JP5276742B1 - 点火プラグ - Google Patents

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Abstract

【課題】抵抗体の密度を大きくすることが難しい点火プラグにおいて、抵抗体の密度を十分に大きなものとし、優れた負荷寿命性能を実現する。
【解決手段】点火プラグ1は、中心電極5と、端子電極6と、両電極5,6間に配置されSiO2及びB25を含有するガラスを含む抵抗体7とを備える。端子電極6の先端から中心電極5の後端までの距離が15mm以上であり、前記ガラスは、骨材相41と介在相42とを有する分相ガラスである。幅が1.3mmの抵抗体7の断面において、軸線CL1方向に沿って0.1mmの間隔で軸線CL1と直交する複数のラインを引き、前記ライン上に位置する骨材相41の1ライン当たりの個数を求め、連続する5本のラインからなるライン群のそれぞれにおいて前記個数の平均個数を求めたとき、自身における平均個数が平均個数の最小値よりも5以上大きいライン群が3つ以上連続する。
【選択図】 図4

Description

本発明は、内燃機関等に使用される点火プラグに関する。
点火プラグは、燃焼装置(例えば、内燃機関等)に取付けられ、混合気等への着火のために用いられるものである。一般に点火プラグは、軸孔を有する絶縁体と、軸孔の先端側に挿通される中心電極と、軸孔の後端側に挿通される端子電極と、絶縁体の外周に設けられる主体金具とを備えている。また、軸孔内であって、中心電極及び端子電極の間には、燃焼装置の動作に伴い発生する電波雑音を抑制するための抵抗体が設けられることがある(例えば、特許文献1等参照)。
一般に抵抗体は、二酸化ケイ素(SiO2)及び酸化ボロン(B25)を含むガラス粉末やカーボンブラック等の導電性材料、セラミックス粒子などを含んでなる抵抗体組成物を軸孔に充填した上で、熱間にて中心電極側に向けて端子電極を押圧し、抵抗体組成物を加熱・圧縮することにより形成されている。ここで、形成された抵抗体は、SiO2を比較的多量に含む粒状の骨材相の周囲に、B25を比較的多量に含む介在相が存在する分相状態となっている。骨材相は、B25リッチのガラス成分が溶け出してなるガラス粒子により構成され、介在相は、主として溶け出したB25リッチのガラス成分により構成されている。また、介在相には、導電性材料やセラミック粒子が含まれており、介在相中の導電性材料からなる導電経路を介して中心電極及び端子電極間が電気的に接続されている。
特開2006−66086号公報
ところで、電波雑音の抑制効果を高めるという点では、軸線に沿った中心電極及び端子電極間の距離を増大させ、抵抗体をより長いものとすることが好ましい。しかしながら、平均粒径が比較的大きな前記ガラス粉末を有する抵抗体組成物を用いた上で、中心電極及び端子電極間の距離を比較的大きなものとした場合には、抵抗体の密度を十分に増大させることが難しくなる。これは、次の理由による。
すなわち、平均粒径の大きなガラス粉末は、加熱時に比較的溶けにくい(ガラス粒子から溶出するB25リッチのガラス成分が少ない)ため、骨材相同士の間が介在相で満たされず、骨材相同士の間に隙間(気孔)が生じる。そのため、圧縮時に圧力が逃げてしまいやすい。ここで、中心電極及び端子電極間の距離が比較的小さなときには、圧力の損失はさほど大きなものとならず、抵抗体組成物の先端側(端子電極から離間した側)にまで十分に大きな圧力を加えることができる。従って、抵抗体の全域において、圧縮により骨材相同士の間の隙間(気孔)を押し潰すことができ、結果的に、骨材相同士の間が介在相で満たされた状態となり、抵抗体の密度を十分に大きなものとすることができる。
一方で、中心電極及び端子電極間の距離が比較的大きなときには、圧縮時における圧力の損失が大きくなってしまい、抵抗体組成物の先端側に加わる圧力が小さくなってしまう。そのため、抵抗体の先端側において、骨材相同士の間に隙間が形成されたままとなり、抵抗体の密度が小さなものとなってしまう。尚、抵抗体の密度が小さいということは、抵抗体中における導電経路の数が少ないということである。そのため、密度の小さな抵抗体は、使用に伴う導電経路の一部の酸化により、抵抗値が急激に増大してしまうおそれがあり、負荷寿命性能に劣る。
また、抵抗体の密度を増大させるべく、平均粒径が小さく(例えば、100μm程度で)、比較的溶けやすいガラス粉末を用いることで、ガラス粒子からB25リッチのガラス成分をより多く溶出させ、骨材相同士の間を介在相でより確実に満たすように構成することが考えられる。しかしながら、この場合には、加熱により溶融したガラスにおいて、比較的粘度の低いB25リッチのガラス成分が増大するため、ガラスの粘度が低くなる(水に近い状態となる)。従って、抵抗体組成物に圧力を加えた際に、端子電極の外周面と軸孔の内周面との間の隙間に対して、より多くのガラスが入り込んでしまいやすく、圧縮による前記隙間(気孔)の押し潰しが不足してしまいやすい。その結果、抵抗体の密度が小さくなってしまい、結局のところ、負荷寿命性能が不十分となってしまうおそれがある。
また、抵抗体組成物中に、平均粒径が比較的大きなガラス粉末と平均粒径が比較的小さなガラス粉末とが均一に混在するように構成することで、骨材相同士の間を介在相で満たしつつ、加熱時におけるガラスの粘度低下を防止することが考えられる。ところが、この場合には、平均粒径の小さなガラス粒子同士が凝集してしまうという現象が生じる。そのため、抵抗体の一部においては、骨材相同士の間が介在相で満たされるものの、その一部を除いた部位においては、平均粒径が比較的大きなガラス粉末のみを用いた場合と同様に、骨材相同士の間に隙間が形成されてしまう。その結果、抵抗体の密度を増大させることができず、負荷寿命性能が不十分なものとなってしまう。
