JP5260362B2 - 使用前滅菌方法 - Google Patents

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Description

本発明は、合成高分子の中空糸膜束を備えたウィルス除去モジュールを使用前に滅菌処理する使用前滅菌方法に関する。
例えば抗体医薬、組換え蛋白医薬、血漿製剤、血漿分画製剤等の蛋白製剤には、原料由来、工程由来のウィルスの混入が懸念されるため、これらの蛋白製剤を製造する過程でウィルスを除去する必要がある。
ウィルスを除去する手法として、中空糸膜束を備えたウィルス除去モジュールを用いて、蛋白製剤等からウィルスを除去することが提案されている(特許文献1、2参照)。
特開2007−307513号公報 再表01/045719号公報
ところで、上記ウィルス除去モジュールは、当然にそれ自体の内部の無菌性が要求されるため、製造時の組み立て工程後に滅菌処理が行われ、無菌状態が維持されたまま販売される。しかし、ユーザが購入後、ウィルス除去モジュールを使用する際には、例えばウィルス除去回路にウィルス除去モジュールを接続する必要があり、例えばこの際にウィルス除去モジュール内に菌が混入する可能性がある。このため、ウィルス除去モジュールを使用する前に、ウィルス除去モジュールの内部をもう一度滅菌処理することが好ましい。
中空糸膜束が合成高分子の場合、耐熱性があるため、高温に耐えられる。このため、使用前にウィルス除去モジュールを滅菌処理する方法として、例えば高温の蒸気を用いて滅菌する方法を採用できる。
例えば蒸気を用いて滅菌処理する際には、例えば図7に示すように、ウィルス除去モジュール100のモジュール本体101の上端に形成された第1の蒸気流入口102と、モジュール本体101の上端側の外周面に形成された第2の蒸気流入口103から、モジュール本体101内に蒸気を流入し、モジュール本体101の下端に形成された第1の蒸気流出口104と、モジュール本体101の下端側の外周面に形成された第2の蒸気流出口105から排出される。そして、第1の蒸気流入口102から流入した蒸気は、中空糸膜束106の中空糸膜内を通過して第1の蒸気流出口104から流出され、第2の蒸気流入口103から流入した蒸気は、中空糸膜束106の外周空間107を通って第2の蒸気流出口105から流出される。こうすることによって、ウィルス除去モジュール100の内部の滅菌処理を行うことができる。
しかしながら、第2の蒸気流入口103から流入された蒸気は、可能な限り最短距離を通って第2の蒸気流出口105に流れる。このため、中空糸膜束106の外周空間107の全周に亘って蒸気が十分に供給されない場合があり、この結果、モジュール内部の滅菌処理が不十分になりかねない。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、使用前滅菌処理の際に、モジュール内部の全域に亘って十分かつ確実に滅菌処理を行うことができるウィルス除去モジュールの使用前滅菌処理方法を提供することをその目的とする。
上記目的を達成するための本発明は、合成高分子の中空糸膜束を備えたウィルス除去モジュールを使用前に滅菌処理する使用前滅菌方法であって、前記ウィルス除去モジュールは、中空糸膜束が長手方向に収容された、外形が円柱状のモジュール本体と、前記モジュール本体の長手方向の一端に形成された第1の蒸気流入口から、前記中空糸膜束の中空糸膜内を通って、前記モジュール本体の長手方向の他端に形成された第1の蒸気流出口に通じる第1の蒸気滅菌流路と、前記モジュール本体の長手方向の一端側の外周側面に形成された第2の蒸気流入口から、前記モジュール本体内の前記中空糸膜束の外周空間を通って、前記モジュール本体の長手方向の他端側の外周側面に形成された第2の蒸気流出口に通じる第2の蒸気滅菌流路と、を有し、前記第2の蒸気滅菌流路に、前記第2