JP5276551B2 - 花粉荷を含有する光老化による表皮肥厚化予防改善剤 - Google Patents

花粉荷を含有する光老化による表皮肥厚化予防改善剤 Download PDF

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本発明は、花粉荷、又は花粉荷の溶媒抽出物を有効成分として含有することを特徴とする光老化による表皮肥厚化予防改善剤であって、化粧品等の様々な用途に利用することが可能である光老化による表皮肥厚化予防改善剤に関する発明である。
一般に、花粉荷は、蜜蜂が植物の雄しべから花粉を得て、蜂蜜や唾液で丸めて団子状に固めたもので、良質なタンパク質、ビタミン及びミネラル等の多種多様な栄養素を含んでいる事から「パーフェクトフード」とも呼ばれている。花粉荷は、専用の採集器等により蜜蜂から容易に回収され、主に栄養補助食品等として摂取されている。
従来より、花粉荷は、いくつかの薬理効果を有することが知られている。花粉荷の薬理効果を利用した発明として、例えば特許文献1〜3に開示される花粉荷を含有する組成物が知られている。特許文献1は、花粉荷を有効成分として含有する骨量増進組成物について開示する。特許文献2は、花粉荷を有効成分として含有する糖尿病性疾患の予防・治療用組成物について開示する。特許文献3は、花粉荷を有効成分として含有するコラーゲンとヒアルロン酸の産生促進剤について開示する。
特開2007−016014号公報 特開2008−105982号公報 特開2008−133270号公報 特表2001−520652号公報 特開平11−71229号公報
ところで、一般的に皮膚の老化は、年齢と共に生理的機能及び代謝が低下していく生理老化と光による光老化が知られている。光老化は、紫外線の当たりやすい場所、例えば顔、首、及び手の甲等において生じやすく、特に農業従事者や戸外労働者等、長時間紫外線に曝された人に皮膚に見られる。光老化は、生理老化とは質的に異なり、例えば、加齢による表皮の萎縮を伴わず、表皮の肥厚化、弾力性の低下、太く深いシワ、肌荒れ、真皮に色素の沈着(シミ・ソバカス)、及び乾燥肌という光老化に特徴的な皮膚の変化が生じる。
従来より、特許文献4,5に示されるように、シワ等の皮膚のトラブルを軽減する作用をする成分として、α−ヒドロキシ酸、例えばレチノイン酸及びグルコール酸が知られている。しかしながら、それらの成分は、使用法によっては、皮膚に刺激、腫れ、及び炎症等を伴う場合があり、安全性の観点から長期間の使用ができないという問題があった。
従来、花粉荷の生理作用に関し、例えば特許文献3に開示されるようにヒト正常線維芽細胞におけるコラーゲン又はヒアルロン酸の産生に関する事項が知られている。しかしながら、花粉荷の皮膚に対する直接的な作用効果は、十分に解明されていない。
本発明者らは、上述した花粉荷の新たな生理作用を模索した。その結果、花粉荷が光老化予防改善作用を発揮することを発見するに至った。本発明の目的とするところは、化粧品、飲食品等の様々な用途に利用することが可能である花粉荷を有効成分として含有する光老化による表皮肥厚化予防改善剤を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の光老化による表皮肥厚化予防改善剤は、花粉荷、及び花粉荷の溶媒抽出物から選ばれる少なくとも一種を有効成分として含有することを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の光老化による表皮肥厚化予防改善剤において、前記溶媒は、水、親水性有機溶媒、又は水/親水性有機溶媒の混合液であることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の光老化による表皮肥厚化予防改善剤において、前記光老化による表皮肥厚化予防改善剤は、経口剤及び皮膚外用剤から選ばれる少なくとも一種として構成されることを特徴とする。
