JP5267931B2 - 光陰極半導体素子 - Google Patents

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Description

本発明は、超格子構造を利用して電子のエネルギー状態を単色化させ、量子効率を向上させることで、所望の超高輝度性能を達成するのに好適な光陰極半導体素子に関する。
従来から、半導体にレーザ光を照射した際に電子が放出される光電子放出現象を利用した光陰極半導体素子を、加速器、電子顕微鏡、逆光電子分光法などの電子源として利用する技術が提案されている。
このような技術については、後に掲げる特許文献1、非特許文献1、2に、その技術が開示されている。
ここで、非特許文献1には、超格子構造(「多重量子井戸構造」と呼ばれることもある。)に関する技術が開示されている。
すなわち、異なるバンドギャップを持つ2種以上の材料を用いて、バンドギャップの小さい材料の薄膜を、大きい材料の薄膜でサンドイッチにした構造を量子井戸構造と呼ぶ。
量子井戸構造においては、電子やホールが閉じ込められるバンドギャップの小さい材料の層を「井戸層」と呼び、電子やホールに対して壁の役割をするバンドギャップの大きい材料の層を「バリア層」あるいは「障壁層」と呼ぶ。
多重量子井戸構造とは、井戸層を複数持つ量子井戸構造のことであり、井戸層が1つのものは単一量子井戸構造と呼ばれる。
量子井戸構造における電子のエネルギー準位を見ると、伝導帯および価電子帯という通常の半導体と同様に考えられる「バンド」が構成されるものの、伝導帯内および価電子帯内に「ミニバンド」あるいは「サブバンド」と呼ばれる離散化された準位がさらに生じる。
そして、ミニバンド間において電子が遷移可能となる。
また、特許文献1では、励起レーザが照射されることにより偏極電子線を発生する第2半導体(ストレインドGaAs半導体)の裏側に半導体多層膜反射鏡を設け、その半導体多層膜反射鏡と第2半導体の表面との間で励起レーザを多重反射させて、第2半導体の膜厚を厚くすることなく、その第2半導体で吸収される光エネルギー量が増加するため、偏極率を損なうことなく量子効率を向上させる技術が開示されている。
一方、特許文献2では、大きなスピン偏極度と高い量子効率を兼ね合わせた半導体スピン偏極電子源を実現するため、基板上に基板より電子親和力の小さなブロック層とスピン偏極電子の発生領域として、基板の格子定数よりも大きな格子定数を有し電子波長程度以下の厚さの歪ウェル層と、歪ウェル層よりも価電子帯エネルギーが低く伝導帯の電子がトンネル効果で透過できる厚さのバリア層との交互積層からなる格子緩和のないp型伝導の短周期歪超格子構造と、バンドの曲がりを吸収する表面層を設け、歪ウェル層に圧縮応力が加わることにより、超格子構造で生じる価電子帯の重い正孔と軽い正孔のバンドのエネルギー差をさらに広げる技術が開示されている。
特許第3154569号公報 特許第2606131号公報 千葉大学工学部 電子機械工学科 吉川研究室ウェブサイト(http://www.semi.te.chiba-u.jp/mqw.htm,2008年5月現在)
したがって、このような超格子構造を利用することで、大電流の可能な輝度性能が極めて高い電子ビームを出力できる光陰極半導体素子を実現したい、との要望は強い。
本発明は、上記のような課題を解決するもので、超格子構造を利用して電子のエネルギー状態を単色化させ、量子効率を向上させることで、所望の超高輝度性能を達成するのに好適な光陰極半導体素子を提供することを目的とする。
本発明の第1の観点に係る光陰極半導体素子は、第1半導体からなる井戸層と、当該第1半導体よりバンドギャップが大きい第2半導体からなる障壁層と、が複数交互に積層した超格子構造を備え、以下のように構成する。
すなわち、当該井戸層および当該障壁層のそれぞれの厚さは、当該超格子構造の電子のエネルギー状態において伝導帯に生ずるミニバンドの下限と、価電子帯に生ずるミニバンドの上限と、の間のバンドギャップが所望の大きさとなる厚さを上限とし、当該伝導帯に生ずるミニバンドのバンド幅が所望の大きさとなる厚さを下限とする。
また、本発明の光陰極半導体素子において、当該伝導帯に生ずるミニバンドのエネルギー状態密度が所望の大きさとなる厚さを下限とすることとしても良い。
