本発明の実施例ついて以下に図面を参照して説明する。以下の説明は、本発明の好適な実施例を示すものであって、本発明の範囲が以下の実施例に限定されるものではない。以下の説明において、同一の符号が付されたものを実質的に同様の内容を示している。
本発明にかかるパターン基板の欠陥を修正する修正装置について図1を用いて説明する。図1は欠陥修正装置100の全体的な構成を示す図である。1は基台、2はステージ、3は対象物体、4は駆動回路、5は支柱、6は支持レール、7は光学装置、8は突起除去装置、9は昇降機構、10はモータ制御回路、11はステッピングモータ、12は処理装置である。
基台1の上にはステージ2が設けられている。このステージ2はXYステージであり、ステージ2上に載置された対象物体3を水平方向に移動させる。ステージ2は駆動回路4からの駆動信号により駆動装置(図示せず)を介して既知の方法でX方向(紙面内方向)及びこれに直交するY方向(紙面と直交する方向)に自在に移動する。対象物体3は、例えば液晶表示装置に用いられるカラーフィルタ基板などのパターン基板である。対象物体3上には、着色層や遮光層などのパターンが形成されている。対象物体3はステージ2の上に真空吸着により固定されてもよい。
基台1の上には支柱5が連結されている。支柱5はステージ2の外側で基台1に固定されている。支柱5は鉛直方向(Z方向)に沿って設けられている。この支柱5の上部には、支持レール6が連結されている。支持レール6は水平方向に沿って設けられている。支持レール6の先端側は対象物体3の上方に位置する。
支持レール6の先端側の下方には光学装置7が取り付けられている。光学装置7は対象物体3上に付着した異物などの欠陥を光学的に検出する。すなわち、光学装置7は対象物体3の欠陥を検出する欠陥検出装置であり、対象物体3上の突起を検出する。光学装置7は対象物体3を照明する光源と、対象物体3で反射された反射光を検出する光検出器と、それらの間の光学系とを備えている。そして、既知の方法で、対象物体3上に異物等が付着して形成された突起を検出する。処理装置12は光学装置7で検出された突起欠陥のアドレスを記憶する。すなわち、処理装置12は対象物体3上の突起が検出された位置を記憶する。
支持レール6の中央付近には、研磨装置8が設けられている。支持レール6の下方に設けられた研磨装置8は光学装置7と支柱5の間に位置する。研磨装置8は鉛直方向に設けられたボールネジ又はカム等を有する昇降機構9に連結される。ステッピングモータ11の回転駆動により、例えば、昇降機構9のボールネジが回転する。これにより、研磨装置8が上下方向に移動する。ステッピングモータ11はモータ制御回路10により駆動制御される。処理装置12はパーソナルコンピュータ等の情報処理装置であり、モータ制御回路10及び駆動回路4を制御する。処理装置12は、光学装置7が検出した突起欠陥の位置を記憶している。駆動回路4は処理装置12からの信号によりステージ2を駆動して、研磨装置8を突起欠陥上に配置させる。そして、ステッピングモータ11は処理装置12からの信号により、昇降機構9を駆動して、研磨装置8を対象物体3の近傍まで下降させる。そして、研磨装置8の先端に設けられた研磨ヘッド21と対象物体3とが所定の距離になったら、昇降機構9の駆動を停止する。これにより、研磨装置8が停止するため、対象物体3に設けられた突起欠陥を所定の高さまで研磨することができる。これにより、突起欠陥を修正することができる。従って、突起欠陥の研磨量を正確に制御することができ、欠陥修正を確実に行うことができる。
研磨装置8には、対象物体の突起欠陥を研磨するための研磨ヘッド21が設けられている。研磨ヘッド21は、研磨装置8の下端に配置されている。従って、研磨ヘッド21は、昇降機構9の動作によって昇降する。後述するように、研磨ヘッド21には研磨テープや噴出口などが取り付けられている。処理装置12は、噴出口から噴出される気体の圧力や流量によって、昇降機構9を制御する。すなわち、処理装置12は、気体に対する測定結果に基づいて、研磨ヘッド21の高さを調整する。気体(エア)の噴出量や圧力に応じて、研磨量が制御される。
この研磨ヘッド21の構成について図2、及び図3を用いて説明する。図2は研磨ヘッド21の構成を模式的に示す側面断面図である。図3は、研磨ヘッド21の一部の構成を模式的に示す底面図である。なお、図2、及び図3に示すようにXYZの直交座標系を用いて説明を行う。Z方向が鉛直方向であり、X方向、及びY方向が水平方向である。
図2に示すように、研磨ヘッド21は、対象物体3上に配置される。研磨ヘッド21には、研磨チップ102、研磨テープ103、第1のリール104、第2のリール105、ホルダ106、ジョイント107を有している。ホルダ106には第1のリール104と第2のリール105とが取り付けられている。第1及び第2のリール104、105の中間の下に研磨チップ102が配置される。従って、研磨チップ102は、ホルダ106の下方に配置される。すなわち、研磨チップ102は、ホルダ106の下側に突出している。研磨チップ102は、チタンなどの超硬材料によって、形成されている。第1のリール104及び第2のリール105はホルダ106に対して回転可能に取り付けられている。第1のリール104と第2のリール105とには研磨テープ103が装着されている。第1のリール104と第2のリール105とは、離間して配置されている。
研磨テープ103は研磨チップ102の下面に接するように設けられている。研磨チップ102の底面(下面)は平面となっている。すなわち、研磨チップ102の下面はXY平面と平行になっている。研磨テープ103の下面は粗面化されている。第1のリール104、第2のリール105にモータ(図示せず)を取り付ける。このモータを駆動させることにより、第1のリール104、第2のリール105が矢印の方向に回転する。これにより、研磨テープ103が第2のリール105から研磨チップ102を介して第1のリール104に巻き取られる。すなわち、第2のリール105からの研磨テープ103が研磨チップ102直下を通って、第1のリール104に巻き取られる。従って、第1のリール104と第2のリール105を回転させると、X方向に研磨テープ103が送り出されていく。そして、突起欠陥3aの位置で研磨テープ103を送り出すことにより、突起欠陥が研磨される。すなわち、研磨チップ102が研磨テープ103を突起欠陥3aに押し付けた状態で、研磨テープ103を送り出す。これにより、突起欠陥3aを除去することができ、欠陥を修正することができる。
研磨チップ102はジョイント107を介して、ホルダ106に接続されている。すなわち、研磨チップ102をホルダ106に対して取り付けるためのジョイント107が、ホルダ106によって保持されている。ジョイント107は、ホルダ106の下側に配置されている。また、ジョイント107は、研磨チップ102の上側に配置されている。ホルダ106と研磨チップ102の間に配置されたジョイント107は、例えば、ユニバーサルジョイントなど継手である。従って、ジョイント107は、研磨チップ102を回転可能に保持している。すなわち、ジョイント107がホルダ106に研磨チップ102を回転自在に取り付けている。研磨チップ102はフリーになっており、研磨チップ102に力が加わると、ジョイント107が回転する。
ジョイント107が回転すると、研磨チップ102は、図2の白抜き矢印の方向に回転する。例えば、ジョイント107は、X軸、及びY軸を回転軸として回転する。ジョイント107が回転すると、研磨チップ102が傾斜する。すなわち、研磨チップ102の底面が、XY面から傾く。ジョイント107の回転中心は、XY平面における研磨チップ102の中心上にある。従って、研磨チップ102の底面の中心の高さは、ジョイントが回転してもほとんど変化しない。すなわち、ジョイント107が回転しても、研磨チップ102と突起欠陥3aの距離は変わらない。これにより、正確に高さを調整することができる。
そして、ホルダ106の下面には、図3に示すように、複数の噴出口22が設けられている。図3では、3つの噴出口22が、研磨チップ102の近傍に配置されている。3つの噴出口22は同じ大きさになっている。ここで、ホルダ106において、噴出口22が設けられている面を噴出面106aとする。噴出面106aに設けられている噴出口22から気体が噴出される。ホルダ106の下面(底面)が噴出面106aとなる。噴出面106aは、XY平面に対して平行になっている。噴出口22から対象物体3に対して気体を噴出している状態で、加工を行う。
XY平面において、3つの噴出口22の間に、研磨チップ102が配置されている。ここでは、研磨チップ102の底面は円形になっている。従って、研磨チップ102は略円柱状になっている。XY平面における研磨チップ102の中心に、X軸とY軸との交点があるとして説明する。図3では、研磨チップ102の+Y側に1つの噴出口22が配置され、−Y側に2つの噴出口22が配置されている。後述するように、3つの噴出口22から気体を噴出させながら、研磨ヘッド21を下降させていく。
研磨チップ102の下方には、X軸に沿って研磨テープ103が配設されている。研磨テープ103は、研磨チップ102の底面を覆うように配置されている。すなわち、研磨テープ103の幅は、研磨チップ102の底面の直径よりも、広くなっている。従って、研磨テープ103は、X軸の両側にまたがるように配置されている。
これらの噴出口22は、研磨テープ103の外側に配置されている。これにより、噴出口22から噴出される気体が、対象物体3の表面に噴出される。第1のリール104、及び第2のリール105によって、研磨テープ103にテンションをかけることが好ましい。これにより、噴出口22からの気体によって、研磨テープ103がばたつくのを防ぐことができる。すなわち、研磨テープ103が研磨チップ102から離れて、研磨チップ102の底面と研磨テープ103との間に、隙間が生じるのを防ぐことができる。
研磨テープ103の両側に、噴出口22が配置される。ここでは、研磨テープ103の+Y側に1つの噴出口22が配置され、−Y側に2つの噴出口22が配置されている。+Y側の1つの噴出口22は、Y軸上に配置されている。−Y側の2つの噴出口22は、X方向において離れて配置されている。すなわち、研磨テープ103の−Y側では、X軸の両側に噴出口22がそれぞれ配置されている。さらに、この2つの噴出口22は、Y方向において同じ位置に配置されている。従って、3つの噴出口22が同一直線上に配置されていない状態になっている。それぞれの噴出口22同士は、例えば、15mm程度離れている。また、各噴出口22間の距離を等しくして、3つの噴出口22を等間隔で配置してもよい。3つの噴出口22は、研磨チップ102に近接して配置されている。
各噴出口22から研磨チップ102までの距離が一定値なっている。すなわち、X軸とY軸の交点から、各噴出口22までの距離が、ほぼ等しくなっている。従って、3つの噴出口22から噴出される気体の圧力や噴出量に違いがあれば、ジョイント107が回転する。すなわち、圧力の高い箇所で上方になるよう、ジョイント107が回転する。例えば、+Y側の噴出口22が設けられている箇所で、気体の圧力が高くなる場合、X軸を回転中心として、ジョイント107が回転する。これにより、研磨チップ102の角度が変わり、+Y側の噴出口22周辺が高くなる。そして、気体の圧力が略等しくなった状態で、ジョイント107の回転動作が停止する。気体の圧力が略等しくなるように、ジョイント107が受動的に回転する。換言すると、ジョイント107は、気体の圧力分布によって、受動的に動作する受動関節となる。
ここで、対象物体3の表面がXY平面から傾斜している場合について、説明する。XY平面から対象物体3が傾いている場合、研磨チップ102の底面が対象物体3の表面から傾く。すなわち、研磨ヘッド21を下降させている間、水平な底面が対象物体3の表面と平行にならなくなる。XY方向における位置に応じて、研磨チップ102の底面から対象物体3までの距離が変化する。研磨チップ102の底面から対象物体3までの距離が短い場合、研磨チップ102から対象物体3までの隙間におけるコンダクタンスが小さくなる。従って、気体が流れにくくなり、圧力が上昇する。すなわち、研磨チップ102が対象物体3に近くなると、気体が流れにくくなる分、圧力が上昇する。反対に、研磨チップ102の底面から対象物体3までの距離が長い場合、気体が流れやすくなり、圧力が低下する。すなわち、研磨チップ102が対象物体3から遠くなると、気体が流れやすくなる分、圧力が低下する。
このように、対象物体3までの距離が近い箇所では圧力が上昇し、遠い箇所では圧力が低下する。圧力が高い箇所では、研磨チップ102にかかる上方向の力が、圧力が低い箇所よりも大きくなる。これにより、研磨チップ102の傾きが変化する。すなわち、対象物体3と研磨ヘッド21のとのギャップにおける圧力分布によって、ジョイント107が回転する。距離が近い箇所では圧力が高いため、研磨チップ102が上側に移動する。反対に、距離が遠い箇所では圧力が低いため、研磨チップ102が下側に移動する。すなわち、圧力が高い箇所では研磨チップ102が対象物体3から離れる方向に、圧力が低い箇所では研磨チップ102が対象物体3に近づく方向に、ジョイント107が回転する。そして、圧力がつり合う角度で、ジョイント107の回転が停止する。対象物体3の表面と研磨チップ102の底面が平行になる位置で、ジョイント107の角度が一定になる。この状態で、対象物体3と研磨ヘッド21の間の隙間における圧力が略均一になっている。
従って、研磨チップ102の底面を対象物体3の表面に対して平行にすることができる。研磨チップ102の底面が対象物体3の表面と平行になるように、ジョイント107が回転する。研磨チップ102を対象物体3に対して正対させることができる。これにより、研磨チップ102の底面と対象物体3の表面との角度のずれを抑制することができ、確実に研磨することが可能になる。換言すると、各噴出口における圧力差が生じなくなるように、ジョイント107が回転して、研磨チップ102の角度が変わる。そして、気体を噴出させている状態で、研磨ヘッド21を下降させていく。このように、対象物体3と研磨チップ102との間を平行にすることで、研磨高さを安定させることができる。また、噴出口22からの気体によって、ジョイント107が回転している。従って、傾きを調整するための制御機構が不要になる。よって、簡便な構成で、安定した加工を行うことができる。