本発明によれば、化粧品、飲食品等の様々な用途に利用することが可能である花粉荷を有効成分として含有する光老化による表皮肥厚化予防改善剤を提供することができる。
UV照射マウスに対する花粉荷の表皮肥厚化改善作用を示す皮膚組織標本観察写真。図1(a)がUV照射を行わず、花粉荷エタノール抽出エキスを混餌していない飼料を与えたマウスの皮膚断面写真を示す。図1(b)がUV照射を行ない、花粉荷エタノール抽出エキスを混餌していない飼料を与えたマウスの皮膚断面写真を示す。図1(c)がUV照射を行ない、花粉荷エタノール抽出エキスの混餌投与群のマウスの皮膚断面写真を示す。図1(d)がUV照射を行ない、花粉荷エタノール抽出エキスの皮膚塗布群のマウスの皮膚断面写真を示す。図1(e)がUV照射を行ない、花粉荷エタノール抽出エキスの混餌投与及び皮膚塗布群のマウスの皮膚断面写真を示す。 UV照射マウスに対する花粉荷の皮膚保水性改善作用を示すデータ。 UV照射マウスに対する花粉荷の皮膚弾力性改善作用を示すデータ。
以下、本発明の光老化予防改善剤を具体化した一実施形態を説明する。
本実施形態の光老化予防改善剤は、花粉荷及び花粉荷から溶媒により抽出処理することにより得られる溶媒抽出物から選ばれる少なくとも一種を有効成分として含有する。花粉荷は、上述したように蜜蜂が植物の雄しべから花粉を得て、蜂蜜や唾液で丸めて団子状に固めたもので、ビタミン及びミネラル等の多種多様な栄養素を含んでいる。花粉荷の原産地は、特に限定されず、例えば日本、中国、ブラジル、ヨーロッパ諸国、オセアニア諸国、及びアメリカ等のいずれであってもよい。また、花粉荷の原料となる花粉の起源植物としては、特に限定されず、蜜蜂が採取したものであればいずれも使用することができる。花粉の起源植物としては、例えば、ハンニチバナ科、ツツジ科、シソ科、ムラサキ科、ブナ科、キク科、モクセイ科、アブラナ科、マメ科、バラ科、及びヤナギ科が挙げられる。これらの中で、ハンニチバナ科、及びアブラナ科が入手容易性の観点から好ましい。ハンニチバナ科としては、例えばシスタス属ジャラが挙げられる。アブラナ科としては、例えばアブラナ属ナタネ、及びダイコン属ダイコンが挙げられる。花粉荷の採集方法としては、特に限定されず公知の方法を適宜採用することができる。例えば、巣箱の出入り口に取り付けられ、格子状の剥取多孔板を備えてなる花粉採集器を用いる方法、巣板又は蜜蜂に付着した花粉荷を直接採集する方法等が挙げられる。
本実施形態において、有効成分として花粉荷自体の他、花粉荷から溶媒により抽出処理することにより得られる溶媒抽出物を有効成分として使用してもよい。抽出処理に使用される溶媒としては、例えば水、親水性有機溶媒、水/親水性有機溶媒の混合液、及び疎水性有機溶媒が挙げられる。親水性有機溶媒としては、水に溶解する性質を有するエタノール、メタノール、イソプロパノール等の低級アルコールのほか、アセトンやメチルエチルケトン等のケトン類、及び酢酸エチルを適宜選択して使用することができる。疎水性有機溶媒としては、例えばヘキサン及びクロロホルム等が挙げられる。これらの有機溶媒を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。これら溶媒の中でも、抽出物の光老化の予防改善作用がより優れる水又はエタノールを好ましく適用することができる。また、不純物の除去又は有効成分の濃縮を目的として、抽出の前処理又は後処理として、酸・アルカリ処理を施してもよい。
