JP5262039B2 - 光学薄膜積層体 - Google Patents

光学薄膜積層体 Download PDF

Info

Publication number
JP5262039B2
JP5262039B2 JP2007243683A JP2007243683A JP5262039B2 JP 5262039 B2 JP5262039 B2 JP 5262039B2 JP 2007243683 A JP2007243683 A JP 2007243683A JP 2007243683 A JP2007243683 A JP 2007243683A JP 5262039 B2 JP5262039 B2 JP 5262039B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
thin film
refractive index
film laminate
optical
film layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2007243683A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009075324A (ja
Inventor
茂信 米山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toppan Inc
Original Assignee
Toppan Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toppan Inc filed Critical Toppan Inc
Priority to JP2007243683A priority Critical patent/JP5262039B2/ja
Publication of JP2009075324A publication Critical patent/JP2009075324A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5262039B2 publication Critical patent/JP5262039B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Optical Filters (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Physical Vapour Deposition (AREA)

Description

本発明は、自動車部材、車両部材、家電用品部材、携帯電話部材、パーソナルコンピューター部材、オーディオ製品部材、カーナビゲーション部材、事務用品部材、スポーツ用品部材、雑貨部材、メガネ・サングラス部材、カメラ部材、光学用品部材、計測機器部材等に用いられる光学薄膜積層体であって、光透過における写像性に優れた、彩色、および金属光沢を有する光学薄膜積層体に関するものである。
携帯電話、PDA、スマートフォン、携帯ゲーム機等の液晶ディスプレイ部に光透過性を有するカラーフィルムが貼り合わされることがある。液晶ディスプレイ部に光透過性のカラーフィルムを貼り合わせることによって、ディスプレイ点灯時はカラーフィルムを通して画像を視認でき、一方、ディスプレイ消灯時はディスプレイを囲う筐体部をカラーフィルムと同じ色調の部材で構成すればディスプレイ部と筐体部の色調が同じになってカラーデザインの統一感を演出できる。
光透過性を有するカラーフィルムの作製は、無機や有機の着色顔料を分散剤に分散した着色剤をプラスチック樹脂に混合しておこなうのが一般的である。この方法は簡便、かつ生産コストが低いため広く用いられているが、しかし、着色剤がプラスチック樹脂中に均一に分散しないと色ムラが発生し、特に淡い色調でムラになり易いという問題がある。
一方で、金属光沢性を有するカラーフィルムが要望されている。例えば、携帯電話、携帯ゲーム機等の筐体部の彩色にはアルミニウムなどの金属フレーク、あるいは雲母フレークを混ぜた塗料を用いて金属光沢性を付与している。加えて、光透過性を有し、且つ、金属光沢性を有するカラーフィルムを液晶ディスプレイ部に貼り合わせれば、ディスプレイ部と筐体部の両方に金属光沢性を付与することが可能になり、一層の高級感を演出できるようになる。
カラーフィルムに金属光沢性を付与する方法としては、着色剤で彩色されたフィルムに金属材料を蒸着することで可能である。着色フィルム上に金属薄膜層が形成されるため十分な金属光沢が得られる(特許文献1参照)。金属材料の一例としてはアルミニウムが用いられている。アルミニウムの蒸着は比較的容易であり、蒸着レートは速く、安価であり、何より容易に白金色が出せるため一般に利用されている。しかし、この方法によって所望の色の金属光沢を持つフィルムを得るためには色毎の着色フィルムを用意する必要があるため工程管理が面倒になる。更には、着色フィルムに色ムラがあると、着色フィルム上に形成される金属薄膜層の反射により色ムラが拡大されて目立ってしまうという問題がある。
特開平10−139063号公報
よって、本発明の目的は、光透過における写像性に優れた、彩色、および金属光沢を有する光学薄膜積層体およびそれを用いた加飾成形品を提供することにある。
上記課題を解決するために請求項1に記載の発明は、基材上に薄膜積層体を備える光学薄膜積層体であって、
該薄膜積層体が高屈折率薄膜層、低屈折率薄膜層を各1層以上交互に積層した薄膜積層体であり、且つ、前記光学薄膜積層体が光透過における写像性を有し、前記光学薄膜積層体表面に対して鉛直線方向から測定光を前記光学薄膜積層体に入射したときの光透過法による像鮮明度(JIS K 7105に準拠)が、光学くし幅0.125mmにおいて85%以上、光学くし幅0.5mmにおいて90%以上、または光学くし幅1.5mmにおいて93%以上のいずれかであることを特徴とする光学薄膜積層体とした。
また、請求項に記載の発明は、前記高屈折率薄膜層の光の波長550nmでの屈折率が1.75以上であり、且つ、
前記低屈折率薄膜層の光の波長550nmでの屈折率が1.75未満であり、且つ、
高屈折率薄膜層、低屈折率薄膜層が酸化物、窒化物、弗化物、硫化物の少なくとも一種類以上の材料から選択されることを特徴とする請求項に記載の光学薄膜積層体とした。
また、請求項に記載の発明は、前記薄膜積層体における高屈折率薄膜層及び低屈折率薄膜層が、真空成膜法により形成されることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の光学薄膜積層体とした。
また、請求項に記載の発明は、請求項1乃至のいずれかに記載の光学薄膜積層体を具備してなることを特徴とする加飾部材とした。