次に研磨ヘッド21と対象物体3との距離を制御する位置制御装置について図4を用いて説明する。図4は、研磨ヘッド及びその位置制御装置の構成を模式的に示す図である。24は研磨ヘッド用センサ、25は研磨ヘッド用配管、26はタンク、27はレギュレータ、28は上流配管、29はコンプレッサ、31は参照ヘッド、32は噴出口、33は基準ステージ、34は参照ヘッド用センサ、35は参照ヘッド用配管、37はADC(A/Dコンバータ)、38はMPU(マイクロプロセッサユニット)である。研磨ヘッド21は、図2、及び図3を用いて説明した構成を有しているが、図4では省略して図示している。研磨ヘッド21では、例えば、紙面に対して垂直な方向に研磨テープが送り出される。研磨ヘッド21の高さ制御には、特開2007−178487号公報に記載されている方法が用いられている。
上記のように、研磨ヘッド21の下面にはエアを噴出する噴出口22が設けられている。この噴出口22から気体が対象物体3の表面に対してエアを噴出する。すなわち、噴出口22と対象物体3とが対向配置されている。これにより、研磨ヘッド21が微小なエアギャップをもって対象物体上に配置される。換言すると、対象物体3の表面と研磨ヘッド21の下面との間に微小隙間(エアギャップ)が形成される。噴出口22からのエアは、このエアギャップを対象物体3の表面に沿って流れていき、対象物体3と研磨ヘッド21との間の空間の外側に噴出される。
研磨ヘッド21の下面には、さらに、研磨チップ102が設けられている。研磨チップは図2で示したものを用いることができる。研磨チップ102は、研磨ヘッド21の中央に設けられる。研磨チップ102はホルダ106の噴出面106aから下方向に突出して設けられている。研磨チップ102はホルダ106の下面よりも下方向に突出している。研磨チップ102が対象物体3の突起欠陥3aの位置になるよう、ステージ2が移動されている。すなわち、光学装置7で検出した突起欠陥3aの上に研磨チップ102が配置されるようステージ2を駆動している。そして、研磨ヘッド21を用いて突起欠陥3aを研磨することにより、突起欠陥3aを除去することができる。具体的には、昇降機構9を動作させ、研磨装置8を下降させていく。これにより、研磨ヘッド21に設けられた研磨チップ102が対象物体3の表面に近づいていく。そして、研磨ヘッド21と対象物体3との間の距離が所定の微小距離となった状態で、昇降機構9を停止させる。これにより、研磨チップ102が対象物体3に対して所定の距離となった時点で、研磨装置8の下降動作が停止する。従って、対象物体3の表面の突起欠陥3aを除去することができる。このときの処理については後述する。研磨チップ102は、複数の噴出口22の中央に設けられている。
研磨ヘッド21の噴出口22に気体を供給するエア供給経路について説明する。レギュレータ27は、例えば、圧縮空気を供給するためのコンプレッサ29に接続されている。なお、コンプレッサ29に限らず、圧縮空気が封入されたガスボンベに接続されていてもよい。レギュレータ27は供給された圧縮空気を一定の圧力まで減圧する。すなわち、レギュレータ27によって一定圧力のエアが供給される。レギュレータ27は、圧力変動の小さい精密レギュレータを用いることが好ましい。これにより、レギュレータ27に供給される圧力が変動した場合でも、上流配管28に供給するエアの圧力変動を低減することができる。レギュレータ27は、上流配管28を介してタンク26に接続されている。タンク26は一定の体積を有するエアタンクである。このタンク26によってレギュレータ27での圧力変動が吸収される。これにより、研磨ヘッド21に対する供給圧力の変動を小さくすることができる。
タンク26は研磨ヘッド用配管25を介して研磨ヘッド用センサ24に接続されている。研磨ヘッド用センサ24は、研磨ヘッド用配管25に流れるエアの流量や圧力を測定する。ここは、エアの流量を測定するものとして説明する。そして、研磨ヘッド用センサ24を通過したエアは、研磨ヘッド用配管25を介して研磨ヘッド21に供給される。ここで、研磨ヘッド21と対象物体3との距離が離れているとき、噴出口22と対象物体3とのエアギャップが広くなる。この場合、噴出口22から噴出され対象物体3の表面に沿って流れる気体に対するコンダクタンスが大きくなる。一方、研磨ヘッド21と対象物体3との距離が近づいているとき、噴出口22と対象物体3とのエアギャップが狭くなる。この場合、噴出口22から噴出され対象物体3の表面に沿って流れるエアに対するコンダクタンスが小さくなる。すなわち、エアギャップに応じて、噴出口からの噴出されるエアに対するコンダクタンスが変化する。従って、エアギャップが変化すると、噴出口22から噴出されるエアの流量が変化する。
ここで噴出口22から噴出されるエアの流量は、研磨ヘッド用センサ24によって測定されている。従って、噴出口22と対象物体3とのエアギャップは、研磨ヘッド用センサ24での測定値に応じた値となっている。換言すると、研磨ヘッド用センサ24は、対象物体3と研磨ヘッド21との距離を測定している。ここで、昇降機構9によって研磨ヘッド21を下降している状態では、研磨ヘッド用センサ24での測定値は徐々に小さくなっていく。反対に昇降機構9によって研磨ヘッド21を上昇している状態では、研磨ヘッド用センサ24での測定値は徐々に大きくなっていく。
なお、噴出口22からの噴出量は、エアギャップだけでなく供給圧力に応じても変化する。すなわち、エアギャップが一定だとしても供給圧力が下がった場合、流量が低下する。従って、研磨ヘッド用センサ24の測定値を直接エアギャップに換算すると、圧力変動によって、対象物体3と研磨ヘッド21との距離が変化してしまう。本実施の形態では、圧力変動によるエアギャップの変化を低減するため、参照ヘッド31が設けられている。次に参照ヘッド31の構成及び参照ヘッド31までのエア供給経路について説明する。
参照ヘッド31の下面には、噴出口32が設けられている。この噴出口32から気体が基準ステージ33の表面に対してエアを噴出する。すなわち、噴出口32と基準ステージ33とが対向配置されている。従って、基準ステージ33の上側の表面が基準面となり、エアが噴出される。さらに、参照ヘッド31は、基準ステージ33に対して固定されており、参照ヘッド31と基準ステージ33との距離が一定となっている。すなわち、参照ヘッド31の噴出口32と基準ステージ33との間のギャップが一定となっている。噴出口32からのエアは、この固定ギャップを基準ステージ33の表面に沿って流れていき、基準ステージ33と参照ヘッド31との間の空間の外側に噴出される。従って、噴出口32からの流量は固定ギャップで決まるコンダクタンスに応じた流量となる。ここで、参照ヘッド31を基準ステージ33に対して固定しているため、圧力変動がない場合、噴出口32からの流量は一定となる。基準ステージ33としては、例えば、欠陥修正装置100の基台1などの平坦な面を用いることができる。もちろん、基準ステージ33は、参照ヘッド31に対して十分広い大きさを有している。
タンク26は参照ヘッド用配管35を介して参照ヘッド用センサ34に接続されている。参照ヘッド用センサ34は、参照ヘッド用配管35に流れるエアの流量や圧力を測定する。ここでは、参照ヘッド用センサ34が研磨ヘッド用センサ24と同じ流量を測定するものとして説明する。参照ヘッド用センサ34を通過したエアは、参照ヘッド用配管35を介して参照ヘッド31に供給される。また、タンク26を介してレギュレータ27と参照ヘッド31を接続しているため、参照ヘッド31に対する供給圧力の変動を小さくすることができる。
ここで噴出口32からは、固定ギャップによって決まるコンダクタンスに応じた流量でエアが噴出される。さらに一つのタンクに参照ヘッド用配管35及び研磨ヘッド用配管25を接続しているため、参照ヘッド用配管35及び研磨ヘッド用配管25に同じ圧力で気体が供給される。参照ヘッド用配管35とが研磨ヘッド用配管25とがタンク26において連通している。従って、参照ヘッド用配管35とが研磨ヘッド用配管25とに同じ圧力の気体が供給される。このように、レギュレータ27よりも下流側のエア供給経路を分岐して参照ヘッド用配管35と研磨ヘッド用配管25とを設けることによって、噴出圧力を等しくすることができる。これにより、レギュレータ27の供給圧力が変動した場合でも、噴出口22及び噴出口32の噴出圧が等しくなる。
参照ヘッド31は研磨ヘッド21と略同じ形状を有している。すなわち、参照ヘッド31と研磨ヘッド21とは同じ構成をしている。さらに、参照ヘッド31に設けられている噴出口32は、研磨ヘッド21に設けられている噴出口22と同じ構成となっている。換言すると、噴出口22と噴出口32とは同じ形状を有しており、噴出面積が等しくなっている。また、複数の噴出口22を研磨ヘッド21に設けた場合、参照ヘッド31には同じ数の噴出口が設けられる。さらに、研磨ヘッド21に対する噴出口22の位置と、参照ヘッド31に対する噴出口32の位置が同じ配置になっている。このように、噴出口22と噴出口32とを同じ形状で、同じ配置とする。従って、噴出口22によるエアギャップと、噴出口32によるエアギャップとが等しい場合、噴出口22周辺のコンダクタンスと、噴出口32周辺のコンダクタンスが同じになる。これにより、噴出口32と噴出口22から等しい流量の気体が噴出され、研磨ヘッド用センサ24と参照ヘッド用センサ34との測定値が等しくなる。このように、エアギャップが等しい場合、流量が等しくなる構成としている。このため、本実施の形態では、噴出口22と噴出口32とを同じ構成とし、参照ヘッド31を研磨ヘッドと同じ形状としている。なお、参照ヘッド31には研磨ヘッド21を設ける必要はなく、例えば、研磨ヘッド21と同じ形状の物を用いてもよい。また、ジョイント107を設ける必要はなく、ジョイント107と同様の形状を有していればよい。
さらに、タンク26から参照ヘッド31までの参照ヘッド用配管35を、タンク26から研磨ヘッド21までの研磨ヘッド用配管25と同じ構成とすることが好ましい。すなわち、参照ヘッド31までのエア供給経路と研磨ヘッド21までのエア供給経路とを略同じ構成とする。具体的には、参照ヘッド用配管35と研磨ヘッド用配管25とを同じ長さ、同じ形状、同じ内径とすることが好ましい。また、研磨ヘッド用センサ24と参照ヘッド用センサ34とに同じタイプの流量計を用いることが好ましい。研磨ヘッド用センサ24と参照ヘッド用センサ34としては、例えば、熱式流量計(サーマルフローメータ)を用いることができる。
タンク26内の圧力に変動が生じた場合、参照ヘッド用配管35及び研磨ヘッド用配管25の圧力も変化する。従って、噴出口22及び噴出口32からの流量が同様に変化する。例えば、タンク26内の圧力が高くなった場合、噴出口22及び噴出口32からの流量が増加し、タンク26内の圧力が低くなった場合、噴出口22及び噴出口32からの流量が減少する。すなわち、タンク26内の圧力に変動が生じた場合、噴出口22及び噴出口32からの流量が共に増減する。従って、噴出口22によるエアギャップと、噴出口32によるエアギャップが等しい場合、圧力変動が生じても、噴出口22からの流量と、噴出口32からの流量との比が一定になる。噴出口22からの流量と、噴出口32からの流量との比に基づいて、エアギャップを制御する。
このように、参照ヘッド用センサ34及び研磨ヘッド用センサ24での測定値は、供給圧力及び噴出側のコンダクタンスに応じて噴出量が変化する。すなわち、参照ヘッド用センサ34及び研磨ヘッド用センサ24での測定値は、上流側と下流側の差圧によって変化する。よって、供給圧が変動した場合、噴出する気体の流量が共に変化する。従って、参照ヘッド31を設けることによって供給圧の変動によるエアギャップへの影響を低減することができる。
研磨ヘッド用センサ24と参照ヘッド用センサ34からの測定信号はADC37に入力される。なお、研磨ヘッド用センサ24からの測定信号は、研磨ヘッド用配管25における流量に対応し、参照ヘッド用センサ34からの測定信号は、参照ヘッド用配管35における流量に対応する。ADC37は、入力された測定信号をデジタル信号に変換する。ADC37によって変換されたデジタル信号は、MPU38に出力される。研磨ヘッド用センサ24の測定値が噴出口22から噴出する気体の流量Q1を示し、参照ヘッド用センサ34の測定値が噴出口32から噴出する気体の流量Q2を示す。そして、流量Q1と流量Q2の比に応じて、高さを調整する。すなわち、処理装置12は、研磨ヘッド用センサ24、及び参照ヘッド用センサ34での測定結果に応じて、昇降機構9の昇降を制御する。すなわち、処理装置12は、昇降機構9などを制御する制御部となる。
研磨ヘッド用センサ24の測定値と参照ヘッド用センサ34の測定値との比に基づいて、下降動作を制御する。これにより、下降速度を速くすることができるため、研磨時間を短縮できる。さらに、下降動作が停止する位置を正確に制御することができるため、研磨量を正確に制御することができる。また、参照ヘッド31を研磨ヘッド21と同じ形状としたが、本発明はこれに限るものではない。すなわち、参照ヘッド31と研磨ヘッド21との形状の違いを考慮して、Q1/Q2の目標値を設定すればよい
なお、上記の説明では、エアの流量の測定結果に応じて、高さ調整を行ったが、圧力の測定結果に応じて、高さ調整を行ってもよい。この場合、研磨ヘッド用センサ24、及び参照ヘッド用センサ34が流量センサではなく、圧力センサになる。そして、流量センサを研磨ヘッド21や、研磨ヘッド21近傍の配管に設ける。例えば、ホルダ106の内におけるエア圧力を測定してもよい。エア圧力の測定結果に基づいて制御することで、高感度の距離検知を行うことができる。よって、研磨高さが安定する。圧力の検出結果に基づいて制御を行うことで、高さに対する感度をより高くすることができる。これにより、ノイズなどの外乱に対する高さ変動を抑制することができる。よって、精度よく研磨することができる。
処理装置12は、複数の噴出口22から噴出される気体に対して測定を行う研磨ヘッド用センサ24の測定結果に基づいて昇降機構9を制御している。研磨ヘッド21にジョイント107が設けられているため、対象物体3が傾いたとしても、研磨量を正確に制御することができる。
上記の理由について、図5を用いて詳細に説明する。図5は、研磨チップ102周辺の構成を模式的に示す側面図である。なお、図5では、説明の簡略化のため、研磨テープ103などの一部の構成について省略している。図5(a)は、ジョイント107が設けられている場合を示し、図5(b)は、ジョイントがなく、研磨チップ102がホルダ106に固定されている場合を示す。すなわち、図5(a)は、本実施の形態にかかる研磨ヘッド21の構成を示し、図5(b)はジョイント107がない比較例の構成を示している。なお、図5では、説明の簡略化のため、2つの噴出口のみ設けられているとして説明する。
対象物体3が傾いていたとしても、ジョイント107が回転して、図5(a)に示すように、研磨チップ102が対象物体と平行になる。すなわち、ジョイント107が対象物体3の傾きに順応する。よって、自動的に対象物体3が水平に置かれているのと同じ状況を作り出すことができる。すると、各噴出口22からの圧力cが等しくなり、合計圧力は2cとなる。換言すると、ジョイント107が回転して、複数の噴出口22からの圧力が等しくなる角度となる。このため、複数の噴出口からの噴出圧が、同じ圧力cになる。2つの噴出口22からの合計圧力2cと距離の関係が一定になる。本実施の形態では、この合計圧力2cに応じて、研磨ヘッド21の高さを制御している。換言すると、合計圧力2cと平均圧力cとの関係が、距離によらず、一定になる。そして、研磨ヘッド用センサ24では、平均圧力を測定していることになる。よって、正確に高さを制御することができる。
一方、ジョイント107がない場合、図5(b)に示すように、対象物体3に対して傾斜が生じる。すると、複数の噴出口22の噴出圧が等しくならず、各噴出口22での圧力に違いが生じてしまう。ここで、2つの噴出口22において圧力aと圧力bで気体が噴出されているとする。なお、研磨チップ102が水平の場合において、圧力がcとなる高さに研磨チップ102の中心がなっている。圧力と距離の関係は線形ではないため、2つの噴出口22からの合計圧力(a+b)が2cとは等しくならない。従って、傾斜角度に応じて、対象物体3と研磨ヘッド21との距離に対して圧力に差が生じてしまう。この場合、傾きに応じて、研磨ヘッド21の高さにばらつきが生じてしまう。すなわち、中心位置の高さが同じであったとしても、傾きに応じて測定圧力が変化してしまう。
噴出された気体によって、研磨チップ102の底面に力が加わる。研磨チップ102の底面と対象物体3表面が平行になっていない場合、噴出口から基板表面までの距離がずれる。本実施の形態にかかる研磨ヘッド21では、XY平面において圧力分布が生じると、ジョイント107が回転する。すなわち、研磨チップ102の底面の中心に対して、圧力分布が非対称になっていると、研磨チップ102の底面の角度が変化する。そして、圧力分布が均一になるように、ジョイント107が回転する。これにより、研磨チップ102の傾きが変わり、各噴出口22からの噴出圧を同じにすることができる。
従って、本実施の形態に示すように、ジョイント107を設けることで研磨量を正確に制御することができる。すなわち、ジョイント107が回転することで、研磨チップ102の底面の角度が変わる。これにより、研磨ヘッド21と対象物体3とのギャップにおける圧力分布を対称にすることができる。よって、傾斜角度に応じた距離の変動が抑制される。よって、研磨高さの精度が向上し、所望の研磨高さまで研磨できるようになる。また、ジョイント107が圧力差によって動作しているため、噴出口22のそれぞれに対してセンサを設ける必要がなくなる。さらには、傾斜を制御するためのアクチュエータ等が不要になる。また、研磨ヘッド用センサ24を一系統のみに設ければよい。よって、簡便な構成で正確に研磨することができる。
また、ジョイント107の動作を調整するために、研磨ヘッド21に弾性体を設けてもよい。例えば、図6に示すように、研磨チップ102とホルダ106との間に、弾性体108を配置する。なお、弾性体108は、ジョイント107の外側に配置される。すなわち、ジョイント107の周りに弾性体108を設ける。弾性体108としては、例えば、シリコーン樹脂などの樹脂材料を用いることができる。具体的には、円環状のシリコーン樹脂の中心にジョイント107を配設する。あるいは、周方向に沿って複数の弾性体108を配列してもよい。
そして、弾性体108をホルダ106と研磨チップ102で挟む。研磨チップ102がホルダ106に近づくと、弾性体108によって反発力を受ける。弾性体108によって、ジョイント107の回転動作における粘性が高くなる。よって、微小な変位を低減することができ、安定して研磨することができる。さらには、研磨テープ103の送り出しで、研磨チップ102が傾斜しないような弾性力の弾性体108を用いることが好ましい。すなわち、研磨テープ103を送り出すときに加わる力によって、ジョイント107が回転するのを防ぐようにする。これにより、研磨中の角度、及び高さを安定させることができ、安定した研磨が可能となる。なお、弾性体108の厚さや、材料は、必要な弾性力に応じて決定すればよい。
研磨ヘッド用センサ24の測定感度を高くするため、気体の噴出口22は、できるだけ対象物体3の表面に近づけることが好ましい。すなわち、噴出口22から対象物体3までの距離が長いと、十分な圧力を得られなくなってしまう。圧力が低いと、距離の変化に応じた圧力変動が小さくなってしまう。従って、噴出面106aをできるだけ下げることが好ましい。
このため、図2に示したホルダ106の噴出面106aを研磨チップ102の底面と略同じ高さにしてもよい。さらに、噴出面106aを研磨チップの底面よりも下側に配置してもよい。この場合、研磨テープ103の下面(研磨面)が噴出面106aよりも下側になるように、配置する。すなわち、研磨テープ103の厚さ未満であれば、噴出面106aを研磨チップの底面よりも下側に配置することができる。研磨テープ103の厚さは、例えば30μm程度であるとすると、30μm未満だけ、噴出面106aを研磨チップ102の底面よりも下側に突出させることができる。具体的には、両側の噴出面106aの間に凹みを設け、その凹みに研磨チップ102、及びジョイント107を配設する。すなわち、ジョイント107を取り付ける部分を噴出面106aよりも高くする。そして、研磨チップ102の下端が、噴出面106aと同じ高さになるか、噴出面106aよりも高くなるようにする。このようにすることで、噴出面106aを下げることができるため、測定感度を高くすることができる。よって、より精度よく研磨することができる。
噴出口22の数は、3に限られるものではない。例えば、4以上の噴出口22を設けてもよい。この場合、全ての噴出口22が同一直線上に配置しないようにする。これにより、X方向、及びY方向のいずれに対しても、研磨チップ102の傾きを調整することができる。
なお、ジョイント107の回転によって、対象物体3の表面と、研磨チップ102の底面が完全に平行にならなくともよい。すなわち、対象物体3上のエアギャップにおいて、圧力分布を均一になるようになっていればよい。従って、研磨チップ102の底面が平面になっていなくてもよい。
なお、上記の説明では、研磨ヘッド21を下降させる構成について説明したが、本発明はこれに限るものではない。対象物体について加工を行う加工ヘッドを昇降させてもよい。さらに、突起欠陥を修正する欠陥修正装置100に、研磨ヘッド21などの加工ヘッドを用いることもできる。すなわち、上記の昇降動作をする加工ヘッドを欠陥修正装置に設ける。これにより、確実に欠陥を修正することができる。例えば、光学的に欠陥を検出する欠陥検出器とを備える欠陥修正装置に、上記の昇降動作を有する加工ヘッドを取り付けることも可能である。これにより、欠陥の検出、修正を短時間で行なうことができ、生産性を向上することができる。上記の昇降動作の制御が行われる昇降機構は、対象物体に対して接触して加工を行う加工装置に好適である。
そして、上記の欠陥修正装置100による欠陥修正を行うことでパターン基板の生産性を向上することができる。対象物体上にパターンを形成し、パターン基板の突起欠陥を検出する。そして、欠陥修正装置100を用いて、突起欠陥を修正する。このような欠陥修正方法、及びパターン基板の製造方法によって、確実に突起欠陥を除去することができる。よって、生産性を向上することができる。
すなわち、加工するためのチップを回転自在に保持するジョイントが設けられた加工ヘッドを用いて、前記対象物体を加工する。具体的には、複数の噴出口が設けられた前記加工ヘッドを前記対象物体の上に配置する。複数の噴出口22の間に設けられた研磨チップ21が下側に配置された状態で、噴出口22から噴出される気体に対する測定を行う。気体に対する測定結果に基づいて、加工ヘッドを下降させる。加工ヘッドの下降中に、前記噴出口から噴出された気体によって、前記対象物体に対する前記チップの角度が変化することになる。
なお、研磨、加工の対象となる対象物体は、カラーフィルタ基板に限られるものではない。例えば、半導体基板、液晶表示装置用の基板に対して研磨、加工等を行ってもよい。
さらに突起欠陥の研磨に限らず、対象物体自体を研磨するようにしてもよい。
なお、上記の実施形態では、研磨ヘッド21を下降させたが、本発明はこれに限るものではない。例えば、接触式の測定プローブなどを下降させることができる。もちろん、非接触式の測定プローブであってもよい。さらには、光学装置における対物レンズなど光学部品を昇降させてもよい。例えば、上記の昇降機構は、コンフォーカル光学系などで、高さ方向に対物レンズを移動させる構成を有する光学装置に好適である。また、光学プローブなど、その他のプローブを下降させてもよい。また、表示装置や半導体装置などに用いられるパターン基板の製造工程において、上記の研磨装置で欠陥を修正する。これにより、パターン基板の生産性を向上することができる。