JP5269396B2 - 眼底撮影装置 - Google Patents

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Description

本発明は、被検眼の眼底を撮影して眼底観察を行うための眼底撮影装置に関する。
従来、眼底に対して2次元的にレーザ光を走査し、その反射光を受光することにより眼底像を得る眼底撮影装置が知られている。このような眼底撮影装置において、リング状開口と黒点板からなるリングアパーチャーが被検眼眼底と共役な位置に配置されることにより、観察部位における集光位置(焦点位置)からの反射光を制限し、その前後からくる散乱光を受光して画像化する手法(散乱光撮影)が知られている(特許文献1参照)。
特開2007−89828号公報
ところで、従来の散乱光撮影の場合、集光位置の前後からくる散乱光がリング状の開口によって取り出され、全方位に向けて略円錐状に散乱された散乱光(黒点板で遮光される光は除く)が受光素子によって受光されていた。このため、散乱状態が強く、眼底上に存在する微小な生体物質(例えば、眼底細胞間の繊維層)が散乱光によって覆い隠されてしまうため、微小な生体物質を観察可能な状態で画像化させるのは困難であった。
本発明は、上記問題点を鑑み、被検眼眼底の診断において有用な眼底画像を得ることができる眼底撮影装置を提供することを技術課題とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下のような構成を備えることを特徴とする。
(1) レーザ光を眼底の観察面に集光させるための光学部材と前記眼底に対して前記レーザ光を2次元的に走査する走査手段とを有する照射光学系と、前記照射光学系の少なくとも一部を共用し眼底にて反射した前記レーザ光の反射光を集光させて受光素子にて受光することにより撮影画像を得る撮影光学系と、
該撮影光学系の光路における前記眼底の観察面の集光点と共役な位置に配置され、前記眼底の観察面の集光点からの反射光を制限する第1光束制限手段と、
該撮影光学系の光路における被検眼眼底と共役な位置もしくはその前後に配置され、前記集光点の前後にて散乱された散乱光のうち、光軸から離れた領域におけるある方向からの光を前記受光素子に向けて通過させ、前記受光素子に向かう他の方向からの光を遮光するように前記散乱光の通過領域を制限する第2光束制限手段と、
を備えることを特徴とする。
(2) (1)の眼底撮影装置において、前記第2光束制限手段は、前記散乱光の通過領域を変更する通過領域変更手段を備えることを特徴とする。
(3) (2)の眼底撮影装置において、
さらに、前記観察面の集光点と共役な位置に開口を持つ共焦点絞りと、前記観察面の集光点と共役な位置に遮光部を持つリングアパーチャーと、を持ち、前記第2光束制限手段、前記共焦点絞り、前記リングアパーチャー、のいずれかを、前記撮影光学系における眼底と共役位置にて切換配置する切換手段を備えることを特徴とする。
(4) (2)の眼底撮影装置は、
前記通過領域変更手段によって形成される第1の通過領域と,撮影光軸に対して前記第1通過領域と対称となるように前記通過領域変更手段によって形成される第2の通過領域とを切り換えるための切換手段と、
前記第1通過領域を介して前記受光素子に受光されることによって得られる第1の散乱光撮影画像と,前記第2通過領域を介して前記受光素子に受光されることによって得られる第2の散乱光撮影画像とを一対の立体観察用画像として取得する立体観察用画像取得手段と、
を備えることを特徴とする。
(5) レーザ光を出射する光源と、被検眼眼底上で前記レーザ光を二次元的に走査する走査手段と、を有し、前記光源から出射された前記レーザ光を被検眼眼底に照射するための照射光学系と、
撮影光学系であって、
被検眼眼底からの前記レーザ光の反射光を受光する受光素子と、
被検眼眼底との略共役面に配置された第1絞りであって、前記略共役面から前記受光 素子に向かう反射光のうち,光軸近傍の光を通過させる第1開口が前記光軸上に配置さ れ、前記略共役面から前記受光素子に向かう他の光を遮光する第1絞りと、
前記略共役面に配置される第2絞りであって、前記略共役面から受光素子に向かう反 射光のうち,前記光軸から離れた領域におけるある方向からの光を通過させる第2開口 が前記光軸から外れた位置に配置され、前記略共役面から前記受光素子に向かう他の光 を遮光する第2絞りと、
撮影光路中に配置する絞りを前記第1絞りと前記第2絞りで切換える切換ユニットと
を有し、前記第1絞り又は前記第2絞りを通過した前記反射光を前記受光素子によっ て受光する撮影光学系と、
を備えることを特徴とする眼底撮影装置。
本発明によれば、被検眼眼底の診断において有用な眼底画像を得ることができる。
本発明の実施形態について図面を用いて説明する。図1は本実施形態に係る眼底撮影装置の光学系を示した図である。なお、以下の説明においては、X方向は左右方向、Y方向は上下方向を表す。また、右(R)方向とは、被検者に対向する装置から被検者を見たときの右側方向を右方向、左(L)方向とは、被検者に対向する装置から被検者を見たときの左側方向を左方向とする。
1は、第1の波長のレーザ光と第2の波長のレーザ光を出射可能なレーザ光出射部であり、赤外域の波長のレーザ光を発する第1レーザ光源1aと可視域の波長のレーザ光を発する第2レーザ光源1b、ミラー100、ダイクロイックミラー101とを有する。なお、本実施形態では、第1レーザ光源1aは、波長790nm付近のレーザ光を発し、第2レーザ光源1bは、波長490nm付近のレーザ光を発するものとしている。第1レーザ光源1aを出射した赤外域のレーザ光は、ダイクロイックミラー101を透過し、レーザ光出射部1を出て光軸L1上を進む。第2レーザ光源1bを出射した可視域のレーザ光は、ミラー100にて折り曲げられた後、ダイクロイックミラー101にて反射して第1レーザ光源から出射したレーザ光と同軸とされ、光軸L1上を進む。
