JP5261914B2 - 印刷用凸版 - Google Patents

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Description

この発明は、高精細印刷用の印刷用凸版に関するものである。
有機ELディスプレイの製造方法としては、従来、真空蒸着法が主に用いられ、蒸着可能な低分子化合物からなる有機EL材料(正孔注入材料、正孔輸送材料、発光材料、電子輸送材料等)が用いられてきた。カラー化のための方法は、赤、青、緑のパターンに発光層をマスク蒸着する方法や白色発光層にカラーフィルターを重ね合わせる方法等が用いられてきた。
しかし大面積の基板に製膜するためには大型の真空装置が必要となり高コストになり、またマスク蒸着により高精細な塗り分け方法は蒸着マスクが大型化した場合に位置合わせが難しいという問題があった。
近年、溶剤可溶で湿式成膜可能で高い導電性や発光性を有する高分子や低分子のキャリア輸送材料(正孔注入材料、正孔輸送材料、電子輸送材料等)および、発光材料が開発されつつある。
しかし、スピンコート法、やスリットコート法で湿式成膜する場合、基板上の選択的範囲内のみの成膜が困難な問題があった。そのため、正孔注入材料のPEDOT:PSS(3,4−ポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルフォン酸)や発光材料を基板上の全面に塗布した後、配線部上等不必要な部分の膜を拭き取る工程が必要になり生産効率低下、材料の損失、異物の発生や付着等の問題があった。
大面積基板にも直接、塗り分け印刷が可能で、かつ材料使用効率の良い方法としてインクジェット法や凸版印刷法が研究されている。
しかし、インクジェット法は高い材料使用効率でパターンを塗り分けられるが、高精細ディスプレイの微細パターンを形成するには微細な直径のノズルを必要とし、ノズル詰まりが生じ易く頻繁なメンテナンスが必要であるという問題があった。
フレキソ凸版印刷法は、近年液晶ディスプレイ等の電子素子の絶縁被膜や配向膜等のベタ印刷に用いられている。通常、PETフィルム等のフレキシブルな樹脂やスチール製のフィルムをベースとして感光性のゴムや樹脂で凸版を形成した版が用いられている。
しかし、PETフィルムは、ソーダガラスの約7〜8倍の線膨張率(7×10-5/℃、1m幅当たり約70μm/℃)を有し温度変化による伸縮が大きく、また水分吸収(吸水率0.1〜0.2%)による伸びや溶剤による膨潤による伸びも大きいため印刷位置ズレが生じ易い問題があり、高精細な有機ELディスプレイに要求される高い印刷位置精度(±5μm以内)での正孔注入層や発光層の塗り分け印刷には用いることができなかった。また通常のスチールをベース基材とした場合はPEDOT:PSS等の酸性インキに対して腐食しやすい問題があった。
また、印刷版には、微細なデルタ配列等のドットパターンやストライプパターン等のディスプレイの発光部パターンに対応した凸部が形成されている。
図3は、従来の凸版印刷法による有機ELディスプレイ基板への印刷工程の例を模式的に
示した説明図である。図3−1は、凸版にインキを塗布した説明図、図3−2は凸版を基板に接した説明図、図3−3はインキを基板に印刷・塗布した説明図である。従来の印刷法では、図3−1に示すように凸部30上のインキ31が安定して保持できず、凸部の縁の微小な欠け溝や、付着異物に基因して凹部へ流れ込んだインキ32が生じる問題があった。
印刷される基板35はガラスやプラスチックフィルムからなり、図3−2に示すようにITO(酸化インジウム錫複合酸化物)やIZO(酸化インジウム亜鉛複合酸化物)等の透明電極33のラインが、透明電極のエッジ部での凸凹による対極の蒸着電極との短絡防止とインキの保持のために、無機膜やレジスト膜等で形成された隔壁34を有する。
基板35上のITO上にパターンが重なるように印刷を行なうと、凸部から凹部へ流れ出たインキにより凸部上でのインキ量が減り、図3−3に示すように本来の印刷されるべき部分の膜厚が薄くなったり、印刷されたパターン同士が連絡した部分36が生じる問題があった。そのため1000オーム・cm程度の低抵抗なPEDOT:PSS(重量比約1:6)等の導電性高分子を正孔注入材料として印刷する場合は短絡が生じる問題があった。発光層を印刷した場合は混色が生じる問題があった。
また、10万オーム・cm程度の高抵抗なPEDOT:PSS(重量比約1:20)を用いた場合にもライン間スペースが狭い場合はライン間にリーク電流が生じる場合があった。
特許文献1では、フレキソ印刷版の印刷パターンに対応した凸部の頂面以外を印刷に使用するインキに対する親和性を低下させる処理を施したことを特徴とするフレキソ印刷用凸版について開示されている。
この特許ではインキが版の凸部の側面へ這い上がり印刷物の周囲が盛り上がることを防ぐことを目的としている。凸部の頂面には網点の突起が形成され、凸部頂面上の、網点の突起以外の部分にもインキが載り微視的に見れば凹版印刷の原理で基板に印刷している。したがって、網点を使った階調印刷可能なベタ印刷を目的としたもので、本発明で行なっているように微小な幅の凸部の頂部のみにインキを載せ凸版印刷の原理でディスプレイの高精細パターンを転写印刷することを目的としたものではない。
また、この出願では親和性を低下させる処理法の例としてはシリコーン樹脂系のコート剤の塗布の例を上げている。しかし、シリコーン樹脂中の絶縁性低分子量成分が有機溶剤系のインキに溶出し透明電極基板表面に付着するため半導体素子の特性を低下させるため用いることができない問題があった。
特開平10−217418号公報
この発明の目的は、温湿度の変化による印刷版の伸縮を抑制し、位置ズレの無い高精細なパターンを印刷できる印刷用凸版を提供することにある。
また、印刷されたパターン間が連結、混合するといった印刷不良の無い、高品質な高精細パターンを印刷できる印刷用凸版を提供することにある。
また、凸版印刷法による高精細な有機ELディスプレイを提供することにある。
上記課題を解決するため、発明者らは 鋭意検討を重ねた結果、印刷される基板上でのパターンの位置ズレは温湿度の変化による印刷用凸版のベース基板の伸縮が主な原因であることを見出した。
また、印刷パターン間の連結や混色といった印刷不良は印刷用凸版の凹部へのインキの流れ込みが主な原因であることを見出した。
本発明の請求項1の発明は、室温において線膨張率1.9×10-5/℃以下の使用するインキに対する耐食性を有するベース基板の印刷面側の少なくとも一部に、印刷パターン
に対応するドット状またはストライプ状の周期的な凸部が形成された印刷用凸版であって、ベース基板に直径10μm以下の繊維を用いた繊維強化液晶ポリマーシートを用いたことを特徴とする印刷用凸版としたものである。
本発明の請求項2の発明は、繊維強化液晶ポリマーシートが、窒化アルミニウムのフィラーを混合したことを特徴とする請求項1記載の印刷用凸版としたものである。
携帯電話等の高精細ディスプレイに必要なライン/スペースが20μm/20μm程度の周期的ストライプ状パターンまたはラインが切断された周期的ドット状パターンを被印刷基板上に形成する場合において、ライン/スペース20μm/20μmの印刷用凸版を用いたとして、隣のラインやドットと重ならないためにはすべてのラインおよびドットで最大±10μm程度のズレしか許されない。印刷用凸版と被印刷基板の温度は実用的に±1℃以内の温度差に制御されているとすると、版の伸縮を1mの幅当たり10μm以下に抑制し印刷不良となることを防ぐ手段としては基板との線膨張率差を±1×10-5/℃以内にする必要がある。
よって線膨張率1.9×10-5/℃以下のベース基板を用いれば、9×10-6/℃のアルカリガラス基板に対して±10μm以下のズレ以内で印刷できることを見出した。また、線膨張率5×10-6/℃の無アルカリガラス基板に対しては1.5×10-5/℃以下のベース基板を使った印刷用凸版を用いることで±10μm以下のズレ以内で印刷でき印刷ズレによる不良を防ぐことができる。
ベース基板としては厚さ0.3mm以下のフレキシブルな金属板または厚さ2mm以下のフレキシブルな繊維強化液晶ポリマー樹脂シートを基板に用いることができる。
これらのベース基板上には、好ましくは120μm以下の厚さの樹脂、さらに好ましくは50ミクロン以下の厚さの樹脂により印刷パターンに対応する凸部を形成する。
以上により印刷精度が良く印刷不良を抑制できる印刷用凸版を提供できる。
また、ディスプレイの基板との線膨脹率差の小さい本発明の印刷用凸版を選択することにより正孔注入層、発光層などの有機EL層を印刷することで印刷精度と品質を高められる。
本発明においては印刷用凸版に使用するインキに対して膨潤せず、かつ吸湿性が低く線膨張率1.9×10-5/℃以下のベース基板を用いることにより、従来のPET樹脂フィルムと比べ熱や吸湿による伸縮が1桁以上少なくなる。その結果、デジタルカメラや携帯電話用等の高精細ELディスプレイを生産する際に、印刷用凸版との線膨張率差が小さいアルカリガラス基板を被印刷基板に選んだ組み合わせにおいては、発光層の塗り分けに十分な精度である印刷幅1m当り±5μm以下の位置ズレ精度を実現できる。
フレキシブル基板には耐食性のチタン合金、SUS316L等SUS316以上の耐食ステンレス合金を用いることもでき、pH2以下の強酸性の水性インクに対しても腐食し難く長期間印刷用凸版を使用できるようになる。
版の印刷パターンに対応する凸部の頂面以外の印刷面にフッ素系ガスでプラズマ処理し撥インキ層を形成した印刷用凸版を用いることにより、インキを版の凸部の頂面のみで保持でき、隣のドットやラインとの短絡や混色を防ぐことが出来き高品質な印刷が可能となる。
印刷されるパッシブマトリクス用、アクティブマトリクス用、セグメント発光用等の基板の線膨張率に合わせた本発明の印刷用凸版を用いることにより欠陥の無い高精細な有機ELディスプレイを印刷、提供できる。
以下に本発明の印刷用凸版の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の版の作製工程の一部を断面で示す説明図である。プラズマ処理前の印刷用凸版を図1−1で示し、本発明のプラズマ処理された印刷用凸版を図1−5に示す。
図1−1において、本発明で用いる印刷用凸版のベース基板11の線膨張率1.9×10-5/℃以下である。
印刷用凸版のベース基板11用の金属としては、チタンまたはチタン合金板(線膨張率例8〜9×10-6/℃)、またはSUS316、SUS316L、SUS316J1、SUS317L等のステンレス板(線膨張率例1.8×10-5/℃)が望ましい。低線膨張率が要求される場合はステンレスインバー(線膨張率例2〜5×10-6/℃)をベース基板に用いることが望ましい。
PEDOT:PSS等の酸性水溶液のインキを用いる場合はSUS316以上の耐食性を有するSUS316系、SUS317系、SUS321系等の耐食性ステンレス合金か、チタン合金(例えば神戸製鋼製AKOT:Ti−0.4Ni−0.015Pd−0.025Ru−0.14Cr)を選択することが望ましい。
ソーダガラス基板(線膨張率例9×10-6/℃)に印刷する際にはガラス基板と線膨張率がほぼ等しいチタン合金を印刷用凸版の基板に用いることがより望ましい。
印刷用凸版の金属基板の厚さは0.05mm〜0.3mm厚程度の薄板、好ましくは0.1〜0.2mmの薄板が選ばれる。
図2は、本発明の印刷用凸版を印刷機に取り付け、基板に印刷を行なう印刷機の例を断面で示した模式説明図である。印刷用凸版は、図2に模式的に示した印刷機の版胴21に、クッションフィルムを挟んで、巻きつけ固定し用いられる。インキ補充装置24からインキがセラミック製アニロックロール25に供給され、ドクター26により余分なインキが掻きとられ、印刷用凸版22に転写される。基板23はステージ29上に吸引固定され印刷用凸版22と接触した状態でスライドすることにより、アニロックスロールから版上に転写されたインキ27が、基板上に印刷される。
凸版のベース基板が、金属で、0.05mmより薄い場合は、版を印刷機の版胴21に巻きつけ固定する等の作業の際に変形したり折れ、傷つきやすい。0.3mmより厚い場合はフレキシブル性が減少し版胴21に巻き付けることが困難になる。
そのため金属基板を、あらかじめ円筒状に機械加工した基板上に版を作製し、印刷機に円筒状のままセットして用いることもできる。
印刷用凸版を印刷機の金属性版胴21にクッションフィルムを挟まずにセットできるよう金属基板1の裏面、または版胴の表面はゴムや発泡樹脂からなるクッション層が形成されていても良い。
水性インキを印刷する場合は、印刷用凸版のベース基板11にフレキシブルで吸湿性のほとんど無い繊維強化液晶ポリマー樹脂シートを用いることができる。液晶ポリマー樹脂シートは酸性条件においても錆びる心配がなく水性インキに向いているが、有機溶媒系インキの使用には膨潤するため望ましくない。用いられる繊維はアルミナ繊維(アルゴナイド社の直径2nm程度のナノセラム等)、ナタデココ等のバイオ繊維(直径0.1μm以下)、ガラス繊維およびカーボン繊維(直径数μm以下)等で強化されたポリエステル系またはポリアリレート系等の液晶ポリマー(クラレ製ベクスター、東レ製シベラス等)のシートを用いることができる。
繊維の直径は特に限定していないが、好ましくは直径10μm以下、さらに好ましくは1μm以下の繊維を用いることが望ましい。繊維の直径が10μnm以上であるとベース基板の表面に生じた凸凹が凸部の頂面14の平滑性を損ね、印刷した膜に微細な膜厚ムラを生じさせる場合がある。
その結果1.8×10-5/℃以下の線膨張率(製膜時の樹脂流動方向では1.2×10-5/℃以下)を実現できる。
さらに窒化アルミニウムのフィラーを混合することにより、1×10-5/℃以下の低熱膨張率と20W/mK以上の高い熱伝導率も実現でき、版上の温度分布をより均一にでき、インキの乾燥速度のムラを抑え均一な印刷を実現できる。
繊維強化ポリマー樹脂シートの厚さは0.05mm以上2mm以下を用いる。0.05mm以下の場合は強度が不足し伸びてしまう問題があり、2mm以上の場合は印厚による変形のため印刷精度が悪化する。
以上のベース基板11が、チタン、ステンレスの場合は表面に耐酸性の優れた陽極酸化層を形成して使用することも可能である。また、チタンを含む酸化チタンターゲットとしてスパッタリングを行ない表面に耐酸性で黒色のチタンブラック層を形成しておくことも可能である。
金属表面を黒色化した場合には、金属表面での光反射を抑え、版の樹脂凸部13や頂面14の顕微鏡検査が容易になる。
基板上には必要に応じて樹脂からなる接着層12を印刷面側の全面に1〜50μm程度の厚さで形成する。接着層12はベース基板11の防食の機能も有することができる。
図1−1に示したように、本発明の印刷用凸版の例では、まず基板11上に直接、または接着層12上に印刷パターンに対応した樹脂からなる凸部13が形成したものを用意する。凸部13はアクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、エポキシ系樹脂、ゴム系等のネガ型レジストを塗布、露光、現像等の通常のフォトリソ工程により形成するか、ドライフィルムレジストを積層し通常のフォトリソ工程により形成される。
凸部13の樹脂としてはシリコーン系樹脂は低分子量成分が非印刷基板上の透明電極に付着するため用いない。ゴム系樹脂は水系インキでは使用可能であるが、有機溶媒系インキでは膨潤するため好ましくない。
凸部13の厚さは、好ましくは120μm以下、さらに好ましくは50μm以下にする。120μm以上の場合、ライン/スペースが20μm/20μm程度のストライプパターンの場合アスペクト比が高くなるため印刷時の圧力により凸部が変形しやすい。
また、凸部13の高さは特に限定されていないが、数回に分けて多色印刷を行なう場合には、すでに印刷された透明電極ライン上の隔壁と接着層12またはベース基板11が接触しないよう隔壁の高さの倍以上にすることが望ましく、少なくとも4μm以上が望ましい。
次に図1−2に示すように印刷側面に感光レジスト15を塗布し、露光現像により図1−3に示すように凸部の頂面14がレジストで保護される。この際頂面の縁部は数μmの幅で保護されてなくても良い。
次に図1−4で示すように、レジストで保護された凸部の頂面14以外の凸部側面および底面をフッ素系ガスを用いたプラズマ処理により撥インキ層17を形成する。
その際、CF4、SF6、CHF3、NF3等のフッ素を含むハロゲンガスを用いたプラズマ16を照射することにより凸部の側面の樹脂、接着層の樹脂の表面とフッ素ラジカルが反応しフッ素が置換し、薄くテフロン(登録商標)系の撥インキ層17が表面に形成される。
プラズマ処理は直流または高周波により減圧中または大気圧中で行なうことができる。
最後に凸部頂部14のレジスト膜をリムーバーにより溶解除去すると図1−5に示すように本発明の印刷用凸版が得られる。
なお、以下に示す実施例、及び比較例は、全て参考のための例である。
0.2mm厚のチタン合金AKOTを基板11とし、100Vで電解し150nmほど陽極酸化層を形成したベース基板に、さらにスパッタリングによりチタンブラック層を200nm厚で形成した。さらに50μm厚のメッキ・エッチング用のアルカリ現像タイプのネガ型耐酸性ドライフィルムレジストを積層し全面露光して接着層12とした。
さらに同じ50μm厚のドライレジストフィルムを積層し、フォトマスクを通してアライナーでストライプパターンを露光、現像を行ないライン/スペース:20μm/20μmの周期的に1932本並んだ凸部13のストライプラインパターンが多面付された版の形成を行なう。
その後、ノボラック系のポジ型レジストを3μmの厚さで全面塗布し、凹部を露光、現像し凸部上のみレジスト保護膜を残す。
さらに容量結合型高周波プラズマ反応装置中でCHF3ガスを流し0.25W/cm2の高周波出力で30分間プラズマ処理を行なった後、リムーバー液で加温洗浄し保護膜除去を行ない超純水で洗浄後乾燥し本発明の印刷用凸版を得る。
本発明の印刷用凸版を図2に示す印刷機の版胴21に発泡ポリエチレン等からなるクッションフィルムを挟んで巻きつけ固定する。
図4は、本実施例の印刷用凸版を用いて、ELパネル用基板へ印刷を行なう例を示した模式説明図である。印刷用凸版は、ベース基板41上に接着剤層42と凸部43が、この順に形成されている。凸部側面および底面には撥インキ層45(4−2に図示)が形成されている。印刷される基板(図2の23または図4の46)は、全面に30nm厚のSiO2スパッタを施したソーダガラス板上に、ライン/スペース:30μm/10μmで周期的に1932本並んだストライプ状ITO(酸化インジウム錫複合酸化物)透明電極47のラインパターンが、1mの幅の範囲に多面付けされたパッシブマトリクス型有機ELディスプレイ用の基板である。
ストライプ状ITO透明電極47上にはエッジ部の段差による対向電極蒸着時の短絡防止とインキの保持のために、120μm角の画素内のRGB各表示ドット(横方向40μmピッチ、縦方向120μmピッチ)上の周囲に高さ2〜3μm、幅約20μmのポリイミド系レジスト隔壁48が形成され開口面積20μm×100μmのドットが格子状に形成される。
相対湿度45±2%、23℃±1℃の環境でストライプ状ITO透明電極47上に印刷
を行なう。低抵抗の正孔注入材料であるPEDOT:PSSの微粒子を分散させたpH2酸性水性インキ44は、図4−1に示すように凸部43の頂面のみに保持されインキの凹部への流れ込みが無く、図4−2に示すように基板上に印刷され、その後200℃で10分間加熱乾燥を行なう。
その結果、位置ズレが印刷版の幅1m当たり±2μm以内の精度で印刷でき、印刷されたPEDOT:PSSライン間の連絡によるITOライン間の短絡は発生せず、かつITO上のPEDOT:PSS層の膜厚も±5%以内で均一であり、100回印刷に使用しても版の錆びは発生せず使用できる。
<比較例1>
実施例1と同様に凸部3の形成まで行なった印刷用凸版を作製する。CHF3ガスによるプラズマ処理を行なわなず、PEDOT:PSSの水性インキで実施例1と同様な環境で同様に印刷を行なう。その結果は、印刷されたPEDOT:PSSライン間が連絡しITOライン間の短絡が発生する部分が生じる。
<比較例2>
実施例1の印刷用凸版の基板11として0.2mm厚の42合金を用いた以外実施例1と同様に印刷用凸版を作製する。PEDOT:PSSの水性インキで実施例1と同様な環境で同様に印刷を行なう。
その結果は、位置ズレが印刷版の幅1m当たり±5μm未満の精度で印刷できたが数回印刷すると版の縁と裏面から錆びが発生し使用できなくなった。
実施例1の印刷用凸版の基板1として0.2mm厚のSUS316L合金を用いた以外実施例1と同様に印刷用凸版を作製する。PEDOT:PSSの水性インキで実施例1と
同様な環境で同様に印刷を行なう。
その結果、位置ズレが印刷版の幅1m当たり±5μmの精度で印刷でき、印刷されたPEDOT:PSSライン間の連絡によるITOライン間の短絡は発生せず、かつITO上のPEDOT:PSS層の膜厚も±5%以内で均一であり、50回印刷に使用しても版の錆びは発生せず使用できる。
実施例1の印刷用凸版の基板1として0.2mm厚の線膨張率5×10-6/℃のステンレスインバー合金を用いた以外、実施例1と同様に印刷用凸版を作製する。PEDOT:PSSの水性インキで実施例1と同様な環境で線膨張率9×10-6/℃のソ−ダガラス基板上と5×10-6/℃の無アルカリガラス基板上に同様に印刷を行なう。
その結果、アルカリガラス基板上では、印刷位置ズレが印刷版の幅1m当たり±14μm程度生じ、印刷されたPEDOT:PSSライン間の連絡によるITOライン間の短絡が部分的にわずかに発生した。無アルカリガラス基板上では、印刷幅1mの範囲で±5μm未満精度で印刷でき、かつITO上のPEDOT:PSS層の膜厚も±5%以内で均一である。版は10回印刷に使用しても錆びは発生せず使用できる。
高分子ELディスプレイの正孔注入層と発光層の印刷を本発明の印刷用凸版を用いて行なう。
まず、正孔注入層印刷用の凸版として以下のように版を作製する。
印刷用凸版の基板11としてガラス繊維を添加し印刷の幅方向に線膨張率1.2×10-5
/℃に調節した1mm厚のポリエステル系液晶ポリマーフィルム上に50μm厚のメッキ・エッチング用のアルカリ現像タイプのネガ型耐酸性ドライフィルムレジストを積層し全面露光して接着層12とする。
さらに50μm厚の同じドライレジストフィルムを積層し、フォトマスクを通してアライナーでストライプパターンを露光、現像を行ないライン/スペース:20μm/20μmの周期的に1932本並んだ凸部13のストライプラインパターンが多面付された版の作製を行なう。
その後、ノボラック系のポジ型レジストを3μmの厚さで全面塗布し、凹部を露光、現像し凸部のみレジスト保護膜を残す。
さらに容量結合型高周波プラズマ反応装置中でCHF3ガスを流し0.25W/cm2の高周波出力で30分間プラズマ処理を行なった後、リムーバー液で加温洗浄し保護膜除去を行ない超純水で洗浄後乾燥し本発明の印刷用凸版を得る。
実施例1と同様に正孔注入層PEDOT/PSSの印刷をパッシブマトリクスディスプレイ用のソーダガラス基板の上に行なう。その結果は、位置ズレが印刷版の幅1m当たり±10μm/m以内の精度で印刷でき、印刷されたパターン同士が隔壁を乗り越え発光層が混色したりせず、膜厚も均一である。
発光層用の印刷用凸版は、0.2mm厚のチタン合金AKOTを基板11とし、100Vで電解し150nmほど陽極酸化層を形成したベース基板に、さらにスパッタリングによりチタンブラック層を200nm厚で形成した。さらに50μm厚のナイロン系水現像タイプのネガ型感光性樹脂を全面に塗工し全面露光して接着層12とした。
さらに同じ50μm厚のネガ型感光性樹脂を積層し、フォトマスクを通してアライナーで印刷パターンに対応するストライプパターンの露光後、現像を行ないライン/スペース:20μm/60μmの周期的に644本並んだ凸部13のストライプラインパターンが多面付された版の形成を行なう。
その後、ノボラック系のポジ型レジストを3μmの厚さで全面塗布し、凹部を露光、現像し凸部のみレジスト保護膜を残す。
さらに容量結合型高周波プラズマ反応装置中でCHF3ガスを流し0.25W/cm2の高周波出力で30分間プラズマ処理を行なった後、リムーバー液で洗浄し保護膜除去を行ない超純水で洗浄後乾燥し本発明の印刷用凸版を得る。
相対湿度45±2%、23℃±1℃の環境で以下のように発光層の印刷を行なう。
基板上にまず、フルオレン系青色発光ポリマー材料の2%トルエン溶液インキを用いて印刷を行なう。次に、1ライン分40μm基板をずらして緑色のフルオレン系発光ポリマーを印刷し、さらに1ライン分40μm基板をずらして赤色のフルオレン系発光ポリマーを印刷する。
乾燥は130℃で1時間真空乾燥を行なう。
その結果は、位置ズレが印刷版の幅1m当たり±5μm/m未満の精度で印刷でき、印刷された画素同士が確実に分離でき発光層の混色は無く、膜厚も均一である。
<比較例4>
実施例1の印刷用凸版の基板1として0.2mm厚のPETフィルムを用いた以外、実
施例1と同様に印刷用凸版を作製し相対湿度45±2%、23℃±1℃の環境で印刷を行なう。
その結果は、10回印刷すると位置ズレが印刷版の幅1m当たり±70μm/m程度でばらつき、隣接ラインへ隔壁を乗り越えインキが流れ発光層が混色する画素が多数生じる。
実施例1で得られた基板上にITOパターンと直行するように484本のストライプライン(60ミクロンピッチ)の金属陰極(バリウムを4nm/アルミニウム200nm)をマスク真空蒸着により積層する。
その後、乾燥窒素中で封止ガラスを各面上に接着しガラスを切断し、赤青緑のラインが順に並んだ図5に示すパッシブマトリクスELディスプレイパネルを得る。本パネルは、基板51上に、陽極ITO52、正孔輸送層53、および各画素ごとに、赤色発光層54、緑色発光層55、青色発光層56がそれぞれこの順に積層され、画素間は隔壁59で分離されている。また、各画素の発光層に接続し全体を覆うように陰極57が形成されている。さらにその上に全体を覆うように、封止ガラス58が接着層50を介し基板51に設けられている。
このパネルに直流電圧を印加し駆動すると赤、青、緑の画素が独立に発光し、ライン間のショートは無い。
上述の発明は、高精細な有機ELディスプレイの正孔注入輸送層、発光層等の有機層パターンを印刷するための凸版として適用可能であり、大面積な基板を用いた印刷型有機ELディスプレイの製造に有用である。
本発明の凸版の作製工程の例の一部を断面で示す説明図である。 本発明の印刷用凸版を印刷機に取り付け、基板に印刷を行なう印刷機の例を断面で示した模式説明図である。 従来の印刷用凸版を用いてELパネル用基板へ印刷を行った時の印刷不良発生を示す断面模式図である。 本発明の実施例の印刷用凸版を用いて、ELパネル用基板へ印刷を行なう例を示した模式説明図である。 本発明の印刷用凸版を用いて有機正孔注入層、有機発光層を形成した有機ELディスプレイを断面で示した模式説明図である。
符号の説明
11・・・ベース基板
12・・・接着層
13・・・凸部
14・・・凸部の頂面
15・・・感光性樹脂層
16・・・プラズマ
17・・・撥インキ層
21・・・版胴
22・・・印刷用凸版
23・・・被印刷基板
24・・・インキ補充装置
25・・・アニロックスロール
26・・・ドクター
27・・・アニロックスロールから版上に転写されたインキ
28・・・基板上に印刷されたインキ
29・・・ステージ
30・・・凸部
31・・・凸部上のインキ
32・・・凹部へ流れ込んだインキ
33・・・透明電極のライン
34・・・隔壁
35・・・ガラス基板
36・・・印刷されたパターン同士が連絡した部分
41・・・ベース基板
42・・・接着層
43・・・凸部
44・・・凸部の頂面に乗ったインキ
45・・・撥インキ層
46・・・印刷される基板
47・・・ストライプ状ITO透明電極
48・・・隔壁
49・・・印刷されたインキ
51・・・基板
52・・・陽極ITO
53・・・正孔輸送層
54・・・赤色発光層
55・・・緑色発光層
56・・・青色発光層
57・・・陰極
58・・・封止ガラス
59・・・隔壁
50・・・接着層

Claims (2)

  1. 室温において線膨張率1.9×10-5/℃以下の使用するインキに対する耐食性を有するベース基板の印刷面側の少なくとも一部に、印刷パターンに対応するドット状またはストライプ状の周期的な凸部が形成された印刷用凸版であって、ベース基板に直径10μm以下の繊維を用いた繊維強化液晶ポリマーシートを用いたことを特徴とする印刷用凸版。
  2. 繊維強化液晶ポリマーシートが、窒化アルミニウムのフィラーを混合したことを特徴とする請求項1に記載の印刷用凸版。
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