このような従来の換気空調装置では、蒸発器は屋外に設置され、屋外の空気から吸熱を行うため、蒸発器内を流通する冷媒の温度は屋外空気の温度よりも低温である必要がある。しかしながら、冬季などの屋外空気の温度が低温の場合、特に屋外空気が0℃を下回るような状況においては、蒸発器の温度も0℃を下回る温度となり、屋外空気中に含まれる水分が蒸発器表面で凍結することによる着霜状態が発生することが知られている。着霜状態が発生した蒸発器においては蒸発器を流通する屋外空気の風路が霜により閉塞され、通風しにくくなるため、蒸発器における吸熱が行えなくなり、冷媒回路が不安定となることなどから着霜状態のまま暖房運転を続けることは難しい。
このため、着霜状態が発生した場合、何らかの手段で蒸発器表面に発生した霜を融かし、蒸発器での室外空気の流通状態を回復させる必要がある。このような蒸発器表面に発生した霜を融かすための運転状態を除霜運転もしくはデアイスと呼ぶが、一般的なデアイスの方法としては、冷凍サイクルの運転を停止し、蒸発器への送風のみを実施することで空気の温度を利用して凍結した水分を溶かす方法がある。この場合、空気の温度が水の凍結する温度(一般的には0℃)よりも高い必要がある。そこで、冷凍サイクルを運転し、蒸発器の上流における膨張機構での減圧量を小さくし、蒸発器への冷媒の流入温度を上昇させ、蒸発器の温度を上昇させることでデアイスを行う方法がある。この場合、蒸発器の温度は上昇するものの、本来蒸発器においては蒸発器を通過する空気から熱を吸熱する状態であるのに対し、蒸発器の温度が上昇することで、給熱量が低下もしくは空気の温度によっては逆に放熱を行ってしまうこととなる。このため、デアイス運転中においては空調対象空間に対して暖房を実施することができなくなってしまうという課題があった。また、他の方法として、冷凍サイクルの冷媒の流通方向を逆転させ、一時的に蒸発器を凝縮器として作用させることで凍結した水を溶かす方法があるが、蒸発器と凝縮器を逆転させているため、本来、暖房を実施したい空調対象空間を冷房してしまうこととなり、使用者が冷風感を感じたり、空調対象空間の温度が低下してしまうという問題があった。
本発明は上記従来の課題を解決するものであり、除霜運転時に空調対象空間の暖房を停止することなく除霜を行いことが可能な換気空調装置を提供することを目的としている。
また、除霜運転にかかる期間を短縮し、より早期に暖房運転を再開することが可能な換気空調装置を提供することを目的としている。
また、除霜運転時のランニングコストを低減させ、より効率的に空調対象室内の暖房を行うことが可能な換気空調装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために本発明が講じた第1の解決手段は、空調対象空間である第一室内空間に開口した吸込口から空気を吸い込んで前記第一室内空間に開口した吹出口から空気を吹出す循環ファンと、前記第一室内空間以外の第二室内空間に開口した排気口から空気を吸い込んで屋外に排出することで換気を行う換気ファンと、冷媒を圧縮する圧縮機と前記循環ファンにより送風される空気と冷媒を熱交換させる凝縮器と、冷媒の減圧を行う減圧機構と前記換気ファンにより送風される空気と冷媒を熱交換させる蒸発器の順に冷媒が循環する冷媒回路を設けた換気空調装置において、前記蒸発器と前記凝縮器の間を連通する除霜風路と前記除霜風路内の空気の流通を閉止するための除霜風路閉止手段をさらに設け、前記蒸発器の除霜運転時に空調対象室内の空気を除霜風路を介して蒸発器、凝縮器の順に送風することで第一室内空間の暖房を実施しながら蒸発器の除霜を実施するようにしたものである。
この手段により、除霜運転中において、第一室内空間内空気の持つ熱に圧縮機への入力熱量を追加して第一室内空間へ供給することができるため第一室内空間に対する熱投入を停止することなく除霜運転を行うことが可能となるため、従来除霜運転中に停止していた第一室内空間への熱投入を停止することなく除霜運転を行うことが可能となると共に、暖房運転時または除霜運転時に必要となるそれぞれの通風路を分離/統合することが可能となり、専用の風路を設けることなく暖房運転及び除霜運転を切り替えることが可能となる。
また本発明が講じた第2の解決手段は、暖房運転時には除霜風路閉止手段を閉止し、除霜運転時には除霜風路閉止手段を開放するようにしたものである。
この手段により、暖房運転時には蒸発器から凝縮器への空気の流通を停止し、第二室内空間から蒸発器を介して凝縮器に空気が流入することを防止するため、暖房能力を低下させること無く暖房運転を行うことが可能となると共に、除霜運転時には蒸発器から凝縮器への空気の流通を開放し、除霜風路を通風させることで除霜を行いながら第一室内空間への熱投入を行うことが可能となる。
また本発明が講じた第3の解決手段は、第一室内空間内の空調対象空気を吸気するための第二の吸込口をさらに設け、除霜運転時に第二の吸込口から空調対象空気を吸引することで凝縮器に空調対象空気を供給することを特徴とするようにしたものである。
