JP5260114B2 - N−アルコキシカルボニル−tert−ロイシンの製造法 - Google Patents

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Description

本発明は、医薬品又は農薬の中間体として有用なN−アルコキシカルボニル−tert−ロイシンの製造法に関する。
N−アルコキシカルボニル−tert−ロイシンの製造法としては、これまで下記の二つの方法が既に知られている。
1)過剰のN−アルコキシカルボニル化剤を用いて、pH=11−13を維持しながらN−アルコキシカルボニル−tert−ロイシンを製造する方法。(特許文献1)。
2)事前に過剰量の水酸化ナトリウムを添加しておいたtert−ロイシンの強塩基性水溶液に、1.00当量のN−アルコキシカルボニル化剤を加える事で、N−アルコキシカルボニル−tert−ロイシンを製造する方法。(特許文献2)。
特開2004−175703 特表2001−501216
N−アルコキシカルボニル化反応は、塩基性条件で進行する反応であるが、反応が進行して、アミノ基が保護され、また、酸性化合物、例えば塩酸や炭酸が副生することに伴い、通常、反応液のpHは低下傾向を示す。従い、アミノ基の反応性を維持するには、塩基の併用により反応pHを管理する必要がある。
pH管理を行いつつN−アルコキシカルボニル−tert−ロイシンを製造する方法としては、例えば、特許文献1の手法が知られているが、この特許文献1では、pH=11〜13と狭い範囲で管理する事が必要であり、このpH範囲を逸脱すると急激に収率、品質が低下するとされている。
しかし、狭い範囲でpH管理をすることは容易ではなく、医薬品又は農薬という高品質を要求される分野で安定生産を行う上では、大きな課題となる。
一方、特許文献2で報告されている過剰量の塩基を前もって添加しておくことで溶液のpHを強塩基性に保ちつつ、N-アルコキシカルボニル化剤を理論当量用いて、N-アルコキシカルボニル−tert−ロイシンを製造する方法については、本発明者らの検討によると、操作法が簡便であるものの、N-アルコキシカルボニル化剤が強塩基性条件下で分解することにより、反応が完全に終了せず、低収率となり、必ずしも効率的な製造方法とはいえないことがわかった。
本発明者らは、これらの技術課題について、鋭意検討した結果、N−アルコキシカルボニル−tert−ロイシンの製造においては、N−アルコキシカルボニル化剤の使用量が不純物の副生に密接な関係を持つこと、さらには、意外にもこのN−アルコキシカルボニル化剤の使用量の効果が、塩基性試剤を添加することによりpH9〜13の範囲を維持した場合に発揮されることを見出した。すなわち、N−アルコキシカルボニル化剤の使用量を理論当量まで抑え、尚且つ、塩基性pH調整剤でpHを9〜13の範囲で管理することにより、簡便な操作で高収率かつ高品質でN−アルコキシカルボニル−tert−ロイシンを製造できることを見出した。
即ち、本発明は、を用いて溶液のpHを9〜13の範囲内に制御しつつ、tert−ロイシンに対して、0.90倍モル以上1.00倍モル以下のN−アルコキシカルボニル化剤を水存在下で作用させることを特徴とする、N−アルコキシカルボニル−tert−ロイシンの製造法に関する。
本発明にかかる方法によれば、簡便な操作で高収率かつ高品質でN−アルコキシカルボニル−tert−ロイシンを製造することができる。従って、本発明にかかる方法は、工業的生産に好適に使用することができる。
本発明で使用するtert−ロイシンの光学純度には特に制限は無く、光学活性体でも良く、ラセミ体でも良く、またL体とD体が任意の比で混合されていても良い。なお、本発明にかかる方法によれば、通常、得られるN−アルコキシカルボニル−tert−ロイシンの光学純度は保持される。
本発明におけるN−アルコキシカルボニル化反応は、水存在下で行われる限りにおいては特に制限はなく、水のみ、水と水に相溶する有機溶媒の混合系、水と水に相溶しない有機溶媒との二相系、いずれも好適に使用できる。
水と混合して用いる事が出来る有機溶媒としては、化学的性質の観点からは、塩基性条件下においてtert−ロイシンやN−アルコキシカルボニル化剤との反応性が乏しい事が好ましいが、沸点や融点といった物理的性質については、特に制限は無い。使用可否は、簡便な実験によって、容易に判断する事が出来るが、例えば、アセトニトリル、アセトン、テトラヒドロフラン、トルエンが使用可能な溶媒として挙げられる。
