JP2024055481A - 製薬用水製造システムの滅菌方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】製薬用水製造システムを蒸気により滅菌した後の、限外濾過膜の乾燥による損傷を抑制する。【解決手段】貯留タンク16から送られた被処理水を限外濾過膜18Mを備えた膜濾過装置18で濾過する製薬用水製造システ12ムの滅菌方法であって、被処理水をタンクに貯留することによりタンクを貯留状態とし、膜濾過装置18から被処理水を排出し膜濾過装置18を蒸気により滅菌した後に膜濾過装置18に、貯留状態を維持しているタンクから被処理水を送り限外濾過膜18Mに被処理水を接触させる。【選択図】図1

Description

本願は、製薬用水製造システムの滅菌方法に関する。
注射用水を含む製薬用水を製造するにあたって、限外濾過膜(UF膜)によって被処理水を濾過することで、被処理水を蒸留させずに製造することが行われている(例えば特許文献1参照)。
特開2010-123897号公報
注射用水を含む製薬用水を製造するにあたって、限外濾過膜を用いる製薬用水製造システムでは、限外濾過膜を蒸気滅菌する場合がある。一般的には、蒸気滅菌は金属系の配管や蒸留器等の金属製機器に対し適用される。ところが、限外濾過膜は金属製機器と比較して温度に対する耐性が低い。したがって、従来行われてきた蒸気滅菌をそのまま適用することが可能であるか否かは不明であった。
本願は、限外濾過膜の蒸気滅菌を限外濾過膜の劣化なく行うことが可能な製薬用水製造システムの滅菌方法を提供することを目的とする。
製薬用水製造システムを蒸気により滅菌する場合、滅菌後に限外濾過膜に被処理水が接触していない状態が継続すると、限外濾過膜が乾燥して劣化することがある。例えば、新品の限外濾過膜に交換した直後であれば、製薬用水製造システムを運転することで、限外濾過膜の乾燥は抑制される。しかしながら、製薬用水製造システムに組み込まれた限外濾過膜を蒸気滅菌する場合には、蒸気滅菌後の製薬用水製造システムにおいて、限外濾過膜に被処理水が接触していない時間が継続することがある。
本開示の技術の発明者らは、鋭意検討した結果、限外濾過膜に蒸気が接触している際には限外濾過膜の劣化は殆ど進まないが、高温の状態で空気に接触している時間が継続すること、及び蒸気の供給停止後の放熱による急激な温度低下が生じること、によって劣化が激しくなることを見出した。特に、本来的には限外濾過膜が乾燥に至るはずのない短時間で限外濾過膜の強度低下や分離性能低下などの劣化が進む。このことから、限外濾過膜の劣化は、空気中の酸素に起因する不可逆的な劣化であるとの結論に至り、限外濾過膜の蒸気滅菌を限外濾過膜の劣化なく行うことが可能な解決手段を得た。
第一態様は、貯留タンクから送られた被処理水を限外濾過膜を備えた膜濾過装置で濾過する製薬用水製造システムの滅菌方法であって、前記被処理水をタンクに貯留することにより前記タンクを貯留状態とし、前記膜濾過装置から前記被処理水を排出し前記膜濾過装置を蒸気により滅菌した後に前記膜濾過装置に前記貯留状態を維持している前記貯留タンクから前記被処理水を送り前記限外濾過膜に前記被処理水を接触させる。
第一態様の製薬用水製造システムの滅菌方法では、被処理水をタンクに貯留しタンクを貯留状態とする。このタンクは、膜濾過装置に送る被処理水を貯留するための貯留タンクであってもよいが、この貯留タンクとは別に設けられたタンクであってもよい。さらにこのタンクは、製薬用水製造システムを構成しているタンクだけでなく、製薬用水製造システムを構成していないタンクであってもよい。
そして、膜濾過装置から被処理水を排出し膜濾過装置を蒸気により滅菌した後に膜濾過装置に、貯留状態を維持しているタンクから被処理水を送り限外濾過膜に被処理水を接触させる。タンクは被処理水が貯留された貯留状態に維持されているので、被処理水が貯留されていないタンクに被処理水を貯留し、その後にタンクから被処理水を膜濾過装置に送る構成と比較して、短時間で膜濾過装置に被処理水を送って限外濾過膜に被処理水を接触させることができる。また、熱交換器等の温度調整手段を用いて被処理水の温度を調整することで、タンクに被処理水が貯留されていない構成と比較して、短時間で膜濾過装置の温度低下速度の調整をすることが可能となる。滅菌後の限外濾過膜に被処理水が接触していない時間が継続しないので、限外濾過膜が乾燥により空気中の酸素に接触する時間も継続しない。すなわち、限外濾過膜の蒸気滅菌を限外濾過膜の劣化なく行うことが可能である。
なお、膜濾過装置中の被処理水が外部に流出しないように、膜濾過装置に通じる配管の端部を膜濾過装置内での限外濾過膜の最も高い部位よりもさらに高くしておくことや、膜濾過装置に通じる配管を弁等で封止すること等により、限外濾過膜に被処理水を接触させた状態を維持できる。
第二態様では、第一態様において、前記タンクが前記貯留タンクである。
すなわち、製薬用水製造システムにおいて、膜濾過装置に送る処理水を貯留する貯留タンクを、タンクとして用いるので、あらたにタンクを設ける必要がない。
第三態様では、第二態様において、前記貯留タンクを前記貯留状態とすることを、前記貯留タンクから前記被処理水を排出し前記貯留タンクを蒸気により滅菌した後に前記貯留タンクに前記被処理水を貯留することにより行う。
すなわち、膜濾過装置を蒸気により滅菌する前に、貯留タンクを蒸気により滅菌し、貯留タンクに被処理水を貯留した貯留状態にできる。
第四態様では、第二態様において、前記膜濾過装置に前記貯留タンクから前記被処理水を送り前記限外濾過膜に前記被処理水を接触させた後に、前記貯留タンクから前記被処理水を排出し前記貯留タンクを蒸気により滅菌した後に前記貯留タンクに前記被処理水を貯留する。
すなわち、膜濾過装置を蒸気により滅菌した後に、貯留タンクを蒸気により滅菌し、さらに貯留タンクに被処理水を貯留できる。
本開示の技術では、限外濾過膜の蒸気滅菌を限外濾過膜の劣化なく行うことが可能である。
図1は第一実施形態の製薬用水製造システムの構成図である。 図2は第一実施形態の製薬用水製造システムの制御装置を成すコンピュータを示す構成図である。 図3は第一実施形態の製薬用水製造システムにおける滅菌処理を示すフローチャートである。 図4は第一実施形態の変形例の製薬用水製造システムの構成図である。 図5は第二実施形態の製薬用水製造システムにおける滅菌処理を示すフローチャートである。
以下、図面を参照して第一実施形態に係る製薬用水製造システム12について説明する。この製薬用水製造システム12は、注射用水を含む製薬用水を製造するためのシステムであり、本開示の技術の製薬用水製造システムの一例である。製薬用水製造システム12に導入され、製薬用水製造システム12によって処理されてユースポイント22まで流れる
第一実施形態の製薬用水製造システム12は、蒸気発生装置14、貯留タンク16、膜濾過装置18、製薬用水タンク20及びユースポイント22を有している。製薬用水製造システム12に導入され、製薬用水製造システム12によって処理されてユースポイント22まで流れる水は、本開示の技術の「被処理水」である。
蒸気発生装置14は、本開示の技術では過熱水蒸気を発生させる装置である。過熱水蒸気は、沸点を超える温度まで加熱された水蒸気である。この過熱水蒸気を貯留タンク16及び膜濾過装置18に送ることで、貯留タンク16及び膜濾過装置18を含む部分を滅菌することができる。ただし、貯留タンク16及び膜濾過装置18を滅菌することが可能であれば、蒸気としては過熱水蒸気に限定されない。
貯留タンク16には、前処理装置82によって前処理された前処理水が流入配管30を通じて供給される。前処理装置82では、市水、井水、工業用水、常水等に対し、たとえば、濾過装置による濾過(逆浸透装置による濾過を含む)、電気脱イオン装置やイオン交換樹脂塔等のイオン交換装置によるイオン交換等の前処理がなされる。そして、貯留タンク16では、流入配管30を通じて流入された前処理水を貯留する。前処理水は、製薬用水製造システム12によって処理される水であり、被処理水に含まれる。
流入配管30には図示しない開閉弁が設けられている。この開閉弁が開弁されることで、前処理水を前処理装置82から被処理水として貯留タンク16内に導入することができる。
貯留タンク16には、圧力センサ16P、温度センサ16T、水位センサ16L及び導電率センサ16Cが設けられている。圧力センサ16Pは貯留タンク16の内部の圧力を検出する。温度センサ16Tは、貯留タンク16の内部の温度を検出する。水位センサ16Lは、貯留タンク16の内部の水位を検出する。導電率センサ16Cは、貯留タンク16に貯留された被処理水の導電率を検出する。これらのセンサによって検出された各種データは、図2に示すコンピュータ102に送信される。
貯留タンク16と膜濾過装置18とは第一送水配管32で接続されている。本開示の技術では、貯留タンク16の水面が膜濾過装置18の内部の限外濾過膜18Mの上端よりも鉛直方向で高くなるように、貯留タンク16の鉛直方向の位置が設定されている。第一送水配管32には第一ポンプ24が設けられている。第一ポンプ24を駆動することで、被処理水を、第一送水配管32を通して貯留タンク16から膜濾過装置18へ送ることができる。
本開示の技術では、膜濾過装置18は、疎水性の限外濾過膜18Mを有している。膜濾過装置18の内部は限外濾過膜18Mによって区画されており、区画された一方の領域に流される被処理水を限外濾過膜18Mによって濾過する。そして、限外濾過膜18Mを通過しなかった被処理水が濃縮水として外部に排出される。限外濾過膜18Mを通過した被処理水は製薬用水タンク20に送られる。限外濾過膜18Mとしては、たとえば、分画分子量6000の中空糸膜等を用いることができるが、これに限定されない。
膜濾過装置18には、圧力センサ18P、温度センサ18T及び導電率センサ18Cが設けられている。圧力センサ18Pは膜濾過装置18の内部の圧力を検出する。温度センサ18Tは、膜濾過装置18の内部の温度を検出する。導電率センサ18Cは、膜濾過装置18内の被処理水の導電率を検出する。これらのセンサによって検出されたデータは、図2に示すコンピュータ102に送信される。
第一送水配管32では、第一ポンプ24の上流側及び下流側から排出配管34が分岐している。排出配管34のそれぞれには開閉弁36が設けられている。開閉弁36の少なくとも一方を開弁することで、第一送水配管32から被処理水を製薬用水製造システム12の外部に排出することができる。開閉弁36の両方を閉弁することで、被処理水を排出することなく貯留タンク16から膜濾過装置18へ送ることができる。
第一送水配管32には開閉弁38が設けられている。本開示の技術では、貯留タンク16は膜濾過装置18よりも鉛直方向で高い位置に設けられている。したがって、貯留タンク16内の水位が膜濾過装置18内に水位よりも高ければ、第一ポンプ24を駆動しなくても、開閉弁38を開弁することで、重力により貯留タンク16から膜濾過装置18へ被処理水が流れる。開閉弁38を閉弁することで、貯留タンク16から膜濾過装置18への被処理水の流れを遮断できる。
