以下、本発明の一実施形態に係る画像通信装置(複合機)の構成及び動作について説明する。
まず、本実施形態に係る複合機の構成について図面を参照して説明する。
本実施形態では、文書データはスキャナから読み取った画像データとし、文書データの送信端末、受信端末ともコピー機能、プリンタ機能、IP−FAX機能を持った複合機であり、これらの複合機間でIP−FAX機能を使用して文書データの伝送を行う場合について説明する。
IP−FAXの呼接続手順はSIP(Session Initiation Protocol)であり、SIPサーバを使用して相手端末と接続できるようになっている。受信端末が文書データの受信を通知するユーザの端末はIP携帯電話である。
図1に本実施形態における機器接続例を示す。IPネットワーク1にはSIPサーバ2が接続されており、拠点Aに存在するIP−FAX10、PC11、アクセスポイント(AP)12、IP携帯電話13等と拠点Bに存在するIP−FAX20、PC21、アクセスポイント(AP)22、IP携帯電話23、IP携帯電話24等は、お互いにIPネットワーク1を介して通信できるようになっている。なお、IP携帯電話13とアクセスポイント(AP)12との間、およびIP携帯電話23、IP携帯電話24とアクセスポイント(AP)22との間はIEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11b規格の無線LANで接続している。
図2に本実施形態におけるIP−FAX(複合機)のハードウェア構成を示す。IP−FAX10とIP−FAX20はコピー機能、プリンタ機能、IP−FAX機能を持った複合機である。
IP−FAX10とIP−FAX20は、CPU30、メインメモリ31、フラッシュROM(Read Only Memory)32、クロック33、バスコントローラ34、PCI(Peripheral Component Interconnect)ブリッジ35、キャッシュメモリ36、原稿用スキャナ37、原稿スキャナコントローラ38、プリントエンジ39、プリントコントローラ40、ハードディスク41、HD(Hard Disk)コントローラ42、LCD表示コントローラ43、LCD44、LANコントローラ45、LAN I/F(Interface)46、キー入力コントローラ47、ハードキー48、タッチパネルコントローラ49、タッチパネル50、RTC(Real Time Clock)51、UART52、Bluetoothモジュール53、アンテナ54、CPUバス55、PCIバス56、Xバス(内部バス)57と、から構成されている。
CPU30は、フラッシュROM32に記憶された制御処理プログラムやOS(Operating System)を実行、処理する。メインメモリ31は、DRAM(Dynamic Random ACCESS Memory)より構成されており、CPU30のワークエリア等で使用される。
フラッシュROM32は、電源を切ってもデータが消去されず、電気的に書き換え可能なROMであり、電源オン時のシステム立ち上げやIP−FAX10、IP−FAX20の機能を実現するための各種プログラムが予め書き込まれている。また、フラッシュROM32には、プログラムの実行時に参照されるスイッチやパラメータ等のデータも記憶される。
クロック33は、水晶発振子と分周回路から構成されており、CPU30やバスコントローラ34の動作タイミングを制御するためのクロックを生成している。バスコントローラ34は、CPUバス55とXバス57でのデータ転送を制御する。PCIブリッジ35は、キャッシュメモリ36を使用して、PCIバス56とCPU30との間のデータ転送を行う。キャッシュメモリ36は、DRAMより構成されており、PCIブリッジ35により使用される。
原稿用スキャナ37は、1次元配列されたLEDアレイを光源としてカラーCCDラインセンサにより紙面画像を読み取り、カラーCCDラインセンサから出力されるR(Red)、G(Green)、B(Blue)の各アナログ画像信号をそれぞれA(Analog)/D(Digital)変換によりデジタル画像データに変換する。原稿スキャナコントローラ38は原稿用スキャナ37の原稿読み取り動作を制御する。プリントエンジン39は、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックのトナーを使用して、紙面にカラー画像またはモノクロ画像をプリントする。プリントコントローラ40はプリントエンジン39の動作を制御する。
ハードディスク41は、原稿用スキャナ37から入力された画像データや通信により受信した画像データ等を記憶する。HDコントローラ42は、ハードディスク41とのインタフェースとして例えばIDE(Integrated Device Electronics)インタフェースを持ち、ハードディスク41と高速データ転送を行う。
LCD表示コントローラ43は、文字データやグラフィックデータ等をD/A(Digital/Analog)変換するとともに、これらのデータをLCD44に表示するための制御を行う。LANコントローラ45は例えばIEEE802.3規格に準拠した通信プロトコルを実行して、LAN I/F46を介してイーサネット(登録商標)に接続された他の機器との通信を制御する。
キー入力コントローラ47は、ハードキー48から入力されたシリアルデータからパラレルデータへの変換を行う。タッチパネルコントローラ49は、タッチパネル50上で指等の物体が接触した部分を検出し、その位置情報を取り込む。タッチパネル50はLCD44と重ね合わせて密着している。RTC51は日付時計であり、図示していないバッテリーによりバックアップされている。
UART(Universal Asynchronous Receiver Transmitter)52は、CPU30とBluetoothモジュール53との間でシリアルデータの授受を行うインターフェイスであり、FIFO(First In、First Out)やシフトレジスタ等から構成される。Bluetoothモジュール53は、RF部とベースバンド部から構成されており、Bluetooth規格に準拠した無線通信を実行する。
以降、IP−FAX10、IP−FAX20の処理は、特に明記しない限り、CPU30がフラッシュROM32に記憶された制御処理プログラムに従い、メインメモリ31をワークエリアとして使用して実行、処理する。
図3に本実施形態におけるIP−FAX10とIP−FAX20の送信機としての機能構成図を示す。
IP−FAXの送信機能は、画像読取部60、画像変換部61、文書送信部62、表示制御部63、操作部64、メッセージ受信部65と、から構成されている。
画像読取部60は原稿用スキャナ37を使用して原稿画像を読み取ってRGBデジタル画像データを取得する。画像変換部61はカラー画像データを送信する場合は、先に取得したRGBデジタル画像データを色差成分(Cb、Cr)と輝度成分(Y)のデータに変換してJPEG符号化を行う。画像変換部61は2値画像データを送信する場合は、先に取得したRGBデジタル画像データを色差成分(Cb、Cr)と輝度成分(Y)のデータに変換して、この輝度成分(Y)のデータをフラッシュROM32にスレッシュレベルとして予め記憶された所定の輝度値と比較することにより、スレッシュレベル以上であれば白画素(ビットの値が0)、そうでなければ黒画素(ビットの値が1)として2値データに変換し、この2値データについてMMR圧縮(符号化)を行う。
文書送信部62は画像変換部61にて変換されたJPEG符号化データ(カラー画像)またはMMR圧縮データ(2値画像)と、文書ID、ユーザID、文書データの受信を通知するアドレスとをRFC3261で規定されたSIPを使用した呼接続、ITU−T勧告T.38で規定されたIP−FAXプロトコルを実行して他のIP−FAXに送信する。
表示制御部63はLCD44に対する各種画面等の表示処理を制御する。具体的には、表示制御部63は各種機能を指定するためのメニュー画面の表示、IP−FAXの送信宛先を入力するための画面の表示等を制御する。
操作部64はハードキー48から入力されたキーデータやタッチパネル50から入力された座標データに基づいて各種の操作処理を制御する。メッセージ受信部65は他の端末から送信されたSIPのインスタントメッセージを受信する。
図4に本実施形態におけるIP−FAX10とIP−FAX20の受信機としての機能構成図を示す。
IP−FAXの受信機能は、文書受信部70、文書記憶部71、文書付属情報記憶部72、メッセージ送信部73、ユーザID認証部74、プリントコマンド受信部75、プリント出力部76、出力用紙77と、から構成されている。
文書受信部70はSIPを使用した着呼接続、ITU−T勧告T.38で規定されたIP−FAXプロトコルを実行して他のIP−FAXからJPEG符号化データ(カラー画像)またはMMR圧縮データ(2値画像)、文書ID、ユーザID、文書データの受信を通知するアドレスを受信し、JPEG符号化データとMMR圧縮データは文書記憶部71に文書IDと対応付けて記憶する依頼を出し、文書ID、ユーザID、文書データの受信を通知するアドレスは文書付属情報記憶部72に文書IDと対応付けて記憶する依頼を出す。
文書記憶部71は文書受信部70にて受信したJPEG符号化データをJPEG形式ファイルにして、またMMR圧縮データはTIFFファイルにして文書IDと対応付けてハードディスク41に記憶、保存する。
ここで、文書IDとの対応付けは、文書IDを文字列にして、この文字列をJPEG形式ファイルとTIFFファイルのファイル名にする。なお、文書IDはJPEG形式ファイルやTIFFファイルのヘッダ部に入れ込むようにしてもよい。
文書付属情報記憶部72は文書ID、ユーザID、文書データの受信を通知するアドレスを対応付けてフラッシュROM32に記憶する。メッセージ送信部73は文書データの受信を通知するアドレス宛に文書IDを送信する。ユーザID認証部74はユーザがIP−FAX10、IP−FAX20を使用することを許可するために、入力されたユーザIDを予め記憶されたユーザIDと照合して一致するものがある場合にはユーザの操作に対して処理を実行し、一致するものが無い場合にはユーザの操作に対して何も処理を実行しない。
プリントコマンド受信部75はBluetoothモジュール53を使用したBluetooth通信により文書IDを含んだプリントコマンドを受信する。プリント出力部76は、指定された文書IDの文書データ(カラー画像データまたは2値画像データ)をプリントエンジン40を使用して紙77にプリントする。
次に本実施形態において、拠点Aに存在するIP−FAX10から拠点Bに存在するIP−FAX20に2値画像データを送信する場合のIP−FAX10とIP−FAX20の各動作について図1および図2をもとに説明する。
送信端末であるIP−FAX10は図3に示した機能構成を持ち、受信端末であるIP−FAX20は図4に示した機能構成を持つ。
IP−FAX10のユーザは、拠点BのIP携帯電話23の所有ユーザとIP携帯電話24の所有ユーザに原稿画像を渡すために、個別送信モードを選択し、電子電話帳により、IP携帯電話23の所有ユーザとIP携帯電話24の所有ユーザを選択する。
なお、電子電話帳には、予めIP携帯電話23の所有ユーザのユーザ名がIP携帯電話23の所有ユーザのユーザID、IP携帯電話23の電話番号と、IP携帯電話24の所有ユーザのユーザ名がIP携帯電話24の所有ユーザのユーザID、IP携帯電話24の電話番号と、各々対応付けられており、この電子電話帳のデータはハードディスク41に記憶されている。
続いて、IP−FAX10のユーザは予め登録されている送信者アイコンの一覧から自分のユーザ名のアイコンを選択する。
