JP5260924B2 - 切削インサート及びそれを用いた切削工具並びに切削方法 - Google Patents

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Description

本発明は、金属等の切削加工に使用される切削インサート及びそれを用いた切削工具並びに切削方法に関する。
従来からホルダに着脱可能に取り付けられる切削インサートとして、例えば図11〜13に示すようなものが知られている。この切削インサート1は、インサート本体2が略多角形板状をなしており、具体的には、上面視で菱形状となっている。インサート本体2は、上面3にすくい面を、側面5に逃げ面を、下面4にホルダに取り付けられる着座面をそれぞれ有している。上面3と側面5及び下面4と側面のそれぞれの交差稜線部には切刃部10が形成されている。
上面3においてそれぞれ4つのコーナ部6には、上面視で略二等辺三角形上の三角錐台であるブレーカ突起31が形成されている。
このような、切削インサート1をホルダに取り付けて被削材を切削加工する場合、切刃によって被削材から削り取られた切屑は、すくい面30に沿って流れ、ブレーカ突起31に衝突してその流れる方向を変えて折り曲げられ、適切な長さに分断されて排出される。
上記のように、切削インサートの上面におけるブレーカ突起に関する技術としては、例えば、特許文献1には、ブレーカ突起を楕円錐台またはその一部から形成するとともに、この突起を少なくとも切刃となる各外縁辺の略中央部近傍とコーナ部近傍とに配設する技術が開示されている。また、特許文献2には、多角形板状をなすインサート本体のコーナ部のみに、第1のランドと該第1のランドに連なる第2のランドを形成し、該第2のランドより内側に離間した位置にブレーカ突起を形成する技術が開示されている。
上記特許文献1によれば、楕円を基調とする突起により切屑の接触面積を減少させて切削抵抗を低減させることができる。これにより、切屑の流出方向をコントロールすることができ、広範囲の切削条件下での切屑処理を良好にすることができる。
また、上記特許文献2によれば、低切り込みで切削加工を行った場合は、第2のランドにより切屑を折り曲げて、分断、排出することができ、高切り込み高送りの切削加工を行った場合は、ブレーカによって切屑の折り曲げが行われる。そのため、低切り込みから高切込み高送りの切削まで幅広い条件で切屑を良好に処理することができる。
特開平10−118807号公報 特開2002−254215号公報
上記のような切削インサートにおいては、インサート本体のコーナ部に形成されたコーナ切刃近傍のみが切削加工に使用されることが多い。そのため、コーナ切刃で切削された切屑を如何に処理するか、切屑処理の性能に大きく影響する。
また、コーナ切刃は被削材の加工面に接触する部位であるため、被削材の加工面品位が要求される加工においては、他の切刃部分と比較して良好な刃先状態を長く維持することが求められる。そのため、コーナ切刃における強度及びコーナ切刃で切削した切屑の処理を両立させ、且つ、幅広い条件での切削加工に対応させることが求められている。
これらは、被削材の種類に関わらず、一般鋼やステンレス鋼など様々な加工用途において求められている。
上記従来の切削インサートにおいても、このような問題点は考慮されているものの、十分な成果を得られてはいなかった。
そこで、本発明は、上記問題点に鑑み、コーナ切刃における強度及びコーナ切刃で切削した切屑の処理を両立させ、且つ、幅広い条件での切削加工に対応させることができ、カールピッチの狭い良好な切屑を排出することができる切削インサート及びそれを用いた切削工具並びに切削方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様にかかる切削インサートは、多角形板状をなすインサート本体と、該インサート本体の上面と側面との交差稜線部に位置するとともに、前記多角形の少なくとも一つのコーナ部に形成されたコーナ切刃と、該コーナ切刃に繋がり前記コーナ部を構成する辺に沿ってそれぞれ延びる主切刃とを有する切刃部と、前記インサート本体の上面において、前記コーナ切刃及び主切刃の前記インサート本体の内側に形成されたすくい面と、該すくい面よりさらに前記インサート本体の内側に形成されたブレーカ突起と、を備えた切削インサートにおいて、前記切刃部は側面視において、前記コーナ切刃を最高部とする凹状に形成されており、前記コーナ部の二等分線を含む垂直断面におけるすくい角θ1は、同断面における前記ブレーカ突起の立ち上がり角度θ2よりも大きく、前記主切刃と直交する垂直断面におけるすくい角θ3は、同断面における前記ブレーカ突起の立ち上がり角度θ4よりも小さく、前記上面に、前記ブレーカ突起よりも高いとともに、前記コーナ部を基準に前記ブレーカ突起よりも遠く且つ前記ブレーカ突起から離間した位置に、前記
コーナ部を構成する各辺に沿って配置された複数の載置面がそれぞれ形成され、前記すくい面よりも前記インサート本体の内側であって、前記ブレーカ突起と最も前記ブレーカ突起側に設けられた2つの前記載置面とに囲まれた領域に、前記上面のうち最も高さが低い凹部が形成されていることを特徴とするものである。
また、上記発明において、前記コーナ切刃のすくい角は、該コーナ切刃の中央から離れるに連れて小さくなっていることが好ましい。
また、上記発明において、前記主切刃と直交する垂直断面におけるすくい角θ3は、前記コーナ部から離れるに連れて角度が小さくなっていることが好ましい。
また、上記発明において、前記主切刃と直交する垂直断面において、前記コーナ部から離れるにつれて、前記主切刃から前記ブレーカ突起までの距離が離れているとともに、前記すくい面の最低部が低くなっていることが好ましい。
また、上記発明において、前記コーナ部におけるすくい面は、上面視において、各辺が前記ブレーカ突起に向かう扇状であることが好ましい。
また、上記発明において、前記切刃部は、側面視において、前記コーナ部から遠い方の前記凹状の切刃部の端部から他方のコーナ部に向かって一定の高さで形成されており、前記上面において、前記一定の高さで形成されている切刃部から前記インサート本体の内側に向かってランド部が形成されていることが好ましい。
また、上記発明において、前記インサート本体は、該インサート本体の下面と側面との交差稜線部に位置するとともに、前記多角形の少なくとも一つのコーナ部に形成された下面側コーナ切刃と、該下面側コーナ切刃に繋がり該下面側コーナ部を構成する辺に沿ってそれぞれ延びる下側主切刃とを有する下面側切刃部と、前記インサート本体の下面において、前記下面側コーナ切刃及び下面側主切刃の前記インサート本体の内側に形成された下面側すくい面と、該下面側すくい面よりさらにインサート本体の内側に形成された下面側ブレーカ突起と、を備えていることが好ましい。
本発明の上記態様の切削インサートによれば、コーナ切刃における切削抵抗を低減するとともに、コーナ切刃において切削した切屑を角度の大きいすくい面で該すくい面の底まで十分に引き込むことにより、幅広い送り条件でカール径の小さい安定した切屑処理が可能になり、さらに立ち上がり角度の小さいブレーカ突起により、カールピッチの狭い良好な切屑をスムーズに排出することができる。また、主切刃も使用して切削した切屑は、立ち上がり角度の大きいブレーカ突起によって確実にカールさせることができる。
また、複数の載置面が、上面の、ブレーカ突起よりも高いとともに、コーナ部を基準にブレーカ突起よりも遠く且つブレーカ突起から離間した位置に、コーナ部を構成する各辺に沿って配置されていることから、最も使用頻度が高いコーナ切刃で切削された切屑を処理するブレーカ突起、特にその先端側(コーナ切刃側)の形状の自由度が高まるため、良好な切屑の排出が可能になる。さらに、すくい面よりもインサート本体の内側であって、ブレーカ突起と最もブレーカ突起側に設けられた2つの載置面とに囲まれた領域に、上面のうち最も高さが低い凹部が形成されていることから、焼結時におけるブレーカ突起の形状の変形を抑制することができる。
また、請求項2にかかる発明によれば、コーナ切刃の中央部近傍を使用する低切り込み加工においても、切屑をすくい面の底まで確実に引き込むことができるため、カール径が小さく絡まりにくい切屑を排出することができる。
また、請求項3にかかる発明によれば、コーナ切刃の強度向上に加えて、コーナ切刃に続いて使用頻度が高い、コーナ切刃近傍における切刃部の強度と切屑処理を向上させることができる。
また、請求項4にかかる発明によれば、主切刃も使用して切削された切屑は、コーナ切刃から切り込み量以上離れた位置にあるすくい面の底部に干渉することなくカールして排出される。その結果、幅広い送り条件及び切り込み深さにおいても、安定した切削加工が可能になる。
また、請求項5にかかる発明によれば、コーナ切刃で切削した切屑を、ブレーカ突起に効果的に集めることができ、切屑処理性能を向上させることができる。
また、請求項6にかかる発明によれば、凹状に形成された切刃部の範囲を超えて切削する場合の切刃部の強度を向上させることができる。
また、請求項7にかかる発明によれば、上下面の切刃部が使用できるため、経済性に優れるとともに、下面側を切削加工に使用しても良好な切屑処理が可能となる。
以下に本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
図1乃至図7は、本発明の一実施形態の切削インサートを示すものであり、図1は本発明の一実施形態による切削インサートの上面図、図2は図1における1つのコーナ部の拡大斜視図、図3は一実施形態の切削インサートの側面図(a)及び1つのコーナ部の拡大側面図(b)、図4は図1におけるA−A断面図、図5は図1におけるB−B断面図、図6は図1におけるC−C断面図、図7は図1におけるD−D断面図である。
図1及び図2に示すように、本実施例による切削インサート1は、略多角形板状をなしており、具体的には、上面視で菱形状となっている。インサート本体2は、上面と側面との交差稜線部のうち、2つのコーナ部6にそれぞれコーナ切刃10aが形成されている。また、各コーナ切刃10a同士をつなぐ各辺には、前記コーナ切刃10aと繋がる主切刃10bが形成されている。なお、以下の説明において、前記コーナ切刃10aと前記主切刃10bをまとめて切刃部として説明する。
インサート本体2の上面3には、切刃部とつながるとともに切刃部からインサート本体2の内側に離れるに連れて低位となるすくい面30が形成されている。また、すくい面30よりさらにインサート本体2の内側に切屑を処理するブレーカ突起31が形成されている。なお、本発明におけるすくい面30とは、切刃部からブレーカ突起31までの面を意味するものとする。
本発明の特徴として、図3に示すように、切刃部が側面視において、前記コーナ切刃10aを最高部とする凹状に形成されている。また、図4に示すように、コーナ部6の二等分線を含む垂直断面におけるすくい角θ1が、同断面におけるブレーカ突起31の立ち上がり角度θ2よりも大きく形成されている。さらに、図5から図7に示すように、主切刃10bと直交する垂直断面におけるすくい角θ3が、同断面におけるブレーカ突起31の立ち上がり角度θ4よりも小さく形成されている。なお、本発明において「すくい角」とは、各断面においてインサート本体の下面と前記すくい面とのなす角度という。また、本発明において「ブレーカ突起の立ち上がり角度」とは、インサート本体の下面とブレーカ突起のすくい面側の表面とがなす角度をいう。なお、図4から図7において、L−L線は、インサート本体の下面と平行な線を示している。
上記構成により、最も切削加工に使用されるコーナ切刃10aにより切削された切屑を角度の大きいすくい面30により十分にブレーカ突起31まで引き込むことができ、幅広い送り条件でカール径の小さい安定した切屑処理ができる。また、立ち上がり角度の小さいブレーカ突起31により、カールピッチの狭い良好な切屑をスムーズに排出することができる。さらに、コーナ切刃10aにおけるすくい角θ1が大きく、且つ、切刃部が側面視において、前記コーナ切刃10aを最高部として凹状に形成されていることからコーナ切刃10aにおける切削抵抗を低減することができる。また、主切刃10bも使用して切削した切屑は、立ち上がり角度の大きいブレーカ突起31によって確実にカールさせることができる。
また、コーナ切刃10aのすくい角は、該コーナ切刃10aの中央から離れるに連れて小さくなっている。これにより、コーナ切刃10aの中央部近傍を使用する低切り込み加工においても、切屑をすくい面30の底部まで確実に引き込むことができるため、カール径が小さく絡まりにくい切屑を排出することができる。
また、1つのコーナ部から他のコーナ部に向かう辺において、前記コーナ部から離れていく主切刃10bと直する垂直断面を見た場合、コーナ部から離れるにつれて前記すくい面30のすくい角θ3が小さくなっている。これにより、コーナ切刃10aの強度向上に加えて、コーナ切刃10aに続いて使用頻度が高い、コーナ切刃近傍における切刃部の強度と切屑処理を向上させることができる。
また、主切刃は、該主切刃と直交する垂直断面において、前記コーナ部から離れるにつれてブレーカ突起までの距離が長くなっている。さらに、前記すくい面の最低部(前記垂直断面において、すくい面とブレーカ突起とが交差する部分)が低くなっている。これにより、主切刃も使用して切削された切屑は、コーナ切刃から切り込み量以上離れた位置にあるすくい面の底部に干渉することなくカールして排出される。その結果、幅広い送り条件及び切り込み深さにおいても、安定した切削加工が可能になる。
また、図1に示されるように、コーナ部6におけるすくい面30は、上面視において、ブレーカ突起31からコーナ切刃10a側に広がる、すなわち、仮想の直線からなる辺がブレーカ突起31に向かった扇状に形成されている。当該扇状のすくい面30は、湾曲した凹状面からなっている。これにより、コーナ切刃10aで切削した切屑を、ブレーカ突起31に集めることができ、切屑処理性能を向上させることができる。
また、切刃部は、側面視において、1つのコーナ部6から他のコーナ部に向かう間で、凹状に形成された後、他のコーナ部6に向かって一定の高さで形成されている。また、上面において、一定の高さで形成されている切刃部からインサート本体2の内側に向かって延びるランド部32が形成されている。これにより凹状に形成された切刃部の範囲を超えて切削する場合の切刃部の強度を向上させることができる。
また、上面3と側面5の交差稜線部に加えて、下面4と側面5との交差稜線部にも切刃を有しており、上面と下面と反転させて使用可能な、所謂、両面使いの切削インサートとなっている。
具体的には、インサート本体の下面と側面との交差稜線部に位置するとともに、菱形の各下面側コーナ部に形成された下面側コーナ切刃と、該下面側コーナ切刃と繋がり該コーナ部から他のコーナ部に向かう辺に沿ってそれぞれ形成された下面側主切刃を備えている。
また、インサート本体の下面において、前記下面側コーナ切刃及び下面側主切刃のインサート本体の内側に形成された下面側すくい面と、該下面側すくい面よりさらにインサート本体の内側に形成された下面側ブレーカ突起が形成されている。これにより、上下面の切刃部が使用できるため、経済性に優れるとともに、下面側を切削加工に使用しても良好な切屑処理が可能となる。
また、上面3及び下面4には、ブレーカ突起31より高く、コーナ部6を基準にブレーカ突起31よりも遠く且つ該ブレーカ突起31から離間した位置に、コーナ部6を構成する各辺に沿って配置された複数の載置面33がそれぞれ形成されている。これにより、最も使用頻度が高いコーナ切刃10aで切削された切屑を処理するブレーカ突起31、特にその先端側(コーナ切刃側)の形状の自由度が高まり、良好な切屑の排出が可能になる。
さらに、ブレーカ突起31と最もブレーカ突起31側に設けられた2つの載置面の間には、上面のうち最も高さが低い凹部34を有している。これにより、ブレーカ突起31は高さの低いすくい面30の底部および当該凹部34に囲まれるため、金型によるインサート本体2の成型時にブレーカ突起の周囲にかかる圧力を均等に近づけることができ、当該ブレーカ突起の原料密度を高めることができる。その結果、焼結時におけるブレーカ突起31の形状の変形を抑制することができる。
コーナ部6の二等分線を含む垂直断面におけるすくい角θ1は、15〜30°の範囲内であることが好ましく、また、同断面におけるブレーカ突起31の立ち上がり角度θ2は、5〜15°の範囲内であることが好ましい。当該範囲内においては、コーナ切刃10aにより切削された切屑の引き込みと、カールピッチの小さい切屑を形成するための立ち上がり角度のバランスが良く、切屑排出性に優れている。なお、これらの角度θ1とθ2とは、両方のバランス関係が重要であり、一方のみが上記範囲内に含まれる場合に必ず良い結果を得られるものではない。
また、主切刃10bと直交する垂直断面におけるすくい角θ3は、10〜20°の範囲内であることが好ましく、また、同断面におけるブレーカ突起31の立ち上がり角度θ4は、25〜40°の範囲内であることが好ましい。当該範囲内においては、コーナ切刃10aの強度向上と、主切刃10bにより切削された切屑排出性のバランスに優れている。なお、これらθ3とθ4は、両方のバランス関係のみならず、θ1及びθ2とのバランスも重要であり、すくい角θ1が、前記ブレーカ突起31の立ち上がり角度θ2よりも大きいとの条件に加えて、当該範囲内にθ3及びθ4を設計することにより、コーナ切刃10aの強度向上と主切刃10bにより切削される切屑排出性とを共に向上させることができる。
なお、上記実施例においては、切削インサート1の形状として上面視が菱形のものを例示したが、その他の形状として例えば上面視において、正方形、長方形、平行四辺形等の多角形板状のものが使用可能である。
本発明の切削インサートは、例えば図8に示すようなホルダに取り付けられて切削工具として使用される。そして、当該切削工具を固定して被削材を回転させて使用する旋削工具として使用される。
[製造方法]
以下に本発明の切削インサートの製造方法の一例について説明する。インサート本体は、基体と基体の表面に形成された被覆層とを有している。
基体は、炭化タングステン(WC)と、所望により周期表第4、5、6族金属の炭化物、窒化物、炭窒化物の群から選ばれる少なくとも1種からなる硬質相をコバルト(Co)および/またはニッケル(Ni)の鉄属金属からなる結合相にて結合させた超硬合金や、Ti基サーメット、または窒化ケイ素、酸化アルミニウム、ダイヤモンド、立方晶窒化ホウ素等のセラミックスなど従来から使用可能な材料を適宜使用できる。
かかる基体の製法は、例えば基体として超硬合金を用いる場合には、炭化タングステン(WC)粉末に対し、金属コバルト(Co)粉末を5〜10質量%、周期表第4、5、6族金属の炭化物(炭化タングステンを除く)、窒化物、炭窒化物の群から選ばれる少なくとも1種の化合物を0.1〜8.0質量%の割合で添加、混合して、プレス成形により切削インサート形状に成形する。そして、この成形体に対して脱バインダ処理を施した後、真空中にて、1350〜1550℃で0.5〜3時間焼成して超硬合金からなる基体を作製する。
次に、被覆層を成膜する前の基体表面に対して、被覆層と基体の密着性を向上させ、かつ被覆した被覆層の表面性状に反映させる目的で、基体表面全体にブラスト加工を施す。加工条件はアルミナ#200〜1000の砥粒を使用し、噴出圧力が2〜10MPaにて最大高さ(Rz)が0.3μm〜1.5μm程度の均一な粗さに調節する。このとき、切刃に向かって集中的にブラスト加工を施すことによって、切刃に丸ホーニングを形成してもよく、また成形時に生じる切刃のバリを除去することも可能である。
さらに、ホーニング量は曲率半径をR=0.02〜0.06mmとすることで、切れ味、耐欠損性ともにバランスが取れた切刃形状とすることができる。
また、基体の表面に形成する被覆層として、例えば、基体の表面に第1層として厚み0.1〜1.0μmのTiN層を成膜し、第2層として耐摩耗性、耐欠損性に優れる柱状結晶組織からなるTiCN層を厚み1.5〜15μmで成膜する。次いで、第3層として粒状のTiCN層を厚み0.05〜1.0μm成膜し、第4層としてTiCNO層を厚み0〜0.2μmに成膜する。そして、第5層として耐酸化性に優れるAl層を厚み0.5〜8.0μmで被覆する。さらに、第6層としてTiN層またはTiC層を厚み0.5〜1.5μmで成膜する。これらの被覆層は膜厚みが厚いほど耐摩耗性に優れる反面、基体と被覆層との熱膨張差による残留応力により耐欠損性が低下する。したがって、層厚みは被削材や切削条件などの工具の切削用途に応じた最適な値を設定する必要がある。
なお、上記基体表面に形成する被覆層は、一例であり、従来から用いられている材料に適宜変更することができる。
[切削方法]
次に、本発明の切削工具を用いた切削方法について図面を参照して説明する。
図8から図10に本発明の切削方法における概略図を示す。まず、図8に示すように、切削工具15と被削材20とを準備し、被削材20を回転させて切削工具15を被削材20に近づける。なお、切削工具15と被削材20とは、相対的に近づけば良く、例えば、被削材20を切削工具15に近づけても良い。
次いで、図9に示すように、切削工具15を被削材20に接触させて切削する。その後、図10に示すように被削材20から切削工具15を離間させる。なお、切削加工を継続する場合は、被削材20を回転させた状態を保持して、被削材20の異なる箇所に切削工具15を接触させる工程を繰り返す。
以上、本発明の実施形態を例示したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、発明の目的を逸脱しない限り任意のものとすることができることはいうまでもない。
本発明の一実施形態による切削インサートの上面図である。 図1における1つのコーナ部の拡大斜視図である。 本発明の一実施形態による切削インサートの側面図(a)及び1つのコーナ部の拡大側面図(b)である。 図1の切削インサートのA−Aの断面図である。 図1の切削インサートのB−Bの断面図である。 図1の切削インサートのC−Cの断面図である。 図1の切削インサートのD−Dの断面図である。 本発明の切削方法にかかる概略図である。 本発明の切削方法にかかる概略図である。 本発明の切削方法にかかる概略図である。 従来の切削インサートの上面図である。 従来の切削インサートの側面図である。 図10の切削インサートのA−A断面図(a)、B−B断面図(b)、C−C断面図(c)である。
符号の説明
1 切削インサート
2 インサート本体
3 上面
30 すくい面
31 ブレーカ突起
32 ランド部
33 載置面
34 凹部
4 下面
5 側面
6 コーナ部
10a コーナ切刃
10b 主切刃
15 切削工具
20 被削材

Claims (11)

  1. 多角形板状をなすインサート本体と、
    該インサート本体の上面と側面との交差稜線部に位置するとともに、前記多角形の少なくとも一つのコーナ部に形成されたコーナ切刃と、該コーナ切刃に繋がり前記コーナ部を構成する辺に沿ってそれぞれ延びる主切刃とを有する切刃部と、
    前記インサート本体の上面において、前記コーナ切刃及び主切刃の前記インサート本体の内側に形成されたすくい面と、
    該すくい面よりさらに前記インサート本体の内側に形成されたブレーカ突起と、
    を備えた切削インサートにおいて、
    前記切刃部は側面視において、前記コーナ切刃を最高部とする凹状に形成されており、
    前記コーナ部の二等分線を含む垂直断面におけるすくい角θ1は、同断面における前記ブレーカ突起の立ち上がり角度θ2よりも大きく、
    前記主切刃と直交する垂直断面におけるすくい角θ3は、同断面における前記ブレーカ突起の立ち上がり角度θ4よりも小さく、
    前記上面に、前記ブレーカ突起よりも高いとともに、前記コーナ部を基準に前記ブレーカ突起よりも遠く且つ前記ブレーカ突起から離間した位置に、前記コーナ部を構成する各辺に沿って配置された複数の載置面がそれぞれ形成され、
    前記すくい面よりも前記インサート本体の内側であって、前記ブレーカ突起と最も前記ブレーカ突起側に設けられた2つの前記載置面とに囲まれた領域に、前記上面のうち最も高さが低い凹部が形成されていることを特徴とする切削インサート。
  2. 前記コーナ切刃のすくい角は、該コーナ切刃の中央から離れるに連れて小さくなっていることを特徴とする請求項1に記載の切削インサート。
  3. 前記主切刃と直交する垂直断面におけるすくい角θ3は、前記コーナ部から離れるに連れて角度が小さくなっていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の切削インサート。
  4. 前記主切刃と直交する垂直断面において、前記コーナ部から離れるにつれて、前記主切刃から前記ブレーカ突起までの距離が離れているとともに、前記すくい面の最低部が低くなっていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の切削インサート。
  5. 前記コーナ部におけるすくい面は、上面視において、各辺が前記ブレーカ突起に向かう扇状であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の切削インサート。
  6. 前記切刃部は、側面視において、前記コーナ部から遠い方の前記凹状の切刃部の端部から他方のコーナ部に向かって一定の高さで形成されており、
    前記上面において、前記一定の高さで形成されている切刃部から前記インサート本体の内側に向かってランド部が形成されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の切削インサート。
  7. 前記インサート本体は、該インサート本体の下面と側面との交差稜線部に位置するとともに、前記多角形の少なくとも一つのコーナ部に形成された下面側コーナ切刃と、該下面側コーナ切刃に繋がり該下面側コーナ部を構成する辺に沿ってそれぞれ延びる下側主切刃とを有する下面側切刃部と、
    前記インサート本体の下面において、前記下面側コーナ切刃及び下面側主切刃の前記インサート本体の内側に形成された下面側すくい面と、
    該下面側すくい面よりさらにインサート本体の内側に形成された下面側ブレーカ突起と、
    を備えていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の切削インサート。
  8. 前記θ1は、15〜30°であり、前記θ2は、5〜15°であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の切削インサート。
  9. 前記θ3は、10〜20°であり、前記θ4は、25〜40°であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の切削インサート。
  10. 請求項1乃至9のいずれかに記載の切削インサートを、ホルダに取り付けた切削工具。
  11. 請求項10に記載の切削工具を用いて被削材を切削する切削方法であって、
    前記被削材に切削工具を相対的に近づける工程と、
    前記被削材を回転させ、前記切刃を被削材の表面に接触させて、被削材の表面を切削する工程と、
    前記被削材と前記切削工具とを相対的に遠ざける工程とを、備えることを特徴とする切削方法。
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