JP5268600B2 - 半導体装置及びメモリのデータ書き込み方法 - Google Patents

半導体装置及びメモリのデータ書き込み方法 Download PDF

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Description

本発明は、メモリ及びメモリを有する半導体装置に関する。特に、アンチフューズ型のメモリに関する。また、無線方式によりデータの書き込み及び読み出しを行うことができる半導体装置に関する。
RFID(Radio Frequency Identification)と呼ばれる技術が注目を浴びており、流通、履歴管理、物品管理、プレゼンス管理などの様々な分野に応用されている。RFIDとは、狭義には無線通信技術を利用したデータのやりとりを指し、RFIDタグ(RFタグ、IDタグ、ICタグ、無線タグともいわれる)とリーダライタとの間で無線通信を行い、データの書き込みや読み取りを行うことができる。
近年では空港での利用も検討されており、一例として航空手荷物管理システムが挙げられる。例えば、特許文献1には、RFIDを用いて利用者(渡航者)の手荷物を管理するシステムが記載されている。具体的には、手荷物にRFIDタグを取り付け、必要なデータ(利用者の氏名や住所、検査結果等)をRFIDタグに随時書き込み、当該RFIDタグに書き込まれたデータを読み取り管理することで、セキュリティ性の向上や利便性の向上を図るものである。
特開2005−289634号公報
RFIDタグに書き込まれるデータは、RFIDタグに搭載されるメモリに書き込まれる。RFIDを荷物管理に応用する場合、荷物の紛失や盗難等を防止するため、一度書き込んだデータは書き換え不可能とすることが好ましい。また、RFIDタグをその他の用途、例えば食品等のトレーサビリティに適用する場合にも、期限改ざん、原産地や原材料の虚偽表示などを防止するため、データは書き換え不可能とすることが好ましい。したがって、読み出しと一回だけの書き込みが可能であるメモリ、所謂ライトワンスメモリが求められている。
ライトワンスメモリとして、導通状態及び非導通状態を制御してデータを書き込むことができるフューズやアンチフューズなどのフューズ型素子が知られている。アンチフューズは、製造時は非導通状態であり、所定の閾値以上の電気信号を与えることにより導通状態に変化する。メモリとして利用する場合、製造時すなわち初期状態の非導通状態(高抵抗状態)と、書き込み後の導通状態(低抵抗状態)とに2値のデータを対応させ、データを書き込むことが一般的である。
しかし、所定のデータをメモリに書き込んだ後でも、閾値以上の電気信号を非導通状態であるアンチフューズに与えれば、該アンチフューズを導通状態に変化させることが可能である。したがって、航空手荷物管理システム等の荷物管理に適用した場合、データを改ざんして荷物を盗難する、或いは危険物を航空機に搭載させるなど、セキュリティ性や安全性が低下するおそれがある。また、食品のトレーサビリティに適用した場合、データを改ざんして消費期限や原産地を偽るなど、食品の安全性が問題となるおそれがある。
上記問題を鑑み、本発明では、書き込んだデータの改ざんを防止したメモリ及び半導体装置を提供することを課題の一とする。また、メモリ製造後、又は、半導体装置製造後に、新たなデータの書き込みを随時行える追記型のメモリを提供することを課題の一とする。また、データの改ざんを防止した構成であるメモリのデータ書き込み方法を提供することを課題の一とする。さらに、データの改ざんを防止した構成の追記型のメモリを具備する無線チップを提供することも課題の一とする。
メモリ回路と、書き込み回路と、読み出し回路と、を具備する半導体装置とする。メモリ回路は、2値データ”0”及び”1”の書き込みが可能なメモリセルが複数配置されたメモリセルアレイを含む構成とする。書き込み回路は、メモリ回路に含まれるメモリセルの一に2値データ”0”又は”1”の一方を書き込む第1の書き込み回路と、2値データ”0”又は”1”の他方を書き込む第2の書き込み回路と、を含む構成とする。
メモリ回路に含まれるメモリセルは、初期状態である「第1の状態」、第1の書き込み回路による書き込み動作により得られる「第2の状態」、又は第2の書き込み回路による書き込み動作により得られる「第3の状態」から選ばれた一の状態であるアンチフューズを有する。該アンチフューズは、「第1の状態」から、「第2の状態」又は「第3の状態」に変化する素子構造を有する。メモリセルは、ブロック単位或いはメモリセル単位でデータが書き込まれ、ブロック単位或いはメモリセル単位で書き込み済みであるか、未書き込みかを区別される。書き込み済みであるブロックのメモリセルには「第2の状態」又は「第3の状態」のどちらかの状態であるアンチフューズが配置されており、「第2の状態」であるアンチフューズ又は「第3の状態」であるアンチフューズが2値データ”0”又は”1”に対応して、データが書き込まれている。なお、書き込み済みであるブロックのメモリセルには、「第1の状態」であるアンチフューズは配置されない。つまり、書き込み済みであるブロックのメモリセルは、「第2の状態」又は「第3の状態」であるアンチフューズが、必ず配置されている。また、未書き込みであるブロックのメモリセルには「第1の状態」であるアンチフューズが配置されている。
「第2の状態」又は「第3の状態」であるアンチフューズは、「第1の状態」であるアンチフューズに対し、第1の書き込み回路又は第2の書き込み回路により書き込み動作を行うことで得ることができる。よって、「第1の状態」であるアンチフューズを有する未書き込みのブロック或いはメモリセルに、データを追記することができる。
本発明の一は、2値データ”0”及び”1”の書き込みが可能なメモリセルが複数配置されたメモリセルアレイを含むメモリ回路と、メモリ回路に含まれるメモリセルの一に、2値データ”0”又は”1”の一方を書き込む第1の書き込み回路と、メモリ回路に含まれるメモリセルの一に、2値データ”0”又は”1”の他方を書き込む第2の書き込み回路と、メモリ回路に含まれるメモリセルの一に書き込まれた2値データを読み出す読み出し回路と、を具備する半導体装置である。メモリ回路に含まれるメモリセルは、初期状態である「第1の状態」、「第1の状態」のアンチフューズに第1の書き込み回路による書き込み動作により得られる「第2の状態」、又は「第1の状態」のアンチフューズに第2の書き込み回路による書き込み動作により得られる「第3の状態」から選ばれた一の状態であるアンチフューズを有し、該アンチフューズの「第2の状態」又は「第3の状態」が2値データ”0”又は”1”に対応している。
上記半導体装置は、第1の書き込み回路又は前記第2の書き込み回路のいずれかを選択し、メモリ回路へのデータの書き込みを実行させる選択回路を具備する構成とすることもできる。
上記構成において、メモリセルが有するアンチフューズは第1の電極と、絶縁層と、シリコン層と、第2の電極と、が積層された素子構造を有することができる。また、メモリセルが有するアンチフューズは、「第1の状態」から、「第2の状態」又は「第3の状態」に変化する一の素子構造を有する。
また、上記構成において、メモリセルが有するアンチフューズは、「第3の状態」よりも「第2の状態」の電気抵抗値が大きく、「第2の状態」よりも「第1の状態」の電気抵抗値が大きいとする。
また、上記構成において、メモリ回路に含まれるメモリセルは、アンチフューズに加え、該アンチフューズと電気的に接続するトランジスタを有する構成とすることができ、該トランジスタにより書き込み電圧の印加を制御することが好ましい。
また、本発明の一は、アンチフューズを備え、2値データ”0”及び”1”の書き込みが可能なメモリセルが複数配置されたメモリセルアレイを含むメモリ回路と、第1の書き込み回路と、第2の書き込み回路と、を具備するメモリに対し、メモリ回路に含まれるメモリセルの一に、2値データ”0”又は”1”の一方を書き込む場合は、「第1の状態」であるアンチフューズに第1の書き込み回路による書き込み動作を行い、メモリ回路に含まれるメモリセルの一に、2値データ”0”又は”1”の他方を書き込む場合は、「第1の状態」であるアンチフューズに第2の書き込み回路による書き込み動作を行うメモリのデータ書き込み方法である。
上記アンチフューズは、第1の電極と、絶縁層と、シリコン層と、第2の電極と、が積層された構造とすることができる。また、上記アンチフューズは、「第1の状態」から、「第2の状態」又は「第3の状態」に変化する素子構造とすることができる。
上記データ書き込み方法において、書き込み動作を行う前のメモリセルの一は初期状態である「第1の状態」のアンチフューズを備えている。「第1の状態」のアンチフューズに対し、第1の書き込み回路による書き込み動作を行う場合は「第2の状態」に変化し、「第1の状態」のアンチフューズに対し、第2の書き込み回路による書き込み動作を行う場合は「第3の状態」に変化する。そして、「第2の状態」であるアンチフューズを2値データ”0”又は”1”の一方とし、「第3の状態」であるアンチフューズを2値データ”0”又は”1”の他方とすることで、データ書き込むことができる。
なお、本明細書において「第1」、又は、「第2」等の数詞の付く用語は、要素を区別するために便宜的に付与しているものであり、数的に限定するものではなく、また配置及び段階の順序を限定するものでもない。
本発明は、書き換え不可能な追記型のメモリを実現することができる。したがって、一度書き込んだデータの改ざんは防止でき、新しいデータは随時書き込みを行うことができるメモリ及びメモリを備えた半導体装置を提供することができる。また、データの改ざんを防止した構成であるメモリのデータ書き込み方法を提供することができる。
本発明の実施の形態について、以下に説明する。ただし、本発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなく、その形態及び詳細を様々に変更しうることは当業者であれば容易に理解される。したがって、本発明は以下に示す実施の形態に記載の内容に限定して解釈されるものではない。なお、以下に説明する本発明の構成において、同じものを指す符号は異なる図面間で共通して用いる。
(実施の形態1)
本発明に係る半導体装置として、メモリの構成例及び動作例について説明する。本形態で示すメモリはアンチフューズを有するメモリセルを複数備えたメモリであり、該アンチフューズは、所定の電圧を印加することで高抵抗状態から低抵抗状態に変化するものである。また、本発明に係るメモリは、ブロック単位或いはメモリセル単位でデータを書き込み、ブロック単位或いはメモリセル単位で書き込み済みか未書き込みかが区別される。本形態では、ブロック単位でアンチフューズにデータを書き込み、ブロック単位でデータが書き込み済みか未書き込みかを区別するものとする。
図1は、本発明に係る半導体装置の構成例を示すブロック図である。メモリ100は、書き込み回路102と、メモリ回路104と、読み出し回路106と、を有する。メモリ100に入力されるデータ(DATA IN)は、書き込み回路102により、”0”及び”1”の2値データとしてメモリ回路104に書き込まれる。そして、メモリ回路104に書き込まれた2値データは、読み出し回路106により読み出され、メモリ100からデータ(DATA OUT)が出力される。メモリ100は、書き込み動作時は書き込み回路102がメモリ回路104に接続される。一方、読み出し動作時は、読み出し回路106がメモリ回路104に接続される。なお、メモリ100に入力されたデータの2値データへの変換は書き込み回路102やメモリ回路104で行えばよく、或いは、別途2値データに変換するための回路を設けてもよい。また、メモリ回路104から読み出される2値データは、読み出し回路106でデータに変換してもよく、或いは、別途2値データからデータに変換するための回路を設けてもよい。
書き込み回路102は、メモリ100に入力されたデータをメモリ回路104に書き込む。なお、書き込み回路102は、メモリ100に入力されたデータを”0”及び”1”の2値データとしてメモリ回路104に書き込む。メモリ回路104は、第1の書き込み回路114又は第2の書き込み回路116のいずれか一方による選択的な書き込み動作が行われ、2値データが書き込まれる。第1の書き込み回路114又は第2の書き込み回路116の選択は、選択回路112により行われる。
なお、第1の書き込み回路114又は第2の書き込み回路116は、選択回路112により選択的にメモリ回路104と接続させる。接続関係は特に限定されず、図2(A)に示すように、選択回路112が第1の書き込み回路114及び第2の書き込み回路116に接続し、第1の書き込み回路114及び第2の書き込み回路116がメモリ回路104に接続する構成とすることができる。また、図2(B)に示すように、第1の書き込み回路114及び第2の書き込み回路116が選択回路112に接続し、選択回路112がメモリ回路104に接続する構成とすることもできる。第1の書き込み回路114及び第2の書き込み回路116のうち、選択回路112により選択された一方の回路がメモリ回路104と接続され、該メモリ回路104に書き込み動作を行う。
読み出し回路106は、メモリ回路104に書き込まれたデータを読み出し、メモリ100から出力する。なお、読み出し回路106は、メモリ回路に書き込まれた2値データ”0”及び”1”を読み出し、データとして出力する。
次に、メモリ回路104の回路図の一例を図3(A)に示す。また、メモリ回路104を構成するメモリセルの回路図を図3(B)に示す。
メモリ回路104は、ビット線駆動回路122と、ワード線駆動回路124と、メモリセルアレイ126と、から構成されている。図3(A)では、一例として、m×n個のメモリセル(MC(1,1)〜MC(m,n))が縦m個×横n個のマトリクス状に配置されたメモリセルアレイ126の例を示している。
また、各メモリセル(代表としてMC(i,j)を考える)(iは1以上m以下の整数、jは1以上n以下の整数)は、それぞれ薄膜トランジスタ232及びアンチフューズ234を有している。薄膜トランジスタ232のゲート電極はワード線Wiに接続され、薄膜トランジスタ232のソース電極又はドレイン電極の一方は第1のビット線Bajに接続され、薄膜トランジスタ232のソース電極又はドレイン電極の他方はアンチフューズ234の陽極又は陰極の一方に接続されている。また、アンチフューズ234の陽極又は陰極の他方は第2のビット線Bbjに接続されている。
ビット線駆動回路122により、書き込み又は読み出しを行うメモリセルMC(i,j)が接続されている第1のビット線Baj及び第2のビット線Bbjが選択される。また、ワード線駆動回路124により、書き込み又は読み出しを行うメモリセルMC(i,j)が接続されているワード線Wiが選択される。選択された第1のビット線Baj及び第2のビット線Bbjとワード線Wiは、書き込み動作時には書き込み回路102に接続され、読み出し動作時には読み出し回路106に接続される。ビット線駆動回路122及びワード線駆動回路124は、セレクタ回路等を有する。
書き込み動作時は、2値データのいずれを書き込むかによって、第1の書き込み回路114又は第2の書き込み回路116の一方が選択される。選択された第1の書き込み回路114又は第2の書き込み回路116は、選択されたメモリセルMC(i,j)に対し、書き込みを行う。読み出し動作時は、選択されたメモリセルMC(i,j)を読み出し回路106に接続し、読み出しを行う。
本発明に係るメモリの構成は、通常のライトワンスメモリと比較して、2値データ”0”又は”1”の一方の値を書き込む第1の書き込み回路114と、2値データ”0”又は”1”の残りの他方の値を書き込む第2の書き込み回路116と、を有することを特徴の一つとする。つまり、2値データの”0”を書き込む場合には第1の書き込み回路114により書き込みを行い、”1”を書き込む場合には第2の書き込み回路116により書き込みを行う。或いは、2値データの”1”を書き込む場合には第1の書き込み回路114により書き込みを行い、”0”を書き込む場合には第2の書き込み回路116により書き込みを行う。以下、本形態では、”0”を書き込む場合には第1の書き込み回路114により書き込みを行い、”1”を書き込む場合には第2の書き込み回路116により書き込みを行うものとして説明する。
2値データの”0”及び”1”は、メモリセルMC(i,j)が有するアンチフューズ234の電気的特性に対応して書き込まれる。
通常、アンチフューズをメモリ素子に適用する場合、初期状態(書き込み電圧を印加していない状態)の高抵抗状態と、書き込み状態(書き込み電圧を印加した状態)の低抵抗状態と、に”0”及び”1”、又は”1”及び”0”を割り当てている。初期状態を”0”とし、書き込み状態を”1”とする場合の書き込み動作の一例としては、”1”を書き込むメモリセルに対して選択的に書き込み電圧を印加し、該メモリセルが有するアンチフューズを低抵抗状態(書き込み状態)に変化させる。一方、”0”を書き込むメモリセルに対しては書き込み電圧を印加せず、該メモリセルが有するアンチフューズを初期状態のままとする。書き込み電圧は、書き込み回路により印加する。つまり、”1”を記録するメモリセルに対しては書き込み回路により書き込みを行い、”0”を記録するメモリセルに対しては書き込みを行わないものとしている。そして、各メモリセルが備えるアンチフューズの初期状態及び書き込み状態により、メモリセルに”0”又は”1”を書き込ませることができる。その結果、データを2値データとして書き込むことができる。
これに対し、本形態のメモリは、ブロック単位でデータの書き込みを行い、ブロック単位で書き込み済みか未書き込みかを区別する。そして、書き込み済みのブロックでは、アンチフューズの異なる2つの書き込み状態に”0”及び”1”を割り当て対応させることを特徴の1つとする。また、本アンチフューズは、初期状態から、”0”及び”1”を割り当てる2つの書き込み状態に変化する素子構造を有する。つまり、本形態では、メモリ回路104を構成するメモリセルにブロック単位でデータの書き込みが行われ、ブロック単位でデータが書き込み済みか未書き込みかを区別する。そして、書き込み済みブロックのメモリセルには、2つの書き込み状態のどちらかの状態であるアンチフューズが配置されている。
メモリ回路104を構成するメモリセルは、メモリセルアレイ全体で1つのブロックとしてもよいし、複数のブロックに分割してもよい。ブロックやメモリセルを区別する方法(手段)は特に限定されず、書き込み済みであるか、未書き込みであるかを区別できればよい。区別する方法としては、フラグや物理的スイッチなどが挙げられる。例えば、書き込み済みのブロックにはフラグを立て、ブロック単位でフラグが立っているか否かを検出し、フラグが立っていると検出した場合はそのブロックを書き込み済みと判断し、フラグが立っていないと検出した場合はそのブロックを未書き込みと判断することができる。フラグには、ブロック内の特定のメモリセルを割り当てればよく、書き込み済みの場合に前記特定のメモリセルの有するアンチフューズに書き込みを行えばよい。書き込み済みとなるブロックのフラグに書き込みを行うことで”1”のフラグを立て、未書き込みのブロックはそのまま(初期状態)とすることで、書き込み済みか未書き込みかを区別することができる。また、物理的スイッチを利用する場合、例えば書き込み済みのブロックに設けられたスイッチを破損させ、ブロック単位でスイッチが破損しているか否かを検出して書き込み済みか未書き込みかを区別してもよい。もちろん、ブロック単位でなく、各メモリセル単位にフラグやスイッチを設けて、書き込み済みか未書き込みかを区別しても良い。
本発明において、アンチフューズの電気的特性の初期状態を「第1の状態」とし、異なる2つの書き込み状態を「第2の状態」と「第3の状態」とする。本形態のメモリに適用するアンチフューズは、初期状態である「第1の状態」と、書き込み状態である「第2の状態」又は書き込み状態である「第3の状態」の中から選ばれた一の状態を取る。また、本形態のメモリは、「第1の状態」から、「第2の状態」又は「第3の状態」に変化する素子構造を有するアンチフューズを備える。なお、メモリにはブロック単位での書き込みを行い、且つブロック毎に書き込み済みか未書き込みかを区別する。書き込み済みのブロックでは、「第2の状態」と、「第3の状態」と、のアンチフューズに”0”及び”1”、又は”1”及び”0”を割り当て対応させ、「第1の状態」であるアンチフューズは存在させない。つまり、書き込み済みのブロックには、「第2の状態」又は「第3の状態」であるアンチフューズが、必ず配置されている。以下、本形態では、書き込み済みのブロックでは、アンチフューズの「第2の状態」に”0”を割り当て、「第3の状態」に”1”を対応させるものとして説明する。
次に、メモリセルMC(i,j)に”0”を書き込む場合と、”1”を書き込む場合の回路動作の一例について、図6を用いて説明する。なお、薄膜トランジスタ232はnチャネル型薄膜トランジスタ又はpチャネル型薄膜トランジスタのいずれの導電型の薄膜トランジスタでも良いが、本形態ではnチャネル型薄膜トランジスタ232aとした場合について説明する。また、アンチフューズ234は、書き込み前の電気的特性を「第1の状態」とする。
図6(A)は、メモリセルMC(i,j)に”0”を書き込む場合の例を示している。例えば、第1のビット線BajをVLとし、第2のビット線Bbj及びワード線WiをVHとして、メモリセルMC(i,j)のnチャネル型薄膜トランジスタ232aをオン状態とする。その結果、アンチフューズ234は、A点側からVLが供給され、B点側からVHが供給され、アンチフューズ234にVH−VLが印加されて、「第2の状態」に変化する。
図6(B)は、メモリセルMC(i,j)に”1”を書き込む場合の例を示している。例えば、第1のビット線Baj及びワード線WiをVHとし、第2のビット線BbjをVLとして、メモリセルMC(i,j)の薄膜トランジスタ232aをオン状態とする。その結果、アンチフューズ234は、A点側からVHが供給され、B点側からVLが供給され、アンチフューズ234にVH−Vth−VLが印加されて、「第3の状態」に変化する。
なお、本明細書では、VH>VLとする。VH−Vth−VLは書き込み電圧(Vwrite)に相当し、アンチフューズ234の抵抗状態を変化させる電圧とする。また、本形態では、VGND≧VL(ここでは、VGND=0V)とする。また、Vthは、薄膜トランジスタ232aの閾値に相当する。アンチフューズへの書き込みは、アンチフューズの絶縁領域へ書き込み電圧(Vwrite)を印加することで行う。書き込み電圧(Vwrite)が印加されたアンチフューズの絶縁領域が絶縁破壊を起こし、アンチフューズの上下電極が短絡するため、アンチフューズの抵抗値が変化する。
アンチフューズ234は、B点側からVHを供給する場合と、A点側からVHを供給する場合と、で、2つの異なる書き込み状態を得ることができる。図6(A)に示す場合は、B点側がA点側に対して高電位となるように電圧を印加している。図6(B)に示す場合は、A点側がB点側に対して高電位となるように電圧を印加している。アンチフューズ234に書き込み電圧を印加する際に、アンチフューズ234に対する電圧の印加方向(A点側をB点側に対して高電位として電圧を印加する、或いはB点側をA点側に対して高電位として電圧を印加する)を制御することで、2つの異なる書き込み状態を得ることができる。ここでは、アンチフューズ234に対する電圧の印加方向を逆にすることで、2つの異なる書き込み状態を得ている。そして、ここで得られる2つの書き込み状態は、「第2の状態」又は「第3の状態」にそれぞれ該当する。
メモリの書き込み動作は、”0”を書き込むメモリセルに対して第1の書き込み回路114により図6(A)に示す書き込みを行い、該メモリセルが有するアンチフューズを「第2の状態」に変化させる。一方、”1”を書き込むメモリセルに対して第2の書き込み回路116により図6(B)に示す書き込みを行い、該メモリセルが有するアンチフューズを「第3の状態」に変化させる。そして、各メモリセルが備えるアンチフューズを「第2の状態」又は「第3の状態」に適宜変化させることにより、メモリセルに”0”又は”1”を書き込むことができる。その結果、メモリ100に入力されたデータを2値データとして書き込むことができる。
メモリ100は1つのブロックのみで構成され、1つのデータのみ書き込む構成としてもよいが、複数のブロックに分割され、複数のデータを書き込める構成とする方が好ましい。複数のブロックに分割することで、随時追記を行うことができる。なお、1つのブロックが備えるメモリセルは複数又は単数のどちらでもよい。
ここで、本アンチフューズの電気的特性である「第1の状態」、「第2の状態」、及び「第3の状態」について考察する。図4に、本アンチフューズの「第1の状態」、「第2の状態」、及び「第3の状態」の電流電圧特性(以下、「I−V特性」ともいう)の一例を示す。横軸はアンチフューズに対する印加電圧を示し、その際にアンチフューズに流れる電流を縦軸に示している。なお、図4では、書き込み電圧(Vwrite)以下の範囲のI−V特性を示している。
図4には、モードAとモードBとモードCが示されている。モードAは、任意の電圧を印加しても電流をほとんど流さない高抵抗状態を示している。モードCは、印加する電圧に比例して電流を流す低抵抗状態を示している。モードBは、所定の印加電圧未満では電流をほとんど流さない高抵抗状態を示し、所定の印加電圧以上では電流を良く流す低抵抗状態を示している。モードBは、モードAよりも低抵抗状態を示し、モードCよりも高抵抗状態を示している。モードAは印加電圧によらず高抵抗状態であり、アンチフューズの初期状態である「第1の状態」の特性に該当する。モードB及びモードCは、アンチフューズの「第2の状態」又は「第3の状態」の特性に該当する。本形態では、モードBが「第2の状態」に該当し、モードCが「第3の状態」に該当するものとする。したがって、アンチフューズに対する印加電圧を書き込み電圧以下とし、「第1の状態」であるアンチフューズの電気抵抗値をR1、「第2の状態」であるアンチフューズの電気抵抗値をR2、「第3の状態」であるアンチフューズの電気抵抗値をR3としたとき、R1>R2>R3の関係を満たす。
書き込み済みのブロックでは、アンチフューズの「第2の状態」及び「第3の状態」を2値データに割り当てている。「第2の状態」と「第3の状態」との間に閾値電圧Vth又は閾値電流Athを設定し、当該閾値電圧Vth又は閾値電流Athを境として2値データを割り当てればよい。
データの読み出しについては実施者が適宜設計することが可能であり、電流を用いる方式、電圧を用いる方式などを適用することができる。例えば、図4に示すように、所定の読み出し電圧(Vread)において、「第3の状態」であるモードCと「第2の状態」に該当するモードBとの間に閾値電流Athを設定し、当該閾値電流Ath以上の場合は2値データの”1”を割り当て、閾値電流Ath未満の場合は”0”を割り当てる。読み出し電圧を印加した際に流れる電流と、閾値電流Athと、を比較することで、2値データを読み出すことができる。例えば、閾値電流Ath以上の電流が得られれば”1”、閾値電流Ath未満の電流が得られれば”0”と読み取ることができる。また、閾値電流Athから閾値電圧Vthを設定し、当該閾値電圧Vthと、読み出し電圧を印加して出力される電圧と、を比較して、2値データを読み出す構成とすることもできる。
本形態においては、書き込み済みのブロックを検出し、該書き込み済みのブロックにおいて、モードBを示す「第2の状態」が”0”と読み出され、モードCを示す「第3の状態」が”1”と読み出される。
なお、モードAを示す「第1の状態」は、未書き込みのブロックにおいて”0”或いは”1”を割り当ててもよい。つまり、未書き込みのブロックにおいては、書き込み電圧を印加しない初期状態に2値データのどちらかを割り当ててもよい。また、「第1の状態」に”0”或いは”1”以外を割り当ててもよく、「第1の状態」として別途読み出すようにしてもよい。
アンチフューズへの書き込みは、アンチフューズの絶縁領域へ書き込み電圧を印加することで行う。書き込み電圧が印加されたアンチフューズの絶縁領域が絶縁破壊を起こし、アンチフューズの上下電極が短絡するため、アンチフューズの抵抗値が変化する。つまり、アンチフューズが絶縁破壊を起こすことによって状態が変化する。アンチフューズの「第2の状態」及び「第3の状態」は、初期状態である「第1の状態」のアンチフューズに対し、書き込み電圧を印加して短絡させることにより書き込みを行った書き込み状態である。したがって、「第1の状態」→「第2の状態」、「第1の状態」→「第3の状態」は、不可逆的である。「第2の状態」はアンチフューズの上下電極が短絡して書き込みが行われた書き込み状態であり、「第2の状態」であるアンチフューズに対して再度書き込み電圧を印加しても書き込みを行うことはできない。したがって、「第2の状態」であるアンチフューズは、「第3の状態」又は「第1の状態」へ変化することはできない。また、「第3の状態」はアンチフューズの上下電極が短絡して書き込みが行われた書き込み状態であり、「第3の状態」であるアンチフューズに対して再度書き込み電圧を印加しても書き込みを行うことはできない。したがって、「第3の状態」であるアンチフューズは、「第2の状態」又は「第1の状態」へ変化することはできない。
つまり、「第1の状態」→「第2の状態」、「第1の状態」→「第3の状態」のような変化はするが、「第2の状態」→「第1の状態」、「第3の状態」→「第1の状態」、「第2の状態」→「第3の状態」、「第3の状態」→「第2の状態」のような変化はしない特性を備えたアンチフューズをメモリ素子として適用することを特徴の1つとする。言い換えると、「第2の状態」であるアンチフューズは、書き込みを行っても状態が変化しない特性を有する。また、「第3の状態」であるアンチフューズは、書き込みを行っても状態が変化しない特性を有する。もちろん、「第2の状態」と「第3の状態」は、電圧を印加しなければ状態は変化しない。なお、「第1の状態」→「第2の状態」とは、矢印の左側の状態から右側の状態へ変化することを示している。アンチフューズの「第2の状態」は、「第1の状態」のアンチフューズを備えるメモリセルに対して第1の書き込み回路により書き込みを行うことで得ることができる。また、「第3の状態」は、「第1の状態」であるアンチフューズを備えるメモリセルに対して第2の書き込み回路により書き込みを行うことで得ることができる。
次に、図1、図3、図5を用いて、本形態に係るメモリのデータ書き込み方法の一例について説明する。図5には、一連の書き込み動作の一例を示すフロー図を示している。
まず、メモリ100にデータが入力される(S11)。メモリ100に入力されたデータは、2値データに変換される(S12)。そして、2値データをメモリ回路104に書き込む。
まず、”0”を書き込む場合について説明する。書き込み回路102から第1の書き込み回路114を選択する。選択した第1の書き込み回路114とメモリ回路104とを接続する(S13)。次に、”0”を書き込むメモリセルMC(i,j)を選択する(S15)。ここでは、MC(1,1)に書き込みを行う例を説明する。選択されたメモリセルMC(1,1)が配置されているブロックが、書き込み済みのブロックであるかを検出する(S16)。(S16)のブロックが書き込み済みでない場合(Noである場合、すなわち未書き込みである場合)、選択されたメモリセルMC(1,1)に対して、第1の書き込み回路114により書き込み電圧を印加する(S18)。具体的には、第1のビット線Ba1をVLとし、第2のビット線Bb1及びワード線W1をVHとし、薄膜トランジスタ232をオン状態にして、アンチフューズ234に書き込み電圧を印加する。その結果、アンチフューズ234の電気的特性が「第2の状態」へと変化する。なお、選択したメモリセルMC(1,1)が備えるアンチフューズ234が「第1の状態」でない場合には、書き込み動作を行ってもアンチフューズ234の電気的特性は変化しない。
次に、”1”を書き込む場合について説明する。書き込み回路102から第2の書き込み回路116を選択し、第2の書き込み回路116とメモリ回路104とを接続する(S14)。次に、”1”を書き込むメモリセルMC(i,j)を選択する(S15)。ここでは、メモリセルMC(2,1)に書き込みを行う例を説明する。選択されたメモリセルMC(2,1)が配置されているブロックが、書き込み済みのブロックであるかを検出する(S16)。(S16)のブロックが書き込み済みでない場合(Noである場合、すなわち未書き込みである場合)、選択されたメモリセルMC(2,1)に対して、第2の書き込み回路116により書き込み電圧を印加する(S19)。具体的には、第1のビット線Ba1及びワード線W2をVHとし、第2のビット線Bb1をVLとし、薄膜トランジスタ232をオン状態にして、アンチフューズ234に書き込み電圧を印加する。その結果、アンチフューズ234の電気的特性が「第3の状態」へと変化する。なお、選択したメモリセルMC(2,1)が備えるアンチフューズ234が「第1の状態」でない場合には、書き込み動作を行ってもアンチフューズ234の電気的特性は変化しない。
以上のようにして、”0”又は”1”の書き込み動作を終了する(S21)。書き込み動作終了後、さらに他のメモリセル230に書き込みを行う場合、再度第1の書き込み回路114又は第2の書き込み回路116の選択から行えばよい。なお、(S16)のブロックが書き込み済みである場合(Yesである場合)、書き込み済みのエラーコードが検出され(S17)、書き込み動作は行われない。また、任意のブロックにデータの書き込みが終了した場合、該ブロックに書き込み済みの目印を付け(S20)、書き込み動作を終了する(S21)。
なお、図5に示すフロー図は一例であり、これに限定されるものではない。例えば、未書き込みのブロックを選択した後、該未書き込みのブロックに配置されたメモリセルを選択して書き込み動作を行ってもよい。また、未書き込みのブロックを選択し、該ブロックに書き込み済みの目印を付けた後、該ブロックに書き込み動作を行ってもよい。また、データの書き込みと、書き込み済みと未書き込みの区別は、メモリセル単位(或いはアンチフューズ毎)で行ってもよい。