膜濾過装置18と製薬用水タンク20とは、第二送水配管46で接続されている。第二送水配管46からは排出配管48が分岐している。排出配管48には開閉弁50が設けられている。開閉弁50を開弁することで、第二送水配管46から被処理水を製薬用水製造システム12の外部に排出することができる。開閉弁50を閉弁することで、被処理水を排出することなく、膜濾過装置18から製薬用水タンク20に送ることが可能となる。なお、排出配管48に代えて、あるいは併用して、貯留タンクへの還流配管52において、貯留タンク16付近に排出配管を設けた構成としてもよい。
製薬用水タンク20には、圧力センサ20P、温度センサ20T及び水位センサ20Lが設けられている。圧力センサ20Pは製薬用水タンク20の内部の圧力を検出する。温度センサ20Tは、製薬用水タンク20内の温度を検出する。水位センサ20Lは、製薬用水タンク20内の水位を検出する。これらのセンサによって検出されたデータは、図2に示すコンピュータ102に送信される。
第二送水配管46において、排出配管48の分岐部分よりも下流側からは、還流配管52が分岐している。還流配管52の先端は貯留タンク16に接続されている。
第二送水配管46において、還流配管52の分岐部分よりも下流側には開閉弁54が設けられている。開閉弁54を開弁することで、被処理水を膜濾過装置18から製薬用水タンク20に送ることができる。開閉弁54を閉弁することで、膜濾過装置18から製薬用水タンク20への被処理水の流れを遮断できる。なお、製薬用水タンク20に送られる被処理水は、膜濾過装置18によって濾過されており、製薬用水として利用可能な程度に異物が除去されている。
還流配管52には開閉弁56が設けられている。開閉弁56を開弁することで、製薬用水を膜濾過装置18から貯留タンク16に戻す流路が構成される。開閉弁56を閉弁することで、膜濾過装置18から貯留タンク16への製薬用水の流れ(戻り)を遮断することができる。
本開示の技術では、製薬用水タンク20には、製造された製薬用水が貯留される。この製薬用水が加熱されていない場合、製薬用水タンク20には、精製水、又はコールドWFI(Water fot Injention:注射用水)が貯留される。これに対し、貯留タンク16から製薬用水タンク20に至る配管、たとえば第一送水配管32又は第二送水配管46に設けられた不図示の熱交換器により被処理水を加熱した場合、製薬用水タンク20には、たとえば60℃以上85℃以下の温度範囲に加熱された注射用水が貯留される。
製薬用水タンク20には、循環配管60が設けられている。循環配管60には、第二ポンプ26及び熱交換器62が設けられている。第二ポンプ26を駆動することで、製薬用水タンク20に貯留された製薬用水を、一旦製薬用水タンク20の外部に排出し、循環配管60によって、製薬用水タンク20に戻す(循環させる)ことができる。
熱交換器62には図示しない熱源から熱媒が供給されるようになっている。熱交換器62は、この熱媒と、循環配管60を流れる製薬用水との間で熱交換を行い、製薬用水の温度を所定以上に昇温または維持する。このように製薬用水の温度を所定以上とすることで、製薬用水は注射用水として利用可能な状態に維持される。
循環配管60において、熱交換器62の下流側からは供給配管64が分岐している。供給配管64の先端はユースポイント22に接続されている。供給配管64には、開閉弁66が設けられている。開閉弁66を開弁することで、循環配管60を流れる製薬用水を、供給配管64を通じてユースポイント22に送ることができる。
蒸気発生装置14には、蒸気供給配管72の一端が接続されている。蒸気供給配管72は3本に分岐しており、分岐した配管の先端(他端)はそれぞれ貯留タンク16、膜濾過装置18及び製薬用水タンク20に接続されている。蒸気供給配管72には図示しない流路切換弁が設けられており、蒸気発生装置14で発生された蒸気を、貯留タンク16、膜濾過装置18及び製薬用水タンク20のうちの任意の1つ又は複数に供給することができる。
さらに、製薬用水製造システム12は、圧縮気体配管74を有している。圧縮気体配管74の一端はコンプレッサー84に接続されている。圧縮気体配管74は3本に分岐しており、分岐した配管の先端(他端)はそれぞれ貯留タンク16、膜濾過装置18及び製薬用水タンク20に接続されている。圧縮気体配管74には図示しない流路切換弁が設けられており、コンプレッサー84で発生された圧縮気体を、貯留タンク16、膜濾過装置18及び製薬用水タンク20のうちの任意の1つ又は複数に供給することができる。圧縮気体としては、たとえば圧縮空気であってもよく、また、圧縮された窒素ガスであってもよい。これらの圧縮気体からは、製薬用水製造システム12に供給されても、製造される製薬用水の品質に問題がない程度に、不純物が除去されている。
貯留タンク16には、排気配管28の一端が接続されている。排気配管28の他端は大気に開放されている。排気配管28には、開閉弁40が設けられている。開閉弁40は、貯留タンク16側の圧力が、大気側の圧力よりも所定以上高くなった場合に開放される、いわゆるフリーザー弁、例えば孔径0.2μmの疎水性フィルター等である。これにより、貯留タンク16内の圧力は所定の圧力以下に保たれる。