本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、その目的は、端子電極の先端から中心電極の後端までの距離が比較的大きく、抵抗体の密度を大きくすることが難しい点火プラグにおいて、抵抗体の密度を十分に大きなものとし、優れた負荷寿命性能を実現することにある。
以下、上記目的を解決するのに適した各構成につき、項分けして説明する。なお、必要に応じて対応する構成に特有の作用効果を付記する。
構成1.本構成の点火プラグは、軸線方向に貫通する軸孔を有する絶縁体と、
前記軸孔の先端側に挿設された中心電極と、
前記軸孔の後端側に挿設された端子電極と、
前記軸孔内において前記中心電極及び前記端子電極間に配置され、導電性材料、並びに、二酸化ケイ素(SiO2)及び酸化ボロン(B25)を含有するガラスを含む抵抗体とを備える点火プラグであって、
前記端子電極の先端から前記中心電極の後端までの間の前記軸線に沿った距離が15mm以上であり、
前記ガラスは、SiO2を含む骨材相と、当該骨材相間に位置する介在相とを有する分相ガラスであり、
前記骨材相は、SiO2の含有量が前記介在相におけるSiO2の含有量よりも大きく、
前記介在相は、B25の含有量が前記骨材相におけるB25の含有量よりも大きく、
前記軸線を含み、前記軸線を中心とする、前記軸線と直交する方向に沿った幅が1.3mmの前記抵抗体の断面において、
前記軸線方向に沿って0.1mmの間隔で前記軸線と直交する複数のラインを引き、前記ライン上に位置する前記骨材相の1ライン当たりの個数を求め、連続する5本のラインからなるライン群のそれぞれにおいて、前記個数の平均個数を求めたとき、自身における前記平均個数が前記平均個数の最小値よりも5以上大きい前記ライン群が3つ以上連続することを特徴とする。
上記構成1によれば、端子電極の先端から中心電極の後端までの間の軸線に沿った距離が15mm以上とされている。従って、抵抗体における密度の低下が懸念される。
この点、上記構成1によれば、ライン群のそれぞれにおいて骨材相の平均個数を求めたとき、自身における前記平均個数が前記平均個数の最小値よりも5以上大きいライン群が3つ以上連続するように構成されている(以下、抵抗体のうち、自身における前記平均個数が前記平均個数の最小値よりも5以上大きいライン群が3つ以上連続する部位を「微細部」と称する)。すなわち、抵抗体は、骨材相(ガラス粉末)の平均粒径が比較的大きな部位(粗大部)と、骨材相(ガラス粉末)の平均粒径が比較的小さな部位(微細部)とを備えるとともに、軸線方向に沿った微細部の厚さ(微細部の体積)が十分に大きなものとされている。従って、抵抗体を形成する際の加熱時には、ガラス粉末の平均粒径が比較的小さな微細部からB25リッチのガラス成分(介在相を構成するガラス成分)が多量に溶け出し、当該ガラス成分が粗大部における骨材相間に入り込むことで、粗大部において骨材相同士の間を介在相で満たすことができる。これにより、骨材相同士の間における隙間の形成を抑制することができ、抵抗体の密度を十分に大きなものとすることができる。その結果、端子電極の先端から中心電極の後端までの間の軸線に沿った距離が15mm以上とされ、抵抗体を比較的長くできることと相俟って、非常に優れた負荷寿命性能を実現することができる。
ところで、抵抗体を形成する際にガラスを溶け出しやすくするため、抵抗体の一部においてガラスの組成を変更することが考えられる。しかしながら、一部で異なる組成のガラスを用いた場合には、介在相を細かい網の目状に形成することが難しくなる。従って、抵抗体中における導電経路の減少を招いてしまい、負荷寿命性能を十分に向上させることができないおそれがある。
これに対して、上記構成1によれば、組成の変更ではなく、粒径の調節により、ガラスの溶け出しが生じやすくなるように構成されている。従って、介在相をより確実に細かい網の目状に形成することができ、多数の導電経路をより確実に形成することができる。その結果、抵抗体において、優れた負荷寿命性能を安定的に実現することができる。
構成2.本構成の点火プラグは、上記構成1において、前記端子電極の先端から前記中心電極の後端までの間の前記軸線に沿った距離に対して、前記軸線に沿った前記抵抗体の長さが50%以上であることを特徴とする。
上記構成2によれば、端子電極の先端から中心電極の後端までの間の軸線に沿った距離に対する、軸線に沿った抵抗体の長さが50%以上とされている。従って、抵抗体が十分に長いものとなり、電波雑音の抑制効果を一層向上させることができる。
一方で、端子電極の先端から中心電極の後端までの間の軸線に沿った距離に対して、軸線に沿った抵抗体の長さを50%以上とした場合には、抵抗体(抵抗体組成物)の先端側に圧力が加わりにくくなる。そのため、抵抗体の密度が小さくなりやすく、負荷寿命性能の低下を招いてしまいやすい。
しかしながら、上記構成1を採用することで、上記構成2のように抵抗体が比較的長い場合であっても、抵抗体の密度を十分に大きなものとすることができる。換言すれば、上記構成1は、電波雑音の抑制効果を向上させるべく、端子電極の先端から中心電極の後端までの間の軸線に沿った距離に対して、軸線に沿った抵抗体の長さを50%以上とした点火プラグにおいて、特に有意である。
