JP4374978B2 - N−t−ブチルオキシカルボニルアミノ酸含有溶液の製造法 - Google Patents

N−t−ブチルオキシカルボニルアミノ酸含有溶液の製造法 Download PDF

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Description

本発明は、ペプチドや抗生物質等を製造する際の中間体化合物として有用なフリーのN−t−ブチルオキシカルボニルアミノ酸を含む溶液の製造法に関する。
特許文献1、特許文献2には、化学量論以上の水酸化ナトリウムとアミノ酸を水及びt−ブチルアルコール(水に任意の割合に混ざる親水性有機溶媒)の存在下に反応させて得た水溶性塩を含む水相を、さらに、ジ−t−ブチルジカーボネート等のジアルキルジカーボネートと反応させてN−t−ブチルオキシカルボニルアミノ酸の塩を得た後、上記t−ブチルアルコールを減圧下で留去後、得られたN−t−ブチルオキシカルボニルアミノ酸塩の水溶液を酸で中和して得たN−t−ブチルオキシカルボニルアミノ酸の懸濁液をクロロホルムや酢酸ブチル又はm−キシレン(水と共沸混合物を作り得る水と混和しない有機溶媒)と接触させてN−t−ブチルオキシカルボニルアミノ酸を抽出後、得られた有機相を共沸脱水するN−t−ブチルオキシカルボニルアミノ酸含有溶液の製造法が記載されている。
特開平7−17941号公報(実施例の項を参照)
特開平7−126240号公報(実施例の項を参照)
しかしながら、上記のN−t−ブチルオキシカルボニルアミノ酸含有溶液を製造する場合、特許文献1や特許文献2に記載のような方法では、水と共沸混合物を作り得る溶媒と共沸脱水する前に水に任意の割合に混ざる親水性有機溶媒のt−ブチルアルコールを留去して、N−t−ブチルオキシカルボニルアミノ酸と水に混和しない有機溶媒からなる懸濁液又は水溶液を得る必要があり、上記t−ブチルアルコールの留去に時間がかかり、生産効率が悪いという問題点があった。
本発明の目的は、生産効率の良好なN−t−ブチルオキシカルボニルアミノ酸含有溶液の製造法を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、
(イ)次の(a)工程、(b)工程及び(c)工程を含むことを特徴とするN−t−ブチルオキシカルボニルアミノ酸含有溶液の製造法を提供するものである。但し(a)工程で用いる水と混和しない有機溶媒と(b)工程で用いる水と混和しない有機溶媒とは、互いに同一でもよく、異なってもよい。
(a)工程:
水と混和しない有機溶媒と塩基と水の存在下に、ジ−t−ブチルジカーボネートと該ジ−t−ブチルジカーボネートとアミノ酸に対して当量以上のアミノ酸を反応させてN−t−ブチルオキシカルボニルアミノ酸の塩を含む反応混合物を得る工程
(b)工程:
(a)工程で得た反応混合物に酸を加えてフリーのN−t−ブチルオキシカルボニルアミノ酸を生成させ、該フリーのN−t−ブチルオキシカルボニルアミノ酸を水と混和しない有機溶媒で抽出する工程
(c)工程:
(b)工程で得たフリーのN−t−ブチルオキシカルボニルアミノ酸と水と混和しない有機溶媒とを含む有機相と、上記酸と塩基との中和反応により生成した塩を含む水相とを、分離する工程
また、本発明は、
(ロ)次の(a')工程、(d)工程、(e)工程及び(f)工程を含むことを特徴とするN−t−ブチルオキシカルボニルアミノ酸含有溶液の製造法を提供するものである。
但し(a')工程及び(d)工程における水と混和しない有機溶媒と(e)工程で用いる水と混和しない有機溶媒とは、互いに同一でもよく、異なってもよい。
(a')工程:
水と混和しない有機溶媒と塩基と水の存在下に、アミノ酸と該アミノ酸に対して当量以上のジ−t−ブチルジカーボネートを反応させてN−t−ブチルオキシカルボニルアミノ酸の塩を含む反応混合物を得る工程
(d)工程:
(a')工程で得た反応混合物から、水と混和しない有機溶媒及び未反応のジ−t−ブチルジカーボネートを含む有機相を抜き出す工程
(e)工程:
(d)工程で有機相を抜き出して得た水相に、水と混和しない有機溶媒及び酸を加えてフリーのN−t−ブチルオキシカルボニルアミノ酸を生成させ、該フリーのN−t−ブチルオキシカルボニルアミノ酸を上記の水と混和しない有機溶媒で抽出して、フリーのN−t−ブチルオキシカルボニルアミノ酸と水と混和しない有機溶媒とを含む有機相、及び、上記酸と塩基との中和反応により生成した塩を含む水相を得る工程
(f)工程:
(e)工程で得たフリーのN−t−ブチルオキシカルボニルアミノ酸と水と混和しない有機溶媒とを含む有機相と、上記酸と塩基との中和反応により生成した塩を含む水相とを分離する工程
本発明によれば、N−t−ブチルオキシカルボニルアミノ酸を効率良く製造することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の(イ)及び(ロ)において、(a)工程及び(a')工程で用いる水と混和しない有機溶媒としては、例えばトルエン、キシレンやエチルベンゼン等の芳香族炭化水素類、クロロベンゼンやo−ジクロロベンゼン等のハロゲン化芳香族炭化水素類、メチル−t−ブチルエーテル、エチル−t−ブチルエーテルやジ−t−ブチルエーテル等の炭素数5〜8の脂肪族エーテル類等が挙げられる。
本発明の(イ)及び(ロ)において、(a)工程で用いる水と混和しない有機溶媒としては、上記炭素数5〜8の脂肪族エーテル類が好ましい。
本発明の(イ)及び(ロ)において、(a)工程及び(a')工程で用いる塩基としては、例えば以下のものが挙げられる。
水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸水素ナトリウムや炭酸水素カリウム等の無機塩基、又は、トリエチルアミン、N−メチルピペリジン、N−メチルピロリジン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジンやN−メチルモルホリン等の有機塩基。
これらの塩基の使用量は、アミノ酸に対して0.1〜2当量の範囲であることが好ましく、0.5〜1.5当量の範囲であることが特に好ましい。
本発明の(イ)及び(ロ)において、(a)工程及び(a')工程で用いるアミノ酸としては、一つ以上のアミノ基又はイミノ基と一つ以上のカルボキシル基とを分子内に有する化合物であればよい。
このような化合物としては、例えば、以下のものが挙げられる。
グリシン、アラニン、β−アラニン、バリン、ノルバリン、ロイシン、ノルロイシン、イソロイシン、フェニルアラニン、チロシン、ジヨードチロシン、トレオニン、セリン、ホモセリン、イソセリン、アゼチジン−2−カルボン酸、プロリン、ヒドロキシプロリン、ピペリジン−2−カルボン、トリプトファン、チロキシン、メチオニン、ホモメチオニン、シスチン、ホモシスチン、α−アミノ酪酸、β−アミノ酪酸、γ−アミノ酪酸、α−アミノイソ酪酸、アスパラギン酸、アスパラギン酸−β−シクロへキシルエステル、アスパラギン酸−β−メチルエステル、アスパラギン酸−β−イソプロピルエステル、アスパラギン酸−β−ベンジルエステル、グルタミン酸、グルタミン酸−γ−シクロへキシルエステル、グルタミン酸−γ−メチルエステル、グルタミン酸−γ−イソプロピルエステル、グルタミン酸−γ−ベンジルエステル、リジン、ヒドロキシリジン、オルニチン