なお、図面において、蒸気発生装置14で発生された蒸気が流れる配管を破線で示している。また、コンプレッサー84で発生された圧縮気体が流れる配管を一点鎖線で示している。さらに、被処理水が流れる配管を実線で示している。ただし、処理水が流れる配管に、圧縮空気を流す場合もある。
図2には、第一実施形態において、製薬用水製造システム12の滅菌処理を制御するコンピュータ102の内部構成が示されている。
コンピュータ102は、プロセッサ104、メモリ106、ストレージ108、表示部110、入力部112、受付部114及び通信部116を有している。
ストレージ108には、コンピュータ102を制御装置として機能させるための制御プログラムが記憶されている。この制御プログラムがメモリ106上で展開され、さらにプロセッサ104において実行されることにより、コンピュータ102は制御装置として機能する。本願の開示の技術では、制御プログラムは、製薬用水製造システム12に対し滅菌処理を行う滅菌プログラム70を含んでいる。
表示部110は、たとえばディスプレイ及び表示ランプ等である。表示部110は、コンピュータ102の状態や、このコンピュータ102に接続された各種機器の状態等を表示する。
入力部112は、たとえばキーボード、マウス及びスイッチ等である、入力部112は、作業者からコンピュータ102に対する各種の入力を受け付ける。
受付部114は、後述するように、製薬用水製造システム12の立ち上げ時に、本願の開示の技術の立ち上げ方法を実行する指示を受け付ける。実質的に、入力部112の一部が受付部114の機能を有するように構成できる。表示部110をタッチパネルとして構成し、入力部112及び受付部114を兼ねるようにしてもよい。
通信部116は、たとえば、圧力センサ16P、温度センサ16T、水位センサ16L、圧力センサ18P、温度センサ18T、圧力センサ20P、温度センサ20T及び水位センサ20Lと通信し、これらのセンサとデータの送受信を行う。また、通信部116は、第一ポンプ24及び第二ポンプ26と通信し、これらのポンプを制御する信号の送受信を行う。さらに、図2では図示を省略しているが、製薬用水製造システム12に設けられた各種の弁と信号の送受信を行い、これらの弁の開閉を制御する。
第一実施形態の製薬用水製造システム12では、製薬用水製造工程が実行されることで、製薬用水が製造される。製薬用水を製造する場合は、まず、前処理装置82で製造された前処理水が貯留タンク16に被処理水として供給される。貯留タンク16に貯留された被処理水は、開閉弁38が開弁された状態で第一ポンプ24が駆動されることで、第一送水配管32を通って膜濾過装置18に供給される。この被処理水は、膜濾過装置18で処理(濾過)されることで、製薬用水となる。製薬用水の一部は、開閉弁56が開弁された状態で還流配管52によって貯留タンク16に戻され、他は開閉弁54が開弁された状態で、製薬用水タンク20に送られる。
次に、第一実施形態の製薬用水製造システム12の滅菌方法、及び作用について説明する。
図3には、第一実施形態の製薬用水製造システム12における滅菌方法を行う場合のフローチャートの一例が示されている。この滅菌方法では、ストレージ108に記憶された滅菌プログラム70がメモリ106上で展開され、プロセッサ104において実行される。滅菌処理は、貯留タンク16と膜濾過装置18とを含む系を蒸気により滅菌することを含む。
[膜濾過装置の封止工程]
製薬用水製造システム12における滅菌方法を実行する場合、まず、上記した製薬用水製造工程が停止される。そして、コンピュータ102は、ステップS102において、膜濾過装置18を封止する。具体的には、開閉弁38及び開閉弁56が閉弁される。また、開閉弁50及び開閉弁54も閉弁される。これにより、膜濾過装置18内から被処理水が流出しなくなり、限外濾過膜18Mに被処理水を接触させた状態が維持される。
[貯留タンク内の蒸気滅菌工程]
次に、コンピュータ102は、ステップS104において、貯留タンク16内を蒸気滅菌する。具体的には、まず、開閉弁36を開弁すると共にコンプレッサー84から圧縮空気を貯留タンク16に供給する。これにより、貯留タンク16に残存している被処理水が排出配管34から排出され、貯留タンク16が水抜きされる。その後、蒸気供給配管74の図示しない開閉弁を閉じることで、コンプレッサー84からの圧縮空気の供給を停止する。また、開閉弁36も閉弁する。さらに、蒸気発生装置14から過熱水蒸気を貯留タンク16に供給することで、貯留タンク16内が滅菌される。実際には、貯留タンク16に接続されている第一送水配管32において、貯留タンク16に通じている部分も蒸気により滅菌される。
[貯留タンク内の冷却・置換工程]
貯留タンク16の滅菌が終了した後、コンピュータ102は、ステップS106において、貯留タンク16内を冷却しつつ、気体の置換を行う。具体的には、蒸気発生装置14から貯留タンク16への蒸気の供給を停止する。そして、コンプレッサー84から、圧縮気体配管74を通じて貯留タンク16に圧縮気体を供給する。圧縮気体によって貯留タンク16内が冷却されると共に、貯留タンク16内の気体が蒸気から圧縮気体に置換される。貯留タンク16内の蒸気は排出配管34から排出される。貯留タンク16内の冷却が終了すると、開閉弁36が閉弁される。
[貯留タンク内の水張り工程]