構成3.本構成の点火プラグは、上記構成1又は2において、前記軸線と直交する断面において前記軸孔内に前記抵抗体のみが存在する範囲の先端において、前記軸孔の内径が3.5mm以下であることを特徴とする。
近年、点火プラグの小径化の要請があり、軸孔のうち抵抗体が配置される部位の内径を比較的小さくすることがある。しかしながら、このように内径が小さい場合には、抵抗体(抵抗体組成物)の先端側に圧力が加わりにくくなる。そのため、抵抗体の密度が小さくなりやすく、負荷寿命性能の低下を招いてしまいやすい。
この点、上記構成1を採用することで、上記構成3のように、軸孔内に抵抗体のみが存在する範囲の先端において軸孔の内径が3.5mm以下とされている場合であっても、抵抗体の密度を十分に大きくすることができる。換言すれば、上記構成1は、前記内径が3.5mm以下の点火プラグにおいて、特に有意である。
構成4.本構成の点火プラグは、上記構成1乃至3のいずれかにおいて、前記軸線と直交する断面において前記軸孔内に前記抵抗体のみが存在する範囲の先端において、前記軸孔の内径が2.9mm以下であることを特徴とする。
上記構成4のように、軸孔内に抵抗体のみが存在する範囲の先端において軸孔の内径が2.9mm以下とされている場合には、抵抗体における密度の低下が一層懸念されるが、上記構成1を採用することで、このような懸念を払拭することができる。換言すれば、上記構成1は、前記内径が2.9mm以下の点火プラグにおいて、非常に効果的である。
構成5.本構成の点火プラグは、上記構成1乃至4のいずれかにおいて、前記端子電極の先端から前記中心電極の後端までの間の前記軸線に沿った距離が17mm以上であることを特徴とする。
上記構成5によれば、端子電極の先端から中心電極の後端までの間の軸線に沿った距離が17mm以上とされている。従って、抵抗体を一層長くすることができ、電波雑音の抑制効果をより一層向上させることができる。
一方で、前記距離を17mm以上としたときには、抵抗体(抵抗体組成物)の先端側に圧力が一層加わりにくくなるため、負荷寿命性能の低下をより懸念される。しかしながら、上記構成1を採用することで、このような懸念を払拭することができる。換言すれば、上記構成1は、電波雑音の抑制効果の更なる向上を図るべく、前記距離を17mm以上とした点火プラグにおいて、特に有意である。
構成6.本構成の点火プラグは、上記構成1乃至5のいずれかにおいて、3つ以上連続する、自身における前記平均個数が前記平均個数の最小値よりも5以上大きい前記ライン群が、自身における前記平均個数が前記平均個数の最小値と5未満だけ異なる前記ライン群を挟んで2つ以上あることを特徴とする。
上記構成6によれば、微細部が粗大部を挟むようにして2箇所以上設けられている。従って、粗大部において骨材相同士の間を一層確実に介在相で満たすことができ、骨材相同士の間における隙間の形成を顕著に抑制することができる。その結果、抵抗体の密度をさらに増大させることができ、負荷寿命性能を一段と向上させることができる。
点火プラグの構成を示す一部破断正面図である。 (a)は、粗大部の構成を示す拡大断面模式図であり、(b)は、微細部の構成を示す拡大断面模式図である。 抵抗体を示す部分拡大断面図である。 各ライン群における骨材相の平均個数の計測方法を説明するための断面模式図である。 各ライン群における骨材相の平均個数を示すグラフである。 骨材相の個数を計測する方法を説明するための説明図である。 軸孔のうち抵抗体が配置される部位の最大内径を示す拡大断面図である。
以下に、一実施形態について図面を参照して説明する。図1は、点火プラグ1を示す一部破断正面図である。尚、図1では、点火プラグ1の軸線CL1方向を図面における上下方向とし、下側を点火プラグ1の先端側、上側を後端側として説明する。
点火プラグ1は、筒状をなす絶縁体としての絶縁碍子2、これを保持する筒状の主体金具3などから構成されるものである。
絶縁碍子2は、周知のようにアルミナ等を焼成して形成されており、その外形部において、後端側に形成された後端側胴部10と、当該後端側胴部10よりも先端側において径方向外向きに突出形成された大径部11と、当該大径部11よりも先端側においてこれよりも細径に形成された中胴部12と、当該中胴部12よりも先端側においてこれよりも細径に形成された脚長部13とを備えている。絶縁碍子2のうち、大径部11、中胴部12、及び、大部分の脚長部13は、主体金具3の内部に収容されている。そして、中胴部12と脚長部13との連接部には、先端側に向けて先細るテーパ部14が形成されており、当該テーパ部14にて絶縁碍子2が主体金具3に係止されている。
さらに、絶縁碍子2には、軸線CL1に沿って軸孔4が貫通形成されている。当該軸孔4は、その先端部に小径部15を備えるとともに、当該小径部15よりも後端側に、自身の内径が小径部15の内径よりも大きい大径部16を備えている。また、前記小径部15及び大径部16の間には、テーパ状の段差部17が形成されている。
加えて、軸孔4の先端側(小径部15)には中心電極5が挿入、固定されている。より詳しくは、中心電極5の後端部には、外周側に向けて膨出する膨出部18が形成されており、当該膨出部18が前記段差部17に対して係止された状態で、中心電極5が軸孔4内に固定されている。また、中心電極5は、銅又は銅合金からなる内層5Aと、ニッケル(Ni)を主成分とする合金からなる外層5Bとにより構成されている。尚、中心電極5は、全体として棒状(円柱状)をなし、その先端部が絶縁碍子2の先端から突出している。