この手段により、除霜運転時の空調対象空気の流通する風路を単純化し、より少ない圧力損失で通風することが可能となり、除霜運転の際に蒸発器への空調対象空気の供給を均一に行うことができるようになり、除霜運転時間を短縮することが可能となる。
また本発明が講じた第4の解決手段は、吸込口及び第二の吸込口にそれぞれの吸込口を閉止するための第一の閉止機構および第二の閉止機構を設けたものである。
この手段により、暖房運転時または除霜運転時にそれぞれ必要となる吸込口のみから第一室内空間内の空調対象空気を吸引することが可能となり、暖房運転時の暖房能力の低下防止及び除霜運転時の除霜運転時間を短縮することができる。
また本発明が講じた第5の解決手段は、暖房運転時には第二の閉止機構を閉止し吸気口から空調対象空気を吸引し、除霜運転時には第一の閉止機構を閉止し第二の吸気口から空調対象空気を吸引するようにしたものである。
この手段により、暖房運転時には吸込口から第一室内空間内の空調対象空気を吸引し凝縮器へ供給することが可能となると共に第二の吸込口からの蒸発器への空調対象空気の流入を停止することが可能となり、暖房運転時の暖房能力の低下を防止することが可能となる。また、除霜運転時には第二の吸込口から第一室内空間内の空調対象空気を吸引し蒸発器、凝縮器の順に通風することが可能となると共に吸込口からの空調対象空気の流入を停止することで冷媒回路内の冷媒の温度が低下するのを防止し、除霜運転時間を短縮することが可能となる。
また本発明が講じた第6の解決手段は、除霜運転時には第二室内空間からの換気を停止するようにしたものである。
この手段により、除霜運転時に第二室内空間内の空気が蒸発器を介して第一室内空間に流入するのを防止することで第一室内空間への暖房効果を向上させると共に、第二室内空間内の空気が塵埃や臭気などに汚染されていた場合でも第一室内空間への塵埃や臭気の流入を防止することができる。
また本発明が講じた第7の解決手段は、排気口から吸引した第二室内空間内の空気を蒸発器に供給する排気風路内に第二室内空間からの空気の供給を閉止するための第三の閉止機構を設けたものである。
この手段により、第二室内空間から換気空調装置に空気が流入するのを防止することができ、第一室内空間への暖房効果の向上及び第一室内空間への第二室内空間内の塵埃や臭気の流入を防止することができる。
また本発明が講じた第8の解決手段は、暖房運転時には第三の閉止機構を開放し、除霜運転時には第三の閉止機構を閉止するようにしたものである。
この手段により、暖房運転時には第二室内空間から蒸発器に第二室内空間内の空気を供給することで第二室内空間内の空気から吸収した熱を凝縮器により第一室内空間内の空調対象空気に供給することで暖房すると共に、除霜運転時には第二室内空間から蒸発器に第二室内空間内の空気が流入するのを防止し、第二室内空間内の塵埃や臭気が第一室内空間内に流入するのを防止することができる。
また本発明が講じた第9の解決手段は、除霜運転時に循環ファンにより第一室内空間内の空気を吸引し、蒸発器、凝縮器の順に通風するようにしたものである。
この手段により、除霜運転時に浴室内の空気を本体内に流通させるためのファンを別途設けることなく循環送風を行うことが可能となる。
また本発明が講じた第10の解決手段は、除霜運転時に換気ファン及び循環ファンを運転し、第一室内空間から吸引した空調対象空気の一部を蒸発器、凝縮器の順に通風し第一室内空間に循環送風すると共に第一室内空間から吸引した空調対象空気の一部を蒸発器を介して屋外に排気することで蒸発器における吸熱量を増加させ、蒸発器の温度を上昇させるようにしたものである。
この手段により、蒸発器における吸熱量を増加させ、冷媒回路全体の温度を上昇させることで蒸発器表面の温度を上昇させ、蒸発器に発生した霜を融けやすくし、除霜運転時間を短縮することが可能となる。
また本発明が講じた第11の解決手段は、減圧機構と蒸発器の間の冷媒回路上に冷媒を加熱するための冷媒加熱手段を設け、除霜運転時に冷媒加熱手段により冷媒を加熱することで除霜時間を短縮すると共に第一室内空間の暖房を行うようにしたものである。
この手段により、除霜運転時に冷媒回路に加熱手段による熱を投入することによって冷媒回路内の冷媒の温度を上昇させ、蒸発器に発生した霜を融けやすくし、除霜運転時間を短縮することが可能となる。
また本発明が講じた第12の解決手段は、冷媒加熱手段が通電により加熱するヒーターで構成したものである。
この手段により、比較的容易に冷媒回路に熱を投入することが可能となり、換気空調装置本体の寸法を大型化することなく除霜運転時間を短縮することが可能となる。
また本発明が講じた第13の解決手段は、冷媒加熱手段が温水を通水することで対象を加熱する温水熱交換器で構成したものである。
この手段により、発火等の不具合を発生することなく、比較的大量の熱を冷媒回路に供給することが可能となるため除霜運転時間を短縮することが可能となる。