用いる溶媒量については、特に制約は無く、tert−ロイシンが完全に溶解した状態から反応を実施しても、完全に溶解していない状態から反応しても、いずれでも良い。また、必ずしも、生成したN−アルコキシカルボニル−tert−ロイシンが完全に溶解するだけの溶媒量を用いる必要も無い。但し、好適な反応性、製造効率、及び、液の流動性を得る為には、溶媒量は好ましくはtert−ロイシンに対して、1.0倍重量以上20.0倍重量以下であり、更に好ましくは、2.0倍重量以上15.0倍重量以下である。
また、共存物という観点では、有機溶媒以外にも、無機塩が共存していても構わない。共存可能な無機塩としては、硫酸ナトリウム、塩化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、硫酸ナトリウムや塩化アンモニウムなどが挙げられるが、これらに制限されるものではなく、共存の可否は、簡便な実験によって、容易に判断する事が出来る。
反応温度としては、特に制限されないが、一般には、溶液の凝固点〜沸点の範囲で選択し、好ましくは0℃から30℃である。尚、溶液の沸点は、一般に、圧力に依存するが、反応時の圧力についても、常圧以外、減圧下、加圧下、いずれも選択可能である。これらは簡便な実験によって容易に設定できる。
反応に用いるN−アルコキシカルボニル化剤は、アミノ酸のアミノ基をN−アルコキシカルボニル化できる化合物であれば特に制限は無いが、好ましくは、クロロギ酸アルキルエステル、又は、ジアルキルジカーボネートであり、さらに好ましくは、アルキル基の炭素数が1〜10のクロロギ酸アルキルエステル、又は、ジアルキルジカーボネートであり、具体的な化合物としては、クロロギ酸メチル、クロロギ酸エチル、クロロギ酸ベンジル、ジ−tert−ブチル−ジカーボネート、ジメチル−ジカーボネートが挙げられる。なお、N−アルコキシカルボニル化剤は、そのまま用いても、有機溶媒の溶液として用いても、いずれでも良い。
本発明においては、N−アルコキシカルボニル化剤の使用量を理論当量まで抑え、尚且つpHを9〜13の間で制御することが、高収率かつ高品質なN−アルコキシカルボニル−tert−ロイシンを製造するために最も重要な要因である。以下にその詳細を説明する。
本発明にかかる方法においては、反応時のpHを9〜13の範囲で制御する。pHが9を下回ると、tert−ロイシンの反応性が著しく低下し、反応が完結しないだけでなく、N−アルコキシカルボニル化剤の使用量を限定していたとしても、副反応の進行が顕著となりN−アルコキシカルボニル−tert−ロイシンの収率と品質が低下するためである。一方、反応pHを9以上で保った場合でも、pHが13を超えると、N−アルコキシカルボニル化剤の分解が顕著となり、やはり反応が完結しなくなる。より安定した製品が得られやすいという観点から、好ましくはpH9〜11である。なお、商業的な規模の生産においては、pH10〜11を中心に制御することがよく、その範囲外に振れたとしても、本発明の条件下であれば品質や収率に影響することはないので、安定した生産が可能となる。
pH調整に用いる塩基性試剤としては、無機塩基又は3級アミン類を用いるが、汎用性の観点からは特に無機塩基が好適に利用される。
無機塩基を用いる場合、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等のアルカリ金属炭酸水素塩、などが使用可能な化合物として挙げられ、塩基性の強さの点から水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩が好ましい。一方、3級アミン類を用いる場合は、トリエチルアミンやトリイソプロピルアミン、ピリジンなどが挙げられる。
これらの塩基類は、そのまま用いても、水又は有機溶媒に溶解して用いても、いずれでも良いが、添加した塩基が速やかに反応液中で分散するためには、溶液状態で用いることが好ましく、固体の塩基性試剤は水又は有機溶媒に溶解して用いることが好ましい。尚、言うまでも無く、液体の塩基性試剤を水又は有機溶媒に溶解して用いることも可能である。
塩基性試剤を溶解する有機溶媒としては、化学的性質の観点からは、塩基性試剤と反応しない事、塩基性条件下においてtert−ロイシンやN−アルコキシカルボニル化剤との反応性が乏しい事が好ましいが、沸点や融点といった物理的性質については、特に制限は無い。使用可否は、簡便な実験によって、容易に判断する事が出来るが、例えば、アセトニトリル、アセトン、テトラヒドロフラン、トルエンが使用可能な溶媒として挙げられる。