2は中央に開口部を有する穴開きミラー、3はレンズである。4及び5はミラーであり、図1に示す矢印方向に移動可能とされ、光路長を変化させることによりフォーカス合せ(視度補正)を行うことができる。6、8及び10は凹面ミラーである。7はレーザ光を被検眼眼底にて水平方向に偏向させ走査するための偏向手段となるポリゴンミラー、9はポリゴンミラー7による走査方向に対して直角方向にレーザ光を偏向させ走査するための偏向手段となるガルバノミラーである。
レーザ光出射部1を出射したレーザ光は、穴開きミラー2の開口部を通り、レンズ3介した後、ミラー4、ミラー5、凹面ミラー6にて反射し、ポリゴンミラー7に向かう。ポリゴンミラー7にて反射された光束は、凹面ミラー8、ガルバノミラー9、凹面ミラー10にて反射した後、被検眼眼底の観察面にて集光し、眼底を2次元的に(図示するXY軸方向に)走査する。これらの光学部材によってレーザ光を眼底の観察面に集光させるための光学部材と被検眼眼底に対してレーザ光を2次元的に走査する走査手段とを有する照射光学系が形成される。
12はレンズであり、13は開口径の大きさを変化させることが可能な可変絞り、14は黒点板14aとリング開口14bを持つリングアパーチャである。可変絞り13及びリングアパーチャ14は、移動機構200によって光軸L上に切り換え配置される。レンズ12は被検眼眼底の観察点と光軸L上に置かれた可変絞り13(リングアパーチャ14)とを共役な位置に置く。15は集光レンズ、16は受光部である。なお、本実施形態の受光素子16には、APD(アバランシェフォトダイオード)を用いている。
被検眼眼底に走査されたレーザ光の反射光は、前述した照射光学系を逆に辿り、穴開きミラー2にて反射し、下方に折り曲げられる。なお、被検眼の瞳位置と穴開きミラー2の開口部とは、レンズ3により共役となっている。穴開きミラー2にて反射した反射光は、レンズ12を介して可変絞り13の開口部に焦点を結ぶ(一旦集光する)。開口部にて焦点を結んだ反射光は、レンズ15を経て受光素子16に受光される。これらの光学部材によって、照射光学系の少なくとも一部を共用し眼底にて反射したレーザ光の反射光を一旦集光させた後に受光素子にて受光することにより撮影画像を得る撮影光学系が形成される。そして、上記照射光学系及び撮影光学系が備える光学部材によって共焦点光学系が形成されている。
また、撮影光学系の光路には、撮影光学系の光路における眼底の観察面の集光点と共役な位置に配置され、眼底の観察面の集光点からの反射光を制限する第1光束制限手段と、撮影光学系の光路における被検眼眼底と共役な位置もしくはその前後に配置され、眼底の観察面の集光点の前後にて散乱された散乱光の一部を受光素子に向けて通過させるように散乱光の通過領域を制限する第2光束制限手段と、が設けられている。また、本実施形態では、第1光束制限手段及び第2光束制限手段は、撮影光学系の光路における被検眼眼底と共役な位置に配置され、第1光束制限手段及び第2光束制限手段に共用される遮光部材を備える。また、第2光束制限手段は、散乱光の通過領域を変更する通過領域変更手段を備える。第1光束制限手段及び第2光束制限手段及び通過領域変更手段について、詳しくは後述する。
移動機構200は、撮影光学系の光路における眼底と共役な位置に配置される光束制限部材(移動部材201)を移動させるための移動機構である。なお、撮影光学系の光路中に配置される光束制限部材は、撮影光学系と照明光学系との共通光路から外れた位置に置かれる。なお、図1においては、便宜上、移動部材201が前後方向に移動されるものとしているが、実際には、X方向(左右方向)に移動される。
図2は、移動機構200の具体的構成について説明する図であり、移動機構200をレンズ12側から見たときの図である。図2において、撮影光学系の撮影光軸L2に直交する平面上(左右方向)に移動部材201を移動させる移動機構200は、移動部材201を移動させる駆動源としての駆動部210(例えば、パルスモータ)と、駆動部210の回転軸に連結されるネジ軸211と、ネジ軸211の雄ねじ部と螺合される雌ねじ部が形成され移動部材201に連結される連結部材205と、を有する。
なお、移動部材201上には、可変絞り13及びリングアパーチャ14が撮影光軸L2との直交する方向に並列して配置されている。また、リングアパーチャ14の外縁部から移動部材201の外縁部にかけては、遮光部材250a及び250bとして用いられる。この場合、遮光部材250aはリングアパーチャー14の紙面側、遮光部材250bはリングアパーチャ14の紙面側に位置されている。
ここで、駆動部210が駆動されると、ネジ軸211が回転され、連結部材205を介して移動部材201が左右方向に移動され、可変絞り13及びリングアパーチャ14が撮影光学系の光路中に切換配置可能となる。なお、移動機構200には、移動部材201を移動させるための基準となる基準位置検知部212(例えば、フォトセンサ)が設けられている。したがって、移動部材201が所定位置に位置されるようにするには、検知部212による検知位置を基準位置として、予め記憶部25(図3参照)に記憶された所定の移動位置に対応する駆動信号が駆動部210に供給されるようにすればよい(駆動部210がパルスモータであれば、所定パルス数を供給する)。
本実施形態における移動部材201の移動位置としては、可変絞り13の開口中心が光軸L2上に位置される第1の位置(共焦点撮影用)、リングアパーチャー14のリング中心(黒点板14a)が光軸L2上に位置される第2の位置(全方位散乱光撮影用)、リングアパーチャー14の紙面左側に位置される遮光部材250aが光軸L2上に位置される第3の位置(右領域散乱光撮影)、リングアパーチャー14の紙面右側に位置される遮光部材250bが光軸L2上に位置される第4の位置(左領域散乱光撮影)、の4パターンが設定され記憶部25に記憶されている。なお、第3の位置と第4の位置は、眼底共役面Kにおいて、レーザ光の反射光が遮光される遮光領域及び通過(透光)される通過領域(透光領域)が光軸L2に対して対称となるように設定されている。
図3は本実施形態における眼底撮影装置の制御系を示したブロック図である。20は装置全体の制御を行う制御部である。制御部20には、半導体レーザ光源1a〜1b、ポリゴンミラー7、ガルバノミラー9、受光素子16、ミラー4,5を駆動させるための駆動手段21、眼科撮影装置の種々の条件を設定するためのコントロール部22、受光素子16にて受光した信号を基に被検眼眼底の画像を形成するための画像処理部23、駆動部210、基準位置検知部212、等が接続される。24はモニタであり、画像処理部23にて形成した眼底画像が表示される。25は種々の情報を記憶しておくための記憶部である。
コントロール部22は、可変絞り13の開口径の調整、移動部材201の移動による通過領域の調整、を行うためのダイヤル22aや、レーザ光の選択を行うための選択スイッチ22b、被検眼の屈折力値を入力するスイッチ22c等を備える。このダイヤル22aを回すことにより、可変絞り13の開口径を小<大へ段階的に切り換える。また、可変絞り13の開口径が最大となるダイヤル22aの回転位置から、さらにダイヤル22aを回すことにより、図1に示す光軸L2上に位置する光束制限部材を可変絞り13からリングアパーチャ14に切り換わる(第1から第2の位置への移動)。そして、さらにダイヤル22aを回すことにより、移動部材201が第3の位置に移動され、さらにダイヤル22aを回ることにより、移動部材201が第4の位置に移動される。
上記のような構成を備える眼底撮影装置について、その動作について説明する。検者は、予め被検眼の屈折力を眼屈折力測定装置等にて測定しておき、得られた被検眼の屈折力値をコントロール部22のスイッチ22cを用いて入力する。また、コントロール部22のダイヤル22a及び選択スイッチ22bを用いて、移動部材201の移動位置又は照明光として使用するレーザ光を選択しておく。この場合、ダイヤル22aが検者によって操作されると、制御部20は、ダイヤル22aにて設定された条件に合うように、駆動部210を駆動制御すると共に、眼底反射光(散乱光)の通過領域及び遮光領域を表すグラフィックをモニタ24に表示する。
また、制御部20は、入力された屈折力データに基づいて駆動手段21を駆動させることによりミラー4,5を駆動させて視度補正を行う。視度補正が行われた状態にて、検者は、図示なきジョイスティック等を用いて装置を駆動させて、被検眼の眼底にレーザ光が照射され、所望する画像がモニタ24に表示されるように、アライメントを行う。この場合、画像処理部23は、受光素子16にて得られた受光信号と、ポリゴンミラー7及びガルバノミラー9の駆動位置とに基づいて撮影画像を得て、モニタ24に被検眼の眼底像を表示する。
図4は眼底共役面Kを通過する光の光路について説明する図であり、図5は、予め設定された第1〜第4の移動位置に移動部材201が移動されたときの眼底共役面Kを通過する光の通過領域と遮光領域を示す図である。なお、図4及び図5は、撮影光学系に形成された眼底共役面をレンズ12側から見た場合の図である。図4において、眼底共役面Kを通過する光の光路は、撮影光学系の光軸L2近傍に円状に形成され観察面の集光点(集光位置)からの反射光が主に通過する共焦点光路K1と、撮影光学系の光軸L2を中心にリング状に形成され集光点の前後から散乱された散乱光が主に通過する散乱光光路K2とに分けられる。
第1の位置に移動部材201が配置された場合、図5(a)に示すように、可変絞り13によって、共焦点光路K1に通過領域(図中の白抜き部分)、散乱光光路K2に遮光領域(図中のハッチング部分)、が形成された状態となる。これにより、レーザ光の集光点から反射された光が可変絞り13の開口部を通過して受光素子16に受光され、レーザ光の集光点の前後にて散乱された散乱光が可変絞り13の開口部の周辺に形成された遮光部によって遮光され、受光素子16へ向かう散乱光の通過が制限される。すなわち、可変絞り13は、眼底の観察面の集光点と共役な位置に開口を持つ共焦点絞りとして用いられる。
また、第2の位置に移動部材201が配置された場合、図5(b)に示すように、リングアパーチャ14によって、散乱光光路K2に通過領域、共焦点光路K1に遮光領域、が形成された状態となる。これにより、図6(a)に示すように、レーザ光の集光点の前後から全方位に散乱された光(ただし、正面方向に散乱される光を除く)がリングアパーチャー14のリング開口14bを通過して受光素子16に受光され、レーザ光の集光点から反射された反射光がリングアパーチャ14の黒点板14aによって遮光され、集光点から反射された反射光の通過が制限される。すなわち、リングアパーチャ14は眼底の観察面と共役な位置に遮光部を持つリングアパーチャとして用いられる。なお、図6において、実線の矢印は、光束制限部材(移動部材201)を通過して受光素子16に受光される光の進行方向を模式的に示したものである。
さらに、第3の位置に移動部材201が配置された場合、図5(c)に示すように、リングアパーチャー14が持つリング開口14bと遮光部材250aによって、散乱光光路K2の右側に通過領域、共焦点光路K1と散乱光光路K2の左側に遮光領域、が形成された状態となる。すなわち、遮光部材250aとリング開口14bによって、散乱光光路K2の一部が遮光され遮光領域と通過領域に分割された状態となる。
この場合、図6(b)に示すように、集光点からの反射光及び集光点前後にて散乱された散乱光の一部が遮光部材250aによって遮光され、集光点の前後にて散乱された散乱光の一部が散乱光光路K2の右側に形成された通過領域を通過し、受光素子16に向かう。すなわち、遮光部材250aにおける光軸L2との交点近傍は、眼底の観察面の集光点と共役な位置に配置される第1光束制限手段として機能する。また、遮光部材250aにおける光軸L2との交点から離れた周辺部及びリング開口14bは、被検眼眼底と共役な位置に配置される第2光束制限手段として機能する。すなわち、遮光部材250aは、第1光束制限手段及び第2光束制限手段に共用される。なお、遮光部材250aの眼底共役位置での配置について、略眼底共役位置での配置を含む。この場合、散乱光の一部を受光素子16にて精度よく受光できる範囲で、観察面の集光点からの反射光を制限できるような位置であればよい。
ここで、レーザ光の集光点の前後から散乱された光(眼底から各方向に散乱される散乱光)のうち、被検眼眼底から右側領域に向かって進行する光が受光素子16に検出される。また、レーザ光の集光点から反射される光及び被検眼眼底から左側領域に向かって進行する光が遮光部材250aによって遮光される。この場合の作用について、図7(a)の模式図を用いて説明する。ここで、被検眼の脈絡膜下において、サイズの大きい物質Aと、サイズの小さい物質Bがあり、物質Aと物質Bの位置関係は、物質Aに対して物質Bが深い方向にあって、かつ、物質Aに対して物質Bが右側にあるものとする。
ここで、移動部材201を第2の位置に移動させた状態で散乱光撮影を行う場合、物質A及び物質Bから装置側へ向けて正面方向に散乱される光は、黒点板14aによって遮光されるが、物質A及び物質Bから略円錐状に散乱される光(正面方向に散乱される光は除く)は、黒点板14aを迂回して受光素子16に達する。この場合、物質Bから斜め左側に散乱される光(実線)は物質Aによって遮られるが、物質Aから斜め左に散乱される光(実線)は受光素子16に受光される。したがって、物質Aから散乱され受光素子16によって検出されるレーザ光の光量と、物質Bから散乱され受光素子16によって検出されるレーザ光の光量を比較した場合、その光量差は相対的に大きくなる。したがって、受光素子16によって検出された受光信号を画像化した場合、物質Bは埋没してしまい、取得された画像には、物質Aのみが現われる。
一方、移動部材201を第3の位置に設定した場合、物質A及び物質Bから装置側へ向けて正面方向に散乱される光は遮光部材250aによって遮光される。また、物質A及び物質Bから略円錐状に散乱される光のうち、物質A及び物質Bから斜め左方向に散乱される光(実線)は、遮光部材250aによって遮光される。そして、物質A及び物質Bから斜め右方向に散乱される光(点線)が、遮光部材250aが無い開口部(リング開口14b)を通過して受光素子16に達する。したがって、物質Aから散乱され受光素子16によって検出されるレーザ光の光量と、物質Bから散乱され受光素子16によって検出されるレーザ光の光量を比較した場合、その光量差は小さくなる。したがって、受光素子16によって検出された受光信号を画像化した場合、取得された画像から物質Aと物質Bを捉えることができる。
また、第4の位置に移動部材201が配置された場合、図5(d)に示すように、リングアパーチャー14が持つリング開口14bと遮光部材250bによって、散乱光光路K2の左側に通過領域、共焦点光路K1と散乱光光路K2の右側に遮光領域、が形成された状態となる。すなわち、遮光部材250bとリング開口14bによって、散乱光光路K2の一部が遮光され遮光領域と通過領域に分割された状態となる。
この場合、図6(c)に示すように、集光点からの反射光及び集光点前後にて散乱された散乱光の一部が遮光部材250bによって遮光され、集光点の前後にて散乱された散乱光の一部が散乱光光路K2の左側に形成された通過領域を通過し、受光素子16に向かう。すなわち、遮光部材250bにおける光軸L2との交点近傍は、眼底の観察面の集光点と共役な位置に配置される第1光束制限手段として機能する。また、遮光部材250bにおける光軸L2との交点から離れた周辺部及びリング開口14bは、被検眼眼底と共役な位置に配置される第2光束制限手段として機能する。すなわち、遮光部材250bは、第1光束制限手段及び第2光束制限手段に共用される。また、移動機構200は、散乱光の通過領域を変更する通過領域変更手段、又は散乱光の通過領域の位置を切り換える切換手段として機能する。
ここで、レーザ光の集光点の前後から散乱された光(眼底から各方向に散乱される散乱光)のうち、被検眼眼底から左側領域に向かって進行する光が受光素子16に検出される。
また、レーザ光の集光点から反射される光及び被検眼眼底から右側領域に向かって進行する光が遮光部材250bによって遮光される。
以下に、移動部材201を第4の位置に配置した場合の作用について図の模式図を用いて説明する。ここで、被検眼の脈絡膜下において、サイズの大きい物質Aと、サイズの小さい物質Bがあって、物質Aと物質Bの位置関係は、物質Aに対して物質Bが深い方向にあって、かつ、物質Aに対して物質Bが左方向にあるものとする。
移動部材201を第4の位置に設定した場合、物質A及び物質Bから装置側へ向けて正面方向に散乱される光は遮光部材250bによって遮光される。また、物質A及び物質Bから略円錐状に散乱される光のうち、物質A及び物質Bから斜め右方向に散乱される光(実線)は、遮光部材250bによって遮光される。そして、物質A及び物質Bから斜め左方向に散乱される光(点線)が、遮光部材250bが無い開口部(リング開口14b)を通過して受光素子16に達する。したがって、物質Aから散乱され受光素子16によって検出されるレーザ光の光量と、物質Bから散乱され受光素子16によって検出されるレーザ光の光量を比較した場合、その光量差は小さくなる。したがって、受光素子16によって検出された受光信号を画像化した場合、取得された画像から物質Aと物質Bを捉えることができる。
以上のような構成とすれば、被検眼眼底に照射されたレーザ光の集光点前後から散乱される光を受光素子16により検出して画像化する散乱光撮影が行われる場合において、受光素子16によって受光される散乱光の散乱方向(散乱角度)を制御することができる。
したがって、従来のリングアパーチャー14による散乱光撮影では画像化させるのが困難であった微小な生体物質を画像化させることができるため、眼底疾患に対する診断において有用な画像を取得できる。
なお、受光素子16によって受光される散乱光の方向を効率よく制御するには、以上の説明のように、リング状の散乱光光路の半分以上の領域が遮光されるようにすることが好ましい。より好ましくは、眼底観察面の集光点からの反射光を制限しつつ、所定方向のみの散乱光成分が受光素子16に受光されるように、図5(c)及び図5(d)のように、共焦点光路に遮光領域を形成させつつ、散乱光光路において、撮影光軸L2を中心とする中心角が120度以下で規定される通過領域を形成させると共に、他の領域に遮光領域を形成させることが好ましい。さらに好ましくは、共焦点光路に遮光領域を形成させつつ、散乱光光路において、撮影光軸L2を中心とする中心角が90度以下で規定される通過領域を形成させると共に、他の領域に遮光領域を形成させることが好ましい。
なお、以上の説明においては、可変絞り13とリングアパーチャ14が配置された移動部材201の一部を遮光部材250a又は遮光部材250bとして用い、移動機構200によって移動部材201を移動させることにより散乱光の通過領域を変更する構成としたが、これに限るものではない。すなわち、眼底と共役な位置に配置され、第1光束制限手段及び第2光束制限手段に共用される遮光部材は、集光点からの反射光を制限すると共に散乱光の通過領域を制限する遮光部と,集光点の前後にて散乱された散乱光の一部を受光素子16に向けて通過させるために所定の大きさを有する開口部とを有する遮光部材であればよく、開口部を通過する散乱光の通過領域を変更するために遮光部材を撮影光軸L2に対して直角に交わる平面上を移動させる移動機構を有する構成であればよい。また、開口部を通過する反射光の通過領域を変更するために開口部を複数位置に移動可能な移動機構としておき、開口部の位置を切り換えるように移動機構を制御部20によって制御すればよい。例えば、眼底と共役な位置に配置され所定の直径(例えば、リング開口14bの外周と同じ大きさ)を持つ円形開口を持つ遮光部材を設け、集光点からの反射光が制限されると共に散乱光の通過領域が制限される位置に遮光部材が配置されるように移動機構が制御部20によって制御されるようなことが考えられる。この場合、円形開口を持つ遮光部材を複数の位置で移動させることにより散乱光の通過領域を変更すればよい。なお、遮光部材を移動させる場合、1次元方向への移動に限らず、二次元的に移動されるようにしてもよい。
また、所定の大きさを有する開口部とを有する遮光部材と、遮光部材を撮影光軸L2に対して直角に交わる平面上を移動させる移動機構としては、図8に示すような構成であってもよい。
図8に示された移動部材201は、移動部材201上に配置される光束制限部材として、可変絞り13及びリングアパーチャ14に加えて、散乱光の一部を受光素子16に向けて通過させるための開口部を持つ複数の遮光部材300〜303を配置させたものである。この場合、光束制限部材300〜303は、それぞれ開口部の位置が異なっており、集光点前後からの散乱光の一部を制限するための通過領域と遮光領域が異なるような構成となっている。より具体的には、開口部Aの位置が異なるように形成されている。ここで、遮光部材300〜303の中心部300c〜303cのいずれかが光軸L2上に位置されるように、駆動部210の駆動によって移動部材201が移動されることにより、複数の遮光部材300〜303のいずれかが選択的に撮影光学系の光路中に切換配置される。
ここで、遮光部材部材300の中心部300cが光軸L2上に位置された場合、図4、図5にて示した散乱光光路K2の紙面上側に通過領域、共焦点光路K1と散乱光光路K2の紙面下側に遮光領域が形成される。遮光部材301の中心部301cが光軸L2上に位置された場合、散乱光光路K2の紙面下側に通過領域、共焦点光路K1と散乱光光路K2の紙面上側に遮光領域が形成される。また、遮光部材302の中心部302cが光軸L2上に位置された場合、散乱光光路K2の紙面右側に通過領域、共焦点光路K1と散乱光光路K2の紙面左側に遮光領域が形成される。遮光部材303の中心部303cに光軸L2上に位置されたときに、散乱光光路K2の紙面左側に通過領域、共焦点光路K1と散乱光光路K2の紙面左側に遮光領域が形成される。
このように、散乱光光路における遮光領域が異なる種々の遮光部材を用いることにより、散乱光の制限方向をより多く選択できるため、微小な生体物質を発見できる可能性が高めることができる。なお、上記遮光部材300〜303においては、散乱光光路K2における通過領域及び遮光領域を約1/2に半割させるような構成としたが、これに限るものではなく、散乱光光路K2における遮光領域が約3/4、透光領域が約1/4になるように分割された構成であってもよい。
また、開口位置が異なる複数の遮光部材300〜303を切換配置する構成の場合、撮影光軸L2と平行な回転軸を中心に回転可能な回転板の上に種々の遮光部材が設けられ、回転板が回転されることにより撮影光学系の光路中に遮光部材のいずれかが切換配置される構成であってもよい。また、光の透過と遮光を電気的に制御可能な液晶シャッタを被検眼眼底と共役な位置に設け、通過領域と遮光領域を変更するようにしてもよい。
なお、以上の説明においては、所定の遮光部材を第1光束制限手段と第2光束制限手段に共用するような構成としたが、眼底の観察面の集光点と共役な位置に遮光部を持ち遮光部の周辺に開口部を持つ第1遮光部材と、第1遮光部材の開口部を通過する散乱光の一部を制限するために第1遮光部材の前後に配置される第2遮光部材を備えるような構成であってもよい。
より具体的には、図9に示すように、第1遮光部材として、眼底上の観察面の集光点と共役な位置に黒点14a(遮光部)が位置されるようにリングアパーチャ14を撮影光学系の光路中の眼底と共役な位置に配置すると共に、第2遮光部材として、リングアパーチャ14のリング開口14bを通過して受光素子16に向かう散乱光の一部を制限するためにリングアパーチャ14の前方(レンズ12側)に遮光部材400を近接して配置するような構成が考えられる。なお、図9において、図2にて付した番号と同様の番号が付されたものについては、同様の構成を備えるものとする。なお、移動機構401は、リングアパーチャ14のリング開口14aを通過する散乱光の通過領域を変更するために遮光部材400を移動させる。また、移動機構401は、遮光部材400を複数の位置に移動可能であり、制御部20は、遮光部材400の位置を切り換えるように移動機構401を制御する。
より具体的には、撮影光学系の撮影光軸L2に直交する平面上(左右方向)に遮光部材400を移動させる移動機構401は、遮光部材400を移動させる駆動源としての駆動部410(例えば、パルスモータ)と、駆動部410の回転軸に連結されるネジ軸411と、ネジ軸411の雄ねじ部と螺合される雌ねじ部が形成され遮光部材401に連結される連結部材405と、を有する。この場合、駆動部410の駆動により遮光部材400の位置が左右に切り換えられる。
なお、リングアパーチャ14の眼底共役位置での配置及び黒点14aの眼底上の観察面の集光点と共役な位置での配置は、略共役な位置での配置を含む。この場合、散乱光の一部を受光素子16にて精度よく受光できる範囲で、観察面の集光点からの反射光を制限できるような位置であればよい。なお、共役な位置から遠ざかるほど、眼底の観察面の集光点からの反射光の光束径が大きくなってしまうため、これに対応する大きいサイズの黒点14aが必要となる。さらに、その黒点14aによる散乱光の遮光によって、受光素子14に受光させるべき散乱光の光量低下を招くので、許容できる範囲で光学配置を設計する必要がある。
なお、図9において、リングアパーチャ14の後方に遮光部材400が近接して配置されるような構成であってもよい。また、図9においては、遮光部材400が光軸L2に対して直角に交わる平面上を移動されるような構成としたが、リングアパーチャ14のリング開口14bにおける散乱光の通過領域を制限可能な位置に遮光部材400が配置されればよい。例えば、遮光部材400が光軸L2に対して交わる平面上を直線移動されるような移動以降を設けるようにしてもよい。
また、以上の説明においては、光を吸収する特性を持つ遮光部材を用いて眼底上の集光点からの反射光及び集光点前後からの散乱光の通過と遮光を制御する構成としたが、これに限るものではなく、撮影光学系の光路を介して受光素子14に向かう光を制限できるものであればよい。例えば、微小なミラーが二次元的に配置されたマイクロミラーデバイスを眼底と共役な位置に設け、各ミラーによって変更される反射光の進行方向を制御することにより受光素子14に向かうレーザ光の反射光を制限(遮光)するようにしてもよい。これにより、マイクロミラーデバイスを通過した散乱光の一部が受光素子14に受光される。なお、上記構成の場合、マイクロミラーデバイスによって反射された反射光が受光素子16に受光されるように、その反射方向にレンズ15及び受光素子16を設けておく。
なお、上記構成において、散乱光の通過領域を切り換えることで散乱光の通過領域が撮影光軸L2に対して対称である2枚の散乱光撮影画像を撮影し、撮影された2枚の撮影画像を一対の立体観察用画像として用いるようにしてもよい。すなわち、通過領域を変更することによって形成される第1の通過領域と、撮影光軸L2に対して第1通過領域と対称となるように通過領域を変更することによって形成される第2の通過領域とを切り換える。そして、第1の通過領域に設定した際に得られる第1の散乱光撮影画像と、第2の通過領域に設定した際に得られる第2の散乱光撮影画像とを一対の立体観察用画像として得る。
