JP5275117B2 - 電動工具 - Google Patents

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Description

この発明は、例えば電動ドライバやねじ締め機等の主として回転動力を出力する電動工具に関する。
一般にこの種の電動工具は、駆動源としての電動モータの回転動力を変速装置によって減速して必要な回転トルクを出力する構成を備えている。多くの場合変速装置には、遊星歯車機構が用いられている。
例えば、ねじ締め機では、締め付け当初は小さなトルクで足り、締め付けが進行するに従って徐々に大きな回転トルクが必要となる。このため、締め付け当初では変速装置の減速比を小さくして高速低トルクを出力し、締め付け途中で変速装置の減速比を大きくして低速高トルクを出力することが、迅速かつ確実なねじ締めを行う観点で要求される機能となる。しかも、締め付け途中の段階で、出力軸に付加される締め付け抵抗(外部トルク)が一定値に達した時点で自動的に減速比が切り換わることが使い勝手の点で要求される。
下記の特許文献2には、電動モータの出力軸とねじ締めビットを装着したスピンドルとの間に二段階の遊星歯車機構を有する変速装置を介装したねじ締め機が開示されている。この変速装置によれば、ねじ締め当初では二段目遊星歯車機構のインターナルギヤを介して一段目遊星のキャリアと二段目遊星のキャリアが直結される結果、高速低トルクが出力されて迅速なねじ締めがなされる。ねじ締めが進行して使用者がねじ締め機の押し付け力を強くすると、二段目遊星歯車機構のインターナルギヤが軸方向へ相対変位して一段目遊星歯車機構のキャリアから切り離される一方、その回転が固定されることにより第2段遊星での減速が加わる結果当該変速装置の減速比が大きくなって低速高トルクが出力されて確実なねじ締めがなされる。
下記の特許文献1には、自動変速により切り換わった低速高トルク出力状態を初期状態の高速低トルク出力状態に戻すためのリセット機構が開示されている。この従来のリセット機構によれば、本体部の動作を停止させるためになされるスイッチレバーの戻し動作を利用して変速装置を初期状態(高速低トルク出力状態)に戻す構成であるので、当該ねじ締め機の使用者の特別の操作を必要とすることなく、変速装置を初期状態にリセットすることができる。
特許第3084138号公報 特許第3289958号公報
しかしながら、上記従来のリセット機構によれば、オフ位置に戻されるスイッチレバーがリセットレバーを押すことにより変速用インターナルギヤを反転ばねに抗して初期値に戻す構成であったため、スイッチレバーには反転ばねに抗してリセットレバーを押すに足る十分大きな付勢力を持たせる必要があり、その結果この大きな戻し付勢力に抗して当該スイッチレバーを引き操作することとなって、その操作性が損なわれる問題があった。
本発明は係る従来の問題を解消するためになされたもので、電動工具の変速装置において、スイッチレバーの操作性を損なうことなく初期状態にリセットされるようにすることを目的とする。
このため、本発明は、特許請求の範囲の各請求項に記載した構成の電動工具とした。
請求項1記載の電動工具によれば、駆動源としての電動モータの回転動力は、第1及び第2遊星歯車機構を有する変速装置によって二段階で変速されてスピンドルに出力される。スピンドルに付加される外部トルクが増大すると、第2遊星歯車機構のインターナルギヤの回転がインターナル規制部材により規制されて、スピンドルに低速高トルクが出力される状態に自動的に変速される。
この自動的に切り換わった低速高トルク出力状態は、モードロック機構によってロックされる。この低速高トルク出力状態は、リセット機構によって初期状態(高速低トルク出力状態)に戻される。このリセット機構は、従来のようにスイッチレバーのオフ位置への戻し操作を利用して作動するのではなく、別途設けたアクチュエータを駆動源として作動する。このため、スイッチレバーの戻し操作力を大きくする必要がないので、その操作性を損なうことなく、変速装置を初期状態に戻すことができる。
請求項2記載の電動工具によれば、アクチュエータとしてのリセットモータが起動するとリセットアームを介してロックリングがアンロック側に戻されて変速装置が初期状態にリセットされる。
請求項3記載の電動工具によれば、スイッチレバーがオフ操作されて電動モータが停止した後、一定時間が経過することにより両遊星歯車機構を構成するギヤ列が完全に停止した状態でリセット機構が作動してインターナルギヤが回転可能な状態にリセットされることから、当該インターナルギヤが回転中(空転中)に他のギヤに噛み合わされることがなく、これにより当該変速装置の耐久性を高めることができる。
請求項4記載の電動工具によれば、変速装置の低速高トルク出力状態がロック機構のロックリングがロック位置に移動することによりロックされる。リセット機構は、このロックリングがロック位置に位置することが確認されれば自動的に作動し、確認されない場合には作動しない。このようにロックリングの位置を確認することにより間接的に低速高トルク出力状態であることを確認した上でリセット機構が作動するのであり、高速低トルク出力状態ではリセット機構が作動しないことから、不必要時の無駄な動作(変速装置が高速低トルク出力状態であるにもかかわらず、これを同状態に戻そうとする空動作)を省略して当該電動工具を即座に使用可能な状態とすることができる。
このように、リセット機構は、変速装置が低速高トルク出力状態に切り換わった状態でのみ作動し、初期状態である高速低トルク出力状態では作動しないので、例えば試し回転をした場合であって無負荷状態のまま当該電動工具を停止させた場合には作動しない。このため、試し回転停止の直後に使用可能な状態となって再起動を迅速に行うことができるので、この点当該電動工具の使い勝手を従来よりもよくすることができる。
リセット機構の作動中は、変速装置が低速高トルク出力状態から高速低トルク出力状態に戻される過程であるので、その損傷等を防止する観点から当該変速装置に対する回転動力の入力が停止され、従ってその間当該電動工具の起動が停止される。上記試し回転の場合等には、この再起動停止時間であってリセット機構の作動時間を省略することができる。
請求項5記載の電動工具によれば、ロックリングがロック位置に位置して変速装置が低速高トルク出力状態であることがセンサにより検知され、このセンサの出力信号によってリセット機構が作動する。このため、リセット機構は、変速装置が低速高トルク出力状態に切り換わった状態でのみ作動し、試し回転等をした場合であって変速装置をリセットする必要がない場合には当該リセット機構は作動しないことから、不必要時に当該リセット機構の無駄な動作を省略して、当該電動工具を迅速に再起動させることができ、これによりその使い勝手を従来よりもよくすることができる。
本実施形態の電動工具の全体の縦断面図である。本図は、変速装置の初期状態を示している。 本実施形態に係る変速装置の拡大図である。本図は、変速装置の初期状態であって自動変速モードにおける高速低トルク出力状態を示している。 自動変速モード位置に切り換えた状態のモード切り換えリングの側面図である。本図は、高速低トルク出力状態を示している。 本実施形態に係る変速装置の拡大図である。本図は、自動変速モードにおける低速高トルク出力状態を示している。 自動変速モード位置に切り換えた状態のモード切り換えリングの側面図である。本図は、低速高トルク出力状態を示している。 本実施形態に係る変速装置の拡大図である。本図は、高速固定モードに切り換えた状態を示している。 高速固定モード位置に切り換えた状態のモード切り換えリングの側面図である。 本実施形態に係る変速装置の拡大図である。本図は、低速固定モードに切り換えた状態を示している。 低速固定モード位置に切り換えた状態のモード切り換えリングの側面図である。 本実施形態に係る変速装置の各動作モードを一覧表で表した図である。 モードロック機構の拡大図である。本図は、モードロック機構のアンロック状態を示している。 モードロック機構の拡大図である。本図は、モードロック機構のロック状態を示している。本図では、第2段インターナルギヤが回転規制位置にロックされた状態が示されている。 本発明の第2実施形態に係るモードロック機構の拡大図である。本図は、第2段インターナルギヤが回転規制位置においてワンウェイクラッチにより回転ロックされた状態を示している。 本発明の第3実施形態に係るモードロック機構の拡大図である。本図は、モードロック機構のアンロック状態を示している。 第3実施形態のモードロック機構におけるリセット機構の側面図である。本図は、ロックリングがロック位置に位置する状態を示している。 第3実施形態のモードロック機構におけるリセット機構の側面図である。本図は、ロックリングがアンロック位置に戻された状態を示している。 リセットアーム単体の斜視図である。 リセット機構を前側から見た図である。 第4実施形態のモードロック機構におけるリセット機構の側面図である。本図は、ロックリングが前側のロック位置に位置する状態を示している。 第4実施形態のモードロック機構におけるリセット機構の側面図である。本図は、ロックリングが後ろ側のアンロック位置に戻された状態を示している。 第4実施形態のモードロック機構におけるリセット機構の動作フローを示す図である。
次に、本発明の実施形態を図1〜図21に基づいて説明する。図1は、第1実施形態に係る電動工具1の全体を示している。本実施形態では、電動工具1の一例として充電式電動ドライバドリルを例示する。この電動工具1は、先端工具としてドライバビットを装着することにより電動ねじ締め機として用いることができ、ドリルビットを装着することにより孔明け加工用の電動ドライバとして用いることができる。
この電動工具1は、本体部2とハンドル部3を備えている。本体部2は概ね円柱体形状を有するもので、その長手方向(機軸方向)の中程から側方へ突き出す状態にハンドル部3が設けられている。本体部2とハンドル部3は、機軸方向(図1において左右方向)に対して左右に二分された2つ割りハウジングを相互に突き合わせて結合したハウジングを備えている。以下、本体部2のハウジングを本体ハウジング2aと言い、ハンドル部3のハウジングをハンドルハウジング3aと称して必要に応じて区別する。
ハンドル部3の基部前側には、トリガ形式のスイッチレバー4が配置されている。このスイッチレバー4を使用者が指先で引き操作すると電動モータ10が起動する。また、ハンドル部4の先端には、バッテリパック5を取り付けるためのバッテリ取り付け台座部6が設けられている。このバッテリパック5を電源として電動モータ10が作動する。
電動モータ10は、本体部2の後部に内蔵されている。この電動モータ10の回転動力は、三つの遊星歯車機構を有する変速装置Hにより減速されてスピンドル11に出力される。スピンドル11の先端には、先端工具を装着するためのチャック12が取り付けられている。
三つの遊星歯車機構は電動モータ10からスピンドル11に至る動力伝達経路に介在されている。以下、動力伝達経路の上流側から第1段遊星歯車機構20、第2段遊星歯車機構30、第3段遊星歯車機構40と言う。第1〜第3段遊星歯車機構20,30,40の詳細が図2に示されている。第1〜第3遊星歯車機構20,30,40は、電動モータ10の出力軸10aに同軸に配置され、またスピンドル11に同軸に配置されている。以下、スピンドル11の回転軸(電動モータ10の出力軸10aの回転軸)を機軸Jとも言う。この機軸J上に電動モータ10、第1〜第3段遊星歯車機構20,30,40及びスピンドル11が配置されている。この機軸Jに沿った方向が当該電動工具1の機軸方向であり、この機軸方向が本体部2の長手方向となる。
電動モータ10の出力軸10aに第1段遊星歯車機構20の第1段太陽ギヤ21が取り付けられている。この第1段太陽ギヤ21には三つの第1段遊星ギヤ22〜22が噛み合わされている。この三つの第1段遊星ギヤ22〜22は、第1段キャリア23に回転自在に支持されている。また、この三つの第1段遊星ギヤ22〜22は、第1段インターナルギヤ24に噛み合わされている。第1段インターナルギヤ24は、本体ハウジング2aの内面に沿って取り付けられている。この第1段インターナルギヤ24は、機軸J回りに回転不能かつ機軸J方向に移動不能に固定されている。
第1段キャリア23の前面中心には第2段太陽ギヤ31が一体に設けられている。この第2段太陽ギヤ31には三つの第2段遊星ギヤ32〜32が噛み合わされている。この三つの第2段遊星ギヤ32〜32は、第2段キャリア33に回転自在に支持されている。また、この三つの第2段遊星ギヤ32〜32は、第2段インターナルギヤ34に噛み合わされている。この第2段インターナルギヤ34は、機軸J回りに回転可能かつ機軸J方向に一定の範囲で変位可能な状態で本体ハウジング2aの内面に沿って支持されている。この第2段インターナルギヤ34の詳細については後述する。
第2段キャリア33の前面中心には第3段太陽ギヤ41が一体に設けられている。この第3段太陽ギヤ41には三つの第3段遊星ギヤ42〜42が噛み合わされている。この三つの第3段遊星ギヤ42〜42は、第3段キャリア43に回転自在に支持されている。また、この三つの第3段遊星ギヤ42〜42は、第3段インターナルギヤ44に噛み合わされている。この第3段インターナルギヤ44は本体ハウジング2aの内面に沿って取り付けられている。この第3段インターナルギヤ44は、機軸J回りに回転不能かつ機軸J方向に移動不能に固定されている。
第3段キャリア43の前面中心にスピンドル11が同軸に結合されている。スピンドル11は、軸受け13,14を介して本体ハウジング2aに対して機軸J回りに回転自在に支持されている。このスピンドルの先端にチャック12が取り付けられている。
前記したように第2段インターナルギヤ34は、機軸J回りに回転可能かつ機軸J方向に一定の範囲で移動可能に支持されている。この第2段インターナルギヤ34の後面には、周方向に沿って複数のクラッチ歯34a〜34aが設けられている。このクラッチ歯34a〜34aは、第1段キャリア23の前面に同じく周方向に沿って設けたクラッチ歯23a〜23aに噛み合わされている。このクラッチ歯23a,34aの噛み合い状態を経て、第2段インターナルギヤ34が第1段キャリア23と一体で回転する。このクラッチ歯23a,34aの噛み合い状態は、第1段キャリア23に対して相対回転させるための外部トルクが第2段インターナルギヤ34に付加されて当該第2段インターナルギヤ34が機軸J方向前側(第1段キャリア23から離れる方向)に変位することによって外れる。
図2は、第2段インターナルギヤ34のクラッチ歯34a〜34aが第1段キャリア23のクラッチ歯23a〜23aに噛み合った状態を示している。この噛み合い状態では、第2段インターナルギヤ34は機軸J方向について後側(図2において左側)の回転許容位置に位置しており、この回転許容位置では第2段インターナルギヤ34は第1段キャリア23と一体で回転し、従ってこの場合には第2段太陽ギヤ31と第2段インターナルギヤ34が一体で回転する。スピンドル11を経て第2段インターナルギヤ34に一定以上の外部トルクが付加されると、第1段キャリア23に対して第2段インターナルギヤ34が相対回転してクラッチ歯34aとクラッチ歯23aの噛み合いが外れ、その結果第2段インターナルギヤ34が機軸J方向前側(図2において右側)へ変位する。
第2段インターナルギヤ34は、圧縮ばね35によって上記回転許容位置側へ付勢されている。このため、第2段インターナルギヤ34はこの圧縮ばね35の付勢力に抗して機軸J方向前側(クラッチ歯23a,34aが外れる方向)へ変位する。また、この圧縮ばね35の付勢力に基づいて、第2段インターナルギヤ34が前側へ変位して減速比が切り換わるための一定の外部トルクが設定されている。
圧縮ばね35は、第2段インターナルギヤ34の前面に対して押圧板36を介在させて作用している。すなわち、第2段インターナルギヤ34は、その前面に当接された円環形状の押圧板36を介して作用する圧縮ばね35の付勢力によってクラッチ歯34a,23aが噛み合う方向であって回転許容位置側に押し付けられている。
押圧板36の後側には転動板37が配置されている。転動板37も円環形状を有しており、第2段インターナルギヤ34の周囲に沿って機軸J回りに回転可能に支持されている。この転動板37と、第2段インターナルギヤ34の周面に設けたフランジ部34bの前面との間には、多数の鋼球38〜38が挟み込まれている。この鋼球38〜38と転動板37が、第2段インターナルギヤ34を回転自在に支持しつつ圧縮ばね35の付勢力を作用させるためのスラスト軸受けとして機能する。
前側の押圧板36と後側の転動板37との間には、上下2本のモード切り換え部材39,39が挟み込まれている。この2本のモード切り換え部材39,39には2本の長尺な軸(ピン)が用いられている。この2本のモード切り換え部材39,39は、押圧板36と転動板37の間の上部と下部において、図2において紙面に直交する方向で相互に平行に挟み込まれている。この2本のモード切り換え部材39,39の両端部は、それぞれ本体ハウジング2aの外部に突き出されている。図3に示すように、両モード切り換え部材39,39の両端部は、それぞれ本体ハウジング2aの両側部に設けた挿通溝孔2b〜2bを経て外部に突き出されている。上下2本のモード切り換え部材39,39は、それぞれ本体ハウジング2aの両側部間に跨った状態で相互に平行に支持されている。合計4箇所の挿通溝孔2b〜2bは、モード切り換え部材39を挿通可能な溝幅で、機軸J方向に長く形成されている。このため、上下2本のモード切り換え部材39,39は、それぞれその両端部が挿通溝孔2b,2b内において変位可能な範囲で機軸J方向前後に平行移動可能となっている。上下2本のモード切り換え部材39,39は、後述するモード切り換えリング50によって同時に同じ方向へ平行移動する。図2に示す初期状態(スピンドルに外部トルクが付加されていない状態)では、第2段インターナルギヤ34が圧縮ばね35によって回転許容位置に位置しており、従ってこの状態では両モード切り換え部材39,39が後側に位置して押圧板36と転動板37との間にほぼ挟まれた状態となる。
これに対して、両モード切り換え部材39,39が前側へ平行移動すると、押圧板36が圧縮ばね35に抗して前側へ平行移動される。押圧板36が前側へ平行移動されると、圧縮ばね35が第2段インターナルギヤ34に作用しなくなる。圧縮ばね35の付勢力が第2段インターナルギヤ34に作用しない状態では、クラッチ歯34aとクラッチ歯23aとの噛み合い状態を保持する力がなくなるため、当該第2段インターナルギヤ34に回転方向の僅かな外力(例えば電動モータ10の起動トルク)が付加されると、即座に第1段キャリア23に対して相対回転し、その結果当該第2段インターナルギヤ34が機軸J方向前側へ変位する。
上下2本のモード切り換え部材39,39は、前記したモード切り換えリング50の回転操作によって外部から簡単に移動操作することができる。このモード切り換えリング50は円環形状を有するもので、本体ハウジング2aの外周側に機軸J回りに回転可能に支持されている。このモード切り換えリング50の周囲1箇所には使用者が回転操作時に摘むツマミ部50aが一体に設けられている。
このモード切り換えリング50を機軸J回りに一定の角度範囲で回転操作することにより、当該電動工具1の回転出力が、スピンドル11に付加される外部トルクが前記圧縮ばね35の付勢に基づいて設定された一定値に達した時点で「高速低トルク」出力状態(高速低トルクモード)から「低速高トルク」出力状態(低速高トルクモード)に自動的に切り換わる自動変速モードと、「高速低トルク」出力状態に固定された高速固定モードと、「低速高トルク」出力状態に固定された高トルク固定モードの3つの動作モードを任意に切り換えることができる。
図3に示すようにこのモード切り換えリング50には、本体ハウジング2aの4箇所の挿通溝孔2b〜2bに対応して(整合する位置に)4つの切り換え溝部51〜51が設けられている。各切り換え溝部51に、上下2本のモード切り換え部材39,39の各端部であって本体ハウジング2aから突き出された部分が進入している。
各切り換え溝部51は、機軸J回り方向に長い高速固定モード用の後側溝部51bと、同じく機軸J回り方向に長い高トルク固定モード用の前側溝部51cと、両溝部51b,51cを連通する自動変速モード用の中間溝部51dを有する概ねクランク形(S字形)に形成されている。機軸J方向の位置について、後側溝部51bが後側(図3において左側)に、前側溝部51cがこれよりも前側(図3において右側)に、概ね溝幅分だけずれて配置されている。
後側溝部51bと前側溝部51cを連通する中間溝部51dは、機軸J方向の長さについて、本体ハウジング2の挿通溝孔2bとほぼ同じ長さで機軸J方向に長く形成されている。図3は、上下2本のモード切り換え部材39,39のそれぞれの両端部がこの中間溝部51d内の後ろ側に位置した状態を示している。この場合、モード切り換えリング50は、自動変速モードに切り換えられている。図3では、各モード切り換え部材39の端部が中間溝部51dの後側に位置している。この状態では、スピンドル11に一定値以上の外部トルクが作用していない状態であって、押圧板36を介して第2段インターナルギヤ34に圧縮ばね35の付勢力が作用し、その結果当該第2段インターナルギヤ34が回転許容位置に保持されて第1段キャリア23と一体で回転する状態となっている。この状態が変速装置Hの初期状態である。
この初期状態では、圧縮ばね35の付勢力の全部若しくは一部が、上下2本のモード切り換え部材39,39が切り換え溝部51〜51の後端部に押圧されることにより受けられるように当該切り換え溝部51〜51の位置(当該後端部の機軸J方向の位置)が設定されている。このため、電動モータ10の起動直後のアイドリング状態(無負荷時)では、第2段インターナルギヤ34に対して圧縮ばね35の付勢力がほとんど付加されず、若しくは一部のみが付加される状態となることから、当該第2段インターナルギヤ34を回転させるために必要なトルク(回転抵抗)が小さくなり、その結果当該電動工具1の消費電力(電流値)を下げることができるようになっている。
この自動変速モードでは、上下2本のモード切り換え部材39,39がそれぞれ中間溝部51d内を機軸J方向に変位可能な状態となるため、スピンドル11に一定値以上の外部トルクが付加されると、第2段インターナルギヤ34が圧縮ばね35に抗して機軸J方向前側の回転規制位置に変位する。この状態が図4及び図5に示されている。スピンドル11に付加される外部トルクが一定値以下に低下すると、後述するモードロック機構60の解除により第2段インターナルギヤ34が圧縮ばね35によって機軸J方向後側の回転許容位置に戻されて、第1段キャリア23と一体で回転可能な初期状態に戻される。この状態が図2及び図3に示されている。
第2段インターナルギヤ34が後側の回転許容位置に位置することによりそのクラッチ歯34a〜34aが第1段キャリア23のクラッチ歯23a〜23aに噛み合った状態では、第2段インターナルギヤ34が第1段キャリア23と一体で回転し、従って第2段遊星歯車機構30の減速比は小さくなる結果、スピンドル11は高速かつ低トルクで回転する。
これに対して、スピンドル11に付加される外部トルクが一定値以上に達して第2段インターナルギヤ34が前側の回転規制位置に変位することによりそのクラッチ歯34a〜34aと第1段キャリア23のクラッチ歯23a〜23aとの噛み合いが外れた状態では、第2段遊星歯車機構30の減速比は大きくなる結果、スピンドル11は低速かつ高トルクで回転する。自動変速モードでは、前者の高速低トルク出力状態と後者の低速高トルク出力状態との切り換えがスピンドル11に付加される外部トルクに基づいて自動的になされる。前者の高速低トルク出力状態では、モード切り換え部材39,39は、図3に示すように中間溝部51dの後側に位置する。後者の低速高トルク出力状態では、モード切り換え部材39,39は、図5に示すように中間溝部51dの前側に位置する。すなわち、上下2本のモード切り換え部材39,39は、第2段インターナルギヤ34と一体となって機軸J方向に変位する。
モード切り換えリング50を図2〜図5に示す自動変速モード位置から、図7に示す高速固定モード位置に回転操作すると、変速装置Hの動作が高速固定モードに切り換わる。この場合、モード切り換えリング50を使用者から見て時計回り方向(図3及び図5においてツマミ部50aを紙面手前に倒す方向)に一定角度回転操作すると自動変速モードから高速固定モードに切り換わる。モード切り換えリング50を高速固定モードに切り換えると、上下2本のモード切り換え部材39,39の両端部がそれぞれ後側溝部51b内に相対的に進入した状態となる。この状態では、両モード切り換え部材39,39は機軸J方向後側の位置に固定され、前側へ変位不能な状態となる。このため、スピンドル11に一定値以上の外部トルクが付加された場合であっても、図6に示すように第2段インターナルギヤ34は回転許容位置に保持されて第2段遊星歯車機構30は減速比の小さな状態に保持され、その結果スピンドル11には高速低トルク状態が出力される。このようにモード切り換えリング50を図7に示す高速固定モードに切り換えると、変速装置Hの出力状態は高速低トルク出力状態に固定される。
また、この高速固定モードでは、上下2本のモード切り換え部材39,39が、自動変速モードにおける初期状態と同様モード切り換え溝部51の後端部に当接し、これにより圧縮ばね35の付勢力の全部若しくは一部がこのモード切り換え部材39,39で受けられることから、第2段インターナルギヤ34の回転抵抗を小さくすることができ、ひいては当該電動工具1の消費電力(電流値)を下げることができる。