塩基性試剤を水又は有機溶媒に溶解して用いる場合、その濃度については特に制限が無いが、製造効率の観点からは、高濃度であることが好ましい。特に、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウムは水に易溶であり、高濃度の水溶液として使用することができ、この場合は、30重量%以上50重量%以下の濃度で用いることが好ましい。
pHを維持するために塩基性試剤を添加する方法については、特に制限無く、例えば、N−アルコキシカルボニル化剤の添加開始時より都度塩基性試剤を添加することでpHを範囲内に維持しつつ反応の完結を待っても、N−アルコキシカルボニル化剤と塩基性試剤を交互に添加しても、N−アルコキシカルボニル化剤と塩基性試剤を同時に添加しても、良い。
もうひとつの制御を要する因子となっているN−アルコキシカルボニル化剤の使用量について以下に説明する。
本発明にかかる方法においては、tert−ロイシンに対して0.90倍モル以上1.00倍モル以下、より好ましくは、0.95倍モル以上0.99倍モル以下のN−アルコキシカルボニル化剤を用いて反応を行う。N−アルコキシカルボニル化剤がtert−ロイシンよりも過剰に存在すると、反応pHを上記9〜13の範囲内に制御していたとしても、副反応が進行し、N−アルコキシ−tert−ロイシンの収率と品質が低下する。また、過剰のN−アルコキシカルボニル化剤やN−アルコキシカルボニル化剤の分解物が不純物として混入してくる。一方、N−アルコキシカルボニル化剤の使用量が少なければ、これらの不純物の副生が抑制されるものの、理論当量よりも極度に少ない使用量では、収率が低下する。また、この収率の低下は、未反応のtert−ロイシンの混入を招き、品質面でも不利となる。
N−アルコキシカルボニル化剤の添加速度としては、pHを制御できる速度であれば特に制限されないが、製造効率の観点から、好ましくは50時間以内であり、より好ましくは1時間以上20時間以内である。
反応時の撹拌速度としては、N−アルコキシカルボニル化剤や塩基性試剤が局所的に過剰にならない程度に撹拌されていれば良い。
N−アルコキシカルボニル化剤添加後の撹拌時間については、反応が完結するのに十分な時間を設定していれば特に制限されないが、製造効率の観点から、好ましくは50時間以内であり、より好ましくは1時間以上20時間以内である。
このようにして得られたN−アルコキシ−tert−ロイシンを含む反応液は、必要に応じて、適切なpHのもと有機溶媒での抽出操作に供することで、反応液中の無機塩やtert−ロイシン、水溶性有機化合物を除去することが出来る。また、得られた反応液又は抽出液を公知の晶析操作に供することで、N−アルコキシ−tert−ロイシンを高純度の結晶として単離することが出来る。この結晶として単離する操作としては、例えば、生成したN−アルコキシ−tert−ロイシンを酸性条件下、加温状態で芳香族炭化水素溶剤に抽出した後、これを濃縮及び冷却晶析する方法などが挙げられる。
以下に本発明の実施例を記載するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
L−tert−ロイシン(13.2g、0.10mol)を含む水溶液(72.4g)に、15重量%の水酸化ナトリウム水溶液を加えてpH13.0に調整後、25℃以下に制御しつつ、クロロギ酸メチル(9.52g、0.10mol、1.00当量)をゆっくりと加えた。この時、クロロギ酸メチルを添加するに従いpHが低下したが、15重量%水酸化ナトリウム水溶液を並行して添加することにより、溶液のpHを10.0−12.8で維持した。クロロギ酸メチルの添加終了後、2時間撹拌した後、HPLCを用いて、収率と品質を分析した。
収率:98%、反応選択率:100%
なお実施例において収率は、以下の計算式を用いて計算した。
収率(%)=(生成したN−アルコキシカルボニル−L−tert−ロイシン全量)×100/(使用L−tert−ロイシン全量)。
一方、反応選択率は、反応に消費されたL−tert−ロイシンに対する、得られたN−アルコキシカルボニル−L−tert−ロイシンの割合であり、反応選択率が高いほど、tert−ロイシンに由来する不純物が抑制されていることを表し、以下の計算式を用いて計算した。
