JP2009095496A - 留置針装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明では、チューブから外針の内腔に至る流路の断面積を確保しながらも、内針内における血液の滞留を防止可能な構成の留置針装置を提供する。
【解決手段】本発明の留置針装置は、シールド4と、その先端に固定された軟質の外針1と、シールドの内腔を移動可能なように挿入された内ハブ2と、内ハブの後端に接続されたチューブ3と、ハブの先端部に固定され外針の内腔に挿入可能な硬質の内針1とを備える。ハブにはその内腔に貫通する横貫通路2eが形成され、ハブの外周面とシールド筒の内周面との間の空間14が横貫通路を介してハブの内腔10と連通し、横貫通路よりも後端側のハブ外周面にハブとシールド筒の間の液密性を保持する封止部2cが設けられる。内針は、中実針である。外針の内周面と前記内針の外周面との間に、外針の内腔の内外間を液体が出入可能な隙間が、内針の周方向に沿って少なくとも1箇所あり、隙間と、内ハブの外周面とシールドの内周面との間に形成される空間とが連通している。
【選択図】図4
【解決手段】本発明の留置針装置は、シールド4と、その先端に固定された軟質の外針1と、シールドの内腔を移動可能なように挿入された内ハブ2と、内ハブの後端に接続されたチューブ3と、ハブの先端部に固定され外針の内腔に挿入可能な硬質の内針1とを備える。ハブにはその内腔に貫通する横貫通路2eが形成され、ハブの外周面とシールド筒の内周面との間の空間14が横貫通路を介してハブの内腔10と連通し、横貫通路よりも後端側のハブ外周面にハブとシールド筒の間の液密性を保持する封止部2cが設けられる。内針は、中実針である。外針の内周面と前記内針の外周面との間に、外針の内腔の内外間を液体が出入可能な隙間が、内針の周方向に沿って少なくとも1箇所あり、隙間と、内ハブの外周面とシールドの内周面との間に形成される空間とが連通している。
【選択図】図4
Description
本発明は、使用後に硬質針を安全に収容できる誤穿刺防止用のシールドを有する留置針装置に関する。
留置針装置は、輸液や輸血、体外血液循環等の処置の際に広く使用され、種々の例が知られている。例えば、翼付の留置針装置では、穿刺針が翼部を有するハブの先端部に保持され、ハブの後端部に輸液用チューブが接続される。輸液を行う時には、翼部を患者の腕等に接着テープ等により固定して、穿刺針の穿刺状態を保持する。
一方、医療施設において、穿刺針等の誤穿刺による汚染・感染が問題となっている。従って誤穿刺事故を防止するために、翼部を有する円筒状のシールドを、穿刺針を保持したハブに対してスライド可能に設けた構造が知られている。つまり、円筒状シールドをスライドさせることにより、穿刺針が露出した状態と、シールド内に収納された状態とをとることが可能であり、穿刺針を使用後に廃棄する際には、穿刺針をシールド内にスライドさせて収納可能となっている。
さらに、金属製の穿刺針を血管内に留置させることにより血管が損傷を受ける場合があるため、軟質の外針と硬質の内針を備え、外針の先端から突出させた内針により穿刺した後に、内針を外針から引き込むことを可能にした留置針装置の構造も知られている。また、その場合にも誤穿刺を防止するために、上述のような円筒状シールドと組み合わせて、外針を留置させた状態では、内針を円筒状シールド内に収納することを可能にした構造も知られている(例えば、特許文献1参照)。
このような誤穿刺防止用の円筒状シールドを有する二重針構造の留置針装置では、チューブは内針を保持するハブに接続され、内針を円筒状シールド内に引き込んだ状態では、チューブから外針の内腔に至る流路は、内針の内腔を経由することになる。ところが、内針の内腔は径が小さいため、十分な流量を確保することが困難である。
そこで流量を確保するため、例えば、図19に示すように、内針100を保持するハブ200に、その外周面から内腔に貫通する横貫通路200eが形成され、ハブ200の外周面と円筒状シールド400aの内周面との間に形成される空間150が、上記横貫通路200aを介してハブ200の内腔と連通した留置針装置が開示されている。これにより、ハブ200と円筒状シールド400aの間に形成される空間が、内針100の内腔が形成する流路に追加される流路として機能するため、より大きな流量を確保できる。更に、ハブの内腔を、内針100の内腔よりも太くすれば、全体として、内針100の内腔だけの流路に比べて大きな流量を確保できる(例えば、特許文献2参照)。
特開2001−245980号公報
WO2006/100847
特許文献2に記載の留置針装置では、ハブ200がその内腔を介してチューブ300と連通する横貫通路200eを有することにより、全体として大きな流量を確保できる。しかし、上記横貫通路200eの径が内針100の内腔の径よりも遥かに大きいため、チューブ300から供給される液体のほとんどは、横貫通路200eを介して、ハブ200の外周面と円筒状シールド400aの内周面との間に形成される空間に供給される。そのため、穿刺時に内針100内に流入した血液が、内針100外に排出されることなく内針100内に滞留するおそれがあった。内針100内で血液が滞留すると、内針100内において血液が凝固して血栓が形成されるおそれがあり、好ましくない。
本発明では、チューブから外針の内腔に至る流路の断面積を確保しながらも、内針内における血液の滞留を防止可能な構成の留置針装置を提供する。