の蒸気流入口から流入した蒸気を前記中空糸膜束の外周空間の周方向に拡散するための拡散板が設けられているものであり、当該方法は、前記第1の蒸気流入口が上に向くように前記モジュール本体を立てた状態で、前記第1の蒸気流入口と前記第2の蒸気流入口から前記モジュール本体内に蒸気を流入し、前記第1の蒸気滅菌流路内と第2の蒸気滅菌流路内に蒸気を流し込む工程を有し、前記第2の蒸気流入口から流入した蒸気は、前記拡散板により前記中空糸膜束の外周空間の周方向に拡散され、前記第1の蒸気流出口と前記第2の蒸気流出口を閉鎖した状態で、前記第1の蒸気流入口と前記第2の蒸気流入口から前記第1の蒸気滅菌流路内と前記第2の蒸気滅菌流路内に蒸気を流し込む工程と、前記第1の蒸気流出口と前記第2の蒸気流出口を開放した状態で、前記第1の蒸気滅菌流路と前記第2の蒸気滅菌流路に蒸気を流す工程と、が交互に行われることを特徴とする。なお、「前記第1の蒸気流出口と前記第2の蒸気流出口を閉鎖した状態」には、前記第1の蒸気流出口や前記第2の蒸気流出口に接続された流路を閉鎖した状態も含まれる。「前記第1の蒸気流出口と前記第2の蒸気流出口を開放した状態」には、前記第1の蒸気流出口や前記第2の蒸気流出口に接続された流路を開放した状態も含まれる。
本発明によれば、ウィルス除去モジュールの第2の蒸気流入口から流入する蒸気が拡散板により中空糸膜束の外周空間の周方向に拡散されるので、使用前滅菌処理の際に、モジュール内部の全域に亘って十分かつ確実に滅菌処理を行うことができる。
前記拡散板は、円筒状に形成され、外周面が前記第2の蒸気流入口に対向していてもよい。また、前記拡散板は、円弧状に形成され、外周面が前記第2の蒸気流入口に対向していてもよい。
前記拡散板の前記長手方向の幅は、前記第2の蒸気流入口の径よりも大きく形成されていてもよい。
前記ウィルス除去モジュールにおけるポッティング剤による前記中空糸膜束の両端部と前記モジュール本体の両端部との接着が、前記第2の蒸気流入口が上または下に向くように前記モジュール本体を水平にし回転させながらポッティング剤を前記モジュール本体内部に供給する遠心接着により行われていてもよい。
本発明によれば、使用前滅菌処理の際に、ウィルス除去モジュールの内部の全域に亘って十分かつ確実に滅菌処理を行うことができ、ウィルス除去モジュールの無菌性を向上できる。
ウィルス除去モジュールの構成の概略を示す縦断面図である。 ウィルス除去モジュールの構成の概略を示す横断面図である。 使用前滅菌回路の構成の概略を示す説明図である。 遠心接着の中心回転軸を示す説明図である。 ポッティング剤と第2の蒸気流入口との関係を示す説明図である。 拡散板が円弧状の場合のウィルス除去モジュールの横断面図である。 改良前のウィルス除去モジュールの構成の概略を示す縦断面図である。
以下、図面を参照して、本発明の好ましい実施の形態について説明する。図1は、使用前の滅菌処理が行われるウィルス除去モジュールの構成の概略を示す縦断面図である。
ウィルス除去モジュール1は、合成高分子の中空糸膜束Aが長手方向に収容され、中空で外形が円柱状のモジュール本体10を有している。モジュール本体10の長手方向の一端(図1の上側)には、第1の蒸気流入口20が形成され、モジュール本体10の長手方向の他端には、第1の蒸気流出口21が形成されている。また、モジュール本体10の一端側の外周面には、第2の蒸気流入口22が形成され、モジュール本体10の他端側の外周面には、第2の蒸気流出口23が形成されている。第2の蒸気流入口22と第2の蒸気流出口23は、モジュール本体10の外周面に対し同じ方向に向けて形成されている。なお、第2の蒸気流入口22と第2の蒸気流出口23は、反対の方向(モジュール本体10の軸に対して対称の位置に形成されていてもよい。また、中空糸膜束Aの素材には、例えば親水化されたポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリエーテルスルホン(PES)等の合成高分子で耐熱性のあるものが用いられている。