より具体的には、上述した第3の移動位置及び第4の移動位置に移動部材201(図2参照)が移動されると、散乱光の通過領域が光軸L2に対して左右対称(図5(c)及び図5(d)参照)に切り換えられる。この場合、第1通過領域(例えば、図5(c)に示す通過領域)を形成するために設定された移動部材201の第3の移動位置(第1形成情報)と、第2通過領域(例えば、図5(d)に示す通過領域)を形成するために設定された移動部材201の第4の移動位置(第2形成情報)が予め記憶部25に記憶されているため、制御部20は、記憶部25に記憶された第3の移動位置及び第4の移動位置に基づいて駆動部210を駆動制御する。
そして、第3及び第4の各移動位置にてそれぞれ散乱光撮影が行われると、散乱光の通過領域が光軸L2に対して左右対称な関係となる2枚(一対)の散乱光撮影画像が撮影される。このとき、制御部20は、撮影された一対の散乱光撮影画像を立体観察用画像として記憶部25に記憶させる。この場合、制御部20は、受光素子16に受光された散乱光の眼底上での散乱方向(例えば、右方向、左方向)と各散乱光撮影画像を対応付けて記憶部25に記憶させておく。なお、左右対称な通過領域の切り換えは図示なき所定の切り換えスイッチによって電気的な制御により切り換えても良いし、手動によって切り換えることもできる。
記憶部25に記憶された一対の散乱光撮影画像は同じ撮影部位でありながら、受光素子16に受光される眼底からの散乱光の方向が異なるものとなっている。通常、眼底カメラを用いた立体撮影においては視差の異なる2枚の眼底画像を用いるものであるが、本実施形態では散乱光の方向が異なる2枚の眼底画像(散乱光撮影画像)を用いることにより、視差があたかも生じているように見せることができる。
そして、上記のように取得された一対の撮影画像は、種々の手法によって立体観察に用いられる。例えば、撮影された一対の撮影画像を所定の画像表示部(例えばモニタ24)に立体視可能な状態で表示させ、画像表示部を見る観察者(検者)の両眼視差を利用して散乱光画像を立体視させる。より具体的には、画像表示部に一対の撮影画像を左右に並べて表示させ、専用のステレオビュアーを観察者が覗くことで立体観察する(専用のステレオビュアーを用いずに立体表示可能なディスプレイを利用してもよい)。左右一対の撮影画像を左右に並べて表示する場合、記憶部25に記憶された散乱方向情報と各撮影画像に基づいて、被検眼眼底から右方向に向けて進行された光が受光素子16に受光されることによって得られる第1散乱光画像(散乱方向:右)を画像表示部の画面右側に、被検眼眼底から左方向に向けて進行された光が受光素子16に受光されることによって得られる第2散乱光画像(散乱方向:左)を画像表示部の画面左側に表示すればよい。なお、一対の撮影画像を印刷し、印刷した撮影画像を専用のステレオビュアーに左右に並べて配置させて立体観察するようにしてもよい。
以上示したように、上記のようにして取得される一対の散乱光画像を用いて立体観察すれば、被検眼の脈絡膜、疾患部位、網膜血管等の位置関係が立体的に観察できるようになり奥行き情報が加えられるため、眼底疾患に対する診断においてより有用な画像を取得できる。
なお、上記説明においては、散乱光の通過領域が左右対称な2枚の散乱光撮影画像を撮影するものとしたが、散乱光の通過領域が撮影光軸L2に対して対称な関係であればよく、例えば、散乱光の通過領域が撮影光軸L2に対して上下対称な2枚の散乱光撮影画像を一対の立体観察用画像として取得するようにしてもよい。なお、上下一対の撮影画像を左右に並べて立体視を行う場合、被検眼眼底から上方向に向けて進行された光によって得られる散乱光画像と、被検眼眼底から下方向に向けて進行された光によって得られる散乱光画像からなる2枚の散乱光撮影画像をそれぞれ同じ方向に90°回転させたのち、左右に並べて立体視を行う。
また、上記説明においては、観察者(検者)の両眼視差を利用して散乱光画像を立体視させる手法を示したが、上記のように取得された一対の散乱光画像データにステレオ・マッチングの処理を施して被検眼の眼底の3次元データを取得するようにしてもよい。なお、取得された3次元データに基づいて画像処理により3次元的な立体画像を表示することも可能である。なお、ステレオ・マッチング処理については、例えば、特開2000−126134号公報を参考にされたい。なお、眼底からの散乱方向が異なる3枚以上の散乱光画像を基づいて3次元的な立体画像を構築するようにしてもよい。
なお、以上の説明においては、撮影光学系の所定位置に配置された遮光部材を移動させることにより散乱光の通過領域を変更するものとしたが、撮影光学系に形成された眼底共役面を通過するときの眼底からの反射光及び散乱光が遮光部材に対して相対的に移動されるものであればよく、例えば、撮影光学系に設けられた遮光部材が固定された状態で、遮光部材に対して撮影光学系に設けられた他の光学部材のいずれかが移動される構成であってもよい。例えば、図1に示した光学系において、リングアパーチャ14のリング中心に観察面の集光点からの反射光が集光された状態(図5(b)参照)から、受光素子16と共役関係にある穴開きミラー2の開口部中心を回転中心として穴開きミラー2を左右方向に回転させるような構成が考えられる。これにより、遮光部材250aに観察面の集光点からの反射光が集光された状態(図5(c)参照)、もしくは遮光部材250bに観察面の集光点からの反射光が集光された状態(図5(d)参照)に変更されるので、散乱光の通過領域が変更される。この場合、穴開きミラー2の開口部中心を回転中心として、穴開きミラー2、レンズ12、レンズ15、受光素子16を一体的に左右方向に回転させるようにしてもよい。
なお、上記のように散乱光の通過領域を変更する場合、所定のスイッチ操作に基づいて通過領域の大きさを任意に変更できるようにしてもよい。この場合、例えば、所定のスイッチからの操作信号に基づいて、制御部20は、通過領域の大きさが変更されるように、図1及び図2に示した移動部材201を第3の位置から右方向に移動させる。この場合、撮影光軸L2を中心とする通過領域の中心角が変化されると共に、共焦点光路(撮影光軸L2)の通過領域側に隣接して形成される遮光領域が周辺側(光軸L2から遠ざかる方向)に向けて大きくなるように変化される。また、移動部材201を第4の位置から左方向に移動させることで、同様の変更が可能となる。なお、上記構成に限るものではなく、通過領域の中心角の変更と、共焦点光路(撮影光軸L2)の通過領域側に隣接して形成される遮光領域の大きさの変更とをそれぞれ独立して行うようにしてもよい。この場合、例えば、光の透過と遮光を電気的に制御可能な液晶シャッタを用いることが考えられる。
本実施形態に係る眼底撮影装置の光学系を示した図である。 移動機構の具体的構成について説明する図である。 本実施形態における眼底撮影装置の制御系を示したブロック図である。 眼底共役面Kを通過する光の光路について説明する図である。 移動機構によって予め設定された第1〜第4の移動位置に移動部材が移動されたときの眼底共役面Kを通過する光の遮光状態を示す図である。 被検眼眼底上にて反射・散乱されるレーザ光の遮光状態について説明する図である。 集光点前後から散乱される散乱光の散乱方向を制御したときの作用について説明する模式図である。 散乱光の一部を受光素子に向けて通過させるための開口部を持つ複数の遮光部材を設けた場合の図である。 第2の実施形態について説明する図である。
符号の説明
2 穴開きミラー
3 レンズ
7 ポリゴンミラー
9 ガルバノミラー
12 レンズ
13 可変絞り
14 リングアパーチャ
15 集光レンズ
16 受光素子
100 レーザ光出射部
200 移動機構
201 移動部材
210 駆動部
250a、250b 遮光部材
300〜303 遮光部材
400 遮光部材
401 移動機構

Claims (5)

  1. レーザ光を眼底の観察面に集光させるための光学部材と前記眼底に対して前記レーザ光を2次元的に走査する走査手段とを有する照射光学系と、前記照射光学系の少なくとも一部を共用し眼底にて反射した前記レーザ光の反射光を集光させて受光素子にて受光することにより撮影画像を得る撮影光学系と、
    該撮影光学系の光路における前記眼底の観察面の集光点と共役な位置に配置され、前記眼底の観察面の集光点からの反射光を制限する第1光束制限手段と、
    該撮影光学系の光路における被検眼眼底と共役な位置もしくはその前後に配置され、前記集光点の前後にて散乱された散乱光のうち、光軸から離れた領域におけるある方向からの光を前記受光素子に向けて通過させ、前記受光素子に向かう他の方向からの光を遮光するように前記散乱光の通過領域を制限する第2光束制限手段と、
    を備えることを特徴とする眼底撮影装置。
  2. 請求項1の眼底撮影装置において、前記第2光束制限手段は、前記散乱光の通過領域を変更する通過領域変更手段を備えることを特徴とする眼底撮影装置。
  3. 請求項2の眼底撮影装置において、
    さらに、前記観察面の集光点と共役な位置に開口を持つ共焦点絞りと、前記観察面の集光点と共役な位置に遮光部を持つリングアパーチャーと、を持ち、前記第2光束制限手段、前記共焦点絞り、前記リングアパーチャー、のいずれかを、前記撮影光学系における眼底と共役位置にて切換配置する切換手段を備えることを特徴とする眼底撮影装置。
  4. 請求項2の眼底撮影装置は、
    前記通過領域変更手段によって形成される第1の通過領域と,撮影光軸に対して前記第1通過領域と対称となるように前記通過領域変更手段によって形成される第2の通過領域とを切り換えるための切換手段と、
    前記第1通過領域を介して前記受光素子に受光されることによって得られる第1の散乱光撮影画像と,前記第2通過領域を介して前記受光素子に受光されることによって得られる第2の散乱光撮影画像とを一対の立体観察用画像として取得する立体観察用画像取得手段と、
    を備えることを特徴とする眼底撮影装置。
  5. レーザ光を出射する光源と、被検眼眼底上で前記レーザ光を二次元的に走査する走査手段と、を有し、前記光源から出射された前記レーザ光を被検眼眼底に照射するための照射光学系と、
    撮影光学系であって、
    被検眼眼底からの前記レーザ光の反射光を受光する受光素子と、
    被検眼眼底との略共役面に配置された第1絞りであって、前記略共役面から前記受光 素子に向かう反射光のうち,光軸近傍の光を通過させる第1開口が前記光軸上に配置さ れ、前記略共役面から前記受光素子に向かう他の光を遮光する第1絞りと、
    前記略共役面に配置される第2絞りであって、前記略共役面から受光素子に向かう反 射光のうち,前記光軸から離れた領域におけるある方向からの光を通過させる第2開口 が前記光軸から外れた位置に配置され、前記略共役面から前記受光素子に向かう他の光 を遮光する第2絞りと、
    撮影光路中に配置する絞りを前記第1絞りと前記第2絞りで切換える切換ユニットと
    を有し、前記第1絞り又は前記第2絞りを通過した前記反射光を前記受光素子によっ て受光する撮影光学系と、
    を備えることを特徴とする眼底撮影装置。
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