また、本発明の光陰極半導体素子において、当該超格子構造の一方の端面(以下「電子放出面」という。)は、当該複数の井戸層の一つ(以下「表面側井戸層」という。)であり、当該表面側井戸層に接する第3半導体からなる表面層をさらに備え、当該超格子構造のエネルギー状態において当該価電子帯のミニバンドのうち、最上のミニバンドに属する電子が当該伝導帯のミニバンドのうち、最下のミニバンドに励起される波長の光が当該超格子構造に照射されると、当該最下のミニバンドからエネルギー状態が単一化された電子ビームが放出されるように構成することができる。
この際に、当該光は、当該表面層を介して当該電子放出面に入射されるようにするのが典型的であるが、表面層の反対側や側面から入射されるようにする態様を採用することもできる。
また、本発明の光陰極半導体素子において、当該超格子構造の他方の端面(以下「基板面」という。)は、当該複数の井戸層の他の一つ(以下「基板側井戸層」という。)、もしくは、当該複数の障壁層の一つ(以下「基板側障壁層」という。)であり、当該基板面に接する第4半導体からなるバッファ層と、当該バッファ層に接する第5半導体からなる基板層と、をさらに備えるように構成することができる。
また、本発明の光陰極半導体素子は、以下のように構成することができる。
すなわち、当該表面層は、p型ドーピング量1×1018cm-3以上のGaAs半導体結晶による厚さ3nm〜6nmの第3半導体からなる。
一方、当該複数の障壁層のそれぞれは、Gaに対するAlの組成比0.25〜0.3、p型ドーピング量5×1018cm-3以下のAlGaAs半導体結晶による厚さ3nm〜6nmの第2半導体からなる。
さらに、当該複数の井戸層のそれぞれは、p型ドーピング量5×1018cm-3以下のGaAs半導体結晶による厚さ3nm〜4nmの第1半導体からなる。
そして、当該バッファ層は、p型ドーピング量5×1019cm-3以下のAlGaAs半導体結晶による厚さ1μm以上の第4半導体からなる。
一方、当該基板層は、GaAs半導体からなる。
さらに、当該超格子構造の厚さは、2μm〜3μmである。
そして、当該p型ドーピングには、Beを用いる。
本発明によれば、超格子構造を利用して電子のエネルギー状態を単色化させ、量子効率を向上させることで、所望の超高輝度性能を達成するのに好適な光陰極半導体素子を提供することができる。
以下に本発明の実施形態を説明する。なお、以下に説明する実施形態は説明のためのものであり、本発明の範囲を制限するものではない。したがって、当業者であればこれらの各要素もしくは全要素をこれと均等なものに置換した実施形態を採用することが可能であるが、これらの実施形態も本発明の範囲に含まれる。
図1は、本実施形態に係る光陰極半導体素子の構成を示す断面図である。以下、本図を参照して説明する。
本実施形態に係る光陰極半導体素子101は、超格子構造102を備える。
ここで、超格子構造102は、第1半導体からなる井戸層103と、第2半導体からなる障壁層104と、の2つの層が複数交互に積層して形成される。
ここで、第2半導体は、第1半導体よりバンドギャップが大きい。
本実施形態では、超格子構造102の積層構造の一方の端面を「電子放出面」として利用し、電子放出面に光が入射すると、電子が放出される、という態様を採用する。そこで、超格子構造102の積層構造の一方の端面を、以下「入射面」と呼ぶこととする。本実施形態では、入射面は、井戸層103である。この井戸層103を、表面側井戸層103aと呼ぶ。
なお、電子放出面として、障壁層104を採用することも可能えある。
表面側井戸層103aの外部に露出する面には、第3半導体からなる表面層105が配置されている。
表面層105は、高いp型ドーピング濃度により、電子親和力を小さくしてバンドベンディングを生じさせるための層である。
なお、光を照射する際には、本図に示す表面層105の位置へ照射するのではなく、側面や反対側の面から照射するように構成することも可能である。
一方、超格子構造102の積層構造の他方の端面(以下「基板面」という。)は、本図に示す例では、井戸層103である。この井戸層103を、基板面側井戸層103bと呼ぶ。なお、超格子構造102の基板面側の層は、障壁層104とすることも可能である。
基板面側井戸層103bは、超格子構造102よりも小さいバンドギャップの第4半導体からなるバッファ層106を挟んで、第5半導体からなる基板層107に担持される。
ここで、本実施形態における各層は、以下のような構成により形成される。
すなわち、当該表面層105は、p型ドーピング量1×1018cm-3以上のGaAs半導体結晶である第3半導体からなり、その厚さをAとする。
一方、当該複数の障壁層104のそれぞれは、Gaに対するAlの組成比0.25〜0.3、p型ドーピング量5×1018cm-3以下のAlGaAs半導体結晶である第2半導体からなり、その厚さをLbとする。
さらに、当該複数の井戸層103のそれぞれは、p型ドーピング量5×1018cm-3以下のGaAs半導体結晶である第1半導体からなり、その厚さをLwとする。
そして、当該バッファ層106は、p型ドーピング量5×1019cm-3以下のAlGaAs半導体結晶である第4半導体からなり、その厚さをBとする。
一方、当該基板層107は、GaAs半導体からなる。
さらに、当該超格子構造102の厚さを、Sとする。
そして、当該p型ドーピングには、Beを用いる。
このような構成による超格子構造102を形成するための結晶成長方法には、各種の手法を採用することができるが、たとえば、[特許文献2]に開示される技術と同様に、分子線エピタキシー法などを利用することができる。
図2は、このような超格子構造102を形成したときの、バンド構造の様子を示す説明図である。以下、本図を参照して説明する。
本図に示すように、井戸層103と障壁層104とが交互に積層されることで、伝導帯201と価電子帯202は、櫛状の形状を有することになる。
井戸層103では、伝導帯201と価電子帯202は近付き、障壁層104では、伝導帯201と価電子帯202は遠ざかる。
伝導帯201と価電子帯202との間の距離をバンドギャップと呼ぶが、超格子構造102の中でバンド構造が櫛形となるためには、井戸層103を形成する第1半導体のバンドギャップと、障壁層104を形成する第2半導体のバンドギャップと、を比較したときに、第2半導体の方が第1半導体よりもバンドギャップが大きいようにする必要がある。
このような超格子構造102は、多量子井戸構造とも呼ばれ、電子や正孔は、バンドギャップの小さい材料の層、すなわち、井戸層103に閉じ込められることになる。
このような櫛形のバンド構造が生じるほか、伝導帯201の中にミニバンド211が発生するとともに、価電子帯202の中にも、ミニバンド212が生じている。
本実施形態では、表面層105は、負の親和力(NEA;Negative Electron Affinity)表面処理を施したバルク結晶構造のガリウムヒ素半導体と本実施形態は、NEA−GaAs光陰極半導体素子の一種として考えることができる。
NEA表面処理により、電子状態にバンドギャップが存在すれば、真空準位が伝導帯201のミニバンド211の下限より低い位置に存在する場合があり得る。この場合、価電子帯202から伝導帯201へ励起された電子は、そのまま何の障害もなく真空準位へ遷移することができる。つまり、室温或いはそれより低い温度による励起で、表面から伝導帯201に励起された電子が真空中へ放出されていく。
本実施形態においては、光が入射することで、価電子帯202の中のミニバンド212から伝導帯201の中に生じたミニバンド211に励起された電子が、NEA表面を通過して、電子ビームとして出力される。
量子効率を高くするためには、吸収係数を大きくする必要がある。そのために、伝導帯201の中のミニバンド211の電子のエネルギー状態密度を高くし、伝導帯201の中のミニバンド211の下限と、価電子帯202の中のミニバンド212と上限と、の間のバンドギャップを大きくする必要がある。たとえば、GaAs半導体を利用する場合には、バンドギャップは、1.42eVより大きくすることが望ましい。
なお、入射される光の波長は、伝導帯201の中のミニバンド211の下限と、価電子帯202の中のミニバンド212と上限と、の間のバンドギャップに対応する波長とし、本実施形態ではレーザ光を用いる。
また、初期エミッタンスを小さくするためには、伝導帯201の中のミニバンド211の幅を小さくする必要がある。たとえば、室温エネルギーを26meV未満とすることが望ましい。このようにすると、出力される電子ビームのエネルギー状態を単一化することができる。
したがって、これらの値が所望の値となるように、井戸層103の厚さLwと、障壁層104の厚さLbと、を、設定する必要がある。
本実施形態においては、パラメータLw,Lbを種々変更してクローニヒ・ペニーモデルでシミュレーション計算を行うことにより、好適なLw,Lbの範囲を求めることとする。
図3および図4は、障壁層104の厚さLbとして2nmと6nmの2通りを採用した場合の、井戸層103の厚さLwに対するバンドギャップを示したグラフと、伝導帯201の中のミニバンド211の幅を示したグラフである。