また、軸孔4の後端側(大径部16)には、絶縁碍子2の後端から突出した状態で端子電極6が挿入、固定されている。尚、本実施形態では、端子電極6の先端から中心電極5の後端までの軸線CL1に沿った距離Aが、15mm以上(本実施形態では、17mm以上)とされている。
さらに、軸孔4の中心電極5と端子電極6との間には、円柱状をなす導電性の抵抗体7が配設されている。当該抵抗体7は、電波雑音を抑制するためのものであり、その抵抗値は、点火プラグの仕様によって異なるが、例えば、100Ω以上とされている。また、抵抗体7は、導電性材料(例えば、カーボンブラック等)や二酸化ケイ素(SiO2)及び酸化ボロン(B25)を含有するガラス粉末、セラミック粒子〔例えば、酸化ジルコニウム(ZrO2)粒子や酸化チタン(TiO2)粒子等〕等からなる抵抗体組成物が加熱封着されることで形成されている(尚、抵抗体7の構成については後に詳述する)。加えて、抵抗体7の両端部は、導電性(例えば、抵抗値が数百mΩ程度)のガラスシール層8,9を介して、中心電極5と端子電極6とにそれぞれ電気的に接続されている。
加えて、主体金具3は、低炭素鋼等の金属により筒状に形成されており、その外周面には点火プラグ1を燃焼装置(例えば、内燃機関や燃料電池改質器等)の取付孔に取付けるためのねじ部(雄ねじ部)19が形成されている。また、ねじ部19よりも後端側には鍔状の座部20が形成され、ねじ部19後端のねじ首21にはリング状のガスケット22が嵌め込まれている。さらに、主体金具3の後端側には、主体金具3を燃焼装置に取付ける際にレンチ等の工具を係合させるための断面六角形状の工具係合部23が設けられるとともに、後端部において絶縁碍子2を保持するための加締め部24が設けられている。
尚、本実施形態では、点火プラグ1の小径化(小型化)を図るべく、絶縁碍子2や主体金具3が比較的小径とされており、ねじ部19のねじ径も比較的小さなもの(例えば、M12以下)とされている。
また、主体金具3の先端側内周面には、絶縁碍子2を係止するためのテーパ状の段部25が設けられている。そして、絶縁碍子2は、主体金具3に対してその後端側から先端側に向かって挿入され、自身のテーパ部14が主体金具3の段部25に係止された状態で、主体金具3の後端側開口部を径方向内側に加締めること、つまり上記加締め部24を形成することによって主体金具3に固定されている。尚、テーパ部14及び段部25の間には、円環状の板パッキン26が介在されている。これにより、燃焼室内の気密性を保持し、燃焼室内に晒される絶縁碍子2の脚長部13と主体金具3の内周面との隙間に入り込む燃料ガスが外部に漏れないようになっている。
さらに、加締めによる密閉をより完全なものとするため、主体金具3の後端側においては、主体金具3と絶縁碍子2との間に環状のリング部材27,28が介在され、リング部材27,28間にはタルク(滑石)29の粉末が充填されている。すなわち、主体金具3は、板パッキン26、リング部材27,28及びタルク29を介して絶縁碍子2を保持している。
また、主体金具3の先端部には、自身の中間部が曲げ返されて、先端部側面が中心電極5の先端部と対向する接地電極31が接合されている。接地電極31は、Niを主成分とする合金により形成された外層31Aと、前記Ni合金よりも良熱導電性金属である銅合金や純銅等により形成された内層31Bとから構成されている。
さらに、中心電極5の先端部と接地電極31の先端部との間には、間隙32が形成されており、当該間隙32にて軸線CL1にほぼ沿った方向で火花放電が行われるようになっている。
次いで、抵抗体7の構成について詳述する。抵抗体7は、上述のように導電性材料やガラス粉末、セラミック粒子を含む抵抗体組成物が加熱封着されることで形成されたものであり、導電性材料とガラスとを含んでいる。抵抗体7は、図2(a),(b)に示すように、SiO2を含む骨材相41と、当該骨材相41を覆うようにして存在する介在相42(図2中、散点模様を付した部位)とを備えている。
骨材相41は、B25リッチのガラス成分が溶け出したガラス粒子により構成され、SiO2の含有量が介在相42におけるSiO2の含有量よりも大きなものである。一方で、介在相42は、主としてガラス粉末から溶け出したB25リッチのガラス成分により構成されており、B25の含有量が骨材相41におけるB25の含有量よりも大きなものである。また、介在相42には、導電性材料やセラミックス粒子が溶け込んでいる。
尚、中心電極5と端子電極6との間においては、導電性材料を含む介在相42を伝わって電流が流れることとなるが、抵抗体7を断面視した際に、骨材相41の存在によって、介在相42は網目状に細かく分かれた状態となっている。また、介在相42中においては、ガラス成分やセラミック粒子の存在によって、導電性材料からなる導電経路は細かく分かれている。すなわち、抵抗体7における導電経路は、骨材相41やセラミック粒子等の存在により非常に細かく枝分かれした状態となっている。
さらに、本実施形態では、軸線CL1を含む断面において、抵抗体7における骨材相41が次のように構成されている。すなわち、図3(尚、図3では、抵抗体7のみを示す)に示すように、軸線CL1を含むとともに、軸線CL1を中心とし、軸線CL1と直交する方向に沿った幅が1.3mmの抵抗体7の断面(図3中、散点模様を付した部位)を取る。そして、図4(尚、図4では、骨材相41を、その粒径に対応する大きさの円として模式的に示す)に示すように、前記断面において、軸線CL1方向に沿って0.1mmの間隔で軸線CL1と直交する複数のラインL1,L2,…,Ln−1,Lnを引き、前記ラインL1,L2,…,Ln−1,Ln上に位置する骨材相41の1ライン当たりの個数を求める。次いで、連続する5本のラインからなるライン群LG1,LG2,…,LGm−1,LGmのそれぞれにおいて、図5に示すように、骨材相41の1ライン当たりの平均個数を求める。このとき、本実施形態では、自身における前記平均個数が前記平均個数の最小値よりも5以上大きい前記ライン群が3つ以上連続するように構成されている。