抽出溶媒として例えば水が使用される場合、溶媒の花粉荷に対する添加量は、抽出効率の点から、花粉荷1質量部に対して1〜10質量部が好ましく、4〜8質量部がより好ましく、5〜6質量部が最も好ましい。これらの抽出溶媒は、花粉荷とともに混合及び撹拌される。抽出温度は溶媒の種類等により適宜設定されるが、水の場合、有効成分の抽出効率の観点から温水であることが好ましい。具体的には、30〜80℃が好ましく、55〜65℃がより好ましい。抽出温度が30℃未満の場合には、溶解成分と不溶性成分の分離効率が低下するため好ましくない。逆に抽出温度が80℃を超える場合には、抽出成分の変性を招くおそれがある。抽出の時間は、抽出温度等により適宜設定されるが、例えば2〜48時間程度が好ましく、2〜10時間程度がより好ましい。得られた抽出物は、水に可溶性の画分と沈殿物からなる不溶性の画分から構成される。これらの可溶性画分と不溶性画分は、公知の方法、例えば濾過処理、及び遠心分離を用いることにより、容易に分離することができる。このうち可溶性画分を溶媒抽出物として使用することができる。
抽出溶媒として例えばエタノールが使用される場合、溶媒の花粉荷に対する添加量は、抽出効率の点から、花粉荷1質量部に対して1〜10質量部が好ましく、1〜5質量部がより好ましく、2〜3質量部が最も好ましい。これらの抽出溶媒は、花粉荷とともに混合及び撹拌される。抽出温度は溶媒の種類等により適宜設定されるが、エタノールの場合、有効成分の抽出効率の観点から10〜40℃であることが好ましい。抽出温度が10℃未満の場合には、溶解成分と不溶性成分の分離効率が低下するため好ましくない。逆に抽出温度が40℃を超える場合には、抽出溶媒が蒸発するため抽出効率の低下を招くおそれがある。抽出の時間は、抽出温度等により適宜設定されるが、例えば2〜48時間程度が好ましく、2〜20時間程度がより好ましい。得られた抽出物は、エタノール溶媒に可溶性の画分と沈殿物からなる不溶性の画分から構成される。これらの可溶性画分と不溶性画分は、公知の方法、例えば濾過処理、及び遠心分離を用いることにより、容易に分離することができる。このうち可溶性画分を溶媒抽出物として使用することができる。また、抽出効率を向上させる観点から、分離されたエタノール不溶性の画分に再度エタノールを添加し、抽出処理を行ってもよい。
本実施形態の光老化予防改善剤は、光老化に伴い生ずる各種症状の改善又は予防作用を有する。光老化に特徴的な皮膚の変化としては、表皮の肥厚化、弾力性の低下、太く深いシワ、肌荒れ、真皮に色素の沈着(シミ・ソバカス)、及び乾燥肌等の症状が挙げられる。本実施形態の光老化予防改善剤は、これらの中で、特に表皮の肥厚化、弾力性の低下、シワ、肌荒れ、及び乾燥肌に対して優れた予防又は改善作用を発揮する。したがって、光老化予防改善剤は、目的に応じ、表皮の肥厚化予防改善剤、弾力性低下予防改善剤、抗シワ剤、抗肌荒れ剤、保湿剤として、より具体化して構成することができる。さらには、表皮の肥厚化を伴う皮膚の症状として、光線角化症、日光角化症、及び老人性角化症が知られている。本実施形態の光老化予防改善剤は、それらの症状の治療又は改善剤として好ましく構成することができる。
本実施形態の光老化予防改善剤の具体的な適用形態として、上記の作用効果を得ることを目的とした化粧品、飲食品、医薬品等が挙げられる。本実施形態の光老化予防改善剤を化粧品に適用する場合、化粧品基材に配合することにより製造することができる。化粧品の形態は、化粧水状、乳液状、クリーム状、粉末状等のいずれであってもよい。化粧品の基剤は、一般に化粧品に共通して配合されるものであって、例えば、油分、精製水及びアルコールを主要成分として、界面活性剤、保湿剤、酸化防止剤、増粘剤、抗脂漏剤、血行促進剤、pH調整剤、色素顔料、防腐剤及び香料から選択される少なくとも一種が適宜配合される。