また、読み出し動作についても説明する。書き込み済みのブロック(或いはメモリセル、アンチフューズ)を検出し、該書き込み済みのブロックに書き込まれたデータを読み出す。具体的には、書き込み済みのブロックに配置されたメモリセルの2値データを読み出し、ブロックに書き込まれたデータを読み出す。ここでは、MC(2,2)に書き込まれた2値データを読み出す例を説明する。
メモリセルMC(2,2)に書き込まれた2値データを読み出す場合には、例えば第1のビット線Ba2を読み出し回路106に接続する。第2のビット線Bb2及びワード線W2をVrhとし、薄膜トランジスタ232をオン状態にする。なお、Vrhは、アンチフューズ234が「第2の状態」或いは「第3の状態」のいずれであっても、薄膜トランジスタ232がオン状態となるように選択する。Vrhは、読み出し電圧に相当する。
トランジスタ232を介して第1のビット線Ba2から出力される電圧(出力電圧)を読み取る。出力電圧が閾値電圧Vth以上である場合は、メモリセルMC(2,2)に書き込まれたデータを”1”と読み取る。これに対し、出力電圧が閾値電圧Vth未満である場合は、メモリセルMC(2,2)に書き込まれたデータを”0”と読み取る。
このようにして、未書き込みのブロックに配置された任意のメモリセルMC(i,j)に2値データを書き込むことができ、また書き込み済みのブロックに配置された任意のメモリセルMC(i,j)に書き込まれた2値データを読み出すことができる。
以上のように、本形態に係るメモリは、メモリ素子として「第1の状態」、「第2の状態」、又は「第3の状態」から選ばれた一の状態を取るアンチフューズを複数備え、該アンチフューズにブロック単位で書き込みを行い、ブロック単位で書き込み済みと未書き込みを区別する。また、アンチフューズは、「第1の状態」から、「第2の状態」又は「第3の状態」に変化する素子構造を有する。書き込み済みのブロックでは、配置されているアンチフューズが「第2の状態」又は「第3の状態」のいずれかの状態を必ず取り、「第2の状態」及び「第3の状態」を用いて2値データを書き込み、ブロック単位でデータを書き込むことを特徴とする。「第2の状態」であるアンチフューズは、「第1の状態」、「第3の状態」へ変化不可能な素子である。また、「第3の状態」であるアンチフューズは、「第2の状態」、「第1の状態」変化不可能な素子である。したがって、「第2の状態」及び「第3の状態」に2値データを割り当てることで、書き込み済みのブロックでは、2値データの”0”及び”1”ともに物理的に書き換え不可能とすることができる。つまり、本発明に係るメモリは、一度書き込んだデータの書き換えは不可能であり、データの改ざんを防止できる。
なお、本発明に係るメモリは、出荷時に全てのアンチフューズを「第2の状態」又は「第3の状態」のどちらかの状態に書き込み、書き込み済みのブロックのみ備えたROMとしてもよい。また、「第1の状態」のアンチフューズを存在させた追記型のメモリとしてもよい。「第1の状態」のアンチフューズは、第1の書き込み回路又は第2の書き込み回路を選択して適宜書き込みを行うことにより、「第2の状態」又は「第3の状態」へと変化して”0”又は”1”を書き込むことができる。したがって、随時追記を行うことができる追記型のメモリを実現できる。「第1の状態」であるアンチフューズを備えたメモリとする場合、出荷時の全てのアンチフューズを「第1の状態」のままとしてもよいし、書き込み済みブロックと未書き込みブロックを有するメモリとしてもよい。いずれにしても、本発明に係るメモリは、新しいデータを追記する構成とすることは可能であるが、一度書き込んだデータの書き換えは不可能であり、データの改ざんを防止することができる。
なお、本実施の形態は、他の実施の形態及び実施例と自由に組み合わせることができる。
(実施の形態2)
上記実施の形態1ではメモリセルMC(i,j)のトランジスタ232にnチャネル型薄膜トランジスタ232aを適用する例を示したが、本形態ではpチャネル型薄膜トランジスタ232bを適用する例について説明する。なお、その他の構成は上記実施の形態1に準ずるものとし、ここでは説明を省略する。
図9(A)は、メモリセルMC(i,j)に”0”を書き込む例を示している。例えば、第1のビット線Bajとワード線WiをVLとし、第2のビット線BbjをVHとして、pチャネル型薄膜トランジスタ232bをオン状態とする。アンチフューズ234は、A点側からVLが供給され、B点側からVHが供給され、VH−VLが印加されて、「第2の状態」に変化する。
図9(B)は、メモリセルMC(i,j)に”1”を書き込む例を示している。例えば、第1のビット線BajをVHとし、第2のビット線Bbjとワード線WiをVLとして、pチャネル型薄膜トランジスタ232bをオン状態とする。アンチフューズ234はA点側からVHが供給され、B点側からVLが供給され、VH−VLが印加されて「第3の状態」に変化する。
アンチフューズ234は、A点側からVHが供給される場合と、B点側からVHが供給される場合と、で、2つの異なる書き込み状態に変化する。つまり、アンチフューズ234に対する電圧印加方向を逆にすることで、2つの異なる書き込み状態を得ている。得られる2つの書き込み状態は、「第2の状態」又は「第3の状態」である。また、「第2の状態」と「第3の状態」は、一の素子構造を有する「第1の状態」のアンチフューズに対し、印加する電圧方向を逆にすることで得ることができる。「第2の状態」又は「第3の状態」と適宜変化させることにより、メモリセルに”0”又は”1”を書き込むことができ、メモリにデータを書き込むことができる。
なお、本実施の形態は、他の実施の形態及び実施例と自由に組み合わせることができる。
(実施の形態3)
本形態では、上記実施の形態1と異なる構成のメモリ回路の例を示す。なお、メモリ回路以外の構成は、実施の形態1に準ずる。
図7(A)に、実施の形態1と異なるメモリ回路104の回路図の一例を示す。また、メモリセルの回路図を図7(B)に示す。図7(A)に示すメモリ回路104は、図3(A)と同様に、ビット線駆動回路122と、ワード線駆動回路124と、メモリセルアレイ126と、から構成されている。また、メモリセルアレイ126は、m×n個のメモリセル(MC(1,1)〜MC(m、n))が縦m個×横n個のマトリクス状に配置された例を示している。
また、各メモリセル(代表としてMC(i,j)を考える)(iは1以上m以下の整数、jは1以上n以下の整数)は、それぞれnチャネル型薄膜トランジスタ432、pチャネル型薄膜トランジスタ433、およびアンチフューズ434を有している。
nチャネル型薄膜トランジスタ432は、ゲート電極は第2のワード線Wtiに接続され、ソース電極又はドレイン電極の一方は第1のビット線Bcjに接続され、ソース電極又はドレイン電極の他方はpチャネル型薄膜トランジスタ433のソース電極又はドレイン電極の一方とアンチフューズの陽極又は陰極の一方に接続されている。pチャネル型薄膜トランジスタ433は、ゲート電極は第1のワード線Wsiに接続され、ソース電極又はドレイン電極の一方はnチャネル型薄膜トランジスタ432のソース電極又はドレイン電極の一方とアンチフューズ434の陽極又は陰極の一方に接続され、ソース電極又はドレイン電極の他方は第2のビット線Bdjに接続されている。また、アンチフューズ434は、陽極又は陰極の一方は、nチャネル型薄膜トランジスタ432のソース電極又はドレイン電極の一方とpチャネル型薄膜トランジスタ433のソース電極又はドレイン電極の一方と接続され、陽極又は陰極の他方は接地されている。
また、第1のビット線Bcjと第2のビット線Bdjは、平行に配置されている。第1のワード線Wsiと第2のワード線Wtiは、平行に配置されている。また、第1のビット線Bcj或いは第2のビット線Bdjと、第1のワード線Wsi或いは第2のワード線Wtiと、は、それぞれ直交して配置されている。
ビット線駆動回路122により、書き込み又は読み出しを行うメモリセルMC(i,j)が接続されている第1のビット線Bcjと第2のビット線Bdjが選択される。また、ワード線駆動回路124により、書き込み又は読み出しを行うメモリセルMC(i,j)が接続されている第1のワード線Wsiと第2のワード線Wtiが選択される。選択された第1のビット線Bcjおよび第2のビット線Bdjと、第1のワード線Wsiと第2のワード線Wtiと、は、書き込み動作時には図1に示す書き込み回路102に接続され、読み出し動作時には読み出し回路106に接続される。
なお、上記形態1と同様に、本形態に係るメモリは、第1の書き込み回路114により2値データ”0”と”1”の一方を書き込み、第2の書き込み回路116により2値データ”0”と”1”の他方を書き込む。2値データ”0”又は”1”は、書き込みが行われたメモリセルMC(i,j)が有するアンチフューズ434の電気的特性に対応して固定される。本形態においても、アンチフューズ434は、上記実施の形態1の図4に示すモードA〜モードCを示す「第1の状態」〜「第3の状態」の中から選ばれた一の状態を取るものとする。また、アンチフューズ434は、「第1の状態」から、「第2の状態」又は「第3の状態」に変化する一の素子構造を有する。データの書き込みはブロック単位(或いはメモリセル単位)で行われ、書き込み済みのブロックでは、モードBを示す「第2の状態」又はモードCを示す「第3の状態」のどちらかの状態を示すアンチフューズが配置される。そして、書き込み済みのブロックでは、2値データの”0”は「第2の状態」に割り当て、”1”は「第3の状態」に割り当てるものとする。
以下、メモリセルMC(i,j)に”0”を書き込む場合と、”1”を書き込む場合の回路動作の一例について、図8を用いて説明する。なお、アンチフューズ434は、書き込み前の電気的特性を上記形態1の「第1の状態」とする。
図8(A)は、メモリセルMC(i,j)に”0”を書き込む場合の例を示している。例えば、第1のビット線BcjをVLとし、第1のワード線Wsiと第2のワード線WtiをVHとして、メモリセルMC(i,j)のnチャネル型薄膜トランジスタ432をオン状態とし、pチャネル型薄膜トランジスタ433をオフ状態とする。その結果、アンチフューズ434にはVLが供給され、VL−VGNDが印加されて、「第2の状態」に変化する。なお、第2のビット線BdjはVLとしてもVHとしてもよいが、好ましくはVLとする。いずれにしてもpチャネル型薄膜トランジスタ433はオフ状態となる。
図8(B)は、メモリセルMC(i,j)に”1”を書き込む場合の例を示している。例えば、第2のビット線BdjをVHとし、第1のワード線Wsiと第2のワード線WtiをVLとして、メモリセルMC(i,j)のpチャネル型薄膜トランジスタ433をオン状態とし、nチャネル型薄膜トランジスタ432をオフ状態とする。その結果、アンチフューズ434にはVHが供給され、VH−VGNDが印加されて、「第3の状態」に変化する。なお、第1のビット線BcjはVHとしてもVLとしてもよいが、好ましくはVHとする。いずれにしてもnチャネル型薄膜トランジスタ432はオフ状態となる。
なお、本形態において、VH>VGND>VLとする。また、「VH−VGND」又は「VL−VGND」は書き込み電圧に相当し、アンチフューズ434の抵抗状態を変化させる。
本形態に係るメモリセルアレイは、nチャネル型薄膜トランジスタ432とpチャネル型薄膜トランジスタ433とを組み合わせて選択的にオン状態とすることで、アンチフューズ434に「VH−VGND」又は「VL−VGND」の電圧を印加することができる。アンチフューズ434は、「VH−VGND」の電圧を印加した場合と、「VL−VGND」の電圧を印加した場合と、で、2つの異なる書き込み状態を得ることができる。ここで得られる2つの書き込み状態は、「VH−VGND」の電圧を印加した場合は「第3の状態」とし、「VL−VGND」の電圧を印加した場合は「第2の状態」とする。
本形態に係るメモリのデータの書き込みはブロック単位(或いはメモリセル単位)で行われ、データを書き込むブロックを構成するメモリセルに2値データを書き込む。データを書き込むブロックは、未書き込みのブロックである。未書き込みブロックにおいて、”0”を書き込むメモリセルに対して第1の書き込み回路114により図8(A)に示す書き込みを行い、該メモリセルが有するアンチフューズを「第2の状態」に変化させる。一方、”1”を書き込むメモリセルに対して第2の書き込み回路116により図8(B)に示す書き込みを行い、該メモリセルが有するアンチフューズを「第3の状態」に変化させる。そして、未書き込みのブロックのメモリセルが備えるアンチフューズを「第2の状態」又は「第3の状態」に適宜変化させることにより、メモリセルに”0”又は”1”を書き込んで、データを書き込むことができる。なお、未書き込みのブロックを構成する全てのメモリセルに書き込みが行われた後は、書き込み済みのブロックとなる。書き込み済みのブロックには、未書き込みのブロックと区別される目印が付けられる。
以上のようにしてメモリセルMC(i,j)に書き込まれたデータを読み出す場合は、例えば第1のビット線Bcjを読み出し回路に接続し、第1のワード線Wsiはnチャネル型薄膜トランジスタ432がオン状態となるVrhとする。また、第1のワード線Wsiと第2のビット線Bdjは、pチャネル型薄膜トランジスタ433がオフ状態となるVrlとする。nチャネル型薄膜トランジスタ432を介して第1のビット線Bcjから電圧を読み出す。なお、メモリセルルMC(i,j)は書き込み済みのブロックに配置されているものとする。
ここで、本形態に係るメモリを構成するアンチフューズは、上記形態1で示すようなモードA〜モードCのいずれかを示し、書き込み済みのブロックに配置されているアンチフューズはモードB又はモードCのどちらかの状態を示す。所定の読み出し電圧において、モードCとモードBとの間に閾値電圧Vthを設定する。
任意のメモリセルMC(i,j)に対して、所定の読み出し電圧を印加した際に第1のビット線Bcjから読み出される電圧と、閾値電圧Vthと、を比較する。読み出しした電圧が閾値電圧Vth以上であれば2値データの”1”と読み取り、閾値電圧Vth未満であれば”0”と読み取る。本形態においては、アンチフューズがモードCを示す「第3の状態」であれば”1”と読み出し、モードBを示す「第2の状態」であれば”0”と読み出す。
なお、上述したように、アンチフューズの「第2の状態」及び「第3の状態」は、初期状態である「第1の状態」のアンチフューズに対し、書き込み電圧を印加して上下電極を短絡させることにより書き込みを行った書き込み状態である。「第2の状態」又は「第3の状態」はアンチフューズの上下電極が短絡して書き込みが行われた書き込み状態であり、再度書き込み電圧を印加しても書き込みを行うことはできない。本形態に係るアンチフューズは、「第1の状態」→「第2の状態」、「第1の状態」→「第3の状態」のような変化はすることができる。しかし、本形態に係るアンチフューズは、「第2の状態」→「第1の状態」、「第3の状態」→「第1の状態」、「第2の状態」→「第3の状態」、「第3の状態」→「第2の状態」のような変化はしない特性を有する。つまり、「第2の状態」であるアンチフューズは、「第3の状態」、「第1の状態」へ変化不可能な素子である。また、「第3の状態」であるアンチフューズは、「第2の状態」、「第1の状態」へ変化不可能な素子である。
したがって、nチャネル型薄膜トランジスタ432およびpチャネル型薄膜トランジスタ433を選択的にオン状態とし、アンチフューズに電圧を印加して「第2の状態」又は「第3の状態」をつくり出し、且つ「第2の状態」又は「第3の状態」に2値データを割り当てることで、物理的に書き換え不可能なメモリを実現することができる。つまり、本発明に係るメモリは、一度書き込んだデータの書き換えは不可能であり、データの改ざんを防止できる。また、「第1の状態」のアンチフューズを備えたメモリとすることで、適宜新しいデータを追記することができる。したがって、追記可能、且つ書き換え不可能なメモリを提供することができる。
なお、本実施の形態は、他の実施の形態及び実施例と自由に組み合わせることができる。
(実施の形態4)
本形態では、本発明に係る半導体装置のメモリ素子として適用可能なアンチフューズの例を説明する。図16は、本発明に適用可能なアンチフューズの断面模式図である。
図16に示すのは、アンチフューズ1000の断面模式図である。該アンチフューズ1000は、第1の電極1002と第2の電極1010との間に抵抗材料層1004が挟持された構造を有する。アンチフューズ1000は、上記実施の形態1の図4に示すモードA〜モードCを示す「第1の状態」〜「第3の状態」から選ばれた一の状態を取る。また、アンチフューズ1000は、「第1の状態」から、「第2の状態」又は「第3の状態」に変化する一の素子構造を有する。なお、作製時のアンチフューズ1000は、モードAを示す「第1の状態」である。以下、アンチフューズ1000の具体的な構成と作製方法について説明する。
まず、第1の電極1002を形成する。第1の電極1002は、タングステン、チタン、アルミニウム、ニッケル、クロム、モリブデン、タンタル、コバルト、ジルコニウム、バナジウム、パラジウム、ハフニウム、白金、鉄などの単体、又はこれらの材料の一或いは複数を含む合金、又はこれらの材料の一或いは複数を含む化合物を用いて形成する。上述の材料を用いて、蒸着法、スパッタリング法、印刷法、めっき法などにより導電層を形成した後、当該導電層を選択的にエッチングすることで、所望の形状に加工することができる。
次に、第1の電極1002上に抵抗材料層1004を形成する。抵抗材料層1004は、電気信号により高抵抗状態から低抵抗状態へ変化できる層を形成すればよい。本形態では、第1の電極1002上に絶縁層1006、当該絶縁層1006上にシリコン層1008を形成する。
絶縁層1006は、CVD法、スパッタリング法、ALD法などにより酸化シリコン、窒化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコンなどを形成する。また、第1の電極1002を表面処理することでも形成できる。表面処理としては、酸化処理、窒化処理、酸化窒化処理等が挙げられる。絶縁層1006の膜厚は1nm乃至20nm、好ましくは1nm乃至15nm程度で形成する。
シリコン層1008はシリコンを主成分とする材料を用い、CVD法、スパッタリング法などにより形成する。また、シリコン層1008の結晶構造はアモルファスシリコン、微結晶シリコン、多結晶シリコンのいずれでもよく、複数の結晶構造が混在していてもよい。シリコン層1008の膜厚は1nm乃至200nm、好ましくは5nm乃至100nm程度で形成すればよい。
なお、シリコン層1008としてアモルファスシリコンを適用する場合は、水素を含有するアモルファスシリコン(以下、「水素化アモルファスシリコン」ともいう)とすることもできる。ここでの水素化アモルファスシリコンとは、水素含有量が2原子%以上、好ましくは2原子%以上20原子%以下程度のアモルファスシリコンを示す。抵抗材料層として水素化アモルファスシリコンを適用することで、シリサイド反応による電極間の短絡を生じやすくできると考えられる。このような水素化アモルファスシリコンは、成膜時に水素を含有させることもできるし、成膜後に別工程で水素を添加することで含有させることもできる。例えば、プラズマCVD法により、水素を含むガス中で成膜することで、水素化アモルファスシリコンを形成することができる。このとき、水素化アモルファスシリコン中の水素の含有量は、成膜条件(ガス組成、ガス圧、ガス雰囲気、ガス流量、チャンバー温度、基板温度、又は投入パワーなど)を適宜設定することにより調整することができる。また、LPCVD法などにより水素をあまり含有しないアモルファスシリコンを形成した後、イオン注入法やイオンドーピング法を用いて水素を添加して水素を含有させることもできる。
次に、抵抗材料層1004上に第2の電極1010を形成する。第2の電極1010は、第1の電極1002と同様の材料及び方法を用いて形成すればよく、具体的にはタングステン、チタン、アルミニウム、ニッケル、クロム、モリブデン、タンタル、コバルト、ジルコニウム、バナジウム、パラジウム、ハフニウム、白金、鉄などの単体、又はこれらの材料の一或いは複数を含む合金、又はこれらの材料の一或いは複数を含む化合物を用いて形成すればよい。また、その作製方法としては、蒸着法、スパッタリング法、印刷法、めっき法などにより導電層を形成した後、当該導電層を選択的にエッチングすることで、所望の形状に加工すればよい。また、第2の電極1010は第1の電極1002と同一の材料を用いて形成してもよいし、異なる材料を用いて形成してもよい。
上記アンチフューズ1000は、本発明に適用することで、初期状態である「第1の状態」から変化した、2つの異なる書き込み状態「第2の状態」又は「第3の状態」を取ることができる。2つの書き込み状態は電気抵抗値が異なっており、これら2つの書き込み状態は、それぞれ対応する書き込み回路による書き込み動作により得ることができる。また、一旦書き込み状態へと移行したアンチフューズ1000は、再度書き込み回路による書き込み動作を行ったとしてもその他の状態へは変化しない。具体的には、「第2の状態」である書き込み状態は、「第3の状態」、「第1の状態」へは変化しない。また、「第3の状態」である書き込み状態は、「第2の状態」、「第1の状態」へは変化しない。したがって、本形態に示すアンチフューズをメモリ素子として適用することで、追記可能で、書き換え不可能なメモリを実現することができる。
なお、本実施の形態は、他の実施の形態及び実施例と自由に組み合わせることができる。
(実施の形態5)
本形態では、本発明に係るアンチフューズ型のメモリを具備する半導体装置の作製工程について、図10(A)、(B)を用いて説明する。ここでは、無線で通信を行う半導体装置である無線チップを作製する一例を示す。
具体的には、無線信号を受信又は送信するためのアンテナ部394と、データを書き込むメモリ部392と、メモリ部392に書き込みを行う回路、メモリ部392に書き込まれたデータの読み出しを行う回路、アンテナ部394で受信した信号を解析する回路、或いは受信信号から電源を発生する回路などの各種回路が集積された駆動回路部390と、で構成される無線チップを作製する一例を示す。駆動回路部390を構成する薄膜トランジスタやメモリ部392を構成するアンチフューズなどの素子、及びアンテナ部394を構成するアンテナは、可撓性を有する材料からなる基板或いはシートにより封止されている。また、本半導体装置の一例である無線チップは、個々の基板に個別に作製してもよいし、大面積の基板を用いて一度に複数の無線チップを作製した後、適宜個々のチップに分断加工してもよい。なお、図10(A)に示す断面構造は、本半導体装置の作製途中の工程図である。また、駆動回路部390は、薄膜トランジスタを用いた回路が集積されているが、図10では、便宜上2つの薄膜トランジスタの断面図を示している。同様に、メモリ部392は複数のアンチフューズによりメモリが構成されているが、図10では、便宜上1つのアンチフューズの断面図を示している。
まず、基板302上に剥離層304、絶縁層306を順に積層して形成する。基板302としては、石英基板、ガラス基板などの絶縁表面を有する基板を適用する。剥離層304としては、50nm〜200nmのタングステン層を形成する。絶縁層306としては、酸化シリコン層を形成する。なお、剥離層304としては、上述のタングステン層に加え、モリブデン層やチタン層などの金属層、又はこれらの金属層とこれらの金属酸化物(例えば酸化タングステンなど)層或いは金属窒化物(例えば窒化タングステンなど)層との積層構造、アモルファスシリコン層などを適用することができる。絶縁層306は、酸化シリコン層の他に、窒化シリコン層、酸化窒化シリコン層、窒化酸化シリコン層や、これらの積層膜を用いることができる。また、剥離層304としてタングステン層などの金属層を形成し、絶縁層306として酸化シリコン層や酸化窒化シリコン層などの酸化層を形成した場合は、金属層と酸化層との間に、剥離層として適用した金属の金属酸化物を含む層が形成される場合がある。同様に、絶縁層306として窒化シリコン層や窒化酸化シリコン層などの窒化層を形成した場合は、金属層と窒化層との間に、剥離層として適用した金属の金属窒化物を含む層が形成される場合がある。
次に、絶縁層306上に半導体層305、半導体層307を形成する。半導体層305、半導体層307は、CVD法やスパッタリング法によって全面に形成したアモルファスシリコン層を結晶化してポリシリコン層を得た後、当該ポリシリコン層を選択的にエッチングすることによって形成することができる。アモルファスシリコン層の結晶化方法としては、レーザ結晶化法、瞬間熱アニール(RTA)又はファーネスアニール炉を用いる熱結晶化法、結晶化を助長する金属元素を用いる結晶化法、又はこれらの方法を組み合わせた方法などを適用することができる。なお、半導体層305、半導体層307としては微結晶シリコンや単結晶シリコンを適用してもよい。また、後に完成する薄膜トランジスタのしきい値電圧を制御するため、半導体層305、半導体層307に対して微量の不純物元素(n型又はp型を付与する不純物元素)を添加してもよい。なお、半導体層305、半導体層307は、後に形成される薄膜トランジスタのチャネル形成領域を形成する。駆動回路の高速駆動を実現するために、薄膜トランジスタのチャネル形成領域を形成する半導体層は、結晶構造を有する半導体層を用いることが好ましい。駆動回路の高速駆動を実現することで、メモリの高速読み出しを実現できる。
次に、半導体層305、半導体層307上にゲート絶縁層308を形成する。ゲート絶縁層308は、CVD法やスパッタリング法により、膜厚1nm〜200nmの酸化シリコン層又は酸化窒化シリコン層を形成する。また、ゲート絶縁層308は、半導体層305、半導体層307に対して、マイクロ波により励起されたプラズマを用いた表面酸化処理或いは表面窒化処理を行って形成することもできる。さらに、半導体層305及び半導体層307上に絶縁層を形成した後、当該絶縁層に対して表面酸化処理又は表面窒化処理を行って形成してもよい。
次に、ゲート絶縁層308を介して半導体層305と重なるゲート電極310、半導体層307と重なるゲート電極312を形成する。また、アンチフューズの一方の電極として機能する第1の電極314を、ゲート電極310、ゲート電極312と同一工程で形成する。ゲート電極310、ゲート電極312、及び第1の電極314は、タングステン、チタン、アルミニウム、ニッケル、クロム、モリブデン、タンタル、コバルト、ジルコニウム、バナジウム、パラジウム、ハフニウム、白金、鉄などの単体、又はこれらの合金或いは化合物を用いて形成する。具体的には、上述の材料を用いてスパッタリング法により導電層を形成した後、該導電層を所望の形状に加工して形成すればよい。このとき、薄膜トランジスタのゲート電極に適した特性と、アンチフューズの電極に適した特性と、の両方を兼ね備えた材料を選択する。本形態では、ゲート電極310、ゲート電極312、及び第1の電極314として、タングステン層を形成する。
次に、半導体層305、半導体層307に対して不純物元素を添加する。ここでは、半導体層305、半導体層307に対して、異なる導電型を付与する不純物元素を添加するものとする。具体的には半導体層305に対してn型を付与する不純物元素を添加し、半導体層307に対してp型を付与する不純物元素を添加するものとする。n型を付与する不純物元素としては、リン(P)又はヒ素(As)などを用いる。p型を付与する不純物元素としては、ボロン(B)、アルミニウム(Al)又はガリウム(Ga)などを用いる。また、不純物元素は、イオン注入法若しくはイオンドープ法を用いて添加すればよい。
半導体層307を覆う第1レジストマスクを形成し、該第1レジストマスク及びゲート電極310をマスクとしてn型を付与する不純物元素を半導体層305に添加する。半導体層305には、ゲート電極310をマスクとして、自己整合的にチャネル形成領域316と、一対のn型不純物領域318と、が形成される。n型不純物領域318は、ソース領域又はドレイン領域として機能する。
次に、半導体層307を覆う第1レジストマスクを除去する。そして、半導体層305を覆う第2レジストマスクを形成した後、該第2レジストマスク及びゲート電極312をマスクとしてp型を付与する不純物元素を半導体層307に添加する。半導体層307には、ゲート電極312をマスクとして、自己整合的にチャネル形成領域320と、一対のp型不純物領域322と、が形成される。p型不純物領域322は、ソース領域又はドレイン領域として機能する。そして、半導体層305を覆う第2レジストマスクを除去する。なお、ここではn型を付与する不純物元素を先に添加する例について説明したが、不純物元素の添加順序は特に限定されない。
また、半導体層305、半導体層307には、LDD領域として機能する低濃度不純物領域を形成してもよい。低濃度不純物領域は、チャネル形成領域と、ソース領域又はドレイン領域として機能する不純物領域と、の間に位置するように形成される。例えば、半導体層に対する不純物元素の添加を行う前に、ゲート電極の側面にサイドウォール絶縁層を形成する。不純物元素を添加する際に、サイドウォール絶縁層をマスクとして用いることで、チャネル形成領域に隣接して低濃度不純物領域を形成することができる。もちろん、低濃度不純物領域形成用に新たなレジストマスクを形成し、該レジストマスクを利用して低濃度不純物領域を形成することもできる。LDD領域として機能する低濃度不純物領域を設けることで、ドレイン領域近傍の電界を緩和してホットキャリア注入による劣化を防ぐことができる。
次に、半導体層305、半導体層307に添加した不純物元素の活性化、又は半導体層の水素化を行う。不純物元素の活性化や半導体層の水素化は、レーザビームの照射、ファーネスアニール炉やRTAを用いた熱処理などにより行う。したがって、ゲート電極310、ゲート電極312、及び第1の電極314は、不純物元素の活性化や半導体層の水素化のための処理温度に耐えうる材料を用いる。なお、本形態ではタングステン層を用いてゲート電極310、ゲート電極312、及び第1の電極314を形成している。タングステンは高融点金属であり、活性化や水素化のための処理温度に十分耐えることができる。
次に、ゲート電極310、ゲート電極312、及び第1の電極314を覆う層間絶縁層324を形成する。層間絶縁層324は、スパッタリング法やCVD法などにより、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化窒化シリコン、又は窒化酸化シリコンなどの無機絶縁材料を用いて形成する。なお、層間絶縁層324は、単層構造でもよいし、積層構造としてもよい。また、層間絶縁層324は、隣接するアンチフューズ同士を絶縁する隔壁としても機能する。
また、層間絶縁層324は、塗布法で形成できる耐熱性の高いシロキサン樹脂を用いて形成することもできる。なお、シロキサン樹脂とは、Si−O−Si結合を含む樹脂に相当する。シロキサンは、シリコン(Si)と酸素(O)との結合で骨格構造が構成され、置換基として、有機基(例えばアルキル基、アリール基)やフルオロ基を用いても良い。有機基は、フルオロ基を有していても良い。
次に、層間絶縁層324及びゲート絶縁層308を選択的にエッチングして、開口を形成する。エッチングの際は、開口を形成しない場所をレジストマスクで覆っておけばよい、また、エッチングは、ドライエッチング法又はウェットエッチング法を適用すればよく、或いはこれらのエッチング法を組み合わせて行えばよい。エッチング後、不要となったレジストマスクは除去する。ここでは、半導体層305に形成された不純物領域318に達する開口と、半導体層307に形成された不純物領域322に達する開口と、第1の電極314に達する開口を形成する。第1の電極314に達する開口としては、後にアンチフューズの抵抗材料層と第2の電極を形成する第1の開口と、第1の電極314と電気的に接続する配線を形成する第2の開口と、を形成する。また、図示しないが、ゲート電極310、ゲート電極312に達する開口も形成する。このエッチング工程で形成する第1の電極314に達する第1の開口のサイズは、開口底面の直径を約1μm〜約6μmとする。ただし、第1の開口の直径が大きいほど消費電流が増大するため、第1の開口は小さいほうが好ましい。なお、開口のサイズは直径で示しているが、開口の上面形状は円形に限定されず、楕円、矩形でもよい。
なお、半導体層に達する開口と、ゲート電極に達する開口と、第1の電極に達する開口と、は、適宜エッチング条件を調節することで、1回のエッチングで形成することができる。
次に、第1の電極314に達する第1の開口を覆うように抵抗材料層を形成する。ここでは、抵抗材料層として、酸化窒化シリコン層326と、アモルファスシリコン層328と、の積層構造を形成する。酸化窒化シリコン層326は、CVD法やスパッタリング法により、膜厚1nm乃至20nm、好ましくは1nm乃至15nmで形成する。また、アモルファスシリコン層328は、CVD法やスパッタリング法により、膜厚1nm乃至200nm、好ましくは5nm乃至100nmで形成する。抵抗材料層としては、電気信号を与えることにより高抵抗状態から低抵抗状態へと変化する層を形成すればよく、単層構造としても積層構造としてもよい。
次に、基板全面にスパッタリング法により導電層を形成した後、該導電層を選択的にエッチングして、導電層330、導電層332、導電層334を形成する。また、メモリ部392に形成するアンチフューズの他方の電極として機能する第2の電極338と、第3の電極336と、アンテナ部394の接続電極340と、を、導電層330〜導電層334と同一工程で形成する。導電層330〜導電層334は、駆動回路部390に形成される薄膜トランジスタのソース電極又はドレイン電極として機能する。なお、導電層332は、半導体層305と半導体層307とを電気的に接続させる配線としても機能する。アンテナ部394に形成される接続電極340は、後に形成されるアンテナと電源形成回路とを電気的に接続させる電極である。
