JP5277028B2 - 電源装置 - Google Patents

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本発明は、電源装置に係り、特に電力変換用トランスを有し、1次側と次側とを絶縁した状態で負荷回路に電力を供給する電源装置に関する。
従来、絶縁型のスイッチング電源において、2次側で短絡が起こった場合に、素子を保護する手法として、1次側のスイッチング電流を測定して過電流を検出する手法が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
また、2次側の負荷が一定(大きく変動しない)の場合、1次側からの供給電力はほぼ一定となるので、電力を検出することにより負荷の状態を監視する手法も提案されている。
特開平5−42368号公報
しかしながら、スイッチング電源においては、入力電圧が変化すると入力電流の値が変化してしまうため、入力電流を検出して、所定のしきい値と比較して過電流を検出する手法では、広い入力電流範囲に対して効果的な対応が難しいという問題点があった。
また、電力を検出する場合には、入力電流に入力電圧を乗じて電力を算出する乗算回路が必要となるが、通常、温度に対する誤差が大きいといった問題点があった。
さらに、フライバックトランスを有する絶縁型の電源回路において電力を検出する場合には、入力電圧を変えて入力電力を測定した場合、負荷が重くなると入力電圧の低い領域で電力が増加することとなっていた。これは、入力電圧が下がると電流が増えるが、回路内の抵抗分によって電圧降下が顕著になり、電力が増加するからである。
したがって、乗算回路を用いて電力で判定しようとする場合、入力電圧が低い領域では制御誤差が大きくなるという問題点があった。
そこで、本発明の目的は、幅広い入力電流範囲に対し、効果的に過電流を検出し、確実に回路を構成する素子の保護を図ることができる電源装置を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明の第1態様は、電力変換用トランスを有し、前記電力変換用トランスの1次側の入力電圧を所定の出力電圧に変換して2次側に接続された負荷回路に出力する電源装置において、前記負荷回路の定常動作時の前記1次側を流れる電流の近似値を前記1次側の入力電圧に応じて出力する近似値出力回路と、前記入力電圧に対応した前記1次側の電流値と前記近似値とを比較し前記1次側の電流値が前記近似値以上となった場合に前記負荷回路の異常と判別する判別回路と、を備え、前記近似値出力回路は、二つに分割された入力電圧領域毎に増幅器の増幅率を変更して振幅圧縮あるいは振幅伸張を行うことにより、前記1次側を流れる電流の近似値を1回折れ線で近似して、前記近似値を出力するとともに、前記負荷回路の定常動作時の前記1次側を流れる電流値を数倍することで求めた仮の閾値を基準として、前記二つに分割された入力電圧領域のうちの低入力電圧領域では、前記閾値よりも小さい値を前記近似値として出力し、高入力電圧領域では、前記閾値よりも大きな値を前記近似値として出力するように、回路定数が定められている、ことを特徴とする。
上記構成によれば、近似値出力回路は、負荷回路の定常動作時の1次側を流れる電流の近似値を1次側の入力電圧に応じて判別回路に出力する。
これにより、判別回路は、入力電圧に対応した1次側の電流値と近似値とを比較し1次側の電流値が近似値以上となった場合に負荷回路の異常と判別する。
上記構成によれば、近似値出力回路の回路定数は、低入力電圧領域では、閾値よりも小さい値を近似値として出力する。
本発明の第態様は、第2態様において、前記1次側の電流値と前記近似値との比較において、前記入力電圧の変動に起因する近似値の変動タイミングと、前記電流値の変動タイミングとのずれを吸収するように、前記近似値あるいは前記電流値の遷移特性を変更するフィルター回路と、を備えたことを特徴とする。
上記構成によれば、フィルター回路は、近似値あるいは電流値の遷移特性を変更するので、1次側の電流値と近似値との比較において、入力電圧の変動に起因する近似値の変動タイミングと、電流値の変動タイミングとのずれを吸収することができる。
本発明の第1態様によれば、幅広い入力電流範囲に対し、効果的に負荷回路の異常(たとえば、過電流)を判別できるので、確実に回路を構成する素子の保護を図ることができる。
本発明の第2態様によれば、第1態様の効果に加えて、簡易な回路構成で、1次側を流れる電流を近似させることができ、正確に負荷回路の異常を判別できる。
本発明の第3態様によれば、第2態様の効果に加えて、より簡易な回路構成で、入力電圧の変動の影響を低減した負荷回路の異常判別を行うことができる。
本発明の第4態様によれば、第3態様の効果に加えて、1次側を流れる電流(入力電流)が増加する低入力電圧領域で負荷回路が異常であると判別されるまでに、1次側を流れる電流を抑制して、発熱を抑制することができる。
また、高入力電圧領域では、前記閾値よりも大きな値を前記近似値として出力するので、1次側を流れる電流(入力電流)が減少する高入力電圧領域で負荷回路が異常であるか否かを判別する際の信号対ノイズ信号比(S/N比)を高くすることができ、異常判別の確実性を確保することができる。
本発明の第5態様によれば、第1態様ないし第4態様のいずれかの効果に加えて、入力電圧の変動に起因する近似値の変動タイミングと、電流値の変動タイミングとのずれに起因して、判別回路における誤判別の発生を抑制することができ、電源装置の信頼性を向上させることができる。
次に本発明の好適な実施の形態について図面を参照して説明する。
まず、具体的な説明に先立ち、本発明の原理について説明する。
図1は、本発明の原理説明図である。
電源装置10は、電力変換用トランス11を有し、電源12から入力された1次側の入力電圧Vinを所定の出力電圧Voutに変換して2次側に接続された所定の負荷回路13に出力する電力変換部14と、入力電圧Vinに基づいて負荷回路の定常動作時に1次側を流れる電流の近似値Iaprを出力する近似値出力部(近似値出力回路)15と、1次側を流れる電流値Imeaを測定する電流測定部16と、測定した電流値Imeaと、出力された近似値Iaprと、を比較し、電流値Imeaが近似値Iapr以上となった場合に、負荷回路13の異常と判別して、負荷回路13への電源供給を禁止するための電源供給禁止信号Sstpを電力変換部14に出力する供給判別部(判別回路)17と、を備えている。
上記構成によれば、電力変換部14は、電源12から入力された1次側の入力電圧Vinを所定の出力電圧Voutに変換して2次側に接続された所定の負荷回路13に出力する。
この際に、近似値出力部15は、入力電圧Vinに基づいて負荷回路の定常動作時に1次側を流れる電流の近似値Iaprを算出して、供給判別部17に出力し、電流測定部16は、1次側を流れる電流値Imeaを測定して、供給判別部17に出力する。
供給判別部17は、測定した電流値Imeaと、算出した近似値Iaprと、を比較し、電流値Imeaが近似値Iapr以上となった場合に、負荷回路13の異常(例えば、負荷回路13内における短絡状態など)と判断して、負荷回路13への電源供給を禁止するための電源供給禁止信号Sstpを電力変換部14に出力する。
これらの結果、電力変換部14は、負荷回路13への電源供給を停止することなる。
以上の説明のように、電力変換部14が負荷回路13への電源供給を禁止するか否かを判別する際の近似値Iaprは、入力電圧Vinに基づいて算出されているため、幅広い入力電流範囲に対応することができ、幅広い入力電流範囲で効果的に過電流を検出し、確実に回路を構成する素子の保護を図ることができるのである。
図2は、実施形態の電源装置を用いたモーター駆動装置の概要構成図である。
このモーター駆動装置20は、電気自動車あるいはハイブリッド自動車などにおいて、電気モーターを駆動する装置であり、電源であるバッテリー21と、バッテリー21から供給された直流電源の平滑化を行う平滑化コンデンサー22と、モーター駆動装置20を中枢的に制御するコントローラー23と、複数のIGBT(Insulatede Gate Bipolar Transistor)を備えたインバーター回路24と、インバーター回路24を構成するIGBTを駆動するIGBTドライバー部25と、インバーター回路24により駆動される三相交流モーター26と、三相交流モーター26の各相の駆動電流を検出する電流センサー27−U、27−V、27−Wと、を備えている。
コントローラー23は、マイクロコンピューターとして構成されており、図示しないMPU、ROM、RAMを備え、MPUがROMに予め記憶した制御プログラムに基づいて、RAMをワークエリアとして、各種処理を行っている。
インバーター回路24は、直列接続された二つのIGBTを有するIGBT直列回路24U、24V、24Wを備え、IGBT直列回路24U、24V、24Wがバッテリー21の正極及び負極間に並列接続されている。
ここで、IGBT直列回路24U、24V、24Wは、同一回路構成であるので、IGBT直列回路24Uを例として説明する。
IGBT直列回路24Uは、正側アームを構成するIGBT31Hと、IGBT31Hのコレクタ−エミッタ間に並列に接続されたダイオード32Hと、IGBT31Hのコレクタ−エミッタ間に並列に接続されたコンデンサー33Hと、負側アームを構成するIGBT31Lと、IGBT31Lのコレクタ−エミッタ間に並列に接続されたダイオード32Lと、IGBT31Lのコレクタ−エミッタ間に並列に接続されたコンデンサー33Lと、を備えている。
ここで、各IGBT31H、31Lのゲートは、IGBTドライバー部25に接続されている。
IGBTドライバー部25は、U相に対応するU相IGBT駆動部25UH、25UL、V相に対応するV相IGBT駆動部25VH、25VL、W相に対応するW相IGBT駆動部25WH、25WLを備えており、コントローラー23の制御下で、対応するIGBT31H、31Lを駆動する。
電流センサー27−U、27−V、27−Wは、対応する各相を流れる電流を検出し、電流検出信号SIU、SIV、SIWをコントローラー23に出力する。
図3は、コントローラーの概要構成ブロック図である。
コントローラー23は、電源であるバッテリー21からの入力電圧Vinを検出し、この入力電圧Vinに基づいて負荷回路としてのIGBT駆動部25UH、25UL、25VH、25VL、25WH、25WLの定常動作時に電力変換用トランスとしてのフライバックトランス41の1次コイル42を流れる電流の近似値Iaprを算出する関数発生回路43と、1次コイル42に直列に接続されたスイッチングトランジスター44と、スイッチングトランジスター44と低電位側電源との間に接続され、1次コイル42を流れる電流値Imeaを検出する電流検出回路45と、を備えている。
さらにコントローラー23は、2次側の負荷回路と同一回路構成を有するダミー負荷回路46に流れる電流を検出する負荷電流検出部47と、ダミー負荷回路46を流れる電流の電圧を検出するための分圧回路48と、検出したダミー負荷回路46を流れる電流の電圧VLDを所定電圧とするためにスイッチングトランジスター44のPWM(Pulse Width Modulation)制御を行うPWM制御部49と、近似値Iaprと、電流値Imeaと、を比較して、2次コイル55−1、55−2、…に接続された負荷回路としてのIGBT駆動部25UH、25UL、25VH、25VL、25WH、25WLの異常と判断した場合に、負荷回路としてのIGBT駆動部25UH、25UL、25VH、25VL、25WH、25WLへの電源供給を禁止するための電源供給禁止信号SstpをPWM制御部49に出力する比較回路50と、を備えている。
関数発生回路43としては、様々な回路構成が考えられるが、本実施形態においては、ツェナーダイオードを利用した1回折れ線回路を用いている。この1回折れ線回路は、入力電圧領域を二つの入力電圧領域(低電圧領域および高電圧領域)に分割し、1次側を流れる電流の近似値を1回折れ線で近似して、近似値を出力する回路である。
負荷電流検出部47は、2次コイル55−1、55−2、…およびこれらの2次コイルに接続されたIGBT駆動部25UH等と同様の回路構成となっており、3次コイル54に接続された逆流防止用ダイオード47−1および平滑化用コンデンサー47−2を備えている。
PWM制御部49は、ダミー負荷回路46を流れる電流の電圧VLDと、基準電圧VREFと、の差を増幅して誤差増幅信号を出力する誤差アンプ51と、PWM制御用の所定の三角波信号を生成する発振器(三角波生成回路)52と、発振器52の出力した三角波信号と誤差増幅信号と、を比較して、PWM制御信号CPWMをスイッチングトランジスター44のゲートに出力して、スイッチング動作を行わせる反転増幅器53と、を備えている。
上記構成において、関数発生回路43、電流検出回路45および比較回路50は、過電流保護回路を構成している。
図4は、過電流保護回路の具体的回路説明図である。
過電流保護回路60は、図4に示すように、大別すると、関数発生回路43、電流検出回路45、比較回路50および過電圧保護回路61を備えている。
関数発生回路43は、大別すると、折れ線近似回路43−1および反転増幅器43−2を備えている。折れ線近似回路43−1は、ツェナーダイオードZDを用いて、リミッタ回路の変形回路としての1回折れ線回路として構成されており、入力電圧Vinに対応する原近似値Iapr0を反転増幅器43−2に出力する。
これにより、反転増幅器43−2は、原近似値Iapr0を反転増幅して近似値Iaprとして出力する。
図5は、関数発生回路の出力する近似値の具体例の説明図である。
この場合において、バッテリー21の電圧は、6V〜24Vの範囲で用いるものとしている。
関数発生回路43の出力する近似値Iaprは、1回折れ線で表すものとし、図5に一点鎖線で示すように、2次側電力が定常時の数倍(本実施形態では、3倍)程度となるように、安全率を見込んだ理論的な過電流判定基準値を設定して折れ線近似回路43−1の回路定数を設定している。
すなわち、折れ線近似回路43−1は、定常動作時に頻繁に異常と判断しないことを条件に、負荷回路の定常動作時の1次側を流れる電流値を数倍することで求めた仮の閾値を基準として、低入力電圧領域では、この閾値よりも小さい値を近似値として出力し、高入力電圧領域では、この閾値よりも大きな値を近似値として出力するように、回路定数が定められている。
このように設定する理由としては、低入力電圧領域(図5の場合、入力13V未満の領域)においては、電流値が比較的大きいので、発熱などの問題を回避するため、過電流判定基準値として仮に定めた閾値よりも実際に出力する近似値Iaprを低めに設定している。
また、高入力電圧領域(図5の場合、13V以上の領域)においては、電流値Imeaが小さく、ノイズに埋もれて誤判別を行わないように、S/Nを稼ぐため、過電流判定基準値として仮に定めた閾値よりも実際に出力する近似値Iaprを高めに設定している。
したがって、発熱を抑制しつつ、低S/Nに起因する誤判別を抑制して、定常動作時の3倍前後の入力電流Iinが電流値Imeaを介して検出されれば、過電流状態、すなわち、IGBTの短絡状態と判定されることとなる。なお、定常動作時の3倍前後の入力電流Iinが検出された状態で過電流状態と判定しているが、定常動作時の入力電流よりも高い値であれば、負荷回路を構成する素子の動作条件などの検出条件に応じて任意に近似値Iaprの設定が可能である。
そして、反転増幅器43−2は、折れ線近似回路43−1の生成した原近似値Iapr0を増幅倍率1倍で反転して近似値Iaprとして比較回路50に出力する。
電流検出回路45は、バッテリー21からの入力電流Iinを抵抗Rにより電圧に変換し、コンデンサーCにより平滑して、コンデンサーCの電圧に相当する電流値Imeaとして比較回路50に出力する。
これらの結果、比較回路50は、入力された電流値Imeaと、近似値Iaprと、を比較し、電流値Imeaが近似値Iapr以上である場合に、インバーター回路24を構成するいずれかのIGBTが短絡していると判断し、負荷回路としてのIGBT駆動部25UH、25UL、25VH、25VL、25WH、25WLへの電源供給を禁止するための電源供給禁止信号Sstpを出力する。
この結果、インバーター回路24を構成するいずれかのIGBTが短絡している場合(過電流検出時)には、直ちにインバーター回路24の駆動が停止されるので、インバーター回路24および三相交流モーター26の保護を図ることが可能となる。
ところで、本実施形態のモーター駆動装置のように、出力一定(駆動負荷固定)の条件で利用される電源装置では、電源電圧が急峻に変動した場合、回路の応答時間の差から過電流と検出されてしまう場合がある。
より詳細には、入力電圧の変化と入力電流の変化が同期していれば問題ないが、電源電圧で消費電流を推定する場合に、スイッチングレギュレータを利用すると、安定するまでに時間が必要となり、過度的な応答では負荷曲線から一時的に外れることになる。
すなわち、入力電圧Vinの変動に起因する近似値Iaprの変動タイミングと、測定した電流値Imeaの変動タイミングとのずれが生じた場合には、過電流と誤って検出されてしまうこととなる。
特に、入力電圧の上昇時であって電流の応答が遅い場合、あるいは、入力電圧の下降時であって電流の応答が早い場合には、しきい値である近似値Iapr側に信号が振れることとなるため、過電流状態であると誤って判定してしまう可能性がある。
この結果、比較回路50から電源供給禁止信号Sstpが出力されてしまい、三相交流モーター26の駆動が停止してしまうこととなる。
具体的には、入力電圧が大きく変動する場合としては、たとえば、電源瞬断時においては、電源復旧時には近似値Iaprは、入力電圧Vinに同期して立ち上がるが、入力電流Iinは、安定が遅いため、過電流状態であると誤って判定されて三相交流モーター26の駆動が停止してしまうこととなる。
これを避けるためには、入力電圧の上昇時に電流応答を早くし、あるいは、入力電圧の下降時に電流応答を遅くする必要がある。なお、入力電圧の上昇時に電流応答を高速化することは困難であるので、比較回路50の電圧応答を遅らせることにより実現することとなる。
図6は、誤判定防止のための入力電圧の変化と、入力電流の変化と、の非同期時における対応原理の説明図である。
すなわち、入力電圧の上昇時には、図6に符号L1で示すように、比較回路50に入力する近似値Iaprの応答を遅らせることで、しきい値である近似値Iapr側に信号が振れても入力電流Iinに相当する電流値Imeaが近似値Iaprを超えるのを抑制することができ、過電流状態であると誤って判定してしまう可能性を低減できる。
また、入力電圧の下降時には、図6に符号L2で示すように電流応答を遅らせることで、しきい値である近似値Iapr側に信号が振れても入力電流Iinに相当する電流値Imeaが近似値Iaprを超えるのを抑制することができ、過電流状態であると誤って判定してしまう可能性を低減できる。
これを実現するための具体的な手法としては、入力電圧Vinの変動に起因する近似値Iaprの変動タイミングと、測定した電流値Imeaの変動タイミングとのずれを吸収するために、近似値Iaprあるいは電流値Imeaの遷移特性を変更するフィルター回路を設けることが考えられる。
以下、具体的な対応について説明する。
まず、第1には、LPF(Low Pass Filter)による対応が考えられる。
すなわち、LPFを通し、実効的な反応速度を遅くすることで入力電圧変動に起因する過電流誤検出を回避するのである。このLPFによる対応は、入力電圧に対応する入力電流の応答が同期しているならば、LPFを設けていない場合と同様となる。
図7は、誤判定防止のための入力電圧の変化と、入力電流の変化と、の非同期時における対応としてLPFを設けた場合の説明図である。
この場合において、LPFは、図4における関数発生回路43側および電流検出回路45側の双方に設けられている。
この結果、図7に波線で示すように、近似値Iaprおよび入力電流Iinの波形は緩やかに変化することとなり、電圧が急激に上昇した場合でも、不必要に過電流検出と判断されることが無くなる。
しかしながら、近似値Iaprの波形ピークが下がることとなるので、図7に符号P1,P2で示すように、スイッチングレギュレータの応答遅れの影響が大きく出て、入力電流Iinの波形ピークが大きくなってしまった場合には、過電流状態であると誤って判定されて三相交流モーター26の駆動が停止してしまう可能性が残っている。
また、LPFによる対応では、入力電圧Vinが急激に下がった時には、対応できなくなるおそれもある。
さらに、過電流に対する応答性も遅くなるため好ましくない。
これらを解決するためには、近似値Iaprの波形は、その値が速く上昇し、ゆっくり減少する特性を有し、入力電流Iinの波形は、逆にゆっくり上昇し、早く減少する特性を有しているのが望ましい。
本実施形態においては、上記特性を持たせるためのフィルターの例について説明する。
図8は、フィルターの第1例の説明図である。
図8においては、関数発生回路43の折れ線近似回路43−1に代えて、ダイオードD11、抵抗R10および抵抗R11で構成されるフィルターを有する折れ線近似回路43−1Aを備え、電流センサーのアンプAの出力にダイオードD21、抵抗R20および抵抗R21で構成されるフィルターを有する電流検出回路45Aを備えている。
上記構成によれば、抵抗R10>R11と設定することにより、入力電圧Vinの電圧上昇時のコンデンサーC11の充電は遅くなり、図8の左下に示すように、反転増幅器RAへの入力信号の信号立ち上がりは遅くなり、信号立下がりは早くなる。
この結果、図8の中央下に示すように、反転増幅器RAの出力信号の信号立下がりは遅くなり、信号立ち上がりは早くなり、コンパレータCMに入力される近似値Iaprの信号立ち上がりは早くなり、信号立下がりは遅くなって、所望の特性に沿ったものとなる。
一方、抵抗R20>R21と設定することにより、入力電流Iinの電流上昇時のコンデンサーC21の充電は遅くなり、図8の中央上に示すように、コンパレータCMに入力される電流値Imeaの信号立ち上がりは遅くなり、信号立下がりは早くなって、所望の特性に沿ったものとなる。
これらの結果、電源瞬断時などにも不必要に負荷回路の駆動が停止されることなく、過電流に対する応答性も確保することが可能となる。
図9は、フィルターの第2例の説明図である。
図9においては、関数発生回路43を構成する反転増幅器RAの出力段に、ダイオードD31、抵抗R31、抵抗R32およびコンデンサーC31で構成されるフィルターを設けている。
上記構成によれば、抵抗R31>R32と設定することにより、入力電圧Vinの電圧上昇時のコンデンサーC31の充電は早くなり、逆にコンデンサーC31の放電は遅くなる。
したがって、図9の右下に示すように、コンパレータCMに入力される近似値Iaprの信号立ち上がりは早くなり、信号立下がりは遅くなって、所望の特性に沿ったものとなる。
一方、抵抗R41>R42と設定することにより、入力電流Iinの電流上昇時のコンデンサーC41の充電は遅くなり、図9の中央上に示すように、コンパレータCMに入力される電流値Imeaの信号立ち上がりは遅くなり、信号立下がりは早くなって、所望の特性に沿ったものとなる。
これらの結果、電源瞬断時などにも不必要に負荷回路の駆動が停止されることなく、過電流に対する応答性も確保することが可能となる。
図10は、フィルターの第3例の説明図である。
図10においては、50を構成するコンパレータCMの出力段のロウパスフィルター(抵抗R53およびコンデンサーC51で構成)の前段に、ダイオードD51、抵抗R51、抵抗R52で構成されるフィルターを設けている。
上記構成によれば、抵抗R51>R52と設定することにより、図10の右に示すように、電源供給禁止信号Sstpの電圧上昇時のコンデンサーC51の充電は早くなり、逆に電源供給禁止信号Sstpの電圧下降時のコンデンサーC51の放電は遅くなる。
したがって、電源瞬断時などの入力電圧Vinの急激な変化が生じた場合でも、不必要に負荷回路の駆動が停止されることなく、過電流に対する応答性も確保することが可能となる。
以上の説明においては、関数発生回路43を構成する折れ線近似回路43−1として、1回折れ線で近似する回路を用いていたが、複数の入力電圧領域毎に増幅器の増幅率を変更して振幅圧縮あるいは振幅伸張を行うことにより、1次側を流れる電流の近似値を複数回折れ線で近似して、近似値Iaprを出力するn回折れ線近似回路を用いることも可能である。
本発明の原理説明図である。 実施形態の電源装置を用いたモーター駆動装置の概要構成図である。 コントローラーの概要構成ブロック図である。 図4は、過電流保護回路の具体的回路説明図である。 過電流保護回路の具体的回路説明図である。 関数発生回路の出力する近似値の具体例の説明図である。 誤判定防止のための入力電圧の変化と入力電流の変化の非同期時の対応原理の説明図である。 誤判定防止のための入力電圧の変化と入力電流の変化の非同期時の対応としてLPFを設けた場合の説明図である。 フィルターの第1例の説明図である。 フィルターの第2例の説明図である。 フィルターの第3例の説明図である。
10 電源装置
11 電力変換用トランス
12 電源
13 負荷回路
14 電力変換部
15 近似値出力部
16 電流測定部
17 供給判別部(判別回路)
20 モーター駆動装置
21 バッテリー
22 平滑化コンデンサー
23 コントローラー
24 インバーター回路
25 IGBTドライバー部
26 三相交流モーター
41 フライバックトランス
42 1次側コイル
43 関数発生回路
43 線近似回路
43 反転増幅器
44 スイッチングトランジスター
45 電流検出回路
46 ダミー負荷回路
47 負荷電流検出部
48 分圧回路
49 PWM制御部
50 比較回路
51 誤差アンプ
52 発振器
53 反転増幅器
60 過電流保護回路
61 過電圧保護回路
CM コンパレータ
CPWM PWM制御信号
Iin 入力電流
Imea 電流値
Iapr 近似値
RA 反転増幅器
Sstp 電源供給禁止信号
Vin 入力電圧

Claims (2)

  1. 電力変換用トランスを有し、前記電力変換用トランスの1次側の入力電圧を所定の出力電圧に変換して2次側に接続された負荷回路に出力する電源装置において、
    前記負荷回路の定常動作時の前記1次側を流れる電流の近似値を前記1次側の入力電圧に応じて出力する近似値出力回路と、
    前記入力電圧に対応した前記1次側の電流値と前記近似値とを比較し前記1次側の電流値が前記近似値以上となった場合に前記負荷回路の異常と判別する判別回路と、
    を備え
    前記近似値出力回路は、二つに分割された入力電圧領域毎に増幅器の増幅率を変更して振幅圧縮あるいは振幅伸張を行うことにより、前記1次側を流れる電流の近似値を1回折れ線で近似して、前記近似値を出力するとともに、
    前記負荷回路の定常動作時の前記1次側を流れる電流値を数倍することで求めた仮の閾値を基準として、前記二つに分割された入力電圧領域のうちの低入力電圧領域では、前記閾値よりも小さい値を前記近似値として出力し、高入力電圧領域では、前記閾値よりも大きな値を前記近似値として出力するように、回路定数が定められている、
    ことを特徴とする電源装置。
  2. 請求項に記載の電源装置において、
    前記1次側の電流値と前記近似値との比較において、前記入力電圧の変動に起因する近似値の変動タイミングと、前記電流値の変動タイミングとのずれを吸収するように、前記近似値あるいは前記電流値の遷移特性を変更するフィルター回路を備えたことを特徴とする電源装置。
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