JP5275676B2 - 金型 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば金属素材をブロー成形するために用いて好適な金型に係り、特に、アルミニウムなどの素材の金型内面への凝着を有効に防止する技術に関する。
従来、アルミニウムなどの軟質金属材料の加工には、ブロー成形が行われることがある。ブロー成形は、互いに接離可能な一対の金型の一方にキャビティを形成し、他方の金型にキャビティとほぼ同形の開口を有する加圧空間を形成し、素材を金型で挟んだ状態で加圧空間に圧縮空気を供給することにより、素材をキャビティの内面に押し付けて成形する塑性加工方法である。このブロー成形では、加工を容易にするために素材および金型を500℃程度まで加熱するのが一般的である。そのような温度で使用する金型の材料としては、特許文献1に開示されたようなSKD等の熱間加工用合金工具鋼が知られているが、ブロー成形では安価な鋳鋼が用いられることもある。
たとえば、特許文献2には、重量%で、C:0.1〜0.3%、Ni :1%以下、Cr :8〜13%、Mo:0.3〜1.5%、V:0.1〜0.3%を含み、さらに、Ti :0.05〜0.15%、Nb:0.05〜0.15%、N:0.01〜0.08%の1種または2種以上を含有し、残部がFe および不可避的不純物からなり、該不可避的不純物のうち、Si :0.1%以下、Mn:0.1%以下を許容含有量とする耐経年劣化性に優れた高温高圧用鋳鋼が開示されている。
特開昭50−102517号公報 特開平5−195164号公報
ところで、アルミニウムの素材をブロー成形すると、アルミニウムが金型と擦れることでアルミニウムが型彫り面に凝着するという現象が生じる。そして、ブロー成形を繰り返すことにより凝着部が成長し、凝着部によって製品に疵が付くという問題があった。
金型の型彫り面が鏡面であればアルミニウムの凝着は生じ難いと考えられる。しかしながら、型彫り面をメッキで被覆しても、アルミニウムの凝着を防止できるような平滑さを得ることができないのが現状である。
一般にブロー成形では、金型を加熱炉に配置して予熱し、加熱された素材を成形する。この場合において、鋳鋼製の金型では、予熱により表面に酸化被膜が形成され、この酸化被膜は不活性であるためアルミニウムとの潤滑性があり、アルミニウムの凝着を抑制することができる。ところが、上記特許文献2に開示されたような鋳鋼では、酸化被膜と母材との密着性が良好ではなく、酸化被膜の一部がブロー成形の際に剥離し易い。このため、酸化被膜が剥離した痕が製品に転写されたり酸化被膜が製品に付着したりし、ブロー成形後に製品の改修が必要となる。
したがって、本発明は、アルミニウムの金型への凝着を低減することができるとともに、酸化被膜と母材との密着性を高めて酸化被膜の剥離を抑制することができ、これにより製品価値を維持することができる鋳鋼製金型を提供することを目的としている。
本発明者等は、酸化被膜と母材との密着性を高めるべく鋭意研究を重ねた結果、鋳鋼におけるCrとSiの含有量に着目した。特許文献2に記載の高温高圧用鋳鋼では、Crの含有量を8〜13%とし、JIS G 5151に規定されたSCPH材(高温高圧用鋳鋼品)の1〜1.5%と比較するとかなり多い。本発明者等の検討によれば、Crの含有量が多いと、鋳鋼表面に形成される酸化被膜薄いため、酸化被膜の強度が低く、その結果、酸化被膜が母材から剥離し易いことが判明している。
また、特許文献2では、Siは不可避不純物として0.1%以下に制限している。これに対して、本発明者等の検討によれば、Siの含有量が少ないと、酸化被膜と母材との密着性が低く、酸化被膜が母材から剥離し易くなることが判明している。
本発明の金型は、上記知見に基づいてなされたもので、重量%で、Siを1.25%以上3.00%以下、Crを1.25%以下、Cを0.2%以下、Mnを0.5%以上0.8%以下、Moを0.9%以上1.2%以下、Vを0.15%以上0.25%以下、残部Fe及び不可避不純物からなる鋳鋼からなり、熱処理を施すかブロー成形で使用することにより、表面に膜厚が1.5〜10μmの酸化被膜を形成したことを特徴としている。なお、Crの含有量は0であっても良い。以下、本発明の数値限定の根拠を本発明の作用とともに説明する。なお、以下の説明において「%」は「重量%」を意味するものとする。
Si:1.25〜3.00%
Siの含有量が1.25%を下回ると、酸化被膜と母材との密着性が充分でなく、酸化被膜が母材から剥離し易くなる。一方、Siの含有量が3.00%を超えると、酸化被膜が生成され難くなる。よって、Siの含有量は1.25〜3.00%とした。なお、Siの含有量が2.50%を超えると鋳鋼が脆化するので、Siの含有量は2.5%以下であることが望ましい。また、酸化被膜と母材との密着性を確実に得るために、Siの含有量は1.50%以上であることが望ましい。
Cr:1.25%以下
Crが少ない程酸化被膜が生成され易くなる。アルミニウムの素材をブロー成形する場合には、金型に求められる強度が低いので、Crの含有量を低くしても問題はない。ただし、母材の強度を確保するために少しでも含有することが望ましい。これらの観点から、Crの含有量は0.10〜0.50%であることが望ましい。
本発明の金型では、ブロー成形中に金型の表面に酸化被膜が形成され、あるいは、特別な熱処理によって酸化被膜を形成する。そして、本発明では、SiとCrの含有量を規定することにより、350〜550℃といった比較的低温での熱処理でも充分な厚さの酸化被膜を形成するとともに、酸化被膜と母材との密着強度を高めることができる。したがって、本発明では、酸化被膜の不活性によりアルミニウムの金型への凝着を低減することができるとともに、酸化被膜と母材との密着性を高めて酸化被膜の剥離を抑制することができ、これにより高い製品価値を維持することができる。すなわち、ブロー成形では、金型表面の形状が製品に転写され易いため、金型表面の品質が重要である。したがって、酸化被膜の強度と母材との密着性が特に重要であり、本発明はそのような条件を備えたものである。
鋳鋼のSiおよびCr以外の成分としては、たとえば、C:0.1〜0.30%、Mn:0.50〜0.80%、Mo:0.90〜1.20%、V:0.15〜0.25%の1種または2種以上を含有することができる。
酸化被膜はFeである。金型を熱処理ないしブロー成形で使用することにより、FeとFeとが混った酸化被膜が形成される。しかしながら、Feは脆いためブロー成形で無くなってしまうから、酸化被膜は殆どがFeとなる。酸化被膜の膜厚は薄過ぎると強度が不足し、厚過ぎると自己崩壊する。これらの観点から、酸化被膜の膜厚は、1.5〜10μmが望ましく、3.0〜10μmであればさらに好適である。なお、金型をブロー成形で使用することで生成される酸化被膜は、熱処理により生成される酸化被膜と実質的に同一である。
次に、本発明の具体的な実施例を示す。
1.密着性試験
高温高圧用鋳鋼(SCPH23)のSiおよびCrの含有量を0%から3.00%まで変えた材料で試験片を作製し、試験片を500℃で48時間加熱して表面に酸化被膜を形成した。この材料のSiおよびCr以外の成分を表1に示す。
Figure 0005275676
次に、上記試験片にアルミニウム材料を3MPaの応力で押し付け、酸化被膜の剥離の有無を調査した。表2は、SiおよびCrの含有量に対する剥離の有無を示すものである。表2から判るように、Siを1.25%以上3.00%以下、Crを1.25%以下含有する本発明例では、酸化被膜の剥離が概ね無く、良好な結果を示した。特に、Siを1.50%以上2.50%以下、Crを0.10%以上0.50%以下含有する本発明の好適な例では、殆どの試験片で剥離が生じなかった。
Figure 0005275676
一方、表2の太線で囲った部分は、現行のSCPH23のSiおよびCrの含有量である。これから判るように、現行のSCPHでは酸化被膜の強度と母材に対する密着力が低いために、全ての試験片で酸化被膜が剥離した。
2.酸化被膜の膜厚
上記試験片の酸化被膜の膜厚を測定した。その結果を表3に示す。表3から、Crの含有量が減少するに従って酸化被膜の膜厚が増加することが判る。また、Siの含有量が増加するに従って酸化被膜の膜厚が減少することが判る。表3の太線で囲った領域のうち左側の領域は現行のSCPH23であり、右側の領域は本発明の範囲である。現行のSCPH23では、酸化被膜の膜厚は本発明例と変わらないが、Siの含有量が少ないために酸化被膜が剥離した。
Figure 0005275676
3.ブロー成形試験
Siを2.0%、Crを0.25%、および表1に示す他の成分を含有する材料から金型を作製し、その金型を500℃で48時間熱処理を行った。この金型を用いてアルミニウム素材板のブロー成形を行ったところ、金型内面へのアルミニウムの凝着はなく、また、酸化被膜の剥離もなく外観が良好な成型品が得られた。
本発明の金型は、アルミニウムの金型への凝着を低減することができるとともに、酸化被膜と母材との密着性を高めて酸化被膜の剥離を抑制することができるので、アルミニウムを素材とするブロー成形の分野に適用することができる。

Claims (2)

  1. 重量%で、Siを1.25%以上3.00%以下、Crを1.25%以下、Cを0.2%以下、Mnを0.5%以上0.8%以下、Moを0.9%以上1.2%以下、Vを0.15%以上0.25%以下、残部Fe及び不可避不純物からなる鋳鋼からなり、熱処理を施すかブロー成形で使用することにより、表面に膜厚が1.5〜10μmの酸化被膜を形成したことを特徴とする金型。
  2. 重量%で、Siを1.50%以上2.50%以下、Crを0.10%以上0.50%以下含有する鋳鋼からなることを特徴とする請求項1に記載の金型。
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