本発明の留置針装置は、略円筒状のシールド筒を含むシールドと、前記シールドの先端部に固定された軟質の外針と、前記シールドの内腔において長手方向に移動可能なように挿入された内ハブと、前記内ハブの後端に接続されたチューブと、前記内ハブの先端部に固定され前記外針の内腔に挿入可能な硬質の内針とを備え、前記内ハブが前記シールドの内腔の先端部に位置するときに、前記内針の先端は前記外針の内腔から外部に突出し、前記内ハブを前記シールドの内腔の後端側へ移動させることにより前記内針を前記シールドの内腔に収納可能である留置針装置において、前記内ハブにはその外周から内腔に貫通する横貫通路が形成され、前記内ハブの外周面と前記シールドの内周面との間に形成される空間が、前記横貫通路を介して前記内ハブの内腔と連通しており、前記内ハブにおける前記横貫通路よりも後端側の外周面に、前記内ハブの外周面と前記シールドの内周面との間の液密性を保持するための封止部が設けられ、前記内針は中実針であり、前記外針の内周面と前記内針の外周面との間に、前記外針の内腔の内外間を液体が出入可能な隙間が、前記内針の周方向に沿って少なくとも1箇所あり、前記隙間と、前記内ハブの外周面と前記シールドの内周面との間に形成される前記空間とが連通している。
本発明によれば、チューブから外針の内腔に至る流路の断面積を確保しながらも、内針内における血液の滞留を防止可能な構成の留置針装置を提供できる。
本発明の留置針装置の好ましい一例では、外針の先端部において、外針の内周面のうちの、外針の内腔の内外間を液体が出入可能な隙間を形成する部分以外は、内針の外周面と接している。この形態では、良好な穿刺性を確保できる。
本発明の留置針装置の好ましい一例では、外針の先端部より基端側において、外針の内周面と内針の外周面とが離間している。この形態では、より大きい流量を確保でき、後述するフラッシュバックの目視がし易く、かつ、内針の引き込みが行い易い。
本発明の留置針装置の一例では、上記隙間は、内針の長手方向に沿って内針の外周面に形成された溝および/または平面と、外針の内周面とにより形成されている。溝および/または平面は、外針の先端から内針が突出する長さが最も長い状態において、外針の内腔外と内腔内とにまたがっている。上記隙間を、上記溝と外針の内周面とにより形成する場合、外針の先端部における外針と内針との接触面積の確保と、隙間の断面積の確保とを両立させ易く、よって、良好な穿刺性とより大きい流量の確保とを両立させ易い点で好ましい。上記隙間を、上記平面と外針の内周面とにより形成する場合、複数の内針について品質の同一性を確保しやすく、上記溝を有する内針よりも製造が容易である点で好ましい。
本発明の留置針装置の一例では、外針の先端から内針が突出する長さが最も長い状態において、溝および/または平面の長手方向両端のうちの内針の基端部に近い端部は、内ハブの外周面とシールドの内周面との間に形成される空間に達し、当該空間内に上記端部がある。この場合、溝および/または平面と外針の内周面とにより形成される上記隙間と、当該空間とが直接連通する。
本発明の留置針装置の一例では、外針の先端から内針が突出する長さが最も長い状態において、溝および/または平面の長手方向両端のうちの内針の基端部に近い端部は、内ハブの外周面とシールドの内周面との間に形成される空間に達していない。この場合、溝および/または平面と外針の内周面とにより形成される上記隙間を第1の隙間とすると、第1の隙間は、外針の先端部よりも基端側において外針の内周面と内針の外周面とが離間することによって形成された第2の隙間を介して、内ハブの外周面とシールドの内周面との間に形成される空間と連通する。
本発明の留置針装置の一例では、溝および/または平面と外針の内周面とにより形成される上記隙間は、内針の周方向に沿って複数個ある。この場合、より大きい流量を確保できるので、後述するプライミングが速く行え、かつ、フラッシュバックもより速く確認できる。
本発明の留置針装置の一例では、内針の刃先は、内針の長手方向に対して所定の角度で形成され、内針の先端に達した第1傾斜面と、第1傾斜面側の裏面側において内針の先端に達し内針の長手方向に対して略対称に形成された1対の第2傾斜面とを含む。この場合、上記隙間が、第1傾斜面側の裏面側の内針の外周面と、外針の内周面とにより形成されていると、フラッシュバックを早く確認できる点において好ましい。
本発明の留置針装置の好ましい一例では、内ハブの内腔における横貫通路よりも後端側の径は、外針の内径と等いかそれよりも大きい。この場合、より大きい流量を確保でき、後述するプライミング操作を迅速に行える。
本発明の留置針装置の好ましい一例では、シールドの内周面に、係止凸部が設けられ、内ハブは、その一端が前記内ハブの他の部分によって支持され、前記内ハブの中心軸に向かって撓みうる、弾性片を含み、弾性片には、上記係止凸部と係合可能な係合凹部が形成されている。内ハブがシールドの後端側に移動されることにより、内針がシールド内に完全に引き込まれ、かつ、係止凸部が係合凹部と係合して、内ハブがシールド内を移動しないようにシールドに保持される。弾性片の数については、内ハブがシールド内を移動しないようにシールドに安全に保持可能であれば、特に制限はなく、1つでもよいが、弾性片を複数備えていると、内ハブがシールド内に、より確実に保持される点で好ましい。例えば、複数の弾性片が周方向に沿って等間隔に配置されていると、シールド内での内ハブのぐらつきが抑制され、内ハブはシールド内にさらに確実に保持される。
