右方向に摺動自在に配置され、各ピストン81はコンロッド82を介して車両の前後方向に軸線を沿わせたクランクシャフト83に連結される。
また、クランクケース部62Bには、左右のクランクケース部62Bのあわせ面に相当する位置に、車体前後方向に延びるクランクシャフト83が回転自在に支持され、このクランクシャフト83の下方空間内に、クランクシャフト83と当該エンジン17に連結されるドライブシャフト85との間の動力伝達機構を構成する変速機構やクラッチ機構等が配設される。
ここで、変速機構は、クランクシャフト83の回転が伝達される第1メインシャフト86および第2メインシャフト87と、各メインシャフト86、87の回転が歯車機構を介して所定の変速比で伝達されるカウンタシャフト88とを備え、運転者のシフト操作で選択された変速段でカウンタシャフト88の回転をドライブシャフト85に伝達する。
また、クラッチ機構は、動力伝達経路の途中に設けられ、運転者のクラッチ操作に応じて動力伝達の断・接を切り換える。また、図3中、符号90は、クランクケース部62B下部に貯留されたエンジンオイルをエンジン17の各部に供給するオイルポンプである。
また、エンジンブロック62の側方には、前後方向に間隔を空けて並ぶ複数(本例では3個)のシリンダ50が開口すると共に、このエンジンブロック62にシリンダヘッド61などを取り付けるための取り付け孔が多数設けられている(図4参照)。
次にクランクシャフト83の支持構造を説明する。
図5はエンジンブロック62を内側から見た図であり、図6は、このエンジンブロック62をクランクシャフト支持部100と共に示す斜視図である。ここで、図5、図6に示すエンジンブロック62は車体左側のエンジンブロックである。
これら図に示すように、クランクシャフト83は、左右一対のエンジンブロック62の一方に形成されたジャーナル壁(クランクシャフトホルダとも言う)101、この実施例では、車体左側のエンジンブロック62のクランクケース部62Bに前後方向に間隔を空けて一体に形成された複数(本例では4個)のジャーナル壁101と、各ジャーナル壁101に一対ずつの締結部品であるボルト102でそれぞれ締結される複数(本例では4個)のベアリングキャップ(軸受キャップ)111とで回転自在に支持される。
このクランクシャフト83は、図5に示すように、回転中心となるクランクジャーナル83Aと、各ピストン81につながるコンロッド82が取り付けられるクランクピン83Bと、クランクピン83Bとクランクジャーナル83Aとを連結するクランクウェブ83Cとを備えており、本例では、2気筒間隔でクランクジャーナル83Aを形成することによって4カ所のクランクジャーナル83Aが形成され、各クランクジャーナル83Aを、四対のジャーナル壁101およびベアリングキャップ111によって回転自在に支持している。
図7は、ジャーナル壁101とベアリングキャップ111とを結合した状態を示している。この図に示すように、ジャーナル壁101とベアリングキャップ111とは、クランクシャフト挿通孔121の左右に一対の接合面122A、122Bが設けられ、各々の接合面122A、122Bに対し、接合面122A、122Bを挟んで対向する位置にノック孔101A、111Aが形成される。
なお、説明を分かり易くするため、ジャーナル壁101の接合面122Aと、ベアリングキャップ111の接合面122Bとを特に区別する必要がない場合は、接合面122と表記する。
接合面122を基準に対向する一対のノック孔101A、111Aには、一本のノックピン131が挿入され、この挿入されたノックピン131の両側がノック孔101A、111Aの各々に嵌合することによって、ジャーナル壁101とベアリングキャップ111との結合位置が位置決めされる。
また、ベアリングキャップ111には、一対の接合面122Bを貫通するように上記ボルト102が遊嵌される一対のボルト挿通孔111Bが形成され、ジャーナル壁101には、ベアリングキャップ111の一対のボルト挿通孔111Bに連通する一対の雌ねじ孔101Bが形成される。
このクランクシャフト83を取り付ける場合には、クランクシャフト83の各クランクジャーナル83Aを図示せぬ軸受を介して各ジャーナル壁101にセットし、次に、各ジャーナル壁101に一対のノックピン131を介して各ベアリングキャップ111を各々位置決めし、続いて、各ベアリングキャップ111のボルト挿通孔113にボルト102を挿通し、ジャーナル壁101に設けた雌ねじ孔111Bにボルト締結することによって、クランクシャフト83が回転自在に取り付けられる。