次に、コンピュータ102は、ステップS108において、貯留タンク16内への水張りを行う。具体的には、まず、前処理装置82から流入配管30を通じて前処理水を貯留タンクに供給する。そして、貯留タンク16内の水量が所定水量に達したら、コンピュータ102は、貯留タンク16への前処理水の供給を停止する。これにより、貯留タンク16は、被処理水が貯留された貯留状態とされる。貯留タンク16内の水量が所定水量に達した否かの判断には、たとえば、水位センサ16Lにより検出された水位を用いることができる。また、貯留タンク16への前処理水の供給流量(単位時間当たりの供給量)が分かっている場合には、供給時間が所定時間に達したことで、貯留タンク16内の水量が所定水量に達したと判断してもよい。
なお、このように貯留タンク16に被処理水を導入している状態では、開閉弁40は開弁されている。これにより、貯留タンク16内の気体は、排気配管28から外部に排出される。
[膜濾過装置内の水抜き工程]
次に、コンピュータ102は、ステップS110において、膜濾過装置18の水抜きを行う。具体的には、開閉弁50を開弁すると共に、コンプレッサー84から、圧縮気体配管74を通じて膜濾過装置18に圧縮気体を供給する。これにより、膜濾過装置18内の被処理水が排出配管48から排出され、膜濾過装置18が水抜きされる。なお、膜濾過装置18の水抜きは、貯留タンク16内への水張りが終了した後でなくてもよい。換言すれば、膜濾過装置18内への水張り(後述する)によって限外濾過膜18Mに被処理水を接触させる前に、貯留タンク16内への水張りが終了していればよい。
[膜濾過装置内の蒸気滅菌工程]
次に、コンピュータ102は、ステップS112において、膜濾過装置18を蒸気滅菌する。具体的には、蒸気発生装置14から、蒸気供給配管72を通じて過熱水蒸気を膜濾過装置18に供給する。これにより、膜濾過装置18内が滅菌される。実際には、膜濾過装置18に接続されている第一送水配管32及び第二送水配管46において、膜濾過装置18に通じている部分も蒸気により滅菌される。なお、排出配管48に代えて、あるいは併用して、還流配管52における貯留タンク16付近に排出配管を設ける構成とした場合には、膜濾過装置18の蒸気滅菌と同時に、この排出配管も蒸気滅菌可能である。この場合、貯留タンク16、膜濾過装置18及び還流配管52で構成される循環系全体を滅菌できる。
[膜濾過装置内の冷却・置換工程]
膜濾過装置18の滅菌が終了した後、コンピュータ102は、ステップS114において、膜濾過装置18内を冷却しつつ、気体の置換を行う。具体的には、蒸気発生装置14から膜濾過装置18への蒸気の供給を停止する。そして、コンプレッサー84から、圧縮気体配管74を通じて膜濾過装置18内に圧縮気体を供給する。圧縮気体によって膜濾過装置18内が冷却されると共に、膜濾過装置18内の気体が蒸気から圧縮気体に置換される。膜濾過装置18内の蒸気は排出配管48から排出される。膜濾過装置18内の冷却が終了すると、開閉弁50が閉弁される。
[膜濾過装置内の水張り工程]
次に、コンピュータ102は、ステップS116において、膜濾過装置18内への水張りを行う。具体的には、開閉弁38を開弁する。貯留タンク16は、被処理水が貯留された貯留状態が維持されている。貯留タンク16内の水位が膜濾過装置18内に水位よりも高ければ、第一ポンプ24を駆動しなくても、重力により貯留タンク16から膜濾過装置18へ被処理水が流れる。すなわち、貯留タンク16内に既に被処理水が貯留されているので、膜濾過装置18の蒸気滅菌後に、この被処理水を直ちに膜濾過装置18に流して膜濾過装置18の水張りを行うことが可能である。重力により膜濾過装置18の水張りを行うので、膜濾過装置18の限外濾過膜18Mの破損のおそれを小さくできる。
また、膜濾過装置18内への水張りは、膜濾過装置18内の温度が100℃以下になった時点、好ましくは65℃以上85℃以下の所定の温度になった時点で開始すると、膜濾過装置18内の限外濾過膜18Mが圧縮気体にさらされている時間を短くできる。この場合、貯留タンク16内に貯留する被処理水の温度を、貯留タンク16内の被処理水の温度と概ね同じ(±10℃の範囲)になるように、貯留タンク16内の被処理水を加熱しておくか、又は貯留タンク16と膜濾過装置18との間の第一送水配管32に加熱装置を設けて加熱することで、加熱した被処理水を膜濾過装置18内に供給することが可能である。
さらに、この方法を用いた場合には、限外濾過膜18Mが圧縮気体にさらされている時間を短くできると共に、膜濾過装置18内の水張り後には限外濾過膜18Mの急激な温度低下を抑制できるため、急激な温度低下による限外濾過膜18Mの劣化の抑制も期待できる。
以上により、製薬用水製造システム12の滅菌が終了する。
なお、貯留タンク16内及び膜濾過装置18内の被処理水の水質が所望の水質になっている場合は、開閉弁38及び開閉弁54を開弁し、開閉弁36、50を閉弁する。そして、第一ポンプ24を駆動することにより、貯留タンク16から膜濾過装置18を経て製薬用水タンク20まで、第一送水配管32及び第二送水配管46を通じて被処理水を送ることができる。
また、この状態で、開閉弁54を閉弁し開閉弁56を開弁すれば、貯留タンク16から膜濾過装置18を経て貯留タンク16まで、第一送水配管32、第二送水配管46の一部、及び還流配管52を通じて被処理液を循環させることができる。