反応選択率(%)=(収率)×100/((使用L−tert−ロイシン全量)−(残存L−tert−ロイシン量))
なお、N−アルコキシカルボニル−tert−ロイシンの定量分析は、HPLCを用いて行った。カラムとしては、Waters Symmetry C18(3.5μm、150mm X 4.6mm i.d.)を用い、移動相としては、0.1重量%リン酸水溶液をA液として、アセトニトリルをB液として下記の比率で使用した。流速は1ml/minとし、カラム温度は、35℃とし、検出器として、UV(210nm)検出器を用いて、分析を行った。
Figure 0005260114
L−tert−ロイシンの定量分析は、カラムとして、CAPCELLPAKSCX(250mm X 4.6mm i.d.)を用い、移動相としては、リン酸緩衝液(pH=3.3)とアセトニトリルを容量比で95:5に混合した溶液を用い、流速は1.0mL/minとし、カラム温度は、35℃とし、検出器として、示差屈折率計を用いて、分析を行った。
以下の実施例においても同様の計算を行った。
(実施例2)
L−tert−ロイシン(30.03g、0.23mol)を含む水溶液(303.37g)を10℃に冷却し、30重量%の水酸化ナトリウム水溶液を用いて溶液のpHを9.0−9.5に制御しつつ、クロロギ酸メチル(21.63g、0.23mol、1.00当量)をゆっくりと加えた。添加終了後、引き続き10℃で12時間撹拌した後、HPLCを用いて、収率と不純物の副生量を分析した。
収率:97%、反応選択率:99%
(実施例3〜6)
pHを9.5−10.0、10.0−10.5、10.5−11.0、9.0−13.0に制御した以外は、実施例2と同様に行った。
Figure 0005260114
(実施例7)
L−tert−ロイシンを含む水溶液を20℃に冷却した以外は、実施例6と同様に行った。
収率:97%、反応選択率:99%
(実施例8)
L−tert−ロイシンの代わりにD−tert−ロイシンを用いた以外は、実施例6と同様に行った。
D−tert−ロイシンの分析は、L−tert−ロイシンと同様に実施した。
収率:97%、反応選択率:99%
(実施例9)
L−tert−ロイシンの代わりにラセミ体のtert−ロイシンを用いた以外は、実施例6と同様に行った。
ラセミ体のtert−ロイシンの分析は、L−tert−ロイシンと同様に実施した。
収率:97%、反応選択率:98%
(比較例1)
L−tert−ロイシン(85.0g、0.65mol)を15質量%水酸化ナトリウム水溶液(191.7g)に溶解し、さらに5〜15℃に保ちながらクロロギ酸メチル(68.9g、0.73mol、1.13当量)を1時間かけて反応液に滴下した。その際、15質量%水酸化ナトリウムを適宜添加し、反応液のpHを9.0〜9.5に保ちながら反応を行った。クロロギ酸メチル滴下終了後、20℃でさらに1時間撹拌した。
収率:90%、反応選択率:90%
(比較例2)
pHを10.0−10.5として反応した以外は、比較例1と同様に行った。
収率:93%、反応選択率:93%
(比較例3)
pHを13.5−14.0として反応した以外は、比較例1と同様に行った。
収率:82%、反応選択率:97%
(比較例4)
L−tert−ロイシン(2.18g、0.017mol)と、水酸化ナトリウム(2.35g、0.059mol)を含む水溶液29.3gにジオキサン9.1mlを加えた後、室温でクロロギ酸メチル(1.57g、0.017mol、1.00当量)をゆっくりと添加した。添加終了後、60℃に昇温し、14時間攪拌した。得られた溶液をHPLCにて分析したところ、N−メトキシカルボニルーtert−ロイシンの生成量はわずか1.0gであった。なお、得られた溶液のpHは、30℃でpH13.9を示していた。また、反応開始時のpHも14を超えていた。
収率:33%、反応選択率:63%
(実施例10)
L−tert−ロイシン(10.36g、0.079mol)を含む水溶液(101.06g)を5℃に冷却し、48重量%の水酸化ナトリウム水溶液を用いて溶液のpHを9.0−9.5に制御しつつ、クロロギ酸ベンジル(13.49g、0.079mol、1.00当量)をゆっくりと加えた。添加終了後、引き続き20℃で14時間撹拌した後、HPLCを用いて、収率と不純物の副生量を分析した。
収率:96%、反応選択率:97%
(実施例11、12)
