JP5271169B2 - スタイレット、カテーテルセットおよびカテーテルセットの製造方法 - Google Patents

スタイレット、カテーテルセットおよびカテーテルセットの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、カテーテルの挿入性を向上させるために、カテーテルの内腔に挿入されるスタイレット、そのスタイレットを備えたカテーテルセットおよびカテーテルセットの製造方法に関する。
従来から、血液透析を行う場合には、脱血用内腔と送血用内腔とを備えた透析用のカテーテルの先端部を患者の血管に留置して、血管を流れる血液を脱血用内腔から抜き取り、浄化したのちの血液を送血用内腔から血管内に戻すことが行われている。(例えば、特許文献1参照)。このカテーテル(トリプルルーメンカテーテル)は、隔壁を隔てて形成された第1のルーメンと第2のルーメンとを備えており、第2のルーメンの先端開口は、第1のルーメンの先端開口よりも基部側に1〜11cm隔てて設けられている。また、第1のルーメンの先端側部分の側部には、側孔が形成されており、隔壁の内部には先端が側孔に向かって延びる第3のルーメンが設けられている。
第1のルーメンは返血(送血)ルーメンとして用いられ、第2ルーメンは脱血ルーメンとして用いられる。そして、カテーテルの先端部を患者の血管に留置する際には、まず、ガイドワイヤの先端部を血管内に挿入するとともに、第1のルーメンにスタイレットを挿入する。ついで、スタイレットの内部にガイドワイヤを後部側から挿入しながらカテーテルとスタイレットを体内に挿し込んでいくことにより、カテーテルの先端部を血管内に挿入して留置する。つぎに、スタイレットをカテーテルから抜去し、さらにガイドワイヤをカテーテルから抜去する。これによって、カテーテルを留置するための操作が終了し、続いて血液透析が開始される。また、スタイレットは、カテーテルの腰(強度)を強くして挿入をし易くするためのもので、前述した従来のカテーテルは、スタイレットを用いずに血管に留置される場合もある。
特開2006−346183号公報
しかしながら、前述したカテーテルを患者の体に挿し込む際には、第2のルーメンの先端開口は開口したままで、第1のルーメンの内部にはスタイレットが挿入されるがその先端部にはカテーテルの軸方向に直交する面が形成される。このため、第1のルーメンと第2のルーメンとの先端開口がそれぞれ抵抗となってカテーテルの挿入抵抗が大きくなり操作性がよくないという問題がある。
本発明はこのような事情に鑑みなされたもので、その目的は、カテーテルの挿入性を向上させることにより、操作性が向上するスタイレット、そのスタイレットを備えたカテーテルセットおよびカテーテルセットの製造方法を提供することにある。
前述した目的を達成するため、本発明に係るスタイレットの構成上の特徴は、カテーテルの挿入性を向上させるためにカテーテルの内腔に挿入されるスタイレットであって、カテーテルの先端開口縁部に係合可能な段部が先端近傍に形成され段部をカテーテルの先端開口縁部に係合させ先端部をカテーテルの先端開口から突出させた状態でカテーテルの内腔に挿入される棒状係合部と、先端部をカテーテルの先端開口から突出させた状態で棒状係合部に隣接してカテーテルの内腔に挿入されることにより棒状係合部がカテーテルの基端側に抜けることを防止する棒状楔部とを含む複数の棒状体で構成され、棒状係合部と棒状楔部とをカテーテルの内腔に挿入したときに、棒状係合部と棒状楔部とのカテーテルの先端開口から突出する両先端部の外周面が、カテーテルの先端側から両先端部の先端に向かって徐々に細径になる曲面になるようにしたことにある。
本発明に係るスタイレットは、カテーテルの先端開口縁部に係合可能な段部が先端近傍に形成された棒状係合部と、棒状楔部とで構成されている。そして、段部をカテーテルの先端開口縁部に係合させ先端部をカテーテルの先端開口から突出させた状態で棒状係合部をカテーテルの内腔に挿入し、さらに、棒状楔部を、棒状係合部に隣接させてカテーテルの内腔に挿入しその先端部をカテーテルの先端開口から突出させることにより棒状係合部がカテーテルの基端側に抜けることを防止できる。また、このとき、棒状係合部と棒状楔部との両先端部の外周面が、カテーテルの先端側から両先端部の先端に向かって徐々に細径になる曲面に形成される。
このため、棒状係合部と棒状楔部とからなるスタイレットをカテーテルに組み付けたときには、カテーテルの先端開口は、棒状係合部と棒状楔部とによって閉塞され、その先端側には、先端に向かって徐々に細径になる曲面が形成される。この結果、カテーテルの挿入抵抗が小さくなり操作性が向上する。また、カテーテルから棒状係合部と棒状楔部とを抜き取るときには、まず、棒状楔部をカテーテルの基端側から抜き取って、カテーテルの内腔の空きスペースを大きくしたのちに、棒状係合部の段部をカテーテルの先端面から外して棒状係合部をカテーテルの基端側から抜き取る。これによると、カテーテルから棒状係合部と棒状楔部とを容易に抜き取ることができる。なお、カテーテルの先端開口縁部とは、カテーテルの先端面であり、カテーテルの先端面に切り欠きが設けられている場合には、その切り欠きの縁部である。
また、本発明に係るスタイレットの他の構成上の特徴は、棒状楔部にガイドワイヤを通すための挿通孔を棒状楔部の長手方向に沿って貫通させたことにある。これによると、カテーテルに、スタイレットを挿通させる内腔の他に、ガイドワイヤを挿通させる内腔を形成する必要がなくなる。このため、カテーテルの構造を単純にすることができるとともに、カテーテルの製造が容易になる。
また、本発明に係るカテーテルセットの構成上の特徴は、前述したスタイレットと、カテーテルとを備えたことにある。これによると、カテーテルの挿入性および操作性が向上するカテーテルセットを得ることができる。
また、本発明に係るカテーテルセットの他の構成上の特徴は、カテーテルが、隔壁によって二分された二つの内腔を備えたカテーテルであり、二つの内腔に、それぞれ棒状係合部と棒状楔部とからなるスタイレットを挿入可能にしたことにある。これによると、二つの内腔を備えた所謂ダブルルーメンタイプのカテーテルのそれぞれの内腔にそれぞれが棒状係合部と棒状楔部とからなるスタイレットを挿入することができるため、カテーテルの強度が大きくなり、これによっても挿入操作がし易くなる。なお、この場合の隔壁は、二つの内腔をそれぞれカテーテルの基端側から先端部に連通させた状態でカテーテルの軸方向に延びるものである。
また、本発明に係るカテーテルセットのさらに他の構成上の特徴は、二つの内腔を備えたカテーテルが、脱血用内腔と送血用内腔とを備えた透析用のカテーテルであり、脱血用内腔と送血用内腔とに挿入される棒状楔部の少なくとも一方にガイドワイヤを通すための挿通孔を前記棒状楔部の長手方向に沿って貫通させたことにある。これによると、カテーテルを患者の血管に留置するための操作が容易になる血液透析用のカテーテルセットを得ることができる。また、カテーテルに、ガイドワイヤを挿通させる内腔を形成する必要がなくなるため、脱血用内腔と送血用内腔とを備えた透析用のカテーテルの構造を単純にすることができるとともに、そのカテーテルの製造が容易になる。また、脱血用内腔と送血用内腔とに挿入される棒状楔部の双方にガイドワイヤを通すための挿通孔を設けた場合には、1種類の棒状楔部を製造するだけで済むようになる。
また、本発明に係るカテーテルセットのさらに他の構成上の特徴は、スタイレットを、脱血用内腔または送血用内腔の外周側に配置される棒状係合部と脱血用内腔または送血用内腔の隔壁側に配置される棒状楔部とからなる積層型スタイレット、または、脱血用内腔または送血用内腔の隔壁側に沿った一方側に配置される棒状係合部と脱血用内腔または送血用内腔の隔壁に沿った他方側に配置される棒状楔部とからなる並置型スタイレットで構成したことにある。これによると、脱血用内腔や送血用内腔の形状に応じて、適宜、積層型スタイレットまたは並置型スタイレットを用いることができる。また、積層型スタイレットと並置型スタイレットとの双方を用いることもできる。
本発明に係るカテーテルセットの製造方法の構成上の特徴は、カテーテルと、棒状係合部と棒状楔部とで構成されるスタイレットとからなるカテーテルセットの製造方法であって、カテーテルの先端開口縁部に係合可能な段部が先端近傍に形成された棒状係合部を、段部をカテーテルの先端開口縁部に係合させ先端部をカテーテルの先端開口から突出させた状態でカテーテルの内腔に挿入する棒状係合部挿入工程と、棒状楔部の先端部をカテーテルの先端開口から突出させた状態で、棒状楔部を棒状係合部に隣接してカテーテルの内腔に挿入することにより、棒状係合部がカテーテルの基端側に抜けることを防止するとともに、棒状係合部と棒状楔部とのカテーテルの先端開口から突出する両先端部の外周面をカテーテルの先端側から両先端部の先端に向かって徐々に細径になる曲面に形成する棒状楔部挿入工程とを備えたことにある。本発明によると、挿入性に優れたカテーテルセットを得ることができる。
また、本発明は、カテーテルの先端開口縁部に係合可能な段部が先端近傍に形成された棒状係合部を、前記段部を前記カテーテルの先端開口縁部に係合させ先端部を前記カテーテルの先端開口から突出させた状態で前記カテーテルの内腔に挿入し、前記棒状楔部を前記棒状係合部に隣接して前記カテーテルの内腔に挿入しその先端部を前記カテーテルの先端開口から突出させることにより前記棒状係合部が前記カテーテルの基端側に抜けることを防止するとともに、前記棒状係合部と前記棒状楔部との前記カテーテルの先端から突出する両先端部の外周面を前記カテーテルの先端側から前記両先端部の先端に向かって徐々に細径になる曲面に形成するように構成されたカテーテルセットの使用方法であって、前記カテーテルセットを先端側から人体の血管に挿入する挿入工程と、前記棒状楔部を前記カテーテルの基端側から抜き取る棒状楔部抜取工程と、前記棒状係合部の段部を前記カテーテルの先端開口縁部から外して前記棒状係合部を前記カテーテルの基端側に抜き取る棒状係合部抜取工程とを備えたカテーテルセットの使用方法とすることもできる。
本発明の一実施形態に係るカテーテルセットにガイドワイヤを取り付けた状態を示した斜視図である。 図1に示したカテーテルセットが備えるカテーテルを示しており、(a)は平面図、(b)は(a)に示したカテーテルの先端を示した正面図、(c)は側面図である。 図1に示したカテーテルセットが備える積層型スタイレットを示した斜視図である。 積層型スタイレットの棒状係合部を示しており、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は側面図である。 積層型スタイレットの棒状楔部を示しており、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は側面図である。 図1に示したカテーテルセットが備える並置型スタイレットを示した斜視図である。 並置型スタイレットの棒状係合部を示しており、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は側面図である。 並置型スタイレットの棒状楔部を示しており、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は側面図である。 積層型スタイレットと並置型スタイレットとが組み付けられたカテーテルの積層型スタイレット側を示した斜視図である。 積層型スタイレットと並置型スタイレットとが組み付けられたカテーテルの並置型スタイレット側を示した斜視図である。 積層型スタイレットと並置型スタイレットが組み付けられたカテーテルを示しており、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は側面図、(d)は(c)のd−d断面図である。
以下、本発明の一実施形態を図面を用いて詳しく説明する。図1は、同実施形態に係るカテーテルセットAにガイドワイヤ28を組み付けた状態を示している。このカテーテルセットAは、血液透析に使用されるもので、患者の血管に留置されるカテーテル10と、カテーテル10の内部にそれぞれ挿入される積層型スタイレット20(図3参照),並置型スタイレット25(図6参照)とで構成されている。カテーテル10は、図2に示したように、細長いカテーテル本体11と、カテーテル本体11の基端部(図2(a)、(c)の左端部)に連結された接続部12から分岐した2本の分岐管13,14とで構成されている。
カテーテル本体11は細長い可撓性の円筒体で構成されており、その内部には、脱血用内腔11aと送血用内腔11bとがカテーテル本体11内を二分する隔壁11cを挟んで形成されている。また、カテーテル本体11の先端部には、脱血用内腔11a側に位置する切り欠き15aと、送血用内腔11b側に位置する切り欠き15bとがカテーテル本体11の軸線回りに180度の間隔を保って形成されている。切り欠き15aは、隔壁11cの幅方向の一方の端部先端(図2(b)の左端部)から隔壁11cの長手方向に沿って基端部側に真っ直ぐ延びたのちに、隔壁11cの幅方向の他方の端部先端側(図2(b)の右端部側)に向かって斜めに延びる略V形の縁部を備えた凹部で構成されている。
そして、切り欠き15aの斜めに延びた縁部は隔壁11cの他方の端部先端の手前でカテーテル本体11の軸線に直交するように切り欠かれて隔壁11cの他方の端部に連なっている。また、切り欠き15bは、隔壁11cの幅方向の他方の端部先端(図2(b)の右端部)から隔壁11cの長手方向に沿って基端部側に真っ直ぐ延びたのちに、隔壁11cの幅方向の一方の端部先端側に斜めに延びる略V形の縁部を備えた凹部で構成されている。そして、切り欠き15bの斜めに延びた縁部は隔壁11cの一方の端部先端の手前でカテーテル本体11の軸線に直交するように切り欠かれて隔壁11cの一方の端部に連なっている。
すなわち、切り欠き15bは、カテーテル本体11の軸線回りに180度回転すると切り欠き15aに重なるように形成されている。また、隔壁11cの先端部はカテーテル本体11の先端から少し突出している。そして、カテーテル本体11における切り欠き15a,15bよりもやや基端側に菱形の側孔16(一方しか図示していない)がカテーテル本体11の軸線回りに180度の間隔を保って形成されている。また、接続部12の内部には、脱血用内腔11aに連通する内腔と、送血用内腔11bに連通する内腔とが形成されている。
分岐管13は、接続部12の一方の内腔を介して脱血用内腔11aに連通する内腔を備えた円筒体で構成されており、その基端部には、ルアーアダプター13aが連結されている。また、分岐管14は、接続部12の他方の内腔を介して送血用内腔11bに連通する内腔を備えた円筒体で構成されており、その基端部には、ルアーアダプター14aが連結されている。ルアーアダプター13aの開口側端部の外周にはねじ13bが形成され、ルアーアダプター14aの開口側端部の外周にはねじ14bが形成されている。なお、カテーテル本体11および分岐管13,14は、シリコーンやポリウレタン等の軟質合成樹脂材料からなっており、接続部12およびルアーアダプター13a,14aは、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリアセタール等の合成樹脂材料からなっている。
また、分岐管13,14には、それぞれ分岐管13,14の内腔を閉塞するクランプ17が取り付けられている。このクランプ17は、細長い板状体を屈曲して弾性を備えた略三角形の枠状に形成して、一方の端部側部分の内面に段部からなる係合凹部(図示せず)を形成するとともに、他方の端部にその係合凹部に係合できる係合突部17aを形成して構成されている。また、クランプ17の前後にはそれぞれ分岐管13,14を挿通させるための穴部17b,17cが形成されており、穴部17b,17cに分岐管13,14を挿通させてクランプ17は分岐管13,14にそれぞれ取り付けられている。
さらに、クランプ17の内周面における対向する部分には、係合突部17aを係合凹部に係合させたときに、分岐管13,14を両側から押圧してその内腔を閉塞する押圧部17d,17eが形成されている。したがって、係合突部17aを係合凹部に係合させることにより分岐管13,14を閉塞し、係合突部17aと係合凹部との係合を解除することにより分岐管13,14の両端間をそれぞれ連通させることができる。クランプ17は、ポリプロピレン、ABS等の合成樹脂材料からなっている。
積層型スタイレット20は、図3に示したように、本発明に係る複数の棒状体を構成する棒状係合部21と、棒状楔部22とで構成されている。棒状係合部21は、カテーテル10の脱血用内腔11aおよび送血用内腔11bに余裕を持って挿通可能な細長い棒状体で構成されており、幅が狭く厚みが薄い略板状の本体21aと、本体21aの先端に形成された先端部21bとからなっている。本体21aの下面(図4(c)の状態での下面)は平面に形成されており、本体21aの上面(図4(c)の状態での上面)は幅方向の中央側が両側よりもやや高くなった曲面(図11(d)参照)に形成されている。この本体21aの上面は脱血用内腔11aおよび送血用内腔11bの内面における円周部分に沿う曲面に形成されている。
先端部21bは、図4(b)に示したように正面視が略半円形の厚肉部からなっており、この先端部21bの先端側部分の各部の断面形状(図示せず)は、基端側から先端側に行くほど小さな半円形になるように形成されている。すなわち、先端部21bの下面は、本体21aの下面に連なる平面で構成され、その先端側部分の幅は、先端に近づくほど狭くなっている。また、先端部21bの上面の基端側部分(図3および図4(c)の左側部分)は、幅方向の中央側が高く両側が徐々に低くなる曲面に形成され、先端部21bの上面の先端側部分は、幅方向の中央側が高く両側が徐々に低くなるとともに、基端側から先端側に行くほど低くなる曲面に形成されている。
そして、先端部21bの基端側端面は、カテーテル本体11の切り欠き15a,15bの斜めに延びた縁部に沿うことのできる傾斜面からなる段部21cで構成されている。このため、棒状係合部21を、例えば、カテーテル10の脱血用内腔11aの基端側から脱血用内腔11a内に挿入して、先端部21bをカテーテル10の先端開口から突出させたときに、段部21cを切り欠き15aの斜めに延びた縁部に沿わせて係合させることができる。この段部21cが切り欠き15aの縁部に係合したときには、棒状係合部21はカテーテル10の基端側に移動できなくなる。このとき、棒状係合部21は脱血用内腔11aの内面における円周側に位置する。
棒状楔部22は、カテーテル10の脱血用内腔11aおよび送血用内腔11bの隔壁11c側部分に挿通可能な細長い棒状体で構成されている。この棒状楔部22は、略板状の本体22aと、本体22aの先端に形成された先細り状の先端部22bとからなっている。本体22aは、下面(図5(c)の状態での下面)、上面(図5(c)の状態での上面)ともに平面で構成されており、その幅は、下面が棒状係合部21の幅よりも広く、上面が棒状係合部21の幅と略同じになっている。また、本体22aの厚みは棒状係合部21の本体21aの幅方向の中央部分の厚みと略同じになっている。そして、先端部22bの下面は、本体22aの下面に連なる平面で構成され、その先端側部分の幅は、先端に近づくほど狭くなっている。
また、先端部22bの上面は、幅方向の中央側が高く両側が徐々に低くなるとともに、先端側に行くほど低くなる曲面に形成されている。この棒状楔部22の上面を棒状係合部21の下面に合わせるようにして、棒状楔部22を、棒状係合部21が挿入されたカテーテル10の脱血用内腔11a内に挿入すると、棒状係合部21は、脱血用内腔11aの内面における外周側に付勢されて、カテーテル10の基端側に移動できなくなる。また、先端部22bを脱血用内腔11aの先端開口から突出させて棒状係合部21の先端部21bよりもさらに先方に位置させると、脱血用内腔11aの先端開口から突出する棒状係合部21と棒状楔部22との先端側部分で、脱血用内腔11aの先端開口から先方に向かって徐々に細くなる突出部分が形成される。
また、棒状楔部22の基端部には係止部22c(図1参照)が設けられている。この係止部22cの外形は、略半円柱状に形成されており、この係止部22cが、ルアーアダプター13aの開口部に係合したときに、棒状楔部22の先端部22b側部分が脱血用内腔11aの先端開口から適度に突出する。また、棒状係合部21の基端側部分には折り曲げ部21d(図1参照)が形成されており、この折り曲げ部21dがルアーアダプター13aの開口縁部に係合したときに、棒状係合部21の先端側部分が脱血用内腔11aの先端開口から適度に突出する。
並置型スタイレット25は、図6に示したように、棒状係合部26と棒状楔部27とで構成されており、前述した棒状係合部21および棒状楔部22とともに本発明に係る複数の棒状体を構成する。棒状係合部26は、カテーテル10の脱血用内腔11aおよび送血用内腔11bに余裕を持って挿通可能な細長い棒状体で構成されており、図7に示したように、細長い本体26aと、本体26aの先端に形成された先端部26bとからなっている。
本体26aの断面形状は略三角形(図11(d)参照)に形成されており、本体26aの上面(図7(c)に示した状態での上面)と右側面(図7(a),(b)に示した状態での右側面)とは平面に形成されている。また、本体26aの左側面から下面にかけての部分は幅方向の中央側が外部側に突出して円弧状になった凸曲面に形成されている。この本体26aの凸曲面は、本体26aの上面を脱血用内腔11aまたは送血用内腔11bの内部の隔壁11cの一方側に沿わせたときに、脱血用内腔11aまたは送血用内腔11bの内部の円周部分に沿う曲面に形成されている。
先端部26bは、図7(b)に示したように正面視が略半楕円形の幅広部からなっており、この先端部26bの先端側部分の各部の断面形状(図示せず)は、基端側から先端側に行くほど小さな半楕円形になるように形成されている。すなわち、先端部26bの右側面は、本体26aの右側面に連なる平面で構成されている。そして、先端部26bの先端側部分の右側面以外の表面は、上下方向(図7(b),(c)での上下方向)の幅が右側面から左側にいくほど狭くなり、左右方向(図7(a),(b)での左右方向)の幅が基端側から先端側にいくほど狭くなる曲面に形成されている。
そして、先端部26bの基端側端面は、カテーテル本体11の先端面(開口縁部)に沿って係合できる段部26cで構成されている。このため、棒状係合部26を、例えば、カテーテル10の送血用内腔11bの基端側から送血用内腔11b内に挿入して、先端部26bをカテーテル10の先端開口から突出させたときに、段部26cをカテーテル本体11の先端面に沿わせて係合させることができる。この段部26cがカテーテル本体11の先端面に係合したときには、棒状係合部26はカテーテル10の基端側に移動できなくなる。このとき、棒状係合部26は送血用内腔11bの内面における隔壁11cと円周部分との一方の角部に位置する。
棒状楔部27は、カテーテル10の脱血用内腔11aおよび送血用内腔11bの隔壁11cと円周部分との他方の角部側部分に挿通可能な細長い棒状体で構成されている。この棒状楔部27は、管状の本体27aと、本体27aの先端に形成された先細り状の先端部27bとからなっている。本体27aの断面の輪郭形状は略三角形(図11(d)参照)に形成されており、本体27aの上面(図8(b),(c)に示した状態での上面)と左側面(図8(a),(b)に示した状態での左側面)とは平面に形成されている。そして、本体27aの右側面から下面にかけての部分は幅方向の中央側が外部側に突出して円弧状になった凸曲面に形成されている。
この本体27aの凸曲面は、本体27aの上面を脱血用内腔11aまたは送血用内腔11bの内部の隔壁11cの他方に沿わせたときに、脱血用内腔11aまたは送血用内腔11bの内部の円周部分に沿う曲面に形成されている。また、本体27aの左側面の幅は、棒状係合部26の本体26aの右側面の幅と略同じに設定されており、本体27aの上面の幅は、棒状係合部26の本体26aの上面の幅よりも広く設定されている。本体27aの左側面と棒状係合部26の本体26aの右側面とを接面させたときの本体27aと本体26aとの断面形状は、脱血用内腔11aおよび送血用内腔11bの断面形状と略等しくなる。
先端部27bの上面は、本体27aの上面に連なる平面で構成され、その先端側部分の幅は、図8(a)に示したように、右側縁部が左側縁部に近づくように傾斜して先端に近づくほど狭くなっている。また、先端部27bの左側面は、本体27aの左側面に連なる平面で構成され、その先端側部分の幅は、図8(c)に示したように、下側縁部が上側縁部に近づくように傾斜して先端に近づくほど狭くなっている。そして、先端部27bの右側面から下面にかけての部分は、上下方向(図8(b),(c)での上下方向)の幅が左側面から右側にいくほど狭くなり、左右方向(図8(a),(b)での左右方向)の幅が基端側から先端側にいくほど狭くなる曲面に形成されている。
そして、棒状楔部27の基端部に設けられた係止部27c(図1参照)から先端部27bの先端面にかけてガイドワイヤ28を通すためのガイドワイヤ挿通孔28aが形成されている。この棒状楔部27の左側面を棒状係合部26の右側面に合わせるようにして、棒状楔部27を、棒状係合部26が挿入されたカテーテル10の送血用内腔11b内に挿入すると、棒状係合部26は、送血用内腔11bの内面における隔壁11cと円周部分との一方の角部側に付勢されて、カテーテル10の基端側に移動できなくなる。
その際、先端部27bを送血用内腔11bの先端開口から突出させて棒状係合部26の先端部26bよりもさらに先方に位置させると、送血用内腔11bの先端開口から突出する棒状係合部26と棒状楔部27との先端側部分によって送血用内腔11bの先端開口から先方に向かって徐々に細くなる突出部分が形成される。なお、棒状楔部27の基端部に設けられた係止部27cの外形は、略半円柱状に形成されており、この係止部27cが、ルアーアダプター14aの開口部に係合したときに、棒状楔部27の先端部27b側部分が送血用内腔11bの先端開口から適度に突出する。
また、棒状係合部26の基端側部分には折り曲げ部26d(図1参照)が形成されており、この折り曲げ部26dがルアーアダプター14aの開口縁部に係合したときに、棒状係合部26の先端側部分が送血用内腔11bの先端開口から適度に突出する。なお、前述した棒状係合部21、棒状楔部22および棒状係合部26、棒状楔部27は、合成樹脂材料からなる細長い線材で構成されている。また、ルアーアダプター13a,14aのねじ13b,14bは、ルアーアダプター13a,14aにチューブ等を接続する際に利用される。
ガイドワイヤ28は、予め患者の血管内における所定部分に挿し込まれてカテーテル10を導くために使用されるもので、外径が0.5〜1.0mmのステンレススチールで構成されている。なお、ガイドワイヤ28を血管に挿し込む際には、まず、円筒状の穿刺針からなるカニューレ(図示せず)を患者の体に穿刺してその先端を血管に到達させる。ついで、カニューレにガイドワイヤ28を通し、ガイドワイヤ28の先端部を血管内に挿入する。そして、患者の体にガイドワイヤ28を残したまま、カニューレを患者の体から引き抜いて、そのガイドワイヤ28を利用して、後述する操作によって、カテーテル10の留置が行われる。
このように構成されるカテーテルセットAは、まず、製造工程において、カテーテル10に積層型スタイレット20と並置型スタイレット25とを取り付ける作業が行われ、組み付けられたカテーテルセットAを用いて血液透析が行われる。この場合、まず、図2(a)に示したように、分岐管13,14にそれぞれ緩めた状態のクランプ17が取り付けられたカテーテル10における、例えば、分岐管13のルアーアダプター13aの開口から、棒状係合部21を先端部21b側から挿入する。そして、先端部21bの段部21cをカテーテル本体11の切り欠き15aの斜めに延びた縁部に沿わせて係合させる。
ついで、棒状楔部22を、棒状係合部21に沿わせた状態で分岐管13のルアーアダプター13aの開口から脱血用内腔11a内に挿入する。これによって、棒状係合部21は、脱血用内腔11aの内面における円周部分に付勢されて、カテーテル10の基端側に移動できなくなり、カテーテル10の脱血用内腔11a内への積層型スタイレット20の取付が終了する(図9参照)。このとき、棒状係合部21の基端側の折り曲げ部21dはルアーアダプター13aの開口縁部に係合し、棒状楔部22の基端側の係止部22cはルアーアダプター13aの開口部に係合する。
つぎに、分岐管14のルアーアダプター14aの開口から送血用内腔11b内にかけて、棒状係合部26を先端部26b側から挿入する。そして、先端部26bを送血用内腔11bの先端開口から突出させて段部26cをカテーテル本体11の先端面に係合させる。ついで、棒状楔部27を、棒状係合部26に沿わせた状態で分岐管14のルアーアダプター14aの開口から送血用内腔11b内に挿入する。これによって、棒状係合部26は、送血用内腔11bの内面における隔壁11cと円周部分との一方の角部側に付勢されて、カテーテル10の基端側に移動できなくなり、カテーテル10の送血用内腔11b内への並置型スタイレット25の取付が終了する(図10参照)。
このとき、棒状係合部26の基端側の折り曲げ部26dはルアーアダプター14aの開口縁部に係合し、棒状楔部27の係止部27cはルアーアダプター14aの開口部に係合する。また、脱血用内腔11aの先端開口から突出する棒状係合部21と棒状楔部22との先端側部分と、送血用内腔11bの先端開口から突出する棒状係合部26と棒状楔部27との先端側部分とで、図9ないし図11に示したように、カテーテル本体11の先端開口から先方に向かって徐々に細くなる突出部分が形成される。このとき、棒状楔部22と棒状楔部27との先端側部分は、カテーテル本体11の先端から突出する隔壁11cの先端部を挟むようにして対向する。また、カテーテル10に積層型スタイレット20と並置型スタイレット25とを取り付けられたカテーテルセットAには滅菌処理が施される。
このようにして、積層型スタイレット20および並置型スタイレット25が取り付けられ先端に先細り状の突出部が形成されたカテーテル10は、前述したようにして先端部が血管内に挿入されたガイドワイヤ28を利用して血管に留置される。この場合、患者の体内から延びるガイドワイヤ28の端部を、棒状楔部27の先端部27bの先端開口からガイドワイヤ挿通孔28a内に挿し込んでその端部を係止部27cの開口から外部に突出させる。そして、ガイドワイヤ28に沿わせて、カテーテル10を積層型スタイレット20および並置型スタイレット25とともに患者の体内に挿し込んでいき、カテーテル本体11の先端開口を血管内に位置させる。
ついで、ガイドワイヤ28、棒状楔部22、棒状係合部21、棒状楔部27および棒状係合部26を順次カテーテル10から引き抜いていくことにより、カテーテル10だけを患者の体に残す。この場合、脱血用内腔11aから棒状楔部22を引き抜くことにより、脱血用内腔11a内の空きスペースが広くなって段部21cと切り欠き15aの縁部との係合を解除し易くなり、棒状係合部21を脱血用内腔11aから容易に引き抜くことができる。同様に、送血用内腔11bから棒状楔部27を引き抜くことにより、送血用内腔11b内の空きスペースが広くなって段部26cとカテーテル本体11の先端面との係合を解除し易くなり、棒状係合部26を送血用内腔11bから容易に引き抜くことができる。
そして、分岐管13のルアーアダプター13aに血液を吸い出すための透析回路の脱血側を接続し、分岐管14のルアーアダプター14aに浄化された血液を体内の血管に戻すための透析回路の送血側を接続する。その状態で、透析回路に接続された透析装置を作動させて血液透析を行う。この場合、血管内の血液は、脱血用内腔11aから抜かれて透析装置で浄化されたのちに、送血用内腔11bから血管内に戻される。この際、脱血される血液の一部は、カテーテル本体11の脱血用内腔11a側に設けられた側孔16を通過し、送血される血液の一部は、カテーテル本体11の送血用内腔11b側に設けられた側孔16を通過する。
このように、本実施形態に係るカテーテルセットAでは、カテーテル10に脱血用内腔11aと送血用内腔11bとが備わっており、スタイレットとしては、棒状係合部21と棒状楔部22とからなる積層型スタイレット20と、棒状係合部26と棒状楔部27とからなる並置型スタイレット25とが備わっている。また、棒状係合部21,26を、それぞれ段部21c,26cをカテーテルの先端開口に係合させた状態でカテーテル10の脱血用内腔11aと送血用内腔11b内腔とに挿入し、さらに、棒状楔部22,27を、それぞれ対応する棒状係合部21,26に隣接させてカテーテルの脱血用内腔11aと送血用内腔11b内腔とに挿入することにより棒状係合部21,26がカテーテル10の基端側に抜けることを防止できる。
また、このとき、各先端部21b,26b,22b,27bをカテーテル10の先端開口から突出させることにより、各先端部21b,26b,22b,27bの外周面が、カテーテル10の先端外周側から先方に向かって徐々に細径になる曲面に形成される。このため、積層型スタイレット20と並置型スタイレット25とをカテーテル10に組み付けたときには、カテーテル10の先端開口は、積層型スタイレット20と並置型スタイレット25とによって閉塞され、その先端側には、先端に向かって徐々に細径になる曲面が形成される。この結果、カテーテル10の挿入抵抗が小さくなり操作性が向上する。
また、カテーテル10から積層型スタイレット20を抜き取るときには、棒状楔部22を抜き取ったのちに棒状係合部21を抜き取ることにより、積層型スタイレット20を容易に抜き取ることができ、カテーテル10から並置型スタイレット25を抜き取るときには、棒状楔部27を抜き取ったのちに棒状係合部26を抜き取ることにより、並置型スタイレット25を容易に抜き取ることができる。また、棒状楔部27にガイドワイヤ挿通孔28aを設けたため、カテーテル10に、ガイドワイヤ28を挿通させる内腔を形成する必要がなくなる。このため、カテーテル10の構造を単純にすることができるとともに、カテーテル10の製造が容易になる。
また、スタイレットとして、棒状係合部21と棒状楔部22とからなる積層型スタイレット20と、棒状係合部26と棒状楔部27とからなる並置型スタイレット25とを用いるため、カテーテル10の強度が大きくなり、これによっても挿入操作がし易くなる。さらに、本発明に係るカテーテルセットの製造方法によると、挿入性に優れたカテーテルセットAを容易に得ることができる。
本発明に係るカテーテルセットは、前述した実施形態に限定するものでなく、適宜変更して実施することができる。例えば、前述した実施形態では、脱血用内腔11aに積層型スタイレット20を挿入し、送血用内腔11bに並置型スタイレット25を挿入しているが、脱血用内腔11aに並置型スタイレット25を挿入し、送血用内腔11bに積層型スタイレット20を挿入してもよい。また、積層型スタイレット20と並置型スタイレット25との一方は省略してもよい。並置型スタイレット25を省略するときには、カテーテルセットは、ガイドワイヤ28を用いずに使用する。
さらに、二組の積層型スタイレット20を用いたり、二組の並置型スタイレット25を用いたりすることもできる。また、カテーテルとしては、前述したカテーテル10に限らず、種々の形状をしたものを用いることができる。例えば、カテーテルとして一つの内腔を備えた円筒状のカテーテルを用いることができる。この場合、本発明に係る複数の棒状体を2本の棒状係合部と、1本の棒状楔部とで構成してもよい。すなわち、棒状係合部と棒状楔部とは、かならず1本ずつを1対として用いる必要はなく、適宜変更して組み合わせることができる。さらに、前述した実施形態では、棒状係合部21の基端側部分に折り曲げ部21dを形成し、棒状係合部26の基端側部分に折り曲げ部26dを形成しているが、この折り曲げ部21d,26dに代えて、ルアーアダプター13a,14aの開口縁部に係合できる段部や大径部を設けてもよい。
10…カテーテル、11a…脱血用内腔、11b…送血用内腔、11c…隔壁、20…積層型スタイレット、21,26…棒状係合部、21b,26b,22b,27b…先端部、21c,26c…段部、22,27…棒状楔部、25…並置型スタイレット、28…ガイドワイヤ、28a…ガイドワイヤ挿通孔、A…カテーテルセット。

Claims (7)

  1. カテーテルの挿入性を向上させるために前記カテーテルの内腔に挿入されるスタイレットであって、
    前記カテーテルの先端開口縁部に係合可能な段部が先端近傍に形成され前記段部を前記カテーテルの先端開口縁部に係合させ先端部を前記カテーテルの先端開口から突出させた状態で前記カテーテルの内腔に挿入される棒状係合部と、先端部を前記カテーテルの先端開口から突出させた状態で前記棒状係合部に隣接して前記カテーテルの内腔に挿入されることにより前記棒状係合部が前記カテーテルの基端側に抜けることを防止する棒状楔部とを含む複数の棒状体で構成され、前記棒状係合部と前記棒状楔部とを前記カテーテルの内腔に挿入したときに、前記棒状係合部と前記棒状楔部との前記カテーテルの先端開口から突出する両先端部の外周面が、前記カテーテルの先端側から前記両先端部の先端に向かって徐々に細径になる曲面になるようにしたことを特徴とするスタイレット。
  2. 前記棒状楔部にガイドワイヤを通すための挿通孔を前記棒状楔部の長手方向に沿って貫通させた請求項1に記載のスタイレット。
  3. 請求項1に記載のスタイレットと、カテーテルとを備えたカテーテルセット。
  4. 前記カテーテルが、隔壁によって二分された二つの内腔を備えたカテーテルであり、前記二つの内腔に、それぞれ前記棒状係合部と前記棒状楔部とからなるスタイレットを挿入可能にした請求項3に記載のカテーテルセット。
  5. 前記二つの内腔を備えたカテーテルが、脱血用内腔と送血用内腔とを備えた透析用のカテーテルであり、前記脱血用内腔と前記送血用内腔とに挿入される棒状楔部の少なくとも一方にガイドワイヤを通すための挿通孔を前記棒状楔部の長手方向に沿って貫通させた請求項4に記載のカテーテルセット。
  6. 前記スタイレットを、前記脱血用内腔または前記送血用内腔の外周側に配置される棒状係合部と前記脱血用内腔または前記送血用内腔の前記隔壁側に配置される棒状楔部とからなる積層型スタイレット、または、前記脱血用内腔または前記送血用内腔の前記隔壁側に沿った一方側に配置される棒状係合部と前記脱血用内腔または前記送血用内腔の前記隔壁に沿った他方側に配置される棒状楔部とからなる並置型スタイレットで構成した請求項5に記載のカテーテルセット。
  7. カテーテルと、棒状係合部と棒状楔部とで構成されるスタイレットとを備えたカテーテルセットの製造方法であって、
    前記カテーテルの先端開口縁部に係合可能な段部が先端近傍に形成された棒状係合部を、前記段部を前記カテーテルの先端開口縁部に係合させ先端部を前記カテーテルの先端開口から突出させた状態で前記カテーテルの内腔に挿入する棒状係合部挿入工程と、
    棒状楔部の先端部を前記カテーテルの先端開口から突出させた状態で、前記棒状楔部を前記棒状係合部に隣接して前記カテーテルの内腔に挿入することにより、前記棒状係合部が前記カテーテルの基端側に抜けることを防止するとともに、前記棒状係合部と前記棒状楔部との前記カテーテルの先端開口から突出する両先端部の外周面を前記カテーテルの先端側から前記両先端部の先端に向かって徐々に細径になる曲面に形成する棒状楔部挿入工程と
    を備えたことを特徴とするカテーテルセットの製造方法。
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