JP5262262B2 - 留置針装置 - Google Patents

留置針装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5262262B2
JP5262262B2 JP2008107076A JP2008107076A JP5262262B2 JP 5262262 B2 JP5262262 B2 JP 5262262B2 JP 2008107076 A JP2008107076 A JP 2008107076A JP 2008107076 A JP2008107076 A JP 2008107076A JP 5262262 B2 JP5262262 B2 JP 5262262B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
needle
shield
lumen
distal end
peripheral surface
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2008107076A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009254576A (ja
Inventor
雷太 植松
亮至 藤井
尚継 井藤
健治 澤
努 前田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JMS Co Ltd
Original Assignee
JMS Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JMS Co Ltd filed Critical JMS Co Ltd
Priority to JP2008107076A priority Critical patent/JP5262262B2/ja
Publication of JP2009254576A publication Critical patent/JP2009254576A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5262262B2 publication Critical patent/JP5262262B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Infusion, Injection, And Reservoir Apparatuses (AREA)

Description

本発明は、使用後に硬質針を安全に収容できる誤穿刺防止用のシールドを有する留置針装置に関する。
留置針装置は、輸液や輸血、体外血液循環等の処置の際に広く使用され、種々の構成例が知られている。例えば、翼付の留置針では、穿刺針が翼部を有するハブの先端部に保持され、ハブの後端部に輸液用チューブが接続される。輸液を行う時には、翼部を患者の腕等に接着テープ等により固定して、穿刺針の穿刺状態を保持する。
一方、医療施設において、穿刺針等の誤穿刺による汚染・感染が問題となっている。従って誤穿刺事故を防止するために、翼部を有する円筒状のシールドを、穿刺針を保持したハブに対してスライド可能に設けた構造が知られている。つまり、円筒状シールドをスライドさせることにより、穿刺針が露出した状態と、シールド内に収納された状態とをとることが可能であり、穿刺針を使用後に廃棄する際には、穿刺針をシールド内にスライドさせて収納可能となっている。
さらに、金属性の穿刺針を血管内に留置させることにより、血管が損傷を受ける場合があるため、軟質の外針と硬質の内針を備え、外針から突出させた内針により穿刺した後に、内針を外針から引き込むことを可能にした留置針の構造も知られている。また、その場合にも誤穿刺を防止するために、上述のような円筒状シールドと組み合わせて、外針を留置させた状態では、内針を円筒状シールド内に収納することを可能にした構造も知られている(例えば、特許文献1参照)。
そのような誤穿刺防止用の円筒状シールドを有する二重針構造の留置針では、チューブは内針を保持するハブに接続され、内針を円筒状シールド内に引き込んだ状態では、チューブから外針の内腔に至る流路は、内針の内腔を経由することになる。ところが、内針の内腔は径が小さいため、十分な流量を確保することが困難である。
そこで流量を確保するため、例えば、図12に示すように、内針100を保持するハブ200に、その外周面から内腔に貫通する横貫通路200eが形成され、ハブ200の外周面と円筒状シールド400aの内周面との間に形成される空間150が、上記横貫通路200aを介してハブ200の内腔と連通した留置針装置が開示されている。これにより、ハブ200と円筒上シールド400aの間に形成される空間が、内針100の内腔が形成する流路に追加される流路として機能するため、より大きな流量を確保することができる。更に、ハブの内腔を、内針100の内腔よりも太くすれば、全体として、内針100の内腔だけの流路に比べて大きな流量を確保することができる(例えば、特許文献2参照)。