開閉弁66を閉弁した状態で第二ポンプ26を駆動することで、製薬用水タンク20に貯留された製薬用水を、製薬用水タンク20から循環配管60を通り、製薬用水タンク20に循環させることが可能である。また、この状態で開閉弁66を開弁することで、製薬用水タンク20からユースポイント22へ、循環配管60の一部及び供給配管64を通じて製薬用水を送ることが可能である。循環配管60には熱交換器62が設けられており、熱交換器62によって製薬用水を所定の温度に昇温することで、製薬用水を注射用水として使用することも可能である。
以上説明したように、第一実施形態の製薬用水製造システムの滅菌方法では、蒸気により貯留タンク16の滅菌を行った後に、貯留タンク16に被処理水を貯留した状態とする。そして、蒸気により膜濾過装置18の滅菌を行った後に、既に貯留タンク16に貯留されている被処理水を膜濾過装置18に導入する。ここで、比較例として、膜濾過装置18の滅菌が終了した段階で貯留タンク16に被処理水が貯留されていない構成を想定する。比較例の構成では、貯留タンク16に被処理水を貯留した後に、この貯留された被処理水を膜濾過装置18に導入するので、被処理水が膜濾過装置18の限外濾過膜18Mに接触するまでの時間が長くなる。しかし、第一実施形態では、蒸気により貯留タンク16の滅菌を行った後に、貯留タンク16に貯留されている被処理水を膜濾過装置18に導入するので、限外濾過膜18Mに被処理水が接触していない時間が継続しない。このため、従来から金属製機器に対して行われてきた蒸気滅菌を限外濾過膜18Mに適用した場合でも、限外濾過膜18Mに被処理水が接触しない時間が継続することに起因する限外濾過膜18Mの劣化を抑制できる。すなわち、本開示の技術によれば、限外濾過膜18Mの蒸気滅菌を、限外濾過膜18Mの劣化なく行うことが可能な製薬用水製造システム12の滅菌方法が得られる。
なお、上記では、膜濾過装置18内の水張りを、貯留タンク16内に貯留された被処理水を用いて行っているが、貯留タンク16とは別のタンクを設け、このタンクに貯留した被処理水を用いて、膜濾過装置18内に水張りを行うようにしてもよい。すなわち、膜濾過装置18内の水張りの開始時点で、貯留タンク16とは別に設けたタンクが被処理水の貯留状態になっていれば、このタンクから被処理水を膜濾過装置18内に送る。これにより、蒸気により貯留タンク16の滅菌を行った後に、限外濾過膜18Mに被処理水が接触していない時間が継続しない方法を実現できる。貯留タンク16とは別に設けたタンクは、製薬用水製造システム12を構成しているタンクに限らず、製薬用水製造システム12を構成していないタンクであってもよい。たとえば、タンクを搭載した車両を用意し、この車両に搭載されたタンクを、本開示の製薬用水製造システムの滅菌方法に用いてもよい。タンクへの被処理水の貯留は、製薬用水製造システム12の設置現場において行ってもよい。
なお、膜濾過装置18を蒸気により滅菌した後、限外濾過膜の乾燥を抑制するためには、たとえば、貯留タンク16に被処理水を貯留させながら、貯留タンク16から膜濾過装置18に被処理水を送る構成も考えられる。しかし、貯留タンク16に十分な量の被処理水が貯留されていない状態で、貯留タンク16から膜濾過装置18に被処理水を送ると、被処理水中にエアが混入し、膜濾過装置18に送られてしまうおそれがある。また、貯留タンク16から膜濾過装置18に被処理水を送る場合に、断続的に送水してしまうと、いわゆるウォーターハンマーによって、被処理水が衝撃的に限外濾過膜に当たり、限外濾過膜の損傷を招くおそれがある。しかし、本開示の技術では、貯留タンク16に十分な量の被処理水を貯留し、この被処理水を膜濾過装置18に送るので、被処理水にエアが混入しない。また、貯留タンク16から連続的に膜濾過装置18に被処理液を送ることで、いわゆるウォーターハンマーによる限外濾過膜18Mの損傷を抑制できる。
次に、第一実施形態の変形例について説明する。変形例において、第一実施形態と同様の要素、部材等については同一符号を付して、詳細な説明を省略する。
図4に示すように、変形例の製薬用水製造システム92では、第一送水配管32から、循環配管94が分岐している。循環配管94の一端(第一送水配管32からの分岐部)は、第一送水配管32において、第一ポンプ24よりも下流で、開閉弁38よりも上流の位置である。循環配管94の他端は、貯留タンク16に接続されている。
循環配管94には、開閉弁96が設けられている。開閉弁96を開弁することで、被処理水が第一送水配管32との分岐部から循環配管94を流れ貯留タンク16に戻す(循環させる)ことが可能である。
このような構成とされた変形例の製薬用水製造システム92では、貯留タンク16に所定の水位まで被処理水を貯留しなくても、上記したウォーターハンマーを抑制して貯留タンク16から膜濾過装置18に被処理水を送ることができる。
具体的には、開閉弁38を閉弁し、開閉弁96を開弁した状態として、第一ポンプ24を駆動する。これにより、貯留タンク16内の被処理水が、第一送水配管32における分岐部から循環配管94を通って貯留タンク16内に戻る流れが実現される。この状態で、徐々に開閉弁38を開弁することで、貯留タンク16から膜濾過装置18へ徐々に被処理水が流れる。このため、いわゆるウォーターハンマーによる限外濾過膜18Mの劣化を抑制しつつ、膜濾過装置18に被処理水を供給して膜濾過装置18の水張りを行うことができる。
第二実施形態では、常に第一送水配管32及び循環配管94を流れる被処理水の循環を行うことで、第一送水配管32及び循環配管94での被処理水の滞留を抑制できる。