続いて、IP−FAX10のユーザが原稿を原稿用スキャナ37にセットして、IP−FAX20のFAX番号を入力してスタートキーを押すと、IP−FAX10の画像読取部60は原稿スキャナコントローラ38を制御して、原稿用スキャナ37から原稿画像を読み取ってRGBデジタル画像データを取得する。そして、画像読取部60はこの読み取った画像データに対する文書IDを生成する。
続いて、画像変換部61はRGBデジタル画像データを色差成分(Cb、Cr)と輝度成分(Y)のデータに変換して、この輝度成分(Y)のデータを所定のスレッシュレベルに基づいて2値データに変換し、この2値データについてMMR圧縮(符号化)を行う。
続いて、文書送信部62はSIPサーバ2にIP−FAX20のFAX番号を含めたINVITEメッセージを送信すると、SIPサーバ2は既に登録されているFAX番号とIPアドレスとの対応テーブルを参照して、IP−FAX20に発呼してIP−FAX20と呼を接続する。
そして、IP−FAX20との間にFAXデータ用のチャネルを接続すると、文書送信部62は文書ID、送信者のユーザ名、IP携帯電話23の所有ユーザのユーザID、IP携帯電話23の電話番号、IP携帯電話24の所有ユーザのユーザID、IP携帯電話24の電話番号、およびMMR圧縮された画像データを、ITU−T勧告T.38で規定されたプロトコルを実行してIP−FAX20に送信する。
なお、文書ID、送信者のユーザ名、IP携帯電話23の所有ユーザのユーザID、IP携帯電話23の電話番号、IP携帯電話24の所有ユーザのユーザID、IP携帯電話24の電話番号はNSS (Non−Standard Facilities Set−up)コマンドに含めてIP−FAX20へ送信する。図5に文書ID、送信者のユーザ名、ユーザID、IP携帯電話の電話番号を含めたNSSコマンドのフォーマットの例を示す。
ここで、NSSコマンドはITU−T勧告T.30で定義されたコマンドであるが、ITU−T勧告T.38はITU−T勧告T.30を参照するようになっており、ITU−T勧告T.38はまた ITU−T勧告T.30で規定されたNSS等のHDLC(High−level Data Link Control procedure)フレームをIFP(Internet Facsimile Protocol)パケットに入れ、このIFPパケットをさらにUDPパケットまたはTCPパケットに入れて送信する仕様となっている。図6にTCPパケットの場合のデータ構造の例を示す。
IP−FAX20では、文書受信部70がIP−FAX10から送信されたNSSコマンドを受信すると、これに含まれている文書ID、送信者のユーザ名、IP携帯電話23の所有ユーザのユーザID、IP携帯電話23の電話番号、IP携帯電話24の所有ユーザのユーザID、IP携帯電話24の電話番号を文書付属情報記憶部72に文書IDと対応付けて記憶する依頼を出す。文書付属情報記憶部72はこの依頼を受けると、各ユーザIDに対応した初期値ゼロをセットしたプリント完了フラグも付加して、これらのデータを文書ID−ユーザID対応テーブルとしてフラッシュROM32に記憶する。図7に文書ID−ユーザID対応テーブルの例を示す。
続いて、IP−FAX20の文書受信部70がMMR圧縮された2値画像データを受信すると、文書記憶部71にこのMMR圧縮データを文書IDと対応付けて記憶する依頼を出し、文書記憶部71は文書IDを文字列にして、この文字列をTIFFファイルのファイル名にする。そして、文書記憶部71はMMR圧縮データをこのファイル名のTIFFファイルにしてハードディスク41に記憶、保存する。
続いて、IP−FAX20のメッセージ送信部73は、先にフラッシュROM32に記憶させた文書データの受信の通知先であるIP携帯電話23とIP携帯電話24に文書IDと送信者のユーザ名をSIPのインスタントメッセージを使用して送信する。なお、このインスタントメッセージはRFC3428(Session Initiation Protocol (SIP) Extension for Instant Messaging)に示されたMESSAGEメッセージを使用して送信する。
この文書IDを通知する動作を以下に説明する。IP−FAX20のメッセージ送信部73は、SIPサーバ2にIP携帯電話23の電話番号を含めたMESSAGEメッセージを送信すると、SIPサーバ2は既に登録されている電話番号とIPアドレスとの対応テーブルを参照して、IP携帯電話23にこのMESSAGEメッセージを送信する。
図8に本実施形態における、上述のSIPサーバ2から送信されたこのMESSAGEメッセージの例を示す。図8の、1行目はリクエストライン(リクエストの場合)またはステータスライン(レスポンスの場合)で、メソッド名またはステータスコードを含んでいる。
2行目から空白行の直前まではメッセージヘッダで、経由装置(SIPプロキシサーバ)を表すVia、リクエストが宛先に向かう過程で通過することができるホップ数を制限するMax−Forwards、送信元のSIP URI(Uniform Resource Identifier)と送信元を特定する乱数であるtagから成るFrom、送信先のSIP URIを入れたTo、SIPセッションを一意に特定するためのCall−ID、リクエストのシーケンス番号であるCSeq、メッセージボディがテキストであることを表すContent−Type、メッセージボディに入れたメッセージの文字数を示すContent−Lengthの各パラメータを含んでいる。
空白行の次の行はメッセージボディであり、文書IDの通知を表すメッセージ「Document:ID=(文書ID)」と送信者のユーザ名を表すメッセージ「Sender:Alice」がテキスト(アスキー文字)で記載されている。
IP携帯電話23はこのMESSAGEメッセージを受信すると、このメッセージに含まれた文書IDと送信者のユーザ名をフラッシュROM等の不揮発性メモリに記憶するとともに、IP−FAX20が送信者=Aliceから文書を受信したことを表示部に表示する。
IP−FAX20のメッセージ送信部73は、次に、SIPサーバ2にIP携帯電話24の電話番号を含めたMESSAGEメッセージを送信すると、上記と同様にしてこのMESSAGEメッセージがIP携帯電話24に送信される。IP携帯電話24はこのMESSAGEメッセージを受信すると、このメッセージに含まれた文書IDと送信者のユーザ名をフラッシュROM等の不揮発性メモリに記憶するとともに、IP−FAX20が送信者=Aliceから文書を受信したことを表示部に表示する。
なお、IP携帯電話23にはIP携帯電話23の所有ユーザのユーザIDが、IP携帯電話24にはIP携帯電話24の所有ユーザのユーザIDがフラッシュROM等の不揮発性メモリに予め記憶されている。
IP携帯電話23の所有ユーザはこの文書IDの通知メッセージによりIP−FAX20が送信者=Aliceから文書を受信したことを認知すると、IP−FAX20にて受信文書をプリントするために、IP携帯電話23を持ってIP−FAX20の前に移動する。
IP携帯電話23はBluetooth通信機能を有しており、IP携帯電話23がIP−FAX20に近づくと、Bluetooth通信リンクが自動的に確立され、Bluetooth規格に従った通信プロトコルを開始する。
IP携帯電話23がIP−FAX20とBluetooth通信を実行して、受信文書をプリントするときの動作について説明する。IP−FAX20はBluetoothのマスター端末、IP携帯電話23はスレーブ端末として機能するようになっている。また、Bluetoothでは、認証用のキーとしてPIN(Personal ID Number)コードを用いることができる。IP携帯電話23の所有ユーザのユーザID をPINコードとしてIP携帯電話23とIP−FAX20に登録しておき、IP−FAX20はBluetoothのPINコードを用いた認証手順によりIP携帯電話23を認証して、IP携帯電話23とのBluetooth通信の実行を許可する。
IP携帯電話23の所有ユーザがIP携帯電話23を持ってIP−FAX20の前に行くと、IP携帯電話23とIP−FAX20はそれぞれBluetoothの電波信号を検出して、Bluetooth規格に従った通信手順を開始する。まず、Bluetoothのインクワイアリ手順によりIP−FAX20はIP携帯電話23からユーザ名を取得する。ここで、このユーザ名はIP携帯電話23の電話番号である。そして、IP−FAX20はPINコードを用いた認証手順によりIP携帯電話23を認証する。
この認証手順では、IP−FAX20のユーザID認証部74にて乱数を発生し、この乱数をIP携帯電話23へ送信し、IP携帯電話23から応答として送信されたレスポンス値をユーザID認証部74で受信する。そして、ユーザID認証部74は先に自分で発生した乱数とIP携帯電話23の所有ユーザのユーザID(PINコード)、自端末のBluetoothデバイスアドレス(BD_ADDR)を使用して生成された値とIP携帯電話23から受信したレスポンス値とを比較して、一致した場合はIP携帯電話23とのBluetooth通信の実行を許可して、Bluetooth通信コネクションを確立する。
なお、PINコードとして使用するIP携帯電話23の所有ユーザのユーザIDは文書ID−ユーザID対応テーブルとしてフラッシュROM32に記憶されたものであり、先にインクワイアリ手順により取得したIP携帯電話23の電話番号から特定できる。
IP携帯電話23はBluetooth通信コネクションが確立すると、先にIP−FAX20からSIPのインスタントメッセージにより受信した文書IDをプリントコマンドに含めてIP−FAX20へ送信する。なお、このプリントコマンドはBluetoothのOBEX(OBject EXchange protocol)プロトコルにより送信する。IP−FAX20のプリントコマンド受信部75はこのプリントコマンドを受信すると、これに含まれた文書IDと同じファイル名のTIFFファイルをハードディスク41から読み出して、このTIFFファイル中にあるMMR圧縮データをプリント出力部76へ渡す。
プリント出力部76はこのMMR圧縮データを伸長して、伸長した2値画像データをプリントエンジン39を使用して紙77にプリントする。プリントが完了すると、文書ID−ユーザID対応テーブル中のIP携帯電話23の所有ユーザのユーザIDに対応したプリント完了フラグをオンにする(1の値をセットする)。
続いて、IP−FAX20のメッセージ送信部73は、IP携帯電話23に文書IDの削除コマンドをSIPのインスタントメッセージを使用して送信する。
なお、本実施形態において、上述のインスタントメッセージはSIPサーバ2を経由して送信されるが、SIPサーバ2から送信されたこのMESSAGEメッセージの例を図9に示す。
図9の、メッセージボディに入れたメッセージの文字数を示すContent−Lengthと空白行の次の行であるメッセージボディ以外は図8と同じである。
このメッセージでは、文書IDの削除を表すメッセージ「DEL Document:ID=(文書ID)」がテキスト(アスキー文字)で記載されている。IP携帯電話23はこのMESSAGEメッセージを受信すると、フラッシュROM等の不揮発性メモリに記憶されたこのメッセージに含まれた文書IDとそれと対で記憶された送信者のユーザ名を消去する。
次に、IP携帯電話24の所有ユーザが文書IDの通知メッセージによりIP−FAX20が送信者=Aliceから文書を受信したことを認知すると、IP−FAX20にて受信文書をプリントするために、IP携帯電話24を持ってIP−FAX20の前に移動する。IP携帯電話24はIP携帯電話23と同じ端末であり、IP携帯電話24がIP−FAX20に近づくと、Bluetooth通信リンクが自動的に確立され、Bluetooth規格に従った通信プロトコルを開始する。
そして、上述した手順により、IP携帯電話24の所有ユーザのユーザID を使用してIP携帯電話24を認証して、Bluetooth通信コネクションを確立する。そして、IP携帯電話24は、先にIP−FAX20からSIPのインスタントメッセージにより受信した文書IDをプリントコマンドに含めてIP−FAX20へ送信し、IP−FAX20はこの文書IDに対応した2値画像データをプリントする。そして、文書ID−ユーザID対応テーブル中のIP携帯電話24の所有ユーザのユーザIDに対応したプリント完了フラグをオンにする(1の値をセットする)。図10に、この時の文書ID−ユーザID対応テーブルの例を示す。
続いて、IP−FAX20のメッセージ送信部73は、IP携帯電話24に文書IDの削除コマンドをSIPのインスタントメッセージを使用して送信する。IP携帯電話24はこのMESSAGEメッセージを受信すると、フラッシュROM等の不揮発性メモリに記憶されたこのメッセージに含まれた文書IDとそれと対で記憶された送信者のユーザ名を消去する。
続いて、IP−FAX20はIP−FAX10から指定された全てのユーザIDを持ったユーザがIP−FAX10から受信した文書をプリントしたと判断して、ハードディスク41に保存されたこの文書の文書IDと同じファイル名のTIFFファイルを削除し、また、フラッシュROM32に記憶された図9に示した文書ID−ユーザID対応テーブルを消去する。
なお、IP−FAX20は上記の処理に係わった、送信元端末であるIP−FAX10の電話番号、文書の受信日時、文書ID、送信者のユーザ名、ユーザID、受信の通知先である電話番号、プリント日時をプリント履歴としてフラッシュROM32に記憶していき、この時点で、このプリント履歴情報を文書の送信元端末であるIP−FAX10へSIPのインスタントメッセージを使用して送信する。
図11に、上述のプリント履歴の例を示す。ここで、送信元端末であるIP−FAX10の電話番号(SIP URI(Uniform Resource Identifiers)のユーザ名としてセット)は、SIPサーバ2から受信したINVITEメッセージ中のContactヘッダから取得する。
図12に、本実施形態において、IP−FAX20(受信側)の動作フローを示す。IP−FAX10(送信側)のユーザから、拠点BのIP携帯電話23の所有ユーザに原稿画像を送信する場合である。
IP−FAX20はIP−FAX10から着呼があったかを判断し(ステップS101)、着呼がない場合(ステップS101、NO)は、着呼があるまで判断を繰り返す。
着呼があった場合(ステップS101、YES)、文書付属情報記憶部72は、IP−FAX10から送信されたNSSコマンドに含まれる、文書ID、送信者のユーザ名、IP携帯電話23の所有ユーザのユーザID、IP携帯電話23の電話番号を文書IDと対応付けて、また各ユーザIDに対応した初期値ゼロをセットしたプリント完了フラグも付加して、これらのデータを文書ID−ユーザID対応テーブルとしてフラッシュROM32に記憶する(ステップS102)。
IP−FAX20の文書受信部70がMMR圧縮された2値画像データを受信すると、文書記憶部71は文書IDを文字列にして、この文字列をTIFFファイルのファイル名にする。そして、文書記憶部71はMMR圧縮データをこのファイル名のTIFFファイルにしてハードディスク41に記憶、保存する(ステップS103)。
IP−FAX20のメッセージ送信部73は、先にフラッシュROM32に記憶させた文書データの受信の通知先であるIP携帯電話23に文書IDと送信者のユーザ名をSIPのインスタントメッセージを使用して送信する(ステップS104)。
文書IDを全ての通知先に送信したかを判断し(ステップS105)、全てに送信していない場合(ステップS105、NO)、全ての通知先に文書IDを送信するまで繰り返す。全ての送信先に文書IDを送信(ステップS105、YES)したら、次にIP携帯電話からのBluetoothの電波信号を検出したかを判断する(ステップS106)。
IP携帯電話23の所有ユーザがIP携帯電話23を持ってIP−FAX20の前に行くと、IP携帯電話23とIP−FAX20はそれぞれBluetoothの電波信号を検出して、Bluetooth規格に従った通信手順を開始することになる。
IP携帯電話からのBluetoothの電波信号を検出しない場合(ステップS106、NO)は、電波信号を検出するまで繰り返す。IP携帯電話からのBluetoothの電波信号を検出した場合(ステップS106、YES)は、Bluetoothのインクワイアリ手順によりIP−FAX20はIP携帯電話23からユーザ名を取得(ステップS107)する。ここで、このユーザ名はIP携帯電話23の電話番号である。
そして、IP−FAX20はPINコードを用いた認証手順によりIP携帯電話23を認証(ステップS108)する。なお、PINコードとして使用するIP携帯電話23の所有ユーザのユーザIDは文書ID−ユーザID対応テーブルとしてフラッシュROM32に記憶されたものであり、先にインクワイアリ手順により取得したIP携帯電話23の電話番号から特定できる。
次に認証に成功したかを判断し(ステップS109)、認証に失敗した場合(ステップS109、NO)は、ステップS106に戻りBluetoothの電波信号の検出からやり直す。
認証に成功(ステップS109、YES)したら、IP携帯電話23はBluetooth通信コネクションを確立して、先にIP−FAX20からSIPのインスタントメッセージにより受信した文書IDをプリントコマンドに含めて送信するので、IP−FAX20はプリントコマンドを受信(ステップS110)する。
IP−FAX20は、このプリントコマンドを受信すると、これに含まれた文書IDと同じファイル名のTIFFファイルをハードディスク41から読み出して、このTIFFファイル中にあるMMR圧縮データをプリント出力部76へ渡し、プリント出力部76はこのMMR圧縮データを伸長して、伸長した2値画像データをプリントエンジン39を使用して紙77にプリント(ステップS111)する。
プリントが完了すると、文書ID−ユーザID対応テーブル中のIP携帯電話23の所有ユーザのユーザIDに対応したプリント完了フラグをオン(1の値をセットする)(ステップS112)にする。
続いて、IP−FAX20のメッセージ送信部73は、IP携帯電話23に文書IDの削除コマンドをSIPのインスタントメッセージを使用して送信(ステップS113)する。
IP−FAX20は文書ID−ユーザID対応テーブル中のプリント完了フラグが全てオンかどうか判断し(ステップS114)、全てがオンでない場合(ステップS114、NO)は、ステップS106に戻りプリント完了フラグが全てオンになるまでBluetoothの電波信号の検出判断を繰り返す。プリント完了フラグが全てオンであったなら(ステップS114、YES)、指定された全てのユーザIDを持ったユーザがIP−FAX10から受信した文書をプリントしたと判断して、ハードディスク41に保存されたこの文書の文書IDと同じファイル名のTIFFファイルを削除(ステップS115)し、フラッシュROM32に記憶された図10に示した文書ID−ユーザID対応テーブルを消去(ステップS116)する。
IP−FAX20は上記の処理に係わった、送信元端末であるIP−FAX10の電話番号、文書の受信日時、文書ID、送信者のユーザ名、ユーザID、受信の通知先である電話番号、プリント日時をプリント履歴としてフラッシュROM32に記憶していき、文書ID−ユーザID対応テーブルを消去した時点で、プリント履歴情報を文書の送信元端末であるIP−FAX10へSIPのインスタントメッセージを使用して送信(ステップS117)して、終了する。
本実施形態において、IP−FAX10のユーザが送信した画像のプリント回数を拠点BのIP携帯電話23の所有ユーザとIP携帯電話24の所有ユーザとで異なる回数を設定する場合について説明する。
IP−FAX10のユーザは、個別送信モードを選択し、電子電話帳により、IP携帯電話23の所有ユーザを選択するとこのユーザに対するプリント回数を設定する画面となり、ユーザはIP携帯電話23の所有ユーザに対して許可するプリント回数を入力する。
IP−FAX10のユーザは、続いて、電子電話帳により、IP携帯電話24の所有ユーザを選択するとこのユーザに対するプリント回数を設定する画面となり、ユーザはIP携帯電話24の所有ユーザに対して許可するプリント回数を入力する。今、前者に対するプリント回数として2が、後者に対するプリント回数として3が入力されたとする。
続いて、IP−FAX10のユーザは予め登録されている送信者アイコンの一覧から自分のユーザ名のアイコンを選択する。
続いて、IP−FAX10のユーザが原稿を原稿用スキャナ37にセットして、IP−FAX20のFAX番号を入力してスタートキーを押すと、IP−FAX10は原稿用スキャナ37から原稿画像を読み取って、IP−FAX20と接続する。そして、IP−FAX10は文書ID、送信者のユーザ名、IP携帯電話23の所有ユーザのユーザID、IP携帯電話23の電話番号、IP携帯電話23の所有ユーザがプリントできる回数、IP携帯電話24の所有ユーザのユーザID、IP携帯電話24の電話番号、IP携帯電話24の所有ユーザがプリントできる回数をNSSコマンドに含めてIP−FAX20へ送信する。
なお、ユーザIDとIP携帯電話の電話番号はユーザ名に対応して電子電話帳に予め登録されている。
IP−FAX20では、このNSSコマンドを受信すると、これに含まれている文書ID、送信者のユーザ名、IP携帯電話23の所有ユーザのユーザID、IP携帯電話23の電話番号、IP携帯電話23の所有ユーザのプリント回数、IP携帯電話24の所有ユーザのユーザID、IP携帯電話24の電話番号、IP携帯電話24の所有ユーザのプリント回数を各ユーザIDに対応した初期値ゼロをセットしたプリント完了フラグも付加して、これらのデータを文書ID−ユーザID対応テーブルとしてフラッシュROM32に記憶する。
図13に本実施形態における、上記の文書ID−ユーザID対応テーブルを示す。
続いて、IP−FAX20はMMR圧縮された2値画像データを受信すると、これをTIFFファイルにしてハードディスク41に記憶、保存する。続いて、IP−FAX20はIP携帯電話23へ文書ID、送信者のユーザ名、IP携帯電話23の所有ユーザのプリント回数を、IP携帯電話24へ文書ID、送信者のユーザ名、IP携帯電話24の所有ユーザのプリント回数を、それぞれSIPのインスタントメッセージを使用して送信する。
IP携帯電話23とIP携帯電話24はこのメッセージを受信すると、このメッセージに含まれた文書ID、送信者のユーザ名、プリント回数をフラッシュROM等の不揮発性メモリに記憶するとともに、IP−FAX20が送信者=Aliceから文書を受信したことをプリント回数とともに表示部に表示する。
IP携帯電話23の所有ユーザが文書IDの通知メッセージによりIP−FAX20が送信者=Aliceから文書を受信したことを認知すると、IP−FAX20にて受信文書をプリントするために、IP携帯電話23を持ってIP−FAX20の前に移動する。
IP携帯電話23がIP−FAX20に近づくと、Bluetooth通信リンクが自動的に確立され、IP−FAX20はPINコードを用いた認証手順によりIP携帯電話23を認証する。そして、IP携帯電話23は文書IDを含めたプリントコマンドをBluetooth通信によりIP−FAX20へ送信し、IP−FAX20はこの文書IDに対応した2値画像データをプリントする。そして、文書ID−ユーザID対応テーブル中のIP携帯電話23の所有ユーザのユーザIDに対応したプリント回数を1だけ減算する。
その後、IP携帯電話23の所有ユーザが再度、受信文書をプリントするために、IP携帯電話23を持ってIP−FAX20の前に移動すると、IP−FAX20は2値画像データをプリントして、文書ID−ユーザID対応テーブル中のIP携帯電話23の所有ユーザのユーザIDに対応したプリント回数を1だけ減算する。ここで、IP携帯電話23の所有ユーザのユーザIDに対応したプリント回数がゼロになるため、文書ID−ユーザID対応テーブル中のIP携帯電話23の所有ユーザのユーザIDに対応したプリント完了フラグをオンにする(1の値をセットする)。
IP携帯電話24の所有ユーザも上述のIP携帯電話23の所有者のようにして許容された回数だけ受信画像をプリントすると、IP−FAX20は文書ID−ユーザID対応テーブル中のIP携帯電話24の所有ユーザのユーザIDに対応したプリント完了フラグをオンにする(1の値をセットする)。
この時点で、IP−FAX20はIP−FAX10から指定された全てのユーザIDを持ったユーザがIP−FAX10から受信した文書をプリントしたと判断して、ハードディスク41に保存されたこの文書の文書IDと同じファイル名のTIFFファイルを削除し、また、フラッシュROM32に記憶された図13に示した文書ID−ユーザID対応テーブルを消去する。
図14に本実施形態において上述したIP−FAX20(受信側)の動作フローを示す。IP−FAX10(送信側)のユーザが送信した画像のプリント回数を拠点BのIP携帯電話23の所有ユーザとIP携帯電話24の所有ユーザとで異なる回数を設定する場合についてである。IP携帯電話23の所有ユーザに対するプリント回数として2が、IP携帯電話24の所有ユーザに対するプリント回数として3が設定されたとする。
IP−FAX20はIP−FAX10から着呼があったかを判断し(ステップS201)、着呼がない場合(ステップS201、NO)は、着呼があるまで判断を繰り返す。
着呼があった場合(ステップS201、YES)、文書付属情報記憶部72は、IP−FAX10から送信されたNSSコマンドに含まれる、文書ID、送信者のユーザ名、IP携帯電話23の所有ユーザのユーザID、IP携帯電話23の電話番号、IP携帯電話23の所有ユーザのプリント回数、IP携帯電話24の所有ユーザのユーザID、IP携帯電話24の電話番号、IP携帯電話24の所有ユーザのプリント回数を文書IDと対応付けて、また各ユーザIDに対応した初期値ゼロをセットしたプリント完了フラグも付加して、これらのデータを文書ID−ユーザID対応テーブルとしてフラッシュROM32に記憶する(ステップS202)。
IP−FAX20の文書受信部70がMMR圧縮された2値画像データを受信すると、文書記憶部71は文書IDを文字列にして、この文字列をTIFFファイルのファイル名にする。そして、文書記憶部71はMMR圧縮データをこのファイル名のTIFFファイルにしてハードディスク41に記憶、保存する(ステップS203)。
IP−FAX20のメッセージ送信部73は、先にフラッシュROM32に記憶させた文書データの受信の通知先であるIP携帯電話23に文書ID、送信者のユーザ名、IP携帯電話23の所有ユーザのプリント回数をSIPのインスタントメッセージを使用して送信する(ステップS204)。
文書IDを全ての通知先に送信したかを判断し(ステップS205)、全てに送信していない場合(ステップS205、NO)、全ての通知先に文書IDを送信するまで繰り返す。全ての送信先に文書IDを送信(ステップS205、YES)したら、次にIP携帯電話からのBluetoothの電波信号を検出したかを判断する(ステップS206)。
IP携帯電話23の所有ユーザがIP携帯電話23を持ってIP−FAX20の前に行くと、IP携帯電話23とIP−FAX20はそれぞれBluetoothの電波信号を検出して、Bluetooth規格に従った通信手順を開始することになる。
IP携帯電話からのBluetoothの電波信号を検出しない場合(ステップS206、NO)は、電波信号を検出するまで繰り返す。IP携帯電話からのBluetoothの電波信号を検出した場合(ステップS206、YES)は、Bluetoothのインクワイアリ手順によりIP−FAX20はIP携帯電話23からユーザ名を取得(ステップS207)する。ここで、このユーザ名はIP携帯電話23の電話番号である。
そして、IP−FAX20はPINコードを用いた認証手順によりIP携帯電話23を認証(ステップS208)する。なお、PINコードとして使用するIP携帯電話23の所有ユーザのユーザIDは文書ID−ユーザID対応テーブルとしてフラッシュROM32に記憶されたものであり、先にインクワイアリ手順により取得したIP携帯電話23の電話番号から特定できる。
次に認証に成功したかを判断し(ステップS209)、認証に失敗した場合(ステップS209、NO)は、ステップS206に戻りBluetoothの電波信号の検出からやり直す。
認証に成功(ステップS209、YES)したら、IP携帯電話23はBluetooth通信コネクションを確立して、先にIP−FAX20からSIPのインスタントメッセージにより受信した文書IDをプリントコマンドに含めて送信するので、IP−FAX20は文書IDを含んだプリントコマンドを受信(ステップS210)する。
IP−FAX20は、このプリントコマンドを受信すると、これに含まれた文書IDと同じファイル名のTIFFファイルをハードディスク41から読み出して、このTIFFファイル中にあるMMR圧縮データをプリント出力部76へ渡し、プリント出力部76はこのMMR圧縮データを伸長して、伸長した2値画像データをプリントエンジン39を使用して紙77にプリント(ステップS211)する。
プリントが完了すると、文書ID−ユーザID対応テーブル中のIP携帯電話23の所有ユーザのユーザIDに対応したプリント回数を1だけ減算(ステップS212)する。
文書ID−ユーザID対応テーブル中のユーザIDに対応したプリント回数がゼロかを判断し(ステップS213)、プリント回数がゼロでない場合(ステップS213、NO)は、ステップS206に戻りプリント回数がゼロと判断するまでBluetoothの電波信号の検出判断を繰り返す。
その後、プリント回数がゼロでないIP携帯電話23の所有ユーザが再度、受信文書をプリントするために、IP携帯電話23を持ってIP−FAX20の前に移動すると、IP−FAX20は2値画像データをプリントして、文書ID−ユーザID対応テーブル中のIP携帯電話23の所有ユーザのユーザIDに対応したプリント回数を1だけ減算する。ここで、IP携帯電話23の所有ユーザのユーザIDに対応したプリント回数がゼロになる。
プリント回数がゼロの場合(ステップS213、YES)は、文書ID−ユーザID対応テーブル中のIP携帯電話23の所有ユーザのユーザIDに対応したプリント完了フラグをオン(1の値をセットする)(ステップS214)にする。
IP−FAX20は文書ID−ユーザID対応テーブル中のプリント完了フラグが全てオンかどうか判断し(ステップS215)、全てがオンでない場合(ステップS215、NO)は、ステップS206に戻りプリント完了フラグが全てオンと判断するまでBluetoothの電波信号の検出判断を繰り返す。
次にIP携帯電話24がIP−FAX20に近づくと、IP携帯電話からのBluetoothの電波信号を検出して(ステップS206)Bluetooth通信リンクが自動的に確立され、Bluetoothのインクワイアリ手順によりIP−FAX20はIP携帯電話24からユーザ名を取得(ステップS207)する。そして、IP−FAX20はPINコードを用いた認証手順によりIP携帯電話24を認証(ステップS208)する。
IP携帯電話24は文書IDを含めたプリントコマンドをBluetooth通信によりIP−FAX20へ送信し、IP−FAX20は文書IDを含んだプリントコマンドを受信(ステップS210)する。IP−FAX20はこの文書IDに対応した2値画像データをプリント(ステップS211)し、文書ID−ユーザID対応テーブル中のIP携帯電話24の所有ユーザのユーザIDに対応したプリント回数を1だけ減算する。
その後、IP携帯電話24の所有ユーザが再度、受信文書をプリントするために、IP携帯電話24を持ってIP−FAX20の前に移動すると、IP−FAX20は2値画像データをプリントして、文書ID−ユーザID対応テーブル中のIP携帯電話24の所有ユーザのユーザIDに対応したプリント回数を1だけ減算する(ステップS212)。これを繰り返してIP携帯電話24の所有ユーザのユーザIDに対応したプリント回数がゼロになったら(ステップS213、YES)、文書ID−ユーザID対応テーブル中のIP携帯電話24の所有ユーザのユーザIDに対応したプリント完了フラグをオンにする(1の値をセットする)(ステップS214)。
プリント完了フラグが全てオンであったなら(ステップS215、YES)、指定された全てのユーザIDを持ったユーザがIP−FAX10から受信した文書をプリントしたと判断して、ハードディスク41に保存されたこの文書の文書IDと同じファイル名のTIFFファイルを削除(ステップS216)し、フラッシュROM32に記憶された図13に示した文書ID−ユーザID対応テーブルを消去(ステップS217)する。
本実施形態における、IP−FAX10のユーザが指定した複数のユーザの中で、誰か1人に原稿画像を渡せばよい場合について説明する。
IP−FAX10のユーザは個別送信モードを選択し、さらに送信画像のプリント回数を1回のみに制限する1回プリントモードを選択する。そして、IP−FAX10のユーザは電子電話帳により、IP携帯電話23の所有ユーザとIP携帯電話24の所有ユーザを選択する。続いて、IP−FAX10のユーザは予め登録されている送信者アイコンの一覧から自分のユーザ名のアイコンを選択する。
続いて、IP−FAX10のユーザが原稿を原稿用スキャナ37にセットして、IP−FAX20のFAX番号を入力してスタートキーを押すと、IP−FAX10は原稿用スキャナ37から原稿画像を読み取って、IP−FAX20と接続する。そして、IP−FAX10は文書ID、送信者のユーザ名、1回プリントモードの識別情報、IP携帯電話23の所有ユーザのユーザID、IP携帯電話23の電話番号、IP携帯電話24の所有ユーザのユーザID、IP携帯電話24の電話番号をNSSコマンドに含めてIP−FAX20へ送信する。
なお、ユーザIDとIP携帯電話の電話番号はユーザ名に対応して電子電話帳に予め登録されている。IP−FAX20では、このNSSコマンドを受信すると、これに含まれている文書ID、送信者のユーザ名、IP携帯電話23の所有ユーザのユーザID、IP携帯電話23の電話番号、IP携帯電話24の所有ユーザのユーザID、IP携帯電話24の電話番号を文書ID−ユーザID対応テーブルとしてフラッシュROM32に記憶する。この文書ID−ユーザID対応テーブルは、図7にてプリント完了フラグを省いたものである。
続いて、IP−FAX20はMMR圧縮された2値画像データを受信すると、これをTIFFファイルにしてハードディスク41に記憶、保存する。続いて、IP−FAX20は、IP携帯電話23とIP携帯電話24へ文書IDと送信者のユーザ名をSIPのインスタントメッセージを使用して送信する。
IP携帯電話23とIP携帯電話24はこのメッセージを受信すると、このメッセージに含まれた文書IDと送信者のユーザ名をフラッシュROM等の不揮発性メモリに記憶するとともに、IP−FAX20が送信者=Aliceから文書を受信したことを表示部に表示する。
IP携帯電話23の所有ユーザが文書IDの通知メッセージによりIP−FAX20が送信者=Aliceから文書を受信したことを認知すると、IP−FAX20にて受信文書をプリントするために、IP携帯電話23を持ってIP−FAX20の前に移動する。
IP携帯電話23がIP−FAX20に近づくと、Bluetooth通信リンクが自動的に確立され、IP−FAX20はPINコードを用いた認証手順によりIP携帯電話23を認証する。そして、IP携帯電話23は文書IDを含めたプリントコマンドをBluetooth通信によりIP−FAX20へ送信し、IP−FAX20はこの文書IDに対応した2値画像データをプリントする。
プリントが完了すると、IP−FAX20はIP携帯電話23と IP携帯電話24へ文書IDの削除コマンドをSIPのインスタントメッセージを使用して送信する。IP携帯電話23と IP携帯電話24はこのメッセージを受信すると、フラッシュROM等の不揮発性メモリに記憶されたこのメッセージに含まれた文書IDとそれと対で記憶された送信者のユーザ名を消去する。プリントコマンドを送信していないIP携帯電話24は、IP−FAX20が先に受信を通知した文書がプリントされたことを表示部に表示する。
続いて、IP−FAX20はハードディスク41に保存されたこの文書の文書IDと同じファイル名のTIFFファイルを削除し、また、フラッシュROM32に記憶された文書ID−ユーザID対応テーブルを消去する。
図15に本実施形態において上述したIP−FAX20(受信側)の動作フローを示す。IP−FAX10(送信側)のユーザが指定した複数のユーザの中で、誰か1人に原稿画像を渡せばよい場合についてである。
IP−FAX20はIP−FAX10から着呼があったかを判断し(ステップS301)、着呼がない場合(ステップS301、NO)は、着呼があるまで判断を繰り返す。
着呼があった場合(ステップS301、YES)、文書付属情報記憶部72は、IP−FAX10から送信されたNSSコマンドに含まれる、文書ID、送信者のユーザ名、1回プリントモードの識別情報、IP携帯電話23の所有ユーザのユーザID、IP携帯電話23の電話番号、IP携帯電話24の所有ユーザのユーザID、IP携帯電話24の電話番号を文書IDと対応付けて、また各ユーザIDに対応した初期値ゼロをセットしたプリント完了フラグも付加して、これらのデータを文書ID−ユーザID対応テーブルとしてフラッシュROM32に記憶する(ステップS302)。この文書ID−ユーザID対応テーブルは、図7にてプリント完了フラグを省いたものである。
IP−FAX20の文書受信部70がMMR圧縮された2値画像データを受信すると、文書記憶部71は文書IDを文字列にして、この文字列をTIFFファイルのファイル名にする。そして、文書記憶部71はMMR圧縮データをこのファイル名のTIFFファイルにしてハードディスク41に記憶、保存する(ステップS303)。
IP−FAX20のメッセージ送信部73は、先にフラッシュROM32に記憶させた文書データの受信の通知先であるIP携帯電話23に文書IDと送信者のユーザ名をSIPのインスタントメッセージを使用して送信する(ステップS304)。
文書IDを全ての通知先に送信したかを判断し(ステップS305)、全てに送信していない場合(ステップS305、NO)、全ての通知先に文書IDを送信するまで繰り返す。全ての送信先に文書IDを送信(ステップS305、YES)したら、次にIP携帯電話からのBluetoothの電波信号を検出したかを判断する(ステップS306)。
IP携帯電話23の所有ユーザがIP携帯電話23を持ってIP−FAX20の前に行くと、IP携帯電話23とIP−FAX20はそれぞれBluetoothの電波信号を検出して、Bluetooth規格に従った通信手順を開始することになる。
IP携帯電話からのBluetoothの電波信号を検出しない場合(ステップS306、NO)は、電波信号を検出するまで繰り返す。IP携帯電話からのBluetoothの電波信号を検出した場合(ステップS306、YES)は、Bluetoothのインクワイアリ手順によりIP−FAX20はIP携帯電話23からユーザ名を取得(ステップS307)する。ここで、このユーザ名はIP携帯電話23の電話番号である。
そして、IP−FAX20はPINコードを用いた認証手順によりIP携帯電話23を認証(ステップS308)する。なお、PINコードとして使用するIP携帯電話23の所有ユーザのユーザIDは文書ID−ユーザID対応テーブルとしてフラッシュROM32に記憶されたものであり、先にインクワイアリ手順により取得したIP携帯電話23の電話番号から特定できる。
次に認証に成功したかを判断し(ステップS309)、認証に失敗した場合(ステップS309、NO)は、ステップS306に戻りBluetoothの電波信号の検出からやり直す。
認証に成功(ステップS309、YES)したら、IP携帯電話23はBluetooth通信コネクションを確立して、先にIP−FAX20からSIPのインスタントメッセージにより受信した文書IDをプリントコマンドに含めて送信するので、IP−FAX20は文書IDを含んだプリントコマンドを受信(ステップS310)する。
IP−FAX20は、このプリントコマンドを受信すると、これに含まれた文書IDと同じファイル名のTIFFファイルをハードディスク41から読み出して、このTIFFファイル中にあるMMR圧縮データをプリント出力部76へ渡し、プリント出力部76はこのMMR圧縮データを伸長して、伸長した2値画像データをプリントエンジン39を使用して紙77にプリント(ステップS311)する。
プリントが完了すると、IP−FAX20はIP携帯電話23と IP携帯電話24へ文書IDの削除コマンドをSIPのインスタントメッセージを使用して送信(ステップS312)する。IP携帯電話23と IP携帯電話24はこのメッセージを受信すると、フラッシュROM等の不揮発性メモリに記憶されたこのメッセージに含まれた文書IDとそれと対で記憶された送信者のユーザ名を消去する。プリントコマンドを送信していないIP携帯電話24は、IP−FAX20が先に受信を通知した文書がプリントされたことを表示部に表示する。
続いて、IP−FAX20はハードディスク41に保存されたこの文書の文書IDと同じファイル名のTIFFファイルを削除(ステップS313)し、フラッシュROM32に記憶された文書ID−ユーザID対応テーブルを消去(ステップS314)して終了する。
本実施形態における、IP−FAX20から文書の受信通知を受けたIP携帯電話の所有ユーザが、文書IDを他のユーザの端末に譲渡して、他のユーザが代わりにプリントする場合について説明する。
本実施形態における、機器接続例を図16に示す。IPネットワーク1にはSIPサーバ2が接続されており、拠点Aに存在するIP−FAX10、PC11、アクセスポイント(AP)12、IP携帯電話13等と拠点Bに存在するIP−FAX20、PC21、アクセスポイント(AP)22、IP携帯電話23、IP携帯電話24、IP携帯電話25等は、お互いにIPネットワーク1を介して通信できるようになっている。なお、IP携帯電話13とアクセスポイント(AP)12との間、およびIP携帯電話23、IP携帯電話24、IP携帯電話25とアクセスポイント(AP)22との間はIEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11b規格の無線LANで接続している。
図16は図1に対して、IP携帯電話25が追加されている。また、IP−FAX20にはIP携帯電話25の所有ユーザのユーザ名、IP携帯電話25の所有ユーザのユーザID、IP携帯電話25の電話番号が対応付けて電子電話帳に予め登録されている。
IP−FAX10のユーザは、拠点BのIP携帯電話23の所有ユーザとIP携帯電話24の所有ユーザに原稿画像を渡すために、個別送信モードを選択し、電子電話帳により、IP携帯電話23の所有ユーザとIP携帯電話24の所有ユーザを選択する。
続いて、IP−FAX10のユーザは予め登録されている送信者アイコンの一覧から自分のユーザ名のアイコンを選択する。
続いて、IP−FAX10のユーザが原稿を原稿用スキャナ37にセットして、IP−FAX20のFAX番号を入力してスタートキーを押すと、IP−FAX10は原稿用スキャナ37から原稿画像を読み取って、IP−FAX20と接続する。そして、IP−FAX10は文書ID、送信者のユーザ名、IP携帯電話23の所有ユーザのユーザID、IP携帯電話23の電話番号、IP携帯電話24の所有ユーザのユーザID、IP携帯電話24の電話番号をNSSコマンドに含めてIP−FAX20へ送信する。
なお、ユーザIDとIP携帯電話の電話番号はユーザ名に対応して電子電話帳に予め登録されている。
IP−FAX20では、このNSSコマンドを受信すると、これに含まれている文書ID、送信者のユーザ名、IP携帯電話23の所有ユーザのユーザID、IP携帯電話23の電話番号、IP携帯電話24の所有ユーザのユーザID、IP携帯電話24の電話番号を各ユーザIDに対応した初期値ゼロをセットしたプリント完了フラグも付加して、これらのデータを文書ID−ユーザID対応テーブルとしてフラッシュROM32に記憶する。
続いて、IP−FAX20はMMR圧縮された2値画像データを受信すると、これをTIFFファイルにしてハードディスク41に記憶、保存する。続いて、IP−FAX20は文書データの受信の通知先であるIP携帯電話23とIP携帯電話24に文書IDと送信者のユーザ名をSIPのインスタントメッセージを使用して送信する。
IP携帯電話23の所有ユーザがIP−FAX20が送信者=Aliceから文書を受信したことを認知すると、文書IDをIP携帯電話25へ譲渡するための操作を行う。すなわち、IP携帯電話23の所有ユーザがプリント権限の譲渡モードを選択して、IP携帯電話25の電話番号と文書IDを指定して、IP−FAX20への送信操作を行うと、IP携帯電話23はIP携帯電話25の電話番号と文書IDを含めたプリント権限譲渡コマンドをSIPのインスタントメッセージを使用してIP−FAX20へ送信する。送信が終了すると、IP携帯電話23は記憶していた文書IDとそれと対で記憶された送信者のユーザ名を消去する。
IP−FAX20はプリント権限譲渡コマンドを受信すると、電子電話帳を参照して、このコマンドに含まれたIP携帯電話25の電話番号に対応したユーザIDを取得する。そして、IP−FAX20は文書ID−ユーザID対応テーブル中にある、プリント権限譲渡コマンドに含まれた文書IDと対応付けられたIP携帯電話23の電話番号をIP携帯電話25の電話番号で置き換え、同じ文書IDとIP携帯電話23の電話番号に対応付けられたユーザIDを先に電子電話帳から取得したIP携帯電話25の電話番号に対応したユーザIDで置き換える。図17に、この時の文書ID−ユーザID対応テーブルの例を示す。
次に、IP−FAX20はIP携帯電話25の電話番号を使用して、IP携帯電話25へ上記の文書IDと送信者のユーザ名をSIPのインスタントメッセージを使用して送信する。IP携帯電話25はこのメッセージを受信すると、このメッセージに含まれた文書IDと送信者のユーザ名をフラッシュROM等の不揮発性メモリに記憶するとともに、IP−FAX20が送信者=Aliceから文書を受信したことを表示部に表示する。
IP携帯電話25の所有ユーザが文書IDの通知メッセージによりIP−FAX20が送信者=Aliceから文書を受信したことを認知すると、IP−FAX20にて受信文書をプリントするために、IP携帯電話25を持ってIP−FAX20の前に移動する。
IP携帯電話25がIP−FAX20に近づくと、Bluetooth通信リンクが自動的に確立され、IP−FAX20はPINコードを用いた認証手順によりIP携帯電話25を認証する。そして、IP携帯電話25は文書IDを含めたプリントコマンドをBluetooth通信によりIP−FAX20へ送信し、IP−FAX20はこの文書IDに対応した2値画像データをプリントする。そして、文書ID−ユーザID対応テーブル中のIP携帯電話25の所有ユーザのユーザIDに対応したプリント完了フラグをオンにする(1の値をセットする)。
プリントが完了すると、IP−FAX20はIP携帯電話25へ文書IDの削除コマンドをSIPのインスタントメッセージを使用して送信する。IP携帯電話25はこのメッセージを受信すると、フラッシュROM等の不揮発性メモリに記憶されたこのメッセージに含まれた文書IDとそれと対で記憶された送信者のユーザ名を消去する。
続いて、IP−FAX20はIP−FAX10から指定された全てのユーザIDを持ったユーザがIP−FAX10から受信した文書をプリントしたと判断したら、ハードディスク41に保存されたこの文書の文書IDと同じファイル名のTIFFファイルを削除し、また、フラッシュROM32に記憶された文書ID−ユーザID対応テーブルを消去する。
なお、IP−FAX20は上記の処理に係わった、送信元端末であるIP−FAX10の電話番号、文書の受信日時、文書ID、送信者のユーザ名、ユーザID、受信の通知先である電話番号、プリント日時をプリント履歴としてフラッシュROM32に記憶していき、この時点で、このプリント履歴情報を文書の送信元端末であるIP−FAX10へSIPのインスタントメッセージを使用して送信する。
本実施形態における、上記のIP−FAX20(受信側)の動作フローを図18に示す。IP−FAX20から文書の受信通知を受けたIP携帯電話の所有ユーザが、文書IDを他のユーザの端末に譲渡して、他のユーザが代わりにプリントする場合についてである。
IP−FAX20はIP−FAX10から着呼があったかを判断し(ステップS401)、着呼がない場合(ステップS401、NO)は、着呼があるまで判断を繰り返す。
着呼があった場合(ステップS401、YES)、文書付属情報記憶部72は、IP−FAX10から送信されたNSSコマンドに含まれる、文書ID、送信者のユーザ名、IP携帯電話23の所有ユーザのユーザID、IP携帯電話23の電話番号、IP携帯電話24の所有ユーザのユーザID、IP携帯電話24の電話番号を文書IDと対応付けて、また各ユーザIDに対応した初期値ゼロをセットしたプリント完了フラグも付加して、これらのデータを文書ID−ユーザID対応テーブルとしてフラッシュROM32に記憶する(ステップS402)。
IP−FAX20の文書受信部70がMMR圧縮された2値画像データを受信すると、文書記憶部71は文書IDを文字列にして、この文字列をTIFFファイルのファイル名にする。そして、文書記憶部71はMMR圧縮データをこのファイル名のTIFFファイルにしてハードディスク41に記憶、保存する(ステップS403)。
IP−FAX20のメッセージ送信部73は、先にフラッシュROM32に記憶させた文書データの受信の通知先であるIP携帯電話23に文書IDと送信者のユーザ名をSIPのインスタントメッセージを使用して送信する(ステップS404)。
文書IDを全ての通知先に送信したかを判断し(ステップS405)、全てに送信していない場合(ステップS405、NO)、全ての通知先に文書IDを送信するまで繰り返す。全ての送信先に文書IDを送信(ステップS405、YES)したら、次にプリント権限譲渡コマンドを受信したかを判断する(ステップS406)。プリント権限受信コマンドを受信しない場合(ステップS406、NO)は受信するまで判断を繰り返す。
IP携帯電話23の所有ユーザがIP−FAX20が送信者=Aliceから文書を受信したことを認知すると、文書IDをIP携帯電話25へ譲渡するための操作を行う。すなわち、IP携帯電話23の所有ユーザがプリント権限の譲渡モードを選択して、IP携帯電話25の電話番号と文書IDを指定して、IP−FAX20への送信操作を行うと、IP携帯電話23はIP携帯電話25の電話番号と文書IDを含めたプリント権限譲渡コマンドをSIPのインスタントメッセージを使用してIP−FAX20へ送信する。送信が終了すると、IP携帯電話23は記憶していた文書IDとそれと対で記憶された送信者のユーザ名を消去する。
プリント権限譲渡コマンドを受信した場合(ステップS406、YES)は、IP−FAX20は電子電話帳を参照して、このコマンドに含まれたIP携帯電話25の電話番号に対応したユーザIDを取得(ステップS407)する。そして、IP−FAX20は文書ID−ユーザID対応テーブル中にある、プリント権限譲渡コマンドに含まれた文書IDと対応付けられたIP携帯電話23の電話番号をIP携帯電話25の電話番号で置き換え、同じ文書IDとIP携帯電話23の電話番号に対応付けられたユーザIDを先に電子電話帳から取得したIP携帯電話25の電話番号に対応したユーザIDで置き換える(ステップS408)。
次に、IP−FAX20はIP携帯電話25の電話番号を使用して、IP携帯電話25へ上記の文書IDと送信者のユーザ名をSIPのインスタントメッセージを使用して送信する(ステップS409)。IP携帯電話25はこのメッセージを受信すると、このメッセージに含まれた文書IDと送信者のユーザ名をフラッシュROM等の不揮発性メモリに記憶するとともに、IP−FAX20が送信者=Aliceから文書を受信したことを表示部に表示する。
次にIP携帯電話からのBluetoothの電波信号を検出したかを判断する(ステップS410)。
IP携帯電話25の所有ユーザがIP携帯電話25を持ってIP−FAX20の前に行くと、IP携帯電話25とIP−FAX20はそれぞれBluetoothの電波信号を検出して、Bluetooth規格に従った通信手順を開始することになる。
IP携帯電話からのBluetoothの電波信号を検出しない場合(ステップS410、NO)は、電波信号を検出するまで繰り返す。IP携帯電話からのBluetoothの電波信号を検出した場合(ステップS410、YES)は、Bluetoothのインクワイアリ手順によりIP−FAX20はIP携帯電話25からユーザ名を取得(ステップS411)する。ここで、このユーザ名はIP携帯電話25の電話番号である。
そして、IP−FAX20はPINコードを用いた認証手順によりIP携帯電話25を認証(ステップS412)する。なお、PINコードとして使用するIP携帯電話25の所有ユーザのユーザIDは文書ID−ユーザID対応テーブルとしてフラッシュROM32に記憶されたものであり、先にインクワイアリ手順により取得したIP携帯電話25の電話番号から特定できる。
次に認証に成功したかを判断し(ステップS413)、認証に失敗した場合(ステップS413、NO)は、ステップS410に戻りBluetoothの電波信号の検出からやり直す。
認証に成功(ステップS413、YES)したら、IP携帯電話25はBluetooth通信コネクションを確立して、先にIP−FAX20からSIPのインスタントメッセージにより受信した文書IDをプリントコマンドに含めて送信するので、IP−FAX20はプリントコマンドを受信(ステップS414)する。
IP−FAX20は、このプリントコマンドを受信すると、これに含まれた文書IDと同じファイル名のTIFFファイルをハードディスク41から読み出して、このTIFFファイル中にあるMMR圧縮データをプリント出力部76へ渡し、プリント出力部76はこのMMR圧縮データを伸長して、伸長した2値画像データをプリントエンジン39を使用して紙77にプリント(ステップS415)する。
プリントが完了すると、文書ID−ユーザID対応テーブル中のIP携帯電話25の所有ユーザのユーザIDに対応したプリント完了フラグをオン(1の値をセットする)(ステップS416)にする。
続いて、IP−FAX20のメッセージ送信部73は、IP携帯電話25に文書IDの削除コマンドをSIPのインスタントメッセージを使用して送信(ステップS417)する。
IP−FAX20は文書ID−ユーザID対応テーブル中のプリント完了フラグが全てオンかどうか判断し(ステップS418)、全てがオンでない場合(ステップS418、NO)は、ステップS410に戻りプリント完了フラグが全てオンになるまでBluetoothの電波信号の検出判断を繰り返す。プリント完了フラグが全てオンであったなら(ステップS418、YES)、指定された全てのユーザIDを持ったユーザがIP−FAX10から受信した文書をプリントしたと判断して、ハードディスク41に保存されたこの文書の文書IDと同じファイル名のTIFFファイルを削除(ステップS419)し、フラッシュROM32に記憶された図17に示した文書ID−ユーザID対応テーブルを消去(ステップS420)する。
IP−FAX20は上記の処理に係わった、送信元端末であるIP−FAX10の電話番号、文書の受信日時、文書ID、送信者のユーザ名、ユーザID、受信の通知先である電話番号、プリント日時をプリント履歴としてフラッシュROM32に記憶していき、文書ID−ユーザID対応テーブルを消去した時点で、プリント履歴情報を文書の送信元端末であるIP−FAX10へSIPのインスタントメッセージを使用して送信(ステップS421)して、終了する。
本実施形態における、送信した文書の保存期限をIP−FAX10のユーザが指定し、受信端末はこの保存期限を過ぎると受信して保存していた文書を削除する場合について説明する。
IP−FAX10のユーザは個別送信モードを選択して、さらに文書(送信画像)の保存期限を指定する。そして、IP−FAX10のユーザは電子電話帳により、IP携帯電話23の所有ユーザとIP携帯電話24の所有ユーザを選択する。続いて、IP−FAX10のユーザは予め登録されている送信者アイコンの一覧から自分のユーザ名のアイコンを選択する。
続いて、IP−FAX10のユーザが原稿を原稿用スキャナ37にセットして、IP−FAX20のFAX番号を入力してスタートキーを押すと、IP−FAX10は原稿用スキャナ37から原稿画像を読み取って、IP−FAX20と接続する。そして、IP−FAX10は文書ID、送信者のユーザ名、文書の保存期限、IP携帯電話23の所有ユーザのユーザID、IP携帯電話23の電話番号、IP携帯電話24の所有ユーザのユーザID、IP携帯電話24の電話番号をNSSコマンドに含めてIP−FAX20へ送信する。
なお、ユーザIDとIP携帯電話の電話番号はユーザ名に対応して電子電話帳に予め登録されている。
IP−FAX20では、このNSSコマンドを受信すると、これに含まれている文書ID、送信者のユーザ名、文書の保存期限、IP携帯電話23の所有ユーザのユーザID、IP携帯電話23の電話番号、IP携帯電話24の所有ユーザのユーザID、IP携帯電話24の電話番号を各ユーザIDに対応した初期値ゼロをセットしたプリント完了フラグも付加して、これらのデータを文書ID−ユーザID対応テーブルとしてフラッシュROM32に記憶する。
図19に本実施形態における、文書ID−ユーザID対応テーブルを示す。
なお、この文書ID−ユーザID対応テーブルでは、文書の保存期限をプリント期限としている。
続いて、IP−FAX20はMMR圧縮された2値画像データを受信すると、これをTIFFファイルにしてハードディスク41に記憶、保存する。続いて、IP−FAX20はIP携帯電話23へ文書ID、送信者のユーザ名、文書の保存期限を、IP携帯電話24へ文書ID、送信者のユーザ名、文書の保存期限を、それぞれSIPのインスタントメッセージを使用して送信する。
IP携帯電話23とIP携帯電話24はこのメッセージを受信すると、このメッセージに含まれた文書ID、送信者のユーザ名、文書の保存期限をフラッシュROM等の不揮発性メモリに記憶するとともに、IP−FAX20が送信者=Aliceから文書を受信したことを文書の保存期限とともに表示部に表示する。
IP携帯電話23の所有ユーザが文書IDの通知メッセージによりIP−FAX20が送信者=Aliceから文書を受信したことを認知すると、IP−FAX20にて受信文書をプリントするために、IP携帯電話23を持ってIP−FAX20の前に移動する。
IP携帯電話23がIP−FAX20に近づくと、Bluetooth通信リンクが自動的に確立され、IP−FAX20はPINコードを用いた認証手順によりIP携帯電話23を認証する。そして、IP携帯電話23は文書IDを含めたプリントコマンドをBluetooth通信によりIP−FAX20へ送信し、IP−FAX20はこの文書IDに対応した2値画像データをプリントする。プリントが完了すると、文書ID−ユーザID対応テーブル中のIP携帯電話23の所有ユーザのユーザIDに対応したプリント完了フラグをオンにする(1の値をセットする)。
続いて、IP−FAX20はIP携帯電話23に文書IDの削除コマンドをSIPのインスタントメッセージを使用して送信する。IP携帯電話23はこのメッセージを受信すると、フラッシュROM等の不揮発性メモリに記憶されたこのメッセージに含まれた文書IDと、それと対応付けて記憶された送信者のユーザ名および文書の保存期限を消去する。
ここで、IP携帯電話24の所有ユーザが文書をプリントする前に、この文書の保存期限になったとする。IP−FAX20は文書ID−ユーザID対応テーブルのプリント完了フラグをチェックして、オンになっていないIP携帯電話24に文書の保存切れの情報も含めた文書IDの削除コマンドをSIPのインスタントメッセージを使用して送信する。
IP携帯電話24はこのメッセージを受信すると、IP−FAX20にて送信者=Aliceからの受信文書が保存切れになったことを表示部に表示し、フラッシュROM等の不揮発性メモリに記憶されたこのメッセージに含まれた文書IDとそれと対応付けて記憶された送信者のユーザ名、および文書の保存期限を消去する。
そして、IP−FAX20は保存切れになった文書の文書IDと同じファイル名のTIFFファイルをハードディスク41から削除し、また、フラッシュROM32に記憶された文書ID−ユーザID対応テーブルを消去する。
本実施形態における、送信した文書の保存期限をIP−FAX10のユーザが指定し、受信端末はこの保存期限を過ぎると受信して保存していた文書を削除する場合で、文書の受信通知を受けたIP携帯電話の所有ユーザが、この文書の保存期限を延長する場合について説明する。
IP−FAX10のユーザは個別送信モードを選択して、さらに文書(送信画像)の保存期限を指定する。そして、IP−FAX10のユーザは電子電話帳により、IP携帯電話23の所有ユーザとIP携帯電話24の所有ユーザを選択する。続いて、IP−FAX10のユーザは予め登録されている送信者アイコンの一覧から自分のユーザ名のアイコンを選択する。
続いて、IP−FAX10のユーザが原稿を原稿用スキャナ37にセットして、IP−FAX20のFAX番号を入力してスタートキーを押すと、IP−FAX10は原稿用スキャナ37から原稿画像を読み取って、IP−FAX20と接続する。そして、IP−FAX10は文書ID、送信者のユーザ名、文書の保存期限、IP携帯電話23の所有ユーザのユーザID、IP携帯電話23の電話番号、IP携帯電話24の所有ユーザのユーザID、IP携帯電話24の電話番号をNSSコマンドに含めてIP−FAX20へ送信する。
なお、ユーザIDとIP携帯電話の電話番号はユーザ名に対応して電子電話帳に予め登録されている。
IP−FAX20では、このNSSコマンドを受信すると、これに含まれている文書ID、送信者のユーザ名、文書の保存期限、IP携帯電話23の所有ユーザのユーザID、IP携帯電話23の電話番号、IP携帯電話24の所有ユーザのユーザID、IP携帯電話24の電話番号を各ユーザIDに対応した初期値ゼロをセットしたプリント完了フラグも付加して、これらのデータを文書ID−ユーザID対応テーブルとしてフラッシュROM32に記憶する。
続いて、IP−FAX20はMMR圧縮された2値画像データを受信すると、これをTIFFファイルにしてハードディスク41に記憶、保存する。続いて、IP−FAX20はIP携帯電話23へ文書ID、送信者のユーザ名、文書の保存期限を、IP携帯電話24へ文書ID、送信者のユーザ名、文書の保存期限を、それぞれSIPのインスタントメッセージを使用して送信する。
IP携帯電話23とIP携帯電話24はこのメッセージを受信すると、このメッセージに含まれた文書ID、送信者のユーザ名、文書の保存期限をフラッシュROM等の不揮発性メモリに記憶するとともに、IP−FAX20が送信者=Aliceから文書を受信したことを文書の保存期限とともに表示部に表示する。
IP携帯電話23の所有ユーザがIP−FAX20が送信者=Aliceから文書を受信したことを表示部の表示から知る。IP携帯電話23の所有ユーザは、この時に表示されている文書の保存期限までに文書をプリントすることができないと判断すると、文書の保存期限を延長するための操作を行う。すなわち、IP携帯電話23の所有ユーザは文書の保存期限を延長するモードを選択して、延長後の保存期限を入力する。そして、文書IDを指定して、IP−FAX20への送信操作を行うと、IP携帯電話23は延長後の保存期限と文書IDを含めた保存期限延長コマンドをSIPのインスタントメッセージを使用してIP−FAX20へ送信する。
IP携帯電話23はまた、フラッシュROM等の不揮発性メモリに記憶されている文書の保存期限を延長後の保存期限に置き換える。IP−FAX20は保存期限延長コマンドを受信すると、文書ID−ユーザID対応テーブル中にある、保存期限延長コマンドに含まれた文書IDと対応付けられた保存期限(プリント期限)を保存期限延長コマンドに含まれた保存期限に置き換える。
そして、IP−FAX20は文書IDと変更された保存期限をIP携帯電話24へSIPのインスタントメッセージを使用して送信する。IP携帯電話24はこのメッセージを受信すると、このメッセージに含まれた文書IDと対応付けて記憶された文書の保存期限をこのメッセージに含まれた保存期限で置き換える。そして、IP携帯電話24は送信者=Aliceからの文書の保存期限が変更されたことを、変更後の保存期限とともに表示部に表示する。
IP携帯電話23の所有ユーザが、IP−FAX20にて受信文書をプリントするために、IP携帯電話23を持ってIP−FAX20の前に移動する。
IP携帯電話23がIP−FAX20に近づくと、Bluetooth通信リンクが自動的に確立され、IP−FAX20はPINコードを用いた認証手順によりIP携帯電話23を認証する。そして、IP携帯電話23は文書IDを含めたプリントコマンドをBluetooth通信によりIP−FAX20へ送信し、IP−FAX20はこの文書IDに対応した2値画像データをプリントする。プリントが完了すると、文書ID−ユーザID対応テーブル中のIP携帯電話23の所有ユーザのユーザIDに対応したプリント完了フラグをオンにする(1の値をセットする)。
続いて、IP−FAX20はIP携帯電話23に文書IDの削除コマンドをSIPのインスタントメッセージを使用して送信する。IP携帯電話23はこのメッセージを受信すると、フラッシュROM等の不揮発性メモリに記憶されたこのメッセージに含まれた文書IDと、それと対応付けて記憶された送信者のユーザ名および文書の保存期限を消去する。
ここで、IP携帯電話24の所有ユーザが文書をプリントする前に、この文書の保存期限になったとする。IP−FAX20は文書ID−ユーザID対応テーブルのプリント完了フラグをチェックして、オンになっていないIP携帯電話24に文書の保存切れの情報も含めた文書IDの削除コマンドをSIPのインスタントメッセージを使用して送信する。
IP携帯電話24はこのメッセージを受信すると、IP−FAX20にて送信者=Aliceからの受信文書が保存切れになったことを表示部に表示し、フラッシュROM等の不揮発性メモリに記憶されたこのメッセージに含まれた文書IDとそれと対応付けて記憶された送信者のユーザ名、および文書の保存期限を消去する。
そして、IP−FAX20は保存切れになった文書の文書IDと同じファイル名のTIFFファイルをハードディスク41から削除し、また、フラッシュROM32に記憶された文書ID−ユーザID対応テーブルを消去する。
本実施形態における、送信した文書の保存期限をIP−FAX10のユーザが指定し、受信端末はこの保存期限を過ぎると受信して保存していた文書を削除する場合で、文書の保存期限が近づくと、この文書をプリントしていないユーザがいるか否かをチェックして、プリントしていないユーザへプリントを催促するメッセージを送信する場合について説明する。
IP−FAX10のユーザは個別送信モードを選択して、さらに文書(送信画像)の保存期限を指定する。そして、IP−FAX10のユーザは電子電話帳により、IP携帯電話23の所有ユーザとIP携帯電話24の所有ユーザを選択する。続いて、IP−FAX10のユーザは予め登録されている送信者アイコンの一覧から自分のユーザ名のアイコンを選択する。
続いて、IP−FAX10のユーザが原稿を原稿用スキャナ37にセットして、IP−FAX20のFAX番号を入力してスタートキーを押すと、IP−FAX10は原稿用スキャナ37から原稿画像を読み取って、IP−FAX20と接続する。そして、IP−FAX10は文書ID、送信者のユーザ名、文書の保存期限、IP携帯電話23の所有ユーザのユーザID、IP携帯電話23の電話番号、IP携帯電話24の所有ユーザのユーザID、IP携帯電話24の電話番号をNSSコマンドに含めてIP−FAX20へ送信する。
なお、ユーザIDとIP携帯電話の電話番号はユーザ名に対応して電子電話帳に予め登録されている。
IP−FAX20では、このNSSコマンドを受信すると、これに含まれている文書ID、送信者のユーザ名、文書の保存期限、IP携帯電話23の所有ユーザのユーザID、IP携帯電話23の電話番号、IP携帯電話24の所有ユーザのユーザID、IP携帯電話24の電話番号を各ユーザIDに対応した初期値ゼロをセットしたプリント完了フラグも付加して、これらのデータを文書ID−ユーザID対応テーブルとしてフラッシュROM32に記憶する。
続いて、IP−FAX20はMMR圧縮された2値画像データを受信すると、これをTIFFファイルにしてハードディスク41に記憶、保存する。続いて、IP−FAX20はIP携帯電話23へ文書ID、送信者のユーザ名、文書の保存期限を、IP携帯電話24へ文書ID、送信者のユーザ名、文書の保存期限を、それぞれSIPのインスタントメッセージを使用して送信する。
IP携帯電話23とIP携帯電話24はこのメッセージを受信すると、このメッセージに含まれた文書ID、送信者のユーザ名、文書の保存期限をフラッシュROM等の不揮発性メモリに記憶するとともに、IP−FAX20が送信者=Aliceから文書を受信したことを文書の保存期限とともに表示部に表示する。
IP携帯電話23の所有ユーザが、IP−FAX20にて受信文書をプリントするために、IP携帯電話23を持ってIP−FAX20の前に移動する。
