実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1に係る空気調和装置を表す図である。図1の空気調和装置は、熱源側ユニット(室外機)A、Bと負荷側ユニット(室内機)X、Yとを備え、これらを冷媒配管で連結し、主となる冷媒回路を構成して冷媒を循環させ、対象空間の暖房又は冷房を行うものである。本実施の形態の空気調和装置は、2台の熱源側ユニットA、Bと2台の負荷側ユニットX、Yを連結して構成しているが、熱源側ユニットが2台以上であれば、特に限定するものではない。ここで、以下、熱源側ユニットA、B、また負荷側ユニットX、Yの構成手段等に関しては、例えば共通事項を説明する等、特に区別する場合を除き、添え字を省略して説明するものとする。また、図1を含め、以下の図面では各構成部材の大きさの関係が実際のものと異なる場合がある。
冷媒配管のうち、気体の冷媒(ガス冷媒)が流れる配管をガス配管30とし、液体の冷媒(液冷媒。気液二相冷媒の場合もある)が流れる配管を液配管31とする。また、循環する冷媒については特に限定するものではないが、例えば、HFC系冷媒である、R410A、R404A、HFO(ハイドロ・フルオロ・オレフィン)の冷媒、また、自然冷媒であるCO2 、アンモニア等を用いることができる。
熱源側ユニットA、Bは、本実施の形態においては、圧縮機1、四方弁2、熱源側熱交換器7、アキュムレータ8、ガス側流量調整弁3、液側流量調整弁6、熱源側ファン11及び除霜用開閉弁10の各装置(手段)で構成する。
圧縮機1は、吸入した冷媒を圧縮し、駆動周波数に基づいて任意の圧力を加えて送り出す(吐出する)。本実施の形態の圧縮機1は、例えば駆動周波数を任意に変化させることにより容量(単位時間あたりの冷媒を送り出す量)を変化させることができる、インバータ回路を備えた容量可変のインバータ圧縮機とする。
四方弁2は、制御手段100からの指示に基づいて冷房運転時と暖房運転時とによって冷媒の流れを切り替える。熱源側熱交換器7は、冷媒と空気(室外の空気)との熱交換を行う。例えば、暖房運転時においては蒸発器として機能し、熱源側ユニットに流入した冷媒と空気との熱交換を行い、冷媒を蒸発させ、気化させる。また、冷房運転時においては凝縮器として機能し、四方弁2側から流入した圧縮機1において圧縮された冷媒と空気との熱交換を行い、冷媒を凝縮して液化させる。また、熱源側熱交換器7には、冷媒と空気との熱交換を効率よく行うための熱源側ファン11が設けられている。
アキュムレータ8は、例えば液体の余剰冷媒を貯めておくためのものである。また、ガス側流量調整弁3、液側流量調整弁6は、それぞれ液配管31側、ガス配管30側に設けている。本実施の形態においては、特に制御手段100からの指示に基づいて、例えば、冷房運転時及び暖房運転時に開放し、除霜(霜取)運転時に閉止するようにして、除霜運転時において熱源側ユニット100と液配管31、ガス配管30との間における冷媒通過を防ぐために用いる。除霜用開閉弁10は、制御手段100からの指示に基づいて除霜運転時に開放し、バイパス配管13に冷媒を通過させる。
一方、負荷側ユニットX、Yは、負荷側熱交換器4、負荷側絞り装置(膨張弁)5、負荷側ファン12で構成される。負荷側熱交換器4は冷媒と空気との熱交換を行う。例えば、暖房運転時においては凝縮器として機能し、ガス配管30から流入した冷媒と空気との熱交換を行い、冷媒を凝縮させて液化(又は気液二相化)させ、液配管31側に流出させる。一方、冷房運転時においては蒸発器として機能し、冷媒と空気との熱交換を行い、冷媒に空気の熱を奪わせて蒸発させて気化させ、ガス配管30側に流出させる。また、負荷側ユニットX、Yには、熱交換を行う空気の流れを調整するための負荷側ファン12が設けられている。この負荷側ファン12の速度は、基本的には、利用者の設定により決定されるものである。負荷側絞り装置5は、開度を変化させることで、負荷側熱交換器4内における冷媒の圧力を調整する等のために設ける。
図2は実施の形態1に係る空気調和装置の制御関係の構成を表す図である。各熱源側ユニット100には、熱源側熱交換器7に流入出する(冷房運転時又は除霜運転時においては冷媒流出側となり、暖房運転時においては冷媒流入側となる)冷媒の温度を検知するための熱交換器温度センサ22を温度検知手段として配管に設けている。同様に、圧縮機1が吐出する冷媒の温度を検知するための吐出温度センサ23を圧縮機1の吐出側の配管に設けている。また、圧縮機1が吐出する冷媒の圧力を検知するための吐出圧力センサ21を圧力検知手段として圧縮機1の吐出側の配管に設けている。これらのセンサは、検知に係る信号を制御手段100に送信する。