図5および図6は、井戸層103の厚さLwとして2nmと6nmの2通りを採用した場合の、障壁層104の厚さLbに対するバンドギャップを示したグラフと伝導帯201の中のミニバンド211の幅を示したグラフである。
これらのシミュレーション結果を参照すると、以下のような諸元が判明する。
すなわち、高い量子効率を実現する高いエネルギー状態密度と大きなバンドギャップを得るためには、Lwは4nm以下とすることが望ましい。また、バンドギャップを大きくするには、障壁層104の厚さLbを狭くするよりも、井戸層103の厚さLwを狭くする方が効率的である。また、障壁層104の厚さLbは、最大でも6nm程度とするのが望ましい。
すなわち、量子効率を実現するための所望のバンドギャップ幅が与えられると、シミュレーション計算によって、Lw,Lbの上限を求めることができるのである。
一方、伝導帯201の中のミニバンド211の幅を、小さい初期エミッタンスを実現する室温エネルギーよりも狭くするためには、井戸層103の厚さLwおよび障壁層104の厚さLbは、最小でも3nm程度とするのが望ましい。
すなわち、所望の初期エミッタンスが与えられると、シミュレーション計算によって、Lw,Lbの下限を求めることができるのである。
このようにして、超格子構造102に含まれる井戸層103の厚さLwおよび障壁層104の厚さLbの範囲が定められる。
一方、これらの厚さの総和である超格子構造102の厚さは、光陰極半導体素子101のサイズや製造コストなどによって適宜変更が可能であるが、典型的には、2μm〜3μm程度とする。
表面層105の厚さAは、入射した光のほとんどが超格子構造102に到達できる程度の厚さである。また、表面層105は、バンドギャップの半分程度だけ電子親和力を小さくするような高いp型ドーピング濃度とする必要がある。典型的には厚さ3nm〜6nmであり、p型ドーピング濃度5×1018cm-3〜5×1019cm-3である。
またバッファ層106の厚さBは、基板層107で生じた電子の超格子構造102への流れ込みが生じない程度の厚さとする必要があり、典型的には、1μm以上である。
基板層107の厚さは、製造される光陰極半導体素子101のサイズや製造コストなどによって適宜変更が可能である。
図7は、従来および本実施形態の光陰極半導体素子における励起エネルギーに対する状態密度の様子を表すグラフである。以下、本図を参照して説明する。
本図に示すように、従来考えられていた理論値(点線)においては、励起エネルギーが大きくなると、緩やかにエネルギー状態密度も増加していく。
一方、本実施形態の光陰極半導体素子101(実線)においては、状態密度が階段状の形状をなしており、ミニバンドにおいて電子のエネルギー状態が単一になっていることがわかる。
また、階段状部分の高さが従来の理論値に比べて大きいこともわかる。これは、生成される電子の量が増幅されており、電子ビームの量子効率が高いことを意味するものである。
上記のように、本発明によれば、超格子構造を利用して電子のエネルギー状態を単色化させ、量子効率を向上させることで、所望の超高輝度性能を達成するのに好適な光陰極半導体素子を提供することができる。
本実施形態に係る光陰極半導体素子の構成を示す断面図である。 超格子構造に対するバンド構造の様子を示す説明図である。 障壁層の厚さLbとして2nmと6nmの2通りを採用した場合の、井戸層の厚さLwに対するバンドギャップを示したグラフである。 障壁層の厚さLbとして2nmと6nmの2通りを採用した場合の、井戸層の厚さLwに対する伝導帯の中のミニバンドの幅を示したグラフである。 井戸層の厚さLwとして2nmと6nmの2通りを採用した場合の、障壁層の厚さLbに対するバンドギャップを示したグラフである。 井戸層の厚さLwとして2nmと6nmの2通りを採用した場合の、障壁層の厚さLbに対する伝導帯の中のミニバンド幅を示したグラフである。 従来および本実施形態の光陰極半導体素子における励起エネルギーに対する状態密度の様子を表すグラフである。
符号の説明
101 光陰極半導体素子
102 超格子構造
103 井戸層
104 障壁層
105 表面層
106 バッファ層
107 基板層
201 伝導帯
202 価電子帯
211 伝導帯の中のミニバンド
212 価電子帯の中のミニバンド

Claims (7)

  1. 第1半導体からなる井戸層と、第2半導体からなる障壁層と、が、複数交互に積層した超格子構造を有する光陰極半導体素子であって、