また本発明が講じた第14の解決手段は、蒸発器の着霜時に第一室内空間内空気の流通経路を自動で切り替えるようにしたものである。
この手段により、着霜時に使用者が特別な操作を行うことなく自動的に除霜運転を開始することができ、使用者の利便性を向上することができる。
また本発明が講じた第15の解決手段は、蒸発器の温度を検知する蒸発器温度検知手段を設け、蒸発器の温度に応じて蒸発器の着霜を検知するようにしたものである。
この手段により、蒸発器の着霜を的確に判定し、着霜時に速やかに除霜運転に移行することが可能となり、利用者の利便性を向上することが可能となる。
また本発明が講じた第16の解決手段は、蒸発器の除霜終了時に第一室内空間内空気の流通経路を通常の暖房運転時の通風経路に自動で切り替えるようにしたものである。
この手段により、除霜運転終了時に使用者が特別な操作を行うことなく自動的に暖房運転を再開することが可能となり、使用者の利便性を向上することができる。
また本発明が講じた第17の解決手段は、第一室内空間内空気の温度を検知し、第一室内空間内空気の温度が低温の場合には減圧機構による減圧量を低減させるようにしたものである。
この手段により、第一室内空間内の空気の温度が低い場合、第一室内空間内の空気を蒸発器に供給するのみでは除霜時間が長くなってしまう場合があるが、減圧機構での減圧量を低減することで、蒸発器に供給される冷媒の温度を上昇させ、早期に蒸発器に発生した霜を融かすことが可能となる。
また本発明が講じた第18の解決手段は、第一室内空間内空気の温度が所定の温度を超えた場合に減圧機構による減圧量を大きくするようにしたものである。
この手段により、除霜運転中に第一室内空間内の空気の温度が所定の温度を超えた場合には蒸発器における吸熱量が上昇することから、減圧機構による減圧量を大きくしても蒸発器における温度が蒸発器表面に発生した霜を融かすのに充分な温度を得られるため、減圧量を増加させて第一室内空間に対する暖房能力を向上させることができる。
また本発明が講じた第19の解決手段は、第一室内空間内空気の温度を検知し、第一室内空間内空気の温度が低温の場合には循環ファンによる空気の送風量を増加させるようにしたものである。
この手段により、蒸発器を通過する空調対象空気の送風量を増加させることで蒸発器での吸熱量を増加させ、冷媒回路内の冷媒の温度を上昇させ、早期に蒸発器に発生した霜を融かすことが可能となる。
また本発明が講じた第20の解決手段は、第一室内空間内空気の温度が所定の温度を超えた場合に循環ファンによる空気の送風量を低下させるようにしたものである。
この手段により、除霜運転中に第一室内空間内の空気の温度が所定の温度を超えた場合には蒸発器における吸熱量が上昇することから、循環ファンによる空気の送風量を低下させても蒸発器における温度が蒸発器表面に発生した霜を融かすのに充分な温度を得られるため、循環ファンによる送風量を低下させ、第一室内空間に吹出す空気の温度を上昇させ、第一室内空間内に人がいる場合に生じる冷風感を低下させることができる。
また本発明が講じた第21の解決手段は、第一室内空間内の温度検知手段を第二の吸込口近傍の空気流通経路内に設けたものである。
この手段により、除霜運転中の第一室内空間内の空気の温度を正確に検知することが可能となり、除霜運転中の換気空調装置の運転状況を正確に制御することが可能となる。
本発明によれば、除霜運転中において、第一室内空間内空気の持つ熱に圧縮機への入力熱量を追加して第一室内空間へ供給することができるため第一室内空間に対する熱投入を停止することなく除霜運転を行うことが可能となるため、従来除霜運転中に停止していた第一室内空間への熱投入を停止することなく除霜運転を行うことが可能となると共に、暖房運転時または除霜運転時に必要となるそれぞれの通風路を分離/統合することが可能となり、専用の風路を設けることなく暖房運転及び除霜運転を切り替えることが可能となる。
また、除霜運転にかかわる使用者の操作を必要とせず、使用者の利便性を損なうことなく効率のよい暖房を行うことが可能な換気空調装置を提供することができる。
本発明の請求項1記載の発明は、空調対象空間である第一室内空間に開口した吸込口から空気を吸い込んで前記第一室内空間に開口した吹出口から空気を吹出す循環ファンと、前記第一室内空間以外の第二室内空間に開口した排気口から空気を吸い込んで屋外に排出することで換気を行う換気ファンと、冷媒を圧縮する圧縮機と前記循環ファンにより送風される空気と冷媒を熱交換させる凝縮器と、冷媒の減圧を行う減圧機構と前記換気ファンにより送風される空気と冷媒を熱交換させる蒸発器の順に冷媒が循環する冷媒回路を設けた換気空調装置において、前記蒸発器と前記凝縮器の間を連通する除霜風路と前記除霜風路内の空気の流通を閉止するための除霜風路閉止手段をさらに設け、前記蒸発器の除霜運転時に空調対象室内の空気を除霜風路を介して蒸発器、凝縮器の順に送風することで第一室内空間の暖房を実施しながら蒸発器の除霜を実施するようにしたものであり、除霜運転中において、第一室内空間内空気の持つ熱に圧縮機への入力熱量を追加して第一室内空間へ供給することができるため第一室内空間に対する熱投入を停止することなく除霜運転を行うことが可能となるため、従来除霜運転中に停止していた第一室内空間への熱投入を停止することなく除霜運転を行うことが可能となると共に、暖房運転時または除霜運転時に必要となるそれぞれの通風路を分離/統合することが可能となり、専用の風路を設けることなく暖房運転及び除霜運転を切り替えることが可能となる。
また、暖房運転時には除霜風路閉止手段を閉止し、除霜運転時には除霜風路閉止手段を開放するようにしたものであり、この手段により、暖房運転時には蒸発器から凝縮器への空気の流通を停止し、第二室内空間から蒸発器を介して凝縮器に空気が流入することを防止するため、暖房能力を低下させること無く暖房運転を行うことが可能となると共に、除霜運転時には蒸発器から凝縮器への空気の流通を開放し、除霜風路を通風させることで除霜を行いながら第一室内空間への熱投入を行うことが可能となる。
また、第一室内空間内の空調対象空気を吸気するための第二の吸込口をさらに設け、除霜運転時に第二の吸込口から空調対象空気を吸引することで凝縮器に空調対象空気を供給することを特徴とするようにしたものであり、除霜運転時の空調対象空気の流通する風路を単純化し、より少ない圧力損失で通風することが可能となり、除霜運転の際に蒸発器への空調対象空気の供給を均一に行うことができるようになり、除霜運転時間を短縮することが可能となる。
また、吸込口及び第二の吸込口にそれぞれの吸込口を閉止するための第一の閉止機構および第二の閉止機構を設けたものであり、暖房運転時または除霜運転時にそれぞれ必要となる吸込口のみから第一室内空間内の空調対象空気を吸引することが可能となり、暖房運転時の暖房能力の低下防止及び除霜運転時の除霜運転時間を短縮することができる。
また、暖房運転時には第二の閉止機構を閉止し吸気口から空調対象空気を吸引し、除霜運転時には第一の閉止機構を閉止し第二の吸気口から空調対象空気を吸引するようにしたものであり、暖房運転時には吸込口から第一室内空間内の空調対象空気を吸引し凝縮器へ供給することが可能となると共に第二の吸込口からの蒸発器への空調対象空気の流入を停止することが可能となり、暖房運転時の暖房能力の低下を防止することが可能となる。また、除霜運転時には第二の吸込口から第一室内空間内の空調対象空気を吸引し蒸発器、凝縮器の順に通風することが可能となると共に吸込口からの空調対象空気の流入を停止することで冷媒回路内の冷媒の温度が低下するのを防止し、除霜運転時間を短縮することが可能となる。
また、除霜運転時には第二室内空間からの換気を停止するようにしたものであり、除霜運転時に第二室内空間内の空気が蒸発器を介して第一室内空間に流入するのを防止することで第一室内空間への暖房効果を向上させると共に、第二室内空間内の空気が塵埃や臭気などに汚染されていた場合でも第一室内空間への塵埃や臭気の流入を防止することができる。
また、排気口から吸引した第二室内空間内の空気を蒸発器に供給する排気風路内に第二室内空間からの空気の供給を閉止するための第三の閉止機構を設けたものであり、第二室内空間から換気空調装置に空気が流入するのを防止することができ、第一室内空間への暖房効果の向上及び第一室内空間への第二室内空間内の塵埃や臭気の流入を防止することができる。
また、暖房運転時には第三の閉止機構を開放し、除霜運転時には第三の閉止機構を閉止するようにしたものであり、暖房運転時には第二室内空間から蒸発器に第二室内空間内の空気を供給することで第二室内空間内の空気から吸収した熱を凝縮器により第一室内空間内の空調対象空気に供給することで暖房すると共に、除霜運転時には第二室内空間から蒸発器に第二室内空間内の空気が流入するのを防止し、第二室内空間内の塵埃や臭気が第一室内空間内に流入するのを防止することができる。
また、除霜運転時に循環ファンにより第一室内空間内の空気を吸引し、蒸発器、凝縮器の順に通風するようにしたものであり、この手段により、除霜運転時に浴室内の空気を本体内に流通させるためのファンを別途設けることなく循環送風を行うことが可能となる。
また、除霜運転時に換気ファン及び循環ファンを運転し、第一室内空間から吸引した空調対象空気の一部を蒸発器、凝縮器の順に通風し第一室内空間に循環送風すると共に第一室内空間から吸引した空調対象空気の一部を蒸発器を介して屋外に排気することで蒸発器における吸熱量を増加させ、蒸発器の温度を上昇させるようにしたものであり、蒸発器における吸熱量を増加させ、冷媒回路全体の温度を上昇させることで蒸発器表面の温度を上昇させ、蒸発器に発生した霜を融けやすくし、除霜運転時間を短縮することが可能となる。