制御手段100は、例えばマイクロコンピュータ等からなる処理手段を有し、空気調和装置の各手段を制御する。ここで、本実施の形態では、1台の制御手段100が2台の熱源側ユニットに係る制御等の処理を行うものとするが、例えば、制御手段100を各熱源側ユニットにそれぞれ設け、いずれかの制御手段100が全体の制御に係る判断等を行うようにしてもよい。また、遠隔制御等ができる場合には、熱源側ユニット100内になくてもよい。
本実施の形態の制御手段100は、計測部101、演算部102、制御部103及び記憶部104で構成するものとする。計測部101は、熱交換器温度センサ22、吐出圧力センサ122から送信される信号に基づいて温度、圧力の物理量の値を計測(判断)する。また、計測部101はタイマを有しており、圧縮機1の運転時間等の計時を行うことができる。そして、必要なデータを記憶部104に記憶させる。
演算部102は、計測部101が判断した温度等に基づいて、演算、判断等を行う。特に本実施の形態では、除霜運転に関する判断を行う。制御部103は、演算部102が行った判断に基づいて、熱源側ユニット100の各手段を制御する。そして、負荷側ユニットX、Yが備える手段については、例えば、各負荷側ユニットX、Yが有する負荷側制御装置(図示せず)に制御を行わせるようにしてもよい。
ここで暖房時の冷媒回路における基本的な冷媒循環について説明する。圧縮機1により加圧されて吐出した高温、高圧ガス(気体)の冷媒は、四方弁2からガス配管30を通って、負荷側ユニットX、Yに流入する。そして、負荷側ユニットX、Yにおいては、負荷側絞り装置5の開度調整により圧力調整され、負荷側熱交換器4内を通過することにより凝縮し、中間圧力の液体又は気液二相状態の冷媒となって負荷側ユニットX、Yを流出する。液配管31を通って熱源側ユニットA、Bに流入した冷媒は熱源側熱交換器7内を通過することで蒸発し、ガス冷媒となって四方弁2、アキュムレータ8を介して圧縮機1に吸入され、前述したように加圧され吐出することで循環する。なお、ここでいう高圧、低圧は冷媒回路内における圧力の相対的な関係を表すものとする(温度についても同様である。以下同じ)。
さらに、除霜運転時の冷媒循環について説明する。除霜運転を行う熱源側ユニットA、Bについては、圧縮機から吐出した冷媒が熱源側熱交換器7に流入するように四方弁2を切り替える(冷房運転時と同じ)。また、ガス側流量調整弁3、液側流量調整弁6を全閉し、液配管31、ガス配管30に冷媒を通過させないようにする。そして、冷媒がバイパス配管13を通過できるように、除霜用開閉弁10を開放する。
圧縮機1により加圧されて吐出した高温、高圧ガスの冷媒は、四方弁2から熱源側熱交換器7内を通過する。高温のガス冷媒(ホットガス)が通過することで、熱源側熱交換器7に付いた霜と熱交換する(霜側が吸熱する)ことにより、霜が融解して流れ落ちる。
一方、熱源側熱交換器7に流入したガス冷媒は熱交換により放熱することで、若干液化して流出する。流出した冷媒はバイパス配管13を通過し、そして、アキュムレータ8に流れる。液冷媒はアキュムレータ8に溜められ、ほぼガス冷媒のみが圧縮機1に吸引されて再度の加圧により吐出する。
図3は実施の形態1に係る制御手段100による、除霜を行うかどうかの判断に係る処理のフローチャートを表す図である。次に本実施の形態における除霜の判断に係る空気調和装置の動作について制御手段100の処理を中心に説明する。例えば、制御部103が、リモコンなどのスイッチ入力により各熱源側ユニット100を制御して、上述した暖房運転を開始する。圧縮機1が駆動を開始し、制御手段100の制御部103は、ガス側流量調整弁3、液側流量調整弁6を開放させ、除霜用開閉弁10を閉止させる。また、計測部101は計時を開始し、時間を積算し、前回の除霜を終了してからの経過時間T、圧縮機1A、1Bの運転時間TA、TBを積算する(S1)。
そして、演算部102は、経過時間Tに基づいて、前回の除霜から所定時間T1を経過しているかどうかを判断する(S2)。所定時間T1が経過したものと判断すると、各熱源側ユニット100にそれぞれ設けている熱交換器温度センサ22A、22Bからの信号に基づいて、計測部101は温度T22A、T22Bの値を判断する(S3)。そして、演算部102は、温度T22A、T22Bのどちらか少なくとも一方があらかじめ定めた温度(以下、除霜開始温度という)以下であるかどうかを判断する(S4)。どちらか少なくとも一方が除霜開始温度以下になったものと判断すると、さらにどちらも除霜開始温度以下であるかどうかを判断する(S5)。どちらも除霜開始温度以下であると判断すると、前回の除霜からの各圧縮機1の運転時間TAとTBを比較し、運転時間TAが運転時間TBより大きい(TA>TB)かどうかを判断する(S6)。また、どちらも除霜開始温度以下でない(どちらか一方が除霜開始温度以下である)と判断すると、温度T22Aが除霜開始温度以下であるかどうかを判断する(S7)。S6においてTA>TBであると判断する、又はS7において温度T22Aが除霜開始温度以下であると判断すると、熱源側ユニット100Aから除霜運転を開始させる(S8)。一方、S6においてTA>TBでない(TA≦TB)と判断するか、S7において温度T22Aが除霜開始温度以下でない(温度T22Bが除霜開始温度以下である)と判断すると、熱源側ユニット100Bから除霜運転を開始させる(S9)。
図4は実施の形態1に係る熱源側ユニットAから除霜運転を開始させるときの処理のフローチャートを表す図である。図3のS8において、判断部102の判断により熱源側ユニットAから除霜運転を開始させるものとすると、制御部103は、ガス側流量調整弁3A、液側流量調整弁6Aを全閉させ、四方弁2Aを切り替えさせる(反転させる)。さらに、バイパス配管13Aに冷媒を通過させるために除霜用開閉弁10Aを開放させて、熱源側ユニットAにおける除霜運転を開始させる(S11)。このとき、熱源側ユニットBが暖房運転を行っていなければ暖房運転を開始するようにし、行っていれば暖房運転を継続させるようにする。
除霜運転を行うことにより、熱源側熱交換器7Aに付いた霜が融解して流れ落ちると、熱交換対象が霜(水)から空気となることで熱源側熱交換器7Aの温度が上昇する。そこで、演算部102は、温度T22Aがあらかじめ定めた温度(以下、除霜終了温度という)以上になったかどうかを判断する(S12)。除霜終了温度以上になったものと判断すると、制御部103が、ガス側流量調整弁3A、液側流量調整弁6Aを全開させ、四方弁2Aを切り替えさせ、さらに除霜用開閉弁10Aを閉止させて、熱源側ユニットAにおける除霜運転を終了させ、暖房運転を開始させる(S13)。
そして、制御部103は、ガス側流量調整弁3B、液側流量調整弁6Bを全閉させ、四方弁2Bを切り替えさせ、さらに除霜用開閉弁10Bを開放させて、熱源側ユニットBにおける除霜運転を開始する(S14)。そして、温度T22Bが除霜終了温度以上になったかどうかを判断する(S15)。除霜終了温度以上になったものと判断すると、制御部103が、ガス側流量調整弁3B、液側流量調整弁6Bを全開させ、四方弁2Bを切り替えさせ、さらに除霜用開閉弁10Bを閉止させて、熱源側ユニットBにおける除霜運転を終了させる(S16)。必要であれば暖房運転を開始させる。
図5は実施の形態1に係る熱源側ユニットBから除霜運転を開始させるときの処理のフローチャートを表す図である。図3のS9において、判断部102の判断により熱源側ユニットBから除霜運転を開始させるものとすると、制御部103は、ガス側流量調整弁3B、液側流量調整弁6Bを全閉させ、四方弁2Bを切り替えさせる。さらに、バイパス配管13Bに冷媒を通過させるために除霜用開閉弁10Bを開放させて、熱源側ユニットBにおける除霜運転を開始させる(S21)。このとき、熱源側ユニットAが暖房運転を行っていなければ暖房運転を開始するようにし、行っていれば暖房運転を継続させるようにする。
演算部102は、温度T22Bが除霜終了温度以上になったかどうかを判断する(S22)。除霜終了温度以上になったものと判断すると、制御部103が、ガス側流量調整弁3B、液側流量調整弁6Bを全開させ、四方弁2Bを切り替えさせ、さらに除霜用開閉弁10Bを閉止させて、熱源側ユニットBにおける除霜運転を終了させ、暖房運転を開始させる(S23)。
そして、制御部103は、ガス側流量調整弁3A、液側流量調整弁6Aを全閉させ、四方弁2Aを切り替えさせ、さらに除霜用開閉弁10Aを開放させて、熱源側ユニットAにおける除霜運転を開始する(S24)。そして、温度T22Aが除霜終了温度以上になったかどうかを判断する(S25)。除霜終了温度以上になったものと判断すると、制御部103が、ガス側流量調整弁3A、液側流量調整弁6Aを全開させ、四方弁2Aを切り替えさせ、さらに除霜用開閉弁10Aを閉止させて、熱源側ユニットAにおける除霜運転を終了させる(S26)。必要であれば暖房運転を開始させる。
以上のように実施の形態1の空気調和装置によれば、熱交換器温度センサ22の検知に係る温度T22A、T22Bに基づいて、演算部102が除霜を行うかどうかを判断し、その判断に基づいて、熱源側ユニットA、Bに対して、それぞれ順番に除霜運転を行わせるようにしたので、空気調和装置における暖房を継続しつつ、霜取を実施することができる。このとき、除霜運転を行う順番に関して、前回の除霜運転終了からの圧縮機1の駆動時間の長い方、熱交換器温度センサ22の検知に係る温度の低い方の熱源側ユニット100を優先し、霜の堆積が多い順に除霜運転を行わせていくようにしたので、継続して行う暖房には高い能力を確保しつつ、除霜を行うことができる。そのため、着霜量を配管温度・時間で適正に判断し、効率よく除霜できる。
実施の形態2.
図6は本発明の実施の形態2に係る空気調和装置の冷媒回路構成を表す図である。図6に基づいて実施の形態2の空気調和装置について説明する。ここで、実施の形態2では、実施の形態1と異なる点を中心に説明する。また、実施の形態1で説明したことと同様の動作を行う手段については、図1等と同一の符号を付している。
図6に示すように、実施の形態2の空気調和装置では、各熱源側ユニット100がホットガス供給用開閉弁14、15をそれぞれ有している。ホットガス供給用開閉弁14、15は、暖房運転を行っている熱源側ユニット100側から、除霜運転を行っている熱源側ユニット100に対し、ホットガス配管32を介して高温の冷媒を供給する。ホットガス供給用開閉弁15は、一方の熱源側ユニットの圧縮機1が送り出した高温の冷媒に対してホットガス配管32への通過、遮断を開閉により行う。ホットガス供給用開閉弁14は、ホットガス配管32を通過した高温の冷媒を、他方の熱源側ユニットの熱源側熱交換器7へ供給するための通過、遮断を開閉により行う。
図7は実施の形態2に係る空気調和装置の制御関係の構成を表す図である。本実施の形態では、暖房運転を行っている熱源側ユニット100の圧縮機1が吐出した高圧・高温の冷媒を、負荷側ユニット200における暖房に利用すると共に、除霜運転を行っている他の熱源側ユニット100の熱源側熱交換器7における除霜に利用しようとするものである。そのため、制御部103が、さらにホットガス供給用開閉弁14、15を開放又は閉止することにより、熱源側熱交換器7の除霜運転時における冷媒の流入側に、暖房運転を行っている熱源側ユニット100から高温の冷媒を供給する。
図8は実施の形態2に係る制御手段100が行う除霜に係る処理のフローチャートを表す図である。次に本実施の形態における除霜に係る空気調和装置の動作について制御手段100の処理を、上述の実施の形態1と異なる部分を中心に説明する。
暖房運転を開始すると、制御手段100の制御部103は、圧縮機1の駆動を開始させる。また、ガス側流量調整弁3、液側流量調整弁6を開放させ、除霜用開閉弁10を閉止させると共に、本実施の形態では、暖房運転に不必要なホットガス供給用開閉弁14、15を閉止させる。また、計測部101は圧縮機1の計時を開始し、運転時間の積算を行う(S1A)。そして、演算部102は、実施の形態1と同様に、時間、温度等から、除霜を行うかどうかを判断し、除霜を行うものと判断すると、熱源側ユニットA、熱源側ユニットBのどちらから除霜運転を行うかを判断する(S2〜S7)。
図9は実施の形態2に係る熱源側ユニットBから除霜運転を開始させるときの処理のフローチャートを表す図である。図8のS8において、判断部102の判断により熱源側ユニットAから除霜運転を開始させるものとすると、制御部103は、ガス側流量調整弁3A、液側流量調整弁6Aを全閉させ、四方弁2Aを切り替えさせる(反転させる)。さらに、バイパス配管13Aに冷媒を通過させるために除霜用開閉弁10Aを開放させて、熱源側ユニットAにおける除霜運転を開始させる。そして、本実施の形態では、熱源側ユニットAが有するホットガス供給用開閉弁14A及び熱源側ユニットBが有するホットガス供給用開閉弁15Bを開放し、ホットガス配管32を介して熱源側ユニットBから熱源側ユニットAにホットガスを供給させる(S11A)。そして、演算部102は、温度T22Aが除霜終了温度以上になったものと判断すると(S12)、制御部103が、ガス側流量調整弁3A、液側流量調整弁6Aを全開させ、四方弁2Aを切り替えさせ、除霜用開閉弁10A、ホットガス供給用開閉弁14A及びホットガス供給用開閉弁15Bを閉止させ、熱源側ユニットAにおける除霜運転を終了させ、暖房運転を開始させる(S13A)。
さらに、制御部103は、ガス側流量調整弁3B、液側流量調整弁6Bを全閉させ、四方弁2Bを切り替えさせる。さらに、バイパス配管13Bに冷媒を通過させるために除霜用開閉弁10Bを開放させて、熱源側ユニットBにおける除霜運転を開始させる。そして、熱源側ユニットBが有するホットガス供給用開閉弁14B及び熱源側ユニットAが有するホットガス供給用開閉弁15Aを開放し、熱源側ユニットAからホットガスを供給させる(S14A)。そして、演算部102は、温度T22Bが除霜終了温度以上になったものと判断すると(S15)、制御部103が、ガス側流量調整弁3B、液側流量調整弁6Bを全開させ、四方弁2Bを切り替えさせ、除霜用開閉弁10B、ホットガス供給用開閉弁14B及びホットガス供給用開閉弁15Aを閉止させ、熱源側ユニットBにおける除霜運転を終了させる(S16A)。必要であれば暖房運転を開始させる。
図10は実施の形態2に係る熱源側ユニットBから除霜運転を開始させるときの処理のフローチャートを表す図である。図8のS9において、判断部102の判断により熱源側ユニットBから除霜運転を開始させるものとすると、制御部103は、ガス側流量調整弁3B、液側流量調整弁6Bを全閉させ、四方弁2Bを切り替えさせる。さらに、バイパス配管13Bに冷媒を通過させるために除霜用開閉弁10Bを開放させて、熱源側ユニットBにおける除霜運転を開始させる。そして、熱源側ユニットBが有するホットガス供給用開閉弁14B及び熱源側ユニットAが有するホットガス供給用開閉弁15Aを開放し、熱源側ユニットAからホットガスを供給させる(S21A)。そして、演算部102は、温度T22Bが除霜終了温度以上になったものと判断すると(S22)、制御部103が、ガス側流量調整弁3B、液側流量調整弁6Bを全開させ、四方弁2Bを切り替えさせ、除霜用開閉弁10B、ホットガス供給用開閉弁14B及びホットガス供給用開閉弁15Aを閉止させ、熱源側ユニットBにおける除霜運転を終了させ、暖房運転を開始させる(S23A)。
さらに、制御部103は、ガス側流量調整弁3A、液側流量調整弁6Aを全閉させ、四方弁2Aを切り替えさせる(反転させる)。さらに、バイパス配管13Aに冷媒を通過させるために除霜用開閉弁10Aを開放させて、熱源側ユニットAにおける除霜運転を開始させる。そして、本実施の形態では、熱源側ユニットAが有するホットガス供給用開閉弁14A及び熱源側ユニットBが有するホットガス供給用開閉弁15Bを開放し、ホットガス配管32を介して熱源側ユニットBから熱源側ユニットAにホットガスを供給させる(S24A)。そして、演算部102は、温度T22Aが除霜終了温度以上になったものと判断すると(S25)、制御部103が、ガス側流量調整弁3A、液側流量調整弁6Aを全開させ、四方弁2Aを切り替えさせ、除霜用開閉弁10A、ホットガス供給用開閉弁14A及びホットガス供給用開閉弁15Bを閉止させ、熱源側ユニットAにおける除霜運転を終了させる(S26A)。必要であれば暖房運転を開始させる。
以上のように実施の形態2の空気調和装置によれば、ホットガス供給用開閉弁14A及びホットガス供給用開閉弁15Bを開閉して、ホットガス配管32を介して暖房運転を行っている熱源側ユニット100から除霜運転を行っている熱源側ユニット100にホットガスを供給するようにしたので、除霜運転をはやく終了させることができ、暖房運転を開始させることができる。
実施の形態3.
図11は制御手段100が行う暖房運転中の液側流量調整弁6に係る処理のフローチャートを表す図である。上述の実施の形態1では、液側流量調整弁6について、暖房運転時(冷房運転時)には開放させるようにし、除霜運転時には閉止させるようにした。本実施の形態では、暖房運転時に開度を補正できるようにし、冷媒の流量を制御できるものとする。ここで、本実施の形態における空気調和装置の構成については、実施の形態1において説明した図1と同様の構成であるものとする。
次に図11に基づいて液側流量調整弁6の制御について説明する。暖房を開始すると、制御手段100の計測部101は、吐出圧力センサ21からの信号に基づいて、各熱源側ユニット100の圧縮機1A、1Bが吐出する冷媒の吐出圧力PDA及びPDBの値を判断する(S41)。さらに、計測部101は、吐出温度センサ23からの信号に基づいて、圧縮機1A、1Bが吐出する冷媒の吐出温度TDA、TDBの値を判断する(S42)。
制御手段100の演算部102は、次式(1)に基づいて、各熱源側ユニット100における吐出過熱度SHdA、SHdBを算出する(S43)。ここで、TS(PDA)、TS(PDB)はそれぞれ吐出圧力PDA、PDBにおける飽和温度を意味する。ここで、熱源側ユニット100の記憶部104に、飽和圧力と飽和温度との関係をデータとしてあらかじめ記憶しておき、演算部102の演算に利用する。
SHdA=TDA−TS(PDA)
SHdB=TDB−TS(PDB) …(1)
そして、算出した吐出過熱度SHdA、SHdBから、演算部102は、さらに液側流量調整弁6A、6Bの新たな開度LEVA、LEVBを次式(2)に基づいて算出する(S44)。補正量はあらかじめ設定し、記憶部104にデータとして記憶した吐出過熱度の目標値SHdmと実際の検知に係る値SHdA、SHdBとに基づいて、演算した結果の差に係数kを乗じて補正量を決定し、新しい開度LEVA、LEVBとして算出する。ここで、LEVA(n−1)、LEVB(n−1)は前回に算出した開度とする。制御部103は、算出した開度になるように液側流量調整弁6A、6Bを制御する。
LEVA=LEVA(n−1)−k(SHdm−SHdA)
LEVB=LEVB(n−1)−k(SHdm−SHdB) …(2)
以上のようにして、液側流量調整弁6の開度制御を行った場合の暖房運転において、熱源側ユニット100の熱源側熱交換器7に着霜していったときの液側流量調整弁6の状態について説明する。暖房運転を継続する中で、熱源側熱交換器7に霜が堆積すると、冷媒の熱が伝わりにくくなり、熱源側熱交換器7において熱抵抗が増加する。また、霜が堆積することで、風路を塞いでいくため、風路抵抗が増加して風量が低下し、冷媒と空気との熱交換量が減少する。このため、暖房運転時に蒸発器として機能する熱源側熱交換器7においては、冷媒が完全に蒸発しなくなるため、圧縮機1の吸入側における液冷媒の割合が多くなり、液バック(液冷媒が圧縮機に吸入されること)が生じるようになる。液バックによって圧縮機1が吸入する冷媒の温度が低下すると、圧縮機1の吐出温度も低下し、結果として吐出過熱度SHdAも低下する。したがって、圧縮機1の吐出過熱度SHdが低下すると、熱源側熱交換器7からの液バック量が多くなったものと判断することができる。
また、図11に示すように、液側流量調整弁6の開度を吐出過熱度SHdに基づいて、補正する。こうして熱源側熱交換器7における霜の堆積が進むにつれて、熱源側ユニット100の液側流量調整弁6の開度も徐々に絞られていき(小さくなっていき)、圧力が低下するため、熱源側ユニットA、Bの熱交換器温度センサ22A、22Bの検知に係る温度T22A、T22B(暖房運転時には熱源側熱交換器7A、7Bの流入口における冷媒温度となる)も低下することになる。したがって、温度T22A、T22Bの低下の具合によって、熱源側熱交換器7A、7Bに霜が多く堆積したことを判断できるようになる。
次に本実施の形態における除霜に係る空気調和装置の動作について制御手段100の処理を、上述の実施の形態1と異なる部分を中心に説明する。除霜を行うかどうかの判断及び除霜運転を行う熱源側ユニットを決定するまでの処理については、実施の形態1において、図3に基づいて説明したことと同様の処理を行う。