中空糸膜束Aは、モジュール本体10の中央に設置され、中空糸膜束Aの両端部は、ポッティング剤Bによりモジュール本体10の内壁面に固定されている。このポッティング剤Bにより、モジュール本体10の内部に、中空糸膜束Aの外周に位置する外周空間Cと、中空糸膜束Aの両端であって中空糸膜束Aの開口端が通じる端部空間Dが形成されている。第2の蒸気流入口22と第2の蒸気流出口23は、外周空間Cに通じており、第1の蒸気流入口20と第1の蒸気流出口21は、それぞれ端部空間Dに通じている。中空糸膜束Aの充填率は、例えば30〜50%に設定されている。なお、充填率とは、モジュール本体10の長手方向の中心位置の切断面積に占める中空糸膜の断面積の割合である。
かかる構成により、ウィルス除去モジュール1は、第1の蒸気流入口20から、中空糸膜束Aの中空糸膜内を通って、第1の蒸気流出口21に通じる第1の蒸気滅菌流路L1と、第2の蒸気流入口22から、中空糸膜束Aの外周空間Cを通って、第2の蒸気流出口23に通じる第2の蒸気滅菌流路L2を有している。
また、第2の蒸気滅菌流路L2には、第2の蒸気流入口22から流入した蒸気を中空糸膜束Aの外周空間Cの周方向に拡散するための拡散板30が設けられている。拡散板30は、例えばモジュール本体10の第2の蒸気流入口22に対向し、当該第2の蒸気流入口22よりも中心部側から端部側に向けて長手方向に突出するように形成されている。また、拡散板30は、長手方向の幅が第2の蒸気流入口22の口径よりも長く(例えば1.2倍〜2倍)なるように形成され、対向する第2の蒸気流入口22の全体を覆っている。拡散板30は、図2に示すように中空糸膜束Aの周りを囲む円筒状に形成されている。これにより、第2の蒸気流入口21から流入した蒸気は、拡散板30に衝突或いは誘導され、外周空間Cの周方向に拡散されつつ、図1に示すように一旦端部側に移動した後、中空糸膜束Aの外周に沿って第2の蒸気流出口23側に流れるようになっている。
第2の蒸気流出口23側にも、第2の蒸気流入口22側と同様に環状の拡散板31が設けられている。拡散板31は、例えばモジュール本体10の第2の蒸気流出口23に対向し、当該第2の蒸気流出口23よりも中心部側から端部側に向けて長手方向に突出するように形成されている。また、拡散板31は、長手方向の幅が第2の蒸気流出口23の口径よりも長くなるように形成され、対向する第2の蒸気流出口23の全体を覆っている。
以上のように構成されたウィルス除去モジュール1は、例えば図3に示す使用前滅菌回路50に設置される。なお、使用前滅菌とは、ウィルス除去モジュール1の製造段階ではなく、出荷後、ウィルス除去処理に用いられる直前に行う滅菌処理である。使用前滅菌回路50は、例えば第1の蒸気流入口20側が上になるように設置されたウィルス除去モジュール1と、ウィルス除去モジュール1の第1の蒸気流入口20と第2の蒸気流入口22に接続される蒸気供給路51と、ウィルス除去モジュール1の第1の蒸気流出口21と第2の蒸気流出口23に接続される蒸気排出路52を有している。
例えば蒸気供給路51は、例えば所定の圧力で蒸気を圧送する蒸気供給装置60が上流側に接続され、途中でライン51a、51bに分岐して第1の蒸気流入口20と第2の蒸気流入口22にそれぞれ接続されている。蒸気排出路52は、例えば第1の蒸気流出口21と第2の蒸気流出口23からそれぞれ別のライン52a、52bが接続され、それらが途中で合流して、蒸気排出部Eに連通している。
蒸気排出路52の各ライン52a、52bには、開閉部材としての開閉バルブ70、71がそれぞれ設けられている。これにより、第1の蒸気流出口21と開閉バルブ70の間と、第2の蒸気流出口23と開閉バルブ71の間に、それぞれ凝縮水の貯留部72が形成される。貯留部72は、ウィルス除去モジュール1内で生成され重力により落下した凝縮水を貯留できる。また、蒸気排出路52のライン52a、52bの合流部より下流側には、開閉バルブ73が設けられている。