IP携帯電話23がIP−FAX20に近づくと、Bluetooth通信リンクが自動的に確立され、IP−FAX20はPINコードを用いた認証手順によりIP携帯電話23を認証する。そして、IP携帯電話23は文書IDを含めたプリントコマンドをBluetooth通信によりIP−FAX20へ送信し、IP−FAX20はこの文書IDに対応した2値画像データをプリントする。プリントが完了すると、文書ID−ユーザID対応テーブル中のIP携帯電話23の所有ユーザのユーザIDに対応したプリント完了フラグをオンにする(1の値をセットする)。
続いて、IP−FAX20はIP携帯電話23に文書IDの削除コマンドをSIPのインスタントメッセージを使用して送信する。IP携帯電話23はこのメッセージを受信すると、フラッシュROM等の不揮発性メモリに記憶されたこのメッセージに含まれた文書IDと、それと対応付けて記憶された送信者のユーザ名および文書の保存期限を消去する。
その後、IP−FAX20は文書ID−ユーザID対応テーブルにある文書の保存期限から所定の時間だけ遡った時刻になると、文書ID−ユーザID対応テーブルのプリント完了フラグがゼロのままとなっているIP携帯電話24へプリントを催促するコマンドをSIPのインスタントメッセージを使用して送信する。
IP携帯電話24はこのメッセージを受信すると、文書の保存期限が近づいていることを、残りの保存時間とともに表示部に表示する。
IP携帯電話24の所有ユーザが、IP−FAX20にて受信文書をプリントするために、IP携帯電話24を持ってIP−FAX20の前に移動する。
IP携帯電話24がIP−FAX20に近づくと、Bluetooth通信リンクが自動的に確立され、IP−FAX20はPINコードを用いた認証手順によりIP携帯電話23を認証する。そして、IP携帯電話24は文書IDを含めたプリントコマンドをBluetooth通信によりIP−FAX20へ送信し、IP−FAX20はこの文書IDに対応した2値画像データをプリントする。プリントが完了すると、文書ID−ユーザID対応テーブル中のIP携帯電話24の所有ユーザのユーザIDに対応したプリント完了フラグをオンにする(1の値をセットする)。
続いて、IP−FAX20はIP携帯電話24に文書IDの削除コマンドをSIPのインスタントメッセージを使用して送信する。IP携帯電話24はこのメッセージを受信すると、フラッシュROM等の不揮発性メモリに記憶されたこのメッセージに含まれた文書IDと、それと対応付けて記憶された送信者のユーザ名および文書の保存期限を消去する。
続いて、IP−FAX20はIP−FAX10から指定された全てのユーザIDを持ったユーザがIP−FAX10から受信した文書をプリントしたと判断したら、ハードディスク41に保存されたこの文書の文書IDと同じファイル名のTIFFファイルを削除し、また、フラッシュROM32に記憶された文書ID−ユーザID対応テーブルを消去する。
なお、IP−FAX20は上記の処理に係わった、送信元端末であるIP−FAX10の電話番号、文書の受信日時、文書ID、送信者のユーザ名、ユーザID、受信の通知先である電話番号、プリント日時をプリント履歴としてフラッシュROM32に記憶していき、この時点で、このプリント履歴情報を文書の送信元端末であるIP−FAX10へSIPのインスタントメッセージを使用して送信する。
本実施形態における、文書の受信端末であるIP−FAX20がプリント履歴を文書を送信したユーザが指定したメールアドレス宛に送信する場合について説明する。
IP−FAX10のユーザが個別送信モードを選択すると、IP−FAX10は文書の送信先の端末がプリント履歴を送信する宛先を入力する画面となるため、ユーザは自分のメールアドレスを入力する。そして、IP−FAX10のユーザは電子電話帳により、IP携帯電話23の所有ユーザとIP携帯電話24の所有ユーザを選択して、続いて、予め登録されている送信者アイコンの一覧から自分のユーザ名のアイコンを選択する。
続いて、IP−FAX10のユーザが原稿を原稿用スキャナ37にセットして、IP−FAX20のFAX番号を入力してスタートキーを押すと、IP−FAX10は原稿用スキャナ37から原稿画像を読み取って、IP−FAX20と接続する。そして、IP−FAX10は文書ID、送信者のユーザ名、プリント履歴の送信先メールアドレス、IP携帯電話23の所有ユーザのユーザID、IP携帯電話23の電話番号、IP携帯電話24の所有ユーザのユーザID、IP携帯電話24の電話番号をNSSコマンドに含めてIP−FAX20へ送信する。
なお、ユーザIDとIP携帯電話の電話番号はユーザ名に対応して電子電話帳に予め登録されている。IP−FAX20では、このNSSコマンドを受信すると、これに含まれている文書ID、送信者のユーザ名、プリント履歴の送信先メールアドレス、IP携帯電話23の所有ユーザのユーザID、IP携帯電話23の電話番号、IP携帯電話24の所有ユーザのユーザID、IP携帯電話24の電話番号を、初期値ゼロをセットしたプリント完了フラグも付加して、文書ID−ユーザID対応テーブルとしてフラッシュROM32に記憶する。
続いて、IP−FAX20はMMR圧縮された2値画像データを受信すると、これをTIFFファイルにしてハードディスク41に記憶、保存する。続いて、IP−FAX20はIP携帯電話23へ文書IDと送信者のユーザ名を、IP携帯電話24へ文書IDと送信者のユーザ名を、それぞれSIPのインスタントメッセージを使用して送信する。
その後、IP携帯電話23の所有ユーザとIP携帯電話24の所有ユーザが通知された文書IDの文書をプリントすると、IP−FAX20は図11に示したプリント履歴情報を文書ID−ユーザID対応テーブルに記憶されたメールアドレス宛に送信する。
本実施形態における、文書の受信端末であるIP−FAX20がプリント履歴を文書を送信したユーザが指定した時刻に送信する場合について説明する。
IP−FAX10のユーザが個別送信モードを選択すると、IP−FAX10は文書の送信先の端末がプリント履歴を送信する宛先と送信時刻を入力する画面となるため、ユーザは自分のメールアドレスとプリント履歴の送信時刻を入力する。そして、IP−FAX10のユーザは電子電話帳により、IP携帯電話23の所有ユーザとIP携帯電話24の所有ユーザを選択して、続いて、予め登録されている送信者アイコンの一覧から自分のユーザ名のアイコンを選択する。
続いて、IP−FAX10のユーザが原稿を原稿用スキャナ37にセットして、IP−FAX20のFAX番号を入力してスタートキーを押すと、IP−FAX10は原稿用スキャナ37から原稿画像を読み取って、IP−FAX20と接続する。そして、IP−FAX10は文書ID、送信者のユーザ名、プリント履歴の送信先メールアドレス、プリント履歴の送信時刻、IP携帯電話23の所有ユーザのユーザID、IP携帯電話23の電話番号、IP携帯電話24の所有ユーザのユーザID、IP携帯電話24の電話番号をNSSコマンドに含めてIP−FAX20へ送信する。
なお、ユーザIDとIP携帯電話の電話番号はユーザ名に対応して電子電話帳に予め登録されている。IP−FAX20では、このNSSコマンドを受信すると、これに含まれている文書ID、送信者のユーザ名、プリント履歴の送信先メールアドレス、プリント履歴の送信時刻、IP携帯電話23の所有ユーザのユーザID、IP携帯電話23の電話番号、IP携帯電話24の所有ユーザのユーザID、IP携帯電話24の電話番号を、初期値ゼロをセットしたプリント完了フラグも付加して、文書ID−ユーザID対応テーブルとしてフラッシュROM32に記憶する。
続いて、IP−FAX20はMMR圧縮された2値画像データを受信すると、これをTIFFファイルにしてハードディスク41に記憶、保存する。続いて、IP−FAX20はIP携帯電話23へ文書IDと送信者のユーザ名を、IP携帯電話24へ文書IDと送信者のユーザ名を、それぞれSIPのインスタントメッセージを使用して送信する。
その後、送信者から指定されたプリント履歴の送信時刻になると、IP−FAX20は図11に示したプリント履歴情報を文書ID−ユーザID対応テーブルに記憶されたメールアドレス宛に送信する。
本発明における上述した一実施形態では、文書の受信端末が文書IDを通知する端末としてIP携帯電話を例に挙げて説明したが、他の種類の端末であってもよい。
また、文書の受信端末が文書IDをPCへ送信し、PCに接続された非接触ICカードライターを使用して文書IDを非接触ICカードへ書き込み、ユーザはこの非接触ICカードを持って受信端末のところへ行き、受信端末に接続された非接触ICカードリーダーを使用して文書IDを受信端末へ渡すことによって、文書IDに対応した文書をプリントする形態にも適用可能である。
また、文書データプリント手段は、プリントを許可されたユーザIDを持ったデバイスからの文書データのプリント動作を文書データとともに受信して文書付属情報記憶手段に記憶されたプリント回数だけ行うことを特徴とする。
また、文書付属情報記憶手段は、文書データのプリントが許可されたユーザから文書IDに対応した文書データのプリントを実行する権限を他のユーザに譲渡するためのプリント権限譲渡コマンドを受信した場合に、記憶されたユーザIDと文書データの受信を通知するアドレスを、プリント権限譲渡コマンドで指定された譲渡先のユーザのユーザIDと文書データの受信を通知するアドレスに変更して記憶することを特徴とする。
また、文書データ削除手段は、文書データのプリントを許可されたユーザが複数の場合でもプリントを許可されたユーザIDを持ったデバイスからの文書データのプリントが1回実行された時点で、文書データ記憶手段に記憶された文書IDに対応した文書データを削除することを特徴とする。
また、文書データ削除手段は、文書データとともに受信して文書データの付属情報として文書付属情報記憶手段に記憶された文書データの保存期限になると、文書データ記憶手段に記憶された文書IDに対応した文書データを削除することを特徴とする。
また、文書付属情報記憶手段は、文書データのプリントが許可されたユーザから文書データの保存期限を延長するための延長依頼コマンドを受信した場合に、文書IDに対応した文書データの保存期限を延長依頼コマンドで指定された期間だけ延長して記憶することを特徴とする。
また、文書ID送信手段は、文書データの保存期限前の予め定められた時点で、文書データのプリントを許可されたユーザのうち文書データのプリントを実行していないユーザIDのユーザのアドレス宛に文書データのプリントを催促するメッセージを送信することを特徴とする。
また、文書ID送信手段は、文書データのプリントを許可されたユーザが文書データのプリントを完了した場合に、プリントを実行したユーザIDのユーザのアドレス宛に文書IDを削除するコマンドを送信することを特徴とする。
また、文書IDに対応したプリントを許可されたユーザIDを持ったデバイスからの文書データのプリント動作実行の履歴を記憶するプリント履歴記憶手段と、プリント履歴記憶手段に記憶されたプリント履歴をユーザに送信するプリント履歴送信手段と、を備え、プリント履歴送信手段は、プリント履歴記憶手段に記憶されたプリント履歴情報を文書データの送信元端末へ送信することを特徴とする。
また、プリント履歴送信手段は、プリント履歴記憶手段に記憶されたプリント履歴情報を文書データとともに受信して文書付属情報記憶手段に記憶されているプリント履歴の送信先宛先アドレスに送信することを特徴とする。
また、プリント履歴送信手段は、プリント履歴記憶手段に記憶されたプリント履歴情報の送信を文書データとともに受信して文書付属情報記憶手段に記憶されているプリント履歴の送信時刻に実行することを特徴とする。