、アルギニン、ヒスチジン、アンチカプシン、N−イミノメチルオルニチン、α−アミノ−β−(2−イミダゾリジル)プロピオン酸、タウリン、γ−ホルミル−N−メチルノルバリン、N−トシルアルギニン、N−ベンジルオキシカルボニルアルギニン、S−アセトアミドメチルシスティン、S−ベンジルシスティン、Nim−ベンジルオキシカルボニルヒスチジン、N−ベンジルオキシカルボニルリジン、N−ベンジルオキシカルボニルオルニチン、O−ベンジルセリン、O−ベンジルトレオニン、Nin−ホルミルトリプトファン、2−(2−アミノ−4−チアゾリル)−2−メトキシイミノ酢酸、2−(2−アミノ−4−チアゾリル)−2−ヒドロキシイミノ酢酸、2−(2−アミノ−4−チアゾリル)−2−グリオキシ酢酸、2−(2−アミノ−4−チアゾリル)−2−ペンテン酸、フェニルグリシン、4−ヒドロキシフェニルグリシン酸等。これらのアミノ酸の中でも、ペプチドや抗生物質用中間体化合物の製造原料として、アラニンやフェニルグリシンが好ましい。
上述したアミノ酸のアミノ基の水素原子はメチル基等のアルキル基で置換されていてもよい。また、前述したアミノ酸は光学活性体であってもよく、ラセミ体であってもよい。
本発明の(イ)及び(ロ)において、(a)工程及び(a')工程で用いるジ−t−ブチルジカーボネートの使用量は、経済性の観点からは、保護したいアミノ基又はイミノ基に対して、通常0.5〜2当量、好ましくは0.7〜1.5当量の範囲である。
本発明の(イ)及び(ロ)において、(a)工程及び(a')工程で用いる上記のアミノ酸、塩基及びジ−t−ブチルジカーボネートの仕込み順序は任意であるが、急激な発熱や発砲を防ぐ観点からは、水に溶解又は懸濁させたアミノ酸と上記の水と混和しない有機溶媒に溶解させたジ−t−ブチルジカーボネートとの混合物中に上記の塩基又はその水溶液等を添加する方法が好ましく、前記混合物中に上記の塩基又はその水溶液等を滴下する方法がより好ましい。
本発明の(イ)及び(ロ)において、(a)工程及び(a')工程における反応温度は、通常は−20〜80℃の範囲、好ましくは0〜60℃の範囲である。
反応時における水の使用量は、通常はアミノ酸の100重量部に対して50〜2000重量部の範囲であり、好ましくはアミノ酸の100重量部に対して100〜1000重量部の範囲である。
また、前記の水と混和しない有機溶媒の使用量は、通常はアミノ酸の100重量部に対して10〜2000重量部の範囲であり、好ましくはアミノ酸の100重量部に対して20〜300重量部の範囲である。
本発明の(イ)及び(ロ)において、(a)工程及び(a')工程で得た反応混合物は、N−t−ブチルオキシカルボニルアミノ酸の塩を含む水相と、前記の水と混和しない有機溶媒を含む有機相とからなる。
また、本発明の(イ)においては、水と混和しない有機溶媒を含む有機相には、通常、未反応のジ−t−ブチルジカーボネートが含まれない。
一方、本発明の(ロ)においては、水と混和しない有機溶媒を含む有機相には、通常、未反応のジ−t−ブチルジカーボネートが含まれる。
本発明の(イ)において、(a)工程で得た反応混合物は、(b)工程において、酸を加えることによってフリーのN−t−ブチルオキシカルボニルアミノ酸とすることできる。この生成したフリーのN−t−ブチルオキシカルボニルアミノ酸は水と混和しない有機溶媒で有機相に抽出される。
本発明の(イ)においては、上述のとおり、水と混和しない有機溶媒を含む有機相に未反応のジ−t−ブチルジカーボネートが含まれないので、(a)工程における水と混和しない有機溶媒として脂肪族エーテル類を用いた場合は、この脂肪族エーテル類が(b)工程における抽出溶媒を兼ねることができ、生産効率の観点から有利である。