使用前滅菌回路50は、例えばウィルス除去モジュール1の使用、すなわちウィルス除去を行うためのウィルス除去回路80にインラインで設けられている。ウィルス除去回路80は、上記蒸気供給路51に加え、ウィルス除去が行われる蛋白製剤等の処理液が貯留される処理液容器90に通じる処理液供給路91、ウィルス除去後の処理液が貯留される処理液容器92に通じる処理液排出路93等を有している。処理液供給路91は、例えば開閉バルブ94を介して、蒸気排出路52に接続されている。処理液排出路93は、例えば開閉バルブ95を介して、第2の蒸気排出口23に接続されている。また、ウィルス除去回路80は、蒸気供給路51の各ライン51a、51bに開閉バルブ96、97を有している。
かかる構成により、ウィルス除去回路80では、次のようなウィルス除去処理が行われる。例えば蒸気供給路51のライン51a、51bの開閉バルブ96を開放、開閉バルブ97を閉鎖した状態で、処理液容器90から処理液供給路91及び蒸気排出路52のライン52aを通じて、ウィルス除去モジュール1の第1の蒸気排出口21に処理液を供給し、中空糸膜内の空気を追い出した後、開閉バルブ96を閉鎖することにより、ウィルス除去モジュール1の中空糸膜束Aにおいてウィルスが除去される。そして、ウィルスが除去された処理液は、第2の蒸気排出口23から処理液排出路93を通じて処理液容器92に送られ、貯留される。このウィルス除去処理時には、第1の蒸気排出口21が処理液の流入口となり、第2の蒸気排出口23が処理液の流出口となる。なお、処理液排出路93とライン52bとの分岐部には、必要に応じて三方コックなどの三方弁を設けてもよく、かかる場合、ウィルス除去時には、三方弁により、処理液容器92側への流入のみを許容し、貯留部72側への流入を遮断する。後述する使用前滅菌時には、三方弁により、貯留部72側への流入のみを許容し、処理液容器92側への流入を遮断する。
次に、上記使用前滅菌回路50を用いてウィルス除去モジュール1を使用前に滅菌処理する使用前滅菌方法について説明する。
先ず、図3に示すように第1の蒸気流入口20が上に向くようにモジュール本体10を立てた状態で、ウィルス除去モジュール1が設置される。その後、蒸気供給装置60が作動し、蒸気供給装置60から蒸気供給路51を通じて高温、高圧の蒸気が、第1の蒸気流入口20と第2の蒸気流入口22からモジュール本体10内に流入される。これにより、第1の蒸気滅菌流路L1内と第2の蒸気滅菌流路L2内に蒸気が流し込まれる。このとき、蒸気排出路52側の開閉バルブ70、71及び95が閉鎖されており、モジュール本体10内の蒸気が高圧に維持され、蒸気が凝縮し難い状態で、モジュール本体10内が滅菌処理される。
また、図1に示すように第2の蒸気流入口22から流入した蒸気は、拡散板30に衝突或いは誘導され、中空糸膜束Aの外周空間Cの周方向に拡散されつつ、一旦端部側に移動した後、中空糸膜束Aの外周に沿って第2の蒸気流出口23側に流れる。また、第1の蒸気流入口20から流入した蒸気は、上側の端部空間Dを通過し、中空糸膜束Aの中空糸膜内を通って下側の端部空間D側に流れる。また、時間の経過等により、モジュール本体10内において、温度が低下し凝縮した凝縮水は、重力に従って落下し、蒸気排出路52に流入し貯留部72で一旦貯留される。なお、このとき、開閉バルブ73、94、95は閉鎖されている。
次に、所定時間経過後、引き続き蒸気供給装置60の高温、高圧の蒸気が、第1の蒸気流入口20と第2の蒸気流入口22からモジュール本体10内に供給されている状態で、開閉バルブ70、71及び73が開放される。これにより、蒸気供給路51、モジュール本体10及び蒸気排出路52を通って蒸気排出部Eに通じる蒸気の流れが生じ、貯留部72に貯留された凝縮水が蒸気と共に、蒸気排出部Eから排出される。
所定時間経過後、引き続き蒸気供給装置60の高温、高圧の蒸気が、第1の蒸気流入口20と第2の蒸気流入口22からモジュール本体10内に供給されている状態で、再び開閉バルブ70、71及び73が閉じられ、モジュール本体10内に高温、高圧の蒸気が溜められる。このように、第1の蒸気流出口21と第2の蒸気流出口23側の開閉が一定の間隔で繰り返される。その後、蒸気供給装置60が停止し、蒸気の供給が停止され、その後例えば蒸気よりは低温のエアの供給等によりウィルス除去モジュール1が徐々に冷却されて、ウィルス除去モジュール1の使用前滅菌処理が終了する。
以上の実施の形態によれば、ウィルス除去モジュール1の第2の蒸気流入口22から流入した蒸気が拡散板30により中空糸膜束Aの外周空間Cの周方向に拡散されるので、使用前滅菌処理の際に、モジュール本体10の内部の全域に亘って十分かつ確実に滅菌処理を行うことができる。また、蒸気がモジュール本体10内に斑なく供給されるので、モジュール本体10内の温度分布が均一化し、滅菌処理が効率的に行われる。この結果、滅菌時間も短縮できる。滅菌時間を短縮することにより、高温、高圧の滅菌処理による中空糸膜束Aの劣化を防止し、当該中空糸膜Aによるウィルス除去性能の劣化を防止できる。また、流入した蒸気が直接中空糸膜束Aに衝突しないので、中空糸膜束Aの機械的な損傷を防止できる。特にモジュール本体10における中空糸膜束Aの充填率が低い場合に蒸気流により中空糸膜が激しく動くことを防止できるので、中空糸膜の破断等を防止できる。
上記使用前滅菌方法において、第1の蒸気流出口21と第2の蒸気流出口23を閉鎖した状態で、第1の蒸気流入口20と第2の蒸気流入口22から第1の蒸気滅菌流路L1内と第2の蒸気滅菌流路L2内に蒸気を流し込む工程と、第1の蒸気流出口21と第2の蒸気流出口23を開放した状態で、第1の蒸気滅菌流路L1と第2の蒸気滅菌流路L2に蒸気を流す工程と、が交互に行われている。これにより、前者の第1の蒸気流出口21と第2の蒸気流出口23を閉鎖する工程では、モジュール本体10内の蒸気圧を高く維持することができるので、モジュール本体10内における蒸気の凝縮を抑制することができる。これにより、蒸気による滅菌処理が適正に行われる。また、凝縮水により中空糸膜束Aが劣化等することを抑制できる。
拡散板30は、円筒状に形成され、外周面が第2の蒸気流入口22に対向しているので、第2の蒸気流入口22から流入した蒸気が適正に拡散板30に衝突し周方向に拡散される。
拡散板30の長手方向の幅は、第2の蒸気流入口22の径よりも大きく形成されているので、蒸気が確実に拡散板30に衝突し拡散される。
本実施の形態における使用前滅菌回路50は、ウィルス除去回路80にインラインで設置されているので、ウィルス除去時に、ウィルス除去モジュール1と、蒸気供給路51又は蒸気排出路52との接続部付近の回路がそのまま用いられる。このため、そのウィルス除去モジュール1と、蒸気供給路51又は蒸気排出路52との接続部の接続時等に入り込む恐れのある微生物等も滅菌処理により除去できる。
以上の実施の形態で記載されたウィルス除去モジュール1は、製造時において、ポッティング剤Bにより中空糸膜束Aの両端部とモジュール本体10の両端部との接着(ポッティング)が行われ、当該接着は、例えば図4に示すように第2の蒸気流入口22が上または下に向くようにモジュール本体10を水平にし、モジュール本体10の中心回転軸P周りに回転させながら溶融ポッティング剤Bをモジュール本体10内部に供給する遠心接着により行われたものであってもよい。かかる場合、ポッティング剤Bの供給時に遠心力が働くので、ポッティング剤Bが 最終的に図5に示すようにモジュール本体10の上方から見て中央が薄く(モジュール本体10の端部側に後退する)、両側が厚くなる(モジュール本体10の中心側に突出する)ように硬化される。この結果、ポッティング剤Bと干渉しない範囲で、第2の蒸気流入口22をモジュール本体10の最も端部寄りに形成できるので、モジュール本体10の端部付近にも蒸気を十分に供給できる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば以上の実施の形態における拡散板30は、全周に亘る筒状に形成されてなくてもよく、例えば図6に示すように全周の20%以上となる円弧状に形成されていてもよい。また、以上の実施の形態における使用前滅菌回路50やウィルス除去回路80等の構成は、他の構成であってもよい。
1 ウィルス除去モジュール
10 モジュール本体
20 第1の蒸気流入口
21 第1の蒸気流出口
22 第2の蒸気流入口
23 第2の蒸気流出口
30 拡散板
50 使用前滅菌回路
A 中空糸膜束
B ポッティング剤
C 外周空間
L1 第1の蒸気滅菌流路
L2 第2の蒸気滅菌流路

Claims (5)

  1. 合成高分子の中空糸膜束を備えたウィルス除去モジュールを使用前に滅菌処理する使用前滅菌方法であって、
    前記ウィルス除去モジュールは、中空糸膜束が長手方向に収容された、外形が円柱状のモジュール本体と、前記モジュール本体の長手方向の一端に形成された第1の蒸気流入口から、前記中空糸膜束の中空糸膜内を通って、前記モジュール本体の長手方向の他端に形成された第1の蒸気流出口に通じる第1の蒸気滅菌流路と、前記モジュール本体の長手方向の一端側の外周側面に形成された第2の蒸気流入口から、前記モジュール本体内の前記中空糸膜束の外周空間を通って、前記モジュール本体の長手方向の他端側の外周側面に形成された第2の蒸気流出口に通じる第2の蒸気滅菌流路と、を有し、前記第2の蒸気滅菌流路に、前記第2の蒸気流入口から流入した蒸気を前記中空糸膜束の外周空間の周方向に拡散するための拡散板が設けられているものであり、
    当該方法は、
    前記第1の蒸気流入口が上に向くように前記モジュール本体を立てた状態で、前記第1の蒸気流入口と前記第2の蒸気流入口から前記モジュール本体内に蒸気を流入し、前記第1の蒸気滅菌流路内と第2の蒸気滅菌流路内に蒸気を流し込む工程を有し、
    前記第2の蒸気流入口から流入した蒸気は、前記拡散板により前記中空糸膜束の外周空間の周方向に拡散され
    前記第1の蒸気流出口と前記第2の蒸気流出口を閉鎖した状態で、前記第1の蒸気流入口と前記第2の蒸気流入口から前記第1の蒸気滅菌流路内と前記第2の蒸気滅菌流路内に蒸気を流し込む工程と、前記第1の蒸気流出口と前記第2の蒸気流出口を開放した状態で、前記第1の蒸気滅菌流路と前記第2の蒸気滅菌流路に蒸気を流す工程と、が交互に行われることを特徴とする、使用前滅菌方法。
  2. 前記拡散板は、円筒状に形成され、外周面が前記第2の蒸気流入口に対向していることを特徴とする、請求項1に記載の使用前滅菌方法。
  3. 前記拡散板は、円弧状に形成され、外周面が前記第2の蒸気流入口に対向していることを特徴とする、請求項1に記載の使用前滅菌方法。
  4. 前記拡散板の前記長手方向の幅は、前記第2の蒸気流入口の径よりも大きく形成されていることを特徴とする、請求項2又は3に記載の使用前滅菌方法。
  5. 前記ウィルス除去モジュールにおけるポッティング剤による前記中空糸膜束の両端部と前記モジュール本体の両端部との接着が、前記第2の蒸気流入口が上または下に向くように前記モジュール本体を水平にし回転させながらポッティング剤を前記モジュール本体内部に供給する遠心接着により行われていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の使用前滅菌方法。
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