次に、第二実施形態について説明する。第二実施形態において、製薬用水製造システムの全体構成及びコンピュータの構成は第一実施形態として示した図1及び図2と同様であるので図示を省略する。また、第二実施形態においても、製薬用水製造システム12の滅菌方法を実行する場合、まず、製薬用水製造工程は停止される。
図5には、第二実施形態の製薬用水製造システムの滅菌方法を行う場合のフローチャートの一例が示されている。この滅菌方法では、第一実施形態と同様に、ストレージ108に記憶された滅菌プログラム70がメモリ106上で展開され、プロセッサ104において実行される(図2参照)。滅菌処理は、貯留タンク16と膜濾過装置18とを含む系を蒸気により滅菌することを含む。第二実施形態において、製薬用水製造システム12の滅菌方法を実行する場合には、貯留タンク16内には被処理水が貯留された貯留状態が維持されている。
[膜濾過装置内の水抜き工程]
コンピュータ102は、ステップS142において、膜濾過装置18の水抜きを行う。具体的には、第一実施形態と同様に、開閉弁50を開弁すると共に、コンプレッサー84から、圧縮気体配管74を通じて膜濾過装置18に圧縮気体を供給する。これにより、膜濾過装置18内の被処理水が排出配管48から排出され、膜濾過装置18が水抜きされる。
[膜濾過装置内の蒸気滅菌工程]
次に、コンピュータ102は、ステップS144において、膜濾過装置18を蒸気滅菌する。蒸気発生装置14から、蒸気供給配管72を通じて過熱水蒸気を膜濾過装置18に供給することにより、膜濾過装置18内が滅菌される。膜濾過装置18に接続されている第一送水配管32及び第二送水配管46において、膜濾過装置18に通じている部分も蒸気により滅菌される。
[膜濾過装置内の冷却・置換工程]
膜濾過装置18の滅菌が終了した後、コンピュータ102は、ステップS146において、膜濾過装置18内を冷却しつつ、気体の置換を行う。すなわち、蒸気発生装置14から膜濾過装置18への蒸気の供給を停止し、コンプレッサー84から、圧縮気体配管74を通じて膜濾過装置18内に圧縮気体を供給する。これにより、膜濾過装置18内が冷却されると共に、膜濾過装置18内の気体が蒸気から圧縮気体に置換される。膜濾過装置18内の蒸気は排出配管48から排出される。膜濾過装置18内の冷却が終了すると、開閉弁50が閉弁される。
[膜濾過装置内の水張り工程]
次に、コンピュータ102は、ステップS148において、膜濾過装置18内への水張りを行う。具体的には、開閉弁38を開弁する。貯留タンク16内の水位が膜濾過装置18内に水位よりも高ければ、第一ポンプ24を駆動しなくても、重力により貯留タンク16から膜濾過装置18へ被処理水が流れる。すなわち、貯留タンク16内に既に被処理水が貯留されているので、膜濾過装置18の蒸気滅菌後に、この被処理水を直ちに膜濾過装置18に流して膜濾過装置18の水張りを行うことが可能である。
[膜濾過装置の封止工程]
そして、コンピュータ102は、ステップS150において、膜濾過装置18を封止する。開閉弁38、開閉弁56、開閉弁50及び開閉弁54が閉弁される。
[貯留タンク内の蒸気滅菌工程]
次に、コンピュータ102は、ステップS152において、貯留タンク16内を蒸気滅菌する。すなわち、開閉弁36を開弁し、コンプレッサー84から圧縮空気を貯留タンク16に供給することにより、貯留タンク16の被処理水が排出配管34から排出され、貯留タンク16が水抜きされる。その後、コンプレッサー84からの圧縮空気の供給を停止し、開閉弁36も閉弁する。そして、蒸気発生装置14から過熱水蒸気を貯留タンク16に供給する。貯留タンク16に接続されている第一送水配管32において、貯留タンク16に通じている部分も蒸気により滅菌される。
[貯留タンク内の冷却・置換工程]
貯留タンク16の滅菌が終了した後、コンピュータ102は、ステップS154において、貯留タンク16内の冷却しつつ、気体の置換を行う。すなわち、蒸気発生装置14から貯留タンク16への蒸気の供給を停止し、コンプレッサー84から、圧縮気体配管74を通じて貯留タンク16に圧縮気体を供給する。圧縮気体によって貯留タンク16内が冷却され、貯留タンク16内の気体が蒸気から圧縮気体に置換される。貯留タンク16内の蒸気は排出配管34から排出される。貯留タンク16内の冷却が終了すると、開閉弁36が閉弁される。
[貯留タンク内の水張り工程]
次に、コンピュータ102は、ステップS156において、貯留タンク16内への水張りを行う。すなわち、前処理装置82から流入配管30を通じて前処理水を貯留タンクに供給する。そして、貯留タンク16内の水量が所定水量に達したら、コンピュータ102は、貯留タンク16への前処理水の供給を停止する。貯留タンク16内の水量が所定水量に達した否かの判断には、たとえば、第一実施形態と同様に、水位センサ16Lにより検出された水位を用いることができる。また、貯留タンク16への前処理水の供給流量(単位時間当たりの供給量)が分かっている場合には、供給時間が所定時間に達したことで、貯留タンク16内の水量が所定水量に達したと判断してもよい。
貯留タンク16に被処理水を導入している状態では、開閉弁40は開弁状態とされ、貯留タンク16内の気体は、排気配管28から外部に排出される。
以降は、第一実施形態と同様に、貯留タンク16内及び膜濾過装置18内の被処理水の水質を確認する。被処理水の水質が所望の水質になっている場合は、製薬用水タンク20に貯留された製薬用水を、循環配管60で循環させると共に、ユースポイント22へ送ることが可能である。