本実施形態の光老化予防改善剤を飲食品に適用する場合、種々の食品素材又は飲料品素材、例えば健康食品、サプリメントとして摂取することができる。飲食品の形態としては、特に限定されず、液状、粉末状、ゲル状、固形状等のいずれであってもよく、また剤形としては、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、ドリンク剤等のいずれであってもよい。その中でも、吸湿性が抑えられ、保存安定性が良好なカプセル剤であることが好ましい。前記飲食品としては、その他の成分としてゲル化剤含有食品、糖類、香料、甘味料、油脂、基材、賦形剤、食品添加剤、副素材、増量剤等を適宜配合してもよい。
本実施形態の光老化予防改善剤を医薬品として使用する場合は、目的等に応じ公知の投与方法を適宜採用することができる。例えば、紫外線の当たりやすい皮膚表面への塗布、経口摂取(服用)により投与する場合の他、血管内投与、経皮投与等のあらゆる投与方法を採用することが可能である。これらの中で、光老化予防改善効果を効果的に発揮することができる観点から、経口剤又は皮膚外用剤の形態が好ましい。さらに、光老化予防改善効果の発揮がより優れる経口剤としての適用がより好ましい。剤形としては、光老化予防改善剤の目的等に応じ公知の剤形を適宜採用することができる。例えば、軟膏、液剤、スプレー剤、シート剤、散剤、粉剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤、丸剤、坐剤、注射剤等が挙げられる。また、添加剤として賦形剤、基剤、乳化剤、溶剤、安定剤等を配合してもよい。
本実施形態によって発揮される効果について、以下に記載する。
(1)本実施形態の光老化予防改善剤は、有効成分として花粉荷及び花粉荷の溶媒抽出物から選ばれる少なくとも一種を含有するため、優れた光老化予防改善作用を発揮する。したがって、光老化予防改善剤として、光老化の予防改善作用の発揮を目的とした化粧品及び飲食品等に好ましく適用することができる。
(2)本実施形態の光老化予防改善剤において、花粉荷の溶媒抽出物を得るために用いられる溶媒は、好ましくは水、親水性有機溶媒、又は水/親水性有機溶媒の混合液である。したがって、有効成分として花粉荷自体を用いるよりも不純物の含有量が少ないため、より効果の高い光老化の予防改善作用の発揮を期待することができる。
(3)本実施形態の光老化予防改善剤は、好ましくは、経口剤又は皮膚外用剤として構成される。したがって、より優れた光老化予防改善作用の発揮を期待することができる。
(4)本実施形態の光老化予防改善剤は、より好ましくは、経口剤として構成される。したがって、さらに優れた光老化予防改善作用の発揮を期待することができる。
(5)本実施形態の光老化予防改善剤は、光老化の症状の中でも特に表皮の肥厚化、皮膚の弾力性の低下、シワ、肌荒れ、及び乾燥肌に対し、優れた予防又は改善作用を発揮する。したがって、それらの症状の予防又は改善剤として好ましく適用することができる。
(6)本実施形態の光老化予防改善剤は、光老化の症状の中でも特に表皮の肥厚化に対し、優れた予防又は改善作用を発揮する。したがって、表皮の肥厚化を伴う光線角化症、日光角化症、及び老人性角化症に対する治療又は改善剤として好ましく適用することができる。
(7)本実施形態では、光老化予防改善剤の有効成分として、天然素材である花粉荷又はその溶媒抽出物が用いられる。したがって、副作用を生ずるおそれがなく、安全に各種用途に適用することができる。
(8)本実施形態の光老化予防改善剤は、有効成分として花粉荷が含有される場合、花粉荷には、ビタミン及びミネラル等の多種多様な栄養素を含んでいる事から、経口摂取により各種栄養成分の補給も行うことができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施形態の光老化予防改善剤は、紫外線の当たりやすい場所、例えば顔、首、及び手の甲等に適用されることが好ましい。
・上記実施形態の光老化予防改善剤は、ヒト以外に光老化を生ずる他の動物、例えば家禽、家畜、ペット等の飼養動物に適用してもよい。