すなわち、本実施形態において、抵抗体7は、図2(a)に示すように、骨材相41の平均粒径が比較的大きく、前記平均個数が比較的少ない粗大部51と、図2(b)に示すように、骨材相41の平均粒径が比較的小さく、前記平均個数が比較的多い微細部52とを備えるとともに、軸線CL1方向に沿った微細部52の厚さ(微細部52の体積)が十分に大きなものとされている。尚、抵抗体7のうち、自身の前記平均個数が前記平均個数の最小値よりも5以上大きくなるライン群が3つ以上連続する部位を、微細部52ということができる。
また、1本のライン上における骨材相41の個数は、次のようにして求めることができる。すなわち、加速電圧を20kV、照射電流を5±0.5×10-8A、照射ビーム径を10μm、有効時間(取込時間)を10msとしたEPMA(電子線マイクロアナライザ)を用いて、図6に示すように、前記ラインにおいて10μmごとにSiの含有量を測定し、計130ポイントにおけるSi含有量を得る。そして、得られたSi含有量のピーク値を求めるとともに、Si含有量が前記ピーク値の60%以上となっているポイントを特定する。次いで、前記ピーク値の60%以上となっているポイントの数を測定し、当該数をライン上における骨材相41の個数として求める。尚、前記ピーク値の60%以上となっているポイントが隣接している場合には、隣接するポイント群を1として骨材相41の個数が計測される。
加えて、本実施形態において、微細部52は、各粗大部51間に位置するように構成されており、本実施形態では、微細部52が2箇所以上存在している。すなわち、3つ以上連続する、自身における前記平均個数が前記平均個数の最小値よりも5以上大きいライン群が、自身における前記平均個数が前記平均個数の最小値と5未満だけ異なる前記ライン群を挟んで2つ以上存在するように構成されている。
加えて、本実施形態では、絶縁碍子2の小径化に伴い、図7に示すように、軸線CL1と直交する断面において軸孔4内に抵抗体7のみが存在する軸線CL1に沿った範囲RAの先端4Fにおいて、軸孔4(大径部16)の内径Dが、3.5mm以下(本実施形態では、2.9mm以下)とされており、抵抗体7は比較的小径とされている。
尚、軸線CL1と直交する断面において軸孔4内に抵抗体7のみが存在する軸線CL1に沿った範囲RAは、例えば、TOSHIBA製マイクロCTスキャナ〔製品名:TOSCANER(登録商標)〕を用いて得られた透視画像によって特定することができる。
また、図1に示すように、前記距離Aに対して、軸線CL1に沿った抵抗体7の長さLが50%以上とされており、抵抗体7が比較的長いものとされている。
次に、上記のように構成されてなる点火プラグ1の製造方法について説明する。
まず、主体金具3を予め加工しておく。すなわち、円柱状の金属素材(例えば、S17CやS25Cといった鉄系素材やステンレス素材)に冷間鍛造加工を施すことにより貫通孔を形成するとともに、概形を製造する。その後、切削加工を施すことで外形を整え、主体金具中間体を得る。
続いて、主体金具中間体の先端面に、Ni合金等からなる接地電極31が抵抗溶接される。当該溶接に際してはいわゆる「ダレ」が生じるので、その「ダレ」を除去した後、主体金具中間体の所定部位にねじ部19が転造によって形成される。これにより、接地電極31の溶接された主体金具3が得られる。次いで、接地電極31の溶接された主体金具3に、亜鉛メッキ或いはニッケルメッキが施される。尚、耐食性向上を図るべく、その表面に、さらにクロメート処理を施すこととしてもよい。
一方、前記主体金具3とは別に、絶縁碍子2を成形加工しておく。例えば、アルミナを主体としバインダ等を含む原料粉末を用い、成形用素地造粒物を調製し、これを用いてラバープレス成形を行うことで、筒状の成形体が得られる。そして、得られた成形体に対して、研削加工を施すことで整形するとともに、整形したものを焼成炉へ投入し焼成することで、絶縁碍子2が得られる。
また、前記主体金具3、絶縁碍子2とは別に、中心電極5を製造しておく。すなわち、中央部に放熱性向上を図るための銅合金等を配置したNi合金を鍛造加工して中心電極5を作製する。
さらに、抵抗体7を形成するための粉末状の抵抗体組成物を調製しておく。尚、本実施形態では、2種類の抵抗体組成物(第1抵抗体組成物、及び、第2抵抗体組成物)を用意する。より詳しくは、まず、カーボンブラックと、セラミックス粒子と、所定のバインダとをそれぞれ配合し、水を媒体として混合する。そして、混合して得られたスラリーを乾燥させ、これに平均粒径が比較的大きい(例えば、平均粒径が300μm〜400μm程度の)SiO2−B25−BaO−Li2O系のガラス粉末を混合攪拌することで、第1抵抗体組成物が得られる。また、前記スラリーを乾燥させたものに、平均粒径が比較的小さい(例えば、平均粒径が100μm程度の)前記ガラス粉末を混合攪拌することで、第2抵抗体組成物が得られる。
次に、上記のようにして得られた絶縁碍子2及び中心電極5と、抵抗体7と、端子電極6とが、ガラスシール層8,9によって封着固定される。より詳しくは、まず、軸孔4の小径部15に中心電極5を挿入し、中心電極5の膨出部18を軸孔4の段差部17に対して係止する。次いで、一般的にホウ珪酸ガラスと金属粉末とが混合されて調製された導電性ガラス粉末を軸孔4内に充填し、充填した導電性ガラス粉末を予備圧縮する。次に、前記第1抵抗体組成物の間に前記第2抵抗体組成物が位置するように、両抵抗体組成物を軸孔4に充填して同様に予備圧縮をする。さらに、軸孔4に前記導電性ガラス粉末を充填し、同じく予備圧縮を行う。そして、端子電極6を軸孔4の後端側開口から挿入した上で、端子電極6により両抵抗体組成物や導電性ガラス粉末を軸線CL1方向先端側に押圧した状態で、焼成炉内においてガラス軟化点以上の所定の目標温度(例えば、900℃)で両抵抗体組成物や導電性ガラス粉末を加熱する。
加熱圧縮することにより、積層状態にある前記両抵抗体組成物及び導電性ガラス粉末が、抵抗体7及びガラスシール層8,9となり、ガラスシール層8,9により、絶縁碍子2に対して中心電極5、端子電極6、及び、抵抗体7が封着固定される。
尚、抵抗体7の形成過程について詳述すると、加熱時には、抵抗体組成物のガラス粉末からB25リッチのガラス成分が溶け出し、B25の溶け出しにより、SiO2リッチとなった前記ガラス粉末である比較的高粘度の骨材相41が形成される。そして、骨材相41間の隙間(気孔)に、前記B25リッチのガラス成分である比較的低粘度の介在相42が入り込む。このとき、ガラス粉末の平均粒径が比較的小さな第2抵抗体組成物においては、ガラス粉末が溶けやすく、第1抵抗体組成物よりもB25リッチのガラス成分が溶け出しやすい。そのため、第2抵抗体組成物において溶け出したB25リッチのガラス成分(介在相)により、第2抵抗体組成物側だけでなく、第1抵抗体組成物側においても骨材相41間の隙間がより確実に埋められることとなる。
その後、上記のようにそれぞれ作製された中心電極5や抵抗体7等を備える絶縁碍子2と、接地電極31を備える主体金具3とが固定される。より詳しくは、主体金具3に対して絶縁碍子2を挿通した上で、比較的薄肉に形成された主体金具3の後端側開口部を径方向内側に加締めること、つまり上記加締め部24を形成することによって絶縁碍子2と主体金具3とが固定される。
そして最後に、接地電極31を屈曲させるとともに、中心電極5と接地電極31との間に形成された間隙32の大きさを調整することで、上述した点火プラグ1が得られる。
以上詳述したように、本実施形態によれば、ライン群LG1,LG2,…,LGm−1,LGmのそれぞれにおいて骨材相41の平均個数を求めたとき、自身における前記平均個数が前記平均個数の最小値よりも5以上大きい前記ライン群が3つ以上連続するように構成されている。すなわち、抵抗体7が、粗大部51と微細部52とを備えるとともに、軸線CL1方向に沿った微細部52の厚さ(微細部52の体積)が十分に大きなものとされている。従って、抵抗体7を形成する際の加熱時には、ガラス粉末の平均粒径が比較的小さな微細部52(第2抵抗体組成物)からB25リッチのガラス成分(介在相42を構成するガラス成分)が多量に溶け出し、当該ガラス成分が粗大部51(第1抵抗体組成物)における骨材相41間に入り込むことで、粗大部51において骨材相41同士の間を介在相42で満たすことができる。これにより、粗大部51及び微細部52の双方において、骨材相41同士の間における隙間の形成を抑制することができ、抵抗体7の密度を十分に大きなものとすることができる。その結果、前記距離Aが15mm以上とされ、抵抗体7を比較的長くされることと相俟って、非常に優れた負荷寿命性能を実現することができる。
さらに、本実施形態では、前記距離Aに対する軸線CL1に沿った抵抗体7の長さL(L/A)が50%以上とされている。従って、抵抗体7が十分に長いものとなり、電波雑音の抑制効果をより向上させることができる。尚、本実施形態では、距離Aが17mm以上とされているため、負荷寿命性能を一層の向上を図ることができる。
加えて、本実施形態では、微細部52が粗大部51を挟むようにして2箇所以上設けられている。従って、粗大部51において骨材相41同士の間を一層確実に介在相42で満たすことができ、骨材相41同士の間における隙間の形成を顕著に抑制することができる。その結果、抵抗体7の密度をさらに増大させることができ、負荷寿命性能を一段と向上させることができる。
尚、本実施形態のように、L/Aを50%以上としたり、距離Aを15mm以上(17mm以上)としたり、前記内径Dを3.5mm以下(2.9mm以下)としたりした点火プラグ1は、抵抗体の密度が小さくなりやすく、負荷寿命性能の低下が懸念されるが、本実施形態によれば、このような懸念を払拭することができる。
次いで、上記実施形態によって奏される作用効果を確認すべく、前記内径D、前記距離A、前記骨材相の平均個数の最大値と最小値との差、微細部の数、前記距離Aに対する前記長さLの割合(L/A)を種々変更してなる点火プラグのサンプルを作製し、各サンプルについて、負荷寿命性能評価試験及び電波雑音性能評価試験を行った。
負荷寿命性能評価試験の概要は、次の通りである。すなわち、各サンプルを自動車用トランジスタ点火装置に取り付け、350℃の温度条件下において、20kVの放電電圧で、毎分3600回放電させ、常温における抵抗値が100kΩ以上となった時間(寿命時間)を測定した。次いで、寿命時間に応じて各サンプルを10段階に点数分けして、各サンプルの負荷寿命性能を評価した。ここで、前記点数は、寿命時間が10時間未満であったサンプルについては「1」とし、寿命時間が10時間以上20時間未満であったサンプルについては「2」とし、寿命時間が20時間以上100時間未満であったサンプルについては「3」とし、寿命時間が100時間以上120時間未満であったサンプルについては「4」とし、寿命時間が120時間以上140時間未満であったサンプルについては「5」とした。以降、寿命時間が20時間延びるごとに点数を1点ずつ増加させ(例えば、寿命時間が160時間以上180時間未満であったサンプルの点数は、「7」となる)、寿命時間が220時間以上であったサンプルについては「10」とした。そして、点数が7点以上となった場合には、優れた負荷寿命性能を有するとして「○」の評価を下すこととし、一方で、点数が6点以下となった場合には、負荷寿命性能に劣るとして「×」の評価を下すこととした。
また、電波雑音性能評価試験の概要は、次の通りである。すなわち、各サンプルにおいて、抵抗値をほぼ同一(5±0.3kΩ)としたものを5本ずつ用意するとともに、各サンプルに対してJASO D002−2に準ずる電波雑音評価試験を行うとともに、各サンプルにおいて電波雑音抑制効果の平均値(電雑抑制性能)を得た。その中で、300MHzの電雑抑制性能の比較を実施した。そして、後述する表1におけるサンプル17の電雑抑制性能を基準として、電雑抑制性能の改善幅に応じて、各サンプルを10段階に点数分けした。ここで、改善幅が1.0dB未満であったサンプルは、点数を「1」とし、改善幅が1.0dB以上2.0dB未満であったサンプルは、点数を「2」とし、以降においては、改善幅が1.0dB増加するごとに、点数を1点増加させた(例えば、改善幅が4.0dB以上5.0dB未満であったサンプルの点数は「5」となる)。また、改善幅が9.0dB以上となったサンプルについては、点数を「10」とした。そして、点数が5点以上となった場合には、優れた電波雑音の抑制効果を有するとして「○」の評価を下すこととし、一方で、点数が4点以下となった場合には、電波雑音の抑制効果に劣るとして「×」の評価を下すこととした。
表1に、各サンプルにおける前記両試験の試験結果を示す。尚、骨材相の個数は、上述の手法により、鏡面研磨を行った後、EPMA(電子線マイクロアナライザ)を用いて計測した。また、骨材相同士が溶着した状態である場合には、それぞれを分離することなく、1つの骨材相として骨材相の個数を求めた。さらに、抵抗体は、基本的にガラス粉末の平均粒径を300μm〜400μm程度とした第1抵抗体組成物を用いて形成した。但し、抵抗体に微細部を設ける際には、ガラス粉末の平均粒径を100μm程度とした第2抵抗体組成物を0.01g用いて微細部を形成した。
Figure 0005276742
表1に示すように、前記距離Aを15mm未満とした、又は、骨材相の平均個数の最大値と最小値との差が5以上となる部位が存在しないように構成した(つまり、微細部を設けなかった)サンプル(サンプル1〜5,9〜13,17〜20,23〜26,31,34,35)は、負荷寿命性能、及び、電波雑音の抑制効果のうちの少なくとも一方が不十分となってしまうことが分かった。これは、距離Aを15mm未満としたことで、抵抗体が比較的短くなってしまったこと、及び、微細部を設けなかったことで、導電経路の一部の酸化により、抵抗体の抵抗値が急速に上昇する構成となってしまったことに起因すると考えられる。
また、内径Dや距離Aを同一とした一方で、L/Aの割合のみを異なるものとしたサンプル(サンプル2,10,35)をそれぞれ比較してみると、L/Aを50%以上とすることで、電波雑音の抑制効果をより向上させることができるものの、負荷寿命性能の低下が生じてしまいやすいことが分かった。これは、L/Aを50%以上とし、抵抗体を長くするほど、抵抗体の密度がより小さなものとなりやすいためであると考えられる。
さらに、距離AやL/Aを同一とした一方で、内径Dのみを異なるものとしたサンプル(サンプル2,18,24)をそれぞれ比較してみると、内径Dが小さいほど、負荷寿命性能に劣ることが確認された。これは、内径Dが小さいほど、抵抗体組成物に圧力を伝達しにくくなり、抵抗体の密度が小さなものとなりやすいためであると考えられる。
加えて、距離Aを17mm未満としたサンプル(サンプル2,10,24)と比較して、距離Aを17mm以上としたサンプル(サンプル3,11,25)は、電波雑音の抑制効果をより向上できる一方で、負荷寿命性能の低下がより生じやすいことが分かった。これは、距離Aが大きいほど、抵抗体組成物のうち軸線方向先端側の部位に対して圧力が伝達されにくくなるためであると考えられる。
これに対して、距離Aを15mm以上とするとともに、微細部を設けたサンプル(サンプル6〜8,14〜16,21,22,27〜30,32,33)は、電波雑音の抑制効果、及び、負荷寿命性能の双方に優れることが確認された。これは、距離Aを15mm以上としたことで、抵抗体が比較的長いものとなったこと、及び、微細部を設けたことで、骨材相同士の間における隙間の形成が抑制され、抵抗体に多数の導電経路が形成されたことによると考えられる。
さらに、微細部を1箇所設けたサンプル(サンプル15,16)と比較して、微細部を2箇所以上設けたサンプル(サンプル29,30)は、負荷寿命性能に一層優れることが確認された。これは、微細部を2箇所以上設けたことで、骨材相同士の間における隙間の形成が一層抑制されたためであると考えられる。
また、L/Aを50%以上としたり、内径Dを3.5mm以下としたり、距離Aを17mm以上としたりして、負荷寿命性能の低下が特に懸念されるサンプルにおいても、微細部を設けたサンプルは、優れた負荷寿命性能を有することが確認された。