    前記超格子構造の電子のエネルギー状態において、第1ミニバンドが伝導帯に生じ、第2ミニバンドが価電子帯に生じ、
    前記第1ミニバンドの下限は、前記第2ミニバンドの上限より高く、
    真空のエネルギー準位は、前記第1ミニバンドの下限より低く、
    前記第1ミニバンドのバンド幅は、室温エネルギーよりも狭く、
    前記第2ミニバンドから前記第1ミニバンドへ電子を励起する波長の光が前記超格子構造に照射されると、エネルギー状態が単一化された電子ビームが真空中へ放出される
    ことを特徴とする光陰極半導体素子。
  2. 第1半導体からなる井戸層と、
    当該第1半導体よりバンドギャップが大きい第2半導体からなる障壁層と、
    が複数交互に積層した超格子構造を備え、
    当該井戸層および当該障壁層のそれぞれの厚さは、
    当該超格子構造の電子のエネルギー状態において、伝導帯に生ずる第1ミニバンドの下限と、価電子帯に生ずる第2ミニバンドの上限と、の間のバンドギャップが所望の大きさとなる厚さを上限とし、
    当該伝導帯に生ずる第1ミニバンドのバンド幅が室温エネルギーよりも狭くなる厚さを下限とする
    ことを特徴とする光陰極半導体素子。
  3. 第1半導体からなる井戸層と、
    当該第1半導体よりバンドギャップが大きい第2半導体からなる障壁層と、
    が複数交互に積層した超格子構造を備え、
    当該井戸層および当該障壁層のそれぞれの厚さは、
    当該超格子構造の電子のエネルギー状態において、伝導帯に生ずる第1ミニバンドの下限と、価電子帯に生ずる第2ミニバンドの上限と、の間のバンドギャップが所望の大きさとなる厚さを上限とし、
    当該伝導帯に生ずる第1ミニバンドのエネルギー状態密度の広がりが室温エネルギーの状態密度よりも高くなる厚さを下限とする
    ことを特徴とする光陰極半導体素子。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の光陰極半導体素子であって、
    当該超格子構造の一方の端面(以下「電子放出面」という。)は、当該複数の井戸層の一つ(以下「表面側井戸層」という。)であり、
    当該表面側井戸層に接する第3半導体からなる表面層
    をさらに備え、
    前記第2ミニバンドは、当該価電子帯に生ずる複数のミニバンドのうち、最上のミニバンドであり、
    前記第1ミニバンドは、当該伝導帯に生ずる複数のミニバンドのうち、当該ミニバンドの下限が真空準位より低い最下のミニバンドである
    ことを特徴とする光陰極半導体素子。
  5. 請求項4に記載の光陰極半導体素子であって、
    前記光は、前記表面層を介して、前記電子放出面に照射される
    ことを特徴とする光陰極半導体素子。
  6. 請求項5に記載の光陰極半導体素子であって、
    当該超格子構造の他方の端面(以下「基板面」という。)は、当該複数の井戸層の他の一つ(以下「基板側井戸層」という。)、もしくは、当該複数の障壁層の一つ(以下「基板側障壁層」という。)であり、
    当該基板面に接する第4半導体からなるバッファ層と、
    当該バッファ層に接する第5半導体からなる基板層と、
    をさらに備えることを特徴とする光陰極半導体素子。
  7. 請求項6に記載の光陰極半導体素子であって、
    当該表面層は、p型ドーピング量1×1018cm-3以上のGaAs半導体結晶による厚さ3nm〜6nmの第3半導体からなり、
    当該複数の障壁層のそれぞれは、Gaに対するAlの組成比0.25〜0.3、p型ドーピング量5×1018cm-3以下のAlGaAs半導体結晶による厚さ3nm〜6nmの第2半導体からなり
    当該複数の井戸層のそれぞれは、p型ドーピング量5×1018cm-3以下のGaAs半導体結晶による厚さ3nm〜4nmの第1半導体からなり、
    当該バッファ層は、p型ドーピング量5×1019cm-3以下のAlGaAs半導体結晶による厚さ1μm以上の第4半導体からなり、
    当該基板層は、GaAs半導体からなり、
    当該超格子構造の厚さは、2μm〜3μmであり、
    当該p型ドーピングには、Beを用いる
    ことを特徴とする光陰極半導体素子。
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