JP5275837B2 - 高周波回路 - Google Patents

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Description

本発明は、高周波信号の出力をオン/オフする高周波スイッチに関するもので、特に不要な信号の漏出を抑制して高アイソレーションを実現する高周波スイッチの技術分野に関するものである。
近年、レーダーシステム等では超短パルスを用いたシステムの開発が進められており、このような超短パルスを生成する高周波回路では、入出力信号に対し高いアイソレーションを有するスイッチの実現が重要となっている。
入力信号と同じ周波数の信号出力をスイッチングするスイッチとして、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)スイッチを備えたメカニカルスイッチや、FET(Field effect transistor)スイッチ、PIN(p-intrinsic-n)ダイオードスイッチといった半導体スイッチが知られている。メカニカルスイッチでは、伝送路自体を物理的に遮断するため高いアイソレーションが確保される。これに対し半導体スイッチでは、伝送路を単に電気的に遮断するだけで物理的には遮断されていないため、高い周波数帯域においてはアイソレーションを確保することが難しい。そのため、半導体スイッチを用いる場合には、例えばスイッチを多段化するなどの方法で高いアイソレーションが得られるようにしている。
一方、入力信号と出力信号とで周波数が異なり非線形な入出力特性を有するデバイスを用いることで、高いアイソレーションが得られるようにしたスイッチも知られている(特許文献1)。非線形な入出力特性を有するデバイスを用いた高周波スイッチの一例を図11に示す。図11に示す高周波スイッチ900は、高周波源901から出力される高周波信号をスイッチングするためのスイッチ手段902と、非線形な入出力特性を有するデバイス903とを備えており、出力側に所定の周波数帯の信号を通過させるフィルタ904を設けて用いられる。デバイス903は、スイッチ手段902のオン/オフに対し高いアイソレーションが得られるように構成されている。
非線形な入出力特性を有するデバイス903として、例えば特許文献1では逓倍器が用いられており、逓倍器が有する非線形な入出力特性として図12に示すものが記載されている。すなわち、図12に示す所定値L以下の入力信号(漏出成分)に対しては、逓倍された信号がほとんど出力されないようにし、所定値Lを超える信号に対しては、高い逓倍効率で所定の出力信号が得られるようにしている。
特開2004−354288号公報
しかしながら、メカニカルスイッチでは、スイッチの動作スピードが機械的な駆動スピードによって制限されるため、超短パルスを生成することは極めて難しい。また、半導体スイッチを用いて高アイソレーションを確保するために多段化した場合には、複数の半導体スイッチを実装するために大きな基板面積が必要となり、またコストアップにもなるといった問題がある。
また、特許文献1に記載の非線形な入出力特性を有するデバイスを用いる場合には、通常、該デバイスの前段にスイッチが設けられることから、前段のスイッチとデバイスの両方を設置するのに大きな基板面積が必要となり、コストの増大につながってしまう。さらに、デバイスに常時電源を入れた状態で使用されるため、消費電力の増大につながるといった問題もある。
そこで、本発明は上記問題を解決するためになされたものであり、小型で高いアイソレーション特性を有する高周波スイッチを提供することを目的とする。
本発明の高周波スイッチの第1の態様は、第1の高周波信号を入力し、該第1の高周波信号を非線形に変換して第2の高周波信号を出力する非線形回路と、前記第2の高周波信号の出力をオン/オフするスイッチ手段と、を備え、前記スイッチ手段は、前記非線形回路の電源を制御することで、前記第2の高周波信号の出力をオン/オフしていることを特徴とする。この態様によれば、第2の高周波信号の出力をオン/オフするために、非線形回路の電源を制御しており、これにより非線形回路をオフにしたときは、第2の高周波信号の出力が抑制されて高アイソレーションを有する高周波スイッチを提供することができる。また、第2の高周波信号を出力しないときは、非線形回路をオフ状態にすることで消費電力を低減することができる。
本発明の高周波スイッチの他の態様は、前記電源として第1電源と第2電源とを備え、
前記非線形回路は、第1端子側が前記第1電源に接続され、第2端子側が前記第2電源に接続され、第3端子が接地された半導体素子を備え、前記半導体素子が、前記第1端子に入力された前記第1の高周波信号を非線形に変換して前記第2の高周波信号を生成し、前記スイッチ手段が少なくとも前記第1電源または第2電源の一方を制御することで、前記第2の高周波信号の前記第2端子からの出力がオン/オフされることを特徴とする。
本発明の高周波スイッチの他の態様は、前記半導体素子は、前記第1端子をゲート側端子とし、前記第2端子をドレイン側端子とし、前記第3端子をソース側端子とする電界効果トランジスタであることを特徴とする。この態様によれば、ドレイン側の電源、またはゲート側の電源、またはその両方を制御することで第2の高周波信号をオン/オフすることができる。
本発明の高周波スイッチの他の態様は、前記半導体素子は、前記第1端子をベース側端子とし、前記第2端子をエミッタもしくはコレクタ側端子とし、前記第3端子をコレクタもしくはエミッタ側端子とするバイポーラトランジスタであることを特徴とする。この態様によれば、エミッタもしくはコレクタ側の電源、またはベース側の電源、またはその両方を制御することで第2の高周波信号をオン/オフすることができる。