本発明の(ロ)においては、(a’)工程におけるアミノ酸に対するジ−t−ブチルジカーボネートの使用量が過剰であるので、有機相中に未反応のジ−t−ブチルジカーボネートが残存する。この有機相中に残存する未反応のジ−t−ブチルジカーボネートは、(d)工程において攪拌を停めて静置後、有機相を抜き出すことにより水相と分離することができる。
本発明の(ロ)における(e)工程では、(d)工程において有機相を抜き出して得た水相に水と混和しない有機溶媒及び酸を加えてフリーのN−t−ブチルオキシカルボニルアミノ酸を生成させ、該フリーのN−t−ブチルオキシカルボニルアミノ酸を上記の水と混和しない有機溶媒で抽出して、フリーのN−t−ブチルオキシカルボニルアミノ酸と水と混和しない有機溶媒とを含む有機相、及び上記の酸と塩基との中和反応により生成した塩を含む水相が得られる。
(a')工程におけるアミノ酸に対するジ−t−ブチルジカーボネートの使用量が過剰である本発明の(ロ)においては、(d)工程において、水と混和しない有機溶媒と未反応のジ−t−ブチルジカーボネートからなる有機相を(a')工程で得た反応混合物から抜き出す。
本発明(ロ)の(f)工程では、(d)工程で得たフリーのN−t−ブチルオキシカルボニルアミノ酸と水と混和しない有機溶媒とを含む有機相が、酸と塩基の中和反応により生成した塩を含む水相と分離される。
本発明の(ロ)において、(a')工程における水と混和しない有機溶媒として芳香族炭化水素類又はハロゲン化芳香族炭化水素類を用いて反応させた場合は、得られた反応混合物を静置した状態で反応容器から有機相のみを抜き出して未反応のジ−t−ブチルジカーボネートを除去するので、(e)工程における抽出溶媒を、上記の芳香族炭化水素類やハロゲン化芳香族炭化水素類とは異なる水と混和しない有機溶媒に換えることが可能である。
上記の置き換え可能な有機溶媒としては、例えば、炭素数5〜8の脂肪族エーテル類が挙げられる。そして、上記の(e)工程における抽出溶媒の置き換えにより、N−t−ブチルオキシカルボニルアミノ酸に対する抽出効率を向上させてもよい。
本発明の(ロ)における(a')工程において、水と混和しない有機溶媒として、脂肪族エーテル類を用いた場合及び脂肪族エーテル類以外の溶媒を用いた場合のいずれであっても、(e)工程において酸を加えることにより生成したフリーのN−t−ブチルオキシカルボニルアミノ酸を水と混和しない有機溶媒で抽出後、次の(f)工程において有機相を水相と分液することによって、前記の塩基及び酸の中和反応により生成した塩を容易に除去することができる。
脂肪族エーテル類としては、メチル−t−ブチルエーテルが特に好ましい。
本発明(イ)の(b)工程及び本発明(ロ)の(d)工程で用いられる酸としては、例えば、塩酸、硫酸、硝酸や燐酸等の無機酸、酢酸、蟻酸やシュウ酸等の有機酸、硫酸水素カリウム、燐酸水素カリウムや燐酸水素ナトリウム等のアルカリ金属塩等が挙げられる。
これらの酸の添加量は、N−t−ブチルオキシカルボニルアミノ酸のpKa値により異なるが、通常は水相のpHが1〜4の範囲になるように選ばれる。
本発明の上記(b)工程及び(d)工程における抽出温度は、t−ブチルオキシカルボニル基の脱離を抑制する観点から80℃以下であることが好ましく、より好ましくは−20〜50℃の範囲である。
本発明の(イ)の(b)工程又は本発明(ロ)の(d)工程において、塩基及び酸の中和反応により生成した塩を本発明(イ)の(c)工程又は本発明(ロ)の(f)工程で除去した後の有機相は、これを濃縮してN−t−ブチルオキシカルボニルアミノ酸の結晶を得てもよく、必要に応じて上記の水と混和しない有機溶媒を蒸留により一部濃縮して得た有機相を冷却することにより晶析してN−t−ブチルオキシカルボニルアミノ酸の結晶を得てもよい。
また、本発明の(イ)又は(ロ)において、塩基及び酸の中和反応により生成した塩を除去した後のN−t−ブチルオキシカルボニルアミノ酸を含む有機相は、そのままでペプチドや抗生物質へ誘導する反応に供してもよいし、上記有機相を乾燥処理又は共沸脱水処理して脱水した後でペプチドや抗生物質へ誘導する反応に供してもよい。
次に実施例等により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって、何ら限定されるものではない。
実施例1
アラニン(0.58mol)を水97gに懸濁させ、メチル−t−ブチルエーテル26.5gに溶解したジ−t−ブチルジカーボネート(0.49mol)の溶液を添加した。この混合液を40℃に昇温後、同温度で28%水酸化ナトリウム水溶液(水酸化ナトリウムとして0.64mol)を4時間かけて滴下した。滴下終了後、40℃で4時間保温した[以上、本発明の(a)工程に相当する]。
保温終了後、反応液にメチル−t−ブチルエーテル280gを加え、25℃まで冷却した。次に35%塩酸(塩化水素として0.74mol)を滴下し、滴下後の水相のpHを測定したところ1.6であった[以上、本発明の(b)工程に相当する]。
次いで、水相を分液により除去した。有機相を20%食塩水で2回洗浄した[以上、本発明の(c)工程に相当する]。
洗浄後の有機相402.9g中には、N−t−ブチルオキシカルボニルアラニンが86.4g含まれていた。N−t−ブチルオキシカルボニルアラニンのジ−t−ブチルジカーボネートに対する収率は、94.2%であった。
実施例2
水280g中に、フェニルグリシン(0.13mol)及び水97.5gの混合物と、メチル−t−ブチルエーテル34.1gに溶解したジ−t−ブチルジカーボネート(0.32mol)の溶液を添加した。
この混合液を30℃に昇温後、30〜40℃の内温で28%水酸化ナトリウム水溶液(水酸化ナトリウムとして0.26mol)を1.2時間かけて滴下した。滴下終了後、冷却することにより内温を20℃まで低下させた後、フェニルグリシン(0.13mol)を添加し、その後30℃に昇温して28%水酸化ナトリウム水溶液(水酸化ナトリウムとして0.40mol)を30〜40℃の内温で1.8時間かけて滴下した。その後、35℃で3時間保温した[以上、本発明の(a')工程に相当する]。
保温終了後、反応液を25℃まで冷却し、メチル−t−ブチルエーテルの120gを加えて攪拌した。攪拌を止め、分液により有機相を除去した[以上、本発明の(d)工程に相当する]。水相にメチル−t−ブチルエーテル280gを加え、次に35%塩酸(塩化水素として0.79mol)を滴下し、N−t−ブチルオキシカルボニルフェニルグリシンを抽出した[以上、本発明の(e)工程に相当する]。なお、35%塩酸滴下後の水相のpHは2.5であった。
次いで、水相を分液により除去した。有機相を20%食塩水で2回洗浄した[以上、本発明の(f)工程に相当する]。
洗浄後の有機相347.3g中には、N−t−ブチルオキシカルボニルフェニルグリシンが60.1g含まれていた。N−t−ブチルオキシカルボニルフェニルグリシンのフェニルグリシンに対する収率は、90.4%であった。

Claims (10)

  1. 次の(a)工程、(b)工程及び(c)工程を含むことを特徴とするN−t−ブチルオキシカルボニルアミノ酸含有溶液の製造法。
    但し(a)工程で用いる水と混和しない有機溶媒と(b)工程で用いる水と混和しない有機溶媒とは、互いに同一でもよく、異なってもよい。
    (a)工程:
    水と混和しない有機溶媒と塩基と水の存在下に、ジ−t−ブチルジカーボネートと該ジ−t−ブチルジカーボネートに対して当量以上のアミノ酸を反応させてN−t−ブチルオキシカルボニルアミノ酸の塩を含む反応混合物を得る工程
    (b)工程:
    (a)工程で得た反応混合物に酸を加えてフリーのN−t−ブチルオキシカルボニルアミノ酸を生成させ、該フリーのN−t−ブチルオキシカルボニルアミノ酸を水と混和しない有機溶媒で抽出する工程
    (c)工程:
    (b)工程で得たフリーのN−t−ブチルオキシカルボニルアミノ酸と水と混和しない有機溶媒とを含む有機相と、上記酸と塩基との中和反応により生成した塩を含む水相とを、分離する工程
  2. 次の(a')工程、(d)工程、(e)工程及び(f)工程を含むことを特徴とするN−t−ブチルオキシカルボニルアミノ酸含有溶液の製造法。
    但し(a')工程及び(d)工程における水と混和しない有機溶媒と(e)工程で用いる水と混和しない有機溶媒とは、互いに同一でもよく、異なってもよい。
    (a')工程:
    水と混和しない有機溶媒と塩基と水の存在下に、アミノ酸と該アミノ酸に対して当量以上のジ−t−ブチルジカーボネートを反応させてN−t−ブチルオキシカルボニルアミノ酸の塩を含む反応混合物を得る工程
    (d)工程:
    (a')工程で得た反応混合物から、水と混和しない有機溶媒及び未反応のジ−t−ブチルジカーボネートを含む有機相を抜き出す工程
    (e)工程:
    (d)工程で有機相を抜き出して得た水相に、水と混和しない有機溶媒及び酸を加えてフリーのN−t−ブチルオキシカルボニルアミノ酸を生成させ、該フリーのN−t−ブチルオキシカルボニルアミノ酸を上記の水と混和しない有機溶媒で抽出して、フリーのN−t−ブチルオキシカルボニルアミノ酸と水と混和しない有機溶媒とを含む有機相、及び、上記酸と塩基との中和反応により生成した塩を含む水相を得る工程
    (f)工程:
    (e)工程で得たフリーのN−t−ブチルオキシカルボニルアミノ酸と水と混和しない有機溶媒とを含む有機相と、上記酸と塩基との中和反応により生成した塩を含む水相とを分離する工程
  3. (a)工程における水と混和しない有機溶媒が、脂肪族エーテル類である請求項1に記載のN−t−ブチルオキシカルボニルアミノ酸含有溶液の製造法。
  4. (b)工程における水と混和しない有機溶媒が、脂肪族エーテル類である請求項1に記載のN−t−ブチルオキシカルボニルアミノ酸含有溶液の製造法。
  5. (a')工程における水と混和しない有機溶媒が、脂肪族エーテル類である請求項2に記載のN−t−ブチルオキシカルボニルアミノ酸含有溶液の製造法。
  6. (e)工程における水と混和しない有機溶媒が、脂肪族エーテル類である請求項2に記載のN−t−ブチルオキシカルボニルアミノ酸含有溶液の製造法。
  7. 脂肪族エーテル類が、メチル−t−ブチルエーテルである請求項3〜6のいずれかに記載のN−t−ブチルオキシカルボニルアミノ酸含有溶液の製造法。
  8. アミノ酸が、アラニン又はフェニルグリシンである請求項1〜7のいずれかに記載のN−t−ブチルオキシカルボニルアミノ酸含有溶液の製造法。
  9. アミノ酸が、アラニンである請求項1、3又は4に記載のN−t−ブチルオキシカルボニルアミノ酸含有溶液の製造法。
  10. アミノ酸が、フェニルグリシンである請求項2、5又は6に記載のN−t−ブチルオキシカルボニルアミノ酸含有溶液の製造法。
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