本発明の留置針装置の好ましい一例では、シールドに着脱可能に装着された内ハブ移動制御部材をさらに含む。内ハブ移動制御部材は、シールドの後端側からシールド内腔に挿抜可能に挿入されており、外針の先端から内針が突出する長さが最も長い状態の時に、内ハブにその先端を当接可能なストッパー部と、内ハブにストッパー部の先端が当接された状態を保持可能な保持部とを含む。この場合、穿刺操作時には内ハブをシールドに確実に保持でき、収納操作時には内ハブをシールド内においてスムーズに摺動できる。
上記保持部の好ましい一例は、ストッパー部の後端部に連結され、双方を両側から把持することにより互いの距離を狭めてシールドを把持し得る一対の片持部を含む。この形態では、収納操作時に、内ハブをシールド内においてきわめてスムーズに摺動できる。
本発明の留置針装置の好ましい一例では、チューブに接続され、他の医療用具との接続が可能なコネクタをさらに含む。
以下に、本発明の実施の形態について、図面を参照して具体的に説明する。
(実施形態1)
実施形態1では、本発明の留置針装置の一例について説明する。図1は、実施形態1の留置針装置の一例の長手方向に沿った断面図であり、図2は、図1に示した留置針装置の長手方向に沿った他の断面図である。図3は、図1に示した留置針装置の内針をシールド内に引き込んだ状態を示す断面図であり、図4は、図1に示した留置針装置の内針をシールド内に引き込んだ状態を示す他の断面図である。
実施形態1では、本発明の留置針装置の一例について説明する。図1は、実施形態1の留置針装置の一例の長手方向に沿った断面図であり、図2は、図1に示した留置針装置の長手方向に沿った他の断面図である。図3は、図1に示した留置針装置の内針をシールド内に引き込んだ状態を示す断面図であり、図4は、図1に示した留置針装置の内針をシールド内に引き込んだ状態を示す他の断面図である。
図1〜図4に示すように、内針1は、例えば、樹脂製の内ハブ2の先端部に固定されている。内針1は、例えば、金属製あり中実針である。内ハブ2の後端部にはチューブ3が接続されている。シールド4は、例えば、樹脂製の略円筒形状を有するシールド筒4aと、シールド筒4aの先端部に固定された外ハブ7とからなる。シールド4の内腔に、内針1および内ハブ2が挿入されて、長手方向に移動可能である。シールド4の材質としては、可撓性を有する樹脂材料、例えば、ポリエチレン、塩化ビニル樹脂、その他のエラストマーを用い、内ハブ2の材質としては、例えばポリカーボネートを用いることができる。
外ハブ7の内腔には、円筒状の外針8が固定されている。外針8の内腔には内針1が挿入され、図1および図2に示した状態では、外針8の先端から内針1の一部が突出している。外針8は、樹脂材料、例えばポリウレタン系エラストマーで形成される。
内ハブ2の構造を拡大した斜視図を図5に示す。図5に示すように、内ハブ2は、前部2a、後部2b、およびそれらの間の中間部からなる。図5、図3および図4によれば、前部2aの外周面とシールド4の内周面との間の空間が、前部2aに形成された横貫通路2eを介して内ハブ2の中間部および後部2bにおける内腔10と連通している形態が判る。
図1〜図5に示すように、前部2aの内腔には、内針1が装着されている。後部2bは、後部2bの先端側21a(図5参照)によって支持された複数の弾性片21bと、チューブ接続部21d(図1〜図4参照)とを備えている。複数の弾性片21bは、チューブ接続部21dの外側において、チューブ接続部21dと離れて、周方向に沿って配置されており、複数の弾性片21bと、チューブ接続部21dとは、同心円状に配置されている。チューブ接続部21dにはチューブ3が装着されている。複数の弾性片21bは、例えば、周方向に沿って等間隔に配置されているので、シールド4内での内ハブ2のぐらつきが抑制され、内ハブ2はシールド4内に確実に保持される。中間部および後部2bにおける内腔10(図1〜図4参照)の径は、より大きな輸液の流量を確保して、より迅速に後述のプライミング操作を可能とする観点から、外針1の内径と等しいかそれよりも大きく、チューブ3の内径と同等か、それよりも小さく設定されると好ましい。
図1〜図5に示すように、内ハブ2の中間部における外周面には、封止用環状凹部2cが形成されている。封止用環状凹部2cは、後述する係止凹部21cよりも先端側であって、横貫通路2eよりも後端側に形成されており、Oリング11が装着されて封止部を形成している。この構成により、内ハブ2の外周面とシールド4の内周面との間の液密性が保持される。
図1〜図4に示すように、シールド筒4aの内周面には、後述する係止凹部21cに対応させて、例えば、環状の係止凸部12bが設けられている。一方、図1〜図5に示すように、各弾性片21bのシールド4の内周面と対向する面(チューブ3と向かい合う面の反対面)には、上記係止凸部12bと係止可能な係合凹部21cが形成されている。これにより、内ハブ2がシールド4の後端側に移動されることにより、内針1がシールド4内に完全に引き込まれるとともに、係止凸部12bと係合凹部21cとが係合して、内ハブ2がシールド4内を移動しないようにシールド4内に安全に保持できる。なお、内ハブ2がシールド4内を移動しないようにシールド4に安全に保持可能であれば、弾性片21bの数について特に制限はなく、1つでもよい。
図1および図2に示す初期状態では、内針1が外針8から突出して穿刺可能である。この状態では、内ハブ2の前部2aは、外ハブ7の内腔に挿入され、内ハブ2がシールド4内の先端側移動端に達している。そのため、この初期状態における、内ハブ2の外周面とシールド4の内周面の間に形成される空間を極小化できる。この状態で外針8と内針1とを穿刺した後、外針8を留置するために、図3および図4に示すように、内針1を外針8から突出しないように引き込んだ状態にする。
図3および図4に示す状態では、内ハブ2の前部2aが外ハブ7から脱しているので、前部2aの外周面とシールド4の内周面との間に空間14が形成されている。この空間14は、内針1の外周面とシールド4の内周面との間に形成された空間15を介して外針8の内腔に連通している。また、空間14は、横貫通路2eを介して内ハブ2の中間部および後部2bにおける内腔10と連通している。これにより、内ハブ2とシールド4の間に形成される空間14が流路として機能するため、例えば、内針が中空針であり、その内腔のみが流路として機能する場合よりも、大きな流量を確保できる。
図3および図4の状態では、係止凹部21cと係止凸部12bとが係合することにより、内ハブ2がシールド4に対して保持されている。内針1はシールド4内に収納されているので、誤穿刺の恐れは十分に軽減される。係止凹部21cと係止凸部12bの係合は、内針1の再突出を防止するために機能する。
通常、留置針装置は、図1および図2の状態で使用に供される。穿刺操作はシールド4を把持することにより行う。
次に、内針1の構造の一例について、図6〜図9を参照して説明する。図6は、内針の一例と外針の一例の拡大平面図であり、図7は図6の背面図である。図8は図6のVIII−VIII断面図であり、図9は図6のIX−IX断面図であり、内針の外針の先端から突出した部分において、長手方向と直行する方向に切断した時に見える断面図である。
図6および図7に示すように、内針の刃先は、第1傾斜面1aと、1対の第2傾斜面1bとを含んでいる。第1傾斜面1aは、内針1の長手方向に対して所定の角度で形成され、内針1の先端に達しており、内針1の先端に近い部分は遠い部分よりも低くなっている。1対の第2傾斜面1bは、第1傾斜面1aの裏面側に形成されており、内針1の先端に達し、内針1の長手方向に対して略対称に形成されている。ここで、略対称とは、図7に示すように、一方の第2傾斜面1bの長さL1と他方の第2傾斜面1bの長さL1との差が、製造誤差等の問題で±0.1mmの誤差範囲内にあることを意味する。
内針1は、内針1の外周面のうちの、穿刺時に患者の皮膚と向かい合うこととなる部分に、上記第2傾斜面1bに隣接して設けられた、溝1cを有しており、この溝1cは、内針1の外針8から突出した部分の所定の位置から、内針1の外針8内腔内に位置する部分の所定の位置まで、連続的に形成されている。即ち、内針1の長手方向に沿って内針1の外周面に溝1cが形成され、外針8の先端から内針1が突出する長さが最も長い状態において、溝1cは、外針8の内腔外と内腔内とにまたがっている。換言すると、溝1cの一部は外針8の内腔外にあり、溝1cの残部は外針8の内腔内にある。これにより、外針8の内周面と内針1の外周面との間に、外針8の内外間を液体が出入可能な隙間9(図7、図9)が設けられる。上記溝1cは、例えば、内針1のロール成型による成形とともに形成されるか、研磨等により形成される。
上記溝1cの長手方向の長さについては、外針8の内腔の内外間を液体が出入可能であり、かつ、隙間9と、内ハブ2の外周面とシールド4の内周面との間に形成される空間とが連通可能である限りにおいて特に制限はなく、外針8の形態等に応じて適宜決定すればよい。例えば、外針8の先端から内針1が突出する長さが最も長い状態において、溝1cの長手方向両端のうちの内ハブ2に近い端部は、内ハブ2の外周面とシールド4の内周面との間に形成される空間に達していてもよい。より具体的には、例えば、溝1cの内ハブ2に近い端部は内ハブ2の先端に達するか、内ハブの先端の近傍に配置されていてもよい。この場合、隙間9と内ハブ2の外周面とシールド3の内周面との間に形成される空間とは、直接連通する。また、例えば、外針8の先端から内針1が突出する長さが最も長い状態において、溝1cの長手方向両端のうちの内針1の基端部に近い端部は、必ずしも、内ハブ2の外周面とシールド4の内周面との間に形成される空間に達していなくてもよい。具体的には、外針8の先端から内針1が突出する長さが最も長い状態において、例えば、溝1cの長手方向両端のうちの内針1の基端部に近い端部は、シールド4の内腔外にあってもよい。この場合、溝1cと外針8の内周面とにより形成される隙間を第1の隙間9とすると、第1の隙間9は、外針8の先端部よりも基端側において外針8の内周面と内針1の外周面とが離間することによって形成された第2の隙間16を介して、内ハブ2の外周面とシールド4の内周面との間に形成される空間と連通する(図1および図2参照)。第2の隙間16は、例えば、外針8の先端部8aよりも基端側の内径を、当該先端部のそれよりも大きくすることにより形成される。
外針8の先端部8aおよびその近傍の内径および外径は、外針8の先端に向かって小さくなっており、外針8の先端部8aの内周面のうちの、隙間9(図9参照)を形成する部分以外は、内針1の外周面に接しており、その部分では、外針8の内周面と内針1の外周面とが密着していると、良好な穿刺性を確保する観点から好ましい。外針8の先端部8aよりも基端側については、その内径を大きくすることにより外針8の内周面と内針1の外周面とを離間させると、より大きい流量を確保できる観点から好ましい。
内針1の外周面における上記溝1cの形成場所については、外針8の内腔の内外間を液体が出入可能である限りにおいて特に制限はないが、刃先が上記第1傾斜面1aおよび第2傾斜面1bを含む内針1にあっては、溝1cは、内針1を穿刺する際に、皮膚に面する部分を下部とし、その反対側を上部とすると、下部に形成されていると好ましい。この場合、溝1cが、例えば、上部に形成されている場合よりも、フラッシュバックをより早く確認でき、好ましい。
ところで、留置針装置内部を生理食塩水などで充填する「プライミング操作」を実施する際には、内ハブ2がシールド4内部の先端側に位置する初期状態で行う。外針8の先端部8aよりも基端側部分の内周面と内針1の外周面との間に隙間(第2の隙間)16(図7参照)が存在しても、外針8の先端部8aの内周面と内針1の外周面との間に上記隙間(第1の隙間)9(図8参照)が無い場合、外針8の先端部8aよりも基端側部分の内周面と内針1の外周面との間の隙間(第2の隙間)16、及び横貫通路2eよりも先端側のシールド4の内周面と内ハブ2の外周面とで形成される空間は、プライミングが困難であり、空気が残留し易い。何故なら、例えば、外針8の先端部8aおよびその近傍の内径が先端に向かって小さくなって、先端部8aの内周面が内針1の外周面に密着している場合、空気が抜け難いからである。その結果、内針1をシールド4内に収納した後、留置針装置内部に空気が残留し、この空気が患者の血管内に混入するおそれがある。
本発明の留置針装置の一例では、外針8の内周面と内針1の外周面との間に、外針8の内腔の内外間を液体が出入可能な隙間(第1の隙間)9があり、この隙間9と、外針8の先端部8aよりも基端側部分の内周面と内針1の外周面との間の隙間(第2の隙間)16とが繋がっているので、外針8の先端部8aよりも基端側部分の内周面と内針1の外周面との間の隙間(第2の隙間)16、及び横貫通路2eよりも先端側のシールド4の内周面と内ハブ2の外周面とで形成される空間にも、プライミング用の液体を容易に流入させることができ、留置針装置内部に空気が残留することを防止できる。
また、外針8の先端部8aよりも基端側部分の内周面と内針1の外周面との間に隙間(第2の隙間)16がない形態でも、溝1cの長手方向両端のうちの内針1の基端部に近い端部が、内ハブ2の外周面とシールド4の内周面との間に形成される空間に達して、当該空間と隙間9とが直接連通していれば、横貫通路2eよりも先端側のシールド4の内周面と内ハブ2の外周面とで形成される空間に、プライミング用の液体を容易に流入させることができ、留置針装置内部に空気が残留することを防止できる。
また、本発明の留置針装置の一例では、外針8が血管内に到達した状態で、内針1をシールド4内に引き込む必要がある。本発明の留置針装置の一例では、上記隙間(第1の隙間)9(図9参照)と、内ハブ2の外周面とシールド4の内周面との間に形成される空間とが、隙間(第2の隙間)16を介するか、または直接連通しているので、外針8の開口より外針8の内腔に流入した血液が、外針の内腔を通ってシールド4内に流入し、外針8が血管を確保したことを、血液のフラッシュバックにより目視で確認できる。
本発明における内針と外針の他の例を、図10〜図13に示している。図10〜図13は、いずれも、外針と外針内に挿入された内針とを、内針の外針の先端から突出した部分において、長手方向と直行する方向に切断した時に見える断面図である。
図10および図11に示すように、隙間9の断面積を大きくしてプライミング速度を向上させるために、隙間9が、内針1の周方向に複数個形成されるように、内針1に複数の溝1cが形成されていてもよい。また、図10および図11に示した例では、隙間9は、外針8の内周面と、内針1の長手方向に沿って内針1の外周面に形成された溝1cとにより形成されるが、図12に示すように、例えば、内針1の断面形状を多角形として、外針8の内周面と、内針1の長手方向に沿って内針の外周面が有する平面1dとにより上記隙間が形成されていてもよい。図13に示すように、平面1dは1つでもよい。このように内針1が平面1dを有する場合、内針1の作製が容易である点で好ましい。一方、内針1が上記溝1cを有する場合は、内針1と外針8との接触面積の確保と、隙間9の断面積の確保とを両立させ易く、そのため、良好な穿刺性とより大きい流量の確保とを両立させ易い点で好ましい。また、内針1を、その外周面が、溝1cおよび/または平面1dを有するように形成することに代えて、内針1の断面形状を楕円とすることにより上記隙間9を形成してもよい。
隙間9の数は多ければ多いいほど、より大きい流量を確保できるのでプライミングが速く行え、かつ、フラッシュバックもより速く確認できる点において好ましいが、外針8の先端部8aにおいて、内針1と密着している部分が少なすぎると、穿刺性が損なわれる恐れがある。そのため、隙間9の数は、外針8の穿刺性とより大きい流量の確保とを両立させるように、決定すればよい。
隙間9の総断面積についても、大きければ大きいほど、プライミングが速く行え、かつ、フラッシュバックもより速く確認できる点において好ましいが、外針8の先端部8aにおいて、内針1と密着している部分が少なすぎると、外針8のめくれ等が生じて穿刺性が損なわれる恐れがあるため、外針8の穿刺性とより大きい流量の確保とを両立させるように、決定すればよい。
次に、内針1の構造の他の一例について図14〜図16を参照して説明する。図14は、内針の一例と外針の他の一例の拡大平面図であり、図15は図14のXV−XV断面図であり、図16は図14のXVI−XVI断面図であり、内針の外針の先端から突出した部分において、長手方向と直行する方向に切断した時に見える断面図である。図14〜図16を用いて説明する内針1は、図6〜図9を用いて説明した内針1と、刃先の形状等については相違するが、溝の長さ、溝の形成方法、および内針1が内挿される外針の形態等については同様である。図14〜図16を用いて説明する内針1についても、隙間9を構成する内針の外周面の一部は、溝に代えて平面であってもよい。
図14および図15に示すように、内針1の刃面は、1対の第3傾斜面1eと、1対の第4傾斜面1fとを含んでいる。1対の第3傾斜面1eは、各々、内針1の長手方向に対して所定の角度で形成され、内針1の先端に近い部分が遠い部分よりも低くなっている。また、相互に内針の長手方向に対して略対称に形成されている。1対の第4傾斜面1fは、各々、長手方向に対する角度が第3傾斜面1eのそれよりも大きくなるように形成されており、内針1の先端に達している。また、第4傾斜面1fは、内針1の先端に近い部分が遠い部分よりも低くなっており、1対の第4傾斜面1fは、相互に内針の長手方向に対して略対称に形成されている。ここで、略対称とは、図14に示すように、一方の第4傾斜面1fの長さL2と他方の第4傾斜面1fの長さL2との差が、製造誤差等の問題で±0.1mmの誤差範囲内にあることを意味する。
内針1は、内針1の外周面のうちの、穿刺時に患者の皮膚と向かい合うこととなる部分の反対側に、上記第4傾斜面1fに隣接して設けられた、溝1cを有しており、この溝1cは、内針1の外針8から突出した部分の所定の位置から、内針1の外針8内腔内に位置する部分の所定の位置まで、連続的に形成されている。即ち、内針1の長手方向に沿って内針1の外周面に溝1cが形成され、外針8の先端から内針1が突出する長さが最も長い状態において、溝1cは、外針の内腔外と内腔内とにまたがっている。換言すると、溝1cの一部は外針8の内腔外にあり、溝1cの残部は外針8の内腔内にある。これにより、外針8の内周面と内針1の外周面との間に、外針8の内外間を液体が出入可能な隙間9(図16)が設けられる。
この場合でも、外針8の内周面と内針1の外周面との間に、外針8の内腔の内外間を液体が出入可能な隙間9(図16)が存在し、この隙間(第1の隙間)9と、例えば、外針8の先端部8aよりも基端側部分の内周面と内針1の外周面との間の隙間(第2の隙間)16(図15参照)とが繋がっているので、外針8の内周面と内針1の外周面との間に形成される空間(第2の隙間)16、及び横貫通路2eよりも先端側のシールド4の内周面と内ハブ2の外周面とで形成される空間にも、プライミング用の液体を容易に流入させることができ、留置針装置内部に空気が残留することを防止でき、かつ、外針が血管を確保したことを、血液のフラッシュバックにより目視で確認できる。
内針1と外針8の穿刺後に外針8を留置するためには、チューブ3を介して内ハブ2をシールド筒4aの内部に引き込む力を加え、図3および図4に示す状態にする。すなわち、係止凹部21cと係止凸部12bとを係合させる。これにより、内針1が血管から引き抜かれ、外針8のみが穿刺された状態で留置される。
また、留置針装置を廃棄する際には、図3および図4の状態であれば、誤穿刺を防止できる。つまり、内針1がシールド4内に収納され、係止凹部21cと係止凸部12bの係合により、内針1が再突出することが阻止された状態になっているからである。
尚、本発明の留置針装置のさらに別の例では、シールド4が、1対の翼を備えた翼付シールドであってもよい。この場合、1対の翼は、シールド4の先端部、すなわち内針1が突出する側の端部に設けられる。1対の翼部は、各々、シールド4の外周面の両側部に結合し、シールド4の長手方向を中心として互いに対称な形状を有する。
(実施形態2)
実施形態2では、本発明の留置針装置の他の一例について説明する。図17は、本実施形態の留置針装置の一例の斜視図であり、図18は、図17に示した留置針装置を長手方向に沿って切断した部分断面図である。
実施形態2では、本発明の留置針装置の他の一例について説明する。図17は、本実施形態の留置針装置の一例の斜視図であり、図18は、図17に示した留置針装置を長手方向に沿って切断した部分断面図である。
図17および図18に示す留置針装置は、内ハブ移動制御部材18をさらに備えていること以外は、実施形態1の留置針装置と同様の構成をしており、同一の部材については同一の符号を付してその説明を省略する。
図17および図18に示すように、本実施形態の留置針装置における内ハブ移動制御部材18は、シールド4の後端側からシールド4内腔に挿抜可能なストッパー部18aと、下記形態の保持部を備えている。ストッパー部18aは、シールド4内に挿入され、その先端が、先端側移動端に達した内ハブ2の後端部端面2nに当接可能である。下記形態の保持部は、操作者により把持されることにより、外針8の先端から内針が突出する長さが最も長く、かつ、ストッパー部18aの先端が上記後端部端面2nに当接した状態、換言すると、内ハブ2がシールド4内の先端側移動端に達し、かつ、ストッパー部18aの先端が上記後端部端面2nに当接した状態を保持を可能とする。
内ハブ移動制御部材18は、一対の片持部18bを保持部として備えている。一対の片持部18bは、シールド4のシールド筒4aの上部外周の一部を覆う略半円筒形状部18cと、屈曲部18dとを介してストッパー部18aの後端部に連結されている。略半円筒形状部18cおよび一対の片持部18bは、シールド4のシールド4aの外周面から若干離間して配置されている。一対の片持部18bは、シールド4の側部の周囲に配置され、シールド4の長手方向の中心線に対して互いに対称に配置されている。
一対の片持部18bは、双方を両側から把持することにより互いの距離を狭めてシールド4を把持し得る。一対の片持部18bによってシールド4を把持している間は、シールド4に対する内ハブ移動制御部材18の相対位置を変位させることなく保つことができる。よって、内ハブ2がシールド4内腔における先端側移動端に達した状態のときに、ストッパー部18aの先端を内ハブ2の後端部端面2nに当接させながら、一対の片持部18bでシールド4を把持すれば、その間、内ハブ2の移動を防止でき、穿刺操作を確実に行うことができる。
図17に示すように、各片持部18bの一部が、翼部5,6と、シールド筒4aの長手方向同位置に配置されている場合、穿刺操作は、翼部5、6をシールド4の外周面に沿って上方に持ち上げ、これらを重ね合わせて把持することにより行える。このようにすれば、各片持部18bは翼部によってシールド4に押さえつけられ、一対の片持部18bは互いの距離が狭められ、一対の片持部18bによってシールド4が把持される。
各片持部18bは、シールド4の側部の周囲に配置されているので、シールド4の上部の外周面は露出されている。そのため、使用に際しては、シールド4の上部の外周面に指を直接おいて、シールド4を患者側に押さえることができる。この操作により、チューブ3を引っ張って内針1をシールド4内に引込むことが容易に行える。
図18では、内針1は、その先端が外針8から突出して穿刺可能な初期状態にある。この状態を維持する観点から、図18に示したストッパー部18aの長さは十分すぎる。しかし、図18に示すように、ストッパー部材18aの後端側がシールド4の後端から突出していれば、その突出部分をチューブ3とともに手で握ることができる。この場合、内ハブ移動制御部材18とチューブ3とを同時につかんだ状態で、内針1をシールド4内に引き込む操作が行い易くなる。
実施形態1の留置針装置および実施形態2の留置針装置はともに、チューブ3の両端部のうちの内ハブ2と接続されていない端部に、他の医療用具との接続が可能なコネクタ19が接続されていると好ましい。コネクタ19としては、例えば、図17に示すように、ISO(国際標準化機構)規格に適合したルアーテーパーを有する雄型接続部材等と嵌合可能な雌部19aを有していてもよい。あるいは、ISO(国際標準化機構)規格に適合したルアーテーパーを有する雌型接続部材等と嵌合可能な雄部を有していてもよい。また、コネクタは、雄部と、雄部を囲い内面に上記雌型接続部材と螺合可能な螺旋溝が形成されたキャップ部材とを備え、雌型接続部材内に雄部を圧入した後、上記キャップ部材を回転させることにより雌型接続部材と螺合させることが可能な、ルアーロックコネクタであってもよい。
本発明の留置針装置は、チューブから外針の内腔に至る流路の断面積を確保しながらも、内針内における血液の滞留を防止可能な構造であるので、輸液や輸血、体外血液循環等の処置に用いるために好適である。
1 内針
1a 第1傾斜面
1b 第2傾斜面
1c 溝
1d 平面
1e 第3傾斜面
1f 第4傾斜面
2 内ハブ
2a 前部
2b 後部
2c 封止用環状凹部
2e 横貫通路
21b 弾性片
21c 係止凹部
3 チューブ
4 シールド
4a シールド筒
7 外ハブ
8 外針
9 隙間(第1の隙間)
10 内腔
11 Oリング
12b 係止凸部
14、15 空間
16 隙間(第2の隙間)
18 内ハブ移動制御部材
18a ストッパー部
18b 片持部
19 コネクタ
1a 第1傾斜面
1b 第2傾斜面
1c 溝
1d 平面
1e 第3傾斜面
1f 第4傾斜面
2 内ハブ
2a 前部
2b 後部
2c 封止用環状凹部
2e 横貫通路
21b 弾性片
21c 係止凹部
3 チューブ
4 シールド
4a シールド筒
7 外ハブ
8 外針
9 隙間(第1の隙間)
10 内腔
11 Oリング
12b 係止凸部
14、15 空間
16 隙間(第2の隙間)
18 内ハブ移動制御部材
18a ストッパー部
18b 片持部
19 コネクタ
Claims (14)
- 略円筒状のシールド筒を含むシールドと、
前記シールドの先端部に固定された軟質の外針と、
前記シールドの内腔において長手方向に移動可能なように挿入された内ハブと、
前記内ハブの後端に接続されたチューブと、
前記内ハブの先端部に固定され前記外針の内腔に挿入可能な硬質の内針とを備え、
前記内ハブが前記シールドの内腔の先端部に位置するときに、前記内針の先端は前記外針の内腔から外部に突出し、前記内ハブを前記シールドの内腔の後端側へ移動させることにより前記内針を前記シールドの内腔に収納可能である留置針装置において、
前記内ハブにはその外周から内腔に貫通する横貫通路が形成され、前記内ハブの外周面と前記シールドの内周面との間に形成される空間が、前記横貫通路を介して前記内ハブの内腔と連通しており、
前記内ハブにおける前記横貫通路よりも後端側の外周面に、前記内ハブの外周面と前記シールドの内周面との間の液密性を保持するための封止部が設けられ、
前記内針は中実針であり、
前記外針の内周面と前記内針の外周面との間に、前記外針の内腔の内外間を液体が出入可能な隙間が、前記内針の周方向に沿って少なくとも1箇所あり、
前記隙間と、前記内ハブの外周面と前記シールドの内周面との間に形成される前記空間とが連通している留置針装置。 - 前記外針の先端部において、前記外針の内周面のうちの、前記隙間を形成する部分以外は、前記内針の外周面と接している請求項1に記載の留置針装置。
- 前記外針の前記先端部より基端側において、前記外針の内周面と前記内針の外周面とが離間している請求項2に記載の留置針装置。
- 前記隙間は、前記内針の長手方向に沿って前記内針の外周面に形成された溝および/または平面と、前記外針の内周面とにより形成されている請求項1〜3のいずれかの項に記載の留置針装置。
- 前記外針の先端から前記内針が突出する長さが最も長い状態において、前記溝および/または平面は、前記外針の内腔外と内腔内とにまたがっている請求項4に記載の留置針装置。
- 前記外針の先端から前記内針が突出する長さが最も長い状態において、前記溝および/または平面の長手方向両端のうちの前記内針の基端部に近い端部は、前記内ハブの外周面と前記シールドの内周面との間に形成される前記空間に達している請求項5に記載の留置針装置。
- 前記外針の先端から前記内針が突出する長さが最も長い状態において、前記溝および/または平面の長手方向両端のうちの前記内針の基端部に近い端部は、前記内ハブの外周面と前記シールドの内周面との間に形成される前記空間に達しておらず、
前記溝および/または平面と前記外針の内周面とにより形成される前記隙間を第1の隙間とすると、前記第1の隙間は、前記外針の前記先端部よりも基端側において前記外針の内周面と前記内針の外周面とが離間することによって形成された第2の隙間を介して、前記内ハブの外周面と前記シールドの内周面との間に形成される前記空間と連通している請求項5に記載の留置針装置。 - 前記隙間は、前記内針の周方向に沿って複数個ある請求項1〜7のいずれかの項に記載の留置針装置。
- 前記内針の刃先は、
前記内針の長手方向に対して所定の角度で形成され、前記内針の先端に達した第1傾斜面と、
前記第1傾斜面側の裏面側において前記内針の先端に達し前記内針の長手方向に対して略対称に形成された1対の第2傾斜面とを含み、
前記隙間は、前記第1傾斜面側の裏面側の前記内針の外周面と、前記外針の内周面とにより形成されている請求項1〜8のいずれかの項に記載の留置針装置。 - 前記内ハブの内腔における前記横貫通路よりも後端側の径は、前記外針の内径と等しいかそれより大きい請求項1〜9のいずれかの項に記載の留置針装置。
- 前記シールドの内周面には、係止凸部が設けられ、
前記内ハブは、その一端が前記内ハブの他の部分によって支持され、前記内ハブの中心軸に向かって撓みうる、弾性片を含み、
前記弾性片には、前記係止凸部と係合可能な係合凹部が形成され、
前記内ハブが前記シールドの後端側に移動されることにより、前記内針が前記シールド内に完全に引き込まれるとともに、前記係止凸部が前記係合凹部と係合して、前記内ハブが前記シールド内を移動しないように前記シールドに保持される請求項1〜10に記載の留置針装置。 - 前記弾性片を複数備え、複数の前記弾性片は周方向に沿って等間隔に配置された請求項11に記載の留置針装置。
- 前記シールドに着脱可能に装着された内ハブ移動制御部材をさらに含み、
前記内ハブ移動制御部材は、
前記シールドの後端側から前記シールド内腔に挿抜可能に挿入され、前記外針の先端から前記内針が突出する長さが最も長い状態の時に、前記内ハブにその先端を当接可能なストッパー部と、
前記内ハブに前記ストッパー部の先端が当接された状態を保持可能な保持部とを含み、
前記保持部は、前記ストッパー部の後端部に連結され、双方を両側から把持することにより互いの距離を狭めて前記シールドを把持し得る一対の片持部を含む請求項1に記載の留置針装置。 - 前記チューブに接続されたコネクタをさらに含む請求項1〜13のいずれかの項に記載の留置針装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007270579A JP2009095496A (ja) | 2007-10-17 | 2007-10-17 | 留置針装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2007270579A JP2009095496A (ja) | 2007-10-17 | 2007-10-17 | 留置針装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2009095496A true JP2009095496A (ja) | 2009-05-07 |
Family
ID=40699071
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2007270579A Withdrawn JP2009095496A (ja) | 2007-10-17 | 2007-10-17 | 留置針装置 |
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JP (1) | JP2009095496A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018138095A (ja) * | 2017-02-24 | 2018-09-06 | テルモ株式会社 | 医療用デバイス |
-
2007
- 2007-10-17 JP JP2007270579A patent/JP2009095496A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018138095A (ja) * | 2017-02-24 | 2018-09-06 | テルモ株式会社 | 医療用デバイス |
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