本発明の高周波スイッチの他の態様は、前記第2の高周波信号の周波数及び波長をそれぞれf0及びλとするとき、前記非線形回路は、周波数がf0/n(nは2以上の整数)の前記第1の高周波信号をn逓倍して前記第2の高周波信号を生成する逓倍器であることを特徴とする。非線形回路として逓倍器を用いたときは、逓倍器の非線形性により第2の高周波信号の漏出を低減して高アイソレーションを実現できる。
本発明の高周波スイッチの他の態様は、前記非線形回路は、前記スイッチ手段がオンのときに、前記第1の高周波信号の出力側への漏出と前記第2の高周波信号の入力側への漏出を防止する共振回路を備えていることを特徴とする。非線形回路に所定の共振回路を設けることにより、スイッチ手段がオンのときに、第1の高周波信号が出力側に漏出しないようにするとともに、第2の高周波信号が入力側に漏出しないようにすることができ、高アイソレーションな高周波スイッチを実現することができる。
本発明の高周波スイッチの他の態様は、前記共振回路は、さらに、前記スイッチ手段がオフのときに、前記第1の高周波信号の入力を遮断するとともに前記第2の高周波信号の出力を遮断していることを特徴とする。本実施形態によれば、スイッチ手段がオンのときだけでなくオフのときにも、第1の高周波信号の入力を遮断するとともに第2の高周波信号の出力を遮断することができる。
本発明の高周波スイッチの他の態様は、前記共振回路として、例えば先端開放スタブを用いた場合、前記逓倍器の入力側に設けられた入力側スタブ部と、出力側に設けられた出力側スタブ部とを備え、前記入力側スタブ部は、スタブ電気長が前記スイッチ手段がオンのときにλ/4となりオフのときにn×λ/4となるように切り替えられ、前記出力側スタブ部は、スタブ電気長が前記スイッチ手段がオンのときにn×λ/4となりオフのときにλ/4となるように切り替えられることを特徴とする。逓倍器の入力側と出力側に設けられたスタブのスタブ電気長を切り替え可能とすることにより、高アイソレーションな高周波スイッチを提供することができる。
本発明の高周波スイッチの他の態様は、前記入力側スタブ部は、スタブ電気長がλ/4の第1スタブと、スタブ電気長が(n―1)×λ/4の第3スタブと、前記第1スタブと前記第3スタブとの接続をオン/オフする入力側スタブ切替スイッチとを備え、前記出力側スタブ部は、スタブ電気長がλ/4の第2スタブと、スタブ電気長が(n―1)×λ/4の第4スタブと、前記第2スタブと前記第4スタブとの接続をオン/オフする出力側スタブ切替スイッチとを備え、前記スイッチ手段がオンのときは、前記入力側スタブ切替スイッチをオフにするとともに前記出力側スタブ切替スイッチをオンにし、前記スイッチ手段がオフのときは、前記入力側スタブ切替スイッチをオンにするとともに前記出力側スタブ切替スイッチをオフにすることを特徴とする。逓倍器の入力側と出力側にスタブ電気長がλ/4と(n―1)×λ/4のスタブをそれぞれ設け、両者の接続を切替スイッチで切り替えるように構成することで、高アイソレーションな高周波スイッチを提供することができる。
本発明の高周波スイッチの他の態様は、前記共振回路は、スタブ電気長が(n―1)×λ/4の共用スタブをさらに備え、前記入力側スタブ部は、スタブ電気長がλ/4の第1スタブと、前記第1スタブと前記共用スタブとの接続をオン/オフする入力側スタブ切替スイッチとを備え、前記出力側スタブ部は、スタブ電気長がλ/4の第2スタブと、前記第2スタブと前記共用スタブとの接続をオン/オフする出力側スタブ切替スイッチとを備え、前記スイッチ手段がオンのときは、前記入力側スタブ切替スイッチをオフにするとともに前記出力側スタブ切替スイッチをオンにして前記共用スタブを前記第2スタブに接続し、前記スイッチ手段がオフのときは、前記入力側スタブ切替スイッチをオンにするとともに前記出力側スタブ切替スイッチをオフにして前記共用スタブを前記第1スタブに接続することを特徴とする。この態様によれば、共用スタブを入力側と出力側で切り替えて用いるようにすることにより、スタブを減らして簡素化することができる。
本発明の高周波スイッチの他の態様は、前記スイッチ手段と前記入力側スタブ切替スイッチと前記出力側スタブ切替スイッチとは、いずれも前記スイッチ手段のオン/オフに連動して前記入力側スタブ切替スイッチ及び前記出力側スタブ切替スイッチがオン/オフするように構成されていることを特徴とする。この態様によれば、入力側スタブ切替スイッチ及び出力側スタブ切替スイッチに固有の制御装置を設ける必要がなくなる。
本発明の高周波スイッチの他の態様は、前記入力側スタブ切替スイッチ及び出力側スタブ切替スイッチは、高速なオン/オフが可能な半導体素子を用いており、例えばPINダイオードを用いた半導体スイッチであることを特徴とする。
以上説明したように本発明によれば、入力信号を非線形に変換して出力する非線形回路を用い、該非線形回路の電源をオン/オフすることで信号出力をスイッチングするように構成することで、小型で高いアイソレーション特性を有する高周波スイッチを提供することができる。
本発明の第1の実施形態に係る高周波スイッチの概略構成を示すブロック図である。 第1の実施形態の高周波スイッチに備えられた逓倍器の一実施例を示すブロック図である。 第2の実施形態の高周波スイッチの概略構成を示すブロック図である。 第2の実施形態の逓倍器の構造を示すブロック図(その1)である。 第2の実施形態の逓倍器の構造を示すブロック図(その2)である。 第2の実施形態の逓倍器を2逓倍器としたときのオン/オフ比の一例を示すグラフである。 第3の実施形態の高周波スイッチに備えられた逓倍器の概略構成を示すブロック図である。 第4の実施形態の高周波スイッチに備えられた逓倍器の概略構成を示すブロック図である。 第5の実施形態の高周波スイッチに備えられた逓倍器の概略構成を示すブロック図である。 第6の実施形態の高周波スイッチに備えられた逓倍器の概略構成を示すブロック図である。 従来の非線形な入出力特性を有するデバイスを用いた高周波スイッチの一例を示すブロック図である。 従来の逓倍器が有する非線形な入出力特性の一例を示すグラフである。
本発明の好ましい実施の形態における高周波スイッチについて、図面を参照して詳細に説明する。同一機能を有する各構成部については、図示及び説明簡略化のため、同一符号を付して示す。本発明は、超短パルスの生成等に用いられる高周波スイッチに係り、特に非線形な入出力特性を有するデバイスを用いて高いアイソレーション特性が得られる高周波スイッチを提供する。
(第1実施形態)
本発明の第1の実施の形態に係る高周波スイッチを図1を用いて以下に説明する。図1は、本実施形態の高周波スイッチの概略構成を示すブロック図である。本実施形態の高周波スイッチ100は、非線形な入出力特性を有するデバイスとして逓倍器110を備え、さらに逓倍器110の電源を制御する制御手段120を備えている。逓倍器110は、入力信号の二乗に相当する出力信号を生成する非線形な入出力特性(二乗特性)を有しており、このような特性を利用することで入出力間のアイソレーションを高めることができる。
逓倍器110は、高周波源10から所定周波数の第1の高周波信号11を入力し、周波数が第1の高周波信号11のn(整数)倍に逓倍された第2の高周波信号12を生成して出力する。高周波スイッチ100の出力側にはフィルタ(HPF、またはBPF)20が設けられ、ここで、第2の高周波信号12のみを通過させて取り出す。以下では、逓倍器110で逓倍された第2の高周波信号12として、その周波数をf0とし波長をλとする。このとき、高周波源10からは周波数がf0/nで波長がλ×nの第1の高周波信号11が逓倍器110に入力されることになる。
逓倍器110の構造を図2を用いて説明する。図2は、逓倍器110の一実施例を示すブロック図である。逓倍器110は、半導体素子の一例であるトランジスタ111と、トランジスタ111の入力側(ゲート側)に接続されて出力信号の反射を遮断する第1の共振回路112と、トランジスタ111の出力側(ドレイン側)に接続されて入力信号の漏出を遮断する第2の共振回路113を備えている。
また、トランジスタ111の入力側には、高周波チョークコイル(RFC)114を介して第1電源131から所定の電圧Vgが印加されており、トランジスタ111の出力側には、高周波チョークコイル(RFC)115を介して第2電源132から所定の電圧Vdが印加されている。逓倍器110は制御手段119、または制御手段120の少なくとも一方を備え、制御手段119は入力側に接続されている第1電源131からの電源供給を、制御手段120は出力側に接続されている第2電源132からの電源供給を制御するように接続される。RFC114、115は、高周波線路から高周波信号が電源側に漏出することを防止するために設けられたものである。高周波源10から入力した第1の高周波信号11は、電源からの直流成分漏出を除去する直流カット手段116を介して、トランジスタ111に入力され、ここで周波数が第1の高周波信号11のn倍に逓倍された第2の高周波信号12が生成され、これが直流カット手段117を介して出力される。
トランジスタ111の入力側(ゲート側)に設けられた第1の共振回路112、及びトランジスタ111の出力側(ドレイン側)に設けられた第2の共振回路113は、それぞれ所定長さのスタブで構成することができる。例えば先端開放スタブ用いた場合、第1の共振回路112にスタブ電気長がλ/4のスタブ(入力側スタブ部)を設け、これにより波長λの第2の高周波信号12が入力側から漏出しないようにすることができる。また、第1の高周波信号の波長はλ×nとなることから、第2の共振回路113にスタブ電気長が(λ×n)/4のスタブ(出力側スタブ部)を用い、これにより波長λ×nの第1の高周波信号11が出力側から漏出しないようにすることができる。なお、本実施形態の高周波スイッチ100では、共振回路として先端開放スタブを用いているが、トランジスタ111から見込んだインピーダンスが、入力側では第2の高周波信号12の周波数で接地、出力側では第1の高周波信号11の周波数で接地となれば良く、スタブまでの電気長、スタブ電気長、スタブの先端処理により、他の構成も可能であることは自明である。また、インダクタやキャパシタなどで構成した共振回路を用いてもよい。
図1に示す周波数f0の第2の高周波信号12の出力をオン/オフするために、本実施形態の高周波スイッチ100では制御手段120で逓倍器110の電源供給を制御している。より具体的には、図2に示すように、制御手段120で第2電源132からの電源供給制御しており、これによりトランジスタ111がオン(作動)状態/オフ(停止)状態となり、トランジスタ111がオン(作動)状態のときのみ第2の高周波信号12が出力される。トランジスタ111を作動状態または停止状態にすることで第2の高周波信号12の出力をオン/オフしていることから、入出力間で高いアイソレーションを確保することが可能となる。
従来は、高周波源10から逓倍器110への第1の高周波信号11の伝送路でオン/オフする構成としていたが、この場合には高周波対応のスイッチ手段が必要となりコスト高であった。これに対し、本実施形態では、逓倍器110の電源を制御することで第2の高周波信号12の出力をオン/オフするようにしていることから、制御手段120として低価格のものを用いることができる。また、従来の第1の高周波信号11の入力をオン/オフするスイッチ手段を用いた場合には、第1の高周波信号11の伝送が電気的にオン/オフされているだけのため、第1の高周波信号11が逓倍器110側に漏出しやすいといった問題があった。これに対し、本実施形態の高周波スイッチ100では、逓倍器110自体の電源をオン/オフしており、これにより高いアイソレーションを確保することが可能となる。
本実施形態の高周波スイッチ100の動作について、図1と図2を用いて以下に説明する。高周波スイッチ100は、高周波源から周波数f0/nの第1の高周波信号を入力しており、直流カット手段116を介して高周波成分がトランジスタ111のゲート側に常時入力されている。ここで、制御手段120により、トランジスタ111がオン状態になると、トランジスタ111でn逓倍された周波数f0の第2の高周波信号12がドレイン側から出力される。そして、直流カット手段117で直流成分がカットされてフィルタ20に出力される。逓倍器110の入力側に設けられた第1の共振回路112は、第2の高周波信号12が入力側から漏出するのを防止しており、逓倍器110の出力側に設けられた第2の共振回路112は、第1の高周波信号11が出力側から漏出するのを防止している。これにより、高周波スイッチ100は、高いアイソレーションが得られる。
また、制御手段120により、トランジスタ111がオフになると、トランジスタ111のドレイン側からの第2の高周波信号12の出力が停止されて高いアイソレーションが得られる。このように、本実施形態の高周波スイッチ100では、トランジスタ111がオン/オフのいずれにおいても高いアイソレーションが得られることから、第2の高周波信号12に対し高いオン/オフ比が得られる。
トランジスタ111のオン/オフは、トランジスタ111の出力側(ドレイン側)に印加される第2電源132を、制御手段120で制御する形態について説明しているが、トランジスタ111の入力側(ゲート側)に印加される第1電源131を、制御手段119によりトランジスタを動作状態とピンチオフ状態に切り替える方式や、その両方を用いた方式でもよい。
(第2実施形態)
本発明の第2の実施の形態に係る高周波スイッチを図3と図4を用いて以下に説明する。図3は、本実施形態の高周波スイッチ200の概略構成を示すブロック図であり、図4は、本実施形態の非線形回路である逓倍器210の構造を示すブロック図である。図3に示す本実施形態の高周波スイッチ200は、第1の実施形態の高周波スイッチ100と逓倍器210の構造が異なっており、逓倍器210を逓倍器110よりさらに高いアイソレーションが得られる構造としている。
図4に示す本実施形態の逓倍器210は、図2に示した第1の実施形態の逓倍器110が有する共振回路112、113に代えて、共振回路211〜214を備えており、さらにスイッチ手段215、216を備えた構造を有している。逓倍器110では、トランジスタ111がオン状態において、トランジスタ111の入力側に設けた共振回路112で出力信号である第2の高周波信号12の漏出を抑制し、トランジスタ111の出力側に設けた共振回路113で入力信号である第1の高周波信号11の漏出を抑制している。
これに加えて本実施形態の逓倍器210では、トランジスタ111がオフの状態においても第1の高周波信号11及び第2の高周波信号12が漏出するのを抑制している。逓倍器210では、トランジスタ111の入力側及び出力側において、共振回路としていずれもスタブ電気長がλ/4の第1スタブ211及び第2スタブ212がそれぞれ常時接続されている。また、第1スタブ211には、スイッチ手段(入力側スタブ切替スイッチ)215を介して第3スタブ213が接続可能となっており、第2スタブ212には、スイッチ手段(出力側スタブ切替スイッチ)216を介して第4スタブ214が接続可能となっている。第3スタブ213及び第4スタブ214は、ともに(n−1)λ/4のスタブ電気長を有している。なお、本実施形態の高周波スイッチ200でも、共振回路として先端開放スタブを用いているが、トランジスタ111から見込んだインピーダンスが、入力側では第2の高周波信号12の周波数で接地、出力側では第1の高周波信号11の周波数で接地となれば良く、スタブまでの電気長、スタブ電気長、スタブの先端処理により、他の構成も可能であることは自明である。また、インダクタやキャパシタなどで構成した共振回路を用いてもよい。
上記のように構成された本実施形態の高周波回路200の動作について、図4を用いて以下に説明する。制御手段120によりトランジスタ111がオン状態であるときは、図4(a)に示すように、スイッチ手段215をオフにしてスイッチ手段216をオンにする。これにより、第1の実施形態の逓倍器110と同様に、トランジスタ111の入力側にスタブ電気長λ/4の第1スタブ211のみが接続され、出力側には合計のスタブ電気長がn×λ/4となる第2スタブ212及び第4スタブ214が接続される。その結果、第2の高周波信号12が入力側から漏出するのを第1スタブ211で抑制するとともに、第1の高周波信号11が出力側から漏出するのを第2スタブ212及び第4スタブ214で抑制している。
これに加えて、本実施形態の高周波回路200では、図4(b)に示すように、制御手段120によりトランジスタ111をオフにした場合にも、トランジスタ111から高周波信号11、12が漏出しないようにしている。すなわち、この場合にはスイッチ手段215がオンにされてスイッチ手段216がオフにされる。これにより、トランジスタ111の入力側に合計のスタブ電気長がn×λ/4となる第1スタブ211及び第3スタブ213が接続され、出力側にはスタブ電気長がλ/4の第2スタブ212のみが接続される。その結果、第1の高周波信号11がトランジスタ111側に入力するのを第1スタブ211及び第3スタブ213で遮断するとともに、第2の高周波信号12がトランジスタ111から出力するのを第2スタブ212で遮断している。