導電層330〜導電層334、第3の電極336、第2の電極338、及び接続電極340を構成する導電層は、上述のゲート電極を形成する材料から適宜選択すればよい。ここでは、膜厚50nm〜200nmのチタン層と、膜厚100nm〜400nmのアルミニウム層と、膜厚50nm〜200nmのチタン層との3層積層構造を形成する。第2の電極338を形成するチタン層は、抵抗材料層を形成するアモルファスシリコン層328と接する。
メモリ部392に形成される第3の電極336は、第1の電極314と電気的に接続させて配線を引き回すことで、消費電力の低減を図っている。アクティブ型のメモリとする場合、第3の電極336は、第1の電極314と、アンチフューズを制御するスイッチング素子(例えば薄膜トランジスタ)と、を電気的に接続させる役割を果たす。また、パッシブ型のメモリとする場合、第1の電極314をストライプ状(帯状)に並列させ、第1の電極314と直交するように第2の電極338をストライプ状に並列させればよい。パッシブ型のメモリとする場合、第3の電極336は第1の電極314の端部に設けて引き出し電極とする。
本形態では、導電層330〜導電層334、第3の電極336、第2の電極338、接続電極340をチタン層とアルミニウム層との積層構造で形成する例を示している。導電層330〜導電層334、第3の電極336、第2の電極338、接続電極340を構成する導電層としてチタン層を用いると、他の導電材料との接触抵抗を低くすることができる。さらに、導電層330〜導電層334、第3の電極336、第2の電極338、接続電極340を構成する導電層としてアルミニウム層を用いることで配線抵抗値を低くすることができる。導電層330〜導電層334、第3の電極336、第2の電極338、接続電極340は、駆動回路部の引き回し配線や、メモリ部の引き回し配線や、アンテナ部の接続部分としても用いられるため、接触抵抗および配線抵抗値を低くすることができるチタン層とアルミニウム層の積層構造を用いることは有用である。
以上により、駆動回路部390にnチャネル型薄膜トランジスタ331、pチャネル型薄膜トランジスタ333が形成される。駆動回路部390に形成されたnチャネル型薄膜トランジスタ331及びpチャネル型薄膜トランジスタ333は、導電層332を介して電気的に接続されており、CMOS回路を構成している。なお、駆動回路部390には、薄膜トランジスタの他に、抵抗やコンデンサなどを同時に作製してもよい。
メモリ部392にはアンチフューズ339が形成される。アンチフューズ339は、薄膜トランジスタのゲート電極310及びゲート電極312と同一工程で形成される第1の電極314と、薄膜トランジスタのソース電極又はドレイン電極として機能する導電層330〜導電層334と同一工程で形成される第2の電極338と、からなる一対の電極間に、抵抗材料層として酸化窒化シリコン層326とアモルファスシリコン層328との積層構造が挟持されている。
次に、導電層330〜導電層334、第3の電極336、第2の電極338、及び接続電極340上を覆うように絶縁層342を形成する。絶縁層342は、無機絶縁材料、有機絶縁材料、又はこれらの材料を組み合わせて単層又は積層して形成すればよい。
次に、絶縁層342を選択的にエッチングして、開口を形成する。エッチングの際は、開口を形成しない場所をレジストマスクで覆っておけばよい。エッチングは、ドライエッチング法又はウェットエッチング法を適用すればよく、或いはこれらのエッチング法を組み合わせて行えばよい。エッチング後、不要となったレジストマスクは除去する。ここでは、メモリ部392に形成された第1の電極314と電気的に接続する第3の電極336に達する開口と、アンテナ部394に形成された接続電極340に達する開口と、を形成する。なお、後に形成するアンテナとの電気的な接続を確実に行うため、接続電極340に達する開口は比較的大きい直径を有するもの、又は接続電極340に達する開口を複数形成する。エッチング後、不要となったレジストマスクは除去する。
次に、接続電極340に達する開口を覆うように導電層346を形成する。導電層346を形成することで、後に形成されるアンテナと接続電極340との密着性を向上させることができる。また、第3の電極336に達する開口を覆うように導電層344を形成する。導電層346及び導電層344は、同一工程で形成し、例えばチタン、銅、アルミニウムなどを用いて形成することができる。また、導電層346及び導電層344は、インクジェット法などにより所望の場所に選択的に形成することもできるし、スパッタリング法により基板全面に導電層を形成した後、該導電層を選択的にエッチングして所望の形状に加工して形成することもできる。
次に、アンテナ部394に形成された導電層346上にアンテナ348を形成する。ここまでで形成された絶縁層306からアンテナ348までを素子層360とする。
アンテナ348は、スパッタリング法、又はスクリーン印刷法或いはインクジェット法などの印刷法で形成することができる。アンテナ348を印刷法で形成する場合、粒径が数nm〜数10nmの導電体粒子を有機樹脂に分散させた導電性ペーストを選択的に印刷した後、電気抵抗値を低減するための焼成を行って、アンテナ348を形成する。
導電体粒子としては、銀、金、銅、ニッケル、白金、パラジウム、タンタル、モリブデン、又はチタンから選ばれた少なくとも1つ以上の金属粒子やハロゲン化銀の微粒子、又は分散性ナノ粒子を用いることができる。また、導電性ペーストに含まれる有機樹脂は、バインダー、溶媒、分散剤および被覆材として機能する有機樹脂から選ばれた一つまたは複数を用いることができる。代表的には、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂等の有機樹脂が挙げられる。また、アンテナ348を形成する場合、導電性ペーストを押し出した後に焼成することが好ましい。例えば、導電性ペーストの材料として、銀を主成分とする微粒子(例えば粒径1nm以上100nm以下)を用いる場合、150℃〜300℃の温度範囲で焼成することで硬化させてアンテナ348として機能する導電層を得ることができる。また、導電体粒子として、はんだや鉛フリーのはんだを主成分とする微粒子を用いてもよく、この場合は粒径20μm以下の微粒子を用いることが好ましい。はんだや鉛フリーはんだは、低コストであるといった利点を有している。
なお、アンテナ348の形状は、特に限定されない。アンテナ348に適用する信号の伝送方式は、電磁結合方式、電磁誘導方式又はマイクロ波方式等を用いることができる。伝送方式は、実施者が適宜使用用途を考慮して選択すればよく、伝送方式に伴って最適な長さや形状のアンテナを設ければよい。
例えば、伝送方式として、電磁結合方式又は電磁誘導方式(例えば、13.56MHz帯)を適用する場合には、電界密度の変化による電磁誘導を利用するため、アンテナとして機能する導電層を輪状(例えば、ループアンテナ)又はらせん状(例えば、スパイラルアンテナ)に形成する。
また、伝送方式としてマイクロ波方式(例えば、UHF帯(860〜960MHz帯)、2.45GHz帯等)を適用する場合には、信号の伝送に用いる電波の波長を考慮してアンテナとして機能する導電層の長さや形状を適宜設定すればよい。例えば、線状(例えば、ダイポールアンテナ)、平坦な形状(例えば、パッチアンテナ)等に形成することができる。また、アンテナとして機能する導電層の形状は線状に限られず、電磁波の波長を考慮して曲線状や蛇行形状またはこれらを組み合わせた形状で設けてもよい。
アンテナの形状の一例を図13(A)、図13(B)、図13(C)、図13(D)、および図13(E)に示す。例えば、図13(A)に示すように駆動回路及びメモリ部391aの周りに一面のアンテナ348aを配した構造を取っても良い。また、図13(B)に示すように、細いアンテナ348bが駆動回路及びメモリ部391bの周囲を囲うように配した構造をとってもよい。また、図13(C)に示すように駆動回路及びメモリ部391cに対して、高周波数の電磁波を受信するためのアンテナ348cのような形状をとってもよい。また、図13(D)に示すよう駆動回路及びメモリ部391dに対して180度無指向性(どの方向からでも同じく受信可能)なアンテナ348dのような形状をとってもよい。また、図13(E)に示すように、駆動回路及びメモリ部391eに対して、棒状に長く伸ばしたアンテナ348eのような形状をとってもよい。図10に示すアンテナ348は図13(A)〜図13(E)に示す形状のアンテナを組み合わせて用いることができる。
また、アンテナに必要な長さは受信に用いる周波数によって異なる。例えば周波数が2.45GHzの場合、半波長ダイポールアンテナを設けるなら約60mm(1/2波長)、モノポールアンテナを設けるなら約30mm(1/4波長)とすれば良い。
なお、駆動回路及びメモリ部391a〜391eは、図10に示す駆動回路部390及びメモリ部392の両領域を含む領域に相当する。
次に、図10(A)に示す剥離層304の界面又は剥離層304の層内で剥離を行い、素子層360を基板302から剥離する。
ここで、素子層360の剥離方法について、以下に列挙する。(1)基板302と素子層360との間に剥離層304として金属層と金属酸化物(或いは金属窒化物)を含む層の積層構造を設け、当該金属酸化物を含む層を結晶化させることで脆弱化して、素子層360を基板302から物理的に剥離する方法、(2)基板302と素子層360との間に剥離層304として金属層と金属酸化物(或いは金属窒化物)を含む層の積層構造を設け、当該金属酸化物を含む層を結晶化させることで脆弱化し、剥離層304の一部を溶液やNF、BrF、ClF等のフッ化ハロゲンガスによりエッチング除去した後、素子層360を基板302から物理的に剥離する方法、(3)基板302と素子層360との間に、水素を含むアモルファスシリコンにより剥離層304を形成し、当該剥離層304にレーザビームを照射して水素ガスを放出させることで、素子層360から基板302を剥離する方法、(4)基板302と素子層360との間にアモルファスシリコンを用いて剥離層304を形成し、当該剥離層304を溶液やフッ化ハロゲンガスによりエッチング除去して剥離する方法、(5)素子層360が形成された基板302を機械的に削る、又は基板302を溶液やフッ化ハロゲンガスによりエッチング除去して剥離する方法、(6)素子層360において薄膜トランジスタ、アンチフューズ、アンテナなどが形成されていない場所に、レーザビームを照射して剥離層304に達する開口を形成した後、該開口をきっかけとして素子層360を基板302から物理的に剥離する方法などが挙げられる。上述の剥離方法(1)、(2)について、金属酸化物層又は金属窒化物層としては、剥離層として形成した金属層上に絶縁層を形成する際に形成された金属酸化物層又は金属窒化物層を適用することができる。また、剥離方法(6)について、剥離層304に達する開口を形成した後、該開口を通して剥離層304の一部を溶液やフッ化化合物ガスによりエッチング除去してから物理的に剥離してもよい。
図10(B)に示すように、第1のシート350及び第2のシート370により素子層360を封止する。第1のシート350及び第2のシート370としては、プラスチックフィルム、紙、薄いセラミック、又は炭素繊維やガラス繊維の織物に樹脂を染みこませたシート(プリプレグともいわれる)などを用いることができる。第1のシート350及び第2のシート370は、エポキシ樹脂などの接着層を用いて接着することができる。素子層360を封止する第1のシート350及び第2のシート370として可撓性を有する材料を用いることで、得られる半導体装置を無線チップとして、物品の曲面などに貼り付けることも可能となる。
また、素子層360を剥離、封止する順序は、(1)基板302から素子層360を剥離した後、素子層360のアンテナ側に第1のシート350、素子層360の基板302を剥離した側に第2のシート370を接着する、(2)素子層360のアンテナ側に第1のシート350を接着した後、基板302から素子層360を剥離し、素子層360の基板302を剥離した側に第2のシート370を接着する、(3)アンテナ348を形成する前に、絶縁層306から導電層344及び導電層346までの層を基板302から剥離した後、アンテナ348を形成し、第1のシート350、第2のシート370を接着する、などが挙げられ、実施者が適宜変更することが可能である。
以上により、同一基板上にアンチフューズ型のメモリと薄膜トランジスタで構成される駆動回路とアンテナとが形成された無線チップである半導体装置を作製することができる。
本形態で示す無線チップにおいて、メモリ部392に形成されるアンチフューズ339は、初期状態である「第1の状態」、又は書き込み状態である「第2の状態」或いは「第3の状態」の3状態から選ばれた1つの状態を取る。もちろん、作製時のアンチフューズ339は初期状態(第1の状態)であり、該初期状態(第1の状態)のアンチフューズ339に対し、書き込み回路により書き込み電圧を印加することで、「第2の状態」又は「第3の状態」に適宜変化させることができる。「第2の状態」と「第3の状態」は、「第1の状態」のアンチフューズ339に書き込みを行うことにより得られる。「第2の状態」と「第3の状態」は異なる書き込み状態であり、それぞれ対応する書き込み回路により書き込むことができる。「第1の状態」、「第2の状態」、「第3の状態」は、それぞれ電気抵抗値が異なり、初期状態である「第1の状態」の電気抵抗値が最も高い。なお、「第1の状態」に書き込み動作を行い、得られた「第2の状態」は、再度書き込みを行おうとしても「第3の状態」、「第1の状態」に変化することはない。また、「第1の状態」に書き込み動作を行い、得られた「第3の状態」は、再度書き込みを行おうとしても「第2の状態」、「第1の状態」に変化することはない。なお、上述したようにメモリ部392は複数のアンチフューズにより構成されており、メモリ部392のアンチフューズにはブロック単位でデータの書き込みが行われる。また、メモリ部392のアンチフューズは、ブロック単位で書き込み済みか未書き込みかが区別される。未書き込みのブロックには「第1の状態」であるアンチフューズが存在し、書き込み済みのブロックには「第2の状態」又は「第3の状態」であるアンチフューズのみ配置され、「第1の状態」であるアンチフューズは存在しない。書き込み済みのブロックでは、「第2の状態」であるアンチフューズと、「第3の状態」であるアンチフューズと、を2値データ”0”と”1”に対応させて記録する。上述のように「第2の状態」であるアンチフューズに再度書き込みを行ったとしても「第3の状態」、「第1の状態」へは変化せず、且つ「第3の状態」であるアンチフューズに再度書き込みを行ったとしても「第2の状態」、「第1の状態」へは変化しないため、本半導体装置の一例である無線チップは、書き込んだデータが改ざんされる恐れがない。なお、アンチフューズを「第2の状態」又は「第3の状態」に変化させる書き込みは、適宜書き込み回路を選択して書き込み動作を行えばよい。また、データの書き込みや、書き込み済みと未書き込みとの区別は、メモリセル単位で行ってもよい。
なお、本形態において、無線チップとして提供する段階で、全てのアンチフューズに書き込みを行うことにより「第2の状態」又は「第3の状態」に変化させ、”0”及び”1”を固定しデータを書き込んだROMとしてもよい。或いは、無線チップとして提供する段階では、全てのアンチフューズを初期状態である「第1の状態」とし、随時書き込みを行うことにより「第2の状態」又は「第3の状態」に変化させて”0”及び”1”を固定しデータを書き込む構成としてもよい。さらには、無線チップとして提供する段階で、未書き込みのブロックと書き込み済みのブロックが存在させ、一部には既にデータの書き込みが行われ、さらに追記を行うことができるメモリとしてもよい。
つまり、本形態に係る無線チップは、提供する段階でデータが書き込まれており新たなデータを書き込むことができないチップとしてもよいし、提供する段階では全くデータが書き込まれておらず随時新たなデータを書き込むチップとしてもよいし、一部データが書き込まれており随時新たなデータを書き込むチップとしてもよい。
いずれにしても、本形態に係る無線チップは、一度書き込んだデータの書き換えは不可能であり、データの改ざんを防止できる。
なお、本実施の形態は、他の実施の形態及び実施例と自由に組み合わせることができる。
本実施例では、アンチフューズ型のメモリを具備するアクティブマトリクス型の半導体装置の作製方法について、図11(A)〜図11(D)及び図12(A)〜図12(C)を用いて以下に説明する。ここでは、同一基板上にロジック回路部550と、メモリ部552と、アンテナ部及び電源部554と、を設けた半導体装置である無線チップを作製する一例を示す。ロジック回路部550は薄膜トランジスタを用いた回路が集積されている。メモリ部552は複数のアンチフューズによりメモリが構成されている。なお、便宜上、ロジック回路部550を構成する2つの薄膜トランジスタ、メモリ部552を構成する1つのアンチフューズ及び1つの薄膜トランジスタ、並びにアンテナ部及び電源部554を構成する1つの容量及び1つの薄膜トランジスタの断面図を示している。
まず、基板501上に剥離層となる金属層502を形成する。基板501としてはガラス基板を用いる。また、金属層502としては、スパッタリング法により得られる30nm〜200nmのタングステン層、窒化タングステン層、またはモリブデン層を用いる。
次に、金属層502の表面を酸化させて金属酸化物層を形成する。金属酸化物層の形成方法は、純水やオゾン水を用いて金属層502表面を酸化して形成してもよいし、酸素プラズマで金属層502表面を酸化して形成してもよい。また、酸素を含む雰囲気で加熱を行うことで金属酸化物層を形成してもよい。また、金属酸化物層は、後の剥離層となる金属層502上に形成する絶縁層の形成工程で形成してもよい。例えば、絶縁層として酸化シリコン層や酸化窒化シリコン層をプラズマCVD法で形成する際に、金属層502表面が酸化されて金属酸化物層が形成される。なお、ここでは金属酸化物層は図示しない。
次に、金属層502上に第1絶縁層503を形成する。第1絶縁層503としては、酸化シリコン層、窒化シリコン層または酸化窒化シリコン層等の絶縁層を形成する。第1絶縁層503の一例としては、プラズマCVD法によりSiH、NH、及びNOを反応ガスとして成膜される膜厚50nm〜100nmの窒化酸化シリコン層と、SiH、及びNOを反応ガスとして成膜される膜厚100nm〜150nmの酸化窒化シリコン層と、の2層の積層構造が挙げられる。また、第1絶縁層503を積層構造とする場合、少なくとも1層は膜厚10nm以下の窒化シリコン層、或いは酸化窒化シリコン層を形成することが好ましい。また、窒化酸化シリコン層と、酸化窒化シリコン層と、窒化シリコン層とを順次積層した3層構造を形成してもよい。第1絶縁層503は下地絶縁層として機能するが、特に必要なければ設けなくともよい。また、剥離層(ここでは金属層502)と基板との間に、酸化シリコン層や窒化シリコン層などの下地絶縁層を設けてもよい。
次に、第1絶縁層503上に半導体層を形成する。半導体層は、アモルファス構造を有する半導体層をLPCVD法或いはプラズマCVD法などのCVD法、又はスパッタリング法により成膜した後、結晶化を行って得られた結晶質半導体層を選択的にエッチングして所望の形状に加工する。結晶化方法としては、レーザ結晶化法、RTA又はファーネスアニール炉を用いた熱結晶化法、ニッケルなどの結晶化を助長する金属元素を用いる結晶化法などを用いればよい。なお、半導体層をプラズマCVD法により成膜すれば、第1絶縁層503及びアモルファス構造を有する半導体層を大気に触れることなく連続成膜することができる。半導体層は、膜厚25nm〜80nm(好ましくは30nm〜70nm)で形成する。半導体層の材料は特に限定されないが、好ましくはシリコン又はシリコンゲルマニウムなどで形成する。
また、アモルファス構造を有する半導体層の結晶化には連続発振のレーザを利用することもできる。アモルファス構造を有する半導体層の結晶化に際し、大粒径の結晶を得るためには、連続発振が可能な固体レーザを用い、該固体レーザの第2高調波〜第4高調波を適用するのが好ましい。代表的には、Nd:YVOレーザ(基本波1064nm)の第2高調波(532nm)や第3高調波(355nm)を適用すればよい。連続発振のレーザを用いる場合には、発振器の出力が10Wである連続発振のYVOレーザから射出されたレーザビームを非線形光学素子により高調波に変換する。また、共振器の中にYVO結晶と非線形光学素子を入れて、高調波を射出する方法もある。そして、好ましくは光学系により照射面にて矩形状または楕円形状のレーザビームに成形して、被処理体に照射する。このときのエネルギー密度は0.01MW/cm〜100MW/cm程度(好ましくは0.1MW/cm〜10MW/cm)が必要である。そして、10cm/sec〜2000cm/sec程度の速度で、レーザビームに対して相対的に半導体層を移動させて照射すればよい。
なお、必要があれば、後に完成する薄膜トランジスタのしきい値を制御するために、微量な不純物元素(ボロンまたはリン)を半導体層に対して添加する。ここでは、ジボラン(B)を質量分離しないでプラズマ励起したイオンドープ法を用いてボロンを添加する。
次に、フッ酸を含むエッチャントで半導体層表面の酸化膜を除去すると同時に半導体層の表面を洗浄する。そして、半導体層を覆う第2絶縁層を形成する。第2絶縁層はCVD法またはスパッタリング法を用い、膜厚を1nm〜200nmとする。好ましくは膜厚を10nm〜50nmと薄くしたシリコンを含む絶縁層の単層または積層構造を形成した後に、マイクロ波により励起されたプラズマを用いて表面窒化処理を行う。第2絶縁層は、後に形成される薄膜トランジスタのゲート絶縁層として機能する。
なお、後に容量とする領域の半導体層を導電体として機能させるため、高濃度の不純物元素(ボロンまたはリン)を半導体層に対して添加する。このとき、容量とする領域以外はレジストマスクで覆っておけばよい。
次に、第2絶縁層上にゲート電極504、ゲート電極505、ゲート電極506、ゲート電極507、ゲート電極508、及びアンチフューズの下部電極となる第1の電極509を形成する。スパッタリング法により得られた膜厚100nm〜500nmの導電層を選択的にエッチングして、所望の形状に加工してゲート電極504〜ゲート電極508、及び第1の電極509を得る。
ゲート電極504〜ゲート電極508、及び第1の電極509の材料としては、タングステン、チタン、アルミニウム、ニッケル、クロム、モリブデン、タンタル、コバルト、ジルコニウム、バナジウム、パラジウム、ハフニウム、白金、鉄などの単体、又はこれらの合金或いは化合物から選ばれる材料の単層、又は積層構造で形成する。好ましくはシリコンと反応してシリサイド形成する材料を用いる。ただし、薄膜トランジスタのゲート電極としては高融点金属が好ましく、具体的にはタングステンまたはモリブデンが挙げられる。ゲート電極504〜508、及び第1の電極509を積層構造とする場合には、上層となる材料層が上述した材料であればよく、ゲート絶縁層側である下層となる材料層は、リン等の不純物元素を添加したポリシリコン層としてもよい。
次に、pチャネル型薄膜トランジスタとする領域の半導体層を覆うようにレジストマスクを形成し、nチャネル型薄膜トランジスタとする領域の半導体層にゲート電極505、ゲート電極506、ゲート電極507、ゲート電極508をマスクとして不純物を導入することにより低濃度不純物領域を形成する。不純物元素としては、n型を付与する不純物元素又はp型を付与する不純物元素を用いることができる。n型を示す不純物元素としては、リン(P)やヒ素(As)等を用いることができる。ここでは、nチャネル型薄膜トランジスタとする領域の半導体層にリンを1×1015/cm〜1×1019/cmの濃度で含まれるように導入することによりn型を示す不純物領域を形成する。
次に、レジストマスクを除去して、nチャネル型薄膜トランジスタとする領域の半導体層を覆うようにレジストマスクを形成し、pチャネル型薄膜トランジスタとする領域の半導体層にゲート電極504、ゲート電極508をマスクとして不純物元素を導入することによりp型を示す不純物領域を形成する。p型を示す不純物元素としては、ボロン(B)やアルミニウム(Al)やガリウム(Ga)等を用いることができる。ここでは、pチャネル型薄膜トランジスタとする領域の半導体層にボロン(B)を1×1019/cm〜1×1020/cmの濃度で含まれるように導入することによって、p型を示す不純物領域を形成することができる。その結果、pチャネル型薄膜トランジスタとする領域の半導体層に、自己整合的にチャネル形成領域516a及び一対のp型不純物領域514aと、チャネル形成領域516b及び一対のp型不純物領域514bが形成される。p型不純物領域514a、514bは、ソース領域又はドレイン領域として機能する。
次に、ゲート電極504〜ゲート電極508、及び第1の電極509の側面にサイドウォール絶縁層510、サイドウォール絶縁層511を形成する。サイドウォール絶縁層510、サイドウォール絶縁層511の作製方法としては、まず、第2絶縁層、ゲート電極504〜ゲート電極508、及び第1の電極509を覆うように、プラズマCVD法やスパッタリング法等により、シリコン、シリコンの酸化物、又はシリコンの窒化物を含む層や、有機樹脂等の有機材料を含む層を単層又は積層して第3絶縁層を形成する。次に、第3絶縁層を、垂直方向を主体とした異方性エッチングにより選択的にエッチングすることによって、ゲート電極504〜ゲート電極508、及び第1の電極509の側面に接する絶縁層(サイドウォール絶縁層510、サイドウォール絶縁層511)を形成する。なお、サイドウォール絶縁層510の形成と同時に、第2絶縁層の一部をエッチングして除去する。第2絶縁層の一部が除去されることによって、ゲート電極504〜508及びサイドウォール絶縁層510の下方にゲート絶縁層512が形成される。また、第2絶縁層の一部が除去されることによって、第1の電極509の下方及びサイドウォール絶縁層511の下方に絶縁層513が残存する。
次に、pチャネル型薄膜トランジスタとする領域の半導体層を覆うようにレジストマスクを形成し、nチャネル型薄膜トランジスタとする領域の半導体層にゲート電極505、ゲート電極506、ゲート電極507及びサイドウォール絶縁層510をマスクとして不純物元素を導入することにより高濃度不純物領域を形成する。不純物元素の導入後、レジストマスクは除去する。ここでは、nチャネル型薄膜トランジスタとする領域の半導体層にリン(P)を1×1019/cm〜1×1020/cmの濃度で含まれるように導入することによって、n型を示す高濃度不純物領域を形成することができる。その結果、nチャネル型薄膜トランジスタとする領域の半導体層に、自己整合的に、チャネル形成領域521a、LDD領域として機能する一対の低濃度不純物領域519a及びソース領域又はドレイン領域として機能する一対の高濃度不純物領域517aと、チャネル形成領域521c、LDD領域として機能する一対の低濃度不純物領域519c及びソース領域又はドレイン領域として機能する一対の高濃度不純物領域517cと、が形成される。同時に、容量とする領域の半導体層に、自己整合的に第1不純物領域521bと、第2不純物領域519bと、第3不純物領域517bと、が形成される。第1不純物領域521bは、ゲート絶縁層を介してゲート電極506と重なる領域に形成される。なお、第1不純物領域521bには、ゲート電極506を形成する前までに、選択的に高濃度の不純物元素が添加されている。したがって、第1不純物領域521bは、チャネル形成領域521a及びチャネル形成領域521cよりも不純物濃度が大きくなっている。なお、LDD領域として機能する低濃度不純物領域519a及び低濃度不純物領域519c、並びに第2不純物領域519bは、サイドウォール絶縁層510の下方に形成される。
なお、ここでは、nチャネル型薄膜トランジスタに含まれる半導体層にLDD領域を形成し、pチャネル型薄膜トランジスタに含まれる半導体層にLDD領域を設けない構造を示したが、もちろんこれに限られず、nチャネル型薄膜トランジスタ及びpチャネル型薄膜トランジスタの両方の半導体層にLDD領域を形成してもよい。
次に、スパッタリング法、LPCVD法、またはプラズマCVD法等を用いて、水素を含む第4絶縁層522を成膜した後、半導体層に添加された不純物元素の活性化処理および水素化処理を行う。不純物元素の活性化処理および水素化処理は、炉での熱処理(300℃〜550℃で1時間〜12時間の熱処理)または、ランプ光源を用いたRTA法を用いる。水素を含む第4絶縁層522は、例えばプラズマCVD法により得られる窒化酸化シリコン層を用いる。ここでは、水素を含む第4絶縁層522の膜厚は、50nm〜200nmとする。加えて、結晶化を助長する金属元素、代表的にはニッケルを用いて半導体層を結晶化させている場合、活性化と同時にチャネル形成領域におけるニッケルの低減を行うゲッタリングをも行うことができる。なお、水素を含む第4絶縁層522は、層間絶縁層の1層目である。
次に、スパッタリング法、LPCVD法、またはプラズマCVD法等を用いて層間絶縁層の2層目となる第5絶縁層523を形成する。第5絶縁層523としては、酸化シリコン層、窒化シリコン層または酸化窒化シリコン層などの絶縁層の単層または積層を用いる。ここでは第5絶縁層523の膜厚は300nm〜800nmとする。
次に、第5絶縁層523上にレジストマスクを形成し、選択的に第4絶縁層522及び第5絶縁層523をエッチングして第1の電極509に達する第1の開口520を形成する。そして、エッチング後にレジストマスクを除去する。第1の開口520の直径は、約1μm〜約6μmとすればよく、本実施例では、第1の開口520の直径を2μmとする。
ここまでの工程を経た半導体装置の断面図が図11(A)に相当する。
次に、スパッタリング法、LPCVD法、またはプラズマCVD法等を用いて、酸化窒化シリコン層とアモルファスシリコン層を積層形成する。本実施例では、プラズマCVD法を用いて、膜厚3nm〜5nmの酸化窒化シリコン層と、膜厚30nmのアモルファスシリコン層と、を順に積層形成する。次に、レジストマスクを形成し、選択的にアモルファスシリコン層と酸化窒化シリコン層をエッチングして、第1の開口520と重なる酸化窒化シリコン層524a、及びアモルファスシリコン層524bを形成する。酸化窒化シリコン層524a、アモルファスシリコン層524bは、アンチフューズの抵抗材料層となる。そして、エッチング後にレジストマスクを除去する。
ここまでの工程を経た半導体装置の断面図が図11(B)に相当する。
次に、レジストマスクを形成し、選択的に第4絶縁層522及び第5絶縁層523をエッチングして、半導体層に達するコンタクトホール、ゲート電極に達するコンタクトホール、第1の電極509に達する第2の開口をそれぞれ形成する。そして、エッチング後にレジストマスクを除去する。
ここまでの工程を経た半導体装置の断面図が図11(C)に相当する。
次に、フッ酸を含むエッチャントで露呈している半導体層表面、ゲート電極504表面、ゲート電極505表面、ゲート電極506表面、ゲート電極507表面、ゲート電極508表面、第1の電極509表面、及びアモルファスシリコン層524b表面の酸化膜を除去すると同時に露呈している半導体層表面、ゲート電極504表面、ゲート電極505表面、ゲート電極506表面、ゲート電極507表面、ゲート電極508表面、第1の電極509表面、及びアモルファスシリコン層524b表面を洗浄する。
次に、アンチフューズの上部電極や薄膜トランジスタのソース電極及びドレイン電極などを形成するため、スパッタリング法を用いて導電層を形成する。この導電層は、タングステン、チタン、アルミニウム、ニッケル、クロム、モリブデン、タンタル、コバルト、ジルコニウム、バナジウム、パラジウム、ハフニウム、白金、鉄などの単体、又はこれらの合金或いは化合物の単層、またはこれらの積層で形成する。ただし、導電層を積層する場合は、アンチフューズの上部電極に用いるため、アモルファスシリコン層524bと接する一層は、シリコンと反応する材料を用いることが好ましい。また、この導電層は、薄膜トランジスタのソース電極及びドレイン電極にも用いるため、薄膜トランジスタを構成する半導体層との接触抵抗値が比較的低い材料を用いることが好ましい。例えば、チタン層と、微量なシリコンを含むアルミニウム層と、チタン層との3層構造、或いはチタン層と、ニッケルと炭素を含むアルミニウム合金層と、チタン層との3層構造を用いる。本実施例では、膜厚100nmのチタン層と、膜厚350nmの純アルミニウム層と、膜厚100nmのチタン層との3層積層とする。また、本実施例では、アンチフューズの下部電極の材料としてタングステン層を用い、上部電極としてチタン層を用いた例を示したが、抵抗材料層を高抵抗から低抵抗へと変化させることが可能であれば材料は特に限定されず、アンチフューズの下部電極及び上部電極に同じ材料を用いてもよい。アンチフューズの下部電極及び上部電極に同じ材料を用いる場合、タングステン、チタン、アルミニウム、ニッケル、クロム、モリブデン、タンタル、コバルト、ジルコニウム、バナジウム、パラジウム、ハフニウム、白金、鉄などの単体、又はこれらの合金或いは化合物から選ばれる材料の単層、又は積層構造で形成する。
次に、レジストマスクを形成し、選択的に導電層をエッチングして、ソース電極またはドレイン電極として機能する導電層525、導電層526、導電層527、導電層528、導電層529、導電層530、導電層531、導電層532、導電層533、導電層534、ゲート引出配線となる配線535、配線536、配線537、配線538、配線539、メモリ部の第2の電極540及び第3の電極541、アンテナ部の第4の電極542を形成する。第2の電極540は第1の開口520と重なりアンチフューズの上部電極となる。また、第3の電極541は、第2の開口と重なり、第1の電極509と電気的に接続する。なお、ここでは図示しないが、第4の電極542は、アンテナ部及び電源部の薄膜トランジスタと電気的に接続している。そして、エッチング後にレジストマスクを除去する。
ここまでの工程を経た半導体装置の断面図が図11(D)に相当する。本実施例では、同一基板上にロジック回路部550の薄膜トランジスタと、メモリ部552の薄膜トランジスタ及びアンチフューズ560と、アンテナ部及び電源部554の薄膜トランジスタとを形成することができる。ここでは、ロジック回路部550に設けられたpチャネル型薄膜トランジスタとnチャネル型薄膜トランジスタ、メモリ部552に設けられたpチャネル型薄膜トランジスタとアンチフューズ560、アンテナ部及び電源部554に設けられた容量とnチャネル型薄膜トランジスタの断面図を示している。なお、本発明は特に限定されず、メモリ部552に設ける薄膜トランジスタはnチャネル型薄膜トランジスタとしてもよい。また、アンテナ部及び電源部554にはpチャネル型薄膜トランジスタが設けられていてもよく、ここでは便宜的に1つのnチャネル型薄膜トランジスタを示しているものとする。
次に、ロジック回路部550の薄膜トランジスタと、メモリ部552の薄膜トランジスタ及びアンチフューズと、アンテナ部及び電源部554の薄膜トランジスタを覆う第6絶縁層543を形成する。第6絶縁層543は、酸化シリコンを含む絶縁層または有機樹脂でなる絶縁層を用いることができるが、無線チップの信頼性を向上させる上では酸化シリコンを含む絶縁層を用いることが好ましい。また、後に形成するアンテナをスクリーン印刷法で形成する場合には平坦面を有していることが望ましいため、塗布法を用いる有機樹脂でなる絶縁層を用いることが好ましい。第6絶縁層543を形成する材料は、実施者が適宜選択すればよい。また、後に形成するアンテナはロジック回路部550及びメモリ部552と重なる領域まで形成されてもよい。この場合、第6絶縁層543は、アンテナとの絶縁を図る層間絶縁層としても機能する。輪状(例えば、ループアンテナ)又はらせん状のアンテナとする場合には、アンテナの両端のうち一方を下層に形成する配線で引き回すため、第6絶縁層543を設けることが好ましい。ただし、マイクロ波方式を適用し、線状(例えば、ダイポールアンテナ)、平坦な形状(例えば、パッチアンテナ)等のアンテナとする場合には、後に形成するアンテナがロジック回路部及びメモリ部と重ならないように配置できるため、第6絶縁層543は特に設けなくともよい。
次に、レジストマスクを形成し、選択的に第6絶縁層543をエッチングして、第3の電極541に達する第3の開口と、第4の電極542に達する第4の開口を形成する。そして、エッチング後にレジストマスクを除去する。
ここまでの工程を経た半導体装置の断面図が図12(A)に相当する。
次に、第6絶縁層543上に金属層を形成する。金属層としては、Ti、Ni、Auから選ばれる単層またはそれらの積層を用いる。次に、レジストマスクを形成し、選択的に金属層をエッチングして、第1の電極509の引出配線部562に引出配線544と、アンテナの下地層545を形成する。なお、ここでの引出配線544及び下地層545は、レジストマスクを用いることなく、メタルマスクを用いたスパッタリング法で選択的に形成することもできる。アンテナの下地層545を設けることで、アンテナとの接触面積を広く確保することができる。また、回路設計のレイアウトによっては、特に引出配線544を形成しなくともよい。
ここまでの工程を経た半導体装置の断面図が図12(B)に相当する。
次に、アンテナ下地層545上にアンテナ546を形成する。アンテナ546はスパッタリング法を用いてAlまたはAgなど金属層を形成した後、選択的にエッチングして所望の形状に加工する方法、或いはスクリーン印刷法を用いることができる。スクリーン印刷法とは、金属あるいは高分子化合物繊維のメッシュによりなるベースに、所定のパターンが感光性樹脂にて形成されたスクリーン版上に載せたインキもしくはペーストを、スキージと呼ばれるゴム、プラスチック、或いは金属のブレードを用いて、スクリーン版の反対側に置かれたワークに転写する方法である。スクリーン印刷法は、比較的大面積でのパターン形成が低コストで実現することができるメリットを有している。
ここまでの工程を経た半導体装置の断面図が図12(C)に相当する。本実施例では、同一基板上にロジック回路部550の薄膜トランジスタと、メモリ部552の薄膜トランジスタ及びアンチフューズと、アンテナ部及び電源部554の薄膜トランジスタ及びアンテナとを形成することができる。
次に、剥離を行って金属層502及び基板501を除去する。剥離は、金属酸化物層内、第1絶縁層503と金属酸化物層の界面、又は金属酸化物層と金属層502との界面で生じさせることができ、比較的小さな力で無線チップとなる第1の絶縁層503より上層側を基板501から引き剥がすことができる。また、金属層502及び基板501を除去する際にアンテナを設ける側に固定基板を接着してもよい。
次に、複数の無線チップが形成された1枚のシートをカッター、ダイシング等により分割して個々の無線チップに切り分ける。また、剥離の際に、無線チップを一つ一つピックアップして剥離する方法を用いれば、この分断の工程は特に不要である。
次に、無線チップをシート状の基体に固定する。シート状の基体としては、プラスチック、紙、プリプレグ、セラミックシートなどを用いることができる。2枚のシート状の基体に無線チップを挟むように固定してもよいし、1枚のシート状の基体に接着層で固定してもよい。接着層としては、反応硬化型接着剤、熱硬化型接着剤、紫外線硬化型接着剤等の光硬化型接着剤、嫌気型接着剤などの各種硬化型接着剤を用いることができる。また、紙の形成途中に無線チップを配置して、1枚の紙の内部に無線チップを設けることもできる。
以上の工程を経た無線チップは、メモリ部552にアンチフューズを有し、該アンチフューズは、初期状態である「第1の状態」、又は書き込み状態である「第2の状態」或いは「第3の状態」の3状態から選ばれた1つの状態を取る。「第2の状態」と「第3の状態」は、「第1の状態」のアンチフューズに書き込みを行うことにより得られる。メモリ部552に設けられるアンチフューズは、作製時は初期状態(第1の状態)である。該初期状態(第1の状態)のアンチフューズに対し、書き込み回路により書き込み電圧を印加することで、「第2の状態」又は「第3の状態」に変化させることができる。「第2の状態」と「第3の状態」は異なる書き込み状態であり、それぞれ対応する書き込み回路により書き込むことができる。「第1の状態」、「第2の状態」、「第3の状態」は、それぞれ電気抵抗値が異なり、初期状態である「第1の状態」の電気抵抗値が最も高い。また、「第1の状態」に書き込み動作を行い、得られた「第2の状態」は、再度書き込みを行おうとしても「第3の状態」、「第1の状態」に変化することはない。また、「第1の状態」に書き込み動作を行い、得られた「第3の状態」は、再度書き込みを行おうとしても「第2の状態」、「第1の状態」に変化することはない。なお、上述したようにメモリ部552は複数のアンチフューズにより構成されており、メモリ部552のアンチフューズにはブロック単位でデータの書き込みが行われる。また、メモリ部552のアンチフューズは、ブロック単位で書き込み済みか未書き込みかが区別される。未書き込みのブロックには「第1の状態」であるアンチフューズが存在し、書き込み済みのブロックには「第2の状態」又は「第3の状態」であるアンチフューズのみ配置され、「第1の状態」であるアンチフューズは存在しない。書き込み済みのブロックでは、「第2の状態」であるアンチフューズと、「第3の状態」であるアンチフューズと、が2値データに対応することでデータが書き込まれる。上述のように、「第2の状態」又は「第3の状態」であるアンチフューズは、再度書き込みを行ったとしてもその他の状態へ変化しないため、無線チップに一度入力されたデータは改ざんされる恐れがない。また、無線チップに「第1の状態」であるアンチフューズを存在させておけば、新しいデータを入力(追記)することが可能である追記型のメモリを実現できる。なお、データの書き込みや、書き込み済みと未書き込みとの区別は、メモリセル単位で行ってもよい。
また、本実施例に係る無線チップは、当該無線チップ作製時或いは作製後に、書き込みを行うことにより全てのアンチフューズを「第2の状態」又は「第3の状態」に変化させ、2値データを固定してデータを書き込んだROMとして提供することができる。また、無線チップとして提供する段階で、「第1の状態」であるアンチフューズを備え、新しいデータを書き込み可能な追記型のメモリとすることもできる。追記型のメモリとする場合、完全に未書き込みの状態で提供してもよいし、書き込み済みのブロックと未書き込みのブロックを存在させ、一部には既にデータの書き込みが行われ、さらに追記を行うことができるメモリとしてもよい。いずれにしても、一度書き込んだデータの改ざんは不可能であり、さらに、必要に応じていつでも追記することが可能な無線チップを提供することができる。例えば、フレキシブルなシート状の基体に固定した無線チップを、曲面を有する物品に貼り付けた後、その無線チップに含まれるアンチフューズ型のメモリに対してデータの入力を行うことができる。
本実施例は、実施の形態と自由に組み合わせることができる。
本実施例では、無線チップとして機能する半導体装置の構成及び動作例について説明する。
本実施例で示す半導体装置は、非接触でデータを交信する機能を有する無線チップである。図14(A)に示す半導体装置600のブロック図はその一例であり、高周波回路601、電源回路602、リセット回路603、クロック発生回路604、データ復調回路605、データ変調回路606、他の回路の制御を行う制御回路607、メモリ回路608、及びアンテナ609で構成される。
メモリ回路608は、本発明に係るアンチフューズで構成されるメモリを有する。また、メモリ回路608は、上記実施の形態及び実施例ではメモリ回路とは別の構成として説明したメモリに書き込みを行う回路又はメモリに書き込まれたデータを読み出す回路を有する場合もある。さらに、メモリ回路608は、アンチフューズで構成されるメモリに加え、他の構成のメモリを有していてもよい。他の構成のメモリとしては、例えばDRAM、SRAM、FeRAM、PROM、EPROM、EEPROM、フラッシュメモリなどが挙げられる。なお、メモリ回路608は本発明に係るアンチフューズを備えるメモリを有しており、前記アンチフューズを備えるメモリはROMとしてもよいし、未書き込みのアンチフューズが存在するライトワンスメモリとしてもよい。なお、書き込み済みのメモリセルは「第2の状態」又は「第3の状態」のどちらかの状態のアンチフューズを備えるものとする。
高周波回路601は、アンテナ609により信号を受信する回路であり、また、データ変調回路606により受信した信号をアンテナ609から出力する回路である。電源回路602は受信信号から電源電位を生成する回路である。リセット回路603はリセット信号を生成する回路である。クロック発生回路604はアンテナ609から入力された受信信号を基に各種クロック信号を生成する回路である。データ復調回路605は受信信号を復調して制御回路607に出力する回路である。データ変調回路606は制御回路607から受信した信号を変調する回路である。また、制御回路607は、ここでは、コード抽出回路611、コード判定回路612、CRC判定回路613および出力ユニット回路614が設けられている。なお、コード抽出回路611は制御回路607に送られてきた命令に含まれる複数のコードをそれぞれ抽出する回路であり、コード判定回路612は抽出されたコードとリファレンスに相当するコードとを比較して命令の内容を判定する回路であり、CRC判定回路613は判定されたコードに基づいて送信エラー等の有無を検出する回路である。
次に、上述した半導体装置600の動作の一例について説明する。まず、アンテナ609により無線信号が受信される。無線信号は高周波回路601を介して電源回路602に送られ、高電源電位(以下、VDDと記す)が生成される。VDDは半導体装置600を構成する各種回路に供給される。また、高周波回路601を介してデータ復調回路605に送られた信号は復調される(以下、復調信号という)。さらに、高周波回路601を介してリセット回路603及びクロック発生回路604を通った信号及び復調信号は、制御回路607に送られる。制御回路607に送られた信号は、コード抽出回路611、コード判定回路612及びCRC判定回路613などによって解析される。そして、解析された信号にしたがって、メモリ回路608内にはデータが書き込まれる、又はメモリ回路608内に書き込まれた半導体装置600のデータが出力される。
例えば、メモリ回路608が有するアンチフューズを備えたメモリに、ブロック単位(或いはメモリセル単位)で書き込みを行うことができる。このとき、データを書き込むブロックのアンチフューズには必ず書き込みが行われ、該アンチフューズは初期状態である「第1の状態」から「第2の状態」、又は「第1の状態」から「第3の状態」に変化する。アンチフューズへの書き込みは、対応する書き込み回路に対し無線信号により直接命令して行ってもよいし、メモリへの書き込みを命令する回路を介して対応する書き込み回路を選択し行ってもよい。なお、既に「第2の状態」であるアンチフューズに対し、前記解析された信号にしたがって書き込みが行われたとしても、該アンチフューズは「第3の状態」、「第1の状態」へ変化することはない。また、「第3の状態」であるアンチフューズに対し、前記解析された信号にしたがって書き込みが行われたとしても、該アンチフューズは「第2の状態」、「第1の状態」へ変化することはない。したがって、一度書き込んだデータを書き換えることはできない。また、「第1の状態」であるアンチフューズを有する未書き込みブロックを存在させることで、新たなデータを書き込むことは可能である。但し、メモリ回路608が本アンチフューズで構成されるメモリ以外のメモリを具備している場合は、この限りではない。
メモリ回路608内に書き込んだデータを出力する場合は、解析された信号にしたがって、メモリ回路608内に書き込んだデータを読み出す。メモリ回路608は、本アンチフューズにより構成されたメモリを有しており、書き込み済みのブロックには「第2の状態」又は「第3の状態」であるアンチフューズによりデータが書き込まれている。本アンチフューズの読み出しは、無線信号により直接行ってもよいし、メモリに書き込まれたデータの読み出しを命令する回路を介して行ってもよい。
出力された半導体装置600のデータは、出力ユニット回路614を通って符号化される。さらに、符号化された半導体装置600のデータは、データ変調回路606を通ってアンテナ609により無線信号に変換して送信される。なお、半導体装置600を構成する各種回路において低電源電位(以下、VSSという)は共通であり、VSSはVGNDとすることができる。
このような半導体装置600は、無線信号の送受信、送信、または受信を行うことができる通信手段(例えばリーダ/ライタ、又はリーダ或いはライタのいずれかの機能を有する通信手段)を利用することで、無線信号によりデータを書き込むことができる。また、無線信号により、半導体装置600に書き込まれているデータを読み取ることができる。
なお、半導体装置600は、電源(バッテリー)を搭載せず電磁波により各種回路への電源電圧の供給を行うタイプとしてもよいし、電源(バッテリー)を搭載して電磁波と電源(バッテリー)により各種回路に電源電圧を供給するタイプとしてもよい。
次に、無線チップとして機能する本発明に係る半導体装置の使用形態の一例について説明する。図14(B)には、携帯データ端末3200と商品3220が示されている。
携帯データ端末3200は表示部3210を備えており、側面には通信手段3202を備えている。通信手段3202の例としては、信号を読み取る機能及び信号を送信する機能を備えるリーダ/ライタ、信号を読み取る機能のみを備えるリーダ、又は信号を送信する機能を備えるライタが挙げられる。
商品3220には、半導体装置600が添付されている。半導体装置600は上述した無線チップとして機能するものであり、例えば商品3220の原材料や原産地などの様々なデータを書き込んでおくことが可能である。なお、データが書き込まれたブロックは、書き込み済みとして判断されるよう、例えばフラグを立てておく。本発明に係る半導体装置600は、一度書き込んだデータの改ざんを防止した構成であるため、原材料や原産地を偽のデータに書き換えられるおそれがない。また、半導体装置600に未書き込みブロックを存在させ新たなデータを追記することは可能であり、例えば生産工程毎の検査結果や流通過程の履歴などを未書き込みブロックに書き込むことができる。この場合、生産工程毎に書き込みが行えるよう、複数の未書き込みブロックを設けておく。データが書き込まれた後の未書き込みブロックは、書き込み済みと判断されるようにする。
商品3220に添付された半導体装置600に対し、通信手段3202を具備する携帯データ端末3200をかざす。通信手段3202は半導体装置600に書き込まれたデータを読み取り、表示部3210に商品3220の原材料や原産地、生産工程毎の検査結果や流通過程の履歴などのデータを表示させることができる。
また、図14(C)に示すように、半導体装置600が添付された商品3220をベルトコンベアにより搬送する際、通信手段3240により半導体装置600のデータを読み取ることで、商品3220の検品を行うことができる。さらに、通信手段3240により半導体装置600に検品の合否をデータとして書き込むことも可能である。このように、システムに本発明に係る半導体装置を活用することで、データの取得を簡単に行うことができ、高機能化と高付加価値化を実現する。また、一度書き込んだデータの改ざんは防止されており、商品の偽装を防ぐことができる。
なお、上述した以外にも本半導体装置の用途は広範囲に渡っており、対象物の生産、流通、販売や、管理などのデータの明確化を必要とする品物であれば、どのようなものにも適用することができる。例えば、紙幣、硬貨、有価証券類、証書類、無記名債券類、包装用容器類、書籍類、記録媒体、身の回り品、荷物類、乗物類、食品類、衣類、保健用品類、生活用品類、薬品類及び電子機器等に設けて使用することができる。これらの例に関して図15を用いて説明する。なお、図15では半導体装置600として無線チップ700を設ける例を説明する。
紙幣、硬貨とは、市場に流通する金銭であり、特定の地域で貨幣と同じように通用するもの(金券)、記念コイン等を含む。有価証券類とは、小切手、証券、約束手形等を指す(図15(A)参照)。証書類とは、運転免許証、住民票等を指す(図15(B)参照)。乗物類とは、自転車等の車両、船舶等を指す(図15(C)参照)。包装用容器類とは、お弁当等の包装紙、ペットボトル等を指す(図15(D)参照)。書籍類とは、書物、本等を指す(図15(E)参照)。記録媒体とは、DVDソフト、ビデオテープ等を指す(図15(F)参照)。身の回り品とは、鞄、眼鏡等を指す(図15(H)参照)。荷物類とは、手荷物、宅配便等を指す(図15(G)参照)。無記名債券類とは、切手、おこめ券、各種ギフト券等を指す。食品類とは、食料品、飲料等を指す。衣類とは、衣服、履物等を指す。保健用品類とは、医療器具、健康器具等を指す。生活用品類とは、家具、照明器具等を指す。薬品類とは、医薬品、農薬等を指す。電子機器とは、液晶表示装置、EL表示装置、テレビジョン装置(テレビ受像機、薄型テレビ受像機)、携帯電話機等を指す。
紙幣、硬貨、有価証券類、証書類、無記名債券類等に無線チップ700を設けることにより、偽造を防止することができる。また、包装用容器類、書籍類、記録媒体等、身の回り品、食品類、生活用品類、荷物類、電子機器等に無線チップ700を設けることにより、検品システムやレンタル店のシステムなどの効率化を図ることができる。乗物類、保健用品類、薬品類、荷物類等に無線チップ700を設けることにより、偽造や盗難を防止することができる。また、薬品類ならば、薬の服用の間違いを防止することができる。無線チップ700の設け方としては、物品の表面に貼る、或いは物品に埋め込んで設ける。例えば、本の場合は紙に埋め込めばよく、有機樹脂からなるパッケージであれば有機樹脂に埋め込めばよい。また、動物等の生き物に埋め込むことによって、個々の生き物の識別を容易に行うことができる。例えば、家畜等の生き物にセンサーを備えた半導体装置を埋め込む又は取り付けることによって、生まれた年や性別または種類等はもちろん現在の体温等の健康状態を容易に管理することが可能となる。
特に、食品類のトレーサビリティに本発明が適用された無線チップを利用することは有効である。本発明が適用された無線チップは、新しいデータを書き込むことは可能であるが、一度書き込まれたデータは書き換えることができない構成となっている。したがって、食品類の生産、流通、販売などの各段階で業者が変わる場合でも、後の業者が先の業者が書き込んだデータを改ざんすることはできない。
ここで、食品のトレーサビリティに本発明が適用された無線チップを利用する一例を示す。例えば牛肉の流通に利用する例を説明する。
まず、対象となる肉牛Aが、例えば牧場Sで出生する。肉牛Aの管理者(牛の飼養者、共同哺育・育成センター、繁殖センター、肥育センターの管理者、または牧場の管理者など。ここでは牧場Sの管理者)は出生等を届出し、肉牛Aの個体識別番号を割り振られる。個体識別番号は例えば10桁の番号であり、該番号には生産地や管理者毎の特定のシリアル値が組み込まれているものとする。個体識別番号は、例えば耳標として肉牛Aに付される。
このとき、所定のブロックに個体識別番号が予め書き込まれた無線チップを耳標に組み込んでおく。耳標に組み込む無線チップとして本発明に係る半導体装置を適用することで、個体識別番号の改ざんを防ぐことができる。もちろん、個体識別番号は肉牛Aに耳標Aとして付した後に書き込んでもよいが、予め個体識別番号を書き込んだ無線チップを各個体に割り当てる方が、誤った番号を書き込み重複する個体識別番号が存在するなどを防ぐことができ、管理しやすい。
耳標に組み込む無線チップには、さらに牛名号、性別、種別、血統などを書き込むことが好ましい。よって、無線チップには複数の未書き込みブロックが存在し、該未書き込みブロックに随時必要なデータを書き込むことが好ましい。もちろん、未書き込みブロックに随時データを書き込んだ後は、書き込み済みブロックと判断されるようにしていく。耳標に組み込む無線チップに本発明を適用することで、一度書き込んだデータの改ざんを防止できる。なお、耳標に組み込まれた無線チップに書き込まれたデータの内容は、リーダ/ライタなど送受信器で読み取り、管理サーバに登録する。
また、肉牛Aがと蓄されるまでに他の管理者(肥育センターなど)などに移動した場合は、移動先などのデータを随時無線チップの未書き込みブロックに書き込むものとする。なお、無線チップに新たにデータが書き込まれた場合は、リーダ/ライタなど送受信器で読み取り、その内容を管理サーバに登録する。
肉牛Aを、例えばと蓄場Tにてと蓄し、牛肉とする。と蓄された肉牛Aは、と蓄場Tからは一般に枝肉A’として食肉加工業者などに流通していく。と蓄までに書き込まれた無線チップのデータを複製し、新たに無線チップとして、肉牛Aの枝肉A’に取り付ける。枝肉A’が複数ある場合には、全ての枝肉A’に複製した無線チップを取り付ける。もちろん複製する無線チップにも本発明を適用することで、データの改ざんを防止する。肉牛Aのと畜者(食肉処理場や食肉センターの管理者など。ここではと蓄場Tの管理者)はと蓄年月日、と蓄場所などを枝肉A’に取り付ける無線チップの未書き込みブロックに書き込む。もちろん、複製した無線チップにと蓄年月日などのデータを書き込んだ後に、対象となる枝肉A’に無線チップを取り付けてもよい。また、枝肉A’の等級や重量、出荷相手先や出荷日なども未書き込みブロックに書き込む。なお、無線チップに書き込まれたデータの内容は、リーダ/ライタなど送受信器で読み取り、管理サーバに登録する。
枝肉A’を、例えば食品加工業者Uが部分肉A”へと加工する。加工された枝肉A’は、食肉加工業者Uからは複数の部分肉A”として小売業者や特定料理提供業者などに流通していく。枝肉A’に取り付けられていた無線チップのデータを複製し、各部分肉A”に取り付ける。もちろん、複製する無線チップにも本発明を適用することで、データの改ざんを防止する。枝肉A’の加工者(ここでは食肉加工業者U)は、部分肉A”の重量、仕入れの相手先、仕入れ年月日、販売相手先や販売日などを未書き込みブロックに書き込む。なお、無線チップに書き込まれたデータの内容は、リーダ/ライタなど送受信器で読み取り、管理サーバに登録する。
そして、部分肉A”を、例えば小売業者Vが精肉A’’’に加工し、消費者Wへ販売する。小売業者Vは部分肉A”に取り付けられていた無線チップのデータを複製し、さらに複製した無線チップの未書き込みブロックに仕入れの相手先や仕入れ年月日などを書き込んで、各精肉A’’’を販売する際に取り付ける。もちろん、複製する無線チップにも本発明を適用することで、データの改ざんを防止する。無線チップに書き込まれたデータの内容は、リーダ/ライタなど送受信器で読み取り、管理サーバに登録する。このように、牧場S〜小売業者Vの流通過程で、未書き込みブロックに随時データを書き込んでいくことができる。また、データを書き込んだ後は書き込み済みブロックと判断されるようにするため、データが改ざんされる恐れがない。
精肉A’’’を購入した、或いは購入を検討している消費者Wは、小売店頭などに設置されている情報閲覧システムを利用して、該精肉A’’’に取り付けられている無線チップの書き込み済みブロックに書き込まれているデータを閲覧することができる。情報閲覧システムとしては、例えば無線チップに書き込まれているデータをリーダ/ライタなどの送受信器で読み取り、該送受信機及び管理サーバと連動したパーソナルコンピュータに書き込み済みブロックに書き込まれたデータを表示させるようにすることができる。
ここで説明する肉牛および牛肉のトレーサビリティには、本発明を適用した無線チップが利用されている。本発明は、一度書き込んだデータの改ざんを防止できる。よって、肉牛および牛肉のトレーサビリティのように各段階で管理者などが異なる生産・流通過程に適用した場合、管理者が変わった場合に前段階のデータを書き換えるなどを防止することができる。上述の例であれば、小売業者Vが出生地などの原産地や牛肉の等級などを書き換えて虚偽表示して、高価格で牛肉を販売するなどの不正を防止できる。よって、消費者Wは正確なデータを閲覧することができ、虚偽表示により不利益を被ることを防止できる。なお、ここでは、肉牛および牛肉のトレーサビリティに適用する例を示したが、その他の食品や、物産品、工芸品などに幅広く適用できることはいうまでもない。
また、空港における荷物類の検査、管理などに、本発明を適用した無線チップを利用することも有効である。上述したように、本発明が適用された無線チップは、未書き込みブロックに新しいデータを書き込むことは可能であるが、一度書き込まれたデータ(書き込み済みブロックのデータ)は書き換えることができない構成である。したがって、無線チップに手荷物の持ち主データを入力しておけば、他の人が持ち主データを書き換えることはできないため、盗難などを防止することができる。また、手荷物検査システムの合否判定を入力する場合、危険物を持ち込もうとしても、一旦航空機持ち込み不可と書き込まれたデータは書き換えることができないため、安全性の確保にもつながる。
以上のように、本発明が適用された無線チップは、改ざんされると困るデータは全て「第2の状態」又は「第3の状態」といった書き込み済みの状態を2値データに対応させて書き込んでいる。未書き込み状態のメモリ素子を無くすことで、データの改ざんを防止することができる。もちろん、未書き込み状態のメモリ素子を残すことも可能であり、未書き込み状態の素子を用いて追記を行うこともできる。
なお、本実施例は、他の実施の形態及び実施例と自由に組み合わせて行うことができる。
本発明に係る半導体装置の一例を示すブロック図。 本発明に係る書き込み回路の例を示すブロック図。 本発明に係るメモリ回路およびメモリセルの例を示す回路図。 本発明に係るアンチフューズの電気的特性を示す模式図。 本発明に係る半導体装置へのデータ書き込み方法の例を示すフロー図。 データ書き込み時の回路動作の例を示す図。 本発明に係るメモリ回路およびメモリセルの例を示す回路図。 データ書き込み時の回路動作の例を示す図。 データ書き込み時の回路動作の例を示す図。 本発明に係る半導体装置の作製工程を示す断面図。 本発明に係る半導体装置の作製工程を示す断面図。 本発明に係る半導体装置の作製工程を示す断面図。 本発明に係る半導体装置に適用できるアンテナを説明する図。 本発明に係る半導体装置の例を示すブロック図及び使用形態の例を示す図。 本発明に係る半導体装置の適用例を示す図。 本発明に係るアンチフューズの素子構成の一例を示す断面図。
符号の説明
100 メモリ
102 書き込み回路
104 メモリ回路
106 読み出し回路
112 選択回路
114 第1の書き込み回路
116 第2の書き込み回路
122 ビット線駆動回路
124 ワード線駆動回路
126 メモリセルアレイ

Claims (9)

  1. 2値データ”0”及び”1”を書き込み可能なメモリセルが複数配置されたメモリセルアレイを含むメモリ回路と、
    前記メモリ回路に含まれるメモリセルの一に、2値データ”0”又は”1”の一方を書き込む第1の書き込み回路と、
    前記メモリ回路に含まれるメモリセルの一に、2値データ”0”又は”1”の他方を書き込む第2の書き込み回路と、
    前記メモリ回路に含まれるメモリセルの一に書き込まれた2値データを読み出す読み出し回路と、を具備し、
    前記メモリセルは、アンチフューズを有し、
    前記アンチフューズは、「第1の状態」、「第2の状態」又は「第3の状態」をとり、
    前記「第1の状態」は、初期状態であり、
    前記「第2の状態」は、前記「第1の状態」の前記アンチフューズに前記第1の書き込み回路による書き込み動作を行ったの前記アンチフューズの状態であり、
    前記「第3の状態」は、前記「第1の状態」の前記アンチフューズに前記第2の書き込み回路による書き込み動作を行ったの前記アンチフューズの状態であり、
    前記「第2の状態」及び前記「第3の状態」から前記「第1の状態」に戻ることはなく、
    前記アンチフューズの前記「第2の状態」又は前記「第3の状態」が2値データ”0”又は”1”に対応していることを特徴とする半導体装置。
  2. 請求項1において、
    前記アンチフューズは、第1の電極と、絶縁層と、シリコン層と、第2の電極と、が積層された素子構造を有することを特徴とする半導体装置。
  3. 請求項1又は請求項2において、
    前記第1の書き込み回路又は前記第2の書き込み回路のいずれかを選択し、前記メモリ回路へのデータの書き込みを実行させる選択回路を具備することを特徴とする半導体装置。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか一において、
    前記アンチフューズは、
    前記「第3の状態」よりも前記「第2の状態」の電気抵抗値が大きく、
    前記「第2の状態」よりも前記「第1の状態」の電気抵抗値が大きいことを特徴とする半導体装置。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれか一において、
    前記メモリセルは、前記アンチフューズと、前記アンチフューズと電気的に接続するトランジスタを有し、
    前記トランジスタにより書き込み電圧の印加を制御することを特徴とする半導体装置。
  6. アンチフューズを備え、2値データ”0”及び”1”を書き込み可能なメモリセルが複数配置されたメモリセルアレイを含むメモリ回路と、
    第1の書き込み回路と、
    第2の書き込み回路と、を具備するメモリに対し、
    前記メモリ回路に含まれるメモリセルの一に、2値データ”0”又は”1”の一方を書き込む場合は、前記メモリセルの一に含まれる「第1の状態」である前記アンチフューズに前記第1の書き込み回路による書き込み動作を行うことで「第2の状態」に変化及び固定させ、
    前記メモリ回路に含まれるメモリセルの一に、2値データ”0”又は”1”の他方を書き込む場合は、前記メモリセルの一に含まれる前記「第1の状態」である前記アンチフューズに前記第2の書き込み回路による書き込み動作を行うことで「第3の状態」に変化及び固定させることを特徴とするメモリのデータ書き込み方法。
  7. 請求項7において、
    前記アンチフューズは、第1の電極と、絶縁層と、シリコン層と、第2の電極と、が積層された素子構造であることを特徴とするメモリのデータ書き込み方法。
  8. 請求項6又は請求項7において、
    前記メモリセルの一は、前記書き込み動作を行う前は初期状態である前記「第1の状態」の前記アンチフューズを備え、
    前記「第1の状態」の前記アンチフューズは、
    前記第1の書き込み回路による書き込み動作が行われた場合は前記「第2の状態」に変化及び固定し、
    前記第2の書き込み回路による書き込み動作が行われた場合は前記「第3の状態」に変化及び固定することを特徴とするメモリのデータ書き込み方法。
  9. 請求項6乃至請求項8のいずれか一において、
    前記第1の書き込み回路又は前記第2の書き込み回路による書き込み動作を行う際に、
    前記アンチフューズが前記「第2の状態」又は前記「第3の状態」である場合は、2値データ”0”又は”1”の書き込みは行わないことを特徴とするメモリのデータ書き込み方法。
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