JP5270119B2 - モータリップル検出装置 - Google Patents

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Description

本発明は、モータから出力されるリップルを検出するモータリップル検出装置に関するものである。
モータの回転数とモータから出力されるリップルパルスの数とは密接に関係しており、リップルパルスの数をカウントしてモータの回転数を計測するシステムが提案されている。このシステムは、車両のメモリシートシステム等でも利用されており、検出したリップルパルスからシートの移動位置を計算している。
このようなモータから出力されるリップルを検出するモータリップル検出装置としては、例えば特許文献1に記載されているものが知られている。特許文献1に記載のモータリップル検出装置は、まず無負荷状態でモータを起動し、その時のモータから出力されるリップルパルスを基準データとし、その後の加負荷時においてモータから出されるリップルパルスを基準データと比較し、両者が十分一致していないときは、基準データに従ってリップルパルスを補正するというものである。
特表2003−536355号公報
しかしながら、上記従来技術においては、以下の問題点が存在する。即ち、モータの動作状態がノイズの多い起動状態からノイズの殆ど無い定常状態に移行するまでの時間は、モータにかかる負荷によって異なる。このため、モータの動作状態を推定する際に、モータの実動作が起動状態であるにも関わらず定常状態と判定されたり、或いはモータの実動作が定常状態であるにも関わらず起動状態と判定されることがある。この場合には、モータから出力されるリップルパルス信号の検出精度が低下するため、モータの回転数を正確に検出することができなくなる。
本発明の目的は、モータの動作状態を精度良く判定し、モータから出力されるリップルパルスの検出精度を向上させることができるモータリップル検出装置を提供することである。
本発明は、モータから出力されるリップル信号を検出するモータリップル検出装置であって、モータにより駆動させる箇所及びモータの回転方向に基づいて、モータにかかる負荷レベルを推定する負荷推定手段と、負荷推定手段で推定された負荷レベルに基づいて、モータの動作状態を判定するための状態判定閾値を設定する閾値設定手段と、閾値設定手段で設定された状態判定閾値を用いて、モータの動作状態が起動状態であるか定常状態であるかを判定する状態判定手段と、モータから出力されるリップル信号と比較される学習リップルパルスを記憶するデータ格納手段とを備え、状態判定閾値は、モータから出力されるリップル信号の特徴とデータ格納手段に記憶された学習リップルパルスの特徴との許容誤差に関する第1閾値と、リップル信号の特徴と学習リップルパルスの特徴とを比較する回数に関する第2閾値とを含み、状態判定手段は、第1閾値と第2閾値とを用いて、モータから出力されるリップル信号の特徴とデータ格納手段に記憶された学習リップルパルスの特徴とを比較することにより、モータの動作状態が起動状態であるか定常状態であるかを判定することを特徴とするものである。
モータから出力されるリップル信号を検出する場合、モータにかかる負荷レベルは、モータにより駆動させる箇所及びモータの回転方向によって異なる。そこで、本発明のモータリップル検出装置では、モータにより駆動させる箇所及びモータの回転方向に基づいて、モータにかかる負荷レベルを推定し、その負荷レベルに基づいて状態判定閾値を設定する。そして、その状態判定閾値を用いて、例えばモータから出力されるリップル信号と比較用のリップルパルスとを比較することで、モータの動作状態が起動状態であるか定常状態であるかを推定する。このようにモータにかかる負荷レベルを考慮した状態判定閾値を用いることにより、モータの動作状態を精度良く判定することができる。これにより、モータから出力されるリップルパルスの検出精度を向上させることができる。
また、モータから出力されるリップル信号の特徴とデータ格納手段に記憶された学習リップルパルスの特徴とを比較する際には、両者の特徴の許容誤差及び比較回数が重要であることから、これらに係わる第1閾値及び第2閾値を状態判定閾値として使用することで、モータの動作状態をより精度良く判定することができる。
状態判定手段は、リップル信号の特徴と学習リップルパルスの特徴との誤差が第1閾値範囲内である状態が第2閾値以上連続したときに、モータの動作状態が定常状態であると判定することが好ましい。
モータの動作状態が定常状態になると、歪みの少ない安定したリップルパルスがモータから連続して出力されるようになる。従って、リップル信号の特徴と学習リップルパルスの特徴との誤差が第1閾値範囲内である状態が第2閾値以上連続するかどうかを判断することで、モータの動作状態が定常状態であることを更に精度良く判定することができる。
状態判定手段は、リップル信号の特徴と学習リップルパルスの特徴との誤差が第1閾値範囲内であるときに、当該リップル信号を学習リップルパルスとして更新しデータ格納手段に記憶させる手段を有することが好ましい。
このように学習リップルパルスとの誤差が少ないリップル信号を学習リップルパルスとして更新することにより、経年変化等によりモータから出力されるリップルパルスの特徴が変動しても、最新のリップルパルスがリップル信号との比較データとなり得る。これにより、モータの動作状態が定常状態であることを更に精度良く判定することができる。
また、本発明は、モータから出力されるリップル信号を検出するモータリップル検出装置であって、モータにより駆動させる箇所及びモータの回転方向に基づいて、モータにかかる負荷レベルを推定する負荷推定手段と、負荷推定手段で推定された負荷レベルに基づいて、モータの動作状態を判定するための状態判定閾値を設定する閾値設定手段と、閾値設定手段で設定された状態判定閾値を用いて、モータの動作状態が起動状態であるか定常状態であるかを判定する状態判定手段とを備え、モータにより駆動させる箇所は、使用する人が載っかる移動式器具の駆動部分であり、負荷推定手段は、モータにより駆動させる箇所及びモータの回転方向と移動式器具を使用する人の特徴とに基づいて、モータにかかる負荷レベルを推定することを特徴とするものである。