・本発明の光老化予防改善剤は、有効成分として花粉荷及び花粉荷から溶媒により抽出処理することにより得られる溶媒抽出物のいずれ一方、又はそれら両方を含有させることができる。
以下に試験例を挙げ、前記実施形態をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(花粉荷エタノール抽出エキスの調製)
半径数キロ以内の周辺植物としてシスタス属ジャラ等が存在するセイヨウミツバチの巣箱から花粉荷を得た。その花粉荷50gに、抽出溶媒としてのエタノール100gを加えて室温で一晩攪拌して抽出した。そして、前記花粉荷の抽出液を濾紙(アドバンテック東洋株式会社製のNo.2)で濾過して、エタノールに不溶性の残渣と上澄み(抽出液)を分離することによって、抽出液98g(固形分4.8質量%)を得た(一次エタノール抽出エキス)。さらに残渣に、抽出溶媒としてのエタノール100gを加えて室温で4時間攪拌して抽出した。濾過して、エタノールに不溶性の残渣と上澄み(抽出液)を分離することによって、抽出液95g(固形分3.8質量%)を得た(二次エタノール抽出エキス)。一次エタノール抽出エキスと二次エタノール抽出エキスを混合し、これを花粉荷エタノール抽出エキス(花粉荷エタノール抽出物)とした。
(UV照射マウスに対する花粉荷の光老化改善作用の試験)
<被検動物>
被検動物として、4週齢の雌性Hos:HR−1系ヘアレスマウス(星野実験動物社製)を用いた。
UV照射モデルマウスは、Hos:HR−1系ヘアレスマウスに対し、月、水、金の週3日UVA(320〜400nm)を10J/cmの強さで照射した。照射期間は全15週間行った。
<動物の飼育条件>
ケージ:滅菌チップを入れたプラスチックケージを用い、1ケージあたり4匹までの群飼育とした。
室 温:23±1℃
湿 度:55±10%
照 明:明暗各12時間
<投与飼料>
(イ)花粉荷エタノール抽出エキスの混餌投与群には、上記花粉荷エタノール抽出エキスを1質量%の割合で混餌した一般飼育用粉末飼料(CE−2、日本クレア社製)を用いた。試験期間中、給餌は自由摂取とした。

(ロ)花粉荷エタノール抽出エキスの皮膚塗布群には、上記花粉荷エタノール抽出エキスを2質量%の割合で調製した溶液を用いた。塗布は、UV照射部位に毎日50μL/6cmの量で塗布した。尚、UV照射30分前に塗布した。
(ハ)花粉荷エタノール抽出エキスの混餌投与及び皮膚塗布群は、上記(イ)及び(ロ)の両方を施した。
比較対照として、UV照射を行わず、花粉荷エタノール抽出エキスを混餌していない飼料を与えたマウス、UV照射を行ない、花粉荷エタノール抽出エキスを混餌していない飼料を与えたマウスを使用した。
<皮膚組織標本観察>
背部皮膚を1.5cm×1.5cmで2箇所より採取し、ろ紙に貼布後10%中性ホルマリン緩衝液で固定した。パラフィン包埋した後、ヘマトキシリン−エオジン染色し、病理標本を作製した。皮膚病理標本については、顕微鏡(Zeiss社製)で200倍の倍率で観察した。図1に結果を示す。尚、図中の黒線は、表皮の厚みを示す。
図1(a)がUV照射を行わず、花粉荷エタノール抽出エキスを混餌していない飼料を与えたマウスの皮膚断面写真を示す。図1(b)がUV照射を行ない、花粉荷エタノール抽出エキスを混餌していない飼料を与えたマウスの皮膚断面写真を示す。図1(c)がUV照射を行ない、花粉荷エタノール抽出エキスの混餌投与群のマウスの皮膚断面写真を示す。図1(d)がUV照射を行ない、花粉荷エタノール抽出エキスの皮膚塗布群のマウスの皮膚断面写真を示す。図1(e)がUV照射を行ない、花粉荷エタノール抽出エキスの混餌投与及び皮膚塗布群のマウスの皮膚断面写真を示す。
参考例としての皮膚水分量及び皮膚弾力性の測定>