図12は実施の形態3に係る熱源側ユニットAから除霜運転を開始させるときの処理のフローチャートを表す図である。図3のS8において、判断部102の判断により熱源側ユニットAから除霜運転を開始させるものとすると、制御部103は、ガス側流量調整弁3A、液側流量調整弁6Aを全閉させ、四方弁2Aを切り替えさせる(反転させる)。さらに、バイパス配管13Aに冷媒を通過させるために除霜用開閉弁10Aを開放させて、熱源側ユニットAにおける除霜運転を開始させる(S51)。そして、演算部102は、温度T22Aが除霜終了温度以上になったものと判断すると(S52)、制御部103が、ガス側流量調整弁3A、液側流量調整弁6Aを全開させ、四方弁2Aを切り替えさせ、さらに除霜用開閉弁10Aを閉止させて、熱源側ユニットAにおける除霜運転を終了させる(S53)。
そして、演算部102は、さらに温度T22Bが除霜開始温度以下であるかどうかを判断する(S54)。温度T22Bが除霜開始温度以下でない(除霜開始温度よりも高い)と判断すると、熱源側ユニットBにおける除霜運転を行わずに、熱源側ユニットBに暖房運転を継続して行わせる。必要であれば熱源側ユニットAにおいても暖房運転を開始させる。一方、温度T22Bが除霜開始温度以下であると判断すると、熱源側ユニットBにおいても除霜運転を行うようにし、熱源側ユニットAに暖房運転を開始させる。
演算部102は、所定の時間(除霜開始時間)が経過したか、又は高圧側の圧力(吐出圧力センサ21Aの検知に係る圧力PDA)が所定の圧力値P以上になったかどうかを判断する(S55)。熱源側ユニットA、Bにおいて除霜運転を連続して行うことで、暖房に寄与する冷媒における高圧の冷媒が低い状態が長時間続く等の状態が生じ得る。このような状態を避けるために、本実施の形態では、暖房に必要な冷媒の圧力を確保できたか、一定以上の時間を空けた上で、次の熱源側ユニット100における除霜運転を行うようにする。
そして、制御部103は、ガス側流量調整弁3B、液側流量調整弁6Bを全閉させ、四方弁2Bを切り替えさせ、さらに除霜用開閉弁10Bを開放させて、熱源側ユニットBにおける除霜運転を開始する(S56)。そして、温度T22Bが除霜終了温度以上になったものと判断すると(S57)、制御部103が、ガス側流量調整弁3B、液側流量調整弁6Bを全開させ、四方弁2Bを切り替えさせ、さらに除霜用開閉弁10Bを閉止させて、熱源側ユニットBにおける除霜運転を終了させる(S58)。必要であれば暖房運転を開始させる。
図13は実施の形態3に係る熱源側ユニットBから除霜運転を開始させるときの処理のフローチャートを表す図である。図3のS9において、判断部102の判断により熱源側ユニットBから除霜運転を開始させるものとすると、制御部103は、ガス側流量調整弁3B、液側流量調整弁6Bを全閉させ、四方弁2Bを切り替えさせる(反転させる)。さらに、バイパス配管13Bに冷媒を通過させるために除霜用開閉弁10Bを開放させて、熱源側ユニットBにおける除霜運転を開始させる(S21)。そして、演算部102は、温度T22Bが除霜終了温度以上になったものと判断すると(S22)、制御部103が、ガス側流量調整弁3B、液側流量調整弁6Bを全開させ、四方弁2Bを切り替えさせ、さらに除霜用開閉弁10Bを閉止させて、熱源側ユニットBにおける除霜運転を終了させる(S23)。また、演算部102は、温度T22Aが除霜開始温度以下であると判断すると(S24)、熱源側ユニットBにおいても除霜運転を行うようにする。
そして、演算部102が、除霜開始時間が経過したか、又は高圧が所定の圧力値以上になったと判断すると(S25)、制御部103は、ガス側流量調整弁3B、液側流量調整弁6Bを全閉させ、四方弁2Bを切り替えさせ、さらに除霜用開閉弁10Bを開放させて、熱源側ユニットBにおける除霜運転を開始する(S24)。そして、温度T22Bが除霜終了温度以上になったものと判断すると(S25)、制御部103が、ガス側流量調整弁3B、液側流量調整弁6Bを全開させ、四方弁2Bを切り替えさせ、さらに除霜用開閉弁10Bを閉止させて、熱源側ユニットBにおける除霜運転を終了させる(S26)。
以上のように実施の形態3における空気調和装置によれば、各熱源側ユニット100の熱源側熱交換器7における霜の堆積量を、各熱交換器温度センサ22の検知に係る温度に基づいて判断し、各熱源側ユニット100について除霜運転を行うかどうかを判断するようにしたので、霜の堆積量が多い熱源側ユニット100に対して除霜運転を行うことができ、効率のよい運転ができるようになる。また、複数台の熱源側ユニット100を連続して除霜運転させる場合においても、空気調和装置が行っている暖房が安定するような条件になるまで待ってから、次の熱源側ユニット100における除霜運転を開始するようにしたので、例えば、弁の切替等により生じる高圧の低下を抑え、快適性を損なわない暖房を実施することができる。
実施の形態4.
図14は実施の形態4に係る制御手段100が行う除霜に係る処理のフローチャートを表す図である。次に本実施の形態における除霜に係る空気調和装置の動作について制御手段100の処理を、上述の実施の形態と異なる部分を中心に説明する。
熱源側熱交換器7において、空気(外気)と冷媒との間で熱交換(熱量の授受)を行っているが、暖房運転において熱交換量が多くなるということは、空気が冷却されていることになり、霜が堆積しやすくなる。そのため、熱交換量と霜の堆積にも密接な関係がある。本実施の形態では、各熱源側ユニット100の熱源側熱交換器7における熱交換量に基づいて、除霜運転を行うかどうかを判断等するようにしたものである。
例えば、制御部103が、リモコンなどのスイッチ入力により各熱源側ユニット100を制御して、上述した暖房運転を開始する。圧縮機1が駆動を開始し、制御手段100の制御部103は、ガス側流量調整弁3、液側流量調整弁6を開放させ、除霜用開閉弁10を閉止させる(S71)。
制御手段100の演算部102は、次式(3)に基づいて、各熱源側熱交換器7における単位時間ごとの熱交換量を試算し、熱交換量を積算した積算熱交換量ΣQA(n)、ΣQB(n)を算出して、各熱源側熱交換器7が前回の除霜運転を行ってからの総熱交換量を推定、算出する(S72)。ここで、ΣQA(n)、ΣQB(n)は前回の除霜運転を行ってからn回目の試算に係る積算熱交換量ΣQA、ΣQBを示す(ここで、ΣQA(0)、ΣQB(0)=0である)。また、GA、GBは圧縮機1の駆動周波数、HA、HBは冷凍サイクルにおける温度、圧力から決定した熱源側熱交換器7の出入口におけるエンタルピ差を示している。以下、積算熱交換量ΣQはΣQ(n)を示すものとする。
ΣQ(n)=ΣQ(n−1)+G×H …(3)
そして、演算部102は、各熱源側ユニット100にそれぞれ設けている熱交換器温度センサ22からの信号に基づいて、計測部101は温度T22A、T22Bを判断する(S73)。そして、演算部102は、温度T22A、T22Bのどちらかが除霜開始温度以下であるかどうかを判断する(S74)。どちらも除霜開始温度以下でない(除霜開始温度より高い)と判断すると、S72に戻って積算熱交換量ΣQA、ΣQBの算出を続ける。
どちらか少なくとも一方が除霜開始温度以下になったものと判断すると、さらに積算熱交換量ΣQA、ΣQBのどちらかが基準値となる熱交換量Qmax1よりも大きいかどうかを判断する(S75)。どちらも熱交換量Qmax1以下であると判断すると、S102に戻ってΣQA、ΣQBの算出を続ける。どちらかがQmax1よりも大きいと判断すると、積算熱交換量ΣQAが積算熱交換量ΣQB以上であるかどうかを判断する(S106)。積算熱交換量ΣQAが積算熱交換量ΣQB以上であれば、少なくとも積算熱交換量ΣQAが熱交換量Qmax1よりも大きい(ΣQA≧ΣQB>Qmax1又はΣQA>Qmax1>ΣQB)ため、熱源側ユニットAから除霜運転を行わせる(S76)。また、積算熱交換量ΣQAが積算熱交換量ΣQB以上でなければ、少なくとも積算熱交換量ΣQBが熱交換量Qmax1よりも大きい(ΣQB>ΣQA>Qmax1又はΣQB>Qmax1>ΣQA)ため、熱源側ユニットBから除霜運転を行わせる(S77)。ここで、本実施の形態では、積算熱交換量ΣQAと積算熱交換量ΣQBとが同じ値の場合には、熱源側ユニットAから除霜運転を行うようにしているが、熱源側ユニットBから除霜運転を行わせるようにしてもよい。
図15は実施の形態4に係る熱源側ユニットAから除霜運転を開始させるときの処理のフローチャートを表す図である。図14のS76において、判断部102の判断により熱源側ユニットAから除霜運転を開始させるものとすると、制御部103は、熱源側ユニットAから除霜運転を行うものと判断すると、ガス側流量調整弁3A、液側流量調整弁6Aを全閉させ、四方弁2Aを切り替えさせる(反転させる)。さらに、バイパス配管13Aに冷媒を通過させるために除霜用開閉弁10Aを開放させて、熱源側ユニットAにおける除霜運転を開始させる(S51)。このとき、熱源側ユニットBが暖房運転を行っていなければ暖房運転を開始し、行っていれば暖房運転を継続させるようにする。
演算部102は、温度T22Aが除霜終了温度以上になったかどうかを判断する(S52)。除霜終了温度以上になったものと判断すると、制御部103が、ガス側流量調整弁3A、液側流量調整弁6Aを全開させ、四方弁2Aを切り替えさせ、さらに除霜用開閉弁10Aを閉止させて、熱源側ユニットAにおける除霜運転を終了させ、暖房運転を開始させる。また、演算部102は積算熱交換量ΣQAを初期値である0に戻す(S53A)。
さらに、演算部102は、積算熱交換量ΣQBがQmax2より大きいかどうかを判断する(S54A)。積算熱交換量ΣQBがQmax2より大きくない(Qmax2である)と判断すると、熱源側ユニットBにおける除霜運転を行わずに、熱源側ユニットBに暖房運転を継続して行わせる。一方、積算熱交換量ΣQBがQmax2より大きいと判断すると、熱源側ユニットBにおいても除霜運転を行う。
演算部102は、所定の時間(除霜開始時間)が経過したか、又は高圧が所定の圧力値以上になったかどうかを判断する(S55)。熱源側ユニットA、Bにおいて除霜運転を連続して行うことで、高圧が立ち上がる前に次の熱源側ユニットにおける除霜運転が始まり、高圧が低下した状態が長時間続き、暖房能力が低下する。このような状態を避けるために、本実施の形態では、暖房に必要な冷媒の圧力を確保できたか、一定以上の時間を空けた上で、次の熱源側ユニット100における除霜運転を行うようにする。
そして、制御部103は、ガス側流量調整弁3B、液側流量調整弁6Bを全閉させ、四方弁2Bを切り替えさせ、さらに除霜用開閉弁10Bを開放させて、熱源側ユニットBにおける除霜運転を開始する(S56)。そして、温度T22Bが除霜終了温度以上になったかどうかを判断する(S57)。除霜終了温度以上になったものと判断すると、制御部103が、ガス側流量調整弁3B、液側流量調整弁6Bを全開させ、四方弁2Bを切り替えさせ、さらに除霜用開閉弁10Bを閉止させて、熱源側ユニットBにおける除霜運転を終了させる。また、演算部102は積算熱交換量ΣQBを初期値である0に戻す(S58A)。必要であれば暖房運転を開始させる。
図16は実施の形態4に係る熱源側ユニットBから除霜運転を開始させるときの処理のフローチャートを表す図である。図14のS77において、判断部102の判断により熱源側ユニットBから除霜運転を開始させるものとすると、制御部103は、熱源側ユニットBから除霜運転を行うものと判断すると、ガス側流量調整弁3B、液側流量調整弁6Bを全閉させ、四方弁2Bを切り替えさせる。さらに、バイパス配管13Bに冷媒を通過させるために除霜用開閉弁10Bを開放させて、熱源側ユニットBにおける除霜運転を開始させる(S61)。このとき、熱源側ユニットAが暖房運転を行っていなければ暖房運転を開始させ、行っていれば暖房運転を継続させるようにする。
演算部102は、温度T22Bが除霜終了温度以上になったかどうかを判断する(S62)。除霜終了温度以上になったものと判断すると、制御部103が、ガス側流量調整弁3B、液側流量調整弁6Bを全開させ、四方弁2Bを切り替えさせ、さらに除霜用開閉弁10Bを閉止させて、熱源側ユニットBにおける除霜運転を終了させ、暖房運転を開始させる。また、演算部102は積算熱交換量ΣQBを初期値である0に戻す(S63A)。
さらに、演算部102は、積算熱交換量ΣQAがQmax2より大きいかどうかを判断する(S64A)。積算熱交換量ΣQAがQmax2より大きくない(Qmax2である)と判断すると、熱源側ユニットAにおける除霜運転を行わずに、熱源側ユニットAに暖房運転を継続して行わせる。一方、積算熱交換量ΣQAがQmax2より大きいと判断すると、熱源側ユニットAにおいても除霜運転を行う。
そして、演算部102が、除霜開始時間が経過したか、又は高圧が所定の圧力値以上になったと判断すると(S65)、制御部103は、ガス側流量調整弁3A、液側流量調整弁6Aを全閉させ、四方弁2Bを切り替えさせ、さらに除霜用開閉弁10Aを開放させて、熱源側ユニットAにおける除霜運転を開始させる(S66)。そして、温度T22Aが除霜終了温度以上になったかどうかを判断する(S67)。除霜終了温度以上になったものと判断すると、制御部103が、ガス側流量調整弁3A、液側流量調整弁6Aを全開させ、四方弁2Aを切り替えさせ、さらに除霜用開閉弁10Aを閉止させて、熱源側ユニットAにおける除霜運転を終了させる。また、演算部102は積算熱交換量ΣQAを初期値である0に戻す(S68A)。必要であれば暖房運転を開始させる。
以上のように実施の形態4の空気調和装置によれば、除霜運転を行うかどうかの判断について、熱源側熱交換器7の冷媒流入側(暖房運転時)の温度T22A、T22Bに基づく判断に加え、前回の除霜運転を行ってからの熱交換量の積算値を推測し、冷媒回路の運転状態から、霜の堆積量をさらに直接的に予測して判断するようにしたので、熱源側熱交換器7における霜の堆積量に対する予測精度を向上させることができる。そのため、特に外気温度が低い場合、配管長のバラツキ等により、温度T22A、T22Bが低くなっても霜があまり堆積していないような場合には、除霜運転を行わないうようにすることができ、不必要な除霜運転を行わないようにすることで、消費電力量を低減することができる。また、除霜運転が少なくなることで、その分、暖房運転を行うことにより、暖房に寄与することができるため、暖房効率を高めることができる。
A,B 熱源側ユニット、X,Y 負荷側ユニット、1,1A,1B 圧縮機、2,2A,2B 四方弁、3,3A,3B ガス側流量調整弁、4,4X,4Y 負荷側熱交換器、5,5X,5Y 負荷側絞り装置、6,6A,6B ガス側流量調整弁、7,7A,7B 熱源側熱交換器、8,8A,8B アキュムレータ、10,10A,10B 除霜用開閉弁、11,11A,11B 熱源側ファン、12,12X,12Y 負荷側ファン、13,13A,13B バイパス配管、14,14A,14B,15,15A,15B ホットガス供給用開閉弁、21,21A,21B 吐出圧力センサ、22,22A,22B 熱交換器温度センサ、23,23A,23B 吐出温度センサ、30 ガス配管、31 液配管、32 ホットガス配管、100 制御手段、101 計測部、102 演算部、103 制御部、104 記憶部。