また、減圧機構と蒸発器の間の冷媒回路上に冷媒を加熱するための冷媒加熱手段を設け、除霜運転時に冷媒加熱手段により冷媒を加熱することで除霜時間を短縮すると共に第一室内空間の暖房を行うようにしたものであり、除霜運転時に冷媒回路に加熱手段による熱を投入することによって冷媒回路内の冷媒の温度を上昇させ、蒸発器に発生した霜を融けやすくし、除霜運転時間を短縮することが可能となる。
また、冷媒加熱手段が通電により加熱するヒーターで構成したものであり、比較的容易に冷媒回路に熱を投入することが可能となり、換気空調装置本体の寸法を大型化することなく除霜運転時間を短縮することが可能となる。
また、冷媒加熱手段が温水を通水することで対象を加熱する温水熱交換器で構成したものであり、発火等の不具合を発生することなく、比較的大量の熱を冷媒回路に供給することが可能となるため除霜運転時間を短縮することが可能となる。
また、蒸発器の着霜時に第一室内空間内空気の流通経路を自動で切り替えるようにしたものであり、着霜時に使用者が特別な操作を行うことなく自動的に除霜運転を開始することができ、使用者の利便性を向上することができる。
また、蒸発器の温度を検知する蒸発器温度検知手段を設け、蒸発器の温度に応じて蒸発器の着霜を検知するようにしたものであり、蒸発器の着霜を的確に判定し、着霜時に速やかに除霜運転に移行することが可能となり、利用者の利便性を向上することが可能となる。
また、蒸発器の除霜終了時に第一室内空間内空気の流通経路を通常の暖房運転時の通風経路に自動で切り替えるようにしたものであり、除霜運転終了時に使用者が特別な操作を行うことなく自動的に暖房運転を再開することが可能となり、使用者の利便性を向上することができる。
また、、第一室内空間内空気の温度を検知し、第一室内空間内空気の温度が低温の場合には減圧機構による減圧量を低減させるようにしたものであり、第一室内空間内の空気の温度が低い場合、第一室内空間内の空気を蒸発器に供給するのみでは除霜時間が長くなってしまう場合があるが、減圧機構での減圧量を低減することで、蒸発器に供給される冷媒の温度を上昇させ、早期に蒸発器に発生した霜を融かすことが可能となる。
また、第一室内空間内空気の温度が所定の温度を超えた場合に減圧機構による減圧量を大きくするようにしたものであり、除霜運転中に第一室内空間内の空気の温度が所定の温度を超えた場合には蒸発器における吸熱量が上昇することから、減圧機構による減圧量を大きくしても蒸発器における温度が蒸発器表面に発生した霜を融かすのに充分な温度を得られるため、減圧量を増加させて第一室内空間に対する暖房能力を向上させることができる。
また、第一室内空間内空気の温度を検知し、第一室内空間内空気の温度が低温の場合には循環ファンによる空気の送風量を増加させるようにしたものであり、蒸発器を通過する空調対象空気の送風量を増加させることで蒸発器での吸熱量を増加させ、冷媒回路内の冷媒の温度を上昇させ、早期に蒸発器に発生した霜を融かすことが可能となる。
また、第一室内空間内空気の温度が所定の温度を超えた場合に循環ファンによる空気の送風量を低下させるようにしたものであり、除霜運転中に第一室内空間内の空気の温度が所定の温度を超えた場合には蒸発器における吸熱量が上昇することから、循環ファンによる空気の送風量を低下させても蒸発器における温度が蒸発器表面に発生した霜を融かすのに充分な温度を得られるため、循環ファンによる送風量を低下させ、第一室内空間に吹出す空気の温度を上昇させ、第一室内空間内に人がいる場合に生じる冷風感を低下させることができる。
また、第一室内空間内の温度検知手段を第二の吸込口近傍の空気流通経路内に設けたものであり、除霜運転中の第一室内空間内の空気の温度を正確に検知することが可能となり、除霜運転中の換気空調装置の運転状況を正確に制御することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態における換気空調装置が設置されている居住空間の見取り図である。図1において、屋内の居住空間1は、室内空間としてのリビング2、第一室内空間としての浴室3、第二室内空間としての脱衣室4あるいはトイレ5などに区画されており、浴室3の天井裏には、換気空調装置の本体6が設置されている。この本体6には、本体6と屋外を連通する第一排気ダクト7、脱衣室4の天井に開口した排気口としての第一排気口8と本体6を連通する第二排気ダクト9及びトイレ5の天井に開口した第二排気口10と本体6とを連通する第三排気ダクト11が接続されている。
また、本体6内部には換気ファン12が配設されており、屋外と本体6を連通する第一排気ダクト7は換気ファン12の吹出し側に接続され、脱衣室4と本体6を連通する第二排気ダクト9及びトイレ5と本体6を連通する第三排気ダクト11は換気ファン12の吸込側に接続されている。したがって、換気ファン12を運転すると、第一排気口8及び第二排気口10から第二排気ダクト9及び第三排気ダクト11を通じて脱衣室4及びトイレ5の空気が換気ファン12に吸い込まれ、第一排気ダクト7を通じて屋外に排気される。
そして、換気ファン12を連続運転すると屋内の居住空間1内が負圧になるため、室内空間としてのリビング2の屋外に面した壁に開口した給気口13から新鮮な外気が給気されて居住空間1が換気されることになる。この換気運転は建物の機密性が高い場合は連続して行う必要があるため(24時間換気)、換気ファン12は所定の換気量、例えば一時間で居住空間1の約半分の容積に相当する換気量を確保するように連続運転を行う。
また、リビング2には部屋の温度をコントロールするための空調機14が設置されており、夏場は冷房運転、冬場は暖房運転を行って室温を適正に保持している。したがって前述したように年間を通じて連続した換気運転を行っていると、リビングにおいては夏場は空調機14による冷房、冬場は空調機14による暖房を実施することで所定の温度範囲、例えば20℃から30℃にコントロールされた空気が脱衣室4のドア15およびトイレ5のドア15のガラリやアンダーカット部分を通じて第一排気口8および第二排気口10に吸い込まれ、換気空調装置の本体6を介して屋外に排出されることになる。
図2、図3は、換気空調装置の風路構成図及び冷媒回路図であり、図1、図2に示すように浴室3の天井裏に換気空調装置の本体6が設置されており、本体6の底部に浴室3の天井面に対して吸込口16および吹出口17を開口するとともに吸込口16に着脱自在に塵埃を捕捉するためのフィルター18を配設している。
本体6内の第一風路19には浴室3内の空気を吸い込むための吸込口16、吸込口16から吸い込んだ浴室3内の空気を昇温するための凝縮器20、凝縮器20で昇温された空気を浴室3に吹出すための吹出口17、吸込口16から浴室3内の空気を吸引し凝縮器20を介して吹出口17から再び浴室3内に循環送風するための循環ファン21が設けられており、風の流れを矢印で示すように吸込口16、凝縮器20、循環ファン21、吹出口17の順に循環送風することで浴室3内を暖房することができる。
また、本体6内の第二風路22には第一排気ダクト7が本体6に接続される部分に第一排気口8及び第二排気口10から吸引された脱衣室4及びトイレ5内の空気を本体6内に通風するための第一換気口23、第一換気口23から吸い込んだ脱衣室4及びトイレ5内の空気から吸熱するための蒸発器24、蒸発器24で吸熱された空気を第三排気ダクト11に吹出すための換気吹出口25、第一換気口23から脱衣室4及びトイレ5内の空気を吸引し蒸発器24を介して換気吹出口25から屋外に排気するための換気ファン12が設けられており、風の流れを矢印で示すように第一換気口23、蒸発器24、換気ファン12、換気吹出口25の順に送風することで脱衣室4及びトイレ5内の空気から熱を吸熱した後、屋外に排気することで居住空間1内の換気を行うことができる。
また、本体6内部に、冷媒として例えば、HCFC系冷媒(分子中に塩素、水素、フッ素、炭素の各原子を含む)、HFC系冷媒(分子中に水素、炭素、フッ素の各原子を含む)、炭化水素、二酸化炭素等の自然冷媒などの何れかを充填した冷媒回路26を形設しており、この冷媒回路26中に、冷媒を圧縮する圧縮機27、供給空気と冷媒とを熱交換させる凝縮器20、冷媒を膨張させることで減圧させる減圧機構としての膨張弁28、供給空気と冷媒とを熱交換させる蒸発器24を介設している。
吸込口16には浴室3からの吸気を閉止するための第一の閉止機構としての第一ダンパ29が設けられており、第一ダンパ29を閉止することで浴室3からの空気の吸引を停止することができる。また、第一換気口23には脱衣室4及びトイレ5からの空気の吸引を閉止するための第三の閉止機構としての第二ダンパ30が設けられており、第二ダンパ30を閉止することで脱衣室4及びトイレ5からの空気の吸引を停止することができる。さらに、第二風路22内の蒸発器24より下流で換気ファン12より上流の第一風路19と隣接する部分には第二風路22と第一風路19を連通する除霜風路31が設けられており、除霜風路31内には第二風路22と第一風路19の連通を閉止するための除霜風路閉止手段としての除霜ダンパ32が設けられている。
除霜風路31は第一風路19の吸込口16より下流で凝縮器20より上流の位置に連通されており、除霜ダンパ32開放時には第二風路22内の蒸発器24を通過後の空気が除霜風路31を介して第一風路19内の凝縮器20に通風されるようになっている。除霜ダンパ32閉止時には第一風路19及び第二風路22は隔絶されており、それぞれの風路内を流通する空気は混合されること無く通風される。第二風路22内の第一換気口23より下流で蒸発器24よりも上流の位置には浴室3内の空気を第二風路22内に導入するための第二の吸込口としての第二吸込口33が設けられており、第二吸込口33には第二吸込口33を閉止するための第二の閉止機構としての第三ダンパ34が設けられている。前述した各ダンパを各運転モードに応じて適宜開閉することで各運転モードに最適な風路に切替を行うことが可能となる。
次に換気空調装置の運転動作について説明する。表1は各運転パターンにおける各構成要素の動作状態を示す一覧表である。以下、それぞれの運転モードについて詳細に説明する。
まず、暖房運転モードにおいては、第一ダンパ29、第二ダンパ30を開放し、第三ダンパ34、除霜ダンパ32を閉止した状態で運転を行う。この場合、吸込口16から吸引された浴室3内の空気は凝縮器20で昇温された後、循環ファン21で浴室3に循環送風され浴室3内を暖房する。第一換気口23から吸引された脱衣室4及びトイレ5内の空気は蒸発器24で吸熱され温度を下げられた状態で換気ファン12により屋外に排気される。蒸発器24により脱衣室4及びトイレ5内の空気から吸熱された熱は凝縮器20により浴室3内に供給されるため、居住空間1内で空調機14等により空調された熱を換気により屋外に無駄に排出することなく浴室3内に回収することで効率よく暖房を行うことが可能となる。
次に、浴室換気運転モードにおいては、第三ダンパ34を開放し、第一ダンパ29、第二ダンパ30、除霜ダンパ32を閉止した状態で運転を行う。この場合、換気ファン12のみを運転し、循環ファン21の運転は停止する。換気ファン12により第二吸込口33から吸い込まれた浴室3内の空気は換気ファン12により換気吹出口25より屋外に排気される。この際、圧縮機27の運転は行われておらず、蒸発器24における吸熱も行われないため、浴室3内の空気はそのまま屋外に排気されることになる。
次に、他室換気モードにおいては第二ダンパ30を開放し、第一ダンパ29、第三ダンパ34、除霜ダンパ32を閉止した状態で運転を行う。この場合、換気ファン12のみを運転し、循環ファン21の運転は停止する。換気ファン12により第一換気口23から吸引された脱衣室4及びトイレ5内の空気は換気ファン12により換気吹出口25より屋外に排気される。この際、圧縮機27の運転は行われておらず、蒸発器24における吸熱も行われないため、脱衣室4及びトイレ5内の空気はそのまま屋外に排気されることになる。
次に、除霜運転モードについて詳細に解説する。除霜運転モードとは、暖房運転時に脱衣室4やトイレ5内の空気の温度が低い場合や浴室3への暖房効果を高めたい場合に膨張弁28における冷媒の減圧量を大きくすることによって蒸発器の温度を低温にすることで蒸発器24表面に空気中の水分が氷結し(着霜状態)、蒸発器24表面が霜で覆われてしまい、蒸発器24の熱交換能力が低下した場合に、蒸発器24表面に発生した霜を融かし、蒸発器24の熱交換能力を回復させるための運転モードである。
着霜状態で暖房運転を継続した場合、冷媒回路内の冷媒の温度は徐々に低下を続け、圧縮機27の運転範囲以下の温度となってしまうと運転が不可能となるため、通常はある程度の着霜が発生した場合に除霜運転を行うことで蒸発器24表面の霜を融かしてから暖房運転を再開することが一般的である。除霜運転モードはこのような着霜状態を解消させるための運転モードであり、除霜運転モードを実施することで蒸発器24表面の霜を融かすことで蒸発器24の熱交換能力を回復させるための運転モードである。
通常の冷媒回路搭載機器においては、除霜運転時には圧縮機27の運転を停止し、蒸発器24への送風を行うことで供給する空気の熱により霜を融かす方式がとられている。しかしながらこのような除霜方式の場合、供給する空気の温度が水が凍結する温度以下、すなわち、一般的には0℃以下の温度の場合、蒸発器24表面に発生した霜は解けることなく場合によっては成長し続けるため、すべての環境条件において除霜が可能とは言い切れない。このため、蒸発器24及び凝縮器20に対する空気の供給を停止し、圧縮機27のみを運転して、冷媒回路26内の冷媒の温度を上昇させ、高温になった冷媒を蒸発器24に流通させることで蒸発器24表面の霜を融かす方法がとられる場合がある。しかしながら前述した送風のみを行う場合と同様、空調対象空間である浴室3への熱の投入が停止するため、浴室3内の暖房を一時的に停止する必要があった。本発明では除霜運転モードにおいても空調対象空間である浴室3への熱の供給を停止することなく除霜運転を行うことが可能とした。
除霜運転モードでは除霜ダンパ32及び第三ダンパ34を開放し、第一ダンパ29及び第二ダンパ30を閉止した状態で運転を行う。この場合、循環ファン21のみを運転し、換気ファン12の運転は停止する。蒸発器24の着霜状態の検知は蒸発器24に設けられた蒸発器温度検知手段としての蒸発器温センサー35により得られた値を元に行う。暖房運転中に蒸発器温センサー35で検知した蒸発器24の温度がある特定の値(例えば0℃)を一定期間(例えば10分)以上下回った場合、蒸発器24表面に霜が発生したと検知し、除霜運転モードに自動的に移行する。
除霜運転モードに移行した場合、循環ファン21により第二吸込口33から浴室3内の空気が蒸発器24に供給される。浴室3内の空気は除霜運転モードに移行するまでに行われてきた暖房運転により昇温されているため、比較的高温の空気が蒸発器24に供給される。浴室3内から第二吸込口33を介して吸引された空気は蒸発器24を通過する際に蒸発器24表面の霜を融かすと共に蒸発器24により吸熱されて温度を下げられてから凝縮器20に供給される。凝縮器20では蒸発器24で吸熱された熱と圧縮機27を駆動するために消費された電力が熱量として空気に与えられるため、凝縮器20を通過した空気の温度は第二吸込口33から吸引された際の温度よりも上昇して吹出口17から浴室3に循環送風されることになる。このため、浴室3に対する暖房を停止することなく蒸発器24の表面に発生した霜を融かす除霜運転を行うことが可能となる。
除霜運転の際に、比較的高温な浴室3内の空気を蒸発器24に供給することで蒸発器24での吸熱量は暖房運転時よりも増加するため、冷媒回路26内の冷媒の温度は暖房運転時よりも若干高くなる。このため、蒸発器24表面における霜を融かす作用も大きくなり、除霜にかかる時間も短時間化することができる。さらに、除霜運転時に第二吸込口33近傍に設けられた温度検知手段としての吸込温センサー36により浴室3内の温度を検知することで除霜運転時の循環ファン21による送風量、膨張弁28の減圧量を最適化する。
浴室3内の温度が低温の場合、蒸発器24における吸熱量を増加させるため、循環ファン21による送風量を増加させると共に、膨張弁28による減圧量を低下させ、蒸発器24に供給される冷媒の温度を上昇させ、除霜運転にかかる時間を短縮させる。浴室3内の空気の温度がさらに低温の場合は、第三ダンパ34を開放し、換気ファン12を運転することで浴室3内の空気を蒸発器24を介して屋外に排気しながら循環ファン21により浴室3内の空気を蒸発器24、凝縮器20を介して浴室3内に循環送風することで除霜運転を行う。このようにすることで、凝縮器20での放熱量に対して蒸発器24での吸熱量を大きくすることができるため、冷媒回路26内の冷媒の温度を上昇させ、浴室3内の空気の温度が低温の場合でも除霜運転を短時間で終了させることができるようになる。
除霜運転終了時には除霜ダンパ32及び第三ダンパ34は自動的に閉止し、第一ダンパ29及び第二ダンパ30を自動的に開放することで風路構成を変更し、自動的に暖房運転に復帰するようになっている。
また、図2に示すように、冷媒回路26上の膨張弁28と蒸発器24の間には冷媒回路26内の冷媒を加熱するための冷媒加熱手段としてのヒーター37が設けられており、より浴室3内の温度が低温な場合、もしくはより短時間で除霜運転を終了する必要がある場合においてはヒーター37により冷媒を加熱することで蒸発器24に供給する冷媒の温度を上昇させ、蒸発器24表面に発生した霜を早期に融かすことができる。ヒーター37により投入された熱量は凝縮器20により浴室3内に投入され、暖房の熱の一部として利用される。ヒーターは圧縮機27等に供給される電力の一部を利用して発熱するため、比較的小型で容易に冷媒を加熱することが可能であるため、換気空調装置の本体6の寸法等を大型化することなく除霜運転を短時間で終了させることができる。
以上、説明した構成及び動作により、本実施の形態の換気空調装置は低温時の暖房運転中に蒸発器24が着霜状態になった場合においても空調対象室である浴室3内の暖房を継続しながら除霜運転を行うことが可能となり、効率的に空調対象空間の暖房を行うことが可能となると共に使用者の利便性を向上することが可能となる。
また、除霜運転期間を短くすることができ、使用者の利便性を向上することが可能となる。
また、除霜運転時の消費エネルギーを低下させ、低ランニングコストの換気空調装置を提供することができる。
また、除霜運転にかかわる使用者の操作を必要とせず、使用者の利便性を損なうことなく効率のよい暖房を行うことが可能な換気空調装置を提供することができる。
なお、以上説明した内容は、発明を実施するための一形態についてのみ説明したものであり、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではない。
例えば、本実施の形態においては、浴室内の温度が低温の場合において膨張弁における減圧量の低下、循環ファンの風量増加、換気ファン運転による浴室内空気からの吸熱量の増加、ヒーターによる冷媒の加熱といった動作を行うように記述したが、除霜時間を短縮するために浴室内の温度が比較的高温の場合に実施してもなんら問題は無く、その作用効果に差異を生じない。望ましくは、除霜運転時に消費するエネルギーと除霜時間の短縮の観点から最適な組み合わせを行うことが望ましい。
また、本実施の形態においては冷媒を加熱する手段としてヒーターによる方法を記述したが、冷媒回路内の冷媒を加熱することが可能な手段であればよく、温水と冷媒を熱交換させるための熱交換器を設置し、温水と冷媒を通水することで冷媒を加熱する手段をとってもその作用効果に差異を生じない。本実施例で示したように浴室に換気空調装置を設置する場合、浴室で利用される温水を容易に利用することが可能となるため、温水による大容量の熱供給が可能であるため、より短時間での除霜運転終了が可能となる。このように、冷媒の加熱手段としては、望ましくは、熱源としての使用が容易で安全性が高いことが望ましい。