モータから出力されるリップル信号を検出する場合、モータにかかる負荷レベルは、モータにより駆動させる箇所及びモータの回転方向によって異なる。そこで、本発明のモータリップル検出装置では、モータにより駆動させる箇所及びモータの回転方向に基づいて、モータにかかる負荷レベルを推定し、その負荷レベルに基づいて状態判定閾値を設定する。そして、その状態判定閾値を用いて、例えばモータから出力されるリップル信号と比較用のリップルパルスとを比較することで、モータの動作状態が起動状態であるか定常状態であるかを推定する。このようにモータにかかる負荷レベルを考慮した状態判定閾値を用いることにより、モータの動作状態を精度良く判定することができる。これにより、モータから出力されるリップルパルスの検出精度を向上させることができる。
人が載っかる移動式器具の駆動部分をモータで駆動する場合、モータにかかる負荷レベルは、移動式器具を使用する人の特徴(体重や姿勢等)によっても異なる。従って、移動式器具を使用する人の特徴も考慮してモータにかかる負荷レベルを推定することで、当該負荷レベルの推定を精度良く行うことができる。
さらに、本発明は、モータから出力されるリップル信号を検出するモータリップル検出装置であって、モータにより駆動させる箇所及びモータの回転方向に基づいて、モータにかかる負荷レベルを推定する負荷推定手段と、負荷推定手段で推定された負荷レベルに基づいて、モータの動作状態を判定するための状態判定閾値を設定する閾値設定手段と、閾値設定手段で設定された状態判定閾値を用いて、モータの動作状態が起動状態であるか定常状態であるかを判定する状態判定手段と、モータの周囲温度を検出する手段とを備え、負荷推定手段は、モータにより駆動させる箇所及びモータの回転方向とモータの周囲温度とに基づいて、モータにかかる負荷レベルを推定することを特徴とするものである。
モータから出力されるリップル信号を検出する場合、モータにかかる負荷レベルは、モータにより駆動させる箇所及びモータの回転方向によって異なる。そこで、本発明のモータリップル検出装置では、モータにより駆動させる箇所及びモータの回転方向に基づいて、モータにかかる負荷レベルを推定し、その負荷レベルに基づいて状態判定閾値を設定する。そして、その状態判定閾値を用いて、例えばモータから出力されるリップル信号と比較用のリップルパルスとを比較することで、モータの動作状態が起動状態であるか定常状態であるかを推定する。このようにモータにかかる負荷レベルを考慮した状態判定閾値を用いることにより、モータの動作状態を精度良く判定することができる。これにより、モータから出力されるリップルパルスの検出精度を向上させることができる。
モータの周囲が低温時と常温時では、モータの起動特性が大きく異なることがある。例えば低温時には、モータの動作を滑らかにするためのグリスが硬くなり、モータが回転しにくくなるため、モータには大きな負荷がかかるようになる。従って、モータの周囲温度を考慮してモータにかかる負荷レベルを推定することで、当該負荷レベルの推定を精度良く行うことができる。
また、モータの駆動時間間隔を検出する手段を更に備え、負荷推定手段は、更にモータの駆動時間間隔に基づいて、モータにかかる負荷レベルを推定することが好ましい。
モータが直前まで回転していた場合には、モータの周囲温度が低い場合であっても、モータ自体の温度は殆ど下がっておらず、モータの起動特性としては常温時に近い状態となっていることがある。従って、更にモータの駆動時間間隔を考慮してモータにかかる負荷レベルを推定することで、当該負荷レベルの推定を更に精度良く行うことができる。
負荷推定手段は、モータの駆動時間間隔が所定時間よりも長く且つモータの周囲温度が所定温度よりも低いかどうかを判断し、モータの駆動時間間隔が所定時間よりも長く且つモータの周囲温度が所定温度よりも低いときには、そうでないときに比べてモータにかかる負荷レベルを高く推定することが好ましい。
モータの駆動時間間隔が所定時間よりも長く且つモータの周囲温度が所定温度よりも低い状態では、モータが回転しにくくなるため、モータに大きな負荷がかかる。従って、この場合には、常温時よりも負荷レベルを高く推定することにより、モータの動作状態をより精度良く判定することができる。
本発明によれば、モータの動作状態を精度良く判定し、モータから出力されるリップルパルスの検出精度を向上させることができる。これにより、モータの回転数を正確に検出することが可能となる。
以下、本発明に係わるモータリップル検出装置の好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明に係わるモータリップル検出装置の第1実施形態を備えたメモリシートシステムを示す概略構成図である。同図において、メモリシートシステム1は、スライド用モータ2と、フロントバーチカル用モータ3と、リフタ用モータ4と、リクライニング用モータ5と、モータ駆動スイッチ6と、モータ2〜5及びモータ駆動スイッチ6と接続されたメモリシートECU(Electronic Control Unit)7とを備えている。
モータ2〜5及びメモリシートECU7は、図2に示すように、車両の運転席(ドライバーシート)8の内部に配置されている。モータ駆動スイッチ6は、図3に示すように、ドライバーシート8のシートクッション9の一側部に設けられている。
スライド用モータ2は、ドライバーシート8全体を車両の前後方向(図3の矢印A方向)に移動させるモータである。フロントバーチカル用モータ3は、シートクッション9の前端部を上下方向(図3の矢印B方向)に移動させるモータである。リフタ用モータ4は、ドライバーシート8全体を上下方向(図3の矢印C方向)に移動させるモータである。リクライニング用モータ5は、シートクッション9に対するシートバック10の傾斜角度を変更するモータである。