また、請求項に記載の発明は、請求項1乃至のいずれかに記載の光学薄膜積層体を成形してなることを特徴とする加飾成形品とした。
上記構成の光学薄膜積層体とすることにより、光透過における写像性に優れた、彩色、および金属光沢を有する光学薄膜積層体およびそれを用いた加飾成形品とすることができた。
以下、本発明の光学薄膜積層体について、説明する。本発明の光学薄膜積層体にあっては、基材上に設けられる薄膜積層体が高屈折率薄膜層と低屈折率薄膜層を一層以上交互に積層した薄膜積層体であることを特徴とする。
図1は、本発明の光学薄膜積層体の一例を示す模式断面図である。この光学薄膜積層体1は、基材2と、基材2上に設けられた薄膜積層体3から構成されるものである。図1の薄膜積層体にあっては、基材側から順に高屈折率薄膜層4、低屈折率薄膜層5、高屈折率薄膜層6を順に備える。
本発明の光学薄膜積層体にあっては、薄膜積層体の高屈折率薄膜層及び/または低屈折率薄膜層の光学干渉により、彩色を備える。また、本発明の光学薄膜積層体にあっては、薄膜積層体の高屈折率薄膜層及び/または低屈折率薄膜層を形成する材料により、金属光沢を備える。
本発明の光学薄膜積層体にあっては、薄膜積層体の高屈折率薄膜層及び/または低屈折率薄膜層の光学干渉により彩色を発現するため、薄膜積層体自体は透明性を有しており、さらには写像性を備えることが可能となる。
なお、本発明の光学薄膜積層体にあっては、基材上に形成される薄膜積層体は少なくとも高屈折率薄膜層及び低屈折率薄膜層1層以上交互に積層していればよく、その構成は図1に限定されるものではない。高屈折率薄膜層及び低屈折率薄膜層の物理膜厚は7nm以上230nm以下の範囲内にあることが好ましい。高屈折率薄膜層及び低屈折率薄膜層の膜厚を上記範囲内とすることにより、高屈折率薄膜層及び低屈折率薄膜層を交互に備える薄膜積層体は、高屈折率薄膜層及び/または低屈折率薄膜層の光学干渉により、彩色を備える。
また、本発明の光学薄膜積層体にあっては、前記光学薄膜積層体表面に対して鉛直線方向から測定光を前記光学薄膜積層体に入射したときの光透過法による像鮮明度が、光学くし幅0.125mmにおいて85%以上であること、前記光学薄膜積層体表面に対して鉛直線方向から測定光を前記光学薄膜積層体に入射したときの光透過法による像鮮明度が、光学くし幅0.5mmにおいて90%以上であること、前記光学薄膜積層体表面に対して鉛直線方向から測定光を前記光学薄膜積層体に入射したときの光透過法による像鮮明度が、光学くし幅1.5mmにおいて93%以上であることが好ましい。
本発明の光学薄膜積層体において、光透過法による像鮮明度を上記範囲内とすることにより、高い写像性を備える光学薄膜積層体とすることができる。なお、本発明にあっては、光透過法による像鮮明度は、JIS K 7105に準拠して求めることができる。
本発明の薄膜積層体を形成する高屈折率薄膜層は、光の波長550nmにおける屈折率が1.75以上であり、酸化物、窒化物、弗化物、硫化物の少なくとも一種類以上の材料から選択され形成されていることが好ましい。また、本発明の薄膜積層体を形成する低屈折率薄膜層は、光の波長550nmにおける屈折率が1.75未満であり、酸化物、窒化物、弗化物、硫化物の少なくとも一種類以上の材料から選択され形成されていることが好ましい。
高屈折率薄膜層及び低屈折率薄膜層の屈折率を上記範囲内とし、高屈折率薄膜層及び低屈折率薄膜層の形成材料を酸化物、窒化物、弗化物、硫化物の少なくとも一種類以上の材料から選択し形成することにより、得られる光学薄膜積層体は光透過写像性に優れた、彩色、および金属光沢を有する光学薄膜積層体とすることができる。
本発明の薄膜積層体を形成する高屈折率薄膜層及び低屈折率薄膜層は真空成膜法により形成することができる。本発明の高屈折率薄膜層及び低屈折率薄膜層は、その光学干渉により彩色を発現するため、面内において膜厚が均一であることが求められる。
真空成膜法では基材表面の形状を保持したまま薄膜を形成することが可能であり、真空成膜法で堆積していく薄膜形成材料のサイズはオングストロームオーダーの原子・分子であるため、例えば、マイクロメーターオーダーの微細な凹凸を有する基材上に成膜しても表面に均一の厚さで堆積して凹部分を埋めずに元の凹凸形状を保持する。したがって、高屈折率薄膜層及び低屈折率薄膜層を真空成膜法により形成することにより、得られる光学薄膜積層体は色ムラのない表面加飾性を得ることができる。
本発明の光学薄膜積層体は、具体的には、自動車部材、車両部材、家電用品部材、携帯電話部材、パーソナルコンピューター部材、オーディオ製品部材、カーナビゲーション部材、事務用品部材、スポーツ用品部材、雑貨部材、メガネ・サングラス部材、カメラ部材、光学用品部材、計測機器部材等に適用され、加飾部材及び加飾成形品として用いられる。
本発明の光学薄膜積層体を、携帯電話、PDA、スマートフォン、携帯ゲーム機等の液晶ディスプレイ表面に貼り合わせることによって、ディスプレイ点灯時はカラーフィルムを通して画像を視認でき、一方、ディスプレイ消灯時はディスプレイを囲う筐体部をカラーフィルムと同じ色調の部材で構成すればディスプレイ部と筐体部の色調が同じになってカラーデザインの統一感を演出できる。
(基材)
本発明における基材2としては、透明性を有しているものであれば特に限定されるものではなく、プラスチック、ガラス、あるいはこれらを複合した素材が挙げられる。
プラスチック素材としては、例えば、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリプロピレン、ポリエチルペンテン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアセタール、ポリビニルアルコール、ポリウレタン、ポリエチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリフェニレンサルファイト、ポリエーテルサルホン、ポリエーテルスルフォン、ポリオレフィン、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリパラキシレン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリフェニルオキサイド、トリアセチルセルロース、セルロースアセテート、珪素樹脂、フッ素樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ABS樹脂、ABSアロイ等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
ガラス素材としては、例えば、ソーダライムガラス、硼珪酸ガラス、石英ガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、無アルカリガラス、鉛ガラス等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、これらプラスチック素材、ガラス素材を各種複合した素材でも構わない。
基材2の形状としては、表面が平滑であれば特に限定されず、板状、ロール状等のものを用いることができる。
基材2の表面は薄膜積層体を形成する前に、目的に応じて表面処理を施してもよい。表面処理法としては、例えば、コロナ処理法、蒸着処理法、電子ビーム処理法、高周波放電プラズマ処理法、スパッタリング処理法、イオンビーム処理法、大気圧グロー放電プラズマ処理法、アルカリ処理法、酸処理法等を用いることができる。
基材2の厚さは、目的の用途に応じて適宜選択され、通常5μm以上10mm以下である。プラスチック素材には、公知の添加剤、例えば、紫外線吸収剤、可塑剤、滑剤、着色剤、酸化防止剤、難燃剤等が含有されていてもよい。
(高屈折率薄膜層)
本発明における高屈折率薄膜層とは、光の波長550nmでの屈折率が1.75以上2.5以下であり、消衰係数が0.5以下の層とすることができる。
高屈折率薄膜層の形成材料としては、例えば、インジウム、錫、チタン、珪素、亜鉛、ジルコニウム、ニオブ、マグネシウム、ビスマス、セリウム、クロム、白金、炭素、タンタル、アルミニウム、ゲルマニウム、ガリウム、アンチモン、ネオジウム、ランタン、トリウム、ハフニウム、イットリウム、ロジウム、セレニウム、ユーロピウム、イッテルビウム、スカンジウム、プラセオジウム、サマリウム等の元素の酸化物、窒化物、弗化物、硫化物、または、酸化物、窒化物、弗化物、硫化物の混合物等が挙げられる。酸化物、窒化物、弗化物、硫化物の化学組成は、化学量論的な組成と一致しなくてもよい。
ここで、図1に示す高屈折率薄膜層5、および7とは、必ずしも同一の材料でなくてもよく、目的に合わせて適宜選択されるものである。
(低屈折率薄膜層)
本発明における低屈折率薄膜層とは、光の波長550nmでの屈折率が1.3以上1.75未満、消衰係数が0.5以下の層とすることができる。
低屈折率薄膜層の形成材料としては、例えば、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、窒化チタン、弗化マグネシウム、弗化バリウム、弗化カルシウム、弗化ハフニウム、弗化ランタン、弗化ナトリウム、弗化アルミニウム、弗化炭素、弗化鉛、弗化ストロンチウム、弗化イッテルビウム、弗化ネオジウム、弗化リチウム、弗化サマリウム等の化合物、または、これら化合物の混合物等が挙げられる。これら化合物の化学組成は、化学量論的な組成と一致しなくてもよい。
本発明における高屈折率薄膜層および低屈折率薄膜層は、蒸着法、スパッタリング法、プラズマCVD法、イオンプレーティング法、イオンビームアシスト法等の真空成膜法により形成することができる。
屈折率、および、消衰係数の光学定数に関しては、分光エリプソメトリー法を用いて、高屈折率薄膜層試料、および、低屈折率薄膜層試料の表面から反射してくる光の偏光状態の変化を測定することで求めることが可能である。消衰係数に関しては、0.5より大きくなると光の吸収が大きくなるため、本発明の光反射性能を有するような薄膜の形成材料として好ましくない。
(薄膜積層体)
本発明における薄膜積層体3は、少なくとも高屈折率薄膜層と低屈折率薄膜層とを各1層以上交互に積層して形成されたものであり、本発明における光学薄膜積層体1は、基材2上に薄膜積層体3を形成してなされたものである。これによると、光透過写像性に優れた、彩色、および金属光沢を有する光学薄膜積層体を得ることができる。
図1に示す光学薄膜積層体において、高屈折率薄膜層4の物理膜厚を12nm以上200nm以下とし、低屈折率薄膜層5の物理膜厚を40nm以上200nm以下とし、高屈折率薄膜層6の物理膜厚を12nm以上200nm以下とし、前記基材の薄膜積層体を形成した側に測定光源を設置し、D65光源、5°入射、2°視野、正反射光におけるCIELAB(JIS Z 8729に準拠)のL*が15以上75以下、a*が10以上80以下、b*が−80以上80以下であることが好ましい。これによると、金属光沢と赤色の彩色、かつ、光透過写像性に優れた光学薄膜積層体1を得ることができる。
図1に示す光学薄膜積層体において、高屈折率薄膜層4の物理膜厚を10nm以上120nm以下とし、低屈折率薄膜層5の物理膜厚を10nm以上150nm以下とし、高屈折率薄膜層6の物理膜厚を10nm以上120nm以下とし、前記基材の薄膜積層体を形成した側に測定光源を設置し、D65光源、5°入射、2°視野、正反射光におけるCIELAB(JIS Z 8729に準拠)のL*を15以上60以下、a*を−20以上70以下、b*を−80以上−10以下とすることが好ましい。これによると、金属光沢と青色の彩色、かつ、光透過写像性に優れた光学薄膜積層体を得ることができる。
図1に示す光学薄膜積層体において、高屈折率薄膜層4の物理膜厚を10nm以上200nm以下とし、低屈折率薄膜層5の物理膜厚を10nm以上200nm以下とし、高屈折率薄膜層6の物理膜厚を10nm以上200nm以下とし、前記基材の薄膜積層体を形成した側に測定光源を設置し、D65光源、5°入射、2°視野、正反射光におけるCIELAB(JIS Z 8729に準拠)のL*を15以上80以下、a*を−35以上35以下、b*を−20以上20以下とすることが好ましい。これによると、金属光沢と銀色の彩色、かつ光透過写像性に優れた光学薄膜積層体を得ることができる。
図1に示す光学薄膜積層体において、高屈折率薄膜層4の物理膜厚を8nm以上230nm以下とし、低屈折率薄膜層5の物理膜厚を7nm以上210nm以下とし、高屈折率薄膜層6の物理膜厚を8nm以上230nm以下とし、前記基材の薄膜積層体を形成した側に測定光源を設置し、D65光源、5°入射、2°視野、正反射光におけるCIELA
B(JIS Z 8729に準拠)のL*を15以上80以下、a*を−30以上30以下、b*を5以上70以下とすることが好ましい。これによると、金属光沢と黄色の彩色、かつ光透過写像性に優れた光学薄膜積層体を得ることができる。
図1に示す光学薄膜積層体において、高屈折率薄膜層4の物理膜厚を10nm以上180nm以下とし、低屈折率薄膜層5の物理膜厚を12nm以上200nm以下とし、高屈折率薄膜層6の物理膜厚を10nm以上180nm以下とし、前記基材の薄膜積層体を形成した側に測定光源を設置し、D65光源、5°入射、2°視野、正反射光におけるCIELAB(JIS Z 8729に準拠)のL*を15以上80以下、a*を−75以上−5以下、b*を−45以上45以下とすることが好ましい。これによると、金属光沢と緑色の彩色、かつ光透過写像性に優れた光学薄膜積層体を得ることができる。
なお、本発明の光学薄膜積層体におけるCIELABの明度L*、色相・彩度a*、b*は、D65光源、5°入射、2°視野、正反射光を用いて、JIS Z 8729に準拠して測定したものであり、薄膜積層体4を形成した側と反対側の基材2表面を黒く塗り、測定光源は基材2の薄膜積層体4を形成した側に設置している。
本発明の光学薄膜積層体における全光線透過率は20%以上98%以下であることが好ましい。本発明の光学薄膜積層体における全光線透過率は、JIS K 7361−1に準拠して測定されたものであり、測定光源は基材2の薄膜積層体4を形成した側に設置されている。全光線透過率が20%より低いと透過度が低すぎるために、視認性が低下する。また、全光線透過率が98%より高いと反射率が低すぎるために、反射色が明瞭でなく、金属光沢や彩色などの装飾性が劣る。
図1には、基材2に近い側から高屈折率薄膜層5、低屈折率薄膜層6、高屈折率薄膜層7の3層が順次積層してなる薄膜積層体3が示されているが、これは一実施例にすぎず、基材2上に高屈折率薄膜層、低屈折率薄膜層を各1層以上交互に積層していれば、2層であっても、4層以上であってもよく、層数に制限はない。
本発明の光学薄膜積層体を、携帯電話、PDA、スマートフォン、携帯ゲーム機等の液晶ディスプレイ部に貼り合わせることによって、ディスプレイ点灯時は光学薄膜積層体を通して歪み、ぼやけの無い明瞭な画像を視認でき、一方、ディスプレイ消灯時はディスプレイを囲う筐体部を光学薄膜積層体と同じ色調の部材で構成すればディスプレイ部と筐体部の色調が同じになってカラーデザインの統一感を演出できる。
さらに、本発明の光学薄膜積層体を、携帯電話、テレビ、ラジオ、カーナビゲーション等の電波を送信・受信する機器の筐体部分の部材に用いる場合は、電波の反射・散乱によるアンテナの送信・受信感度の減衰や乱れを避けるために、光学薄膜積層体を構成する基材、高屈折率薄膜層と低屈折率薄膜層からなる薄膜積層体に誘電性を有する材料を用いることが好ましい。誘電性を有する材料を用いることによって、電波の反射・散乱によるアンテナの送信・受信感度の減衰や乱れを避けることができ、かつ、光透過写像性に優れた、彩色、および金属光沢を有する光学薄膜積層体を提供することが可能である。
以下、本発明の実施例を具体的に説明する。
[実施例1]
図1に示すように、基材2である、厚さ100μmの無色透明なポリエチレンテレフタレートのフィルム上に、高屈折率薄膜層4、低屈折率薄膜層5、高屈折率薄膜層6からなる薄膜積層体3を以下のように形成した。
まず、次のように薄膜積層体3を形成した。
基材2上に、二酸化チタン(TiO)を電子ビームを利用した真空蒸着法によって堆積させ、物理膜厚50nmの高屈折率薄膜層4を形成した。
高屈折率薄膜層4の上に、二酸化珪素(SiO)を電子ビームを利用した真空蒸着法によって堆積させ、物理膜厚60nmの低屈折率薄膜層5を形成した。
低屈折率薄膜層5の上に、二酸化チタン(TiO)を電子ビームを利用した真空蒸着法によって堆積させ、物理膜厚35nmの高屈折率薄膜層6を形成し、薄膜積層体3を完成させた。
薄膜積層体3を形成した側と反対側の基材2表面を黒く塗り、基材2の薄膜積層体3を形成した側に測定光源を設置したとき、D65光源、5°入射、2°視野、正反射光におけるCIELAB(JIS Z 8729に準拠)のL*が43.1、a*が0.8、b*が−47.3であった。
基材2の薄膜積層体3を形成した側に測定光源を設置したとき、D65光源、5°入射、2°視野、透過光における視感平均透過率Yが80.8%であった。
基材2の薄膜積層体3を形成した側に測定光源を設置したとき、薄膜積層体を形成した基材表面における鉛直線に対して測定光が0°の角度を持って基材表面に入射したときの光透過の像鮮明度(JIS K 7105に準拠)が、光学くし幅0.125mmにおいて93.5%であった。
基材2の薄膜積層体3を形成した側に測定光源を設置したとき、薄膜積層体を形成した基材表面における鉛直線に対して測定光が0°の角度を持って基材表面に入射したときの光透過の像鮮明度(JIS K 7105に準拠)が、光学くし幅0.5mmにおいて96.8%であった。
基材2の薄膜積層体3を形成した側に測定光源を設置したとき、薄膜積層体を形成した基材表面における鉛直線に対して測定光が0°の角度を持って基材表面に入射したときの光透過の像鮮明度(JIS K 7105に準拠)が、光学くし幅1.5mmにおいて97.8%であった。
上記した分光測定は、U−4000形 自記分光光度計(株式会社 日立製作所製)を用いておこなった。測定手順は次に示すとおりである。まず、反射明度、および反射彩度の場合、光学薄膜積層体1の薄膜積層体3を形成した側と反対側の基材2表面全面を黒い塗料でムラの出ないように塗りつぶした。黒い塗料で塗りつぶした基材2を太陽光の自然光あるいは蛍光灯などの人工光にかざして、基材2を通して光が漏れていないか確認した。基材2の黒塗りしなかった面側をU−4000形 自記分光光度計の測定光源に向けて設置した。このとき、薄膜積層体を形成した基材2表面における鉛直線に対して測定光が5°の角度を持って基材2表面に入射するように設置した。基材2表面で正反射される光の方向で、かつ、2°視野になる位置に測光器を設置して可視光領域(380〜780nm)における分光反射率を測定し、JIS Z 8701に規定される三刺激値X、Y、Zを求めた。三刺激値X、Y、Zの計算は5nm間隔で実施した。続いて、三刺激値を用いてJIS Z 8729に規定されるL*a*b*表色系の明度L*、色相・彩度a*、b*を求めた。
次に、視感平均透過率の場合、光学薄膜積層体1の薄膜積層体3を形成した側をU−4000形 自記分光光度計の測定光源に向けて設置した。このとき、薄膜積層体を形成した基材2表面における鉛直線に対して測定光が5°の角度を持って基材2表面に入射するように設置した。基材2を透過した光の方向で、かつ、2°視野になる位置に測光器を設置して可視光領域(380〜780nm)における分光透過率を測定し、JIS Z 8701に規定される三刺激値X、Y、Zを求めた。三刺激値X、Y、Zの計算は5nm間隔で実施した。
光学薄膜積層体1を携帯電話の液晶ディスプレイに貼り合わせたところ、ディスプレイ点灯時は光学薄膜積層体を通して画像の歪み、ぼやけが無く、視認性が明瞭であった。一方、ディスプレイ消灯時はディスプレイ部が金属光沢を有する青色の彩色を有する加飾性のため高級感が演出されていた。
上記した像鮮明度の測定は、写像性測定器 ICM−1DP(スガ試験機株式会社製)を用いておこなった。測定手順は次に示すとおりである。まず、写像性測定器 ICM−1DPの光源、試料片取付け台、受光器が直線上に並ぶように機具を配置した。次に、光学薄膜積層体1の薄膜積層体3を形成した側を写像性測定器 ICM−1DPの測定光源に向けて設置した。このとき、薄膜積層体を形成した基材2表面における鉛直線方向から測定光が基材表面に入射するように設置した。光学くしを試験片と受光器の間で移動させて、試験片を透過した光の受光波形を測定し、それぞれの光学くし幅のときの像鮮明度をJIS K 7105に規定される計算式によって求めた。測定の基準に関しては、上記測定条件において試験片無しの状態の像鮮明度を100%とした。測定に際しては、正確な像鮮明度測定が実施できるように試験片にて予め受光器の感度調整をおこなった。
[実施例2]
図2に示すように、基材2である、厚さ100μmの無色透明なポリエチレンテレフタレートのフィルム上に、高屈折率薄膜層4、低屈折率薄膜層5、高屈折率薄膜層6、低屈折率薄膜層7、高屈折率薄膜層8からなる薄膜積層体3を以下のように形成した。
まず、次のように薄膜積層体3を形成した。
基材2上に、二酸化チタン(TiO)を電子ビームを利用した真空蒸着法によって堆積させ、物理膜厚60nmの高屈折率薄膜層4を形成した。
高屈折率薄膜層4の上に、二酸化珪素(SiO)を電子ビームを利用した真空蒸着法によって堆積させ、物理膜厚95nmの低屈折率薄膜層5を形成した。
低屈折率薄膜層5の上に、二酸化チタン(TiO)を電子ビームを利用した真空蒸着法によって堆積させ、物理膜厚95nmの高屈折率薄膜層6を形成した。
高屈折率薄膜層6の上に、二酸化珪素(SiO)を電子ビームを利用した真空蒸着法によって堆積させ、物理膜厚125nmの低屈折率薄膜層7を形成した。
低屈折率薄膜層7の上に、二酸化チタン(TiO)を電子ビームを利用した真空蒸着法によって堆積させ、物理膜厚60nmの高屈折率薄膜層8を形成し、薄膜積層体3を完成させた。
薄膜積層体3を形成した側と反対側の基材2表面を黒く塗り、基材2の薄膜積層体3を形成した側に測定光源を設置したとき、D65光源、5°入射、2°視野、正反射光におけるCIELAB(JIS Z 8729に準拠)のL*が71.1、a*が42.9、b*が−0.7であった。
基材2の薄膜積層体3を形成した側に測定光源を設置したとき、D65光源、5°入射、2°視野、透過光における視感平均透過率Yが54.2%であった。
基材2の薄膜積層体3を形成した側に測定光源を設置したとき、薄膜積層体を形成した基材表面における鉛直線に対して測定光が0°の角度を持って基材表面に入射したときの光透過の像鮮明度(JIS K 7105に準拠)が、光学くし幅0.125mmにおいて98.0%であった。
基材2の薄膜積層体3を形成した側に測定光源を設置したとき、薄膜積層体を形成した基材表面における鉛直線に対して測定光が0°の角度を持って基材表面に入射したときの光透過の像鮮明度(JIS K 7105に準拠)が、光学くし幅0.5mmにおいて98.2%であった。
基材2の薄膜積層体3を形成した側に測定光源を設置したとき、薄膜積層体を形成した基材表面における鉛直線に対して測定光が0°の角度を持って基材表面に入射したときの光透過の像鮮明度(JIS K 7105に準拠)が、光学くし幅1.5mmにおいて98.5%であった。
光学薄膜積層体1を携帯電話の液晶ディスプレイに貼り合わせたところ、ディスプレイ点灯時は光学薄膜積層体を通して画像の歪み、ぼやけが無く、視認性が明瞭であった。一方、ディスプレイ消灯時はディスプレイ部が金属光沢を有する赤色の彩色を有する加飾性のため高級感が演出されていた。
[実施例3]
図1に示すように、基材2である、厚さ100μmの無色透明なポリエチレンテレフタレートのフィルム上に、高屈折率薄膜層4、低屈折率薄膜層5、高屈折率薄膜層6からなる薄膜積層体3を以下のように形成した。
まず、次のように薄膜積層体3を形成した。
基材2上に、硫化亜鉛(ZnS)を電子ビームを利用した真空蒸着法によって堆積させ、物理膜厚60nmの高屈折率薄膜層4を形成した。
高屈折率薄膜層4の上に、二弗化マグネシウム(MgF)を電子ビームを利用した真空蒸着法によって堆積させ、物理膜厚65nmの低屈折率薄膜層5を形成した。
低屈折率薄膜層5の上に、硫化亜鉛(ZnS)を電子ビームを利用した真空蒸着法によって堆積させ、物理膜厚165nmの高屈折率薄膜層6を形成し、薄膜積層体3を完成させた。
薄膜積層体3を形成した側と反対側の基材2表面を黒く塗り、基材2の薄膜積層体3を形成した側に測定光源を設置したとき、D65光源、5°入射、2°視野、正反射光におけるCIELAB(JIS Z 8729に準拠)のL*が73.1、a*が−44.8、b*が0.7であった。
基材2の薄膜積層体3を形成した側に測定光源を設置したとき、D65光源、5°入射、2°視野、透過光における視感平均透過率Yが51.8%であった。
基材2の薄膜積層体3を形成した側に測定光源を設置したとき、薄膜積層体を形成した基材表面における鉛直線に対して測定光が0°の角度を持って基材表面に入射したときの光透過の像鮮明度(JIS K 7105に準拠)が、光学くし幅0.125mmにおいて98.0%であった。
基材2の薄膜積層体3を形成した側に測定光源を設置したとき、薄膜積層体を形成した基材表面における鉛直線に対して測定光が0°の角度を持って基材表面に入射したときの光透過の像鮮明度(JIS K 7105に準拠)が、光学くし幅0.5mmにおいて98.3%であった。
基材2の薄膜積層体3を形成した側に測定光源を設置したとき、薄膜積層体を形成した基材表面における鉛直線に対して測定光が0°の角度を持って基材表面に入射したときの光透過の像鮮明度(JIS K 7105に準拠)が、光学くし幅1.5mmにおいて98.8%であった。
光学薄膜積層体1を携帯電話の液晶ディスプレイに貼り合わせたところ、ディスプレイ点灯時は光学薄膜積層体を通して画像の歪み、ぼやけが無く、視認性が明瞭であった。一方、ディスプレイ消灯時はディスプレイ部が金属光沢を有する緑色の彩色を有する加飾性のため高級感が演出されていた。
[実施例4]
図1に示すように、基材2である、厚さ100μmの無色透明なポリエチレンテレフタレートのフィルム上に、高屈折率薄膜層4、低屈折率薄膜層5、高屈折率薄膜層6からなる薄膜積層体3を以下のように形成した。
まず、次のように薄膜積層体3を形成した。
基材2上に、二酸化チタン(TiO)を電子ビームを利用した真空蒸着法によって堆積させ、物理膜厚70nmの高屈折率薄膜層4を形成した。
高屈折率薄膜層4の上に、二酸化珪素(SiO)を電子ビームを利用した真空蒸着法によって堆積させ、物理膜厚105nmの低屈折率薄膜層5を形成した。
低屈折率薄膜層5の上に、二酸化チタン(TiO)を電子ビームを利用した真空蒸着法によって堆積させ、物理膜厚195nmの高屈折率薄膜層6を形成し、薄膜積層体3を完成させた。
薄膜積層体3を形成した側と反対側の基材2表面を黒く塗り、基材2の薄膜積層体3を形成した側に測定光源を設置したとき、D65光源、5°入射、2°視野、正反射光におけるCIELAB(JIS Z 8729に準拠)のL*が73.0、a*が−2.3、b*が49.7であった。
基材2の薄膜積層体3を形成した側に測定光源を設置したとき、D65光源、5°入射、2°視野、透過光における視感平均透過率Yが51.7%であった。
基材2の薄膜積層体3を形成した側に測定光源を設置したとき、薄膜積層体を形成した基材表面における鉛直線に対して測定光が0°の角度を持って基材表面に入射したときの光透過の像鮮明度(JIS K 7105に準拠)が、光学くし幅0.125mmにおいて97.1%であった。
基材2の薄膜積層体3を形成した側に測定光源を設置したとき、薄膜積層体を形成した基材表面における鉛直線に対して測定光が0°の角度を持って基材表面に入射したときの光透過の像鮮明度(JIS K 7105に準拠)が、光学くし幅0.5mmにおいて97.5%であった。
基材2の薄膜積層体3を形成した側に測定光源を設置したとき、薄膜積層体を形成した基材表面における鉛直線に対して測定光が0°の角度を持って基材表面に入射したときの光透過の像鮮明度(JIS K 7105に準拠)が、光学くし幅1.5mmにおいて97.8%であった。
光学薄膜積層体1を携帯電話の液晶ディスプレイに貼り合わせたところ、ディスプレイ点灯時は光学薄膜積層体を通して画像の歪み、ぼやけが無く、視認性が明瞭であった。一方、ディスプレイ消灯時はディスプレイ部が金属光沢を有する黄色の彩色を有する加飾性のため高級感が演出されていた。
[実施例5]
図1に示すように、基材2である、厚さ100μmの無色透明なポリエチレンテレフタレートのフィルム上に、高屈折率薄膜層4、低屈折率薄膜層5、高屈折率薄膜層6からなる薄膜積層体3を以下のように形成した。
まず、次のように薄膜積層体3を形成した。
基材2上に、二酸化チタン(TiO)を電子ビームを利用した真空蒸着法によって堆積させ、物理膜厚105nmの高屈折率薄膜層4を形成した。
高屈折率薄膜層4の上に、二酸化珪素(SiO)を電子ビームを利用した真空蒸着法によって堆積させ、物理膜厚95nmの低屈折率薄膜層5を形成した。
低屈折率薄膜層5の上に、二酸化チタン(TiO)を電子ビームを利用した真空蒸着法によって堆積させ、物理膜厚25nmの高屈折率薄膜層6を形成し、薄膜積層体3を完成させた。
薄膜積層体3を形成した側と反対側の基材2表面を黒く塗り、基材2の薄膜積層体3を形成した側に測定光源を設置したとき、D65光源、5°入射、2°視野、正反射光におけるCIELAB(JIS Z 8729に準拠)のL*が55.1、a*が−1.4、b*が−2.8であった。
基材2の薄膜積層体3を形成した側に測定光源を設置したとき、D65光源、5°入射、2°視野、透過光における視感平均透過率Yが72.1%であった。
基材2の薄膜積層体3を形成した側に測定光源を設置したとき、薄膜積層体を形成した基材表面における鉛直線に対して測定光が0°の角度を持って基材表面に入射したときの光透過の像鮮明度(JIS K 7105に準拠)が、光学くし幅0.125mmにおいて95.1%であった。
基材2の薄膜積層体3を形成した側に測定光源を設置したとき、薄膜積層体を形成した基材表面における鉛直線に対して測定光が0°の角度を持って基材表面に入射したときの光透過の像鮮明度(JIS K 7105に準拠)が、光学くし幅0.5mmにおいて95.5%であった。
基材2の薄膜積層体3を形成した側に測定光源を設置したとき、薄膜積層体を形成した基材表面における鉛直線に対して測定光が0°の角度を持って基材表面に入射したときの光透過の像鮮明度(JIS K 7105に準拠)が、光学くし幅1.5mmにおいて95.9%であった。
光学薄膜積層体1を携帯電話の液晶ディスプレイに貼り合わせたところ、ディスプレイ点灯時は光学薄膜積層体を通して画像の歪み、ぼやけが無く、視認性が明瞭であった。一方、ディスプレイ消灯時はディスプレイ部が金属光沢を有する銀色の彩色を有する加飾性のため高級感が演出されていた。
[実施例6]
図1に示すように、基材2である、厚さ100μmの無色透明なポリエチレンテレフタレートのフィルム上に、高屈折率薄膜層4、低屈折率薄膜層5、高屈折率薄膜層6からなる薄膜積層体3を以下のように形成した。
まず、次のように薄膜積層体3を形成した。
基材2上に、硫化亜鉛(ZnS)を電子ビームを利用した真空蒸着法によって堆積させ、物理膜厚110nmの高屈折率薄膜層4を形成した。
高屈折率薄膜層4の上に、二弗化マグネシウム(MgF)を電子ビームを利用した真空蒸着法によって堆積させ、物理膜厚40nmの低屈折率薄膜層5を形成した。
低屈折率薄膜層5の上に、硫化亜鉛(ZnS)を電子ビームを利用した真空蒸着法によって堆積させ、物理膜厚50nmの高屈折率薄膜層6を形成し、薄膜積層体3を完成させた。
薄膜積層体3を形成した側と反対側の基材2表面を黒く塗り、基材2の薄膜積層体3を形成した側に測定光源を設置したとき、D65光源、5°入射、2°視野、正反射光におけるCIELAB(JIS Z 8729に準拠)のL*が65.9、a*が−0.6、b*が−0.1であった。
基材2の薄膜積層体3を形成した側に測定光源を設置したとき、D65光源、5°入射、2°視野、透過光における視感平均透過率Yが61.2%であった。
基材2の薄膜積層体3を形成した側に測定光源を設置したとき、薄膜積層体を形成した基材表面における鉛直線に対して測定光が0°の角度を持って基材表面に入射したときの光透過の像鮮明度(JIS K 7105に準拠)が、光学くし幅0.125mmにおいて95.6%であった。
基材2の薄膜積層体3を形成した側に測定光源を設置したとき、薄膜積層体を形成した基材表面における鉛直線に対して測定光が0°の角度を持って基材表面に入射したときの光透過の像鮮明度(JIS K 7105に準拠)が、光学くし幅0.5mmにおいて96.0%であった。
基材2の薄膜積層体3を形成した側に測定光源を設置したとき、薄膜積層体を形成した基材表面における鉛直線に対して測定光が0°の角度を持って基材表面に入射したときの光透過の像鮮明度(JIS K 7105に準拠)が、光学くし幅1.5mmにおいて96.6%であった。
光学薄膜積層体1を携帯電話の液晶ディスプレイに貼り合わせたところ、ディスプレイ点灯時は光学薄膜積層体を通して画像の歪み、ぼやけが無く、視認性が明瞭であった。一方、ディスプレイ消灯時はディスプレイ部が金属光沢を有する銀色の彩色を有する加飾性のため高級感が演出されていた。
図1は本発明の光学薄膜積層体の一例を示す断面図である。 図2は本発明の光学薄膜積層体の一例を示す断面図である・。
符号の説明
1 光学薄膜積層体
2 基材
3 薄膜積層体
4 高屈折率薄膜層
5 低屈折率薄膜層
6 高屈折率薄膜層
7 低屈折率薄膜層
8 高屈折率薄膜層

Claims (5)

  1. 基材上に薄膜積層体を備える光学薄膜積層体であって、
    該薄膜積層体が高屈折率薄膜層、低屈折率薄膜層を各1層以上交互に積層した薄膜積層体であり、且つ、前記光学薄膜積層体が光透過における写像性を有し、前記光学薄膜積層体表面に対して鉛直線方向から測定光を前記光学薄膜積層体に入射したときの光透過法による像鮮明度(JIS K 7105に準拠)が、光学くし幅0.125mmにおいて85%以上、光学くし幅0.5mmにおいて90%以上、または光学くし幅1.5mmにおいて93%以上のいずれかであることを特徴とする光学薄膜積層体。
  2. 前記高屈折率薄膜層の光の波長550nmでの屈折率が1.75以上であり、且つ、
    前記低屈折率薄膜層の光の波長550nmでの屈折率が1.75未満であり、且つ、
    高屈折率薄膜層、低屈折率薄膜層が酸化物、窒化物、弗化物、硫化物の少なくとも一種類以上の材料から選択されることを特徴とする請求項に記載の光学薄膜積層体。
  3. 前記薄膜積層体における高屈折率薄膜層及び低屈折率薄膜層が、真空成膜法により形成されることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の光学薄膜積層体。
  4. 請求項1乃至のいずれかに記載の光学薄膜積層体を具備してなることを特徴とする加飾部材。
  5. 請求項1乃至のいずれかに記載の光学薄膜積層体を成形してなることを特徴とする加飾成形品。
JP2007243683A 2007-09-20 2007-09-20 光学薄膜積層体 Expired - Fee Related JP5262039B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007243683A JP5262039B2 (ja) 2007-09-20 2007-09-20 光学薄膜積層体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007243683A JP5262039B2 (ja) 2007-09-20 2007-09-20 光学薄膜積層体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009075324A JP2009075324A (ja) 2009-04-09
JP5262039B2 true JP5262039B2 (ja) 2013-08-14

