JP5259415B2 - 雰囲気炉における金属製品の表面処理 - Google Patents

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Description

発明の詳細な説明
本発明は、一般に雰囲気炉における金属製品の処理に関する。
発明の背景
金属製品の表面処理としては、浸炭、焼き入れ、窒化、青化、黒化、制御酸化および/または制御還元などの工程が挙げられる。
特に、浸炭とは、製品の表面、および表面下の限定された深さ(以下「ケース」と呼ぶ炭素の実質的な浸透深さ)への炭素含有量を増やすために鉄金属製品の表面にさらなる炭素を導入または塗布することとして定義することができる。その後、この製品にさらなる熱処理を施す場合、表面部分は浸炭されてその下にある無垢のまたは「素地の」金属よりも実質的により硬い表面となる。これは当技術分野では「焼き入れ」として知られている。
鉄金属製品を浸炭するのに多くの方法が用いられている。おそらく、最初に適用されたのは、開放された活性炭のピットが用いられる「封箱浸炭(box carburizing)」である。加熱する際、骨粉を製品の周りに充填して保護雰囲気を準備し、炭素の供給源とした。この方法は「固体浸炭(pack carburizing)」に発展していった。固体浸炭では、浸炭する製品を、その辺にパックされた油やタール等を用いて燃えて硬材炭になる金属炭酸塩などの浸炭剤と一緒に容器の中に充填する。炭素は、一酸化炭素(浸炭剤からの)が分解して炭素および二酸化炭素になることによって鋼鉄表面に形成される。生成する二酸化炭素は即座に浸炭剤中の未凝縮の炭素と反応して、新たな一酸化炭素を生成する。この方法は、過剰の二酸化炭素と反応するだけの炭素が存在する限り、そして鉄製品の表面が飽和するまで繰り返される。この「種」の浸炭は、製品の周りに「充填する」固体浸炭剤を必要とする。
用いられる他の方法としては液体浸炭が挙げられ、この方法では、鋼鉄または鉄が固体浸炭(pack carburizing)から得られたものに匹敵するかすを生成するのに必要なシアン化バリウムなどの化学物質を含有する融解塩浴に入れられる。炭素が金属表面内に拡散するように、部品を浴中に高温で所定の時間置いておく。この「種」の浸炭は、製品を沈める液浴または塩浴に対する要求条件によって、本発明に関係する従来技術と区別される。
別の方法としては、炭素含有ガスをガス物質として用いて、気相炭素原子を鉄に与えることによって、基質中に炭素を有する面心の金属や炭化鉄(FeC)沈澱物を生成する、「ガス」浸炭がある。ガス浸炭はさらに、大気ガス浸炭と、真空浸炭の別種として真空イオン浸炭を伴う真空浸炭とに分けることができる。
大気ガス浸炭は、大抵のケース硬化浸炭に適用できることが立証された十分に開発された技術である。大気ガス浸炭では、一般的には低級炭化水素である天然ガス(メタン)、プロパンまたはブタンを、工業炉内の正圧(すなわち、「大気」圧)に維持された吸熱ガス炉内雰囲気の中に計量供給する。ガス組成物(吸熱ガスおよび浸炭ガス)の露点を制御することによって、最も典型的にはCO/COガス比(水性ガス転化反応)、ガス炭素ポテンシャルが制御される。一般的に、ガス炭素ポテンシャルは鉄溶液中における炭素の飽和点より低く、鉄基質および炭化鉄(FeC)沈澱物において十分な炭素が表面全体にわたって形成されると、炉内雰囲気ガスのガス炭素ポテンシャルはより低い値に変化し(「平衡浸炭」)、炭素はケースの中に拡散できるようになる。この拡散はガス組成や温度に対して制御することができる。例えば、大気ガス浸炭では、拡散時にケース深さが増えるため、拡散時に表面を実際に脱炭素(炭素を取り除く)して、製品表面と「素地の」中心部(浸炭による影響を受けない、表面下の無垢金属の部分)の間により硬い製品組成物を与えることは非常に容易である。
さらに、大気ガス浸炭では、炭素ポテンシャルを鋼鉄の飽和限界に設定する必要はない。具体的には、炭素ポテンシャルは、本明細書において「炭化物網状組織」と呼ぶ、飽和時に発生する自然現象を防ぐために、より低い値に設定することができる。すなわち、飽和状態では、製品の表面には、「炭化物網状組織」で一緒に関連づけて見ることができる面心炭素鋼の隣接分子として最密充填された炭化鉄が含まれる。炭素拡散が起こる時、充填された炭化鉄分子の群またはクラスタは、もしかするとケース全体にわたって均一ではない可能性がある。商業上における通常の冶金学的な見解では、長期にわたり、かつ高応力では、炭化物網状組織は応力集中部として機能する可能性があると考えられている。しかしながら、冶金学者の中にはこの意見を共有しない者もいる。
大気ガス浸炭では、第一に、炭素ポテンシャルを制御することによって、炭化物網状組織を最小にし、ネットワークの形成を最小限にすることができる。すなわち、浸炭が飽和時に起こらない場合は、ネットワークもおそらく形成されない。従来は、大気中に酸素が存在するために、大気ガス浸炭によって製品表面に金属酸化物が生成された。このため、大気ガス浸炭は、酸素を含まない真空ガス浸炭とは根本的に異なる。
従来、いくつかの雰囲気炉でブタンや空気が用いられていた。これらの炉ではCOがCOレベルの上昇を招き、また煤煙による汚染を防ぐために炉から漏れているとも考えられている。また、水添加も同様の効果があり、COを上昇させずに水素を増やすことができると考えられている。不飽和脂肪族炭化水素が浸炭時に分解する場合、それらは固体炭素粒子を含む煤として知られる副生成物を生成することが多い。煤は、浸炭工程の間に炉内に溜まるため、除去しなければならない。これによって、運転をきれいに保つための特別な整備と費用が必要となり、生産性の低下を余儀なくされる。従来、特に高次の炭化水素ほど、煤が堆積する傾向があった。
一般的に、浸炭は、浸炭剤を炉室に導入するとすぐに起こる。しかしながら、大気浸炭炉を運転するためには、最初に「乾燥」しなければならない。乾燥は、炉内煉瓦や炉内合金の中に炭素を入れる工程である。「素地の」炉内煉瓦や炉内合金は、製品に対して非平衡の浸炭環境を与える。炉が乾燥するまで、製品の炭素含有量およびケース硬度は低い。従って、この工程の制御性能は、大気炭素センサーの感度とガスを計量供給するためのガス流量計量供給弁の能力の関数である。炭素ポテンシャルを制御するためには、COレベル、露点レベル、または酸素含有量を測定しなければならない。通常、炉室内のガス組成の測定が行われる。1種のガスを測定し、富化ガス流量を制御して未飽和の炭化鉄表面(後にケースに拡散していく)を生成する。追加の窒素運搬ガスを用いる場合は(浸炭窒化に対してはアンモニア)、追加ガスの流量は一定に設定した。
高次の不飽和または飽和の脂肪族炭化水素の混合物に対して(例えば、LPGなどの不飽和炭化水素の反応性は高い)、加圧してガスを炉に移送するために用いられるこの工程は、炉に計量供給されるガスの組成に影響を与える可能性がある。原料の純度やガス移送システムによって、炭化水素の構造に変化が生じる可能性がある。実質的に浸炭工程を変えることのない移送システムにおいて多少の炭化水素の熱分解が生じるかもしれないが(いずれにせよ炭化水素は反応し、反応が進んでいくことによって炭素を生成するにちがいないため)、実際に、炉に移送されるガス組成に変化が見られ、不正確な制御や工程の再現性の変動の原因となる。
大気ガス浸炭技術では、「クラス302」雰囲気を用いることが多い。この「クラス302」雰囲気は、一般に、メタン(天然ガス)またはプロパンなどの容易に入手可能な炭化水素を、正常燃焼で使用される量よりも大幅に量を減らした空気と混合することによって調製される。定義上、「クラス301」吸熱雰囲気および「クラス302」吸熱雰囲気(それぞれ、「希薄」および「濃厚」)は、外部加熱触媒充填室において燃料ガスと空気の混合ガスの部分反応によって形成される。「クラス301」雰囲気は、一般に「希薄」吸熱と定義され、典型的な最終生成物組成として:N45%、CO19.6%、CO0.4%、H34.6%、およびメタン0.3%を有する。「クラス302」雰囲気は、一般に「濃厚」雰囲気と定義され、典型的な最終生成物組成として:N39.8%、CO20.7%、CO微量、H38.7%、およびCH0.8%を有する。クラス302雰囲気に関しては、現行技術の吸熱ガス発生器によって、天然ガスに基づいて一般的にH40%、N40%、CO19.6%、CO0.3%およびメタン0.1%に規定された混合ガスが製造される。これらの化学的性質は、天然ガス含有量、投入空気の相対湿度および触媒や発生器自体の全体条件、ならびに天然ガス組成によってわずかに変化する。
クラス302吸熱ガス雰囲気では、保護雰囲気を用いることができる(硬化工程では一般的に1500〜1650°F;浸炭工程では一般的に1500〜1850°F;浸炭窒化では一般的に1500〜1640°F)。
通常のクラス301または302吸熱ガス発生器では、混合ポンプによって、燃料ガスが、ガス調節器および空気/ガスミキサーを経由して維持された空気混合ガスに送り込まれる。ポンプによって、この混合ガスは反応管の底部(一般的に)に強制的に送り込まれる。反応管は火炎または発熱体によって外部から加熱されることによって、反応管(レトルト)の温度を一般的に1900°F〜2000°Fに保つ。反応管の内部にはニッケル系触媒が充填されており、そこで空気/ガス混合物はN40%、H40%、CO20%の混合ガスに転化する。反応が完了すると、生成ガスはすばやく冷却されて、反応を凍結する。ガスの冷却は、水冷却器または空冷式熱交換器によって行われる。レトルト管の最初の20%には、アランダム球(空気/ガス混合物を加熱するが、化学反応を促進しない)が充填されている。ガスを加熱すると、ニッケル触媒に影響が及び、2段階反応が起こる。第1段階では、混合ガス中の空気が燃焼して、N+HO+CO+熱+過剰供給ガスが発生する。第2段階では、外部手段によってレトルト管に熱を加えることにより、COレベルを低下させ、COを生成する。同様に、過剰燃料によって、HOはHとなる。
そのような時、混合ガスのレトルト管での反応は終わりに達し、このガスは冷却および凍結されて前述の組成物となる。供給ガスに生じる変動に基づいて、最終のCOレベルの変動が、生成ガスの炭素ポテンシャル含有率の変動をもたらす。本発明では、これらの変動を調節するための制御システムを提供する。
たとえ制御されたとしても、単独の変化は最終的な冶金学的結果に変化をもたらす可能性があることに注意しなければならない。従って、変動を排除することによって、要求される用途における冶金学的結果が改善される。
世界の特定の地域では、天然ガスまたはプロパンが入手不可能かもしれないことにも注意が必要である。これらの地域では、高純度の液体炭化水素は入手可能である。世界のこれらの地域およびアメリカ合衆国までも、供給ガス中に高濃度の硫黄が含まれている。硫黄濃度が10ppmよりも高いと、数時間という短い時間でニッケル触媒に損傷を与える。高純度の液体炭化水素を用いることによって、硫黄の問題を排除することができる。
一般的に、天然ガスでは、一酸化炭素の2倍の濃度の水素を生じる。ガス浸炭では、含有COが製品に炭素を運ぶ主要媒体である。浸炭の副生成物は酸素と水素である。CO濃度が高くかつ水素濃度が低い雰囲気を用いることは、浸炭反応の速度に対して有利である。炭素ポテンシャルを0.80%以上に上昇させることが、浸炭では一般的である。そのために、富化ガス、一般的にはプロパンまたはメタンを炉に加える。この間、素地製品による炭素の需要によって、富化ガスが消費される。炭素の消費が起こるので、COと水蒸気の濃度が上昇し、反対に炭素ポテンシャルは低下する。
COと水蒸気の濃度を下げるために、富化ガスを加えることができる。主に3つの反応がある:CH+CO→2CO+2H、同様に、HO+CH→CO+3H。所定の炭素ポテンシャルの設定値で平衡に達すると、COと水の濃度も同様に平衡に達して安定する。第3の反応は温度依存性があり、CHは炭素となって製品表面に入り込み、2Hを発生する。酸素を伴って起こる他の反応があることや、反応を進めるために結果として3つの反応全てで水素が発生することに注意しなければならない。一般的に、富化ガスの制御は、電動弁操作または時間比例式オン/オフ電磁弁によって行われる。
メタンに関する問題点の1つは、具体的には、発生する過剰量の水素が他の所望のCOを希釈してしまうことである。メタンは炭素1分子あたり2つのHを有するので、多量の水素が発生し、またCOの低下が生じる(この炭化水素では、他のより高次の炭化水素よりもこの傾向が強い)。特定の場合では、CO濃度は15%にまで低下することがわかっている。これは、「CO枯渇」として知られている。最終的な結果として、不十分なCOがメタンとの反応に利用されて炭素ポテンシャルを上昇させるという事実より、炭素ポテンシャルを得るのは困難であり、メタン濃度が上昇することがわかっている。高表面積負荷では上記の影響が最も優勢である。特定の例では、プロパンガスに対してはこの「CO枯渇」と言われる影響は極めて低く、これは炭素に対する水素の比の低下によるものである。
大気浸炭炉または硬化炉では、クラス302雰囲気を炉に導くか、または窒素、一般的には空気を、メタノールやアセトンなどの炉に滴下される液体と共に流すことによって雰囲気を作る。クラス302雰囲気は、水素40%、窒素40%、およびCO20%であるため、クラス302雰囲気は、一般的に0.20%炭素〜0.45%炭素の炭素ポテンシャルを有する。使用する炭化水素の種類によって、これら3つの主成分の割合は多少変化する。従来、工程を「富化(enrichment)」するために液体を用いる応用技術があった。エンリッチ液体の使用量は非常に少なく、このような少量の液体を計量供給するのは困難な場合が多かった。従来は、種々のスピードのポンプまたは非常に小さな電動ニードル弁が用いられた。
大多数の炉内クラス301雰囲気およびクラス302雰囲気は、先に論じた吸熱ガスプロセスを用いて作り出される。しかしながら、天然ガスが削減された1970年代後期および1980年代初期にかなり普及した競合プロセスがある。この時期、気体窒素と液体メタノールを用いる代替雰囲気が、炉に直接供給された。一般的なガス使用量は、窒素160cfhおよびメタノール1ガロン/時であった。窒素とメタノールを組み合わせて、400cfhの同等の雰囲気を得た(N40%、H40%およびCO20%)。この窒素、メタノール雰囲気は発生器を必要とせず、かつ天然ガスにも依存しない。世界で天然ガスが入手不可能な地域では、一般的に窒素、メタノール雰囲気が用いられる。
窒素は屋外近くに液体として貯蔵され、液体からガスに気化して炉に供給される。メタノールも屋外に液体の形状で貯蔵され、ポンプで炉に供給される。液体メタノールは、伝統的に頂部からH濃度40%およびCO濃度20%となるような速度で炉内に滴下される。炉内に滴下されると、メタノールは「スパージャー」管を通って流れて行く。炉内では、スパージャー管は箱形端を有しており、その周囲に一連の小さな穴があけられている。スパージャーの末端が塞がれているため、液体メタノールは末端から出て行くことができず、大部分は蒸気として小さな穴から出て行く。
しかしながら、この技術にはいくつかの問題点がある。第1に、スパージャーは、メタノールを気化するように意図されている。操作対象物質(workload)に直接滴下される液体メタノールは、この対象物質を汚し、浸炭外皮(carburized case)における不均一性をもたらす。スパージャーの末端は塞がれているので、メタノールは強制的に気化させられて小さな穴を通って出て行く。スパージャーは年数が経つにつれて、スパージャーの末端が崩落することが多くなり、上記の問題の原因となる。第2に、メタノールの炭素含有量が高いため、スパージャーの穴が炭素で閉塞し、窒素に対するメタノールの比が「希薄」となる。この結果、極端に不十分な浸炭外皮しか生じないか、浸炭外皮が全く生じないこととなる。第3に、1ガロン/時という流量は非常に少ない。この流量がわずかでも低い方に変動すると、炭素ポテンシャルは容易に10〜20ポイント低下する可能性があり、酸素プローブまたはCO炭素制御システムに故障が生じる。操作対象物質の浸炭外皮の形成が不十分となり、低表面炭素量、かつ低硬度という非常に望ましくない結果になると考えられる。流量を高くしすぎると、逆の現象が生じ、操作対象物質に炭化物網状組織が生じる可能性があり、かつ炉は容易に煤で汚染される可能性がある。
これらの全ては非常に望ましくない状況であると考えられる。1ガロン/時は、約2.1液体オンス/分または1ml/秒に等しい。この液体流量を計量供給するのに使用する制御弁を、先に論じた問題点を防ぐために、必要とされる所望の精度で制御するのは非常に難しい。
さらに、スパージャーが閉塞すると、炉へのキャリアガスの損失となり、炉内圧力が危険レベルにまで低下する原因となる。スパージャーは閉塞しやすいため、炉を危険な状態にする可能性がある。
発明の要旨
1つの側面では、雰囲気炉において金属製品を処理(浸炭、焼き入れまたは浸炭窒化など)するための方法および装置を提供する。この方法には、雰囲気炉室内で製品を所望の温度まで加熱する工程、および炭化水素材料を炉室内に計量供給する工程が含まれる。炭化水素材料は解離して、製品の外表面に吸収される炭素を生成し、溶液中に炭素および製品表面にM−C(Mは鉄などの所望の金属)を生成する。
特定の態様では、この方法には、炭化水素材料を液体の形状で供給する工程および液体炭化水素材料を炉室内に計量供給する工程も含まれる。炉室内において、炭化水素材料は気化してガスになるか、炉室の熱によって霧状の液体になる。
特定の態様では、この方法には、炉と流体連通している少なくとも1つの注入装置を準備する工程、およびこの注入装置によって炭化水素材料を炉内にパルス注入する工程も含まれる。パルス注入は固定設定、またはパルス時間、パルス幅および/またはパルス周波数の少なくとも1つに対する変動設定で行われる。
特定の態様では、この方法には、注入装置の下流で炉室の上流にある膨張室において液体炭化水素材料を気化する工程も含まれる。この膨張室は炉室と直接流体連通することができる。
パルスの周波数、パルス幅および点火順が変動する特定の態様では、この方法には、1つ以上の、炉室に複数の注入装置が一定間隔で配置されている膨張室を外部から加熱する工程;と他の注入装置と関係する設定時間でそれぞれの注入装置を点火する工程;注入装置の点火順を変更する工程;および、炭化水素材料を炉内に注入する間、パルス注入の幅および周波数の少なくとも1つを変化させる工程のうちの少なくとも1つの工程も含まれる。
炭化水素材料のパルス注入は、炉室内を炭素が製品表面内に拡散してM−Cを形成する(例えば、FeCなど)ための所望の温度に保ちながら、設定量の炭化水素材料が炉室内に注入されるまで継続される。よって、炭化水素材料のパルス注入は、設定した炭素ポテンシャルに達するまで継続される。
この方法には、パルス幅またはパルス周波数を変更することによって炭素ポテンシャルを増減する工程が含まれる。特定の態様では、この方法には、炉室内の一酸化炭素(CO)濃度を少なくとも約17%以上に維持し、かつ水素濃度をCO濃度より低く保つ工程;炉室内の炭素ポテンシャルを約0.10%炭素〜飽和状態に維持する工程;炉室内のCO:水素の比を約1:1に保つ工程のうちの1つ以上の工程が含まれる。ある態様では、炉室内の炭素ポテンシャルは約0.78%炭素に維持される。ある態様では、炭化水素材料は、炉室内で、少なくとも4%の一酸化炭素(CO)濃度、かつ少なくとも4%以上の水素濃度;または約4%以上の一酸化炭素(CO)濃度、かつ約4%以下の水素濃度を形成する。
特定の態様では、この方法には、所望の一酸化炭素(CO)濃度および/または水素濃度にするための導入窒素濃度;所望の一酸化炭素(CO)濃度および/または水素濃度にするための導入空気濃度;および、所望の一酸化炭素(CO)濃度および/または水素濃度にするための導入空気および窒素の濃度のうちの1つ以上を変化させる工程も含まれる。
特定の態様では、炭化水素材料は、炉室内で、少なくとも約17%以上の一酸化炭素(CO)濃度、かつCO濃度よりも高い水素濃度を形成する。
炭化水素材料は、炭素ポテンシャルを増減するための少なくとも1つの富化材料を含むことができる。ある態様では、炭化水素材料は、以下の化合物のうちの少なくとも1つ、またはそれらの混合物を含む:
4つよりも多い炭素原子を有する不飽和炭化水素;少なくとも1つの5または6員炭素環を含む環状炭化水素;飽和炭化水素;およびそれらの混合物;
メタノール、エタノール、ブタノールなどのアルコール、およびそれらの混合物;
アセトン、メチルケトン、エチルケトンなどのケトン、およびそれらの混合物;
液化プロパン、液化ブタン、液化ペンタン、液化ヘキサン、液化ヘプタン、液化オクタンおよびそれらの混合物;
エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテンなどの不飽和鎖状炭化水素およびそれらの混合物;
メチルシクロプロパンなどのシクロプロパン;シクロブタン;メチルシクロペンタンやエチルシクロペンタンなどのシクロペンタン;メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサン、トリメチルシクロヘキサンなどのシクロヘキサン;シクロヘプタンなどの飽和環状炭化水素、およびそれらの混合物;
ベンゼン、トルエン、キシレンなどの不飽和環状炭化水素およびそれらの混合物;並びに、
ディーゼル油、ジェット燃料油、灯油、ガソリン、およびそれらの混合物。
特定の態様では、この方法には、COの濃度、炉室内の露点または酸素濃度を測定する工程、および設定濃度を検知すると、炭化水素材料の注入を止めたり、減らしたりする工程も含まれる。
特定の態様では、この方法には、炉室内で一酸化炭素または水素の濃度を検知する工程、および一酸化炭素または水素の検知濃度によって炭化水素の流量を変動させる工程も含まれる。
特定の態様では、この方法には、炉室内に単原子窒素源を加える工程も含まれる。この単原子窒素源は、以下の化合物のうちの少なくとも1つ、またはそれらの混合物を含むことができる:アンモニア;単原子窒素を有する少なくとも1つの環状炭化水素;環の任意の炭素と結合するNH基、NH基、またはNHCH基のうちの少なくとも1つを有する環状炭化水素(アニリン、メチルピペリジン、ピペリジン、スペリジン、ピリジン、シクロヘキシルアミン、アミノシクロヘキサン、シクロヘキサンアミン、カフェイン、ニコチンなど)、およびそれらの混合物。
特定の態様では、表面処理は、製品の表面が少なくとも約58RCのロックウェルC硬度(少なくとも約0.010インチの深さまで続く)を有するまで継続される。
特定の態様では、炭化水素材料の供給は、複数の、混和性の炭化水素の単一供給からなる。キャリアシステムとしては、複数の、非混和性の炭化水素を含む液状またはガス状物質の供給が挙げられる。このシステムでは、それぞれの非混和性の炭化水素は別々の供給物質として貯蔵される。
特定の態様では、炭化水素材料は、少なくとも4%の一酸化炭素(CO)濃度、かつ少なくとも4%以上の水素濃度;4%以上の一酸化炭素(CO)濃度、かつ4%以下の水素濃度のうちの1つ以上を含む。
特定の態様では、キャリアシステムとしては、所望の一酸化炭素(CO)濃度および/または水素濃度にするための導入窒素濃度を変化させるための装置;所望の一酸化炭素(CO)濃度および/または水素濃度にするための導入空気濃度を変化させるための装置;および、所望の一酸化炭素(CO)濃度および/または水素濃度にするための導入空気および窒素の濃度を変化させるための装置のうちの1つ以上が挙げられる。
特定の態様では、炉室内におけるキャリアシステムの一酸化炭素(CO)濃度は、少なくとも17%以上であり、かつ水素濃度はCO濃度よりも低い。さらに、ある態様では、炭化水素材料は、炭素ポテンシャルを増減するための少なくとも1つの富化材料を含む。
特定の態様では、富化システムとしては、別々の炭化水素材料の複数供給を挙げることができる。それぞれの供給物質は、別々に供給される炭化水素材料を受け入れて混合し、混合した供給物質を炉室に送るための供給用導管と流体連通している。炭化水素材料は、反応して、キャリア材料の炭素ポテンシャルよりも高いかまたは低い炭素ポテンシャルを生じる、少なくとも1つの炭化水素材料を含む。
特定の態様では、富化システムとしては、炉室内に導入する単原子窒素源が挙げられる。この単原子窒素源は、以下の化合物のうちの少なくとも1つ、またはそれらの混合物を含むことができる:アンモニア;単原子窒素を有する少なくとも1つの環状炭化水素;環の任意の炭素と結合するNH基、NH基、またはNHCH基のうちの少なくとも1つを有する環状炭化水素(アニリン、メチルピペリジン、ピペリジン、ピリジン、スペリジン、シクロヘキシルアミン、アミノシクロヘキサン、シクロヘキサンアミン、カフェイン、ニコチンなど)、およびそれらの混合物。富化システムでは、炭化水素材料は、窒素の初期濃度を増減し、それによって窒素は製品内に拡散していく。
さらに別の側面では、金属製品の表面を処理するための雰囲気炉を提供する。この炉は、注入装置が接続された炉室を有する。この注入装置は、少なくとも1つの炭化水素材料源と流体連通している入口、および炉室と流体連通している出口を有する。この注入装置は、計量された炭化水素材料を炉室内に送るようになっている。
特定の態様では、炉は、操作上、炭化水素供給源の下流でかつ炉室の上流に配置された複数の注入装置を有する。
さらに、この炉は、別々の炭化水素材料を複数供給することもできる。それぞれの供給物質は、別々に供給される炭化水素材料を受け入れて混合し、混合した供給物質を炉室に送るための供給用導管と流体連通している。
特定の態様では、炉には、第1流量の炭化水素材料を供給するための少なくとも1つの主要注入装置、および第2流量の炭化水素材料を供給するための少なくとも1つのトリム注入装置(trim injector)が含まれる。このトリム注入装置は、主要注入装置よりも、より少ない流量(ポンド/時)を制御することができる。
特定の態様では、炉は、注入装置の下流でかつ炉室の上流に配置された1つ以上の供給用導管も有する。水素調節器は、供給用導管を通して炭化水素材料の流れを調節するようになっている。制御装置がそれぞれの注入装置に接続されて、計量された炭化水素材料を独立に制御、注入するようになっている。
特定の態様では、注入装置は、設定時間間隔;変動時間間隔;設定パルス幅および/または設定パルス周波数;および変動パルス幅および/または変動パルス周波数のうちの1つ以上の条件で、別々の量の炭化水素材料を炉室内にパルス注入するようになっている。
特定の態様では、注入装置は炉に一定間隔で配置されており、それぞれの注入装置は、次のうちの1つ以上を行うようになっている:i)他の注入装置と関係する設定時間で炭化水素材料をパルス注入する;ii)パルスの周波数を変動させる;およびiii)パルス幅を変動させる。これにより、2種以上の別々の液状またはガス状炭化水素の所望の混合物が炉内で得られる。
特定の態様では、炉は、注入装置の下流でかつ炉室の上流に少なくとも1つの膨張室を有する。この膨張室は、液状物質を膨張室内で気化または霧化してガスにするようになっている。
さらに、この炉は、炉室と流体連通している水素ガス入口を有することもできる。水素ガス入口は、水素ガス源を受け入れられるようになっている。注入装置が炭化水素材料を炉室にパルス注入している間、制御装置は入口を通して水素を計量供給するようになっている。
特定の態様では、炉は、単原子窒素源を炉室に加えるための入口を有する。
特定の態様では、炉は、さらに、キャリア材料を炉室に送るための少なくとも1つの発生器も有する。また、この炉は、キャリアシステムおよび/または富化システムを有することもできる。
本発明の他の側面に従って、開示された特徴または目的は、広い意味で、外部供給キャリアガスを用いる炭化水素制御および浸炭材料(例えば、任意の炭化水素)の液体パルス注入によって達成される浸炭制御を含む。
本発明のこれらの目的および他の目的、特徴ならびに利点は、下記の詳細な説明を以下に記載する図面と一緒に読むことによって当業者に明らかになるであろう。
好適な態様の詳細説明
広い側面では、1つ以上の金属製品をその中で処理するための雰囲気炉を提供する。この炉は、炉室と1つ以上の注入装置を有する。この注入装置の入口は流体材料源と接続しており、出口は炉室と接続している。この注入装置は、計量された流体材料を炉室内に送るようになっている。当然のことだが、特定の態様では、流体材料は液体状であり、別の態様では、流体材料はガス状でありうる。
別の側面では、1つ以上の金属製品を処理するための雰囲気炉用の発生器を提供する。この発生器は、炉に接続された少なくとも1つの触媒床、および、上記の1つ以上の注入装置を有することができる。この注入装置によって、計量された流体材料は触媒床に送られる。
別の側面では、1つ以上の金属製品を処理するための雰囲気炉用の富化システムを提供する。この富化システムには、上記の1つ以上の注入装置が含まれる。この注入装置によって、計量された流体材料は炉内に送られる。
さらに別の側面では、1つ以上の金属製品を処理するための雰囲気炉用のキャリアシステムを提供する。このキャリアシステムには、計量された流体材料を炉内に送る1つ以上の注入装置が含まれる。
特定の態様では、金属製品の処理としては、浸炭、焼き入れ、窒化(浸炭窒化やフェライト窒化(ferriticnitriding)など)、青化、黒化、制御酸化および/または制御還元のうちの1つ以上が挙げられる。
特定の側面では、大気浸炭、焼き入れまたは浸炭窒化の方法を提供する。この方法において、鉄製品は所望の温度に保たれた乾燥炉室内で浸炭温度まで加熱される。炭化水素材料は、炉室内に注入された後、反応して製品表面内に吸収される炭素を生成し、溶液および/または炭化鉄、FeCにおける炭素を生成する。炭化水素または炭化水素混合物は、炉室内に計量供給される。ある態様では、炉室内の炭化水素はキャリアガスと反応し、次に、鉄製品と反応して、操作表面とキャリアガスの間の炭素ポテンシャルの平衡を維持する。
別の側面に従って、炭化水素は、必要に応じて、製品表面全体にわたって溶液および炭化鉄における飽和炭素を生成する炭素ポテンシャルを確立するのに十分な量、または飽和よりも低い量に計量される。炭化水素が炉室内で設定時間(製品表面において、より多くの炭素量がケースまで拡散していくのに十分な時間)還元された後、この工程は所望の温度を保つことによって継続される。また、浸炭の全工程の間、飽和よりも低い固定の設定値を維持する平衡浸炭を行うことも可能である。
本発明の他の側面に従って、炭化水素は液状で準備され、液状で炉室内に計量供給される。そこで、炭化水素は、炉室の熱によってガスまたは霧状の液体に気化する。ある態様では、炭化水素液体原料は、99%を超える純度、好ましくは99.9%を超える純度で、また浸炭ガスが変動しないような種々の炭化水素を含むバランス(浸炭ガスが変動しないことにより、結果として浸炭工程を正確に制御できるようになり、均一に炭素が分配されたケースを優れた再現性で生成することができる)で、商業的に入手可能である。世界の多くの地域で、天然ガスが浸炭材料として使用されている。この天然ガスの組成は異なり、変動はCO、空気、窒素および/またはプロパン、ブタンなどの高次炭化水素の状態に見られる。この種々の成分は時々変化し、炭素ポテンシャルに察知できない乱れをもたらす。同様に、この変化は、炭素ポテンシャルを検知する計器の故障の原因にもなりうる。
特定の態様では、1つ以上の注入装置が炉室に一定間隔で配置されている。ガスが炉室に注入されている間、パルス幅およびパルス周波数は変動する。ある態様では、点火順または点火シーケンスを変化させて、製品内および製品間のガス流れの分散を積極的に改善することができる。
液体浸炭材料のパルス注入は、化学が関係するため、液体炭化水素に対する使用に関して特有の利点があるが、液体炭化水素のパルス注入によって達成可能な炭化水素の分散特性は、本発明のこの側面を炭化水素浸炭材料に限定しない。特に、種々の炭化水素をパルス注入によって液状で供給することによって、操作中、所望の浸炭ガスの分散を達成することができ、また、通常のガス供給流れによる別の方法で得られる純度よりもより高純度を有する液体原料状態で炭化水素を供給することができる。
本発明の1つの態様に従って、注入装置は、その出口の下流でかつ炉室の上流に位置する膨張室に装備され、これにより、炉室本体内の温度レベルを悪い方向に変動させずに、炉室内の熱を利用して液体炭化水素を気化することができる。炉室は高温下にあるが、意外にも、大容量の炉室は、貯蔵器としての機能を果たし、かつ炉室内の温度が悪影響を受けないように脈動を弱めるということが発見された。
本発明の別の側面に従って、鉄製品を浸炭するための雰囲気炉を提供する。この雰囲気炉は、炉室との境界が画定された炉体を有する。ヒーターは炉室内に装備されている。注入装置は炉に接続されている。この注入装置の入口は液体炭化水素源と流体連通しており、出口は炉室と流体連通している。炉室内の製品温度調節用のヒーターを制御し、かつ注入装置のパルス調節用に注入装置を制御するために、マイクロプロセッサ制御装置が用意される。これにより、浸炭ガスは、それぞれの製品の操作表面の周りおよび製品のスペース間を均一に流れる。
本発明の別の側面に従って、炉体には、炉室およびキャリアガス源と流体連通している1つ以上のキャリアガス入口が装備されている。キャリアガス源には、注入装置が液体炭化水素を炉内にパルス注入している間、入口を通してキャリアガスの計量供給を調節する制御装置が付いている。別の態様のキャリアガスを用いる場合、キャリアガスは、注入装置に取り付けられた膨張室(炭化水素の脈動に起因する変動をさらに最小にする)を通して炉に供給されることが好ましい。
本発明のさらに別の特定の側面に従って、炉には、炉室本体にサンプルラインが設けられており、NDIR(非拡散赤外線吸収方式)センサー型式の赤外CO/CO/CH分析計が流体連通している。制御装置は、NDIRセンサーからの読み取り値に従って炭化水素ガス流量を制御し、また、制御装置は、一酸化炭素の読み取り値または別の計器によって、キャリアガス流量を任意にまたは追加的に制御することができる。
さらに別の側面では、本発明には、浸炭材料として少なくとも1つの炭化水素材料および/またはそれらの混合物を用いる処理システム(方法および装置)が含まれる。この炭化水素材料は、1つ以上の下記の所望の特性を与える:
a)複雑な表面を有する製品および/または炉内に密に詰め込まれた製品に対する良好な浸炭ケース(処理システムによって、より高い一酸化炭素濃度およびより低い水素濃度が得られる);
b)光輝(bright)浸炭操作に伴う最低限の煤汚染(処理システムによって、高純度の炭化水素源が得られる);
c)特に光輝浸炭操作ときれいな炉室に伴う最低限の煤汚染(処理システムによって、安定した水素濃度およびより高い一酸化炭素濃度が得られる);
d)可変性の浸炭が可能である(CO/CO比の制御に起因し、より少ない富化炭化水素を必要とする);
e)しっかりと制御できる浸炭の再現性および一貫性(処理システムによって、液状の炭化水素の純度が得られる);
f)安価なプロセス(処理システムによって、炭化水素中の炭素が高濃度であるために、必要となる炭化水素材料が少なくてすむ、というコスト分析結果が得られる);および
h)CO補正の有無にかかわらず、CO/CO計器、露点(HO濃度)計器、および/または酸素プローブ制御の使用による容易な制御性。
A.「処理」または「浸炭」炭化水素材料
当然のことだが、本発明は一般に金属製品の表面処理に関するものであるが、以下の説明は、説明を容易にするために浸炭処理に関するものとする。
当然のことであるが、一般に「浸炭」という用語には、浸炭、焼き入れおよび浸炭窒化が含まれ、「浸炭」の使用としては、本明細書に記載され、特許請求されているような炭化水素材料の使用が挙げられる。「処理」という用語は、青化、黒化、制御酸化および制御還元などの他の表面処理を表すことができる。また、当業者は、このような表面処理における類似点と相違点を容易に理解すると考えられ、かつ本明細書に記載されている本発明のプロセスおよび装置は、このような全ての表面処理に有用であると考えられる。本明細書で用いられる、定義上、「環状炭化水素」という用語は、任意の数の結合によって接続された炭素環配列を有する炭化水素を表す。
1つの態様では、本発明では、環状炭化水素の中から、飽和環を有し、かつ石油化学工業において一般にナフテン類と呼ばれる環状炭化水素を選択する。
特定のナフテン類を飽和された芳香族と定義することができるかもしれないが、ナフテン類は非芳香族と呼ばれている。本明細書で用いられるナフテンとしては、炭素原子が配列して環を形成する、一般式C2nで表される炭化水素(シクロアルカン)が挙げられる。
特定の態様において、ナフテン系炭化水素の中では、6員環が最も高い安定性を有し、7員環よりも安定である。5員環は8員環より安定で、9員環は4員環より安定であり、4員環は3員環より高い安定性を有する。5員環および6員環は最も安定であるだけでなく、十分なエネルギーが環に加わると、炭素環の熱分解が発生し、活性化された炭素および水素分子を生成すると考えられる。この反応には、低級の炭素環を生成する傾向はないと考えられ(この反応は水素不足状態ではないと仮定する)、かつこの反応は吸熱反応である。このナフテン類の特定のグループにはシクロヘキサンが含まれ、その変異体として、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサン、トリメチルシクロヘキサン、およびシクロペンタン(メチルシクロペンタン、エチルシクロペンタンなどの変異体を含む)などが挙げられる。
また、特定の態様では、炭化水素材料は、以下の化合物のうちの少なくとも1つ、またはそれらの混合物を含む:
4つよりも多い炭素原子を有する不飽和炭化水素;少なくとも1つの5または6員炭素環を含む環状炭化水素;飽和炭化水素;およびそれらの混合物;
メタノール、エタノール、ブタノールなどのアルコール、およびそれらの混合物;
アセトン、メチルケトン、エチルケトンなどのケトン、およびそれらの混合物;
液化プロパン、液化ブタン、液化ペンタン、液化ヘキサン、液化ヘプタン、液化オクタンおよびそれらの混合物;
エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテンなどの不飽和鎖状炭化水素およびそれらの混合物;
メチルシクロプロパンなどのシクロプロパン;シクロブタン;メチルシクロペンタンやエチルシクロペンタンなどのシクロペンタン;メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサン、トリメチルシクロヘキサンなどのシクロヘキサン;シクロヘプタンなどの飽和環状炭化水素、およびそれらの混合物;
ベンゼン、トルエン、キシレンなどの不飽和環状炭化水素およびそれらの混合物;並びに、
ディーゼル油、ジェット燃料油、灯油、ガソリン、およびそれらの混合物。
特定の態様では、炭化水素は、部分酸化反応で空気と混合される。この部分酸化反応の副生成物としては、CO、水素および窒素、並びに微量のCO、OおよびHOが挙げられる。
別の側面では、以下に説明するように、本発明では、キャリアガスのみ、富化ガスのみ、またはキャリアガスと富化ガスの両方に炭化水素を使用する。
B.反応の考察−浸炭材料の活性
本明細書で用いられる「熱分解(cracking)」という用語は、環状炭化水素に対しては炭素環の破壊(breaking)または破断(rupture)を意味し;脂肪族化合物に対しては、炭化水素鎖状分子の簡単な炭化水素形状への分裂(splitting)または解離(disassociation)を意味する。
脂肪族炭化水素は、ラジカル連鎖理論に従い、熱分解条件に応じた反応の進行によって、複雑な炭化水素から中間体、そしてより簡単な形状に熱分解する。この炭化水素が反応すると、エチレン、アセチレン、プロピレンなどの低級の炭化水素中間体を形成するというこの炭化水素の傾向は、炉内での長い滞留時間によって最小限となる。
C.浸炭材料供給システム
特定の態様では、浸炭材料は流体形状で供給される。例えば、環状炭化水素、特に5または6員炭素環を有するナフテン類の態様は、液状で供給される。市販のシクロヘキサンは約99.9%の高純度で入手できる(残りの0.1%の不純物は他の炭化水素である)。このシクロヘキサンの純度によって、再現性のある制御結果を確実に得ることができる。また、多くの浸炭ガスとして用いられる5または6員炭素環ナフテン類は、連邦規定によると危険物質であると考えられるが(安全規定は遵守されなければならない)、ナフテン類は熱安定性を有し、反応性に乏しいことはよく知られている。このシクロヘキサンは:微量のCOと反応してCOとHを生成し、HOと反応してHとCOを生成し、最後に、Oと反応してCOとHを生成する。反応物はキャリアガスと完全に反応する。残りの未反応物は最終的に炉の排出パイロットで燃やされる。対照的に、通常の「スパージャー」による方法では、望ましくない炭素の脱落(煤)が起こり、最終的にスパージャーの閉塞、およびキャリアガス自体の損失を招く。
本発明の広い側面によると、この発明では、異なる計量供給方法を用いることを意図している(単純な制御弁による容器への直接注入;外部ヒーターによる液体の気化;または短時間パルス注入供給など)。専門用語に一貫性を持たせるために、「計量供給(metering)」という用語は、炭化水素材料を任意の形状で炉内に導入することを表し、「注入(injection)」という用語は、炭化水素材料を液状で炉内に導入することを表す。従って、「計量供給」の中には「注入」も含まれる。しかしながら、本明細書で用いられる「注入」には、弁を任意に配置して炉へのガスの流れを制御することは、除外されているかまたは包含されない。ある態様では、注入は、適当な弁の付いた注入装置または液体ポンプによって行うことができる。
炭化水素材料を炉内に導入する種々の方法としては、例えば、以下の方法が挙げられる:
a)制御弁を用いる直接注入法 制御弁による直接注入法は、ハードウェアに関して非常に簡素である。小さなニードル弁によって、昇圧された液体を炉内に供給することができる。
b)外部ヒーターによる気化 約160°F〜220°F(選択する炭化水素材料による)で操作する外部ヒーターによって液体を気化するとガスが発生し、炉内でのキャリアガスとの混合が容易になる。2種のガスの混合は、炉外で完全に行った後にこの混合ガスを1本の連結管を通して容器に送るか、または炉内で混合することができる。ヒーターには追加の装備が必要となり、一般的に炉につながる導管の加熱被覆が必要となる。
c)浸炭材料の計量供給による注入 精度良く炭化水素を供給することができる1つ以上の注入装置組立品を用いて注入する。供給圧力としては、小容量型ポンプおよび制御装置によって与えられる15〜50psiの圧力が用いられる。注入装置は、ミリ秒のオーダーの時間で脈動して、少量または「ショット量(shots)」の炭化水素材料を直接加熱管内に注入する。炭化水素材料の量は十分に少量でありかつ十分な圧力下に置かれており、圧力気泡や圧力封鎖等の危険(先に論じた直接注入法の際に起こりうる)を伴わずに炭化水素材料の完全な炉内への注入が可能となる。
注入装置へのガス流量パルスの負荷サイクルを増やすと、液流量が増加する。ガスの脈動が起こりうる。継続時間またはパルスは、低表面積負荷の数ミリ秒から、高表面積負荷の500ミリ秒以上まで増加することができる。パルスの周波数は、毎秒からより長時間にまで変化させることができる(例えば、毎15秒以下の周期、例えば、1/3秒)。特定の態様では、大抵の場合、注入によって、より多くの量の炭化水素材料を系内に加えることもできる。
熱処理工程で用いられる多くの炭化水素は瓶詰めの液状で供給されるので、液体供給システムの意味についての意味上の問題点が存在しうる(本発明の液体供給システムでは、炭化水素材料を蒸気として炉室に供給するため)。従って、本明細書で用いられる液体供給システムという用語は、一般に液体炭化水素形状の炭化水素材料を液体のまま炉室に計量供給することを意味し、供給システムが、炉体に隣接しているとみなすことができる位置または場所に至るまでは、炭化水素材料は液体のままである。この定義に従い、液状炭化水素のガス状炭化水素への気化は、炉体内または炉体の外側に隣接した位置で起こりうる。炉に供給する浸炭材料の流量は、液状の浸炭材料で制御される。これは、瓶詰めの液状でのガス供給を用いる従来技術と区別される。なぜならば、瓶から出た液体は炉から遠く離れてガスになり、このガスは一般に単純な機械式の流量計によって制御されるからである。また、これは、電磁作動弁によって、事実上ガスをイオン化して炉室にパルス注入するプラズマ応用とも区別される。この電磁弁は液体ではなく、ガスを制御する。
以下、図を参照して(図1に最もよく示されている)、注入装置120の概略を示す。この注入装置120は、前後のOリング133,134の間で支えられており、これらのOリングは後部取付け板136および前部取付けフランジ137のそれぞれに形成し磨かれた穴に取り付けられる。ねじ付きロッド138で、後部取付け板136を前部取付けフランジ137に固定する。前部取付けフランジ137は、炉体52に設置された膨張室130に取付けられる。いくつかのクラムシェル型締め金(図示せず)は、種々のOリング139を締め付けて、前部取付けフランジ137、膨張室130、と炉体52(または図6〜10に示す導管)の間を密封する。
この注入装置120によって液体炭化水素がガス状態へ気化することにより、温度低下が生じる。シクロヘキサンなどの環状炭化水素の中には、約40°Fの凍結温度を有するものもあるが、−195°Fの凍結温度を有するメチルシクロヘキサンのように、多くのナフテン類は低い凍結温度を有する。例えば、ナフテン類の混合物は、個々のナフテン類の凍結温度を複合した混合物の凍結温度を示し、ナフテンの混合物は、本発明で使用するのに適している。
特定の態様では、膨張室130は、液体からガスになる膨張比約5対1の所望の寸法を有する。ある態様では、膨張室130は、それが望ましければ、わずか約4インチの長さであってもよい。1つの態様では、膨張室130は、直径が約0.9インチで長さが約12インチである。炭化水素の凍結防止のためだけでなく、炭化水素の蒸気を確実に蒸気のままで維持するためにも、膨張室130は、ヒーター131によって加熱することができる(または、煉瓦、繊維断熱材または熱テープなどの断熱材による被覆)。炉の輻射は一般的に液体を蒸気として保つのに十分なエネルギーを与えるので、このヒーター131は必ずしも必要ではない。ある態様では、入口管132は開放端を有し、直径は比較的大きい。入口管132の末端は開放されているので、管端の劣化、または脱落の心配はない。同様に、入口管132は小さなスパージャー用の穴を必要としないので、閉塞したスパージャーによってもたらされる損傷の発生または炉を危険な状態にする心配は全くない。
図1に示す態様では、膨張室130は炉室の外側にある。他の態様では、このようにする必要はなく、膨張室130を炉内(例えば炉壁)に装備するような配置を用いることができる。膨張室130の寸法は、最大の注入パルスで十分に気化することができるように算出される。ある態様では、注入装置120は、別個の膨張室を必要としない。上記のように、大容量の炉室は、脈動(ミリ秒単位で生じるものなので重大なことではない)を減衰させるための貯蔵器と考えることができる。さらに、プロセスの安定性のためには、液体はガスに気化してから膨張室130から出て行くことが好ましい。
1つの態様では、注入装置120は自動車の燃料注入装置を含んでいた。液体流量は、最初は毎秒35ミリ秒パルス開閉および毎秒70ミリ秒パルス開閉に基づいていた。ガスの使用では、35ミリ秒パルスのちょうど2倍を消費する70ミリ秒パルスを伴うサイクルの後に極端な閉サイクルを繰り返す。電気出力は定期的にオシロスコープで較正された。生産バージョンは、超小型処理装置を使用する高速時計を有する。1つの態様では、35ミリ秒/秒のパルスでは、約5.6cc/分または336cc/時のシクロヘキサンを消費する。液体の使用量は、1.23リットル/分のガス流量に等しい。同様に、70msのパルスでは、2.46リットル/分のガス流量に対して、約11cc/分または672cc/時のシクロヘキサンを消費した。全消費量は9/4時間の浸炭操作に対して約1,480ccであった。供給圧力は一般に11psigに設定される。注入装置は、50psiよりも高い圧力で設計されており、自動車用では通常35〜42psigの範囲で操作される。また、注入装置は、800ms/秒まで上げて運転した後に、最大負荷サイクルの約80%に到達することができる(70msサイクルが負荷サイクルのわずか約9%に相当)。
パルス幅は変動する可能性があり、ある態様では、約15〜50psigの注入圧力で約5ミリ秒〜700ミリ秒のパルス幅が許容できる。必要に応じて、大きいまたは小さい注入装置を用いることができ、それによって必要流量を実質的に増減することができる。例えば、以下の実施例で用いられる注入装置は、もともと自動車用に設計されており、いかなる漏れも発生しなかった。また、そのOリングは、12ヶ月間100%シクロヘキサンの中に浸しても、軟化も膨潤も見られなかった。
また、炉室には複数の注入装置が装備されている。注入装置の配置に関しては、ある態様では、1つ以上の注入装置が接線方向に取付けられ、炉が小さいほど、取付ける注入装置の数も少ない。このプロセスは、1つの注入装置だけでも操作することができる。
特定の態様では、運転者がいったん制御装置109で所望の設定値を設定すると、制御装置109は直ちに上記の変動を行う。制御装置109は、系を平衡に保つために必要な注入装置のパルス幅を与える。当然のことであるが、炉の図面に示される全ての計量供給弁および計器は、見た目には手動型装置を描いているが、これらの計器は、Casemate(登録商標)制御装置などの主制御装置またはPIDループ制御装置などの特定の制御装置に信号を送信し、それに対して制御装置は、弁または設定した注入パルスを制御する作動部に指令信号を出力する。主制御装置は、弁を制御する作動部に直接指令信号を送信することができるか、または、指令信号を、作動部の出力信号を発生する専用制御装置に送ることができる。
D.発生器および炉の複数の注入装置の配置
炉の使用についての説明は、一般的な手順である、製品をトレイの中に固定せずに置いて炉室から出し入れすることが中心で、2番目は市販の熱処理器についてである。当然のことであるが、トレイを用いるコンベアーシステム、メッシュベルト等の任意の適した方法を使用することもできる。他の用途、例えば1つの特定の製品の浸炭を伴う専属用途に対しては、製品は固定したり、炉室の固定位置に取り付けることができる。
特定の態様では、注入装置120の入口管132が高ニッケルクロム合金製であると、操作中清浄性と光輝性は繰り返し維持される。ステンレス鋼には鉄が含まれているため、炭化水素は入口管132においてある程度熱分解する可能性がある。しかしながら、気化するパルスの速度が、浸炭材料の熱分解を最小限に抑えると考えられる。
以下、図4〜6を参照して、種々の態様の発生器や富化システム、キャリアシステム、および雰囲気炉の雰囲気を示す。
図2は、2種類の独立した液体を擁した複数の注入装置配列102を有する発生器100の概略図である。複数の注入装置配列102は、操作可能なように第1タンク104と第2タンク106、供給用導管108、エアーフィルター112の付いた空気入口110、および流量計114と接続されている。流量計114の下流には、空気の質量流量計116がある。
図2の態様では、第1タンク104は、操作可能なように複数の注入装置、すなわち第1主要注入装置120−A、第2主要注入装置120−B、および第1トリム注入装置124−Cと接続されている。
同様に、第2タンク106は、操作可能なように複数の注入装置、すなわち第1主要注入装置120−D、第2主要注入装置120−E、および第1トリム注入装置124−Fと接続されている。特定の態様では、発生器は1つ以上の注入装置を有するただ1つのタンク、または1つ以上の注入装置を有する複数のタンクを含むことができる。120−A、120−B、120−Dおよび120−Eのそれぞれの注入装置は、操作可能なように供給用導管108と接続されている。
図2に示す態様は、複数の液体用に設計されており、3つの注入装置2組によって複数の液体の混合を行う。複数の液体が互いに混和性を有する場合、貯蔵タンクの中でも混合することができる。非混和性の場合は、注入装置組立品102は、各液体が供給用導管108に注入された後にそれらを混合することができる。
空気の質量流量計116は、操作可能なようにコンピューターなどの制御装置109に接続され、空気の質量流量計116は、どれくらいの流量の空気が供給用導管108を流れているかを制御装置109に伝達する。制御装置109は、操作可能なようにそれぞれの注入装置120と接続され、注入装置120はそれぞれ独立に制御され、適量の炭化水素材料を注入するように操作される。
特定の態様では、主要注入装置120によって、炭化水素材料を空気流の中にうまく時差混合することができる。トリム注入装置124は、供給用導管108内の空気流の中に供給する炭化水素材料の微妙な調整を行うのに有用である。トリム注入装置124の流量供給能力(ポンド/時)は、主要注入装置120よりもより少ないと考えられる。
発生器100は、操作可能なようにセンスライン149およびポンプ150と接続されている制御装置148も有する。ある態様では、ポンプ150は、センサー153および発生出力を増減する可変周波数駆動装置152と接続されている。ある態様では、センサー153は、ポンプ速度を決定する軸回転の取得を行うことができる。可変周波数駆動装置を適用する場合、注入装置120および123は、異なる時間、パルス、および/または周波数で点火される。計量された炭化水素材料は注入装置から供給用導管108に受け入れられた後、反応管、または触媒床160に供給され、その後、炉170に送られる。
図3は、液体物質を炉(図3には示されていない)に供給するのに用いる注入装置の構成部品システム200の概略図である。説明を容易にするために、1つの注入装置構成部品システムについてのみ、図3に示す態様を用いて詳細な説明を行う。しかしながら、当然のことであるが、それぞれの注入装置組立品は、別々に同様の注入装置構成部品システムに接続することができる。この注入装置構成部品システム200には、操作可能なように1つ以上の注入装置(説明図を平易にするために、1つの注入装置120のみを示す)に接続されたタンク104が含まれる。
導管202は、供給源204から送られるNなどのキャリアガスを、好ましい圧力(例えば、5psig)でタンク104に供給する。キャリアNの供給源204の下流には、圧力計206と遮断弁208が設けられている。タンク104には、圧力放出弁210、通気孔212、充填口214および圧力計216を設けることもできる。
ポンプ230は、操作可能なようにタンク104と接続されており、特定の態様では、粗目フィルター232をポンプ230とタンク104の間に配置することができる。タンク104は、操作可能なように供給用導管242と接続された出口240を有する。制御装置244は、供給用導管242と接続されて、タンク104から供給される流体の量、容積および/または圧力を調整する。制御装置244の下流には、遮断弁246、細目フィルター247および圧力計248が設けられている。その後、供給用導管242は、操作可能なようにそれぞれの注入装置120(および、使用する場合はトリム注入装置124)と接続される。本態様では、1つのヒーター140が、操作可能なように注入装置120に取り付けられている。
図4は、炭化水素材料が炭素ポテンシャルを増減するために用いられる、雰囲気炉304の液体富化システム300の概略図を示す。
図4に示す態様では、この液体富化システム300には、図3に示した注入装置構成部品システム200が実際に含まれている。しかしながら、他の態様では、別の液体注入システムの構成が有用である。本明細書における説明を容易にするために、図3に示すように、同様の構成部品は同様の参照番号を有するものとする。富化注入装置構成部品システム200eは、それ自体で1つ以上の炭化水素材料を含む富化ガスを供給する。説明を容易にするために、1つの注入装置構成部品システム200eについてのみ、図4に示す態様を用いて詳細な説明を行う。しかしながら、当然のことであるが、それぞれの注入装置組立品は、別々に同様の注入装置構成部品システムに接続することができる。この注入装置構成部品システム200eには、操作可能なように複数の注入装置、すなわち第1主要注入装置120−Ae、および第1トリム注入装置124−Ceに接続されたタンク104eが含まれる。
導管202eは、供給源204eからの富化ガスを、好ましい圧力でタンク104eに供給する。供給源204eの下流には、圧力計206eと遮断弁208eが設けられている。タンク104eには、圧力放出弁210e、通気孔212e、充填口214eおよび圧力計216eを設けることもできる。
ポンプ230eは、操作可能なようにタンク104eと接続されており、特定の態様では、粗目フィルター232eをポンプ230eとタンク104eの間に配置することができる。タンク104eは、操作可能なように供給用導管242eと接続された出口240eを有する。制御装置244eは、供給用導管242eと接続されて、タンク104eから供給される流体の量、容積および/または圧力を調整する。制御装置244eの下流には、遮断弁246e、細目フィルター247eおよび圧力計248eが設けられている。その後、供給用導管242eは、操作可能なように第1主要注入装置120eおよび第1トリム注入装置124eと接続される。
液体注入システム200eは、操作可能なように炉304と接続されており、この炉304の屋根305には注入装置組立品120eが取り付けられている。当然のことであるが、炉304内におけるそれぞれの注入装置120および124の所望の位置は、それぞれの最終用途によって異なる。1つの態様では、注入装置は、富化ガスを炉304の再循環ファンの中心または吸い込み側に供給する。図4では、注入装置は、炉304の下流側に示されている。
炉304は、製品運搬装置306を有する。この炉304は、操作可能なように導管310によってキャリアガスシステム312に接続されたキャリアガス入口308を有する。このキャリアガスシステム312は、クラス「302」雰囲気ガスを供給する従来型の発生器システムであってもよい。別の態様では、このキャリアガスシステム312は、図2に示す発生器システム100と同様であってもよい。
特定の態様では、水素計量供給装置342が水素ガス供給源340に接続されており、炭化水素材料が炉室に導入されている間、水素ガスを炉室に計量供給するようになっている。水素計量供給装置は、所望の浸炭濃度が得られるまで水素をパルス注入するような注入装置であってもよい。
また、特定の態様では、炉室内の水素濃度を検知するために、水素検出器350を用いることができる。これにより、水素およびメタンの検知濃度、またはCO:COの比、または水蒸気:水素の比、または酸素:COの比に従って、水素、炭化水素材料、またはその両方のうちの少なくとも1つの流量を変化させることができる。
E.発生器を持たない炉
図5は、雰囲気炉404の液体炭化水素−窒素キャリアシステム400の概略図を示す。さらに、説明を容易にするために、他の図に示される同様の構成部品は、同様の参照番号を示すものとする。当然のことであるが、それぞれの注入装置組立品は、別々に同様の注入装置構成部品システムに接続することができる。従って、図5は、「炭化水素−窒素」キャリア材料を炭素ポテンシャルを増減するために用いる、雰囲気炉404の液体「炭化水素−窒素」キャリアシステム400の概略図である。
図5に示す態様では、この液体富化システム400には、図3に示したキャリア注入装置構成部品システム200cが実際に含まれている。しかしながら、他の態様では、別の液体注入システムの構成が有用である。本明細書における説明を容易にするために、図3に示すように、同様の構成部品は同様の参照番号を有するものとする。説明を容易にするために、1つの注入装置構成部品システム200cについてのみ、図5に示す態様を用いて詳細な説明を行う。しかしながら、当然のことであるが、それぞれの注入装置組立品は、別々に同様の注入装置構成部品システムに接続することができる。この注入装置構成部品システム200cには、操作可能なように1つ以上の注入装置(説明図を平易にするために、第1主要注入装置120c、および第1トリム注入装置124cのみを示す)に接続されたタンク104cが含まれる。
導管202cは、供給源204cから送られるNなどのキャリアガスを、好ましい圧力(例えば、5psigなど)でタンク104cに供給する。キャリアNの供給源204の下流には、圧力計206cと遮断弁208cが設けられている。タンク104cには、圧力放出弁210c、通気孔212c、充填口214cおよび圧力計216cを設けることもできる。
ポンプ230cは、操作可能なようにタンク104cと接続されており、特定の態様では、粗目フィルター232cをポンプ230cとタンク104cの間に配置することができる。タンク104cは、操作可能なように供給用導管242cと接続された出口240cを有する。制御装置244cは、供給用導管242cと接続されて、タンク104cから供給される流体の量、容積および/または圧力を調整する。制御装置244cの下流には、遮断弁246c、細目フィルター247cおよび圧力計248cが設けられている。その後、供給用導管242cは、操作可能なように第1主要注入装置120cおよび第1トリム注入装置124cと接続される。
特定の態様では、水素計量供給装置442が水素ガス供給源440に接続されており、炭化水素材料が炉室404に導入されている間、水素ガスを炉室404に計量供給するようになっている。水素計量供給装置は、所望の浸炭濃度が得られるまで水素をパルス注入するような注入装置型の装置であってもよい。ある態様では、水素計量供給装置442は、膨張室443を有することもできる。
また、特定の態様では、炉室内の水素濃度を検知するために、水素検出器450を用いることができる。その後、水素およびメタンの検知濃度、またはCO:COの比、または水蒸気:水素の比、または酸素:COの比に従って、水素、炭化水素材料、またはその両方のうちの少なくとも1つの流量を変化させることができる。
図5は、発生器を必要としない炉内に「クラス302」と同等の雰囲気を与える注入装置の使用を示す。例えば、炭素ポテンシャル富化材料が炭化水素材料である場合、液体注入と一緒に窒素ガスが用いられる。炉404は、製品運搬装置406を有する。炉404には、操作可能なように炉の屋根405に取り付けられたキャリアガス制御装置408が接続されている。このキャリアガス制御装置408は、操作可能なように導管410によってキャリアガスシステム412に接続されている。従って、このキャリアシステムは、「クラス302」雰囲気ガスを供給するのに過去に用いられていた従来型の発生器システムの代わりとなる。よって、本発明の1つの側面では、「クラス302」と同等のガスを窒素ガスと炭化水素材料を用いて炉内で直接製造し、次に、このガスを炉内で解離してHとCOを生成する。
特定の態様では、炉404は、操作可能なように導管422によって富化ガスシステム424に接続された富化ガス入口420を有することができる。この富化ガスシステム424は、従来型の富化システムであってもよい。別の態様では、この富化ガスシステム424は、図4に示す富化システム300と同様であってもよい。
図5に示す態様では、注入装置120および/または124は、極めて少ない液体流量を正確に制御する(例えば、0.1mlパルス/秒パルス)。より多いまたはより少ない流量を必要とする場合は、注入装置のパルス幅を変更する(例えば、コンピューター制御を用いることにより)。注入装置120/124によって、炭化水素材料は噴霧されて細かい液体粒子のしぶきとなる。炉に供給されるとすぐに、一般に1400°Fを超える熱によって、霧状粒子は容易に気化する。
注入装置は低コストであるために、複数の注入装置を用いることができる。例えば、1つの大きな注入装置と1つの小さな注入装置を用いることができ、これにより、小さい方の注入装置は大きい方の注入装置の重複するバックアップとして機能し、「トリム」調整機能を果たすことができる(必要ならば、一酸化炭素分析計によってバイアスをかける)。
F.キャリアシステムおよび富化システムを有する複合システム
図6は、炭化水素材料を炭素ポテンシャルを増減するために用いる、雰囲気炉504のキャリアシステム200cと富化システム200eの両方を与える複合システム500の概略図を示す。本明細書における説明を容易にするために、図4に示すように、同様の構成部品は同様の参照番号を有するものとする。富化注入装置構成部品システム200eは、それ自体で1つ以上の浸炭材料を含む富化ガスを供給するのに有用である。説明を容易にするために、1つの注入装置構成部品システム200eについてのみ、図6に示す態様を用いて詳細な説明を行う。しかしながら、当然のことであるが、それぞれの注入装置組立品は、別々に同様の注入装置構成部品システムに接続することができる。この注入装置構成部品システム200eには、操作可能なように複数の注入装置、すなわち第1主要注入装置120e、および第1トリム注入装置124eと接続されたタンク104eが含まれる。
導管202eは、供給源204eからの富化ガスを、好ましい圧力でタンク104eに供給する。供給源204eの下流には、圧力計206eと遮断弁208eが設けられている。タンク104eには、圧力放出弁210e、通気孔212e、充填口214eおよび圧力計216eを設けることもできる。
ポンプ230eは、操作可能なようにタンク104eと接続されており、特定の態様では、粗目フィルター232eをポンプ230eとタンク104eの間に配置することができる。タンク104eは、操作可能なように供給用導管242eと接続された出口240eを有する。制御装置244eは、供給用導管242eと接続されて、タンク104eから供給される流体の量、容積および/または圧力を調整する。この制御装置244eの下流には、遮断弁246e、細目フィルター247eおよび圧力計248eが設けられている。その後、供給用導管242eは、操作可能なように第1主要注入装置120eおよび第1トリム注入装置124eと接続される。
液体注入システム200は、操作可能なように炉504と接続されており、この炉504の屋根505には注入装置組立品120eが取り付けられている。当然のことであるが、炉504内におけるそれぞれの注入装置組立品の所望の位置は、それぞれの最終用途によって異なる。
炉504は、製品運搬装置506を有する。この炉504は、操作可能なように導管510によってキャリアガスシステム512に接続されたキャリアガス入口508を有する。特定の態様では、このキャリアガスシステム512は、クラス「302」雰囲気ガスを供給する従来型の発生器システムであってもよい。別の態様では、このキャリアガスシステム512は、図2に示す発生器システム100と同様であってもよい。
特定の態様では、水素計量供給装置542が水素ガス供給源540に接続されており、炭化水素材料が炉室に導入されている間、水素ガスを炉室504に計量供給するようになっている。水素計量供給装置542は、所望の水素濃度が得られるまで水素をパルス注入するような注入装置型の装置であってもよい。
また、特定の態様では、炉室504内の水素濃度を検知するために、水素検出器550を用いることができる。これにより、水素および炭化水素材料の検知濃度に従って、水素、炭化水素材料、またはその両方のうちの少なくとも1つの流量を変化させることができる。
図6に示す態様において、キャリア注入装置構成部品システム200cは実際には図4に示されている。しかしながら、他の態様では、別の液体注入システムの構成が有用である。本明細書における説明を容易にするために、図4に示すように、同様の構成部品は同様の参照番号を有するものとする。
富化ガスを供給するのに用いられる注入装置構成部品システム200cは、それ自体1つ以上の浸炭材料を含む。説明を容易にするために、1つの注入装置構成部品システム200cについてのみ、図6に示す態様を用いて詳細な説明を行う。しかしながら、当然のことであるが、それぞれの注入装置組立品は、別々に同様の注入装置構成部品システムに接続することができる。この注入装置構成部品システム200cには、操作可能なように複数の注入装置、すなわち第1主要注入装置120c、および第1トリム注入装置124cと接続されたタンク104cが含まれる。
導管202cは、供給源204cから送られるNなどのキャリアガスを、好ましい圧力(例えば、5psigなど)でタンク104cに供給する。キャリアNの供給源204の下流には、圧力計206cと遮断弁208cが設けられている。タンク104cには、圧力放出弁210c、通気孔212c、充填口214cおよび圧力計216cを設けることもできる。
ポンプ230cは、操作可能なようにタンク104cと接続されており、特定の態様では、粗目フィルター232cをポンプ230cとタンク104cの間に配置することができる。タンク104cは、操作可能なように供給用導管242cと接続された出口240cを有する。制御装置244cは、供給用導管242cと接続されて、タンク104cから供給される流体の量、容積および/または圧力を調整する。制御装置244cの下流には、遮断弁246c、細目フィルター247cおよび圧力計248cが設けられている。その後、供給用導管242cは、操作可能なように第1主要注入装置120cおよび第2主要注入装置120cと接続される。
図6は、発生器を必要としない炉内に「302」と同等の雰囲気を与える注入装置の使用も示す。炭素ポテンシャル富化材料が炭化水素である場合、液体注入と一緒にキャリア窒素ガスが用いられる。
別の態様では、炉504は、さらに、操作可能なように導管512によってキャリアガスシステム514に接続されたキャリアガス制御装置510を有することもできる。従って、ある態様では、このキャリアガスシステム514は、クラス「302」雰囲気ガスを供給する従来型の発生器システムであってもよい。別の態様では、このキャリアガスシステム514は、一般に図2に示すような発生器システム100と同様であってもよい。
G.実施例
以下の非限定的な実施例は、種々の温度および本発明の意図する範囲内にある種々の水素濃度とCO濃度(各ゼロ濃度を含む)を有する炭素ポテンシャルで行われる試験を示している。
当然のことながら、炭化水素材料がCOを発生し、CO濃度を低下させる。
また、炭化水素材料は水素を発生し、露点レベルが低下する。さまざまな態様において、水素濃度はCO濃度よりも高くすることができ、他の態様ではCO濃度よりも低く、さらに別の態様ではCO濃度とほぼ同等にすることができる。
また、当然のことながら、本発明では1つの族または複数の族に由来する1つ以上の炭化水素が有用であるということが本発明の意図する範囲内にある。特定の態様では、炉に空気を加え、炉の中で部分酸化反応を達成させる。例えば、キャリア材料にアセトンが含まれる場合は空気を加える。他の態様では、例えばキャリア材料にメタノールが含まれる場合は窒素を加える。他の態様では、空気と窒素を一緒に加え、酸素濃度が21%未満になるようにする。
また、特定の態様では、通常空気または窒素に注入装置は使用しないが、液体物には注入装置を使用する。例えば、液化プロパンまたは液化ブタンの場合、最初にプロパンまたはブタンをガス化することなく、液体プロパンまたは液体ブタンを直接注入することができる。また、キャリアシステムは液化プロパンまたは液化ブタンをガス化してもよい。
実施例1−炭素試験片
炉および吸熱ガス発生器の中に液体炭化水素を直接注入して試験をいくつか行った。試験ピンまたは炭素試験片を用い、冶金試験を行った。試験ピンは、典型的で高品質な浸炭鋼の8620鋼から作られている。8620鋼は、最も典型的で高品質な鋼の1種である。また、この鋼はすべての炭素片(試験ピン)に用いられる標準的な材料である。この鋼には、0.2%のモリブデン、0.5%のクロム、0.5%のニッケルおよびバランス鉄が含まれる。高合金化合物であるほど、材料の油焼き入れが容易になる。合金成分が非常に高い場合(一般的に1%〜3%)は、高圧ガス焼き入れが可能である。
シクロヘキサンと空気の混合物を用い、吸熱ガス発生器内で雰囲気を生成した。これは部分酸化雰囲気であるため、正常燃焼で使われる空気量に比べ、空気量が大幅に少なくなっている。
エアフィルターを通して外部の大気を取り込み、空気流にする混合ポンプの上流に、注入装置組立品を取り付けた。GM Multec 2注入装置を用い、シクロヘキサン液体を噴霧した。初めにヒーターなしで注入装置を取り付けたところ、ある程度稼働時間が経過すると入口の供給管が冷え、シクロヘキサンが凍結しはじめるという最初の問題が発生した。系にヒーターを取り付けた。当然のことながら、商業的に取り付けられる発生器の配置については、一般的に、分散された噴霧液体を含む管に対して加えることのできる多くの自由熱が利用可能であるため、電気ヒーターは必要ない。
図7のグラフには炭素試験片の結果が示されており、このグラフは炭素試験片の深度の増加に応じた浸炭硬化層深さの硬度を表している。微小硬度試験で測定した場合の硬度については、表面のロックウェル硬度(RC)が61であった。特定の態様では、特定の材料において、ロックウェル硬度のスコアは60が良いと考えられ、61であるとなお良い。しかし、例えばスコアが57RC未満であると、わずかに硬度が低いと考えられる。ここで、グラフを右側へ移動してみると、強い60RCのプロファイルが0.010インチまで(下降し始めるまで)維持されている。この平坦域もまた望ましいと考えられ、その製品が0.010インチの深度を通して表面と全く同じ硬さであることを示している。
この試験片の有効浸炭硬化層深さは、50RCまで硬度が低下した地点である。51RCまたは49RCの範囲が基準に用いられることもあるが、基本的には50RCが標準である。50RCの地点を見ると、有効浸炭硬化層深さ「ECD」が0.025インチになっている。これが目標とする所望の結果と一致したことは、これが初回の試運転であっただけに非常に驚きであった。
この試験片の「全浸炭硬化層深さ」は約0.032インチである。この全浸炭硬化層深さは、材料の基礎硬度が上昇しはじめる地点として定義される。比較の浸炭試験ピンは、右端から分かるように、約45〜46RCを持つものと推定される。0.040インチの左側では、鋼に導入した炭素の効果により、約0.032インチで硬度が上昇し始める。
実施例2−歯車試験
歯車製品を用い、冶金試験を行った。シクロヘキサンと空気の混合物を用い、吸熱ガス発生器内で雰囲気を生成した。これは部分酸化雰囲気であるため、正常燃焼で使われる空気量に比べ、空気量が大幅に少なくなっている。
図8は、2種類の硬度プロファイルを示したものである。歯車は、合金成分の含有率がさらに高い材料から作られている。そのため、歯車の基礎硬度は49RCと非常に高く、従って50RCの基準点が最高で約54RCまで移動している。グラフの形状を見ると、61RCと62RC(0.010インチ)で2回平坦域があり、その後は基礎硬度まで緩やかに下降している。
「ピッチ」線は、歯の平坦部の真ん中と定義する。「歯底」は、歯間の溝である。一般的には、実質的に、歯底の浸炭硬化層深さはピッチ線に比べて浅く、浸炭硬化層深さがたったの半分になることもある。54RCの浸炭硬化層深さで深度を試験すると、歯底の深度は0.026インチ、ピッチの深度は0.028インチである。この2つの数字を割ると、92.8%という非常に望ましい歯底/ピッチ比を示す。また、種々の浸炭硬化層深さで試験しても、これらの硬度は非常に近いものとなる。
冶金学的に、ケースは良好に調質されたマルテンサイトであった。調質されたマルテンサイトでは、炭化物と非炭化物の網状組織がきめ細かく分散していた。また、ケースでは、オーステナイトの残存率が5%未満であった。これらの結果は全て、冶金学的に非常に好ましいものである。
中心部の性質は、マルテンサイト、ベイナイト、およびフェライトの混合物であった。この結果は、焼き入れはされているが浸炭はされていないことを示している。中心部の性質は冶金的必要条件の1つであり、また、この実施例はそれを目的に書かれている。炭素プロファイルは、表面から中心部までの様々な浸炭硬化層深さで用いられる基準である。
炭素プロファイルを用いる方法は、試験サンプルから鋼の旋削・シェービング加工をし、それらをLECO(登録商標)炭素測定装置または炭素分析装置内で燃焼させることによって行われる。拡散によってケース全体に取り込まれた炭素量が燃焼し、サンプルの温度が上昇する。温度の上昇に応じて炭素量を測定することができる。表面の温度が最も高く、その温度は徐々に低下する。これによって硬度が決まる。炭素が多いほど硬度が高いことを意味する。表面の典型的な炭素濃度は、0.80〜1.00重量%である。歯車は、歯の先端が過剰に炭素を取り込んで硬くなりすぎるために効率的な浸炭がさらに難しいことを考えると、歯車の0.78%という結果は望ましいものである。炭素が多すぎると、オーステナイトの残存濃度または潜在的な炭化物濃度が高くなり、場合によって望ましくないことがある。どちらも、炭素濃度が高すぎることによる副産物である。
本実施例では、30psigの窒素供給によってシクロヘキサン液体を加圧し、炉に入れるキャリアガスを生成した。注入装置を通し、混合ポンプの吸い込み側から液体シクロヘキサンC12を開閉供給した。このポンプを約7水柱インチ〜28水柱インチの負圧下に置き、注入した液体の気化を高めた。発生器を調節し、900立方フィート/時(cfh)の低水素かつ高COの雰囲気を生成した。
この設計の利点の1つに、液体シクロヘキサンが、市販グレードの99.9%であるということが挙げられる。というのも、プロパンまたは天然ガスなどの市販の炭化水素は、CO、硫黄といった問題を引き起こす可能性のある不純物を含んだ状態で供給されることが多いからである。炭化水素の含有量そのものが異なることもよくあることで、それがまた問題を引き起こす。
実施例3−炭素ポテンシャルの測定
調製したキャリアを、Surface Combustion(登録商標)バッチ式一体型焼き入れ炉に供給した。900cfhのガスが生成されたが、炉に必要な吸熱ガスはたったの300cfhであった。炉内を所望の炭素ポテンシャル(0.78%炭素)に維持した。測定した炭素ポテンシャルがわずかに低かったため、1/2〜1.0cfhのメタンを加え、炭素ポテンシャルを0.78%まで高めた。本態様の別の部分では、シクロヘキサン蒸気を直接炉に加え、炭素ポテンシャルを制御した。
Siemens社製の3種ガスULTRAMAT 23(登録商標)赤外線ガス分析計を用いてキャリアガスを測定した結果、シクロヘキサンから生成されたキャリアは、0.225%のCO、24.0%のCO、0.01%のメタンを示した。水素濃度は24%〜25%で、窒素濃度は約50%と推定された。後に行った残留ガス分析で、予想どおりHとNを示した。
実施例4−注入装置の循環
吸熱ガス発生器に取り付けた注入装置は、5.23回/秒の速さで、190ミリ秒間点火するように設計した。オン時間を調節し、空気混合物を変化させた。処理中のオン時間は62ミリ秒、オフ時間は128ミリ秒であった。負荷サイクルは32.6%であった。注入装置は、28ポンド/時の供給が可能であった。
実施例5−複数の注入装置
特定の態様では、2つ以上の注入装置が有用である。流量(ポンド/時)の多い主要注入装置が炭化水素の大半を供給し、小型の副注入装置が種々の流量条件に対するトリムを提供する。炭化水素の量と所定の空気流量とを正確に一致させるためには、負荷サイクルの制御が有用である。注入装置は、交互に点火し、炭化水素材料の流れがさらに連続的になるように設計してもよい。複数の注入装置を用いると、シクロヘキサンまたは炭化水素の連続的な流れを容易に作り出すことができる。この「重なり(overlap)」の制御によって、流れを阻害せずに増減を行うことができる。
実施例6−シクロヘキサンによる富化
最初の試験は、富化材料としてのシクロヘキサンの使用に関するものであった。富化のパルス幅は、毎秒約20ミリ秒であった。注入装置へのシクロヘキサンの供給圧力を30psigに設定した。炉の側面に注入装置を取り付け、シクロヘキサンを噴霧ミスト状にして炉内に注入した。他の態様では、注入装置を炉の頂部に設置することもできる。
本実施例において、キャリアガスはメタンから生成した吸熱ガスであった。しかし、当然のことながら、シクロヘキサンから生成した吸熱ガスも容易に用いることができる。最初は、20ミリ秒でシクロヘキサンの注入を開始した。このときの負荷サイクルは2%であった。制御は正確かつ非常に順調であった。また、シクロヘキサンを用いると、メタンを用いる典型的な場合と同様にCO濃度が低下しないことが確認され、実際、トルエンとアセトンを用いるとCO濃度がわずかに上昇し、約21%に達した。
酸素プローブによるモニタリングで雰囲気の炭素含有量を測定し、赤外線3種ガス分析計を用いてCO、CO、およびメタンも測定した。炭素ポテンシャルは、本米国出願人らによるCO/CO炭素算定式を用いて計算した。炭素計算の結果は、雰囲気に曝した薄型のシムストックの結果と密接な相関を示し、続いてLECO(登録商標)炭素測定装置で燃焼させた。
COの実測値は0.080%、COは19.2%、およびメタンは0.01%であった。
本米国出願人らの算定式9Aでは1.21%炭素と計算され、シムストックは1.29%炭素であった。これは、注入装置を用いた初回の試験としては非常に良好な結果であると考えられた。
実施例7−炉乾燥
炉を脱気して空気に曝し、炭素の大半を炉の内部から除去した。燃焼後、炉に吸熱雰囲気ガスを導入したが、炭素ポテンシャルは0.07%であり、炉を「乾燥」する必要があることを示した。約200ミリ秒の高パルスでシクロヘキサンを注入した。
炉の炭素ポテンシャルは、約2分間で1.00%に達した。この時間は、メタンによる富化に比べて非常に短い。乾燥のプロセスを行った後、上記と同様の試験を行い、同様の結果を得た。
実施例8−アセトンを用いた注入
注入液をシクロヘキサンからアセトンに変更した。COの実測値は0.140%、COは21.1%、およびメタンは0.01%であった。本米国出願人らの算定式では、0.883%炭素と計算され、シムストックをLEECO(登録商標)炭素測定装置で測定すると、0.872%炭素であった。富化液はアセトンであった。
実施例9−トルエンを用いた注入
3回目の試験では、シクロヘキサンまたはアセトンの代わりにトルエンを用い、炉の富化を行った。COの実測値は0.120%、COは21.1%およびメタンは0.01%であった。トルエンの場合、1.010%炭素と計算され、シムストックは1.000%炭素であった。
実施例10−現場(in situ)の注入雰囲気
注入装置は、メタノールと窒素のバランスによる現場の雰囲気を準備するのにも有用である。注入装置により、スパージャーの閉塞や故障、および/または液体流制御のばらつきの問題が両方とも解決される。
第1に、注入装置は、非常に低い流量でも正確に計測供給することができる。従って、1ガロン/時、またはそれ以外の任意の所望の設定点を、正確かつ容易に維持することができる。
第2に、スパージャーは閉塞することがない。注入装置のノズルは後部にあり、この位置は炉の温度が低く、プローブの先端で炭素の脱落が発生しない。
さらに、メタノールは、流体連通により30〜45psigの圧力で注入装置へ送られるため、詰まる可能性が低い。脱落するシステムは、スパージャーの圧力が低い。
実施例11−シクロヘキサン
図9は、部分的酸化レベルでのCO濃度が約25%で、さらに水素濃度もそれと同じであることを示している。窒素は約50%である。微量のCOと水蒸気が認められる。図9と図10に関し、1000℃でのガス生成におけるパラメータは次の通りであった:温度1273.150K、圧力1.000bar、原料−kmol、および
(BZEg)=5.0000E−02
(CHAg)=9.9000E+01
(TLUg)=5.0000E−01
O(a)=5.0000E−02
CH=1.0000E−02
CHOC(l)=5.0000E−01
(g)−3.5000E+01
(g)−1.4000E+02。
図9はパーセントで表し、図10はポンド・モルで表している。図10に関し、1000℃でのガス生成におけるパラメータは次の通りであった:
横軸は空気である。窒素と酸素の両方を注入した。計算を容易にするため、酸素は20.9%ではなく20%ちょうどに見積もった。酸素量が300molに達する直前の量で試験されるときのグラフが、標準の運転パラメータである。ここは、少量のCOが発生する地点である。この地点では、25%のCOと25%のHが認められる。微量のCOが微量のHの背後に隠されている。窒素濃度は50%である。
通常のCO濃度よりも高くかつ通常の水素濃度よりも低いというさらなる利点があり、これは炉内の煤の生成防止にも役立つ。
実施例12−炭化水素混合物
炭化水素混合物は、浸炭材料としても有用である。生成ガスの化学的性質を、空気添加量の変化、または、メタノール、エタノール、アセトンなどの酸素含有炭化水素の添加により、窒素に転換することができる。さらに、メタン(天然ガス)、プロパン、ブタンなどの飽和炭化水素を添加することによってより多くの水素が得られる。シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサンなどの化合物を用いると、CO:水素の比が約1:1に達する混合物が得られる。また、特定の態様では、トルエン、キシレンなどの不飽和炭化水素を用いると、CO濃度によって水素濃度を低下させることができる。さらに、炭化水素として、ディーゼル油、トルエン、ジェット燃料油、キシレン、灯油、ガソリン、アセトン、エチレン、メタノール、ブタン、シクロヘキサン、ベンゼンなどが、炉内で直接生成される雰囲気に対して有用である。窒素に加え、一部の炭化水素の代わりに空気を用いることができる。
他の態様では、アセトンを用いた注入装置によって雰囲気を生成することができ、窒素の代わりに空気を用いることができる。高濃度のCOが数分間で生成されることが試験で示されている。少なくとも製品において、混合物の望ましい組成は浸炭される製品によって決まる。
実施例12A−炭化水素の予混合物
特定の態様では、種々の炭化水素を供給する予混合タンクによって、低温の周囲貯蔵温度、経済的な利点、低いまたは高いCO濃度、所定のCO濃度に対する低いまたは高い水素濃度、および低いまたは高い窒素濃度が準備される。
実施例12B−入口での炭化水素の混合
複数の注入装置による混合は、炉室の入口で行うことができる。特定の態様では、混合を行いたい場合、複数の注入装置(各注入装置が所定の原料専用に使用される)に供給を行う複数の貯蔵タンクを使用することができる。混合物の比は、各注入装置の負荷サイクルによって制御される。例えば、浸炭材料を少量にしたい場合は、その注入装置の負荷サイクルを下げ、もう一方の注入装置の負荷サイクルを上げる。注入装置を両方一緒に増減させて、空気流を所望の様々な炭化水素流量に変更する。
実施例12a−12j
引き起こされる反応の性能を測定する1つのプログラムが使用可能であり、このプログラムは、フィンランドのOutokumpu Research社からHSC Chemistry for Windows(登録商標)の商品名で販売されている。このプログラムにより、ギブスの自由エネルギーと、反応が起こる可能性または起こらない可能性を予測することができる。このプログラムでは反応速度は測定されないが、反応の大きさの指標が即ち反応の起こる可能性の指標である。多くの炭化水素材料とそれらの混合物でこのプログラムを実行した。
実施例12a−シクロヘキサン、トルエンおよびメタノールの混合物
メタノール、トルエン、およびシクロヘキサンの混合物を用い、混合物を試験した。この混合物は、33%のメタノール、33%のトルエン、および33%のシクロヘキサンからなっていた。図11に示すHSCのグラフは、最初に同量のトルエン、シクロヘキサン、およびメタノールが投入されたことを示している。1000℃でのガス生成におけるパラメータは次の通りであった:温度1273.150K、圧力1.000bar、原料−kmol、および
12(CHAg)=1.5000E+01
(BZEg)=5.0000E−02
(CHAg)=1.5000E+01
O(a)=5.0000E−03
(PPEg)=5.0000E−03
CH=5.0000E−03
O=5.0000E+00
CHOC(l)=1.5000E+01
(g)=2.0900E+01
(g)=7.8000E+02。
図11において、酸素92molのわずかに右側で、少量のCOとHOが検出されていることをグラフは示しており、これはほぼ標準の運転パラメータである。水素濃度がCO濃度より低くなっており、窒素濃度は50%から約45%に低下している。メタノールをさらに加えると、窒素が低下する。また、メタノールは、「内蔵された」酸素、または付着した酸素を持つため、雰囲気のバランスを保つには空気をより少なくする必要がある。さらに、空気が少ないために、生成物中の窒素がより少なくなる。
また、トルエン、キシレン、またはベンゼンなどの不飽和炭化水素を加えると(それらの水素数はシクロヘキサンの半分であるため)、不飽和炭化水素は水素の割合がさらに低くなる。
別の実験室で混合物を分析した結果、次のような化学混合物であることが示された:水素=30.4%、酸素=1.17%、窒素=43.3%、CO=24.8%、メタン=0.01%、CO=0.32%。Siemens社製のUltramat(登録商標)分析計では、26.0%のCO、0.39%のCO、および0.01%のメタンを示した。
実施例12b−トルエン、アセトンおよびメタノールの第1混合物
トルエン、アセトンおよびメタノールの混合物を用い、第1混合物を試験した。この混合物は、図12のHSCのグラフに示すように、約43%のトルエン、約43%のアセトン、および約14%のメタノールからなっていた。1000℃でのガス生成におけるパラメータは次の通りであった:温度1273.150K、圧力1.000bar、原料−kmol、および
(BZEg)=5.0000E−01
(CHAg)=3.0000E+00
O(a)=3.0000E+00
CH=1.0000E−02
CHOC(l)=1.0000E+01
(g)=2.0900E−01
(g)=4.0000E−01。
酸素15molのわずかに右側で、少量のCOとHOが検出されていることをグラフは示している。水素濃度がCO濃度よりも低くなっている。
実施例12c−トルエン、アセトンおよびメタノールの第2混合物
トルエン、アセトンおよびメタノールの混合物を用い、第2混合物を試験した。この混合物は、図13のHSCのグラフに示すように、約26%のトルエン、約55%のアセトン、および約18%のメタノールからなっていた。1000℃でのガス生成におけるパラメータは次の通りであった:温度1273.150K、圧力1.000bar、原料−kmol、および
(BZEg)=5.0000E−02
(CHAg)=1.4000E+00
O(a)=3.0000E+00
CH=1.0000E−02
CHOC(l)=1.0000E+01
(g)=1.0000E−01
(g)=4.0000E−01。
酸素10molのわずかに左側で、少量のCOとHOが検出されていることをグラフは示している。酸素約18〜20molの後から、水素濃度がCO濃度より低くなっている。
実施例12d−トルエン、アセトンおよびメタノールの第3混合物
トルエン、アセトンおよびメタノールの混合物を用い、第3混合物を試験した。この混合物は、図14のHSCのグラフに示すように、約20%のトルエン、約60%のアセトン、および約20%のメタノールからなっていた。1000℃でのガス生成におけるパラメータは次の通りであった:温度1273.150K、圧力1.000bar、原料−kmol、および
(BZEg)=5.0000E−01
(CHAg)=1.0000E+00
O(a)=3.0000E+00
CH=1.0000E−02
CHOC(l)=1.0000E+01
(g)=1.0000E−01
(g)=4.0000E−01。
酸素10molのわずかに左側で、少量のCOとHOが検出されていることをグラフは示している。酸素約95molの後から、水素濃度がCO濃度より低くなっている。
実施例12e−アセトンとメタノールの混合物
アセトンとメタノールの混合物を用い、混合物を試験した。この混合物は、図15のHSCのグラフに示すように、約80%のアセトン、および約20%のメタノールからなっていた。1000℃でのガス生成におけるパラメータは次の通りであった:温度1273.150K、圧力1.000bar、原料−kmol、および
(BZEg)=5.0000E−02
(CHAg)=5.0000E−01
O(a)=6.0000E+00
CH=1.0000E−02
CHOC(l)=1.2000E+01
(g)=3.0000E+01
(g)=1.2000E+02。
酸素6molのわずかに右側で、少量のCOとHOのみが検出されていることをグラフは示している。水素濃度がCO濃度より低くなっている。
実施例12f−メタノールと空気の混合物
メタノールと空気を用い、発生器を直接運転した。非常に高濃度のCOと水素が得られた。空気添加量を変えて窒素濃度を変化させた。最大で約98%のメタノールと2%の空気が容易に注入できるため、30〜32%のCO濃度と60〜64%の水素濃度が得られる。
空気を加えてCOと水素の濃度を下げ、窒素を増加させることができる。一般的に、COとHOの濃度は、空気添加量に応じて0.2%〜1.0%の範囲に設定されている。
実施例12g−アセトン、メタノールおよびシクロヘキサンの混合物
バッチ式一体型焼き入れ炉にも直接注入を直接適用した。使用した化学物質は、アセトン、メタノール、およびシクロヘキサンであった。結果も良好であった。
実施例12h−シクロヘキサン、トルエンおよびアセトンの混合物
注入装置を用いた吸熱ガス発生器の運転に加え、注入装置と、シクロヘキサン、トルエン、およびアセトンで「富化された」雰囲気とを用いて炉を運転した。結果も良好であった。
実施例12i−メタノールとシクロヘキサンの混合物
炭化水素を混合すべきでない混合物に関して、本発明は、それぞれのガスの雰囲気炉内への直接注入も提供する。ガスは気化した上で炉に導入されるため、安全上の問題はない。メタノールとシクロヘキサンの混合物を、直接かつ別々にバッチ式一体型焼き入れ炉内に注入した。結果も良好であった。
実施例12j−アセトンと空気の混合物
また、別の実施例では、空気とアセトンを用いて外部で生成されたキャリアを用いずに雰囲気を生成した。結果も良好であった。
実施例12k−シクロヘキサンと空気の混合物
さらに、別の実施例では、空気とシクロヘキサンを用いて外部で生成されたキャリアを用いずに雰囲気を生成した。結果も良好であった。
実施例13−アンモニア添加による浸炭窒化
別の態様において、本発明は、説明したように、水素源として役立ち、かつ単原子窒素の供給にも役立つアンモニアの添加によっても正常に行われる。アンモニアを用いる浸炭窒化の分野において、アンモニアは一般的に、フェライト窒化浸炭といわれているプロセスでは900°F〜1100°Fの温度、浸炭窒化といわれているプロセスでは1525°F〜1640°Fのさらに高い温度で用いられる。前述の両プロセスでは、一般的に、アンモニアを窒素源として用いている。
実施例14−単原子窒素の添加による浸炭窒化
別の態様において、本発明は、説明したように、単原子窒素を含む環状炭化水素の添加によっても正常に行われる。これらの炭化水素は、環状炭化水素の定義内に分類され、浸炭の炭素源であるだけでなく、浸炭窒化の単原子窒素源でもある。
別の態様では、活性炭および単原子窒素の両方を供給する環状炭化水素を、1つの炭化水素化合物から同時に供給することができる。環の少なくとも1つの炭素が1つの単原子「N」に置換されることによって使用可能となる環状化合物がある。この化合物は、環の破断、破壊または熱分解時に炭素を放出し(炭素は鉄溶液中に存在する)、同時に、同様に単原子窒素を放出する(窒素は鉄溶液中に存在する)。
実施例15−窒素基を用いた浸炭窒化