皮膚の各パラメータの測定は、キュートメーター(Cutometer MPA580、Courage + Khazaha electronic Gmbh社製)を用いた。
皮膚水分量の測定は、花粉荷エタノール抽出エキスの投与開始から15週後に実施した。マウスの左右背側の各2箇所を測定した平均値を、各個体の皮膚水分量とした。結果を図2に示す。
皮膚弾力性の測定は、花粉荷エタノール抽出エキスの投与開始から15週後に実施した。マウスの左右背側の各2箇所を測定した平均を、各個体の皮膚弾力性とした。
皮膚弾力性の測定条件:
吸引圧:450mbar
プローブ開口径:2mm
吸引時間:5秒
吸引解放後の時間:3秒
吸引及び開放の繰り返し回数:3回
皮膚の弾力性評価は、皮膚の硬さと関連するR0、皮膚の弾力性及び加齢と関連するR7を指標として評価した。
R0:最初の波形の振幅最大値(R0=Uf)
R7:弾力性の部分を完全な波形(弾力性100%)と比較した値(R7=Ur/Uf、Urは開放時の弾力性伸びの高さ)
測定結果を図3に示す。尚、縦軸は戻り率を示す。
<結果及び考察>
図1に示されるように、UV照射したマウスは、UV照射していないマウスに対し、表皮が肥厚化していることが観察される(図1(a)(b)参照)。花粉荷エタノール抽出エキスの混餌投与群及び皮膚塗布群の各マウスは、UV照射による表皮が肥厚化を抑制していることが観察された(図1(c)〜(e)参照)。
図2に示されるように、UV照射したマウスは、UV照射していないマウスに対し、皮膚の水分量が減少していることが観察される。また、花粉荷エタノール抽出エキスの混餌投与群及び花粉荷エタノール抽出エキスの皮膚塗布群では、それぞれ比較対照群に対し優位に水分含有量の減少を抑制していることが観察された。また、それらの混餌投与群及び皮膚塗布群において、混餌投与群の方が、水分量の減少抑制効果がやや高いことが観察された。また、粉荷エタノール抽出エキスの混餌投与及び皮膚塗布群では、UV照射を行っていない比較対照群よりも水分量が上昇していることが観察された。
図3に示されるように、UV照射したマウスは、UV照射していないマウスに対し、皮膚の弾力性が低下していることが観察される。また、花粉荷エタノール抽出エキスの混餌投与群及び花粉荷エタノール抽出エキスの皮膚塗布群では、それぞれ比較対照群に対し優位に弾力性の低下を抑制していることが観察された。また、それらの混餌投与群及び皮膚塗布群において、混餌投与群の方が、弾力性の低下抑制効果がやや高いことが観察された。また、粉荷エタノール抽出エキスの混餌投与及び皮膚塗布群では、UV照射を行っていない比較対照群よりも皮膚弾力性が上昇していることが観察された。
以上により、花粉荷の混餌投与又は塗布により、UV照射によって生ずる表皮肥厚化、皮膚水分量の減少、皮膚弾力性の低下の各症状が改善又は抑制されることが確認された。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について、以下に追記する。(a)前記光老化による表皮肥厚化予防改善剤を含有する化粧品又は飲食品。

Claims (3)

  1. 花粉荷、及び花粉荷の溶媒抽出物から選ばれる少なくとも一種を有効成分として含有することを特徴とする光老化による表皮肥厚化予防改善剤。
  2. 前記溶媒は、水、親水性有機溶媒、又は水/親水性有機溶媒の混合液であることを特徴とする請求項1に記載の光老化による表皮肥厚化予防改善剤。
  3. 前記光老化による表皮肥厚化予防改善剤は、経口剤及び皮膚外用剤から選ばれる少なくとも一種として構成されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の光老化による表皮肥厚化予防改善剤。
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