反応時のpHを10.0−10.5、9.0−13.0に制御した以外は、実施例10と同様に行った。
Figure 0005260114
(実施例13)
L−tert−ロイシンを含む水溶液を20℃に冷却した以外は、実施例12と同様に行った。
収率:97%、反応選択率:98%
(実施例14)
L−tert−ロイシンの代わりにD−tert−ロイシンを用いた以外は、実施例12と同様に行った。
収率:97%、反応選択率:98%
(実施例15)
L−tert−ロイシンの代わりにラセミ体のtert−ロイシンを用いた以外は、実施例12と同様に行った。
収率:97%、反応選択率:99%
(比較例5)
クロロギ酸メチルの代わりにクロロギ酸ベンジルを用いた以外は、比較例1と同様に行った。
収率:90%、反応選択率:90%
(比較例6)
反応時のpHを10.0−10.5で保持した以外は、比較例5と同様に行った。
収率:94%、反応選択率:94%
(比較例7)
反応時のpHを14.0以上で保持した以外は、実施例10と同様に行った。
収率:86%、反応選択率:95%
(実施例16)
クロロギ酸メチルの代わりにクロロギ酸エチルを用いた以外は、実施例6と同様に行った。
収率:97%、反応選択率:98%
(実施例17)
L−tert−ロイシン(20.5g、0.16mol)を含む水溶液(250.5g)を7℃に冷却し、これに48%重量%の水酸化ナトリウムを16.5g添加した後、pHを9.4−10.8に保持しつつ、ジーtert−ブチル−ジカーボネート(34.92g、0.16mol、1.00当量)をゆっくりと加えた。添加終了後、引き続き20℃以下で14時間撹拌した後、HPLCを用いて、収率と不純物副生量を分析した。
収率:96%、反応選択率:98%
(実施例18)
L−tert−ロイシンの代わりにD−tert−ロイシンを用いた以外は、実施例17と同様に行った。
収率:97%、反応選択率:97%
(実施例19)
L−tert−ロイシンの代わりにラセミ体のtert−ロイシンを用いた以外は、実施例17と同様に行った。
収率:96%、反応選択率:98%
(比較例8)
クロロギ酸メチルの代わりにジーtert−ブチル−ジカーボネートを用い、20℃から30℃を保った以外は、比較例1と同様に行った。
収率:89%、反応選択率:89%
(比較例9)
反応時のpHを10.0−10.5で保持した以外は、比較例8と同様に行った。
収率:92%、反応選択率:92%

Claims (7)

  1. 塩基性試剤を用いて溶液のpHを9〜13の範囲内に制御しつつ、tert−ロイシンに対して、0.90倍モル以上1.00倍モル以下のN−アルコキシカルボニル化剤を水存在下で作用させることを特徴とする、N−アルコキシカルボニル−tert−ロイシンの製造法。
  2. tert−ロイシンとN−アルコキシカルボニル化剤を作用させる時のpHが9以上11以下である事を特徴とする、請求項1記載のN−アルコキシカルボニル−tert−ロイシンの製造法。
  3. N−アルコキシカルボニル化剤が、クロロギ酸アルキルエステル又はジアルキルジカーボネートである事を特徴とする、請求項1または2記載のN−アルコキシカルボニル−tert−ロイシンの製造法。
  4. N−アルコキシカルボニル化剤が、アルキル基の炭素数が1〜10であるクロロギ酸アルキルエステル又はジアルキルジカーボネートである事を特徴とする、請求項3記載のN−アルコキシカルボニル−tert−ロイシンの製造法。
  5. N−アルコキシカルボニル化剤が、クロロギ酸メチル、クロロギ酸エチル、クロロギ酸ベンジル、ジ−tert−ブチル−ジカーボネートのいずれかである事を特徴とする、請求項4記載のN−アルコキシカルボニル−tert−ロイシンの製造法。
  6. 反応液のpHを調整するに際して用いる塩基性試剤が、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムのいずれかである事を特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のN−アルコキシカルボニル−tert−ロイシンの製造法。
  7. 塩基性試剤が30重量%以上50重量%以下の水溶液として用いられることを特徴とする、請求項6記載のN−アルコキシカルボニル−tert−ロイシンの製造法。
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