なお、第二実施形態においても、貯留タンク16とは別のタンクを設け、膜濾過装置18内の水張りを、このタンクに貯留した被処理水を用いて行うようにしてもよい。
上記では、貯留タンク16内を蒸気滅菌している状態で、貯留タンク16に接続されている各種配管についても、貯留タンク16と通じている部分には蒸気が流れるので、蒸気滅菌できる。同様に、膜濾過装置18内を蒸気滅菌している状態で、膜濾過装置18に接続されている各種配管についても、膜濾過装置18と通じている部分を蒸気滅菌できる。たとえば、膜濾過装置18内を蒸気滅菌している状態で、開閉弁56を開弁すれば、蒸気が第二送水配管46の一部を経て還流配管52を流れる。すなわち、膜濾過装置18内の蒸気滅菌に併せて、第二送水配管46の一部及び還流配管52も蒸気滅菌できる。
本開示の技術において、タンク(貯留タンク16であっても、貯留タンク16とは別に設けるタンクでもよい)又は第一送水配管32に、熱交換器等の温度調整手段を設けてもよい。これにより、タンクから膜濾過装置18内に送られる被処理水の温度を所望の温度に調整できる。たとえば、タンクに被処理水が貯留されていない構成と比較して、タンク又は第一送水配管32に温度調整手段を設けた構成では、短時間で膜濾過装置18内の温度低下速度の調整をすることが可能である。
上記では、本開示の技術における滅菌方法を適用する製薬用水製造システムとして、製薬用水製造システムを例示したが、製薬用水製造システムは、製薬用水製造システムに限定されない。たとえば、各種機器の洗浄水を製造する洗浄水製造システム、食品用の原材料水を製造する食品用水製造システム、化学実験・分析用の化学用水製造システム等に適用してもよい。
本開示の技術を実施例により、比較例と比較しつつ具体的に説明する。
実施例及び比較例では、第一実施形態の製薬用水製造システムを用い、以下の表1に示す条件で貯留タンク16及び膜濾過装置18の蒸気滅菌を行っている。そして、これらの場合の、限外濾過膜18Mの劣化の程度を評価している。評価にあたっては、JIS-L1013に規定される化学繊維フィラメント糸試験方法の引張伸度保持率を用いた。また、蒸気温度は、排出配管48にて測定した。
表1の引張伸度保持率は、限外濾過膜18Mの劣化の程度を示す指標の一つであり、たとえば限外濾過膜18Mが劣化していない状態では、この数値は100%である。
この表1に示すように、比較例では、蒸気滅菌回数が10回に達した段階で、限外濾過膜18Mの引張伸度保持率は約70%減少している。これは、比較例の方法では、貯留タンク16内に被処理水を所定量まで貯留する時間を約30分要するため、その間に、限外濾過膜18Mが乾燥し、透水性が低下すること、及び伸長伸度が低下し、限外濾過膜18Mの強度が低下するためであると考えられる。これに対し、実施例では、蒸気滅菌回数が50回に達した段階であっても、限外濾過膜18Mの引張伸度保持率に変化はなく、限外濾過膜18Mの劣化が抑制されていることが分かる。
12 製薬用水製造システム
14 蒸気発生装置
16 貯留タンク
16C 導電率センサ
16L 水位センサ
16P 圧力センサ
16T 温度センサ
18 膜濾過装置
18C 導電率センサ
18M 限外濾過膜
18P 圧力センサ
18T 温度センサ
20 製薬用水タンク
20L 水位センサ
20P 圧力センサ
20T 温度センサ
22 ユースポイント
24 第一ポンプ
26 第二ポンプ
28 排気配管
30 流入配管
32 開閉弁
32 第一送水配管
34 排出配管
36 開閉弁
38 開閉弁
40 開閉弁
46 第二送水配管
48 排出配管
50 開閉弁
52 還流配管
54 開閉弁
56 開閉弁
60 循環配管
62 熱交換器
64 供給配管
66 開閉弁
70 滅菌プログラム
72 蒸気供給配管
74 圧縮気体配管
74 蒸気供給配管
82 前処理装置
84 コンプレッサー
92 製薬用水製造システム
94 循環配管
96 開閉弁
102 コンピュータ

Claims (4)

  1. 貯留タンクから送られた被処理水を限外濾過膜を備えた膜濾過装置で濾過する製薬用水製造システムの滅菌方法であって、
    前記被処理水をタンクに貯留することにより前記タンクを貯留状態とし、
    前記膜濾過装置から前記被処理水を排出し前記膜濾過装置を蒸気により滅菌した後に前記膜濾過装置に前記貯留状態を維持している前記タンクから前記被処理水を送り前記限外濾過膜に前記被処理水を接触させる、
    製薬用水製造システムの滅菌方法。
  2. 前記タンクが前記貯留タンクである、請求項1に記載の製薬用水製造システムの滅菌方法。
  3. 前記貯留タンクを前記貯留状態とすることを、前記貯留タンクから前記被処理水を排出し前記貯留タンクを蒸気により滅菌した後に前記貯留タンクに前記被処理水を貯留することにより行う、
    請求項2に記載の製薬用水製造システムの滅菌方法。
  4. 前記膜濾過装置に前記貯留タンクから前記被処理水を送り前記限外濾過膜に前記被処理水を接触させた後に、
    前記貯留タンクから前記被処理水を排出し前記貯留タンクを蒸気により滅菌した後に前記貯留タンクに前記被処理水を貯留する、
    請求項2に記載の製薬用水製造システムの滅菌方法。
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