JP5276913B2 - 押下ヘッド - Google Patents

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Description

本発明は、上方付勢状態で押込み可能にステムを起立した吐出器に装着する押下ヘッドに関する。
この種の押下ヘッドとして、例えば下記特許文献1に示されるような、頂壁部、この頂壁部の外周縁部から下方に向けて延設された周壁部、およびノズル孔を備えるとともに、内部に吐出器のステム内に連通しかつノズル孔を介して外部に連通可能な弁室が画成されたヘッド本体と、天壁部、この天壁部の下面から下方に向けて延設されてステムに嵌合された装着筒、およびこの装着筒よりも大径でかつ天壁部の外周縁部に上下方向に沿って延設された案内筒を備える装着筒部材と、が備えられた構成が知られている。
装着筒部材は、前記ヘッド本体の内部において周壁部の内周面に突設された環状突部と弁室との間に、前記案内筒の下端縁が前記環状突部により下側から支持されて配置されている。
また、弁室には、前方付勢状態で前記ノズル孔を閉塞する弁部材が設けられている。この弁部材の後端部には、下方に向かうに従い前方に向けて屈曲させられてその下端部が前記天壁部上に配置され、かつ装着筒部材に対するヘッド本体の押下時に弁部材を後退移動させるように揺動可能に支持された梃子部材が連結されている。
この押下ヘッドにおいて、ヘッド本体の頂壁部を押圧することで、梃子部材の下端部が装着筒部材の天壁部により押し上げられて、梃子部材の上端部が後方へ移動させられるように揺動する。これにより、弁部材が梃子部材の上端部とともに後方へ移動させられてノズル孔が開口する。
特開2002−326044号公報
しかしながら、前記従来の押下ヘッドでは、ノズル孔を開閉するために、例えば、装着筒部材や梃子部材等が設けられており、しかもこれらの部品を連動させる必要もあり、部品点数が多く、構造が複雑であるという問題があった。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、部品点数を低減し、構造の簡素化を図った上でノズル孔を開閉することができる押下ヘッドを提供することである。
上記課題を解決するために、この発明は以下の手段を提案している。
本発明に係る押下ヘッドは、上方付勢状態で押込み可能にステムを起立した吐出器に装着される押下ヘッドであって、周壁部に形成された貫通孔を通して前方に向けて開口すると共に後方に向けて延在し、且つ前記ステム内に連通する横筒を内部に有する有底筒状のヘッド本体と、前記横筒内に後方付勢状態で前進摺動可能に嵌合されたノズル筒部材と、前記横筒内に前後方向に沿って延設された開閉ピンと、が備えられ、該開閉ピンは、前記ノズル筒部材内に挿入されると共に、前記ノズル筒部材の前端部に形成されたノズル孔を閉塞していて、前記ノズル筒部材には、前記横筒より柔軟な材質で形成されたシール筒部材が備えられ、前記シール筒部材は、前記横筒内に摺動可能に嵌合されていることを特徴とするものである。
本発明に係る押下ヘッドによれば、ステム内から横筒内に流入される内容物の液圧によってノズル筒部材が後方付勢力に抗して横筒内で前進させられる。これにより、ノズル筒部材のノズル孔が開閉ピンから離反し、ノズル孔が開口させられる。
そして、横筒内への内容物の流入が停止すると、ノズル筒部材が後方付勢力により横筒内で後退させられる。これにより、ノズル筒部材のノズル孔が開閉ピンに接近し、ノズル孔が閉塞させられる。
この結果、例えば装着筒部材や梃子部材等を設けるといった従来技術のような構成としなくても、ノズル孔を開閉することが可能になる。従って、ノズル孔を開閉可能な押下ヘッドの部品点数を低減し、構造の簡素化を図ることができる。
また、シール筒部材が横筒より柔軟な材質で形成されているので、横筒とシール筒部材との間の液密性を向上することができる。このため、ノズル筒部材の外周面側を通って内容物が外部に漏出するのを抑制し、内容物を確実にノズル孔から吐出させることができる。
本発明に係る押下ヘッドによれば、部品点数を低減し、構造の簡素化を図った上でノズル孔を開閉することができる。
以下、本発明に係る押下ヘッドの一実施形態を、図1及び図2を参照して説明する。
本実施形態に係る押下ヘッド1は、図1に示すように、上方付勢状態で押込み可能にステム2を起立した吐出器に装着されるものであって、周壁部4に形成された貫通孔5を通して前方に向けて開口すると共に後方に向けて延在し、且つステム2内に連通する横筒6を内部に有する有底筒状のヘッド本体7と、横筒6内に後方付勢状態で前進摺動可能に嵌合されたノズル筒部材8と、横筒6内に前後方向に沿って延設された開閉ピン9と、が備えられている。
横筒6は、ヘッド本体7の上部に設けられている。図示の例では、横筒6の上端壁は、ヘッド本体7の頂壁部10の一部とされ、横筒6の後端壁6aは、ヘッド本体7の頂壁部10から下方に向けて延設され、ヘッド本体7の周壁部4から径方向内側に離れている。
横筒6の下端壁6bには、ヘッド本体7と同軸に配置された装着筒11が下方に向けて延設されている。この装着筒11内には、ステム2の上端部が、その上端縁が横筒6の下端壁6bに当接した状態で嵌合されている。また、前記下端壁6bには、横筒6内と装着筒11内とを連通する流通孔6cが形成されている。なお、流通孔6cは装着筒11と同軸に形成されると共に、流通孔6cの内径は装着筒11の内径より小さくなっている。
横筒6の前端開口部には、貫通孔5を通して挿通筒部材12が装着されている。この挿通筒部材12内には、ノズル筒部材8の前側部分が挿通されている。挿通筒部材12には、周壁部4の外周面における貫通孔5の開口周縁部上に配置されるリング状の前端壁13と、この前端壁13の後面から後方に延設され、横筒6の前端開口部内及び貫通孔5内に嵌合される装着筒14と、が備えられている。
なお、前端壁13と装着筒14とは同軸上に配設されている。また、前端壁13の内径は装着筒14の内径よりも小さく、前端壁13の外径は装着筒14の外径より大きくなっている。
ノズル筒部材8は、例えばPE、PP等のポリオレフィン樹脂や、PET等のポリエステル樹脂等の合成樹脂材料で形成されたノズル筒本体8bを備えている。ノズル筒本体8bのうち、挿通筒部材12から前方に突出した前端部は、前方に向かうに従って漸次縮径され、その前端にノズル孔15が形成されている。また、ノズル筒本体8bの後部には、その径方向外方に向けて鍔部16が突設されている。鍔部16の外径は、挿通筒部材12の装着筒14の内径より大きく、且つ横筒6の内径よりも小さくなっている。
また、本実施形態では、ノズル筒部材8には、横筒6より柔軟な材質で形成されたシール筒部材17が備えられ、このシール筒部材17が、横筒6内に摺動可能に嵌合されている。図示の例では、シール筒部材17は、ノズル筒本体8bより柔軟な材質で形成されている。
シール筒部材17の材質としては、例えば、ニトリルゴム、ブチルゴム、シリコンゴム、熱可塑性エラストマー等の軟材質や、ウレタン等が挙げられる。
図示の例では、シール筒部材17は、ノズル筒本体8bの後端部の外周面に嵌合され、その前端縁が鍔部16の後面に当接し、その後端部17aがノズル筒本体8bの後端縁8aよりも後方に突出している。また、シール筒部材17において、後端部17aは、この後端部17aより前側に位置する前側部分17bより薄肉とされると共に、後方に向かうに従い漸次拡径している。そして、シール筒部材17において、後端部17aの後端の外径は、前側部分17bの外径よりも大きくなっており、シール筒部材17のうち後端部17aの後端のみが横筒6の内周面に当接している。
なお、シール筒部材17の後端部17aは、横筒6内において流通孔6cよりも前側に位置する部分に配設されている。
また、挿通筒部材12の前端壁13とノズル筒本体8bの鍔部16との間には、コイルスプリング18が介在されており、このコイルスプリング18によりノズル筒部材8が後方に付勢されている。
開閉ピン9は、ノズル筒部材8内に挿入されると共に、ノズル孔15を閉塞している。図示の例では、開閉ピン9は、横筒6の後端壁6aから横筒6と同軸に、前方に向けて延設されている。
なお、ノズル筒本体8bの内周面と開閉ピン9の外周面との間には隙間が設けられている。
次に、以上のように構成された押下ヘッド1を用いて内容物Fを吐出する方法について、図1及び図2を参照して説明する。