本実施形態では、図6および図7に示すように、一対のノック孔101A、111Aよりもクランクシャフト挿通孔121に近い位置に一対のボルト挿通孔111Bおよび雌ねじ孔101Bを形成するので、クランクシャフト83に近い位置でジャーナル壁101とベアリングキャップ111とをボルト締結することができる。このため、クランクシャフト83から、クランクシャフト支持部100を構成するジャーナル壁101およびベアリングキャップ111に作用する力をボルト締結力で効率よく受けることができる。
ところで、本実施形態では、ジャーナル壁101を含めたエンジンブロック62全体がアルミニウム合金材料で一体に形成された部品(アルミ合金系部品)であり、ベアリングキャップ111が、鉄系材料で一体に形成された部品(鉄系部品)である。
アルミ合金系部品と鉄系部品とでは、熱膨張率に差があるため、エンジン17の熱等で生じる熱変形量が各部品で異なり、この熱膨張率に差がある二部品101、111をノックピン131で位置決めした場合、この位置決め部分に熱変形量の差による応力(熱変形力)が作用する。
この応力がノックピンに作用した場合、従来のノックピンは、全体が同径で真っ直ぐに延びるピンであるため、このノックピンの外周面が二部品101、111の接合面122を含むノック孔101A、111Aの内周面全体に接触し、この接触した部分を介して応力がノックピンから比較的剛性の弱い接合面へも伝わってしまう。
さらに、この種のレシプロエンジン17は、エンジン17自体の振動や車体側から伝わる振動が存在するため、これら振動が加わることによって、接合面122表面に金属疲労による強度低下が生じやすくなる。
これを踏まえて従来の構成では、ノックピンが配置される接合面122を幅広にして接合面122の強度アップを図っており、この強度アップの分だけ部品の重量増(例えば、ジャーナル壁101を含むエンジンブロック62の重量増やベアリングキャップ111の重量増)が生じ、エンジン17の軽量化に不利な面が生じていた。
そこで、本実施形態では、図7に示すように、ノックピン131にくびれ部133を設け、このくびれ部133によりノックピン131の接合面122への接触を回避するようにしている。
ここで、図8は、ノックピン131を周辺構成と共に示す拡大図である。
この図に示すように、このノックピン131は、その両端が、アルミ合金系部品であるジャーナル壁101および鉄系部品であるベアリングキャップ111に形成されたノック孔101A、111Aに嵌合自在な嵌合部134、135に形成されており、この両端の嵌合部134、135間が、全周に渡ってノックピン131の軸線L1に向かって凹むくびれ部131に形成されている。なお、本実施形態では、ノックピン131を構成する嵌合部134、135およびくびれ部133が一体に形成されているが、複数に分割した部品で構成してもよい。
また、両端の嵌合部134、135の先端外周角部は、徐々に先細りとなるように面取り加工が施され、各ノック孔101A、111Aに挿入し易く形成されている。
また、上記くびれ部133は、両端の嵌合部134、135から徐々に縮径する縮径部133A、133Bと、これら縮径部133A、133Bの最小径の部分を同径でつなぐようにノックピン131の軸線L1に沿って延びる同径細部131Cとを一体に備えて構成される。
このように、嵌合部134、135とくびれ部133とに渡って外径が滑らかに変化するように形成することによって、このノックピン131に外部から応力が作用した場合でもノックピン131への部分的な応力集中を回避でき、ノックピン131全体の剛性を確保し易くできる。
すなわち、本実施形態では、ノックピン131を、ジャーナル壁101とベアリングキャップ111との接合面122を挟んで対向する位置に形成されたノック孔101A、111Aに挿入すると、ノックピン131の一端の嵌合部134が、ジャーナル壁101のノック孔101A内に完全に入ってほぼ隙間無く嵌合し、他端の嵌合部135が、ベアリングキャップ111のノック孔111A内に完全に入ってほぼ隙間無く嵌合する。これによって、このノックピン131を介してジャーナル壁101とベアリングキャップ111との結合位置を精度良く位置決めできる(図8参照)。
この場合、図8に示すように、ノックピン131のくびれ部133が、嵌合部134、135よりも小径に形成されているため、くびれ部133はノック孔101A、111Aの内周面には接触しない。上記したように、このくびれ部131は、両端の嵌合部134、135の間に位置するので、ノックピン131におけるジャーナル壁101とベアリングキャップ111との接合面122に対応する部位に位置し、ノックピン131の全周が接合面122に非接触となる。
このため、ジャーナル壁101とベアリングキャップ111との間の熱変形量の差で生じる外部応力(熱変形力)が、ノックピン131を介して接合面122に作用することを回避できる。
また、本構成では、ノックピン131のノック孔101A、111Aへの挿入位置が変動した場合でも、ノックピン131が接合面122に非接触となるように、くびれ部133の範囲(位置および長さ)が規定されている。
すなわち、ノックピン131が両ノック孔101A、111Aに均等に挿入されている場合、いずれか一方のノック孔101A又は111A側に偏って挿入されている場合、および、ジャーナル壁101とベアリングキャップ111とが想定される最大熱変形量で変形している場合のいずれの状態においても、くびれ部133が接合面122に対応する部位に位置するように形成されている。従って、ノックピン取付位置のばらつきを許容でき、ノックピン131の取り付けが容易である。
さらに、本構成では、ジャーナル壁101とベアリングキャップ111とに形成された両ノック孔101A、111Aが接合面122を挟んで対称形状に形成されると共に(図8参照)、ノックピン131が、上下左右対称形状に形成されるので、ノックピン131のいずれの嵌合部134、135をいずれのノック孔101A、111Aに嵌合してもノックピン131による位置決めができる。つまり、ノックピン131の取付方向性がないので、ノックピン131の取り付けがより容易になる。
以上説明したように、本実施形態では、ノックピン131のジャーナル壁101とベアリングキャップ111との接合面122に対応する部位を、接合面122と非接触となるくびれ部131に形成したので、ノックピン131が接合面122と接触せず、ジャーナル壁101とベアリングキャップ111との間の熱変形量の差で生じる外部応力(熱変形力)が、ノックピン131を介して接合面122に作用することを回避することができる。
この場合、ノックピン131に作用する外部応力は、ノックピン131の端部に設けられた嵌合部134又は135を介してジャーナル壁101又はベアリングキャップ111へと伝わるが、この伝わる部分は、接合面122から離れた内部構造部分であるので剛性が高い部分であり、かかる部分の断面を幅広にして剛性アップを図らなくても十分な剛性を確保することができる。
これにより、本実施形態では、接合面積を広くしなくても接合面122への外部応力の影響を回避することができ、接合面122表面等の金属疲労による強度低下を効率よく抑えることができる。
また、本実施形態では、接合面積を広くしなくてよい分、ジャーナル壁101の軽量化や薄型化が可能である。このため、ジャーナル壁101を含むエンジンブロック62をアルミ系合金で形成した場合の軽量効果をより十分に図ることができ、エンジン17の軽量化に有利となる。
このように、本実施形態では、上記ノックピン131を、アルミ合金系部品であるジャーナル壁101と鉄系部品であるベアリングキャップ111との位置決めに使用することによって、温度差が大きく、かつ、振動を有する使用環境下でも、接合面積を広くせずに接合面122の強度低下を抑えることができ、かつ、アルミ合金系部品の軽量化が可能になる。
また、本実施形態のノックピン131の両端部は、ジャーナル壁101とベアリングキャップ111とに互いの接合面122を挟んで対向する位置に形成されたノック孔101A、111Aに各々嵌る嵌合部134、135に形成され、これら嵌合部134、135間をくびれ部133に形成したので、接合面122と非接触にしつつ、両端の嵌合部134、135によってジャーナル壁101とベアリングキャップ111との位置決めを精度良く行うことができる。
さらに、このノックピン131は、両端部間にくびれ部133を形成した簡易な形状であるため、ノックピン131の製作が容易である。例えば、従来の同径で真っ直ぐに延びるノックピン等のピン部材を用意し、このピン部材の軸方向中央部分を削ってくびれ部133を形成する、といった容易な製作作業でも本ノックピン131と略同等なノックピンを製作することが可能である。