モード切り換えリング50を図3及び図5に示す自動変速モード位置あるいは図7に示す高速固定モード位置から、図9に示す高トルク固定モード位置に回転操作すると、変速装置Hの動作が高トルク固定モードに切り換わる。この場合、モード切り換えリング50を使用者から見て反時計回り方向(図3、図5及び図7においてツマミ部50aを紙面奥側へ倒す方向)に一定角度回転操作すると自動変速モード若しくは高速固定モードから高トルク固定モードに切り換わる。モード切り換えリング50を高トルク固定モードに切り換えると、上下2本のモード切り換え部材39,39の両端部がそれぞれ前側溝部51c内に相対的に進入した状態となる。この状態では、両モード切り換え部材39,39は機軸J方向前側へ圧縮ばね35に抗して変位し、この前側の位置に保持されて後側へ変位不能な状態となる。このため、第2段インターナルギヤ34に対して圧縮ばね35の付勢力が作用しない状態となる。この状態では、スピンドル11に対して僅かな外部トルクが付加された時点(電動モータ10が起動した時点)で、第2段インターナルギヤ34が機軸J方向前側の回転規制位置に変位して後述するモードロック機構60によって回転不能な状態に固定される結果、スピンドル11に低速高トルクが出力される状態に固定される。この状態が図8に示されている。この高トルク状態では、実質的に第2段インターナルギヤ34が機軸J方向前側の回転規制位置に固定された状態となり、従って低速高トルクの出力状態に固定された状態となる。
このように、外部から回転操作可能なモード切り換えリング50の操作により、変速装置Hの動作モードを、自動変速モード又は高速固定モード又は高トルク固定モードに任意に切り換えることができる。各モードと、切り換え溝51内におけるモード切り換え部材39の位置との関係が図10にまとめて示されている。自動変速モードでは、スピンドル11に付加される外部トルクが一定値に達すると、減速比が小さな高速低トルクモードから減速比が大きな低速高トルクモードに自動的に切り換わる。この低速高トルクモードは以下説明するモードロック機構60によってロックされる。
これに対してモード切り換えリング50を高速低トルクモード位置に回転操作すると、上下2本のモード切り換え部材39,39の機軸J方向の位置が後側に固定される結果、第2段インターナルギヤ34は回転許容位置にロックされ、従ってスピンドル11には外部トルクの変化に関係なく常時高速低トルクが出力される。
逆に、モード切り換えリング50を低速高トルクモード位置に回転操作すると、上下2本のモード切り換え部材39,39の機軸J方向の位置が前側に固定される結果、第2段インターナルギヤ34に対して圧縮ばね35の付勢力が作用しない状態となる。このため、電動モータ10を起動すると、第2段インターナルギヤ34がその起動トルク等の僅かな外部トルクによって瞬時に回転規制位置に変位し、この回転規制位置で以下説明するモードロック機構60によってロックされる。このため、この低速高トルクモードでは、第2段インターナルギヤ34が実質的に常時回転規制位置にロックされた状態となり、従ってスピンドル11に付加される外部トルクの変化に関係なく常時低速高トルクが出力される。
次に、第2段インターナルギヤ34の回転規制位置(機軸J方向前側の位置)は、モードロック機構60によって保持されるようになっている。このモードロック機構60の詳細が図11及び図12に示されている。図11は、このモードロック機構60が外れて第2段インターナルギヤ34が回転許容位置に保持された状態(クラッチ歯23a,34aが噛み合った状態)を示しており、図12がこのモードロック機構60によって第2段インターナルギヤ34が回転規制位置に保持された状態(クラッチ歯23a,34aの噛み合いが外れた状態)を示している。
このモードロック機構60は、第2段インターナルギヤ34を機軸J方向前側の回転規制位置に保持する機能と、この回転規制位置に位置する第2段インターナルギヤ34を回転不能にロックする機能を有している。
第2段インターナルギヤ34の外周面であってフランジ部34bの後側には、係合溝部34cが全周にわたって設けられている。この係合溝部34c内の、周方向3等分位置には係合壁部34d〜34dが設けられている。一方、本体ハウジング2aには、その周方向の三等分位置に1つずつ係合球61が保持されている。この三つの係合球61〜61が特許請求の範囲に記載したインターナル規制部材の一実施形態に相当するもので、それぞれ本体ハウジング2aに設けた保持孔2c内に保持されている。この保持孔2c内において各係合球61は、本体ハウジング2aの内周側に出没可能に保持されている。三つの係合球61〜61の周囲には、円環形状のロックリング62が配置されている。このロックリング62は、機軸J回りに回転可能な状態で本体ハウジング2aの外周に沿って支持されている。
このロックリング62の内周面には、周方向に深さが変化するカム面62a〜62aが三つの係合球61〜61に対応して周方向三等分位置に設けられている。各カム面62aに1つの係合球61が摺接されている。各カム面62aに対する係合球61の摺接作用によりロックリング62が機軸J回りに一定の範囲で回転すると、各係合球61が保持孔2c内において本体ハウジング2aの内周側に突き出さない退避位置(図11に示す位置)と、突き出す係合位置(図12に示す位置)との間を移動する。
ロックリング62は、本体ハウジング2aとの間に介装された捩りコイルばね63によって、機軸J回り方向の一方(ロック側)に付勢されている。このロックリング62の、捩りコイルばね63による付勢方向は、各係合球61を係合位置側に変位させる方向にカム面62aが回転する方向(ロック側)に付勢されている。図11に示すように第2段インターナルギヤ34が圧縮ばね35の付勢力によって回転許容位置に位置する状態では、そのフランジ部34bが保持孔2cを塞ぐ位置に位置しているため、各係合球61〜61が退避位置に押され、その結果ロックリング62が捩りコイルばね63に抗してアンロック側に戻された状態となっている。
これに対して、図12に示すように第2段インターナルギヤ34が圧縮ばね35に抗して、若しくは圧縮ばね35の付勢力が作用しない結果、回転規制位置に移動すると、各保持孔2cに対してフランジ部34bが外れて係合溝部34cが位置する状態となる。このため、各係合球61が本体ハウジング2aの内周側へ変位して係合溝部34c内に嵌り込み、この嵌り込み状態が捩りコイルばね63の付勢力によって保持される。各係合球61が係合溝部34c内に嵌り込んだ状態に保持されることにより、第2段インターナルギヤ34が回転規制位置に保持されるとともに、各係合球61が係合壁部34dに係合されることによりその機軸J回りの回転がロックされた状態となる。なお、第2段インターナルギヤ34が回転規制位置にロックされると、そのクラッチ歯34a〜34aと第1段キャリア23のクラッチ歯23a〜23aとの噛み合いが外れた状態に保持される。
また、各係合球61〜61は、それぞれカム面62aを介して捩りコイルばね63の付勢力が作用することによって間接的に係合位置側に付勢されている。この各係合球61の係合位置側への付勢力によって各係合球61がそれぞれ係合溝部34c内に嵌り込むと、当該付勢力が当該係合球61の球体形状及び係合溝部34cの傾斜面との相互作用を経て作用する結果、第2段インターナルギヤ34に対して回転規制位置側への付勢力としてさらに間接的に作用する。この捩りコイルばね63の間接的付勢力が、第2段インターナルギヤ34に対して回転規制位置側への付勢力として作用することにより、当該第2段インターナルギヤ34がスピンドル11を経て戻される外部トルクによって回転許容位置から回転規制位置側へ変位し始めると、瞬時に各係合球61が係合溝部34c内に嵌り込み、従って当該第2段インターナルギヤ34が瞬時に回転規制位置側に大きく移動する。このため、図12に示すように第2段インターナルギヤ34が回転規制位置に移動した状態では、そのクラッチ歯34a〜34aと、第1段キャリア23のクラッチ歯23a〜23aとの間には適切なクリアランスが発生した状態となる。このため、機軸J回り方向に回転する第1段キャリア23のクラッチ歯23a〜23aが、回転固定された第2段インターナルギヤ34のクラッチ歯34aに対して接触することがなく、高トルク側へ変速後においても静かに動作させることができる。
ロックリング62のロック位置は、捩りコイルばね63に保持されることから、当該変速装置10は低速高トルク側に保持される。ロックリング62のロック位置は、使用者の手動操作により解除することができる。使用者は、ロック位置に保持されたロックリング62を手動操作により捩りコイルばね63に抗してアンロック位置に回転操作すると、各係合球61が退避位置に退避可能となるため、第2段インターナルギヤ34が圧縮ばね35によって回転許容位置に戻される。第2段インターナルギヤ34が回転許容位置に戻されると、そのクラッチ歯34a〜34aが第1段キャリア23のクラッチ歯23a〜23aに噛み合わされた状態になる。また、第2段インターナルギヤ34が回転許容位置に戻されると、そのフランジ部34bによって保持孔2cが塞がれるため各係合球61が退避位置に保持される。このため、使用者はその後ロックリング61から指先を離しても当該ロックリング62が捩りコイルばね63に抗してアンロック位置に保持される。このようにロックリング62をアンロック位置(初期位置)に戻すための構成として手動操作により行う構成とする場合の他、例えば前記したトリガ形式のスイッチレバー4の操作によって自動的にアンロック位置に戻す構成とすることができる。
次に、この電動工具1では、変速装置Hが自動変速モードに切り換えられた状態で、高速低トルクモードから低速高トルクモードに切り換わる際に発生する慣性モーメントIによって使用者がハンドル部3を把持した当該電動工具1が機軸J回りに振られないようにするための工夫がなされている。図1に示すように本実施形態では、18V電源タイプのバッテリパック5(質量M=0.6kg)が用いられており、このバッテリパック5の重心Gの機軸Jからの距離Lが195mmに設定されている。このため、当該電動工具1を機軸J回りに回転させるために必要な慣性モーメントI(kg・mm2)は、
2×W=(195mm)2×0.6kg=約23,000(kg・mm2
この点、自動変速装置を備えた従来の電動工具では、バッテリパックの重心の機軸からの距離が比較的短かったため、機軸J回りに振るために必要な慣性モーメントIが小さく設定されていた。このため、自動変速により動作モードが高速低トルクモードから低速高トルクモードに切り換わると、これにより発生する慣性モーメントにより電動工具が機軸J回りに振られやすく、その結果ハンドル部を把持しが使用者が当該電動工具1を振られないように大きな力で保持しておかなければならず、この点で使い勝手が悪い問題があった。
本実施形態に係る電動工具1によれば、機軸J(スピンドル11の回転中心)から従来よりも離れた位置にバッテリパック5の重心Gが位置するように設定されて、機軸J回りの慣性モーメントIが従来よりも大きく設定されているので、自動変速により発生する機軸J回りの反動によっては振り回されにくくなり、従って使用者は従来よりも小さな力でハンドル部3を把持しておけば当該電動工具1の位置を楽に保持しておく(機軸J回りに振られることなく静止させておく)ことができ、この点で使い勝手が従来よりも向上している。
このトルク変動に対する振り回し防止の効果は、機軸Jからバッテリパック5の重心Gまでの距離Lが大きいほど高くなり、またバッテリパック5の質量Mが大きくなるほど高くなる。
以上のように構成した本実施形態の電動工具1によれば、変速装置Hを構成する第1〜第3段遊星歯車機構20,30,40のうち、第2段遊星歯車機構20における第2段インターナルギヤ34が機軸J方向の回転許容位置と回転規制位置との間を移動することによって減速比を二段階で切り換え、これにより高速低トルク出力状態(高速低トルクモード)と低速高トルク出力状態(低速高トルクモード)とに切り換えることができる。この2出力状態は、モード切り換えリング50を自動変速モード位置に切り換えた状態では、モード切り換え部材39,39が機軸J方向に移動可能な状態となるため、スピンドル11に付加される外部トルクに基づいて自動的に切り換えられる。このため、使用者は何ら特別の切り換え操作をすることなく、例えばねじ締め当初では高速低トルクで迅速にねじ締めを進行させ、ねじ締め後半であってスピンドル11に付加される外部トルク(ねじ締め抵抗)が一定値に達した時点以降では、低速高トルクでいわゆるカムアウトや締め残しを発生させることなく確実にねじ締めを完了させることができる。
しかも、本実施形態の場合、変速装置Hが低速高トルク出力状態に切り換わると、モードロック機構60によってその出力状態(第2段インターナルギヤ34の回転規制位置)が自動的にロックされるので、従来のように両出力状態間で動作状態がばたつくことがなく、安定した品質の作業を効率よく行うことができる。
また、モード切り換えリング50を高速固定モード位置に切り換えると、モード切り換え部材39,39が機軸J方向後側に固定されるため、第2段インターナルギヤ34が回転許容位置に固定され、従って当該変速装置Hを外部トルクに関係なく高速低トルク出力状態で用いることができる。逆に、モード切り換えリング50を低速固定モード位置に切り換えると、モード切り換え部材39,39が機軸J方向前側に固定されるため、第2段インターナルギヤ34が実質的に回転規制位置に固定され、従って当該変速装置Hを外部トルクに関係なく低速高トルク出力状態で用いることができる。この低速高トルク出力状態においても、モードロック機構60によって第2段インターナルギヤ34が確実に回転規制位置に保持される。
さらに、本実施形態に係るモードロック機構60によれば、第2段インターナルギヤ34に設けた係合溝部34c内に係合球61〜61が捩りコイルばね63の間接的付勢力により嵌め込まれることにより、第2段インターナルギヤ34が回転許容位置から十分な距離だけ機軸J方向前側へ前進してクラッチ歯34a〜34aと第1段キャリア23のクラッチ歯23a〜23aとの間に十分なクリアランスが発生した状態となる。このため、回転する第1段キャリア23のクラッチ歯23a〜23aに対して回転固定された第2段インターナルギヤ34のクラッチ歯34a〜34aが接触することを確実に回避することができ、これにより低速高トルク出力状態における当該電動工具1の静音化を図ることができる。
また、主として自動変速モード及び高速固定モードにおいて、圧縮ばね35の付勢力の全部若しくは一部が2本のモード切り換え部材39,39によって受けられることから、初期状態等の無負荷時(アイドリング時)における第2段インターナルギヤ34の必要回転トルクを小さくすることができ、これにより当該電動工具1の消費電力(電流値)を小さくすることができる。
以上説明した実施形態には、種々変更を加えることができる。例えば、第2段インターナルギヤ34が回転規制位置に移動した低速高トルク出力状態において、第2段インターナルギヤ34の係合溝部34cに係合球61〜61が嵌り込んでそれぞれ係合壁部34dに係合されることによりその回転を規制する構成としたモードロック機構60(第1実施形態)を例示したが、当該第2段インターナルギヤ34の回転を規制するための手段としては別の機構を用いることができる。図13には、第2実施形態のモードロック機構70が示されている。第1実施形態では、係合溝部34cに係合球61〜61を嵌り込ませることによって第2段インターナルギヤ34の軸方向の変位をロックし、かつ各係合球61が係合壁部34dに係合されることにより当該第2段インターナルギヤ34の回転動作の双方をロックする構成となっていたが、第2実施形態では第2段インターナルギヤ34の回転動作については別途設けたワンウェイクラッチ71によってロックされる構成となっている点で異なっている。
この第2実施形態に係るモードロック機構70では、回転規制位置における第2段インターナルギヤ34の回転を規制するための手段としてワンウェイクラッチ71が用いられている。また、この第2実施形態のモードロック機構70では、第2段インターナルギヤ34の全周にわたって同様の係合溝部72が設けられているが、第1実施形態における係合壁部34dに相当する部位が省略されている。その他の構成については第1実施形態と同様に構成されているため、同位の符号を用いてその説明を省略する。
第2実施形態の場合、ワンウェイクラッチ71そのものの構成については従来公知の技術であるので詳細な説明は省略する。このワンウェイクラッチ71が、第2段インターナルギヤ34と本体ハウジング2aとの間に介装されている。このワンウェイクラッチ71により規制(ロック)される回転方向は、回転許容位置における第2段インターナルギヤ34の回転方向とは逆方向に設定されている。第2段インターナルギヤ34がトルクの増大により軸方向に移動して第1段キャリア23のクラッチ歯23a〜23aと第2段インターナルギヤ34のクラッチ歯34a〜34aが切り離されると、遊星歯車機構の特性から第2段インターナルギヤ34の回転方向が逆になり、この逆方向の回転がワンウェイクラッチ71によってロックされる。以上のことから、第2段インターナルギヤ34は回転許容位置から回転規制位置に移動すると、結果的に何れの方向にも回転せず、本体ハウジング2a側に回転について固定された状態となる。
また、第2段インターナルギヤ34が回転規制位置に移動すると、その全周にわたって形成された係合溝部72内に3つの係合球61〜61が進入して、当該第2段インターナルギヤ34の回転許容位置への変位(機軸J方向の移動)が規制された状態となる。
このように構成された第2実施形態に係るモードロック機構70によっても、第2段インターナルギヤ34が回転許容位置に位置する状態では、これが第1段キャリア23と一体で回転することにより高速低トルクが出力される。この高速低トルクモードで加工が進行してスピンドル11に一定以上の外部トルクが付加された時点で第2段インターナルギヤ34が圧縮ばね35に抗して回転規制位置に移動し、この段階で第2段インターナルギヤ34がワンウェイクラッチ71によってその回転がロックされるとともに、係合溝部72内に係合球61〜61が進入することによりその機軸J方向の移動が規制され、これにより当該変速装置Hが低速高トルクモードでロックされる。このことから、変速装置Hにおいて一旦切り換わったモードがモードロック機構70によって確実に維持されることから、第1実施形態と同様に従来よりも作業効率を向上させ、また使用者が変わった場合でも安定した作業品質を確保することができる。
以上説明した第1及び第2実施形態にはさらに変更を加えることができる。例えば、第3段遊星歯車機構40は省略してもよい。
また、第1段遊星歯車機構20も省略することができ、変速装置として一組の遊星歯車機構を用いて実施することができる。この場合、電動モータ10の出力軸10aに取り付けた第2段太陽ギヤ31にフランジ部を設け、このフランジ部の前面に例示したクラッチ歯23a〜23aに相当するクラッチ歯を設けて、このクラッチ歯に対して第2段インターナルギヤ34のクラッチ歯34a〜34aを離脱可能に噛み合わせる構成とすることができる。
さらに、モード切り換え部材として上下2本の軸(ピン)を例示し、これを外部操作により機軸J方向に変位させることによって圧縮ばね35の付勢力が第2段インターナルギヤ34に作用する状態と作用しない状態を切り換える構成を例示したが、これとは異なる態様で係る機能を実現することができる。また、モード切り換えリング50の回転操作によりモード切り換え部材を機軸J方向に変位させる構成を例示したが、モード切り換えリング50を省略して使用者が直接モード切り換え部材を機軸J方向に移動させ、その位置を保持する構成としてもよい。
さらに、インターナル規制部材として周方向三等分位置に係合球61〜61を配置する構成を例示したが、これに換えて係合軸あるいは係合突起等を用いてもよい。また、モードロック機構60として周方向に深さが変化するカム面62aを有するロックリング62と、これを機軸J回りに付勢する捩りコイルばね63を用いる構成を例示したが、その他の態様で同等の機能を実現することができる。例えば、本体ハウジング2aの周方向適数カ所にインターナル規制部材としてのディテント機構を配置して第2段インターナルギヤ34を回転規制位置において回転不能に固定する構成とすることができる。
また、電動工具1としてドライバドリルを例示したが、穴明け用の電動ドライバあるいは電動ねじ締め機との単能機に適用することもできる。さらに、電動工具は例示した充電式バッテリを電源とするものの他、交流電源を電源とするものであってもよい。
次に、図14〜図18には、第2段インターナルギヤ34を回転規制位置にロックして当該変速装置Hを低速高トルクモードにロックする第3実施形態のモードロック機構80が示されている。この第3実施形態のモードロック機構80は、ロックリング82をアンロック側(初期位置)に戻すリセット機構90を備えている。前記第1又は第2実施形態のモードロック機構60,70と同様の構成若しくは部材については同位の符号を用いてその説明を省略する。
前記第1実施形態のモードロック機構60におけるロックリング62は、機軸J回りに回転可能に支持されて、その内周面に周方向に深さが変化するカム面62a〜62aを周方向三等分位置に備え、捩りコイルばね63によって機軸J回りの回転方向についてロック側に付勢された構成を備えていた。この点、第3実施形態のモードロック機構80のロックリング82は、機軸J方向に一定の範囲で移動可能に支持されており、その内周面に機軸J方向に深さが変化するカム面82aを全周にわたって備えている。このカム面82aは、図示するように当該ロックリング82の前端側(図14において右端側)が最も深く、後部に至るほど徐々に浅くなる方向に傾斜している。
このカム面82aに三つの係合球81〜81(インターナル規制部材)が摺接されている。三つの係合球81〜81は前記各実施形態と同様、本体ハウジング2aの周方向三等分位置に設けた保持孔2c〜2c内に保持されている。図示するようにロックリング82が前側のロック位置に位置する状態では、各係合球81がカム面82aの最も深い位置に摺接されるため、各係合球81は、本体ハウジング2aの内周側に突き出さない状態となる。前記したようにこの状態では、第2段インターナルギヤ34が回転許容位置に保持されて高速低トルクモードに切り換わる。
ロックリング82の後面と、本体ハウジング2aとの間には、圧縮ばね83が介装されている。この圧縮ばね83によってロックリング82は、前側のロック位置側に付勢されている。このため、第2段インターナルギヤ34が圧縮ばね35の付勢力によって回転許容位置に位置する状態では、そのフランジ部34bが保持孔2cを塞ぐ位置に位置しているため、各係合球81〜81は退避位置(本体ハウジング2a内に突き出さない位置)に保持され、従ってロックリング82は、圧縮ばね83に抗して後側のアンロック位置(初期位置)に保持される。
第2段インターナルギヤ34が圧縮ばね35に抗して、若しくは圧縮ばね35の付勢力が作用しない結果、回転規制位置に移動すると、各保持孔2cに対してフランジ部34bが外れて係合溝部34cが位置する状態となるため、各係合球81が本体ハウジング2aの内周側へ変位して係合溝部34c内に嵌り込んで低速高トルクモードにロックされ、このロック状態が圧縮ばね83の付勢力によって保持される。
このモードロック機構80のロック状態はリセット機構90によって自動的に解除されて初期状態に戻されるようになっている。このリセット機構90の詳細が図15以降に示されている。このリセット機構90は、リセットアーム91とこれを作動させるリセットモータ92を備えている。本実施形態ではリセットモータ92として小形の電動モータが用いられている。このリセットモータ92が特許請求の範囲に記載したアクチュエータの一例に相当する。
図17及び図18に、リセットアーム91が示されている。図示するようにこのリセットアーム91は、概ね半円形に湾曲した形状を有しており、本体部2の下側ほぼ半周に沿って支持されている。このリセットアーム91は、その両端部に左右対をなす作動部91a,91aと、ほぼ中央部の係合部91bと左右一対の支持孔91c,91cを備えている。左右の支持孔91c,91cに、本体部2の左右側部に設けた支軸98,98がそれぞれ挿入されて、当該リセットアーム91が両支軸98,98を介して前後に傾動可能に支持されている。
図18に示すようにリセットアーム91の係合部91bは、本体部2の下面側に位置している。この係合部91bが前後に移動することによって当該リセットアーム91が前後に傾動する。
リセットモータ92は、本体部2の下面側であってハンドル部3の基部付近に内装されている。このリセットモータ92の回転動力は減速ヘッド93を経て減速されて出力される。減速ヘッド93の出力軸93aにはねじ軸94が取り付けられている。このねじ軸94には作動ナット95が噛み合わされている。リセットモータ92が起動するとねじ軸94がその軸回りに回転することにより作動ナット95が前後に移動する。
作動ナット95は、本体ハウジング2aの下部であってハンドルハウジング3aの基部付近に設けた支持台座部96に支持されている。支持台座部96に前後に沿って相互に平行なガイドレール97,97が設けられている。この左右のガイドレール97,97を介して作動ナット95がその軸回りには回転しないよう回り止めされた状態で、前後に一定の範囲で平行移動可能に支持されている。
作動ナット95の前側に、上記リセットアーム91の係合部91bが当接されている。一方、前記モードロック機構80のロックリング82の左右側部にはそれぞれ係合凸部82bが設けられている。両係合凸部82b,82bは側方へ突き出す状態に設けられている。リセットアーム91の両作動部91a,91aは、それぞれこのロックリング82の係合突部82bの前側に当接されている。前記したようにロックリング82は圧縮ばね83によって前側(ロック位置側)に付勢されている。このため、両係合凸部82b,82bの前側にそれぞれ当接された作動部91aは、この圧縮ばね83の間接作用によって前側へ付勢されている。左右の作動部91a,91aが前側へ付勢されている結果、リセットアーム91は支軸98,98を中心にして図15において時計回り方向に傾動する方向であって、係合部91bを後側へ変位させる方向に付勢されている。
図15に示すように、ロックリング82が圧縮ばね83の付勢力によってロック側へ移動すると、リセットアーム91がその作動部91a,91aを前側へ変位させる方向(ロック側)に傾動する。リセットアーム91のロック側への傾動は、作動ナット95が後側の初期位置に戻された状態にリセットされていることによりなされる。
これに対して、リセットモータ92が起動して作動ナット95が前側へ移動すると、係合部91bが前側へ押されるためリセットアーム91がその作動部91a,91aを後側へ変位させる方向に傾動する。左右の作動部91a,91aが後側へ変位すると、ロックリング82が圧縮ばね83の付勢力に抗してアンロック側(初期位置側)へリセットされる。このことから、リセットアーム91のリセット側への傾動は、圧縮ばね83の間接付勢力に抗してなされ、従ってリセットモータ92の起動による作動ナット95の前側へ変位は、圧縮ばね83の間接付勢力に抗してなされる。
このように変速装置Hの初期状態(高速低トルクモード)へのリセットはリセットモータ92の作動によって自動的になされる。このリセットモータ92は、スイッチレバー4のオフ操作に連動して起動するように電動モータ10の制御回路に組み込まれている。本実施形態では、低速高トルクモードで運転中に、スイッチレバー4の引き操作を解除して電動モータ10への給電が停止された後、一定時間経過後にこのリセットモータ92が起動するようにその制御回路が構成されている。使用者がスイッチレバー4をオフ操作して低速高トルクモードでの運転を停止した後、一定時間経過後にリセットモータ92が起動してロックリング82が後側のアンロック位置に戻され、これにより第2段インターナルギヤ34が後側へ戻される結果当該本体部2の動作モードが初期状態の高速低トルクモードにリセットされる。このため、次回のねじ締め動作では、本体部2が高速低トルクモードで起動する。なお、リセットモータ92の起動中は、スイッチレバー4の操作は無効になるようその制御回路が構成されている。
また、リセットモータ92の回転数及び回転方向は、検知されてその結果に基づいて動作するよう制御される。スイッチレバー4のオフ操作後リセットモータ92が起動して動作モードが高速低トルクモードに戻される。リセットモータ92の回転方向及び回転数は、作動ナット95が前側へ適切な距離だけ移動するための回転数及び回転方向に制御される。作動ナット95の前側への移動距離は、リセットアーム91を介してなされるロックリング82の後退距離であって係合球81〜81が保持孔2cから内周側へ突き出さない状態となるために必要な距離に設定されている。リセットモータ92の回転数及び回転方向に基づいて作動ナット95の前側への移動距離が検知され、この移動距離に基づいてリセットモータ92の動作が反転(逆転)する。
作動ナット95が必要距離だけ前進してロックリング82が後退すると、係合球81〜81が第2段インターナルギヤ34を介して間接的に作用する圧縮ばね35の付勢力によってカム面82aの深い部位に変位し、これにより第2段インターナルギヤ34が後退して高速低トルクモードにリセットされる。第2段インターナルギヤ34の後退位置が圧縮ばね35により保持されるので、ロックリング82は圧縮ばね83に抗して後側のロック位置に保持される。このため、動作モードが初期状態にリセットされた後、リセットモータ92が逆転して作動ナット95が後退してもリセットアーム91は、図15に示す位置に保持される。リセットモータ92は、その回転数に基づいて作動ナット95の前進距離を検知し、その後に、一定回転数だけ逆転して当該作動ナット95を後側へ戻す。このため、次回の使用時に変速装置Hは初期状態(高速低トルクモード)で起動する。
以上のように構成したリセット機構90を備えたモードロック機構80によれば、リセットモータ92によってロックリング82が後側のアンロック位置に戻され、これにより第2段インターナルギヤ34が後側に戻されて動作モードが高速低トルクモード(初期状態)にリセットされる。このため、例えばリンクアーム等を用いることによりスイッチレバー4のオフ位置側への移動を利用してロックリング82を圧縮ばね83に抗して後側のアンロック位置に戻す構成とした場合には、スイッチレバー4の戻し力を十分に大きくする必要がある結果、その引き操作力が大きくなってその操作性が低下してしまう問題があるが、例示したリセット機構90によればスイッチレバー4とは別に設けたリセットモータ92によりロックリング82を戻す構成であるので、スイッチレバー4の操作性を損なうことがない。
また、スイッチレバー4とは別に設けたリセットモータ92によってロックリング82を戻す構成であるので、リセットモータ92の動作を適切に制御することによって、スイッチレバー4のオフ操作タイミングに対してロックリング82の戻しタイミングを適切に設定することが容易になる。初期状態に戻すタイミングを、電動モータ4の停止後一定時間後に設定することにより、第1段キャリア23が完全に停止した後にクラッチ歯23a〜23aに対して第2段インターナルギヤ34のクラッチ歯34a〜34aが噛み合わされるため、第1段キャリア23が空転中に第2段インターナルギヤ34が後側に戻されて第1段キャリア23のクラッチ歯23a〜23aと第2段インターナルギヤ34のクラッチ34a〜34aが衝突し、その結果当該変速装置Hの耐久性が低下するといった問題を生じない。
次に、図19〜図21には、第4実施形態のモードロック機構100が示されている。この第4実施形態のモードロック機構100は、前記リセット機構90に変更を加えたリセット機構101を備えている。第4実施形態に係るモードロック機構100は、リセット機構101について異なる特徴を備えている。従って、変更を要しない部材及び構成については第3実施形態と同位の符号を用いてその説明を省略する。
第4実施形態のモードロック機構100におけるリセット機構101は、当該変速装置Hが低速高トルクモードに切り換わった状態でのみ作動する構成を備えている。
図19及び図20に示すようにロックリング82の外周には、磁気センサ102が取り付けられている。一方、本体ハウジング2a側には、鋼板製の検知板103が取り付けられている。磁気センサ102によってロックリング82の位置(ロック位置又はアンロック位置)が検知される。図20において実線で示すようにロックリング82が後ろ側のアンロック位置に位置する高速低トルク出力状態では、磁気センサ102が検知板103の下方から外れてオフ状態となる。これに対して図19に示すようにスピンドル11の負荷トルクが高まってロックリング82が前側のロック位置に変位した低速高トルク出力状態では、磁気センサ102が検知板103の下方に進入して当該磁気センサ102がオンする。磁気センサ102のオン信号は、リセット制御回路Cに出力される。
リセット制御回路Cには、上記磁気センサ102のオン信号の他、スイッチレバー4のオフ操作(電動モータ10の停止)の情報が入力される。これにより、当該リセット機構101は、変速装置Hの出力状態と電動モータ10の動作状態に基づいて動作する。第4実施形態では、変速装置Hが低速高トルク出力状態に切り換わった状態でのみ、当該リセット機構101が動作するようにリセット制御回路Cが構成されている。リセット機構101の動作フローが図21に示されている。
電動モータ10の停止状態であって変速装置Hの初期状態では、作動ナット95は後退してリセットアーム91をリセット側(作動部91aを後ろ側へ移動させる方向)に押していない状態(リセット機構101の初期状態)となっている(ステップ(以下、STと略記する)00)。スイッチレバー4の引き操作により電動モータ10が起動した直後であって変速装置Hの高速低トルク出力状態では、ロックリング82が後ろ側のアンロック位置に保持され、従って作動ナット95は依然として後退位置に保持されている(ST01、ST02)。ST00〜ST02では、ロックリング82がアンロック位置に位置しているため、磁気センサ102は検知板103の下方から外れた位置に位置している。このため、リセット制御回路Cに磁気センサ102のオン信号は入力されていない。
ねじ締め若しくは孔明け加工が進行してスピンドル11の負荷トルクが増大した結果、変速装置Hが高速低トルク出力状態から低速高トルク出力状態に切り換わると(ST03)、図19に示すようにロックリング82が圧縮ばね83により前側のロック位置に移動するため、磁気センサ102が検知板103の下側に変位する。磁気センサ102は、検知板103の下側に変位することによりオン信号をリセット制御回路Cに出力する。