特開2001−245980号公報 WO2006/100847
しかし、特許文献2に記載の留置針装置では、ハブ200にその内腔を介してチューブ300と連通する横貫通路200eを有することにより、全体として大きな流量を確保できるが、上記横貫通路200eは内針100の内腔よりも遥かに大きいため、チューブ300から供給される液体のほとんどは、横貫通路200eを介して、ハブ200の外周面と円筒状シールド400aの内周面との間に形成される空間に供給される。そのため、穿刺時に内針内に流入した血液が、内針100外に排出されることなく内針100内に滞留するおそれがあった。内針100内で血液が滞留すると、内針100内において血液が凝固して血栓を形成するおそれがあり、好ましくない。
本発明では、チューブから外針の内腔に至る流路の断面積を確保しながらも、内針内における血液の滞留を防止可能な構成の留置針装置を提供する。
略円筒状のシールド筒を含むシールドと、
前記シールドの先端部に固定された軟質の外針と、
前記シールドの内腔に軸方向に移動可能なように挿入され、その後端にチューブが接続される内ハブと、
前記内ハブの先端部に固定され前記外針の内腔に挿入可能な硬質の内針とを備え、
前記内ハブが前記シールドの内腔の先端部に位置するときに、前記内針の先端は前記外針の内腔を貫通して外部に突出し、前記内ハブを前記シールドの内腔の後端側へ移動させることにより前記内針を前記シールドの内腔に収納可能である留置針装置において、
前記内ハブにはその外周から内腔に貫通する横貫通路が形成され、前記内ハブの外周面と前記シールドの内周面との間に形成される空間が、前記横貫通路を介して前記内ハブの内腔と連通しており、
前記内ハブにおける前記横貫通路よりも後端側の外周面に、前記内ハブの外周面と前記シールドの内周面との間の液密性を保持するための封止部が設けられ、
前記内針は、その内腔から外周に貫通し前記内針の長手方向に沿って形成された細長開口を有し、前記細長開口の長手方向両端のうちの前記内針の先端に近い端を先端側端とし、遠い端を基端側端とすると、前記先端側端は、前記外針の先端から前記内針が突出する長さが最も長い状態において、前記外針の内腔内にあり、
前記内針の先端側開口から流入しうる液体を、前記細長開口、および、前記外針の内周面と前記内針との間に形成される空間を介して、前記内ハブの外周面と前記シールドの内周面との間に形成される空間内に流入させうる。
本発明によれば、チューブから外針の内腔に至る流路の断面積を確保しながらも、内針内における血液の滞留を防止可能な構成の留置針装置を提供できる。
本発明の留置針装置の好ましい一例では、内針について、穿刺の際に下になる側を下部とし、その反対側を上部として、2つの領域に分けた場合、細長開口は、少なくとも上記下部に形成されている。
本発明の留置針装置のより好ましい一例では、細長開口は、少なくとも上記下部のうちの最も下になる箇所において、内針の内腔と内針外とを連通させている。
本発明の留置針装置の好ましい一例では、細長開口の基端側端は、内ハブの近傍にある。
本発明の留置針装置の好ましい一例では、細長開口を有する箇所で内針を長手方向と直行する方向に切断したときに見える断面の周方向長さは、細長開口を有しないと仮定した場合の上記断面の周方向の長さの2/3以下である。
本発明の留置針装置の好ましい一例では、外針の先端部の内周面は、内針の外周面と接しており、外針の上記先端部より基端側において、外針の内周面と前記内針の外周面とが離間している。この場合、細長開口の先端側端が、外針の先端部の内周面と接した箇所の近傍であって、当該密着した箇所よりも基端側にあると好ましい。
本発明の留置針装置の好ましい一例は、シールドに着脱可能に装着された内ハブ移動制御部材をさらに含む。内ハブ移動制御部材は、シールドの後端側からシールド内腔に挿抜可能に挿入され、外針の先端から内針が突出する長さが最も長い状態の時に、内ハブにその先端を当接可能なストッパー部と、内ハブにストッパー部の先端が当接された状態を保持可能な保持部とを含む。保持部は、ストッパー部の後端部に連結され、双方を両側から把持することにより互いの距離を狭めてシールドを把持し得る一対の片持部を含む。
以下に、本発明の実施の形態について、図面を参照して具体的に説明する。
図1は、本発明の留置針装置の一例の軸方向に沿った断面図であり、図2は、図1に示した留置針装置の軸方向に沿った他の断面図である。図3は、図1に示した留置針装置の内針を円筒状シールド内に引き込んだ状態を示す断面図であり、図4は、図1に示した留置針装置の内針を円筒状シールド内に引き込んだ状態を示す他の断面図である。
図1〜図4に示すように、内針1は、例えば、樹脂製の内ハブ2の先端部に固定されている。内針1は、例えば、金属製の中空針である。内ハブ2の後端部にはチューブ3が接続されている。シールド4は、例えば、樹脂製の略円筒形状を有するシールド筒4aと、シールド筒4aの先端部に固定された外ハブ7とからなる。シールド4の内腔に、内針1および内ハブ2が挿入されて、軸方向に移動可能である。シールド4の材質としては、例えば、ポリカーボネート、ポリプロピレンを用い、内ハブ2の材質としては、例えばポリカーボネートを用いることができる。
外ハブ7の内腔には、円筒状の外針8が固定されている。外針8の内腔には内針1が挿入され、図3および図4に示した状態では、内針1の先端から外針8の一部が突出している。外針8は、樹脂材料、例えばポリウレタン系エラストマーで形成される。
内ハブ2の構造を拡大した斜視図を図5に示す。図5に示すように、内ハブ2は、前部2a、後部2b、およびそれらの間の中間部からなる。同図および図3,4によれば、前部2aの外周面とシールド4の内周面との間の空間が、前部2aに形成された横貫通路2eを介して内ハブ2の中間部および後部2bにおける内腔10と連通している形態が判る。
図1〜図5に示すように、前部2aの内腔には、内針1が装着されている。後部2bは、後部2bの先端側21a(図5参照)によって支持された複数の弾性片21bと、チューブ接続部21d(図1〜図4参照)とを備えている。複数の弾性片21bは、チューブ接続部21dの外側において、チューブ接続部21dと離れて、周方向に沿って配置されており、複数の弾性片21bと、チューブ接続部21dとは、同心円状に配置されている。チューブ接続部21dにはチューブ3が装着されている。複数の弾性片21bは、例えば、周方向に沿って等間隔に配置される。中間部および後部2bにおける内腔10(図1〜図4参照)の径は、例えば、内針1の外径よりも大きく、チューブ3の内径と同等か、それよりも小さく設定されると好ましい。
図1〜図5に示すように、内ハブ2の中間部における外周面には、封止用環状凹部2cが形成されている。封止用環状凹部2cは、後述する係止凹部21cよりも先端側であって、横貫通路2eよりも後端側に形成されており、Oリング11が装着されて封止部を形成している。この構成により、内ハブ2の外周面とシールド4の内周面との間の液密性が保持される。
図1〜図4に示すように、シールド筒4aの内周面には、後述する係止凹部21cに対応させて、後端側に環状係止凸部12bが設けられている。一方、図1〜図5に示すように、各弾性片21bのシールド4の内周面と向かい合う面には、シールド4の内周面の環状係止凸部12bと係止可能な係合凹部21cが形成されている。これにより、内ハブ2がシールド4の後端側に移動されることにより、内針1がシールド4内に完全に引き込まれるとともに、環状係止凸部12bが係合凹部21cと係合して、内ハブ2がシールド4内を移動しないようにシールド4に保持できる。
図1および図2に示す初期状態では、内針1が外針8から突出して穿刺可能である。この状態では、内ハブ2の前部2aは、外ハブ7の内腔に嵌合している。そのため、この初期状態における、内ハブ2の外面とシールド4の内面の間に形成される空間を極小化できる。この状態で外針8と内針1とを穿刺した後、外針8を留置するために、図3および図4に示すように、内針1を外針8から突出しないように引き込んだ状態にする。
図3および図4に示す状態では、内ハブ2の前部2aが外ハブ7から脱しているので、前部2aの外周面とシールド4の内周面との間に空間14が形成されている。この空間14は、内針1とシールド4の内周面との間に形成された空間15を介して外針8の内腔に連通している。また、空間14は、横貫通路2eを介して内ハブ2の中間部および後部2bにおける内腔10と連通している。これにより、内ハブ2とシールド4の間に形成される空間14が流路として機能するため、大きな流量を確保できる。
図3および図4の状態では、係止凹部21cと後端側係止凸部12bが係合することにより、内ハブ2がシールド筒4に対して保持されている。内針1はシールド4内に収納されているので、誤穿刺の恐れは十分に軽減される。係止凹部21cと後端側係止凸部12bの係合は、内針1の再突出を防止するために機能する。
通常、留置針装置は図1および図2の状態で使用に供される。穿刺操作は、シールド筒4aを把持することにより行う。
次に、内針1の構造の一例について、図6〜図8を参照して説明する。図6は、内針の一例と外針の一例の拡大平面であり、図7は図6のVII−VII断面図であり、図8は、図6のVIII−VIII断面図である。
図6および図7に示すように、例えば、外針8の先端部8aの内径および外径は、外針8の先端に向かって小さくなっており、外針8の先端部8aの内面の少なくとも一部は、内針1の外周面に接していると好ましい。このように、外針8の先端部の内周面と内針1の外周面とが密着していると、良好な穿刺性を確保できるので、好ましい。外針8の内針1と接した部分よりも後端側の内径は、内針1の外径よりも若干大きい。
図7に示すように、内針1は、外周から内腔に貫通し、長手方向に沿って形成された細長開口9を有している。そのため、内針1が外針8内に在る時は(図1および図2参照)、内針1の内腔と外針8の内腔は、細長開口9を介して連通し、内針1がシールド4内に引き込まれた状態の時は(図3および図4参照)、シールド4内腔と内針1の内腔とは、細長開口9を介して連通している。
図1および図2に示されるような状態にある内針1および外針8を患者に穿刺すると、血液が、内針1の先端側開口からその内腔を経て内ハブ2の内腔内に流入する。そのため、後述するプライミング操作により予め内針1内、外針8内、内ハブ2内、チューブ3内および内ハブ2の外周面とシールド4の内周面との間の空間13(図9参照)に充填されていた生理食塩水等は、血液によりチューブ3側に押し戻される。内針1をシールド4内に引き込んで、留置針装置を図3および図4に示すような状態にすると、血液は、内針1をシールド4内に引き込むことにより生じた空間15および空間14内に流入する。
このようにして、患者に外針8のみが穿刺された後、チューブ3に接続され、生理食塩水等の液体が貯留された容器(図示せず)から、チューブ3および内ハブ2を経て内ハブ内の空間14、15に上記液体が供給される。この操作により、内ハブ2の内腔内10、横貫通路2e、および内ハブ内の空間14、15に充填されていた血液は逆流して患者に戻され、内ハブ2の内腔内10、横貫通路2e、および内ハブ内の空間14、15には上記液体が充填されることとなる。内針1の長手方向全長のうち、細長開口9が形成されている部分については、内針1の内腔内の血液の上記空間15への移動が細長開口9の存在により容易に行われる。そのため、内針1の内腔のうち細長開口9が形成されている部分に滞留した血液についても、上記空間15中の血液とともに患者にもどされる。よって、内針1の内腔内に滞留する血液量を減らすことができ、ひいては、内針1内において血液が凝固して血栓量が形成される恐れを低減できる。
なお、内針1および外針8を患者に穿刺する際、すなわち、外針8の先端から内針1が突出する量が最も大きい状態にあるとき、細長開口9の先端側端9aは外針8の内腔内にあるので、内針1の血管内への挿入後、外針8の血管内への挿入前に、内針1の先端側開口から内針1の内腔内に流入した血液が、細長開口9を介して外針8外に漏れ出る血液漏れが防止される。
細長開口9は、外針8の先端から内針1が突出する量が最も大きい状態にある際、上記血液漏れを生じさせず、かつ、血液の滞留抑制効果を発揮可能であれば、その形態について特に制限はないが、例えば、細長開口9の先端側端9aは、外針の先端から内針が突出する長さが最も長い状態において、外針8の内腔内にあり、かつ、外針8の先端部8aの内周面と接した箇所の近傍であって、当該接した箇所よりも基端側にあると好ましい。一方、図9に示すように、細長開口9の基端側端9bは、内ハブ2の内腔外にあり、可能な限り内ハブ2の先端の近傍にあると好ましい。それらの理由は下記のとおりである。
細長開口9の先端側端9aが、内針1の先端から遠ければ遠いほど、内針1の細長開口9が形成された部分よりも先端側の内腔内に滞留する血液量が多くなる。よって、細長開口9の先端側端9aは、外針8の先端から内針1が突出する長さが最も長い状態において、可能な限り外針8の先端側端の近傍にあると好ましい。また、細長開口9の基端側端9aが、内針1の基端から遠ければ遠いほど、内針1の細長開口9が形成された部分よりも後端側の内腔内に滞留する血液量が多くなる。また、内針1の基端側の一部は、内ハブ2の横貫通路2eより先端側を軸方向に貫通した先端側内腔2fに挿入されて内ハブ2の先端部に固定されるが、内ハブ2の内腔内に配置される内針1の基端側の当該一部には、内ハブ2への固定の容易性等を考慮すると、細長開口9が形成されていない方が好ましい。よって、細長開口9の後端側端9bは、内ハブ2の内腔外であって、可能な限り、内ハブ2の近傍にあると好ましい。
図8に示すように、細長開口9を有する箇所で内針1を長手方向と直行する方向に切断したときに見える断面の周方向長さは、内針1に必要な強度が確保され、かつ、内針1の内腔内に流入した血液が生理食塩水等に良好に拡散する限り制限はないが、例えば、細長開口9を有しないと仮定した場合の上記断面の周方向の長さの2/3以下であると好ましく、1/2以下であるとより好ましく、1/3以下であるとさらに好ましく、1/4以下であるとよりいっそう好ましい。
図6および図7に示すように、本発明の留置針装置の一例では、内針1の刃先は、1対の第1傾斜面1aと、1対の第2傾斜面1bとを含んでいる。第1傾斜面1aは、内針1の長手方向に対して所定の角度で形成され、内針1の先端1dに達している。内針1を、穿刺する際に皮膚に面する側、すなわち下になる側を下部とし、その反対側を上部として、2つの領域に分けた場合、細長開口9は、少なくとも下部に形成されていると好ましく、特に、細長開口9は、少なくとも上記下部のうちの最も下になる箇所において、内針1の内腔と内針1外とを連通させていると好ましい。その理由は下記のとおりである。
内針1の細長開口9が形成されている部分の内腔内の血液は、重力により、内針1とシールド4の内周面との間に形成された空間15に移動するので、細長開口9が、内針1の下部に形成されている場合は、シールド4内において内針1をその軸を中心に回転させる操作をおこなわなくても、内針1の細長開口9が形成されている部分の内腔内の血液を、空間15に移動させることができる。
ところで、留置針装置内部を生理食塩水などで充填する「プライミング操作」を実施する際には、内ハブ2がシールド4内部の先端側に位置する初期状態で行う。図9を用いて説明する本発明の留置針装置の一例では、チュ−ブの内腔、内ハブ2の後端側内腔10、横貫通路2e、空間13、および外針8の内面と内針1の外周面との間の隙間16(図7参照)をこの順に経て、主として外針8内に生理食塩水を流入させるとともに、チュ−ブの内腔、内ハブ2の後端側内腔10、横貫通路2e、先端側内腔2fをこの順に経て、主として内針1内に生理食塩水を流入させ、かつ、これらの流路内に生理食塩水を充填させることで、流路内の空気を排出できる。
また、本発明の留置針装置の一例では、外針8が血管内に到達した状態で、内針1をシールド4内に引き込む必要がある。本発明の留置針装置では、内針1が細長開口9よりも先端側に有する内腔1c(図7参照)と、上記空間13(図9参照)とが、液体連通可能であるので、内針1の先端側開口から流入した血液の一部が、細長開口9内、隙間16を通り、シールド4内に流入するが、内針1の先端側開口から流入する血液の大半は、内ハブ2の先端側内腔2f、横貫通路2e、後端側内腔10を経てチューブ3に流入する(フラッシュバック)。チューブ3に流入した血液は、シールド4の外から目視にて確認できる。これにより、外針8が血管を確保したことを、血液のフラッシュバックにより目視で確認できる。
内針1と外針8の穿刺後に外針8を留置するためには、チューブ3を介して内ハブ2をシールド筒4aの内部に引き込む力を加え、図3および図4に示す状態にする。すなわち、係止凹部21cと後端側係止凸部12bとを係合させる。これにより、内針1が血管から引き抜かれ、外針8のみが穿刺された状態で留置される。
また、留置針装置を廃棄する際には、図3および図4の状態であれば、誤穿刺を防止できる。つまり、内針1がシールド4内に収納され、係止凹部21cと後端側係止凸部12bの係合により、内針1が再突出することが阻止された状態になっているからである。
尚、本発明の留置針装置のさらに別の例では、シールド4が、1対の翼を備えた翼付シールドであってもよい。この場合、1対の翼は、シールド筒4aの先端部、すなわち内針1が突出する側の端部に設けられる。1対の翼部は、各々、シールド筒4aの外周面の両側部に結合し、シールド筒4aの軸を中心として互いに対称な形状を有する。穿刺操作は、1対の翼部をシールド筒4aの外周面に沿って上方に持ち上げて重ね合わせて把持することにより行う。
(実施形態2)
実施形態2では、本発明の留置針装置の他の一例について説明する。図10は、本実施形態の留置針装置の一例の斜視図であり、図11は、図10に示した留置針装置を長手方向に沿って切断した部分断面図である。
図10および図11に示す留置針装置は、内ハブ移動制御部材18をさらに備えていること以外は、実施形態1の留置針装置と同様の構成をしており、同一の部材については同一の符号を付してその説明を省略する。
図10および図11に示すように、本実施形態の留置針装置における内ハブ移動制御部材18は、シールド4の後端側からシールド4内腔に挿抜可能なストッパー部18aと、下記形態の保持部を備えている。ストッパー部18aは、シールド4内に挿入され、その先端が、先端側移動端に達した内ハブ2の後端部端面2nに当接可能である。下記形態の保持部は、操作者により把持されることにより、外針8の先端から内針が突出する長さが最も長く、かつ、ストッパー部18aの先端が上記後端部端面2nに当接した状態、換言すると、内ハブ2がシールド4内の先端側移動端に達し、かつ、ストッパー部18aの先端が上記後端部端面2nに当接した状態を保持を可能とする。
内ハブ移動制御部材18は、一対の片持部18bを保持部として備えている。一対の片持部18bは、シールド4のシールド筒4aの上部外周の一部を覆う略半円筒形状部18cと、屈曲部18dとを介してストッパー部18aの後端部に連結されている。略半円筒形状部18cおよび一対の片持部18bは、シールド4のシールド4aの外周面から若干離間して配置されている。一対の片持部18bは、シールド4の側部の周囲に配置され、シールド4の長手方向の中心線に対して互いに対称に配置されている。
一対の片持部18bは、双方を両側から把持することにより互いの距離を狭めてシールド4を把持し得る。一対の片持部18bによってシールド4を把持している間は、シールド4に対する内ハブ移動制御部材18の相対位置を変位させることなく保つことができる。よって、内ハブ2がシールド4内腔における先端側移動端に達した状態のときに、ストッパー部18aの先端を内ハブ2の後端部端面2nに当接させながら、一対の片持部18bでシールド4を把持すれば、その間、内ハブ2の移動を防止でき、穿刺操作を確実に行うことができる。
図10に示すように、各片持部18bの一部が、翼部5,6と、シールド筒4aの長手方向同位置に配置されている場合、穿刺操作は、翼部5、6をシールド4の外周面に沿って上方に持ち上げ、これらを重ね合わせて把持することにより行える。このようにすれば、各片持部18bは翼部によってシールド4に押さえつけられ、一対の片持部18bは互いの距離が狭められ、一対の片持部18bによってシールド4が把持される。
各片持部18bは、シールド4の側部の周囲に配置されているので、シールド4の上部の外周面は露出されている。そのため、使用に際しては、シールド4の上部の外周面に指を直接おいて、シールド4を患者側に押さえることができる。この操作により、チューブ3を引っ張って内針1をシールド4内に引込むことが容易に行える。
図11では、内針1は、その先端が外針8から突出して穿刺可能な初期状態にある。この状態を維持する観点から、図11に示したストッパー部18aの長さは十分すぎる。しかし、図11に示すように、ストッパー部材18aの後端側がシールド4の後端から突出していれば、その突出部分をチューブ3とともに手で握ることができる。この場合、内ハブ移動制御部材18とチューブ3とを同時につかんだ状態で、内針1をシールド4内に引き込む操作が行い易くなる。
実施形態1の留置針装置および実施形態2の留置針装置はともに、チューブ3の両端部のうちの内ハブ2に接続されていない端部に、他の医療用具との接続が可能なコネクタ19が接続されていると好ましい。コネクタ19としては、例えば、図10に示すように、ISO(国際標準化機構)規格に適合したルアーテーパーを有する雄型接続部材等と嵌合可能な雌部19aを有していてもよい。あるいは、ISO(国際標準化機構)規格に適合したルアーテーパーを有する雌型接続部材等と嵌合可能な雄部を有していてもよい。また、コネクタは、雄部と、雄部を囲い内面に上記雌型接続部材と螺合可能な螺旋溝が形成されたキャップ部材とを備え、雌型接続部材内に雄部を圧入した後、上記キャップ部材を回転させることにより雌型接続部材と螺合させることが可能な、ルアーロックコネクタであってもよい。
本発明の留置針装置は、チューブから外針の内腔に至る流路の断面積を確保しながらも、内針内における血液の滞留を防止可能な構造であるので、輸液や輸血、体外血液循環等の処置に用いるために好適である。
図1は、本発明の留置針装置の一例の軸方向に沿った断面図 図2は、図1に示した留置針装置の一例の軸方向に沿った他の断面図 図3は、図1に示した留置針装置の一例の内針をシールド筒内に引き込んだ状態を示す断面図 図4は、図1に示した留置針装置の内針をシールド筒内に引き込んだ状態を示す他の断面図 図5は、図1に示した留置針装置を構成する内ハブを拡大した斜視図 図6は、図1に示した留置針装置の内針と外針の拡大平面図 図7は、図6のVII−VII断面図 図8は、図5のVIII−VIII断面図 図9は、図1の一部拡大図 図10は、本発明の留置針装置のさらに別の例の斜視図 図11は、図10に示した留置針装置の軸方向に沿った他の断面図 図12は、従来の留置針装置の一例を示す部分断面図
符号の説明
1 内針
2 ハブ
2a 前部
2b 後部
2c 封止用環状凹部
2e 横貫通路
21c 係止凹部
3 チューブ
4 シールド
4a シールド筒
7 外ハブ
8 外針
9 細長開口
10 内腔
11 Oリング
13、14、15 空間
16 隙間

Claims (5)

  1. 略円筒状のシールド筒を含むシールドと、
    前記シールドの先端部に固定された軟質の外針と、
    前記シールドの内腔に軸方向に移動可能なように挿入され、その後端にチューブが接続される内ハブと、
    前記内ハブの先端部に固定され前記外針の内腔に挿入可能であり、血管内に挿入され得る、硬質の内針とを備え、
    前記内ハブが前記シールドの内腔の先端部に位置するときに、前記内針の先端は前記外針の内腔を貫通して外部に突出し、前記内ハブを前記シールドの内腔の後端側へ移動させることにより前記内針を前記シールドの内腔に収納可能である留置針装置において、
    前記内ハブにはその外周から内腔に貫通する横貫通路が形成され、前記内ハブの外周面と前記シールドの内周面との間に形成される空間が、前記横貫通路を介して前記内ハブの内腔と連通しており、
    前記内ハブにおける前記横貫通路よりも後端側の外周面に、前記内ハブの外周面と前記シールドの内周面との間の液密性を保持するための封止部が設けられ、
    前記内針は、その内腔から外周に貫通し前記内針の長手方向に沿って形成された細長開口を有し、前記細長開口の長手方向両端のうちの前記内針の先端に近い端を先端側端とし、遠い端を基端側端とすると、前記先端側端は、前記外針の先端から前記内針が突出する長さが最も長い状態において、前記外針の内腔内にあり、
    前記細長開口は、前記内針の先端を通る前記内針の長手方向に沿った直線上に形成されており、前記シールド内に引き込まれた前記内針の内腔内の血液を、前記内針外の前記シールド内に移動させることを可能とし、
    前記内針の先端側開口から流入しうる血液を、前記細長開口、および、前記外針の内周面と前記内針との間に形成される空間を介して、前記内ハブの外周面と前記シールドの内周面との間に形成される空間内に流入させうる、留置針装置。
  2. 前記基端側端は、前記内ハブの近傍にある、請求項1に記載の留置針装置。
  3. 前記細長開口を有する箇所で前記内針を長手方向と直行する方向に切断したときに見える断面の周方向長さは、前記細長開口を有しないと仮定した場合の前記断面の周方向の長さの2/3以下である請求項1又は2に記載の留置針装置。
  4. 前記外針の先端部の内周面は、前記内針の外周面と接しており、前記外針の前記先端部より基端側において、前記外針の内周面と前記内針の外周面とが離間しており、
    前記細長開口の前記先端側端が、前記外針の先端から前記内針が突出する長さが最も長い状態において、前記内針の、前記外針の先端部の内周面と接した箇所の近傍であって、当該接した箇所よりも基端側にある請求項1〜3のいずれかの項に記載の留置針装置。
  5. 前記シールドに着脱可能に装着された内ハブ移動制御部材をさらに含み、
    前記内ハブ移動制御部材は、
    前記シールドの後端側から前記シールド内腔に挿抜可能に挿入され、前記外針の先端から前記内針が突出する長さが最も長い状態の時に、前記内ハブにその先端を当接可能なストッパー部と、
    前記内ハブに前記ストッパー部の先端が当接された状態を保持可能な保持部とを含み、
    前記保持部は、前記ストッパー部の後端部に連結され、双方を両側から把持することにより互いの距離を狭めて前記シールドを把持し得る一対の片持部を含む請求項1〜4のいずれかの項に記載の留置針装置。
JP2008107076A 2008-04-16 2008-04-16 留置針装置 Expired - Fee Related JP5262262B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008107076A JP5262262B2 (ja) 2008-04-16 2008-04-16 留置針装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008107076A JP5262262B2 (ja) 2008-04-16 2008-04-16 留置針装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009254576A JP2009254576A (ja) 2009-11-05
JP5262262B2 true JP5262262B2 (ja) 2013-08-14