モータ駆動スイッチ6は、図4に示すように、スライド用モータ2を手動操作で駆動するためのスライド用スイッチ部11と、フロントバーチカル用モータ3を手動操作で駆動するためのフロントバーチカル用スイッチ部12と、リフタ用モータ4を手動操作で駆動するためのリフタ用スイッチ部13と、リクライニング用モータ5を手動操作で駆動するためのリクライニング用スイッチ部14と、スイッチ部11〜14の操作によって調節されたドライバーシート8の位置及び姿勢をシート移動位置データとしてメモリシートECU7のシート移動位置メモリ部17(後述)に記憶させるための登録ボタン15と、ドライバーシート8のポジションを自動的にシート移動位置メモリ部17に記憶されたシート移動位置にするためのスタートボタン16とを有している。
図1に戻り、メモリシートECU7は、本実施形態のモータリップル検出装置の要部をなしている。メモリシートECU7は、上記のシート移動位置メモリ部17と、負荷レベル用データベース18と、駆動制御部19と、負荷推定部20と、リップル検出部21と、モータ状態判定部22とを有している。メモリシートECU7の各部は、CPU上にソフトウェアとして組み込まれていても良いし、ASIC化してハードウェアとして構成されていても良い。
負荷レベル用データベース18には、モータ2〜5にかかる負荷レベルのデータが記憶されている。モータ2〜5にかかる負荷レベルは、ドライバーシート8におけるモータ2〜5による駆動箇所及びモータ2〜5の回転方向によって異なる。このため、負荷レベル用データベース18には、モータ2〜5の両回転方向に応じた負荷レベルのデータが記憶されている。
負荷レベル用データベース18に格納されている負荷レベルデータの一例を図5に示す。図5において、レベル番号が大きくなるほど、モータ2〜5にかかる負荷レベルが高くなる。なお、これらの負荷レベルは、ドライバーシート8に例えば70kg程度の重りを載せた状態でモータ2〜5を駆動させるという実験によって得られたものである。
駆動制御部19は、モータ駆動スイッチ6のスイッチ部11〜14の操作に応じてモータ2〜5を駆動制御すると共に、スタートボタン16が操作されたときに、ドライバーシート8のポジションがシート移動位置メモリ部17に登録されたシート移動位置になるようにモータ2〜5を駆動制御する。
負荷推定部20は、モータ駆動スイッチ6の操作信号に基づいてモータ負荷の大きさを推定する。具体的には、負荷推定部20は、負荷レベル用データベース18に格納された負荷レベルデータを用いて、駆動するモータ及びそのモータの回転方向からモータ負荷の大きさを推定する。
例えば図5に示すような負荷レベルデータを用いる場合、リクライニング用モータ5を時計回りの方向に回転駆動させるときは、負荷レベルはレベル1であることから、当該モータ5にかかる負荷レベルは低いと推定される。リクライニング用モータ5を反時計回りの方向に回転駆動させるときは、負荷レベルはレベル3であることから、当該モータ5にかかる負荷レベルは高いと推定される。
リップル検出部21は、モータ2〜5から出力されるリップル信号を入力し、フィルタ処理等を施し、リップルパルスの推定・検出を行う。
モータ状態判定部22は、負荷推定部20により推定された負荷レベルとリップル検出部21により推定されたリップルパルスとに基づいて、モータ2〜5の動作状態が起動状態(回転が安定しない状態)であるか定常状態(回転が安定した状態)であるかを判定する。
モータ2〜5の動作状態が起動状態にあるときは、図6(a)に示すように、モータ出力に大きなノイズが多く発生するので、モータ2〜5から出力されるリップルに歪みが生じるようになる。モータ2〜5の動作状態が定常状態にあるときは、図6(b)に示すように、モータ2〜5から出力されるリップルに生じる歪みが少なくなり、安定したリップルパルスが得られるようになる。
図7は、メモリシートECU7によって実行されるモータリップル検出処理の手順を示すフローチャートである。
同図において、まずスタートボタン16の操作信号(スタート信号)が入力されたかどうかを判断する(手順S101)。スタートボタン16の操作信号が入力されると、シート移動位置メモリ部17に記憶されたシート移動位置データから、駆動させるモータ及びそのモータの駆動方向を特定し、負荷レベル用データベース18に格納されている負荷レベルデータを用いて、駆動させるモータにかかる負荷レベルを推定する(手順S102)。
続いて、手順S102で推定された負荷レベルに基づいて、モータ2〜5の動作状態の判定に用いるパラメータの状態判定閾値を設定する(手順S103)。モータ2〜5の動作状態の判定に用いるパラメータとしては、例えばモータ2〜5から出力されるリップルパルスの周期が挙げられる。そして、この時の状態判定閾値は、モータ2〜5から出力されるリップル信号と比較の基準となるリップルパルス(基準リップルパルス)との許容誤差範囲の閾値である。手順S102で推定された負荷レベルが高い場合には、負荷レベルが低い場合よりも許容誤差範囲の閾値を厳しく設定する。
また、上記の手順S102,S103と並行して、ドライバーシート8の位置及び姿勢がシート移動位置メモリ部17に記憶されたシート移動位置データと合致するようにモータ2〜5の駆動を開始する(手順S104)。そして、モータ起動時に適したパラメータを用いて、モータ2〜5から出力されるリップル信号がリップルパルスであるかノイズであるかを推定する(手順S105)。
続いて、モータ2〜5から出力されるリップル信号と予め設定された基準リップルパルスとを比較し、モータ2〜5の動作状態が起動状態であるか定常状態であるかを判断する(手順S106)。このとき、手順S103で設定されたパラメータの状態判定閾値を使用して、モータ2〜5の動作状態の判定を行う。具体的には、モータ2〜5から出力されるリップル信号の周期と基準リップルパルスの周期との誤差が許容誤差範囲内であれば、モータ2〜5の動作状態が定常状態であると判定する。
モータ2〜5の動作状態が定常状態ではなく起動状態であると判定されたときは、再び手順S105の処理を実行する。このとき、例えばフィルタ処理の通過帯域を徐々に狭くして、リップル信号の推定を行う。
一方、モータ2〜5の動作状態が定常状態であると判定されたときは、モータ2〜5から出力されるリップルパルスを検出する(手順S107)。このとき、モータ2〜5の出力波形は安定しているため、手順S105のリップル推定処理に比べ、リップルパルスの検出が高精度に行える。そして、モータ2〜5から出力されるリップルパルスの数から、モータ2〜5の回転数を検出する。
続いて、モータ2〜5の回転数がシート移動位置メモリ部17に記憶されたシート移動位置に対応した値に達したかどうかを判断し(手順S108)、モータ2〜5の回転数がシート移動位置に対応した値に達していないときは、再び手順S107の処理を実行する。一方、モータ2〜5の回転数がシート移動位置に対応した値に達したときは、モータ2〜5を停止させる(手順S109)。
ここで、モータ2〜5は同時に駆動することは無いので、上記の手順S104〜S109の処理は、モータ2〜5毎に実行される。また、手順S104,S108,S109の処理は駆動制御部19により実行され、手順S102,S103の処理は負荷推定部20により実行され、手順S105,S107の処理はリップル検出部21により実行され、手順S106の処理はモータ状態判定部22により実行される。
以上において、負荷レベル用データベース18及び負荷推定部20の手順S102は、モータ2〜5により駆動させる箇所及びモータ2〜5の回転方向に基づいて、モータ2〜5にかかる負荷レベルを推定する負荷推定手段を構成する。負荷推定部20の手順S103は、負荷推定手段で推定された負荷レベルに基づいて、モータ2〜5の動作状態を判定するための状態判定閾値を設定する閾値設定手段を構成する。リップル検出部21及びモータ状態判定部22は、閾値設定手段で設定された状態判定閾値を用いて、モータ2〜5の動作状態が起動状態であるか定常状態であるかを判定する状態判定手段を構成する。
ところで、モータから出力されるリップルパルスの検出においては、モータの動作状態を推定する際に、モータの実動作が起動状態であるにも関わらず、定常状態と判定されることが、最も検出誤差の要因となる。このため、モータの動作状態の判定に用いるパラメータの状態判定閾値としては、モータ起動時のノイズが大きい(SN比が小さい)ために起動状態から定常状態に移行するまでに最も時間がかかるような駆動箇所のモータ及びその回転方向に合わせた閾値に設定されることが従来多かった。
しかし、この場合には、モータ起動時のノイズが少ない(SN比の大きい)つまり負荷が小さい駆動箇所のモータ及びその回転方向に対してモータの状態推定を行うと、モータの実動作としては既に定常状態にあるが、起動状態と推定されている期間が長くなる。このようなモータの動作状態が起動状態と推定されると、種々の方法でリップルパルスの数を推定することになるが、いずれの推定方法でも、定常状態における歪みの無いリップルパルスから検出する場合に比べて検出精度が落ちる。その結果、リップルパルスの検出精度が低下してしまう。また、起動状態から定常状態に移行するまでの時間が長くなるので、リップルパルスの検出に長い時間がかかってしまう。
これに対し本実施形態では、モータ2〜5の動作状態が起動状態から定常状態に移行するまでの時間がモータ2〜5に加わる負荷によって異なることに着目し、モータ駆動スイッチ6の操作信号に基づいて、負荷レベル用データベース18に登録された負荷レベルデータを用いて負荷レベルを推定し、この負荷レベルに応じた状態判定閾値を決定し、その状態判定閾値を用いてモータ2〜5が起動状態であるか定常状態であるかを判定するので、モータ2〜5の動作状態を精度良く判定することができる。このため、モータ2〜5から出力されるリップル信号に生じるノイズが少ないときは、正常なリップルパルスを早期に検出し、モータ2〜5から出力されるリップル信号に生じるノイズが多いときは、それに対応したリップル推定法によりリップル検出を行うことができる。
これにより、モータ2〜5の実動作が起動状態から定常状態に遷移したにも関わらず起動状態と判定されている期間を十分短くすることができる。従って、モータ2〜5から出力されるリップルパルスの検出精度を向上させ、ひいてはモータ2〜5の回転数の検出精度を向上させることができる。
なお、実際にドライバーシートを作動させる実験を行ったところ、負荷レベルに応じて異なる状態判定閾値を用いてモータの動作状態を判定した場合には、全て同じ状態判定閾値を用いてモータの動作状態を判定する従来の方法と比較して、1回動作当たり最大20%程度のリップルパルス検出精度の向上が見られた。
図8は、本発明に係わるモータリップル検出装置の第2実施形態を備えたメモリシートシステムを示す概略構成図である。図中、第1実施形態と同一または同等の要素には同じ符号を付し、その説明を省略する。
図8において、メモリシートシステム30は、本実施形態のモータリップル検出装置の要部をなすメモリシートECU31を備えている。メモリシートECU31は、上記のシート移動位置メモリ部17、負荷レベル用データベース18、駆動制御部19、負荷推定部20、リップル検出部21及びモータ状態判定部22に加え、学習用データベース23を有している。学習用データベース23には、モータ2〜5から出力される最新のリップルパルス(図11(a)参照)のデータが学習データとして登録される。
メモリシートECU31によって実行されるモータリップル検出処理の手順の概略については、基本的には図7を示すフローチャートと同様である。
図9は、本実施形態において図7に示す手順S103の状態判定閾値設定処理を実行する負荷推定部20の詳細を示す機能ブロックである。同図において、負荷推定部20は、特徴許容誤差計算部32と、特徴比較回数計算部33とを有している。
特徴許容誤差計算部32は、負荷レベル用データベース18に登録されている負荷レベルデータを用いて、学習用データベース23に登録されたリップルパルス(以下、学習リップルパルス)の特徴とモータ2〜5から出力されるリップル信号(以下、リップルパルス候補)の特徴とを比較する際に使用される許容誤差閾値(第1閾値)を計算する。この許容誤差閾値は、負荷レベルによって異なっている。ここでは、学習リップルパルス及びリップルパルス候補の特徴として、パルスの周期を用いる。従って、許容誤差閾値は、学習リップルパルスの周期とリップルパルス候補の周期との許容誤差範囲の閾値となる。
特徴比較回数計算部33は、負荷レベル用データベース18に登録されている負荷レベルデータを用いて、学習リップルパルスの周期とリップルパルス候補の周期とを比較する際に使用される比較回数閾値(第2閾値)を計算する。この比較回数閾値も、負荷レベルによって異なっている。
例えば、図7を示す手順S102で推定された負荷レベルが低い(レベル1)場合には、許容誤差閾値を30%、比較回数閾値を2回とするのに対し、負荷レベルが高い(レベル3)場合には、許容誤差閾値を10%、比較回数閾値を4回とする。このように負荷レベルが高くなるほど厳しい閾値を用いることで、その後のモータ状態判定が終了したときに、モータ2〜5の動作状態が確実に定常状態にあることが保証可能となる。
図10は、本実施形態において図7に示す手順S106のモータ状態判定処理の詳細を示すフローチャートである。本処理は、モータ状態判定部22において実行される。
同図において、まず学習リップルパルスとリップルパルス候補との比較回数を記憶するための比較回数カウンタを0に設定する(手順S111)。続いて、特徴許容誤差計算部32により得られた許容誤差閾値と特徴比較回数計算部33により得られた比較回数閾値とを読み込む(手順S112)。
続いて、モータ2〜5から出力されるリップルパルス候補を入力する(手順S113)。そして、学習用データベース23に登録された学習リップルパルスの周期とリップルパルス候補の周期と誤差を求め、その誤差が手順S112で読み込んだ許容誤差閾値の範囲内であるかどうかを判断する(手順S114)。
学習リップルパルスの周期とリップルパルス候補の周期との誤差が許容誤差閾値の範囲内であるときは、比較回数カウンタの値をインクリメントつまり1加算する(手順S115)。一方、学習リップルパルスの周期とリップルパルス候補の周期との誤差が許容誤差閾値の範囲内でないときは、比較回数カウンタの値を0にリセットし(手順S116)、手順S113に戻る。
手順S115の処理が実行された後、比較回数カウンタの値が手順S112で読み込んだ比較回数閾値以上であるかどうかどうかを判断する(手順S117)。比較回数カウンタの値が比較回数閾値以上であるときは、モータ2〜5の動作状態が定常状態であると判定する(手順S118)。
一方、比較回数カウンタの値が比較回数閾値以上でないときは、その時のリップルパルス候補を正式にリップルパルスと認識し、このリップルパルスを新たな学習リップルパルスのデータ(学習データ)として学習用データベース23に更新登録し(手順S119)、手順S113に戻る。
モータ2〜5の動作状態を判定する一例を図11に示す。この図11に示す例では、ある負荷レベルにおいて、学習リップルパルスとリップルパルス候補とを比較する際の許容誤差閾値を20%とし、比較回数閾値を4回としている。
図11(a)に示すようなパターンの場合には、モータから出力されたリップルパルス候補の周期が学習リップルパルスの周期に対して4回連続して誤差20%以内であるため、モータの動作状態が定常状態であると判定される。一方、図11(b)に示すようなパターンの場合には、モータから出力されたリップルパルス候補の周期が学習リップルパルスの周期に対して誤差20%を越えた状態が存在しており、両者の周期が4回連続して誤差20%以内である状態でないため、モータの動作状態がまだ起動状態であると判定される。
以上のように本実施形態においては、モータ2〜5にかかる負荷レベルに応じて許容誤差閾値及び比較回数閾値を変更し、これらの閾値を用いて学習リップルパルスとリップルパルス候補とを比較して、モータ2〜5の動作状態を判定するようにしたので、モータ2〜5の動作状態の判定を早期に正しく行うことができる。
また、学習リップルパルスとリップルパルス候補との誤差が許容誤差閾値の範囲内であるときは、そのリップルパルス候補を新たな学習データとして学習用データベース23に更新登録するので、例えば経年変化等によりモータ自体の特性が変動し、モータ2〜5から出力されるリップルパルスの特徴やノイズの出方が変わった場合でも、モータ2〜5の動作状態を精度良く判定し、モータ2〜5から出力されるリップルパルスの検出精度を向上させることができる。
図12は、本発明に係わるモータリップル検出装置の第3実施形態を備えたメモリシートシステムを示す概略構成図である。図中、第1実施形態と同一または同等の要素には同じ符号を付し、その説明を省略する。
図12において、メモリシートシステム40は、本実施形態のモータリップル検出装置の要部をなすメモリシートECU41と、ドライバーシート8に着座するユーザを特定するためのユーザ番号スイッチ42とを備えている。ユーザ番号スイッチ42は、例えばモータ駆動スイッチに隣接した位置に設けられている。
メモリシートECU41のシート移動位置メモリ部17には、ユーザ毎のシート移動位置データが記憶されている。なお、シート移動位置メモリ部17にシート移動位置データを記憶させるときは、ユーザ番号スイッチ42によりユーザ番号を指定した状態で、モータ駆動スイッチ6の登録ボタン15(図4参照)によりシート移動位置データを登録する。また、メモリシートECU41の負荷レベル用データベース18には、ユーザ毎の負荷レベルデータが記憶される。
ところで、モータ2〜5にかかる負荷は、ドライバーシート8の重さに加え、ドライバーシート8を使用する人の特徴(体重や姿勢等)によっても変化することがある。そこで本実施形態では、複数の人がドライバーシート8を使用する場合を考慮して、モータ2〜5の動作状態の判定を行う。
図13は、メモリシートECU41によって実行されるモータリップル検出処理の手順を示すフローチャートである。
同図において、手順S101〜S109については、図7に示すフローチャートとほぼ同様である。また、負荷レベル用データベース18の初期状態では、全てのユーザについて同じ負荷レベルデータが登録されている。
手順S101でモータ駆動スイッチ6のスタートボタン16の操作信号が入力されると、負荷レベル用データベース18に格納されている負荷レベルデータを用いて、駆動させるモータにかかる負荷レベルを推定する(手順S102)。このとき、ユーザ番号スイッチ42で指定されたユーザ番号に対応するシート移動位置データ及び負荷レベルデータを用いて、負荷レベルの推定処理を実行する。そして、手順S103を実行する。
また、手順S102〜S105と並行して、モータ2〜5の起動時からの時間(起動時間)のカウントを開始する(手順S121)。その後、手順S106でモータ2〜5の動作状態が起動状態から定常状態に移行したと判断されると、モータ2〜5の起動時間のカウントを終了する(手順S122)。
続いて、モータ2〜5の起動時からモータ2〜5が定常状態に移行するまでの時間から、現在使用している人に対応する負荷レベルを求め、その負荷レベルが負荷レベル用データベース18に登録されているかどうかを判断する(手順S123)。負荷レベルが登録されていないときは、当該負荷レベルを負荷レベル用データベース18に更新登録する(手順S124)。
上記の手順S121〜S124の処理についても、モータ2〜5毎に実行される。なお、手順S121〜S124の処理は、負荷推定部20により実行される。
ここで、図14(a)に示すようにユーザA(ユーザ番号1)に対応する負荷レベルデータのみが負荷レベル用データベース18に登録されている状態で、例えばユーザAよりも体重の重いユーザBが使用する場合の動作について説明する。
ユーザBは、まずモータ駆動スイッチ6のスイッチ部11〜14を操作して、ドライバーシート8の適切な位置及び姿勢を決定した後、ユーザ番号スイッチ42によりユーザ番号2を指定して登録ボタン15を押すことにより、そのシートポジションがシート移動位置データとしてシート移動位置メモリ部17に記憶される。
その後、ユーザ番号スイッチ42によりユーザ番号2を指定してスタートボタン16を押すと、ドライバーシート8の位置及び姿勢がユーザBに対応するシート移動位置データとなるようにモータ2〜5が駆動される。そして、モータ2〜5の動作状態が起動状態から定常状態に移行すると、モータ2〜5の起動時間からユーザBに対応する負荷レベルが求められる。
このとき、例えばフロントバーチカル用モータ3を駆動させたときに、そのモータ3が定常状態と判定されるまでの時間が必要以上に長くかかった場合には、当該モータ3にかかる負荷レベルがユーザA用の負荷レベルよりも高いと判定される。この場合には、図14(b)に示すように、フロントバーチカル用モータ3にかかる負荷レベル(レベル2、レベル4)がユーザB用の負荷レベルデータとして負荷レベル用データベース18に更新登録される。
従って、次回ユーザBがドライバーシート8を使用する際には、ユーザB用の負荷レベルデータが負荷レベル用データベース18に記憶されていることになる。従って、そのユーザB用の負荷レベルデータを用いて、モータ2〜5にかかる負荷レベルが推定され、その後の処理が実施されることとなる。
このように本実施形態においては、ユーザ毎にモータ2〜5にかかる負荷レベルを設定し、各ユーザに合った負荷レベルデータを用いて、モータ2〜5の動作状態が起動状態であるか定常状態であるかを判定するので、モータ2〜5の動作状態の判定をより精度良く行うことができる。従って、モータ2〜5から出力されるリップルパルスの検出精度を一層向上させることができる。
なお、実際にドライバーシートを作動させる実験を行ったところ、各ユーザの特徴を考慮した状態判定閾値を用いてモータの動作状態を判定した場合には、従来の方法と比較して、1回動作当たり更に最大10%程度のリップルパルス検出精度の向上が見られた。
図15は、本発明に係わるモータリップル検出装置の第3実施形態の変形例を備えたメモリシートシステムを示す概略構成図である。
同図において、本メモリシートシステム40は、上述したユーザ番号スイッチ42に代えて、体重センサや指紋センサ等といったユーザ(もしくは加わる負荷)を特定するためのユーザ特定センサ43を備えている。この場合でも、上記第3実施形態と同様の効果を得ることができる。
図16は、本発明に係わるモータリップル検出装置の第4実施形態を備えたメモリシートシステムを示す概略構成図である。図中、第1実施形態と同一または同等の要素には同じ符号を付し、その説明を省略する。
図16において、メモリシートシステム50は、本実施形態のモータリップル検出装置の要部をなすメモリシートECU51と、モータ2〜5の周囲の温度を計測する温度センサ52と、モータ2〜5の起動時及び停止時の時刻をモニタするタイマ53とを備えている。
メモリシートECU51の負荷推定部20は、モータ駆動スイッチ6の操作信号と温度センサ53で計測された周囲温度とタイマ53で測定した時刻に基づいて、モータ2〜5にかかる負荷の大きさを推定する。負荷推定部20によって実行される負荷推定処理の手順の詳細を示すフローチャートを図17に示す。
同図において、まずモータ2〜5から出力されるリップル信号やモータ2〜5に設けられた回転センサ等の検出値に基づいて、モータ2〜5が起動されたかどうかを判断する(手順S131)。モータ2〜5が起動されたときは、その起動時の時刻をタイマ53より読み込むと共に、起動時の周囲温度を温度センサ52より読み込む。また、負荷レベル用データベース18に登録されている負荷レベルデータを読み込む(手順S132)。
ここで、モータ2〜5の起動前には、負荷推定部20は、図18(a)に示すように、前回モータ2〜5を駆動させた際におけるモータ2〜5の停止時の時刻をタイマ53により読み込んで記憶している。従って、モータ2〜5の起動直後には、負荷推定部20は、図18(b)に示すように、前回駆動時におけるモータ2〜5の停止時刻、今回のモータ2〜5の起動時刻、モータ2〜5の起動時の周囲温度及び負荷レベルといったデータを有することとなる。
続いて、前回駆動時におけるモータ2〜5の停止時刻から今回のモータ2〜5の起動時刻までのモータ駆動時間間隔を計算する(手順S133)。続いて、そのモータ駆動時間間隔が所定時間よりも短いかどうかを判断する(手順S134)。モータ駆動時間間隔が所定時間よりも短いときは、手順S132で読み込んだ負荷レベルデータをモータ状態判定部22に送出する(手順S135)。
一方、モータ駆動時間間隔が所定時間よりも短くないときは、更に温度センサ52で計測した周囲温度が所定温度よりも低いかどうかを判断する(手順S136)。周囲温度が所定温度よりも低くないときは、手順S132で読み込んだ負荷レベルデータをそのままモータ状態判定部22に送出する(手順S135)。
周囲温度が所定温度よりも低いときは、手順S132で読み込んだ負荷レベルに温度係数を掛けて、負荷レベルを補正する(手順S137)。そして、その補正した負荷レベルデータをモータ状態判定部22に送出する(手順S135)。
ところで、例えば氷点下温度といった低温時には、モータの動作を滑らかにするためのグリスが硬くなるため、モータが回転しにくくなる。このため、低温時と常温時(例えば25℃)とでは、モータの起動特性(回転特性)が大きく異なる。具体的には、低温時には、常温時に比べてモータに大きな負荷がかかるようになる。
また、モータの駆動時間間隔が短い場合には、直前までモータが回転していたことになるため、周囲の温度が低温であっても、モータ自体の温度は高いままの状態に維持されている。そのため、この場合のモータは、ほぼ常温時の特性を有することとなる。しかし、モータの駆動時間間隔が長い場合には、モータ自体の温度は周囲温度とほぼ同じになっている。
これに対し本実施形態では、モータ駆動時間間隔及び周囲温度を検出し、モータ2〜5の駆動時間間隔が所定時間よりも短いとき、またモータ2〜5の駆動時間間隔が所定時間よりも長くても、周囲温度が所定温度よりも高いときには、負荷レベル用データベース18に登録された負荷レベルをそのまま使用する。一方、モータ2〜5の駆動時間間隔が所定時間よりも長く且つ周囲温度が所定温度よりも低いときには、負荷レベル用データベース18に登録された負荷レベルを周囲温度に応じて補正し、その補正した負荷レベルに応じてモータの動作状態を判定する。これにより、例えば寒冷地においてもモータ2〜5の動作状態の判定を精度良く行い、モータ2〜5から出力されるリップルパルスの検出精度を向上させることができる。
なお、実際にドライバーシートを作動させる実験を行ったところ、モータ駆動時間間隔及び周囲温度を考慮した状態判定閾値を用いてモータの動作状態を判定した場合には、従来の方法と比較して、1回動作当たり更に最大12%程度のリップルパルス検出精度の向上が見られた。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば上記実施形態は、モータ2〜5から出力されるリップル信号(リップルパルス候補)と基準リップルパルス(学習リップルパルス等)とを比較する際、リップル信号の周期と基準リップルパルスの周期との誤差を判定するものとしたが、判定するリップルパルスの特徴としては、特に周期に限られず、リップルパルスの振幅、立ち上がり時間、立ち下がり時間、波形形状等といったパルスの属性を用いても良く、この場合でも同様の効果が得られる。
また、本実施形態のモータリップル検出装置はメモリシートシステムに適用されたものであるが、本発明は、メモリシート以外でも、例えば電動移動式ベッド等といった使用する人が載っかる移動式器具や、車両のパワーウィンド等にも適用可能である。
本発明に係わるモータリップル検出装置の第1実施形態を備えたメモリシートシステムを示す概略構成図である。 図1に示した各モータ及びメモリシートECUを含むドライバーシートの駆動機構を示す斜視図である。 図2に示したドライバーシートの駆動機構の駆動方向を示す側面図である。 図1に示したモータ駆動スイッチの概略構成図である。 図1に示した負荷レベル用データベースに登録された負荷レベルデータの一例を示す表である。 モータの起動状態及び定常状態においてモータから出力されるリップルパルスの一例を示す波形図である。 図1に示したメモリシートECUによって実行されるモータリップル検出処理の手順を示すフローチャートである。 本発明に係わるモータリップル検出装置の第2実施形態を備えたメモリシートシステムを示す概略構成図である。 図8に示した負荷推定部の詳細を示す機能ブロック図である。 図8に示したモータ状態判定部によって実行されるモータ状態判定処理の手順の詳細を示すフローチャートである。 図10に示したモータ状態判定処理によりモータの動作状態を判定する一例を示す波形図である。 本発明に係わるモータリップル検出装置の第3実施形態を備えたメモリシートシステムを示す概略構成図である。 図12に示したメモリシートECUによって実行されるモータリップル検出処理の手順を示すフローチャートである。 図12に示した負荷レベル用データベースに登録された負荷レベルデータの一例を示す表である。 本発明に係わるモータリップル検出装置の第3実施形態の変形例を備えたメモリシートシステムを示す概略構成図である。 本発明に係わるモータリップル検出装置の第4実施形態を備えたメモリシートシステムを示す概略構成図である。 図16に示した負荷推定部によって実行される負荷推定処理の手順の詳細を示すフローチャートである。 図16に示したモータの起動前後において負荷推定部が取得するデータを示す概略構成図である。