また、このノックピン131の嵌合部134、135の径や長さ等の寸法調整を行うことによって、ノックピン131による位置決め力を容易に調整でき、また、くびれ部133の径や長さ等の寸法調整を行うことによって、ノックピン131全体の強度を容易に調整できる。つまり、ノックピン131の仕様変更も容易である。
以上、一実施形態に基づいて本発明を説明したが、本発明はこれに限定されるものでない。例えば、上述の実施形態では、上記ノックピン131を、クランクシャフト83を支持するジャーナル壁101とベアリングキャップ111との結合位置の位置決めに使用する場合について説明したが、これに限らない。
例えば、エンジン17内に設けられるカムシャフト等の他の軸を回転自在に支持するジャーナル壁とベアリングキャップとの結合位置の位置決めに上記ノックピンを使用してもよい。
要は、本発明のノックピンは、鉄系部品とアルミ合金系部品との結合位置を位置決めするノックピンに広く適用でき、さらに、鉄系部品とアルミ合金系部品に限らず、熱膨張率が異なる材料で形成された複数に分割された部品(熱膨張率が異なる二部品)の結合位置を位置決めするノックピンに広く適用が可能である。
また、上記実施形態では、自動二輪車のエンジンに使用されるノックピンに本発明を適用する場合を説明したが、これに限らず、自動二輪車以外の他の車両のエンジン等に使用されるノックピンに本発明を適用できることは勿論である。
本発明の実施形態を適用した自動二輪車の側面図である。 自動二輪車のエンジンを周辺構成と共に示す図である。 エンジンの内部構造を示す図である。 エンジンのエンジンブロックを周辺構成と共に示す側面図である。 エンジンブロックを内側から見た図である。 エンジンブロックをクランクケース支持部と共に示す斜視図である。 ジャーナル壁とベアリングキャップとを結合した状態を示す図である。 ノックピンを周辺構成と共に示す拡大図である。
10 自動二輪車
11 車体フレーム
16 前輪
17 エンジン
21 後輪
61 シリンダヘッド
62 エンジンブロック
62A シリンダブロック部
62B クランクケース部
63 シリンダヘッドカバー
83 クランクシャフト
83A クランクジャーナル
100 クランクシャフト支持部
101 ジャーナル壁(クランクシャフトホルダ)
101A、111A ノック孔
101B 雌ねじ孔
102 ボルト(締結部材)
111 ベアリングキャップ
111B ボルト挿通孔
122、122A、122B 接合面
131 ノックピン
133 くびれ部
133A、133B 縮径部
133C 同径細部
134、135 嵌合部

Claims (3)

  1. クランクケース部(62B)にクランクシャフト(83)を支持するクランクシャフトの支持構造において、
    前記クランクシャフト(83)は、前記クランクケース部(62B)に形成されたジャーナル壁(101)と、前記ジャーナル壁(101)にボルト(102)で締結されるベアリングキャップ(111)との間に支持され、
    前記クランクケース部(62B)と前記ベアリングキャップ(111)とからなる二部品は熱膨張率が異なり、前記二部品(62B,111)には、前記クランクシャフト(83)のクランクジャーナル(83A)を挟んで一対のノック孔(101A,111A)が各々形成されるとともに、前記一対のノック孔(101A,111A)よりも前記クランクジャーナル(83A)に近い位置に、前記ボルト(102)を締結するための一対の孔(101B,111B)が各々形成され、
    前記一対のノック孔(101A,111A)に挿入されて前記二部品(62B,111)の結合位置を位置決めするノックピン(131)は、前記二部品(62B,111)の接合面(122)に対応する部位を、該接合面(122)と非接触となるくびれ部(133)に形成したことを特徴とするクランクシャフトの支持構造
  2. 前記ノックピン(131)の両端部は、前記接合面(122)を挟んで対向する位置に形成された前記一対のノック孔(101A,111A)に各々嵌る嵌合部(134,135)に形成され、前記くびれ部(133)は、前記嵌合部(134,135)の間に形成されることを特徴とする請求項1記載のクランクシャフトの支持構造
  3. 前記ノックピン(131)の前記嵌合部(134,135)と前記くびれ部(133)とは、外形が滑らか変化するように形成されることを特徴とする請求項2記載のクランクシャフトの支持構造。
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