Family

ID=41382787

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008107076A Expired - Fee Related JP5262262B2 (ja) 2008-04-16 2008-04-16 留置針装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5262262B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5790972B2 (ja) * 2011-06-07 2015-10-07 株式会社ジェイ・エム・エス 留置針装置
JP2013248159A (ja) * 2012-05-31 2013-12-12 Jms Co Ltd 留置針装置
CN103330970B (zh) * 2013-07-25 2015-01-07 谢世庚 自封防血栓静脉留置针及其使用方法

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4622876B2 (ja) * 2005-03-24 2011-02-02 株式会社ジェイ・エム・エス 留置針装置
WO2007083770A1 (ja) * 2006-01-20 2007-07-26 Jms Co., Ltd. 医療用針装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009254576A (ja) 2009-11-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4622876B2 (ja) 留置針装置
JP4906508B2 (ja) 留置針組立体
ES2215378T3 (es) Conjunto de cateter y aguja externo que comprende una proteccion de aguja.
KR100998126B1 (ko) 의료용 바늘 장치
JP5594520B2 (ja) 留置針装置
JP5033636B2 (ja) 留置針組立体
JP6138921B2 (ja) カテーテル組立体
JP5253385B2 (ja) 留置針組立体
EP3006074B1 (en) Catheter assembly
JPWO2018174256A1 (ja) カテーテル組立体
JPWO2015115316A1 (ja) カテーテル組立体
JP5262262B2 (ja) 留置針装置
JP2009142492A (ja) 留置針装置
JP2015047493A (ja) 針組立体
JP2019198552A (ja) 留置針装置
JP5637350B2 (ja) 針装置
WO2014162381A1 (ja) 留置カテーテル及びカテーテル組立体
JP2009201539A (ja) 留置針装置
WO2011074372A1 (ja) 針装置
JP2009095496A (ja) 留置針装置
JPWO2013172104A1 (ja) カテーテル組立体
JP5532892B2 (ja) 針装置
KR100517200B1 (ko) 가역성 1회용 혈관 수지침
JP7097018B2 (ja) 留置針装置
JP7097019B2 (ja) 留置針装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110224

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120920

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120925

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20121126

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130402

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130415

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees