以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面を用いて詳細に説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るシート搬送装置を組み込んだ画像形成装置の一例である複写機の構成を示す図である。
図1において、1は複写機、1Aは複写機本体であり、複写機本体1Aの上部には原稿画像を読み取る画像読取装置120が、また複写機本体1Aの一方の側部には複写機本体1Aから排出されたシートPの処理を行うシート処理装置2がそれぞれ設けられている。また、複写機本体1Aの他方の側部には外部給紙装置3が設けられている。
ここで、複写機本体1Aには、帯電手段108、円筒状の感光体ドラム102、現像器103等を備えた画像形成部100が設けられている。さらに、画像形成部100の下流側には定着装置150、排出ローラ対180等が配設されている。また、画像読取装置120は、原稿載置台としてのプラテンガラス121、スキャナユニット123、原稿をプラテンガラス121に給送する原稿給送装置129等を備えている。
なお、複写機本体1Aには、各種モードの設定や動作状態等必要な情報を確認する表示部を有する不図示の操作パネルが設けられており、この操作パネルの表示部にはシートのジャム等の異常発生時、ユーザに対して作業する内容が表示されるようになっている。また、複写機本体1Aには、設定された動作モードにより画像読取装置120、画像形成部100及びシート処理装置2等を所定のプログラムで動作制御する不図示の制御部が設けられている。
また、シート処理装置2は、複写機本体1Aから排出される画像形成済みのシートをステイプラ270により綴じる綴じ部200等を備え、外部給紙装置3はシートPを積載するシートデッキ345を備えている。
次に、このような構成の複写機本体1Aの画像形成動作及びシート処理装置2のシート処理動作について説明する。
不図示のスタートボタンが押されると、原稿給送装置129の原稿トレイ129aに積載された不図示の原稿が、原稿給送装置129により1枚ずつ順次プラテンガラス121上に搬送される。原稿が搬送されると、スキャナ部122のランプが点灯し、かつスキャナ部122を備えたスキャナユニット123が移動して原稿を照射する。
原稿からの反射光は、ミラー124〜126を介してレンズ127を通過した後、CCDイメージセンサ128に入力されて光電変換され、電気信号に変換される。この後、変換された電気信号は、各種画像処理を施されて複写機本体1Aに設けられた露光制御部101に入力される。なお、本実施の形態においては、露光制御部101に入力される信号(画像データ)は画像読取装置120からのものであるが、これに限定するものではなく、パーソナルコンピュータなどから送信されてくる画像データでもよい。
次に、露光制御部101に入力された信号は、光信号に変換され、画像信号に従った照射光として感光体ドラム102に照射され、感光体ドラム102上に潜像が形成される。そして、このように照射光によって感光体ドラム102上に形成された潜像は現像器103によって現像される。
一方、この画像形成動作に並行して、例えば給紙カセット145に収納されたシートPは、給紙ローラ146により順次繰り出され、この後、シートPは縦パスローラ147によりレジストローラ148まで搬送される。また、外部給紙装置3のシートデッキ345に収納されたシートPは、給紙ローラ340により順次繰り出され、この後、シートPは搬送ローラ347,348によりレジストローラ148まで搬送される。
ここで、このようにシートPが搬送される際、レジストローラ148は回転動作を停止しており、このように回転動作を停止しているレジストローラ148にシートPの先端が突き当たった後も搬送されることにより、シートPは、所定のループを作るようになる。そして、このようなループを形成することにより、シートPの先端はドラム軸と平行になり、斜行が補正される。
次に、所定のタイミングでレジストローラ148を駆動させる。これにより、シートPは、先に感光体ドラム102上に作られたトナー像と、先端位置とを合わせた状態で、転写部104に搬送される。なお、転写部104は、駆動ローラ106と従動ローラ107で掛け回される無端状の転写ベルト105と、転写ベルト105の内側の感光体ドラム102と略対向する位置に配置された転写用のコロナ帯電器110を備えている。
そして、このような構成の転写部104において、シートPを転写ベルト105に吸着させながら搬送すると共に、コロナ帯電器110に転写電圧を印加することにより、感光体ドラム102上のトナー像がシートPに転写される。なお、転写ベルト105の表面及び感光体ドラム102の表面には、トナーや紙粉を清掃する清掃部材109を当接してそれぞれの表面を清掃している。
次に、このようにトナー像が転写されたシートPは、この後、定着装置150に搬送され、定着装置150において転写画像が永久定着される。この後、画像が定着されたシートPは、ストレート搬送路160を通り、排出ローラ180によりシート処理装置2へ排出される。
なお、シートPを、表裏逆転させてシート処理装置2へ排出する場合には、定着装置150から排出されたシートPを、定着後ローラ151の下流にある不図示の切換部材を切り換えることにより、反転路170へ導入する。次に、シートPを所定量搬送した後、第1反転ローラ171の所定量上流位置にシートPの後端が位置するように第1反転ローラ171及び第2反転ローラ172を停止させる。この後、第1反転ローラ171及び第2反転ローラ172を逆転させることにより、シートPを排出ローラ180の方向へ搬送して排出させる。
また、シートPの両面に画像形成を行う場合には、定着装置150から排出されたシートPを定着後ローラ151の下流にある不図示の切換部材を切り換えることにより、シートを反転路170へ導入する。次に、シートを所定量搬送した後、第2反転ローラ172の所定量上流位置にシートPの後端が位置するように、第1反転ローラ171及び第2反転ローラ172を停止させる。
次に、第2反転ローラ172と再搬送パス174との間に設けられた不図示の切換部材を回動させることにより、シートPを再搬送パス174に搬送し、両面ローラ173により再度縦パスローラ147へ搬送する。この後、シートPを転写部104に向けて搬送することにより、画像形成されていないシートPの裏面に画像形成されることになる。なお、このように表裏両方とも画像形成されたシートは、この後、ストレート搬送路160を通り、排出ローラ180によりシート処理装置2へ排出される。
次に、シート処理装置2に排出されたシートPは、操作部によりステイプル等の処理が設定されていない場合には、入り口ローラ201を経て第1搬送路210に搬送される。そして、第1排紙ローラ220により、第1シート積載トレイ230へ画像形成面を上にして排出、積載される。
また、ステイプル等の処理が設定されている際には、第2搬送路240に搬送されて第2排出ローラ250によりシート処理トレイ260に集積されてシート束となる。この後、ステイプラ270により綴じられ、シート束排出ローラ280により第2シート積載トレイ290へ排出、積載される。
ところで、定着装置150から排出ローラ180までの間のシート搬送路であるストレート搬送路160は、図2の(a)〜(c)に示すように上搬送ガイド300と下搬送ガイド302とによって構成されている。ここで、本実施の形態において、ストレート搬送路160内でシートがジャムした場合、ストレート搬送路160を開放するように上搬送ガイド300を上方回動可能に設けている。そして、これら定着後ローラ151、上搬送ガイド300、下搬送ガイド302、及び排出ローラ180は、定着装置150から排出ローラ180までの間のシート搬送装置を構成する。
なお、このストレート搬送路160を開閉可能(開放可能)に構成する回動可能なガイド部材である上搬送ガイド300の回動端にはユーザが上搬送ガイド300を開閉操作するための把持手段である把手301が設けられている。そして、図4に示すようにストレート搬送路160を開放する場合、把手301を持って上搬送ガイド300を上方向に回動するようにする。
また、この上搬送ガイド300の上方には、先端に内装カバー303を備えたフレーム311が設けられている。そして、この上搬送ガイド300の上方に位置するフレーム部材であるフレーム311と上搬送ガイド300との間には上搬送ガイド300の開放を可能とする空間Sが設けられている。
ここで、このフレーム311の底面にはロック部材306が設けられ、上搬送ガイド300の上面には、フレーム311のロック部材306と係合する被ロック部材305が設けられている。そして、この上搬送ガイド300の被ロック部材305と、フレーム311のロック部材306とにより上搬送ガイド300を、ストレート搬送路160を開放する所定位置にロック(保持)する保持手段であるロック機構310が構成される。
なお、本実施の形態において、ロック部材306は、図3に示すように被ロック部材305の係合部305aを挟持しながらロック部材本体306c内部に引き込むチャック306aと、チャック306aによる挟持を解除する解除ボタン306bを備えている。
そして、後述するように上搬送ガイド300が上方回動すると、ロック部材306のチャック306aは、被ロック部材305の係合部305aを挟持しながら図3の(b)に示すようにロック部材本体306cの内部に引き込むようになっている。これにより、被ロック部材305はロック部材306によってロックされ、この結果、上搬送ガイド300はストレート搬送路160を開放する所定位置に保持される。
一方、この被ロック部材305のロックを解除する場合は、所定位置に保持された状態の上搬送ガイド300を、図3の(b)の矢印に示す、上搬送ガイド300をロック機構によりロックする際の上搬送ガイド300の移動方向にさらに回動させる。ここで、このように上搬送ガイド300をさらに回動すると、被ロック部材305の係合部305aにより、このときロック部材本体306cの内部にある解除ボタン306bが押される。
これにより、チャック306aが図3の(a)に示すように係合部305aの挟持を解除しながら突出し、被ロック部材305のロック部材306によるロックが解除される。つまり、上搬送ガイド300のロックを解除する際は、上搬送ガイド300を上方に回動することにより、ロックが解除される。この結果、上搬送ガイド300はストレート搬送路160を閉じる位置に移動することができる。なお、ロック機構は、ロック部材306と被ロック部材305とを磁気的に係合させるマグネットキャッチで構成するようにしても良い。
また、図2に示すように内装カバー303の一側部の上搬送ガイド300の把手301に臨む位置には、上搬送ガイド300がロック機構に保持された際、把手301の上方空間(図9に示す操作空間S1)を塞ぐカバー部材304が移動可能に設けられている。
そして、このように構成された複写機本体1Aにおいて、ストレート搬送路内にあるシートを取り除く場合には、まず図4の(a)〜(c)に示すように、把手301を持って矢印aで示す上方向に上搬送ガイド300を開放する。このように上搬送ガイド300を開放すると、図3の(b)に示すようにフレーム311に設けられたロック部材306に、上搬送ガイド300の被ロック部材305が係合し、上搬送ガイド300はストレート搬送路160を開放する所定位置に固定される。
ここで、上搬送ガイド300を開く際、ユーザが把手301を上下から掴んで操作した場合、手(指)がカバー部材304に、上搬送ガイド300がロック機構にロックされる方向である下方から当接する。しかし、このように手が当接しても、カバー部材304は移動自在となっているので、手と一体に上方移動する。このため、把手301とカバー部材304の間で手が挟まれることはない。
次に、上搬送ガイド300の被ロック部材305がフレーム311のロック部材306と係合したところで、把手301から手を放すと、上搬送ガイド300は開放状態のまま保持されると同時に、カバー部材304が自重により移動する。そして、このようにカバー部材304が移動すると、把手301とカバー部材304との間の空間が塞がれるようになる。この結果、把手301の上方から手を差し込むことが出来なくなるため、把手301が上方から押し下げる方向に操作されるのを防ぐことができる。
ここで、本実施の形態において、カバー部材304の回動中心となる回動軸304aは、図5の(a)に示すように、把手301に対して上方で、かつフレーム311の下方内側の上搬送ガイド300の動作域を侵さない範囲(領域)(1)に設けられている。そして、このような位置に回動軸304aを設けることにより、図5の(b)に示すように、下方(矢印a方向)から力が加わった場合にはカバー部材304は、破線で示す位置から矢印d方向に回動し、実線で示す退避位置に移動することができる。
なお、回動軸304aを図5の(a)に示す領域(2)側に配置すると、矢印fに示す横方向(側方)から力が加わった場合、カバー部材304が回動するため、把手301に対する上方からの操作を許してしまう。一方、カバー部材304の回動軸304aを、領域(1)側に配置すると、横方向(矢印f方向)から力が加わった場合には、カバー部材304は把手301に当接するようになり回動不能となる。つまり、カバー部材304が把手301の上方空間を塞ぐ位置にあるとき、ガイド部材側に押圧されると、カバー部材304は把手301に当接して回動不能となる。
一方、上搬送ガイド300が開いて保持された状態では、図5に示すように上搬送ガイド300及び把手301が、フレーム311及びカバー部材304の下方の奥側に潜り込むようになる。なお、このようにフレーム311及びカバー部材304の下方の奥側に潜り込むようになった場合でも、ジャムしたシートを取り除く際、把手301が視認出来るようにすることが望ましい。このため、上搬送ガイド300を開いた状態での把手301の位置を、図4の(a)に示すように上搬送ガイド300を開いた状態での把手301の位置を基準として水平から視野角度上下45〜−45°となるように設定している。
また、把手301がフレーム311等の下方の奥側に潜り込んだ場合でも、把手301の視認性を確保するため、カバー部材304の前面には把手301に向かって傾斜した傾斜面304bが設けられている。なお、このカバー部材304の傾斜面304bは、把手301の位置を基準にして、水平から45°以上とすることが好ましく、本実施の形態では60°に設定している。
これにより、ジャムしたシートを取り除いた後、上搬送ガイド300を閉じる際、把手301は視認可能となっているため、またカバー部材304は横方向から力を加えても回動しないことから、ユーザは自然に把手301の下方から手を差し込むようになる。
そして、このように自然に把手301の下方から手を差し込むことにより、この後、ユーザは把手301を、一旦持ち上げて被ロック部材305のロック部材306との係合を解除する操作を自然に行うようになる。なお、このように被ロック部材305のロックを解除すると、上搬送ガイド300は下方回動可能となるので、ユーザは、そのまま把手301から手を放すことなく上搬送ガイド300を下方向に戻してストレート搬送路160を閉じるようにする。これにより、ジャム処理作業が完了する。
以上説明したように、ストレート搬送路内にあるシートを取り除く場合には、上搬送ガイド300をロック機構により所定位置に保持する。そして、このように、上搬送ガイド300がロック機構によりロックされた際、カバー部材304により、上搬送ガイド300に設けられた把手301の上面(上方空間)を塞ぐようにする。
これにより、シートを処理した後に行う上搬送ガイド300のロック解除は、把手301を下方から操作して行うという正しい操作により行われるようになる。この結果、ユーザが間違って無理やり把手301を押し下げることがなくなり、ロック機構や上及び下搬送ガイド300,302を破損させること無くジャム処理を行うことができる。
ところで、これまでの説明においては、上搬送ガイド300を開く際、手が挟まれないように回動可能なカバー部材304を内装カバー303に設けた場合について説明したが、本発明は、これに限らない。例えば、カバー部材を直線的にスライド可能な板状のカバー部材としてもよい。
また、カバー部材304は把手301に当接して停止する構成としたが、把手301に当接する前にカバー部材304を停止させるためのストッパを設けるようにしてもよい。そして、このようにストッパを設けた場合、カバー部材304は把手301に当接しなくとも、上搬送ガイド300に設けられた把手301の上面(上方空間)を塞ぐことができる。
この結果、例えば、上搬送ガイド300が把手301を有しておらず、上搬送ガイド本体を操作して上搬送ガイド300を上方回動させるような場合でも、カバー部材304は、図4の(b)に示すように、上搬送ガイド300の上面を塞ぐことができる。なお、この場合、カバー部材304を、ユーザの手が入らない程度の所定の間隔(隙間)を空けて停止させるようストッパの位置を設定する必要がある。
さらに、回動可能なカバー部材304の代わりに、上搬送ガイド300を開く際、手と当接した場合、弾性変形する弾性部材を内装カバー303に設けるようにしても良い。
次に、このようにカバー部材304の代わりに弾性部材をカバー部材として内装カバー303に設けるようにした本発明の第2の実施の形態について説明する。
図6は、本実施の形態に係る複写機に設けられたストレート搬送路近傍の構成を示す図である。なお、図6において、既述した図4と同一符号は、同一又は相当部分を示している。
図6において、307は、内装カバー303の一側部の、上搬送ガイド300を上方向に持ち上げた際、上搬送ガイド300の把手301に臨む位置に設けられたゴム等で形成された弾性部材である。
そして、このような弾性部材307をカバー部材として設けることにより、把手301を上下から掴んで把手301を持ち上げた際、手が弾性部材307に当接しても弾性部材307が図6の(b)に示すように弾性変形する。このため、この後、さらに把手301を持ち上げても、弾性変形可能な弾性部材307は把手301を掴んだ手により、上搬送ガイド300が開く方向に弾性変形するので把手301と弾性部材307の間で手が挟まれることはない。
次に、上搬送ガイド300の被ロック部材305がフレーム311のロック部材306と係合したところで、把手301から手を放すと、上搬送ガイド300は開放状態のまま保持されると同時に、弾性部材307は元の形状に戻る。そして、このように弾性部材307の変形が元に戻ると、弾性部材307が把手301の上方空間を塞ぎ、把手301と弾性部材307との間の空間が塞がれるようになる。
この結果、把手301の上方から手を差し込むことは出来なくなるため、把手301が上方から押し下げられることはない。なお、この弾性部材307は、横方向から力を加えた場合、弾性変形するので手が把手301に触れることはない。
なお、弾性部材307が元の形状に戻る前に弾性部材307を停止させるためのストッパを設けるようにしてもよい。そして、このようにストッパを設けた場合、弾性部材307は把手301に当接しなくとも、上搬送ガイド300に設けられた把手301の上面(上方空間)を塞ぐことができる。
一方、上搬送ガイド300が開いて保持された状態では、図6の(a)に示すように上搬送ガイド300が、フレーム311及び弾性部材307の下方の奥側に潜り込むようになる。そこで、このように上搬送ガイド300が弾性部材307等の下方の奥側に潜り込んだ場合でも、把手301の視認性を確保するため、少なくとも弾性部材307の前面には把手301に向かって傾斜した傾斜面307aが設けられている。なお、この弾性部材307の傾斜面307aは、把手301の位置を基準にして、水平から45°以上とすることが好ましく、本実施の形態では60°に設定している(図4の(a)参照)。
これにより、シートを処理して上搬送ガイド300を閉じる際、把手301の視認性が確保されており、また弾性部材307に横方向から力を加えても把手301に触れることが出来ないことから、ユーザは自然に把手301の下方から手を差し込むようになる。
そして、このように自然に把手301の下方から手を差し込むことにより、この後、ユーザは把手301を、一旦持ち上げて被ロック部材305のロック部材306との係合を解除する操作を自然に行うようになる。なお、このように被ロック部材305のロックを解除すると、上搬送ガイド300は下方回動可能となるので、ユーザは、そのまま把手301から手を放すことなく上搬送ガイド300を下方向に戻してストレート搬送路160を閉じるようにする。これにより、ジャム処理作業が完了する。
このように、上搬送ガイド300がロックされた際、弾性部材307によって把手301の上方空間を塞ぐことにより、ジャム処理の後の上搬送ガイド300のロック解除は、把手301を下方から操作して行うという正しい操作により行われるようになる。この結果、ユーザが間違って無理やり把手301を押し下げることがなくなり、ロック機構や上及び下搬送ガイド300,302を破損させること無くジャム処理を行うことができる。
ところで、これまでの説明においては、ストレート搬送路160においてシートがジャムした場合、例えば図2及び図6に示すように上搬送ガイド300を上方に開くようにした構成を説明したが本発明は、これに限らない。例えば、ストレート搬送路160においてシートがジャムした場合、下搬送ガイドを開くように構成しても良い。
次に、このようにストレート搬送路160においてシートがジャムした場合、下搬送ガイドを下方移動して開くように構成した本発明の第1の参考例について説明する。
図7は、本参考例に係る複写機に設けられたストレート搬送路近傍の構成を示す図である。図7において、400は上搬送ガイド、402は上部部材である上搬送ガイド400と共にストレート搬送路160を構成する下搬送ガイドである。ここで、本参考例において、シートがジャムした場合、ストレート搬送路160を開放するように下搬送ガイド402を下方回動可能に設けている。
そして、このストレート搬送路160を開閉可能に構成する回動可能なガイド部材である下搬送ガイド402の回動端にはユーザが下搬送ガイド402を開閉操作するための把手401が設けられている。そして、ストレート搬送路160を開放する場合、把手401を持って下搬送ガイド402を下方向に回動するようにする。
また、上搬送ガイド400の底面の下搬送ガイド402の把手401に臨む位置には、下搬送ガイド402が、例えば既述した図3に示すような構成のロック機構に保持された際、把手401の上方空間を塞ぐカバー部材404が回動可能に設けられている。本参考例において上搬送ガイド400がフレーム部材となる。
なお、本参考例において、このロック機構は、下搬送ガイド402が開いた状態から矢印aで示す、閉じる方向に押圧されることで下搬送ガイド402をロックするようになっている。また、ロックされた状態の下搬送ガイド402を、さらに矢印aで示す下搬送ガイド402を閉じる方向に押圧することでロックが解除されるようになっている。
そして、このように構成された複写機本体1Aにおいて、ストレート搬送路内にあるシートを取り除く場合には、まず図7の(a)に示すようにストレート搬送路160を閉じる位置にある下搬送ガイド402を、把手401を持って矢印a方向に押圧する。これにより、ロック機構によるロックが解除され、下搬送ガイド402は下方回動が可能となる。
次に、このように下方回動可能になった下搬送ガイド402を、ユーザは、そのまま把手401から手を放すことなく下方回動させて図7の(b)に示すようにストレート搬送路160を開放し、この後、ジャム処理を行う。
次に、ジャム処理を行った後、把手401を持って矢印aで示す上方向に下搬送ガイド402を回動させる。そして、このように下搬送ガイド402を回動させると、ロック機構により図7の(a)に示すように下搬送ガイド402はストレート搬送路160を閉じる位置に固定される。
ここで、下搬送ガイド402を閉じる際、ユーザが把手401を上下から掴んで操作した場合、手(指)がカバー部材404に下方から当接する。しかし、このように手が当接しても、カバー部材404は回動自在となっているので、図7の(c)に示すように手と一体に破線で示す位置から上方回動して実線で示す位置に移動する。このため、把手401とカバー部材404の間で手が挟まれることはない。
また、下搬送ガイド402がロックされたところで、把手401から手を放すと、下搬送ガイド402は閉じた状態のまま保持されると同時に、カバー部材404が自重により回動する。そして、このようにカバー部材404が回動すると、把手401とカバー部材404との間の空間が塞がれるようになる。この結果、把手401の上方から手を差し込むことが出来なくなるため、把手401が上方から押し下げられることはない。
なお、下搬送ガイド402が閉じて保持された状態では、図7の(c)に示すように下搬送ガイド402及び把手401が、上搬送ガイド400及びカバー部材404の下方の奥側に潜り込むようになる。ここで、このように上搬送ガイド400及びカバー部材404の下方の奥側に潜り込むようになった場合でも、ジャムしたシートを取り除く際、把手401が視認出来るようにすることが望ましい。このため、カバー部材404の前面には把手401に向かって傾斜した傾斜面404aが設けられている。なお、このカバー部材404の傾斜面404aは、把手401の位置を基準にして、水平から45°以上とすることが好ましく、本参考例では60°に設定している。
これにより、ジャムしたシートを取り除くため、下搬送ガイド402を開く際、把手401の視認性が確保されているため、またカバー部材404は横方向から力を加えても回動しないことから、ユーザは自然に把手401の下方から手を差し込むようになる。
そして、このように自然に把手401の下方から手を差し込むことにより、この後、ユーザは把手401を、一旦持ち上げて下搬送ガイド402のロックを解除する操作を自然に行うようになる。なお、このようにロックを解除すると、下搬送ガイド402は下方回動可能となるので、ユーザは、そのまま把手401から手を放すことなく下搬送ガイド402を下方回動させてストレート搬送路160を開放するようにする。
以上説明したように、下搬送ガイド402がロック機構によりロックされた際、カバー部材404により、下搬送ガイド402に設けられた把手401の上方空間を塞ぐようにする。これにより、ジャムしたシートを取り除く際に行う、下搬送ガイド402のロック解除は、把手401を下方から操作して行うという正しい操作により行われるようになる。この結果、ユーザが間違って無理やり把手401を押し下げることがなくなり、ロック機構や上及び下搬送ガイド400,402を破損させること無くジャム処理を行うことができる。
次に、カバー部材404の代わりに弾性部材を上搬送ガイド400に設けるようにした本発明の第2の参考例について説明する。
図8は、本参考例に係る複写機に設けられたストレート搬送路近傍の構成を示す図である。なお、図8において、既述した図7と同一符号は、同一又は相当部分を示している。
図8において、407は、上搬送ガイド400の一側部の、下搬送ガイド402を上方向に持ち上げた際、下搬送ガイド402の把手401に臨む位置に設けられたゴム等で形成された弾性部材である。
そして、このような弾性部材407を設けることにより、把手401を上下から掴んで把手401を持ち上げた際、手が弾性部材407に当接しても弾性部材407が弾性変形する。このため、この後、さらに把手401を持ち上げても、弾性部材407は把手401を掴んだ手により、下搬送ガイド402を持ち上げる方向に弾性変形するので把手401と弾性部材407の間で手が挟まれることはない。
次に、下搬送ガイド402がロックされたところで、把手401から手を放すと、下搬送ガイド402はそのまま保持されると同時に、弾性部材407は元の形状に戻る。そして、このように弾性部材407の変形が元に戻ると、弾性部材407が把手401の上方空間を塞ぎ、把手401と弾性部材407との間の空間が塞がれるようになる。
この結果、把手401の上方から手を差し込むことは出来なくなるため、把手401が上方から押し下げられることはない。なお、この弾性部材407は、横方向から力を加えた場合、弾性変形するので手が把手401に触れることはない。
また、把手401が上搬送ガイド400の下方の奥側に潜り込んだ場合でも、把手401の視認性を確保するため、弾性部材407の前面には把手401に向かって傾斜した傾斜面407aが設けられている。なお、この弾性部材407の傾斜面407aは、把手401の位置を基準にして、水平から45°以上とすることが好ましく、本参考例では60°に設定している。
このように、下搬送ガイド402がロックされた際、弾性部材407により把手401の上方空間を塞ぐことにより、ジャム処理のための下搬送ガイド402のロック解除は、把手401を下方から操作して行うという正しい操作により行われるようになる。この結果、ユーザが間違って無理やり把手401を押し下げることがなくなり、ロック機構や上及び下搬送ガイド400,402を破損させること無くジャム処理を行うことができる。
なお、上述した本発明に係る実施の形態において、上搬送ガイド、あるいは下搬送ガイドが回動中心に回動する構成について説明したが、上搬送ガイド、下搬送ガイドが平行移動(スライド)してシート搬送路を開放する構成においても本発明は有効である。
また、所定位置に保持された上搬送ガイド、下搬送ガイドを所定位置から上方移動させることによって保持状態を解除する構成について説明したが、把手に、把手を握ることによってロック解除する機構を設けた構成においても本発明は有効である。
さらに、上搬送ガイド、下搬送ガイドが把手を備え、所定位置に保持された際、カバー部材が把手の上方空間を塞ぐ構成について説明したが、把手を省略し、上搬送ガイド、下搬送ガイドの下面を直接支えながら移動させる構成においても本発明は有効である。その際、カバー部材を上搬送ガイド、下搬送ガイドの全域に亘って上方空間を塞ぐようにするとよい。
上述した本発明に係る実施の形態において、本発明に係るシート搬送装置を画像形成装置に一体的に組み込んだ構成について説明したが、本発明に係るシート搬送装置を例えばシート処理装置に組み込んだ構成においても有効である。