JP2005194563A - 高精度金型用鋼 - Google Patents

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大円 横井
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Abstract

【課題】 高硬度、高精度が得られ、かつ表面処理に適した高精度金型用鋼を提供する。【解決手段】 質量%で、C:0.5〜1.2%、Si:0.1〜2.0%Mn:0.1〜0.8%、Cr:4.5〜10.0%、MoまたはWの1種または2種をMo当量(Mo+1/2W)=1.0〜5.0%、VまたはNbの1種または2種をV当量(V+1/2Nb)=0.1〜2.0%を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなり鋼を粉末法にて得ることにより炭化物の平均粒径が光学顕微鏡で5μm以下、該炭化物の面積率が光学顕微鏡で15%以下であることを特徴とする高精度金型用鋼。
【選択図】 なし

Description

本発明は、高強度、高精度が要求される粉末高精度金型用鋼に関するものである。
近年、冷間加工品の高精度化傾向の増大により、金型用鋼には高硬度、高精度が得られ、かつ表面処理に適した材料が必要となっている。これに対応するために従来においては、高合金化を図るものであるが、この高合金化の場合には、熱処理時の残留応力が大きく、残留オーステナイト量も多くなるため、歪み、変寸および経年変化を生じやすくなる。これらの対策として、例えば特開昭61−159557号公報(特許文献1)に開示されているように、耐摩耗性、高硬度および靱性を得るため、通常の溶製法では製造できない成分系を粉末法で製造する方法が提案されている。
また、特開平2−182867号公報(特許文献2)には、C:0.8〜3.0%、Si:3.0%以下、Mn:3.0%以下、Cr:4.6〜10.0%、W:20.0%以下、V:0.1〜5.0%およびCo:10.0%以下を含有し、残余が実質的にFeからなる合金組織の、焼入性および靱性に優れた粉末工具鋼が提案されている。また、特開平5−163551号公報(特許文献3)には、工具の使用条件の高速化に対応可能な高い高温焼もどし軟化抵抗を有し、高靱性も併せもつ粉末高速度工具鋼が提案されている。さらに、特開平10−46300号公報(特許文献4)では、大型の工具にも適用できる靱性および耐摩耗性に優れた粉末工具鋼が提案されている。
特開昭61−159557号公報 特開平2−182867号公報 特開平5−163551号公報 特開平10−46300号公報
しかしながら、上述した特許文献1に開示されている材料は、特性面では優れているが、高精度化および表面処理の適用の点では十分でない。また、特許文献2は焼入性に優れ、高靱性を有する粉末工具鋼であるが、歪み、変寸、経年変化の点で課題が残るし、また、高価なCoを必須元素としている。また、特許文献3は高温焼戻し軟化抵抗に優れ、高靱性も併せもつ粉末高速度工具鋼であるが、1200、1250℃の高温焼入れを必要とし、残留応力に起因する歪み、変寸の点で課題が残るし、W+2Moを14〜20%で必須としている。さらに、特許文献4は大型の工具にも適用できる靱性および耐摩耗性に優れた粉末工具鋼であるが、本発明とは成分範囲が異なる鋼を対象としている。
上述したような問題を解消するために、発明者らは鋭意開発を進めた結果、高硬度、高精度が得られ、かつ表面処理に適した鋼材として、特に60HRC以上の硬さが得られ、機械加工および熱処理時の歪み、変寸、使用時の経年変化が最小になる成分範囲に規制し、また、材料の方向性を無くし、炭化物を表面処理に適した均一微細に分布した状態にするための粉末法による工具鋼を提供するものである。
その発明の要旨とするところは、
(1)質量%で、C:0.5〜1.2%、Si:0.1〜2.0%、Mn:0.1〜0.8%、Cr:4.5〜10.0%、MoまたはWの1種または2種をMo当量(Mo+1/2W)=1.0〜5.0%、VまたはNbの1種または2種をV当量(V+1/2Nb)=0.1〜2.0%を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなり鋼を粉末法にて得ることにより炭化物の平均粒径が光学顕微鏡で5μm以下、該炭化物の面積率が光学顕微鏡で15%以下であることを特徴とする高精度金型用鋼。
(2)前記(1)に記載の鋼を焼入焼戻しを行なったときの硬さが60HRC以上であることを特徴とする高精度金型用鋼にある。
以上述べたように、本発明により高硬度、高精度が得られ、かつ表面処理に適した鋼材が得られ、超硬を用いた金型に比べ、金型コストが大幅に低減することが出来る極めて優れた効果を奏するものである。
以下、本発明に係る成分組成の限定理由について説明する。
C:0.5〜1.2%
Cは、焼入焼戻し時の硬さを確保するに必要な元素であるが、しかし、その含有量が0.5%未満では十分な強度を確保することが出来ない。一方、1.2%を超えると熱処理時の歪みが大きく、機械加工時の変寸が大きくなり、さらには経年変化も大きくなることから、その範囲を0.5〜1.2%とした。望ましくは0.7〜1.0%とする。
Si:0.1〜2.0%
Siは、溶製時の脱酸剤、耐酸化性を向上させるために使用されるが、しかし、含有量が0.1%未満ではその効果が十分得られず、2.0%を超える添加は、靱性を低下させることからその範囲を0.1〜2.0%とした。望ましくは0.3〜1.2%とする。
Mn:0.1〜0.8%
Mnは、Siと同様に、溶製時の脱酸剤として使用されると共に、焼入性を高める元素である。しかし、含有量が0.1%未満ではその効果が十分得られず、0.8%を超える添加は、靱性を低下させることから、その範囲を0.1〜0.8%とした。
Cr:4.5〜10.0%
Crは、硬質炭化物を形成し、硬さ、耐摩耗性を向上させると共に、焼入性を向上させる元素である。しかし、4.5%未満ではその効果が十分得られず、10.0%を超える添加は、熱処理時の歪みが大きく、機械加工時の変寸が大きくなり、さらには経年変化も大きくなることから、その範囲を4.5〜10.0%とした。望ましくは5.5〜8.5%とする。
MoまたはWの1種または2種をMo当量(Mo+1/2W)=1.0〜5.0%
Mo、Wは、硬質炭化物を形成し、硬さ、耐摩耗性を向上させると共に、焼入性を向上させる元素である。しかし、Mo当量が1.0%未満ではその効果が十分得られず、また、5.0%を超えると、熱処理時の歪みが大きく、機械加工時の変寸が大きくなり、さらには径年変化も大きくなることから、その範囲を1.0〜5.0%とした。望ましくは2.0〜4.0%とする。
VまたはNbの1種または2種をV当量(V+1/2Nb)=0.1〜2.0%
VまたはNbは、硬質炭化物を形成し、硬さ、耐摩耗性を向上させると共に、結晶粒微細化の効果がある元素である。しかし、V当量が0.1%未満ではその効果が十分得られず、また、2.0%を超えると、熱処理時の歪みが大きく、機械加工時の変寸が大きくなり、さらには経年変化も大きくなることから、その範囲を0.1〜2.0%とした。望ましくは0.5〜1.3%とする。
炭化物の平均粒径が光学顕微鏡で5μm以下および炭化物の面積率が光学顕微鏡で15%以下
炭化物の平均粒径および炭化物の面積率を規制したのは、コーティング被膜の剥離を抑制(コーティング被膜と接触する炭化物面積を減らす)するためで、その炭化物の平均粒径が光学顕微鏡で5μmを超えるとその効果は十分得られない。一方、炭化物の面積率が光学顕微鏡で15%を超えると炭化物の平均粒径の場合と同様に、その効果は十分得られないことから、その上限をそれぞれ5μm以下、15%以下とした。望ましくは炭化物の平均粒径は3μm以下、炭化物の面積率は7%以下とする。
焼入焼戻しを行なったときの硬さが60HRC以上
焼入焼戻しを行なったときの硬さは、コーティング被膜の剥離を抑制するために必要な硬さであり、その硬さが60HRC未満ではその効果が十分得られないことから、その下限を60HRC以上とした。望ましくは62HRC以上とする。
以下、本発明について実施例によって具体的に説明する。
表1に示す供試材を真空誘導溶解炉にて溶解し、アトマイズ法にて得た粉末をHIP(熱間静水圧プレス処理)またはCIP(冷間静水圧プレス処理)処理を行う。また、必要に応じて、HIP(熱間静水圧プレス処理)またはCIP(冷間静水圧プレス処理)処理した材料を、押出(1200℃に加熱し、φ210)、圧延、鍛伸して、50×50×100mmなる試験片を得る。この試験片を表2に示す各々の焼入焼戻し処理条件にてそれぞれ処理を行ない、その後各測定に供した。
熱処理変寸測定は、50×50×100mmなる試験片を焼入れ前寸法に対する焼入焼戻し後寸法変化率で評価した。また、ワイヤーカット後の変寸測定は、50mm×50mmからC型試験片形状(外形φ40、内径φ30、抜き幅3mm)にワイヤーカットし、抜き幅3mm部の変化量を測定した。また、経年変化測定は、30×30×30mmなる試験片を加工後2週間後から3カ月後の期間における寸法変化の最大値で評価した。さらに、コーティング被膜の密着性は、TiNをコーティングし、スクラッチ試験により剥離し易さを評価した。その評価としては、○は良好、△は劣る、×は不良とした。その結果を表2に示す。
Figure 2005194563
Figure 2005194563
表2に示すように、No.1〜No.6は本発明鋼であり、No.7〜No.10は比較鋼である。比較鋼No.7の製造法は溶製法によるもので、炭化物の平均粒径が大きく、その結果、熱処理変寸率、加工変寸および経年変化のいずれも大きい。比較鋼No.8はC含有量が低いために、焼入焼戻し硬さが得られない。また、熱処理変寸率および加工変寸が大きく、コーティング密着性も悪い。
比較鋼No.9はCr含有量が高く、かつMo当量が高く、炭化物の平均粒径が大きいために、加工変寸および経年変化が大きく、コーティング密着性も劣る。比較鋼No.10はC含有量、およびCr含有量が高く、かつV当量が大きく、さらには炭化物の平均粒径が大きく、かつ炭化物の面積率も大きい場合であり、この場合には熱処理変寸率および加工変寸が大きく、コーティング密着性が悪いことが判る。これに対し、本発明鋼であるNo.1〜No.6はいずれの特性も優れていることが判る。


特許出願人 山陽特殊製鋼株式会社
代理人 弁理士 椎 名 彊

Claims (2)

  1. 質量%で、
    C:0.5〜1.2%、
    Si:0.1〜2.0%、 Mn:0.1〜0.8%、
    Cr:4.5〜10.0%、
    MoまたはWの1種または2種をMo当量(Mo+1/2W)=1.0〜5.0%、VまたはNbの1種または2種をV当量(V+1/2Nb)=0.1〜2.0%を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなり鋼を粉末法にて得ることにより炭化物の平均粒径が光学顕微鏡で5μm以下、該炭化物の面積率が光学顕微鏡で15%以下であることを特徴とする高精度金型用鋼。
  2. 請求項1に記載の鋼を焼入焼戻しを行なったときの硬さが60HRC以上であることを特徴とする高精度金型用鋼。
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