Family

ID=40610348

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007243683A Expired - Fee Related JP5262039B2 (ja) 2007-09-20 2007-09-20 光学薄膜積層体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5262039B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011037083A1 (ja) * 2009-09-25 2011-03-31 積水化学工業株式会社 透明複合シート
WO2011077738A1 (ja) * 2009-12-25 2011-06-30 株式会社アルバック インサート成形用装飾フィルム、インサート成形品及びインサート成形用装飾フィルムの製造方法
JP2012003026A (ja) * 2010-06-16 2012-01-05 Sony Corp 光学体、窓材、建具および日射遮蔽装置
JP5729586B2 (ja) * 2010-08-19 2015-06-03 アイシン精機株式会社 ドアハンドル装置
JP5708504B2 (ja) * 2012-01-06 2015-04-30 コニカミノルタ株式会社 誘電体多層膜構造を有する顔料およびそれを含む塗料
CN112813391B (zh) * 2020-12-25 2022-08-12 西南技术物理研究所 一种超宽波段红外长波通截止滤光膜制备方法

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR870001125A (ko) * 1985-07-24 1987-03-11 쥴리어스 하우드 다층의 장식용 피복
JP4469932B2 (ja) * 2000-09-20 2010-06-02 岩崎電気株式会社 自動車用電球
JP2002372617A (ja) * 2001-06-14 2002-12-26 Fuji Photo Film Co Ltd 光学フィルターおよび画像表示装置
JP2003098340A (ja) * 2001-09-21 2003-04-03 Asahi Glass Co Ltd 光学多層干渉膜とその製造方法および光学多層干渉膜を用いたフィルター
JP2003149437A (ja) * 2001-11-19 2003-05-21 Hitachi Metals Ltd 多層膜光学フィルターの製造装置および製造方法
JP2006054291A (ja) * 2004-08-11 2006-02-23 Dainippon Printing Co Ltd ロール状電磁波遮蔽シート、電磁波遮蔽部材及びディスプレイ用フィルタ
JP2007034213A (ja) * 2005-07-29 2007-02-08 Fujifilm Corp 反射防止フィルム、それを用いた偏光板及びディスプレイ装置
JP2007210142A (ja) * 2006-02-08 2007-08-23 Toray Ind Inc 積層フィルムおよび成形体またはカード

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009075324A (ja) 2009-04-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US11448801B2 (en) Textured glass layers in electronic devices
JP4122010B2 (ja) 赤外線受発光部
JP5262039B2 (ja) 光学薄膜積層体
JP5151234B2 (ja) 加飾成形品
EP1892777A2 (en) A light emitting device including anti-reflection layer(s)
JP2009078458A (ja) 干渉色膜を有する機器用筐体及び機器用装飾体
JP2009092913A (ja) 光学薄膜積層体
JP2009083183A (ja) 光学薄膜積層体
CN110248906B (zh) 低反射涂膜玻璃
JP2008160115A (ja) 赤外線受発光部
JP2009122416A (ja) 光学薄膜フィルム
US10598979B2 (en) Color filter substrate and manufacturing method thereof
US9625619B2 (en) Optical film assembly, display apparatus having the same and method of manufacturing the same
TWI813636B (zh) 抗反射塗層及製品與形成抗反射塗層及製品的方法
CN203260587U (zh) 有机发光显示器
KR20190028142A (ko) 멀티캐비티 공명을 이용한 구조 색 필터
EP2192424A1 (en) Optical article and method for producing the same
US20110128489A1 (en) Liquid crystal display with refractive index matched electrodes
CN104691040B (zh) 减反射膜、其制备方法及减反射玻璃
JP2005017544A (ja) 反射防止フィルム、および画像表示装置
JP5417787B2 (ja) プラスチック成形品の製造方法およびプラスチック成形品
JP5125251B2 (ja) 光学薄膜積層体
KR102281299B1 (ko) 비산방지 데코필름, 이를 포함하는 전자 디스플레이 및 전자장치, 및 상기 비산방지 데코필름의 제작방법
US20230039431A1 (en) Optical filter
JP2005055724A (ja) 反射防止フィルム、および画像表示装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100826

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110818

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120322

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120626

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120824

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130402

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130415

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 5262039

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees