JP4524580B2 - 枚葉塗布装置、およびダイ位置決め方法 - Google Patents

枚葉塗布装置、およびダイ位置決め方法 Download PDF

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Description

本発明は、ディスプレイ部材などの枚葉の被塗布部材に液材を塗布する枚葉塗布装置などに関し、より詳しくは、塗布液を吐出可能なスリットを備えたダイと被塗布部材とを相対移動させて液材を塗布する枚葉塗布装置などに関する。
従来、半導体製造用のウェハや液晶ディスプレイなどの各種ディスプレイ装置に用いられるガラス製の平板などの塗布対象物に、絶縁材料やフォトレジスト液などの各種流体材料(塗布液、塗布流体)を塗布する作業が行われている。これらの塗布材料を塗布する塗布方法としては、まず最も代表的なものとしてスピンコート式塗布方法があり、塗布液を塗布する際に均一な膜厚を有する薄膜を形成することが要求されている。このスピンコート式塗布方法では、例えば、基板やウェハなどの塗布対象物における中央付近に所定のノズルを配置し、このノズルから塗布液を滴下し、この塗布対象物を高速回転させ、回転による遠心力により塗布液を拡散させて均一な膜厚の形成を図っている。しかしながら、このスピンコート式塗布方法では、回転によって飛散する塗布液の量が多く、振り払われた塗布液が無駄になってしまう。
一方、近年、ダイコート(スリットコート)式塗布方法が注目されている。このダイコート式塗布方法では、例えば矩形形状からなる基板やウェハなどの塗布対象物に、塗布対象物における一辺の幅寸法の全長に亘って設けられたダイ(塗料吐出部)を用いて塗布がなされる。このダイにはスリット状の開口部が備えられ、この開口部の先端(リップ)から塗布液を吐出しながらダイまたは塗布対象物を一定速度で移動し、被塗布対象物に対する均一な膜厚による塗布を実行可能に構成されている。このダイコート式塗布方法によれば、スピンコート式塗布方法では顕著であった飛散により発生する塗布液の無駄がほとんど生じない点で優れている。
しかし、ダイコート式塗布方法では、ダイまたは塗布対象物の移動により均一な薄膜を得ることが比較的難しい。特に、ダイまたは塗布対象物が走行を開始して塗布を開始する塗布対象物の開始端と、ダイが塗布を終了する塗布対象物の終了端とでは、塗布ムラが顕著となり塗布の均一性を保つことができなくなる。また、不測の事態によって一時的に塗布作業を中断した場合に、ダイにおけるスリットの先端に付着した塗布液が乾燥固化して塗布作業の再開が困難になる場合がある。これらの問題に対処するために、公報記載の従来技術として、塗布の塗り始めに液溜まりを作るとともに、スリット先端と枚葉基板との距離を、塗工領域内の塗工開始位置および終了位置にて中央部よりも狭くする技術が存在する(例えば、特許文献1参照。)。また、塗膜の膜厚を均一にするために塗布ヘッドとガラス基板との間に規定されるクリアランスを一定にすることを目的として、ダイの吐出口がステージ上にあるときのダイホルダの参照レベルを求め、この参照レベルを基準点としてダイの吐出口とガラス基板との間に確保すべきクリアランスを設定する技術が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。
特開2000−157908号公報(第4頁、図1) 特開平9−206652号公報(第6−7頁、図5)
ここで、近年、大画面の液晶ディスプレイが非常なスピードで開発され、ディスプレイ部材などの枚葉塗布製造プロセスにおいて塗布対象となる基板そのものが大型化している。例えば、大きなガラス基板を用いた液晶ディスプレイでは、基板の面積が1mを超えているものも存在しており、更に近い将来には、2〜3mを超えるガラス基板に対して塗布や乾燥を行うことが必要になると考えられる。このような大型基板の塗布には、上述したダイコート(スリットコート)式塗布方法が特に適しているが、大型基板を塗布する必要性からダイ(ノズル、スリットノズル)の大きさも大型化しており、ダイの長さ(一方向に延びる長さ、ダイの移動方向に直交する方向、幅方向の長さ)も増大している。その結果、ダイ自体の幅方向のたわみや反りが大きくなってしまう。また、ダイが大型化したことにより、ダイ重量の増加によってダイを支えているサポートの変形が無視できないレベル(概ね10μm以上)となっている。その結果、基板上に形成される塗布のギャップ(塗布ギャップ)が不均一となったり、ダイの一部が基板に接触するなどの問題が発生してしまう。
本発明は、以上のような技術的課題を解決するためになされたものであって、その目的とするところは、大型基板の塗布に際して、塗布ギャップが不均一であることによる膜厚ムラの発生を事前に把握し、ダイ(ノズル)の交換や調整による対応を可能とすることにある。
また他の目的は、ダイ(ノズル)の先端であるリップの基板との接触トラブルを未然に防止することにある。
更に他の目的は、塗布ギャップ精度の管理運用によって先端の加工精度が不十分なダイを利用可能にすることにある。
かかる目的のもと、本発明が適用される枚葉塗布装置は、基板などの枚葉の被塗布部材に対してスリット状に一方向に延びる吐出口(リップ)から塗布液材を吐出するダイと、ダイと被塗布部材とを相対移動させる移動手段と、ダイの吐出口の先端位置の高さを一方向の複数箇所で検出する3個以上のセンサと、ダイの高さを調整する調整手段と、センサにより検出されたダイの吐出口の先端位置の高さからダイの先端の形状を把握し仮想的な先端の平均線を求め、この平均線に基づいて調整手段を制御する制御部とを備えたことを特徴としている。
ここで、制御部は、ダイの先端の形状を近似曲線として把握し、この近似曲線から最小自乗法により仮想的な先端の平均線を求めることを特徴としている。また、この調整手段は、この3個以上のセンサの中の少なくとも2個のセンサを用いて、ダイの一方向の両端の高さを調整することを特徴としている。また、この調整手段は、3個以上のセンサを用いてダイにおける吐出口の先端の最小位置を把握し、この吐出口の先端が被塗布部材に当接しないようにダイの高さを調整することを特徴とすることができる。また、この3個以上のセンサから検出された先端位置の高さに基づいて、吐出口の先端の真直度を求める制御手段を更に備えたことを特徴とすることができる。
一方、本発明は、定盤面に載置された被塗布部材に、一方向に延びる吐出口を有するダイを位置決めするダイ位置決め方法であって、定盤面の高さ情報を取得してメモリに格納し、吐出口が塗布液材で汚れていない状態にて、この吐出口の高さを一方向の3カ所以上に設けられたセンサから取得し取得された吐出口の高さに基づき、ダイの先端の形状を把握し、仮想的な先端の平均線を求め、メモリから読み出された定盤面の高さ、センサから取得された吐出口の高さ、および先端の平均線に基づいて、ダイの一方向の両端に設けられるアクチュエータの移動量を算出し、ダイの高さを調整することを特徴としている。
より詳しくは、取得された定盤面の高さ情報をコンピュータのメモリに格納し、吐出口の高さを3カ所以上に設けられたセンサから取得し、メモリから読み出された定盤面の高さおよびセンサから取得された吐出口の高さから、ダイの一方向の両端に設けられるアクチュエータの移動量を算出することを特徴とすることができる。また、この調整されるダイの高さは、ダイの吐出口に反りがある場合でも被塗布部材に当接しないよう調整されることを特徴とすることができる。尚、「吐出口が塗布液材で汚れていない状態」とは、好ましくはダイの先端を清掃した後であるが、単なる塗布前の状態であっても構わない。塗布している最中を除く程の意味として捉えることができる。
本発明によれば、大型基板の塗布に際して、塗布ギャップが不均一であることによる膜厚ムラの発生を事前に予見することが可能となる。また、吐出口の先端(リップ)と基板との接触トラブルを未然に防止することが可能となる。
以下、添付図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。
尚、以下に記載する構成要件の説明は本発明の実施態様の一例(代表例)であり、本発明がこれらの内容に特定されることはない。図1は、本実施の形態が適用されるダイコート式塗布装置(枚葉塗布装置)の全体構成を示した図である。図1に示すダイコート式塗布装置は、流体材料(塗布液材)を入れる加圧タンク11、残留空気を取り除くための脱気モジュール12、流体材料を送り込むポンプ13、このポンプ13の動作に応じて切り換え動作する切り換え弁14,15、ポンプ13のピストンからの磨耗粉を除去するフィルタ16、吐出させる流体材料の圧力を測定する圧力センサ17、水平方向にスライドする際にスリット状の開口部から流体材料を吐出させ、被塗布部材である基板に対して流体材料を塗布する塗料吐出部(ノズル、スリットノズル)としてのダイ18、配管系にエア噛みが生じた場合にエア抜きを行うためのエア抜きバルブ19、予備塗布を行うためのディスペンスロール21、ディスペンスロール21に付着された流体材料を掻き落とすドクターブレード22、被塗布部材である基板を載置する定盤29を備えている。また、ダイ18からの吐出流量およびダイ18の移動速度(塗布速度)を制御する制御部30を備えている。この制御部30では、これらの制御の他、ダイコート式塗布装置の各種動作を全体制御している。本実施の形態では、この制御部30は、ダイ18の吐出口の先端位置の高さを3つ以上のセンサ(後述)で測定し、ダイ18の高さを調整する制御を実行している。
加圧タンク11は、例えば10kPa程度の圧空により加圧しており、ポンプ13にて吸引されて流体材料がチャージされる際に負圧になるとキャビテーションしてしまうことから、加圧タンク11では負圧にならない程度に流体材料を加圧している。脱気モジュール12は、ポンプ13と加圧タンク11との間に設けられ、流体材料の中に溶け込んだ残留空気(溶存酸素、窒素など)を取り除いている。この残留空気が存在すると、少々の圧力変化によって泡が出現してしまうことから、例えば中空糸が中を通るモジュールにて中空糸の外側を減圧することで、溶存したガスを取り除くように機能している。ポンプ13は、シリンジポンプなどの容積型定流量ポンプが用いられ、2つの切り換え弁14、15に連結され、これらの切り換え弁14、15により出口または入口で切り換えられて吸引と吐出を繰り返している。但し、2方弁からなる切り換え弁14、15を設ける代わりに、3方弁を用いることも可能である。
ポンプ13の出口からダイ18までの配管には、フィルタ16が設けられる。フィルタ16の材質として、一般的には樹脂製のものが使用される場合が多いが、筐体が圧力で変形した場合に圧力測定に基づく吐出量の調整に際して支障となることから、そのハウジングを形成する筐体には変形し難いステンレスが用いられる。このフィルタ16は、ポンプ13のピストンから発生する磨耗紛を除去し、その異物対策として設けられている。圧力センサ17は、半導体ゲージ式ダイヤフラムセンサなどの高応答、高剛性のものが要求され、応答速度1ms以下のものが用いられている。更に、図1では、圧力センサ17をフィルタ16の出口側に設けているが、フィルタ16の入口側に設けることも可能である。但し、図1の位置のごとく液溜まりの生じるダイ18に近い位置に配置することが好ましい。
ダイ18は、ステンレスにより構成され、厚みは約30〜300mm、幅は被塗布部材(基板)の幅よりも両側とも若干広くなるように設計されている。本実施の形態では、塗布部分の面積として1m以上の大型の基板に対して塗布が可能となるように、ダイ18の一方向の長さ(ダイ18の移動方向に直交する方向の長さ)も従来のものに比べて非常に長くなっている。また、ダイ18が長くなったために生じ易くなるゆがみを防止するために、ダイ18の厚みも厚くなっている。これらの結果、ダイ18の重量も非常に高くなっている。また、ダイ18の先端は、中央に流体材料を吐出させるスリット(幅約20〜200μm)を備え、このスリットの両側には、ダイ18の側端から約45°の角度で突出して幅約100〜1000μm程度のリップを形成している。ダイ18に供給される流体材料は、このスリットを介して基板およびディスペンスロール21に供給される。
ダイ18は定盤29上を、例えば、100mm/sec程度でスライドすることで、被塗布部材(基板)との間で相対移動し、ダイ18のスリットから吐出される液体材料をリップで引き伸ばしつつ、均一な膜厚を維持しながら被塗布部材への塗布作業を実行している。本実施の形態にて塗布される基板は、従来の基板に比べて大きいことから、ダイ18の走行速度を従来の速度と同じにした場合には、塗布作業に要する時間が非常に長くなってしまう。そこで、製造稼働率を向上させるために、従来のものよりもダイ18の速度を上げるように構成されている。ディスペンスロール21は、例えば20〜100mm程の径からなるロール材であり、長さは少なくともダイ18の長さより長く構成され、鉄材に所定のメッキ加工を施したものまたはステンレス材などによって形成される。このディスペンスロール21は、定盤29上を移動するダイ18の速度にほぼ一致した周速で回転している。また、ダイ18とディスペンスロール21との距離は、実際に基板上に塗布する実塗布にてダイ18と基板とで維持される距離に略同などとされている。尚、このディスペンスロール21の代わりに、相対的に移動する板材などに対して予備塗布を行うように構成することも可能である。
次に、実際に基板に対して塗布作業を実行する塗布装置について説明する。
図2(a),(b)は、本実施の形態が適用される塗布装置(枚葉塗布装置)の構成例を示した図である。尚、枚葉塗布装置としては、広義には図1に示すシステム構成を含み、狭義には図2(a)に示す塗布装置を指している。図2(a)に示す塗布装置は、定盤29の両サイドに用いられて例えばリニアモータによって定盤29上をスライドする移動手段としてのスライダ部51と、スライダ部51に取り付けられダイ18の高さを調整するためのZ軸アクチュエータ52と、Z軸アクチュエータ52に両サイドを支えられてダイ18を保持するサポート53とが設けられている。一方向に延びる吐出口を有するダイ18から見ると、このダイ18の一方向の両端に、高さを調整するための調整手段としてのZ軸アクチュエータ52が設けられていることになる。尚、調整手段としては制御部30も含む。
また、定盤29には、定盤面とダイ18の先端であるリップとの距離を測定するセンサ55が複数、設けられている。センサ55により読み取られた値は、制御部30に読み込まれ、制御部30は、読み込まれたセンサ55からの出力値を用いて、Z軸アクチュエータ52の動作を制御している。制御部30では、予め定盤面の高さ情報、被塗布部材である基板の厚さ情報が取得されてメモリに格納されている。制御部30では、センサ55の測定位置において測定された値と、このメモリに格納されている定盤面の高さ情報や基板の厚さ情報などを用いて、両端の各Z軸アクチュエータ52の動作を制御する。ここで、定盤29の定盤面は、実用的には絶対的な基準面とすることができる。また、Z軸アクチュエータ52は、サポート53の高さを左右独立で調整することができ、左右独立でダイ18の先端と定盤面との距離を調整することができる。このように、ダイ18は、サポート53に支持された状態で、両サイドに設けられたスライダ部51を介して定盤29に載置され、リニアモータによって基板上をスライドしている。また、スライダ部51にZ軸アクチュエータ52が設けられ、例えば定盤29に設けられたセンサ55によってダイ18の高さが調整され、リップと基板との距離が所定の範囲(例えば約100μm程度)に維持される。
センサ55の種類としては、接触式(機械式)センサ、光学式(レーザ式)センサ、電磁式センサなどを用いることができる。接触式(機械式)センサとしては、作動トランス式、歪みゲージ式などがある。光学式(レーザ式)センサとしては、光テコ式、共焦点式などがある。また、電磁式センサとしては、渦電流式などがある。ダイ18の先端であるノズルリップのような小面積部分を検出するためには、接触式(機械式)センサの確実性が高く、一方で、ダイ18の先端に傷を付けないためには、光学式(レーザ式)センサが好ましい。
尚、塗布液でダイ18の先端が汚れていると正確な測定ができないことから、測定のタイミングとしては、ダイ18のノズルへの液供給前や、リップの清掃後が望ましい。また、この測定は、製造運転開始前に1度だけ実施するものでもよく、また、運転中に随時、リップ清掃を行い、その清掃時ごとに実施するように構成することもできる。
図2(b)には、制御部30によって把握されるセンサ55の位置とZ軸アクチュエータ52の送り量とが模式的に示されている。センサ55の位置は、図2(a)の紙面上の左側をS、中央をS、右側をSとしている。また、Z軸アクチュエータ52は、紙面上の左側をZ、右側をZとしている。制御部30は、これらの値を用いて、ノズルであるダイ18の平行度および零点出しを行い、また、反りの測定と反りの補正を実行している。
図3(a)〜(c)は、制御部30によって実行される、ダイ18の先端の平行および零点出し方法の一例を説明するための図である。ここでは、まず、左右対称の位置に、平行および零点出しのセンサ55が2個(SおよびS)、配置されていることを想定している。このとき、Z軸アクチュエータ52(ZおよびZ)のスパンに対するレバー比率をαとしている。このαは、α≠0.5で、α=0に近いことが望ましい。
今、ダイ18の先端位置を定盤29の定盤面に対して平行にし、かつ所定の高さの状態まで調整するものとする。このとき、ΔSとΔSは、図3(b)の式で表される。この図3(b)の式を変形すると、ΔZとΔZは、図3(c)の式で表される。
制御部30では、例えば目標値に対する偏差をΔSとし、そのときの移動量ΔZが求められる。そのために、まず、偏差ΔSがゼロになるまで、移動操作が繰り返される。このとき、
移動量 ΔZ’ = β×ΔZ (収束係数β;0<β<1)
とすると、得られる移動量が発散しないのでより好ましい。
次に、制御部30にて実行される、反りの測定と補正の方法について説明する。
図4(a)〜(c)は、反りの測定と補正の方法の一例を説明するための図である。図4(a)に示す模式図は、図3(a)に示す平行と零点出しのセンサに加え、反りの測定用として、幅方向中心部に追加のセンサを1個(S)、設けている。反りの測定と補正では、まず、例えば図3(a)〜(c)に示すような方法により平行出しが完了した状態で、各センサ55の出力値の比較がなされる。各センサ55の比較によって、ダイ18の反りが、図4(b)に示すような上に凸の形状なのか、図4(c)に示すような下に凸の形状なのかが判定できる。
その後、制御部30では、ダイ18のリップ先端が基板(定盤29に載置された基板)に接触しないように、ダイ18の高さに補正をかけて、Z軸アクチュエータ52の変位量(ZおよびZ)を決定する。このとき、例えば図4(b)に示す上に凸のケースでは、放物線近似で両端の最下点の高さが求められる。また、図4(c)に示す下に凸のケースでは、中心が最下点であることから、Sの値を調整値としてそのまま採用する。このようにして、3個のセンサ55を用いて、ダイ18のリップ先端の高さを測定し、リップ先端が基板に接触することを防止することが可能となる。
図5(a)〜(c)は、4つ以上のセンサ55を用いて、平行出し、反りの測定、およびこれらの補正を施す処理を説明するための図である。図5(a)は、ケース1として、平行出し用センサ55を複数設け(図5(a)では、SL1、SL2、SR1、SR2の4つ)、これらのセンサ55から得られた値の平均値を左右のセンサ出力値としている。このように複数のセンサ55を用いて平行出しを行うと、センサ55自体のノイズや、基板の表面の凹凸などを吸収することが可能となり、平行出しの信頼性を向上させることができる。
一方、図5(b)は、ケース2として、S、S、S、…、Sの、反りの測定などのための形状測定用のセンサ55を、例えば等間隔に複数設けている場合を示している。反りの測定だけではなく、平行出しのセンサ55もこれらのセンサ55を用いて実行することができる。図5(b)に示すように、複数のセンサ55によって間隔を測定することで、制御部30は、図5(c)に示すように、ダイ18のリップ先端形状を詳細に把握することができ、把握された近似曲線に対して最小自乗法などにより仮想的なリップの平均線を求めることができる。このようにして得られた平均線の直線に対して平行出しの補正を実施すればよい。
以上のように、制御部30の高さ調整手段は、3個以上のセンサ55からの出力を用いて、ダイ18の先端(リップ)の最小位置を把握する。そして、把握された最小位置から、ダイ18の先端(リップ)が、定盤29の定盤面に載置された基板に当接(干渉)しないように、ダイ18の先端(リップ)が延びる一方向の両端に設けられたZ軸アクチュエータ52を動作させる。このとき、先端(リップ)の平行度も考慮して、Z軸アクチュエータ52の変位であるZおよびZが決定される。
このように、本実施の形態によれば、ダイ18が塗布装置に取り付けられた状態での、ダイ18の先端であるリップの真直度が容易に測定可能である。これにより、近年、塗布される基板が大型化し、それに伴い、ダイ18も大型化したことによる問題に対処することができる。即ち、このダイ18の一方向に延びるスリット方向のたわみや反り、ダイ18の重量が増すことによるサポート53の変形などにより、塗布ギャップの不均一やダイ18の先端の一部が基板に接触するといった問題を解決することが可能である。
より詳しくは、本実施の形態によれば、塗布ギャップの不均一による膜厚ムラの発生を事前に予見し、ノズルの交換や調整による対応が可能となる。これによって、製造歩留まりを向上させ、また塗布される製品の品質を向上させることが可能となる。また、ダイ18の先端であるノズルリップが被塗布部材である基板に接触するトラブルを未然に防止することが可能となり、運転の中断を避けることができる。これによって、製造稼働率を向上させることができる。更には、ノズル先端の加工精度が不十分なダイ18を用いた場合であっても、本実施の形態におけるダイ18の位置決め方法を採用し、塗布ギャップ精度を管理運用することで、製造コストを大幅に低減することが可能となる。
本発明は、例えば、ディスプレイ部材などの枚葉塗布部材に塗布液材を塗布する塗布装置や、それらの塗布装置に用いられるダイの位置決め方法などに適用することができる。
本実施の形態が適用されるダイコート式塗布装置の全体構成を示した図である。 (a),(b)は、本実施の形態が適用される塗布装置(枚葉塗布装置)の構成例を示した図である。 (a)〜(c)は、制御部によって実行されるダイの先端の平行および零点出し方法の一例を説明するための図である。 (a)〜(c)は、反りの測定と補正の方法の一例を説明するための図である。 (a)〜(c)は、4つ以上のセンサを用いて、平行出し、反りの測定、およびこれらの補正を施す処理を説明するための図である。
符号の説明
11…加圧タンク、12…脱気モジュール、13…ポンプ、14,15…切り換え弁、16…フィルタ、17…圧力センサ、18…ダイ、19…エア抜きバルブ、21…ディスペンスロール、22…ドクターブレード、29…定盤、30…制御部、51…スライダ部、52…Z軸アクチュエータ、53…サポート、55…センサ

Claims (6)

  1. 枚葉の被塗布部材に対して一方向に延びる吐出口から塗布液材を吐出するダイと、
    前記ダイと前記被塗布部材とを相対移動させる移動手段と、
    前記ダイの前記吐出口の先端位置の高さを前記一方向の複数箇所で検出する3個以上のセンサと、
    前記ダイの高さを調整する調整手段と、
    前記センサにより検出された前記ダイの前記吐出口の先端位置の高さから前記ダイの先端の形状を把握し、仮想的な当該先端の平均線を求め、当該平均線に基づいて前記調整手段を制御する制御部と、
    を含む枚葉塗布装置。
  2. 前記制御部は、前記ダイの先端の形状を近似曲線として把握し、当該近似曲線から最小自乗法により仮想的な当該先端の平均線を求めることを特徴とする請求項1記載の枚葉塗布装置。
  3. 前記調整手段は、前記3個以上のセンサの中の少なくとも2個のセンサを用いて、前記ダイの前記一方向の両端の高さを調整することを特徴とする請求項1記載の枚葉塗布装置。
  4. 前記調整手段は、前記3個以上のセンサを用いて前記ダイにおける前記吐出口の先端の最小位置を把握し、当該吐出口の先端が前記被塗布部材に当接しないように当該ダイの高さを調整することを特徴とする請求項1記載の枚葉塗布装置。
  5. 前記3個以上のセンサから検出された前記先端位置の高さに基づいて、前記吐出口の先端の真直度を求める制御手段を更に備えたことを特徴とする請求項1記載の枚葉塗布装置。
  6. 定盤面に載置された被塗布部材に、一方向に延びる吐出口を有するダイを位置決めするダイ位置決め方法であって、
    前記定盤面の高さ情報を取得してメモリに格納し
    前記吐出口が塗布液材で汚れていない状態にて、当該吐出口の高さを前記一方向の3カ所以上に設けられたセンサから取得し
    取得された前記吐出口の高さに基づき、前記ダイの先端の形状を把握し、仮想的な当該先端の平均線を求め、
    メモリから読み出された前記定盤面の高さ、前記センサから取得された前記吐出口の高さ、および前記先端の平均線に基づいて、前記ダイの一方向の両端に設けられるアクチュエータの移動量を算出し、当該ダイの高さを調整することを特徴とするダイ位置決め方法。
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