この低速高トルク出力状態であって磁気センサ102のオン状態で、スイッチレバー4の引き操作を解除(オフ操作)すると、電動モータ10が停止する(ST04)。リセット制御回路Cにおいて、磁気センサ102のオン信号と、電動モータ10の停止信号が入力されると、リセットモータ92が正転側に起動してリセット機構101が動作する(ST05)。図20に示すようにリセットモータ92が正転側に起動すると、作動ナット95が前側へ移動して係合部91bが前側へ押される。係合部91bが前側へ押されることによりリセットアーム91が支軸98,98を中心にしてリセット側(作動部91a,91aを後ろ側へ変位させる方向)に傾動する。リセットアーム91がリセット側に傾動すると、係合部91b,91bによって係合凸部82b,82bが後ろ側へ押されることにより、ロックリング82が圧縮ばね83に抗して後ろ側のアンロック位置に移動する。ロックリング82がアンロック位置に戻されると、係合球61が本体ハウジング2a内に突き出さないアンロック位置に変位可能となるため、第2段インターナルギヤ34が圧縮ばね35の付勢力によって後ろ側の初期位置(クラッチ歯34aがクラッチ歯23aに噛み合う位置)に戻される。
こうして第2段インターナルギヤ34が後側へ戻される結果当該本体部2の動作モードが初期状態の高速低トルクモードに自動的にリセットされる。このため、次回の孔明け加工若しくはねじ締め動作では、変速装置Hの初期状態(高速低トルクモード)で当該電動工具1を起動させることができる。
また、ロックリング82がアンロック位置に戻されると、磁気センサ102が検知板103の下方から後ろ側へ退避するため、当該磁気センサ102のオン信号がリセット制御回路Cに入力されない状態となる。ロックリング82がアンロック位置に戻されて変速装置Hが初期状態に戻されたことが作動ナット95の回転方向及び回転数によって検知されると、リセットモータ92が逆転して作動ナット95が後ろ側へ後退する(ST06)。リセットモータ92の回転方向及び回転数に基づいて作動ナット95が後退位置に戻されたことが検知されるとリセットモータ92が停止して(ST07)、当該リセット機構101の一連の動作が完了する(ST00)。なお、リセットモータ92の起動中は、スイッチレバー4を引き操作しても電動モータ10が起動しないようにリセット制御回路C及び電動モータ10の制御回路が構成されている。
これに対して、例えば当該電動工具1の電源供給状態あるいはスピンドル11の回転方向等の確認のために当該電動工具1を試し回転させ、その後当該電動工具1を一旦停止させる場合には、変速装置Hは高速低トルク状態のままであるので、当該リセット機構101は作動しない。この場合、図21に示すように初期状態(ST00)からスイッチレバー4を引き操作して電動モータ10を起動させる(ST01)。この段階では、無負荷状態であるので変速装置Hは高速低トルク出力状態で動作する(ST02)。この高速低トルク出力状態では、ロックリング82が後ろ側のアンロック位置に保持されることから、磁気センサ102はオンせず、従ってそのオン信号がリセット制御回路Cに入力されない。磁気センサ102のオン信号がリセット制御回路Cに入力されない状態のまま、スイッチレバー4の引き操作を解除すると、電動モータ10が停止のみで、リセット機構101は動作しない。このため、ST05〜ST07の動作及び制御が省略されるため、当該電動工具1はより短時間で初期状態(ST00)に戻される。
以上のように構成した変速装置Hを備えた電動工具1によれば、モードロック機構100のロック状態を解除して初期状態に戻すためのリセット機構101は、当該変速装置Hが低速高トルク出力状態に切り換わった状態でのみ作動し、高速低トルク状態のままである場合には作動しない構成となっている。このため、例えば当該電動工具1の電源供給状態を確認し、あるいはビットの回転方向を確認するために無負荷で起動(試し回転)させる場合にはリセット機構101は作動しないため、リセットモータ92の正転、逆転による作動ナット95の往復動及びこれに伴うリセットアーム91の傾動動作等のリセット機構101の一連の動作を省略することができ、これにより試し回転直後に迅速に電動工具1を再起動(電動モータ10を起動)して実際の作業に移行することができる。
以上説明した実施形態には種々変更を加えることができる。例えば、ロックリング82のロック位置側への移動を磁気センサ102を用いて検知する構成を例示したが、マイクロスイッチや反射型の光センサ等その他のセンサを用いる構成としてもよい。
また、係るセンサ及びリセット制御回路Cを用いた電気制御ではなく、レバー部材等を用いた機械的構成によって当該ロックリングのロック位置側への移動を検知してリセット機構を作動させる構成としてもよい。
さらに、例示したリセット機構90,101は、第3段遊星歯車機構40を備えない変速装置についても同様に適用することができる。
1…電動工具
2…本体部、2a…本体ハウジング、2b…挿通溝孔、2c…保持孔
J…機軸(スピンドルの回転軸)
3…ハンドル部、3a…ハンドルハウジング
4…スイッチレバー
5…バッテリパック、G…重心、M…質量
10…電動モータ、10a…出力軸
11…スピンドル
12…チャック
13,14…軸受け
H…変速装置
20…第1段遊星歯車機構
21…第1段太陽ギヤ
22…第1段遊星ギヤ
23…第1段キャリア、23a…クラッチ歯
24…第1段インターナルギヤ
30…第2段遊星歯車機構
31…第2段太陽ギヤ
32…第2段遊星ギヤ
33…第2段キャリア
34…第2段インターナルギヤ
34a…クラッチ歯、34b…フランジ部、34c…係合溝部、34d…係合壁部
35…圧縮ばね、36…押圧板、37…転動板、38…鋼球
39…モード切り換え部材
40…第3段遊星歯車機構
41…第3段太陽ギヤ、42…第3段遊星ギヤ、43…第3段キャリア
44…第3段インターナルギヤ
50…モード切り換えリング、50a…ツマミ部
51…切り換え溝部
51b…後側溝部(高速固定モード用)
51c…前側溝部(高トルク固定モード用)
51d…中間溝部(自動変速モード用)
60…モードロック機構(第1実施形態)
61…係合球
62…ロックリング、62a…カム面
63…捩りコイルばね
70…モードロック機構(第2実施形態)
71…ワンウェイクラッチ
72…係合溝部
L…機軸Jからバッテリパックの重心までの距離
80…モードロック機構(第3実施形態)
81…係合球
82…ロックリング、82a…カム面、82b…係合凸部
83…圧縮ばね
90…リセット機構
91…リセットアーム、91a…作動部、91b…係合部、91c…支持孔
92…リセットモータ
93…減速ヘッド、93a…出力軸
94…ねじ軸
95…作動ナット
96…支持台座部
97…ガイドレール
98…支軸
100…モードロック機構(第4実施形態)
101…リセット機構
102…磁気センサ
103…検知板

Claims (5)

  1. スイッチレバーの引き操作により起動する電動モータと該電動モータの回転動力を減速してスピンドルに出力するための変速装置を内蔵した電動工具であって、
    前記変速装置は、動力伝達経路の上流側の第1段遊星歯車機構と、下流側の第2段遊星歯車機構と、該第2段遊星歯車機構のインターナルギヤの軸回りの回転を規制するインターナル規制部材を備えて、
    前記スピンドルに付加される外部トルクの増大に伴って、前記インターナルギヤの回転が許容されて前記スピンドルに高速低トルクを出力する初期状態から、前記インターナルギヤの回転が前記インターナル規制部材により規制されて前記スピンドルに低速高トルクを出力する状態へ自動的に切り換わる構成とされ、
    該自動的に切り換わった低速高トルク出力状態を、その後の外部トルクの変化に関係なく保持するモードロック機構と、該モードロック機構を解除して動作モードを前記初期状態に戻すためのリセット機構を備え、
    該リセット機構は前記スイッチレバーとは別に設けたアクチュエータを駆動源として作動する構成とした電動工具。
  2. 請求項1記載の電動工具であって、前記モードロック機構は、前記インターナル規制部材を規制位置にロックするロックリングと、該ロックリングをロック側に付勢する付勢手段を備え、前記リセット機構は、該付勢手段に抗して前記ロックリングをアンロック側に戻すリセットアームを備え、該リセットアームを前記アクチュエータとしてのリセットモータを駆動源としてリセット側に移動させる構成とした電動工具。
  3. 請求項2記載の電動工具であって、前記スイッチレバーのオフ操作による前記電動モータの停止後、一定時間をおいて前記リセットモータを起動させる構成とした電動工具。
  4. 請求項1記載の電動工具であって、前記モードロック機構は前記変速装置の前記低速高トルク出力状態への切り換わりに伴ってロック位置側に移動するロックリングを備えており、該ロックリングが前記ロック位置に位置する状態でのみ前記リセット機構を作動させる構成とした電動工具。
  5. 請求項4記載の電動工具であって、前記ロックリングの位置をセンサにより検知して、該センサの出力信号に基づいて前記リセット機構を作動させる構成とした電動工具。

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