本実施形態の高周波スイッチ200では、逓倍器210を上記のような構造とすることにより、制御手段120によりトランジスタ111をオン状態にした、逓倍器210から第2の高周波信号12が出力されるときだけでなく、制御手段120によりトランジスタ111をオフ状態にした、逓倍器210から第2の高周波信号12の出力が停止されているときにも、高いアイソレーションが得られるように構成している。
本実施形態の別の形態を図5(a)、(b)を用いて説明する。本実施形態の逓倍器210では、トランジスタ111がオフ状態においても第1の高周波信号11及び第2の高周波信号12が漏出するのを抑制している。逓倍器210では、トランジスタ111の入力側には共振回路としてスタブ電気長λ/4の第1スタブ211と、スタブ電気長λ×n/4の第3スタブ213がスタブ切り替えスイッチ215、217を介して接続されている。また出力側には、共振回路として共振回路としてスタブ電気長λ/4の第2スタブ212と、スタブ電気長λ×n/4の第4スタブ214がスタブ切り替えスイッチ216、218を介して接続されている。なお、本実施形態の高周波スイッチ200でも、共振回路として先端開放スタブを用いているが、トランジスタ111から見込んだインピーダンスが、入力側では第2の高周波信号12の周波数で接地、出力側では第1の高周波信号11の周波数で接地となれば良く、スタブまでの電気長、スタブ電気長、スタブの先端処理により、他の構成も可能であることは自明である。インダクタやキャパシタなどで構成した共振回路を用いてもよい。
上記のように構成された本実施形態の高周波回路200の動作について説明する。制御手段120により、トランジスタ111がオン状態であるときは、図5(a)に示すように、スイッチ手段215をオンに、スイッチ手段216をオフに、スイッチ手段217をオフに、スイッチ手段218をオンにする。これにより、第1の実施形態の逓倍器110と同様に、トランジスタ111の入力側にスタブ電気長λ/4の第1スタブ211が接続され、出力側にはスタブ電気長がn×λ/4の第4スタブ214が接続される。その結果、第2の高周波信号12が入力側から漏出するのを第1スタブ211で抑制するとともに、第1の高周波信号11が出力側から漏出するのを第4スタブ214で抑制している。
これに加えて、本実施形態の高周波回路200では、図5(b)に示すように、制御手段120により、トランジスタ111がオフ状態である場合にも、トランジスタ111から高周波信号11、12が漏出しないようにしている。すなわち、この場合にはスイッチ手段215がオフに、スイッチ手段216がオンに、スイッチ手段217がオンに、スイッチ手段218がオフにされる。これにより、トランジスタ111の入力側にスタブ電気長がn×λ/4となる第3スタブ213が接続され、出力側にはスタブ電気長がλ/4の第2スタブ212が接続される。その結果、第1の高周波信号11がトランジスタ111側に入力するのを第3スタブ213で遮断するとともに、第2の高周波信号12がトランジスタ111から出力するのを第2スタブ212で遮断している。
本実施形態の高周波スイッチ200では、逓倍器210を上記のような構造とすることにより、制御手段120によりトランジスタ111をオン状態にした、逓倍器210から第2の高周波信号12が出力されるときだけでなく、制御手段120によりトランジスタ111をオフ状態にした、逓倍器210から第2の高周波信号12の出力が停止されているときにも、高いアイソレーションが得られるように構成している。
本実施形態の高周波スイッチのアイソレーション特性を、図6を用いて以下に説明する。図6は、逓倍器210を2逓倍器(n=2)としたときのオン/オフ比を示すグラフである。横軸を、逓倍器210の入力電力(第1の高周波信号11の電力に相当)とし、縦軸を逓倍器210のオン/オフ比、すなわち第1の高周波信号11の電力に対する第2の高周波信号12の電力の比としている。本実施形態の高周波スイッチ200のアイソレーションが高いほど、同図に示すオン/オフ比も高くなる。
図6において、符号1は第1の実施形態と同様に、図4、5に示す第2電源132のみを制御してスイッチ手段215、216の切り替えを行わないときのオン/オフ比の変化を示し、符号2は第2電源132の制御に加えて入力側のスイッチ手段215の切り替えも行うときのオン/オフ比の変化を示し、符号3は第2電源132の制御に加えて出力側のスイッチ手段216の切り替えも行うときのオン/オフ比の変化を示し、符号4は第2電源132の制御に加えてスイッチ手段215、216の両方とも切り替えを行うときのオン/オフ比の変化を示している。
図6より、第2電源132のみを制御した符号1のケースに比べて、スイッチ手段215、216の切り替えも行うようにした符号2〜4のケースの方がオン/オフ比が大きくなっている。すなわち、スイッチ手段215、216の切り替えを行ってスタブ213、214のオン/オフも行うようにしたときの方がアイソレーションが高くなり、特にスタブ213、214の両方ともオン/オフを行うようにすることで、高いアイソレーションが得られることが分かる。
上記のように、本実施形態の高周波スイッチ200では、第2の高周波信号12を出力するときには、制御手段120によりトランジスタ111をオン状態にするのに加えて、逓倍器210の入出力側でスタブのスタブ電気長を切り替えることにより、入力側から第2の高周波信号12が漏出するのを防止するとともに、出力側から第1の高周波信号11が漏出するのを防止することができる。また、第2の高周波信号12の出力を停止するときには、制御手段120によりトランジスタ111をオフ状態にするのに加えて、逓倍器210の入出力側でスタブのスタブ電気長を切り替えることにより、入力側に第1の高周波信号11が入力するのを防止するとともに、出力側から第2の高周波信号12が出力されるのを防止することができる。このように、第2の高周波信号12を出力/停止するいずれの場合でも高いアイソレーションが得られ、高いオン/オフ比を有する高周波スイッチを提供することができる。
(第3実施形態)
本発明の第3の実施の形態に係る高周波スイッチを図7を用いて以下に説明する。図7は、本実施形態の高周波スイッチに備えられた逓倍器310の概略構成を示すブロック図である。本実施形態の逓倍器310は、第2の実施形態の逓倍器210と同様に、共振回路として第1スタブ211〜第4スタブ214を備えている。また、スイッチ手段215、216に代えて半導体スイッチ311、312を備えている。半導体スイッチ311、312には、例えばPINダイオードやFET等を用いることができ、本実施例はPINダイオードを用いた構成としている。
本実施形態では、入力側スタブ切替スイッチ及び出力側スタブ切替スイッチとしてPINダイオード311、312を用い、これをそれぞれオン/オフさせるようにしている。すなわち、PINダイオード311、312のそれぞれのアノード側及びカソード側に所定の電圧Va1、Vc1及びVa2、Vc2を印加している。さらに、PINダイオード311、312をオン/オフするために、アノード側の電圧Va1、Va2をオン/オフするための電源スイッチ313,314を設け、PINダイオードのアノード側、カソード側の電位差を制御してPINダイオードをオン/オフさせている。なお、上記の各電圧を印加している電圧源に高周波信号が漏出しないように、それぞれに高周波チョークコイル(RFC)を設けている。
逓倍器310を上記のように構成することで、PINダイオード311、312をオン/オフするようにしている。すなわち、第2の高周波信号12を出力するために制御手段120によりトランジスタ111をオン状態にしたときは、電源スイッチ313をオフにしてPINダイオード311をオフにするとともに、電源スイッチ314をオンにしてPINダイオード312をオンにする。このため、入力側スタブ部は第1スタブ211のみで構成されてスタブ電気長がλ/4となり、出力側スタブ部は第2スタブ212と第4スタブ214を直列に接続してスタブ電気長がn×λ/4となる。これにより、逓倍器310の入力側から第2の高周波信号12が漏出するのを防止するとともに、出力側から第1の高周波信号11が漏出するのを防止しており、高いアイソレーションが得られる。
一方、第2の高周波信号12の出力を停止するために制御手段120によりトランジスタ111をオフ状態にしたときは、電源スイッチ313をオンにしてPINダイオード311をオンにするとともに、電源スイッチ314をオフにしてPINダイオード312をオフにする。このため、入力側スタブ部は第1スタブ211と第3スタブ213を直列に接続してスタブ電気長がn×λ/4となり、出力側スタブ部は第2スタブ212のみで構成されてスタブ電気長がλ/4となる。これにより、逓倍器310の入力側で第1の高周波信号12の入力を遮断するとともに、出力側で第2の高周波信号12の出力を遮断しており、これにより高いアイソレーションが得られる。
上記のように、第2の高周波信号12の出力時と停止時のいずれにおいても高いアイソレーションが得られることから、本実施形態においても高周波スイッチとして高いオン/オフ比が得られる。
(第4実施形態)
本発明の第4の実施の形態に係る高周波スイッチを図8を用いて以下に説明する。図8は、本実施形態の高周波スイッチに備えられた逓倍器410の概略構成を示すブロック図である。本実施形態の逓倍器410は、第2の実施形態の逓倍器210と同様に、共振回路として第1スタブ211〜第4スタブ214を備えている。また、スイッチ手段215、216に代えて半導体スイッチ411、412を備えている。スイッチ手段411、412には、例えばPINダイオードやFET等を用いることができ、本実施例はPINダイオードを用いた構成としている。なお、RFC413、414は、RFC114、115と同様に高周波信号が電源側に漏出することを防止するものである。
本実施形態の高周波スイッチでは、逓倍器410を上記のような構成とするとともに、逓倍器410の入力側に接続される第1電源131と出力側に接続される第2電源132のそれぞれに電源制御手段420a、420bが設けられている。
本実施形態では、逓倍器410の電源制御手段420a、420bと入力側スタブ切替スイッチ411、出力側スタブ切替スイッチ412を連動して制御するようにしている。すなわち、スイッチ手段411、412をオン/オフ制御するバイアス電流415、416の向きを、それぞれスイッチ手段420a、420bをオン/オフすることで変え、半導体スイッチ411、412をスイッチ手段420a、420bに連動させて制御するように構成している。
半導体スイッチ411は、スイッチ手段420a、420bがオンのときにオフとなるように構成する必要があり、半導体スイッチ411のバイアス電流を逆バイアスとする必要がある。そこで、半導体スイッチ411に対してはカソード側にRFC413を介して第3電源433を接続している。一方、半導体スイッチ412は、スイッチ手段420a、420bがオンのときにオンとなるように構成する必要があり、半導体スイッチ412のバイアス電流を順バイアスとする必要がある。そこで、半導体スイッチ412に対してはRFC414を介してカソード側を接地するように構成している。
半導体スイッチ411、412を上記のような構成としてスイッチ手段420a、420bに連動させるようにすることにより、半導体スイッチ411、412を制御する制御部を個別に設ける必要がなくなり、回路構成を簡素化してコスト低減を図ることができるといった効果が得られる。
(第5実施形態)
本発明の第5の実施の形態に係る高周波スイッチを図9を用いて以下に説明する。図9は、本実施形態の高周波スイッチに備えられた逓倍器510の概略構成を示すブロック図である。本実施形態の逓倍器510は、第3の実施形態で用いていた共振回路の第3スタブ213及び第4スタブ214を、共用スタブ513に置き換えている。第3スタブ213及び第4スタブ214は、制御手段120の状態に応じていずれか一方のみが第1スタブ211または第2スタブ212に接続され、他方はいずれにも接続されていない。そこで、本実施形態では、第3スタブ213及び第4スタブ214の2つのスタブを設ける代わりに、共用スタブ513のみを設けることで回路構成を簡略化しており、制御手段120の状態に応じて共用スタブ513を第1スタブ211または第2スタブ212に接続するように構成している。
共用スタブ513を第1スタブ211及び第2スタブ212のいずれか一方に接続するために、第1スタブ211と共用スタブ513との間に入力側スタブ切替スイッチとしてPINダイオード511を設け、第2スタブ212と共用スタブ513との間に出力側スタブ切替スイッチとしてPINダイオード512を設けている。
制御手段120に連動させてPINダイオード511、512のアノード側に印加されている電圧Va1、Va2をオン/オフするための電源スイッチ514,515を設けており、PINダイオードのアノード側、カソード側の電位差を制御してPINダイオードをオン/オフさせている。以下では、本実施形態の高周波スイッチの動作について説明する。
第2の高周波信号12を出力するために制御手段120によりトランジスタ111をオン状態にしたときは、半導体スイッチ514をオフにするとともに電源スイッチ515をオンにすることで、PINダイオード511をオフ、512をオン状態とする。これにより、共用スタブ513は第2スタブ212に接続された状態となり、入力側スタブが第1スタブ211のみで構成されてスタブ電気長がλ/4となり、出力側スタブ部は第2スタブ212と共用スタブ513を直列に接続してスタブ電気長がn×λ/4となる。これにより、逓倍器510の入力側から第2の高周波信号12が漏出するのを防止するとともに、出力側から第1の高周波信号11が漏出するのを防止しており、高いアイソレーションが得られる。
一方、第2の高周波信号12の出力を停止するために制御手段120によりトランジスタ111をオフにしたときは、電源スイッチ514をオンにするとともに電源スイッチ515をオフにすることで、PINダイオード511をオン、512をオフ状態とする。このため、入力側スタブ部は第1スタブ211と共用スタブ513を直列に接続してスタブ電気長がn×λ/4となり、出力側スタブ部は第2スタブ212のみで構成されてスタブ電気長がλ/4となる。これにより、逓倍器510の入力側で第1の高周波信号12の入力を遮断するとともに、出力側で第2の高周波信号12の出力を遮断しており、高いアイソレーションが得られる。
上記のように、第2の高周波信号12の出力時と停止時のいずれにおいても高いアイソレーションが得られることから、本実施形態においても高周波スイッチとして高いオン/オフ比が得られる。なお、PINダイオードはスタブ切り替え手段の一例であり、高速なオン/オフが可能な半導体スイッチであればよい。
(第6実施形態)
本発明の第6の実施の形態に係る高周波スイッチを図10を用いて以下に説明する。図10は、本実施形態の高周波スイッチに備えられた逓倍器610の概略構成を示すブロック図である。本実施形態の逓倍器610は、第2の実施形態の別の実施形態で用いていた共振回路の第1スタブ211と第2スタブ212と第3スタブ213と第4スタブ214を、それぞれ共用スタブ611、612に置き換えている。本実施形態では、第1スタブ211から第4スタブ214の4つのスタブを設ける代わりに、スタブ電気長がλ/4の第1の共用スタブ611とスタブ電気長がn×λ/4の第2の共有スタブ614を設けることで回路構成を簡略化しており、制御手段120によるトランジスタ111のオン/オフ状態に応じてそれぞれの共有スタブを切り替える構成としている。以下では、本実施形態の高周波スイッチの動作について説明する。
第2の高周波信号12を出力するために制御手段120によりトランジスタ111をオン状態にしたときは、スイッチ手段215をオンにするとともにスイッチ手段216をオフにする。これにより、第1の共用スタブ611は入力側に接続された状態となり、入力側スタブのスタブ電気長がλ/4となる。さらにスイッチ手段217をオフにするとともにスイッチ手段218をオンにする。これにより、第2の共用スタブ612は出力側に接続された状態となり、出力側スタブのスタブ電気長がn×λ/4となる。これにより、逓倍器610の入力側から第2の高周波信号12が漏出するのを防止するとともに、出力側から第1の高周波信号11が漏出するのを防止しており、高いアイソレーションが得られる。
一方、第2の高周波信号12の出力を停止するために制御手段120によりトランジスタ111をオフにしたときは、スイッチ手段215をオフにするとともにスイッチ手段216をオンにする。これにより、第1の共用スタブ611は出力側に接続された状態となり、出力側スタブのスタブ電気長がλ/4となる。さらにスイッチ手段217をオンにするとともにスイッチ手段218をオフにする。これにより、第2の共用スタブ612は入力側に接続された状態となり、入力側スタブのスタブ電気長がn×λ/4となる。これにより、逓倍器610の入力側で第1の高周波信号12の入力を遮断するとともに、出力側で第2の高周波信号12の出力を遮断しており、高いアイソレーションが得られる。
上記のように、第2の高周波信号12の出力時と停止時のいずれにおいても高いアイソレーションが得られることから、本実施形態においても高周波スイッチとして高いオン/オフ比が得られる。
なお、本実施の形態における記述は、本発明に係る高周波スイッチの一例を示すものであり、これに限定されるものではない。本実施の形態における高周波スイッチの細部構成及び詳細な動作等に関しては、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
10、901 高周波源
11、12 高周波信号
100、200、900 高周波スイッチ
110、210、310、410、510、610 逓倍器
111 トランジスタ
112、113 共振回路
114、115、413、414 RFC
116、117、315、316、317、318、516、517、518、519 直流カット手段
119、120 制御手段
420a、420b、902 スイッチ手段
131 第1電源
132 第2電源
215、216、311、312、411、412、511、512 半導体スイッチ
211、212、213、214 スタブ
313,314、514,515 電源スイッチ
415、416 バイアス電流
421a、421b 制御部
433 第3電源
513 共用スタブ

Claims (6)

  1. 第1の高周波信号を入力し、該第1の高周波信号を非線形に変換して第2の高周波信号を出力する非線形回路と、
    前記第2の高周波信号の出力をオン/オフするスイッチ手段と、を備え、
    前記第2の高周波信号の周波数及び波長をそれぞれf0及びλとするとき、
    前記非線形回路は、第1端子側が第1電源に接続され、第2端子側が第2電源に接続され、第3端子が接地された半導体素子を備え、周波数がf0/n(nは2以上の整数)の前記第1の高周波信号を前記半導体素子に入力してn逓倍して前記第2の高周波信号を出力する逓倍器であり、
    前記スイッチ手段が前記第1電源と前記第2電源の少なくともいずれか一方を制御することで、前記第2の高周波信号の前記第2端子からの出力がオン/オフされ、
    さらに、前記逓倍器は、前記スイッチ手段がオンのときに前記第1の高周波信号の出力側への漏出と前記第2の高周波信号の入力側への漏出を防止し、前記スイッチ手段がオフのときに前記第1の高周波信号の入力を遮断するとともに前記第2の高周波信号の出力を遮断する共振回路を備えており、
    前記スイッチ手段がオフのときには、前記半導体素子の電源がオフにされかつ前記共振回路で前記第1の高周波信号の入力及び前記第2の高周波信号の出力が遮断されることで高いアイソレーションが得られる
    ことを特徴とする高周波スイッチ。
  2. 前記共振回路は先端開放スタブからなり、前記逓倍器の入力側に設けられた入力側スタブ部と、出力側に設けられた出力側スタブ部とを備え、
    前記入力側スタブ部は、スタブ電気長が前記スイッチ手段がオンのときにλ/4となりオフのときにn×λ/4となるように切り替えられ、
    前記出力側スタブ部は、スタブ電気長が前記スイッチ手段がオンのときにn×λ/4となりオフのときにλ/4となるように切り替えられる
    ことを特徴とする請求項1に記載の高周波スイッチ。
  3. 前記入力側スタブ部は、スタブ電気長がλ/4の第1スタブと、スタブ電気長が(n―1)×λ/4の第3スタブと、前記第1スタブと前記第3スタブとの接続をオン/オフする入力側スタブ切替スイッチとを備え、
    前記出力側スタブ部は、スタブ電気長がλ/4の第2スタブと、スタブ電気長が(n―1)×λ/4の第4スタブと、前記第2スタブと前記第4スタブとの接続をオン/オフする出力側スタブ切替スイッチとを備え、
    前記スイッチ手段がオンのときは、前記入力側スタブ切替スイッチをオフにするとともに前記出力側スタブ切替スイッチをオンにし、
    前記スイッチ手段がオフのときは、前記入力側スタブ切替スイッチをオンにするとともに前記出力側スタブ切替スイッチをオフにする
    ことを特徴とする請求項2に記載の高周波スイッチ。
  4. 前記共振回路は、スタブ電気長が(n―1)×λ/4の共用スタブをさらに備え、
    前記入力側スタブ部は、スタブ電気長がλ/4の第1スタブと、前記第1スタブと前記共用スタブとの接続をオン/オフする入力側スタブ切替スイッチとを備え、
    前記出力側スタブ部は、スタブ電気長がλ/4の第2スタブと、前記第2スタブと前記共用スタブとの接続をオン/オフする出力側スタブ切替スイッチとを備え、
    前記スイッチ手段がオンのときは、前記入力側スタブ切替スイッチをオフにするとともに前記出力側スタブ切替スイッチをオンにして前記共用スタブを前記第2スタブに接続し、
    前記スイッチ手段がオフのときは、前記入力側スタブ切替スイッチをオンにするとともに前記出力側スタブ切替スイッチをオフにして前記共用スタブを前記第1スタブに接続する
    ことを特徴とする請求項2に記載の高周波スイッチ。
  5. 前記スイッチ手段と前記入力側スタブ切替スイッチと前記出力側スタブ切替スイッチとは、前記スイッチ手段のオン/オフに連動して前記入力側スタブ切替スイッチがオフ/オンし前記出力側スタブ切替スイッチがオン/オフするように構成されている
    ことを特徴とする請求項3または4に記載の高周波スイッチ。
  6. 前記入力側スタブ切替スイッチ及び出力側スタブ切替スイッチは、高速なオン/オフが可能な半導体素子を用いる
    ことを特徴とする請求項3乃至5のいずれか1項に記載の高周波スイッチ。
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