さらに、内径Dが2.9mm以下とされ、負荷寿命性能の低下が極めて懸念されるサンプルにおいても、上述の構成とすることで、良好な負荷寿命性能を実現できることが分かった。
上記試験の結果より、負荷寿命性能、及び、電波雑音の抑制効果の双方を向上させるべく、距離Aを15mm以上とするとともに、自身における骨材相の平均個数が前記平均個数の最小値よりも5以上大きいライン群が3つ以上連続するように構成することが好ましいといえる。
また、上記構成は、L/Aが50%以上とされ、電波雑音の抑制効果の更なる向上が期待できる一方で、負荷寿命性能の低下が懸念される点火プラグにおいて、特に有意であるといえる。
さらに、上記構成は、内径Dが3.5mm以下とされ、負荷寿命性能の低下が懸念される点火プラグにおいて、特に有意であり、内径Dが2.9mm以下とされ、負荷寿命性能の低下が非常に懸念される点火プラグにおいて、極めて有意であるといえる。
併せて、上記構成は、距離Aが17mm以上とされ、電波雑音の抑制効果の一層の向上が期待できる一方で、負荷寿命性能の低下がより懸念される点火プラグにおいて、特に有意であるといえる。
尚、上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。勿論、以下において例示しない他の応用例、変更例も当然可能である。
(a)上記実施形態では、微細部52が2箇所以上設けられているが、微細部52を1箇所のみ設けることとしてもよい。
(b)上記実施形態において、内径Dは3.5mm以下とされているが、前記内径Dが3.5mmを超える点火プラグに対して本発明の技術思想を適用することとしてもよい。
(c)上記実施形態では、セラミックス粒子としてZrO2粒子やTiO2粒子を例示しているが、他のセラミックス粒子を用いることとしてもよい。従って、例えば、酸化アルミニウム(Al23)粒子等を用いることとしてもよい。
(d)上記実施形態では、主体金具3の先端部に、接地電極31が接合される場合について具体化しているが、主体金具の一部(又は、主体金具に予め溶接してある先端金具の一部)を削り出すようにして接地電極を形成する場合についても適用可能である(例えば、特開2006−236906号公報等)。
(e)上記実施形態では、工具係合部23は断面六角形状とされているが、工具係合部23の形状に関しては、このような形状に限定されるものではない。例えば、Bi−HEX(変形12角)形状〔ISO22977:2005(E)〕等とされていてもよい。
1…点火プラグ、2…絶縁碍子(絶縁体)、3…主体金具、4…軸孔、5…中心電極、6…端子電極、7…抵抗体、41…骨材相、42…介在相、CL1…軸線。

Claims (6)

  1. 軸線方向に貫通する軸孔を有する絶縁体と、
    前記軸孔の先端側に挿設された中心電極と、
    前記軸孔の後端側に挿設された端子電極と、
    前記軸孔内において前記中心電極及び前記端子電極間に配置され、導電性材料、並びに、二酸化ケイ素及び酸化ボロンを含有するガラスを含む抵抗体とを備える点火プラグであって、
    前記端子電極の先端から前記中心電極の後端までの間の前記軸線に沿った距離が15mm以上であり、
    前記ガラスは、二酸化ケイ素を含む骨材相と、当該骨材相間に位置する介在相とを有する分相ガラスであり、
    前記骨材相は、二酸化ケイ素の含有量が前記介在相における二酸化ケイ素の含有量よりも大きく、
    前記介在相は、酸化ボロンの含有量が前記骨材相における酸化ボロンの含有量よりも大きく、
    前記軸線を含み、前記軸線を中心とする、前記軸線と直交する方向に沿った幅が1.3mmの前記抵抗体の断面において、
    前記軸線方向に沿って0.1mmの間隔で前記軸線と直交する複数のラインを引き、前記ライン上に位置する前記骨材相の1ライン当たりの個数を求め、連続する5本のラインからなるライン群のそれぞれにおいて、前記個数の平均個数を求めたとき、自身における前記平均個数が前記平均個数の最小値よりも5以上大きい前記ライン群が3つ以上連続することを特徴とする点火プラグ。
  2. 前記端子電極の先端から前記中心電極の後端までの間の前記軸線に沿った距離に対して、前記軸線に沿った前記抵抗体の長さが50%以上であることを特徴とする請求項1に記載の点火プラグ。
  3. 前記軸線と直交する断面において前記軸孔内に前記抵抗体のみが存在する範囲の先端において、前記軸孔の内径が3.5mm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の点火プラグ。
  4. 前記軸線と直交する断面において前記軸孔内に前記抵抗体のみが存在する範囲の先端において、前記軸孔の内径が2.9mm以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の点火プラグ。
  5. 前記端子電極の先端から前記中心電極の後端までの間の前記軸線に沿った距離が17mm以上であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の点火プラグ。
  6. 3つ以上連続する、自身における前記平均個数が前記平均個数の最小値よりも5以上大きい前記ライン群が、自身における前記平均個数が前記平均個数の最小値と5未満だけ異なる前記ライン群を挟んで2つ以上あることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の点火プラグ。
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