まず、ヘッド本体7の頂壁部10を押下すると、横筒6の下端壁6bに当接されたステム2もヘッド本体7と共に下方に移動する。この際、図2に示すように、内容物Fがステム2内から流通孔6cを介して横筒6内に流入し、この内容物Fの液圧によってノズル筒部材8が前方に向けて押圧される。
そして、ノズル筒部材8は、コイルスプリング18による後方付勢力に抗して、シール筒部材17の後端部17aが横筒6の内周面に摺接しながら、横筒6内で前進する。これにより、ノズル筒部材8のノズル孔15が開閉ピン9から離反し、ノズル孔15が開口させられる。すると、横筒6及びノズル筒部材8の各内部の内容物Fが、ノズル孔15から外部に吐出される。
次に、ヘッド本体7の頂壁部10に対する前述の押下を解除すると、ステム2が上昇し横筒6内へのステム2からの内容物Fの流入が停止される。この際、ノズル筒部材8にコイルスプリング18による後方付勢力が作用しているので、ノズル筒部材8が横筒6内で後退させられる。これにより、ノズル筒部材8のノズル孔15が開閉ピン9に接近し、ノズル孔15が閉塞させられる。なお、ステム2の上昇に伴い、押下ヘッド1も上方に移動させられる。
以上に示したように本実施形態に係る押下ヘッド1によれば、例えば装着筒部材や梃子部材等を設けるといった従来技術のような構成としなくても、ノズル孔15を開閉することが可能になる。従って、ノズル孔15を開閉可能な押下ヘッド1の部品点数を低減し、構造の簡素化を図ることができる。
また、シール筒部材17が横筒6より柔軟な材質で形成されているので、横筒6とシール筒部材17との間の液密性を向上することができる。このため、ノズル筒部材8の外周面側を通って内容物Fが外部に漏出するのを抑制し、内容物Fを確実にノズル孔15から吐出させることができる。
なお、本発明の技術的範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記実施形態では、ノズル筒部材8を後方付勢状態とするためにコイルスプリング18を用いているが、これに変えてノズル筒本体8bと一体に形成された樹脂材料からなるスプリングを用いてもよい。この場合、更なる部品点数の削減を図ることができる。
また、上記実施形態では、シール筒部材17を、横筒6やノズル筒本体8bより柔軟な材質で形成したが、例えばノズル筒本体8bと同じ材質で形成しても構わず、また、本発明の参考例では、横筒6と同じ材質で形成しても構わない。更にまた、シール筒部材17は、ノズル筒本体8bと一体に形成されていても構わない。
また、上記実施形態では、ノズル筒本体8bの前端部は、挿通筒部材12から前方に突出しているものとしたが、内容物Fの吐出時及びヘッド本体7を押下する前の待機時の別を問わず、挿通筒部材12から前方に突出していなくても構わない。
その他、本発明の趣旨に逸脱しない範囲で、上記実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
本発明に係る一実施形態の押下ヘッドを吐出器に装着した状態を示す縦断面図である。 図1に示す押下ヘッドのノズル孔から内容物を吐出している状態を示す図である。
符号の説明
1 押下ヘッド
2 ステム
4 周壁部
5 貫通孔
6 横筒
7 ヘッド本体
8 ノズル筒部材
9 開閉ピン
15 ノズル孔
17 シール筒部材

Claims (1)

  1. 上方付勢状態で押込み可能にステムを起立した吐出器に装着される押下ヘッドであって、
    周壁部に形成された貫通孔を通して前方に向けて開口すると共に後方に向けて延在し、且つ前記ステム内に連通する横筒を内部に有する有底筒状のヘッド本体と、
    前記横筒内に後方付勢状態で前進摺動可能に嵌合されたノズル筒部材と、
    前記横筒内に前後方向に沿って延設された開閉ピンと、が備えられ、
    該開閉ピンは、前記ノズル筒部材内に挿入されると共に、前記ノズル筒部材の前端部に形成されたノズル孔を閉塞していて、
    前記ノズル筒部材には、前記横筒より柔軟な材質で形成されたシール筒部材が備えられ、
    前記シール筒部材は、前記横筒内に摺動可能に嵌合されていることを特徴とする押下ヘッド。
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