符号の説明
2…スライド用モータ、3…フロントバーチカル用モータ、4…リフタ用モータ、5…リクライニング用モータ、7…メモリシートECU(モータリップル検出装置)、8…ドライバーシート(移動式器具)、18…負荷レベル用データベース(負荷推定手段)、20…負荷推定部(負荷推定手段、閾値設定手段)、21…リップル検出部(状態判定手段)、22…モータ状態判定部(状態判定手段)、23…学習用データベース(データ格納手段)、31…メモリシートECU(モータリップル検出装置)、32…特徴許容誤差計算部、33…特徴比較回数計算部、41…メモリシートECU(モータリップル検出装置)、42…ユーザ番号スイッチ(モータリップル検出装置)、43…ユーザ特定センサ(モータリップル検出装置)、51…メモリシートECU(モータリップル検出装置)、52…温度センサ(モータリップル検出装置)、53…タイマ(モータリップル検出装置)。

Claims (7)

  1. モータから出力されるリップル信号を検出するモータリップル検出装置であって、
    前記モータにより駆動させる箇所及び前記モータの回転方向に基づいて、前記モータにかかる負荷レベルを推定する負荷推定手段と、
    前記負荷推定手段で推定された負荷レベルに基づいて、前記モータの動作状態を判定するための状態判定閾値を設定する閾値設定手段と、
    前記閾値設定手段で設定された状態判定閾値を用いて、前記モータの動作状態が起動状態であるか定常状態であるかを判定する状態判定手段と
    前記モータから出力されるリップル信号と比較される学習リップルパルスを記憶するデータ格納手段とを備え、
    前記状態判定閾値は、前記モータから出力されるリップル信号の特徴と前記データ格納手段に記憶された学習リップルパルスの特徴との許容誤差に関する第1閾値と、前記リップル信号の特徴と前記学習リップルパルスの特徴とを比較する回数に関する第2閾値とを含み、
    前記状態判定手段は、前記第1閾値と前記第2閾値とを用いて、前記モータから出力されるリップル信号の特徴と前記データ格納手段に記憶された学習リップルパルスの特徴とを比較することにより、前記モータの動作状態が起動状態であるか定常状態であるかを判定することを特徴とするモータリップル検出装置。
  2. 前記状態判定手段は、前記リップル信号の特徴と前記学習リップルパルスの特徴との誤差が前記第1閾値範囲内である状態が前記第2閾値以上連続したときに、前記モータの動作状態が前記定常状態であると判定することを特徴とする請求項記載のモータリップル検出装置。
  3. 前記状態判定手段は、前記リップル信号の特徴と前記学習リップルパルスの特徴との誤差が前記第1閾値範囲内であるときに、当該リップル信号を前記学習リップルパルスとして更新し前記データ格納手段に記憶させる手段を有することを特徴とする請求項記載のモータリップル検出装置。
  4. モータから出力されるリップル信号を検出するモータリップル検出装置であって、
    前記モータにより駆動させる箇所及び前記モータの回転方向に基づいて、前記モータにかかる負荷レベルを推定する負荷推定手段と、
    前記負荷推定手段で推定された負荷レベルに基づいて、前記モータの動作状態を判定するための状態判定閾値を設定する閾値設定手段と、
    前記閾値設定手段で設定された状態判定閾値を用いて、前記モータの動作状態が起動状態であるか定常状態であるかを判定する状態判定手段とを備え、
    前記モータにより駆動させる箇所は、使用する人が載っかる移動式器具の駆動部分であり、
    前記負荷推定手段は、前記モータにより駆動させる箇所及び前記モータの回転方向と前記移動式器具を使用する人の特徴とに基づいて、前記モータにかかる負荷レベルを推定することを特徴とするモータリップル検出装置。
  5. モータから出力されるリップル信号を検出するモータリップル検出装置であって、
    前記モータにより駆動させる箇所及び前記モータの回転方向に基づいて、前記モータにかかる負荷レベルを推定する負荷推定手段と、
    前記負荷推定手段で推定された負荷レベルに基づいて、前記モータの動作状態を判定するための状態判定閾値を設定する閾値設定手段と、
    前記閾値設定手段で設定された状態判定閾値を用いて、前記モータの動作状態が起動状態であるか定常状態であるかを判定する状態判定手段と、
    前記モータの周囲温度を検出する手段とを備え、
    前記負荷推定手段は、前記モータにより駆動させる箇所及び前記モータの回転方向と前記モータの周囲温度とに基づいて、前記モータにかかる負荷レベルを推定することを特徴とするモータリップル検出装置。
  6. 前記モータの駆動時間間隔を検出する手段を更に備え、
    前記負荷推定手段は、更に前記モータの駆動時間間隔に基づいて、前記モータにかかる負荷レベルを推定することを特徴とする請求項記載のモータリップル検出装置。
  7. 前記負荷推定手段は、前記モータの駆動時間間隔が所定時間よりも長く且つ前記モータの周囲温度が所定温度よりも低いかどうかを判断し、前記モータの駆動時間間隔が所定時間よりも長く且つ前記モータの周囲温度が所定温度よりも低いときには、そうでないときに比べて前記モータにかかる負荷レベルを高く推定することを特徴とする請求項記載のモータリップル検出装置。
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