さらにまたはあるいは、環の任意の炭素と結合するNHおよびNH成分を有する環状炭化水素がある。これらの化合物の多くは、1つ以上のNH基またはNH基を有し、メチル基またはエチル基の有無にかかわらずこれらの基を有することができる。結合したNHCH基を有する基から選択することもできる。従って、ケース変化ガス中の窒素に対する炭素の割合が異なる化合物を選択することによって供給することができる。例えば、アニリンまたはメチルピペリジン、またはピペリジン、スペリジン、カフェインおよびニコチンなどの環状炭化水素が適切な炭化水素である。別の実施例において、この混合物はメタノールと窒素を含む。
液状で使用でき、かつ本明細書に記載の液体注入システムを用いた運転に適する適切な沸点と凝固点を持つシクロヘキシルアミン(別名:アミノシクロヘキサンまたはシクロヘキサンアミン)などの飽和炭化水素もある。
これらの化合物の多くが環境を破壊すると考えられていることもわかっている。しかしながら、鉄製品に接触すると、触媒反応によって炭化水素が鋼鉄製品上で同様に(本発明の浸炭炭化水素のように)分解し、メタンまたはNとなって炉から排出されると考えられている。
炉の燃焼式煙突によって排気ガスを燃焼させた後に、わずかな割合で残存するこれらの化合物を測定すべきであり、供給物を加え、触媒反応によってこれらの物質を分解するか、または炉室の外部でこれらの物質を酸化してもよい。
H.比較例
比較例A クラス「302」雰囲気
典型的なクラス「302」吸熱ガス雰囲気は、40%の窒素、20%のCO、および40%の水素、微量のCOおよび水蒸気からなる。大気浸炭炉または硬化炉では、一般的に、クラス「302」雰囲気を炉に導くか、または窒素、一般的には空気を、メタノールやアセトンなどの炉に滴下される液体と共に流すことによって雰囲気を作る。この雰囲気は、一般的に0.20%炭素〜0.45%炭素の炭素ポテンシャルを有する。他の炭化水素を用いる場合は、3種の主要なガス化合物の構成が若干変化する。
浸炭プロセス中は、製品に送られる炭素源は主としてCOであり、温度を高めるために遊離メタンも補助的に用いられる。浸炭プロセスが起こると、排ガスとして水素が発生する。一般的に、クラス「302」ガス中の40%の基本水素濃度が上昇し、プロセスが弱まる。強い浸炭が起こると、水素濃度が50%に近づく。過剰な濃度の水素がプロセス内で競合し、炭素ポテンシャルを低下させるという影響がある。従って、水素を含むキャリアガスを用いると、製品の光輝性や水蒸気に対する平衡には効果があるが、40%〜50%もの濃度は不要で、プロセスに対して逆効果となる。
浸炭では、炭素ポテンシャルを0.80%以上に上昇させるのが一般的である。そのために、富化ガス、一般的にはプロパンやメタンが炉に加えられる。このとき、素地製品による炭素の需要によって、富化ガスが消費される。炭素の消費が起こるので、COと水蒸気の濃度が上昇し、逆に炭素ポテンシャルは低下する。
COと水蒸気の濃度を下げるために、富化ガスを加える。主に3つの反応がある;CH+CO→2CO+2H、同様にHO+CH→CO+3H。所定の炭素ポテンシャルの設定点で平衡に達すると、COとHOの濃度も同様に平衡に達して安定する。第3の反応は温度依存性があり、CHは炭素となって製品表面に入り込み、2Hを発生する。他に、酸素を伴って起こる反応がある。さらに、反応を進めるために、結果として3つの反応全てで水素が発生する。
富化ガスの制御は、電動弁操作または時間比例オン/オフ電磁弁によって行われる。この場合もやはり、ガスは一般的にメタンまたはプロパンである。メタンに関する問題点の1つは、具体的には、発生する過剰量の水素が他の所望のCOを希釈してしまうことである。メタンは炭素1分子あたり2分子のHを有するので、多量の水素が発生し、さらにCOの低下が生じる(この炭化水素では、他のより高分子量の炭化水素よりもこの傾向が強い)。CO濃度が15%まで低下する。
当業者は、このCOの低下を「CO枯渇」と呼んでいる。不十分なCOしかメタンと反応しないために炭素ポテンシャルを上昇させ、メタン濃度が上昇するという事実により、最終的な結果として炭素ポテンシャルを得るのは困難である。高表面積負荷では上記の影響が最も優勢である。プロパンガスに関してはこの影響は極めて低く、これは炭素に対する水素の比の低下によるものである。
対照的に、本発明および以下の実施例によると、サイクルの開始時に炭素の需要が大きい場合、従来の20%というCO濃度よりも高い濃度を有すると浸炭に有利であり、プロセスが促進される。COが約18%以下になると、浸炭が進まなくなる。
比較例B−メタノールを用いたクラス「302」雰囲気
本発明は、窒素とのバランスによりメタノールを炉に直接滴下して生成することができるクラス「302」雰囲気に類似する雰囲気の使用とも異なる。一般的な流量は、窒素160cfhおよびメタノール1ガロン/時である。これらの操作中はメタノールの制御が重要である。
この雰囲気は、20%のCO濃度が得られるように設計されている。メタノールが過剰に加えられると、CO濃度が上昇し、製品が過剰浸炭される。同様に、メタノールの流量が少なすぎると、製品の浸炭が不十分となる。メタノールは、設定点で固定することや正確に計量することが難しい小さなニードル弁を通し、滴下システム計量器から炉に送られた。また、入口の「スパージャー」管は炭素で閉塞しやすく、メタノールの流量が減少または完全に遮断される。
好ましいかつ別の態様を参照して本発明を説明してきた。言うまでもなく、前述した本発明の詳細な説明を読み理解することにより、当業者は変更と改良を思いつくことができる。
他の浸炭ガスを、例えば液状で炭化水素と混合し、この混合物を炉に計量供給できるならば、本発明が正しく機能することが当業者にも明らかである。そして、添加された浸炭ガスが浸炭し、本明細書に開示されている炭化水素が本明細書に開示されているように浸炭する。もちろん、この「混合物」は、その主成分として炭化水素を含むことができ、例えば、化合物の50%以上が飽和炭化水素からなることができる。本発明の範囲内にある限り、このような変更と改良も全て含まれるものとする。
種々の好ましい態様を参照して本発明を説明してきたが、本発明の本質的な範囲を逸脱することなく種々の変更を行うことができ、かつその成分を均等物に置き換えることができることを当業者は理解すべきである。さらに、本発明の本質的な範囲を逸脱することなく、特定の状況または材料を本発明の教示に適合させるために多くの変更を行うことができる。従って、本発明は、本発明を行うために本明細書に開示されている特定の態様に限定されるものではないが、本発明は下記の範囲内にある全ての態様を含むものとする。
本発明の範囲内にある全ての態様を明確にするため、出願時の請求項全文を、以下に示す。
1.
炉室;および
1つ以上の注入装置
を含む、1つ以上の金属製品を処理するための雰囲気炉であって、各注入装置は流体材料源に接続された入口、および該炉室に接続された出口を有し、計量された該流体材料が該炉室に送られるように該注入装置が適合されている雰囲気炉。
2.
炉に接続された少なくとも1つの触媒床、
1つ以上の注入装置
を含む、1つ以上の製品を処理するための雰囲気炉用の発生器であって、各注入装置は流体材料源に接続された入口、および該触媒床に接続された出口を有し、計量された該流体材料が該触媒床に送られるように該注入装置が適合されている発生器。
3.
1つ以上の注入装置
を含む、1つ以上の金属製品を処理するための雰囲気炉用の富化システムであって、各注入装置は流体材料源に接続された入口、および該炉に接続された出口を有し、計量された該流体材料が該炉に送られるように該注入装置が適合されている富化システム。
4.
1つ以上の注入装置を含む、1つ以上の金属製品を処理するための雰囲気炉用のキャリアシステムであって、各注入装置は流体材料源に接続された入口、および該炉に接続された出口を有し、計量された該流体材料が該炉に送られるように該注入装置が適合されているキャリアシステム。
5.
該処理は浸炭、焼き入れ、窒化(浸炭窒化やフェライト窒化を含む)、青化、黒化、制御酸化および/または制御還元を含んでなる、上記1、2、3または4のいずれかの項。
6.
さらに、それぞれの供給物質が、別々に供給される材料を受け入れて混合し、混合された供給物質を該炉および/または該触媒床に送ることができる供給用導管と流体連通している流体材料の1を超える供給を含む、上記1、2、3または4のいずれかの項。
7.
該流体材料の該供給が、単一供給としての複数かつ混和性の材料を含んでなる、上記1、2、3または4のいずれかの項。
8.
複数かつ非混和性の炭化水素を含む該流体材料の供給において、非混和性の各炭化水素が別々の供給物質として貯蔵される、上記1、2、3または4のいずれかの項。
9.
該注入装置が、第1流量の該流体材料を供給するための少なくとも1つの主要な注入装置、および第2流量の同じまたは異なる流体材料を供給するための少なくとも1つのトリム注入装置を含む、上記1、2、3または4のいずれかの項。
10.
さらに、計量された該流体材料を制御するように適合されている各注入装置に接続される制御装置を含む、上記1、2、3または4のいずれかの項。
11.
該流体材料の温度を調節するためにヒーターが操作可能に該注入装置に接続されている、上記1、2、3または4のいずれかの項。
12.
さらに、ポンプ、該ポンプに操作可能に接続される調節器、および該調節器に接続される可変周波数駆動装置を含む、上記1、2、3または4のいずれかの項。
13.
該注入装置が、設定時間間隔;変動時間間隔;設定パルス幅および/または設定パルス周波数;および変動パルス幅および/または変動パルス周波数のうちの1つ以上の条件で、別々の量の該炭化水素材料をパルス注入するように適合されている、上記1、2、3または4のいずれかの項。
14.
それぞれの注入装置が、
i)他の該注入装置と関係する設定時間で該流体材料をパルス注入する;
ii)パルスの周波数を変動させる;および
iii)パルス幅を変動させる
のうち1つ以上を行うことにより所望の混合物が得られるように適合されている、上記1、2、3または4のいずれかの項。
15.
さらに、該注入装置の下流に少なくとも1つの膨張室を有し、該膨張室が該流体材料を該膨張室内で気化または霧化してガスにするように適合されている、上記1、2、3または4のいずれかの項。
16.
さらに、該注入装置下流の膨張室を外部から加熱するための装置を含む、上記1、2、3または4のいずれかの項。
17.
該流体材料が少なくとも1つの炭化水素を含んでなる、上記1、2、3または4のいずれかの項。
18.
該金属製品が鉄材料を含み、かつ該流体が、解離して該製品の表面に吸収される炭素を生成し、溶液中に炭素および/またはFe3Cを生成する少なくとも1つの炭化水素を含んでなる、上記1、2、3または4のいずれかの項。
19.
該流体材料が、
炭素数4を超える不飽和炭化水素;少なくとも1つの5または6員炭素環を含む環状炭化水素;飽和炭化水素;およびそれらの混合物;
メタノール、エタノール、ブタノールを含むアルコール、およびそれらの混合物;
アセトン、メチルケトン、エチルケトンを含むケトン、およびそれらの混合物;
液化プロパン、液化ブタン、液化ペンタン、液化ヘキサン、液化ヘプタン、液化オクタンおよびそれらの混合物;
エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテンを含む不飽和鎖状炭化水素およびそれらの混合物;
メチルシクロプロパンを含むシクロプロパン;シクロブタン;メチルシクロペンタンやエチルシクロペンタンを含むシクロペンタン;メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサン、トリメチルシクロヘキサンを含むシクロヘキサン;シクロヘプタンを含む飽和環状炭化水素、およびそれらの混合物;
ベンゼン、トルエン、キシレンを含む不飽和環状炭化水素およびそれらの混合物;並びに、
ディーゼル油、ジェット燃料油、灯油、ガソリン、およびそれらの混合物
のうち少なくとも1つ、またはそれらの混合物から選択される少なくとも1つの炭化水素材料を含んでなる、上記1、2、3または4のいずれかの項。
20.
該流体材料が、トルエン、アセトン、メタノール;シクロヘキサン、およびアセトンのうち少なくとも1つ、またはそれらの混合物から選択される少なくとも1つの炭化水素材料を含んでなる、上記1、2、3または4のいずれかの項。
21.
該流体材料が、
33%のメタノール、33%のトルエン、および33%のシクロヘキサン;
約20%〜約40%のトルエン、約40%〜約60%のアセトン、および約10%〜約25%のメタノール;
約43%のトルエン、約43%のアセトン、および約14%のメタノール;
約26%のトルエン、約55%のアセトン、および約18%のメタノール;
約20%のトルエン、約60%のアセトン、および約20%のメタノール;
約80%のアセトン、および約20%のメタノール;並びに
約98%のメタノール、および約2%の空気
のうち少なくとも1つ、またはそれらの混合物から選択される少なくとも1つの炭化水素材料を含んでなり、約30%〜約32%のCO濃度と約60%〜約64%の水素濃度で形成されている、上記1、2、3または4のいずれかの項。
22.
該流体材料が1つ以上の水、または1つ以上の窒素源を含んでなる、上記1、2、3または4のいずれかの項。
23.
該炉室が、空気とアセトンを用いて外部で生成されるキャリアを用いずに生成される雰囲気を有する、上記1の炉。
24.
該炉室が、空気とシクロヘキサンを用いて外部で生成されるキャリアを用いずに生成される雰囲気を有する、上記1の炉。
25.
さらに、該炉室と流体連通している水素ガス入口、水素ガス源を受け入れるように適合されている該水素ガス入口;および該水素ガス入口を通って該炉室に水素を計量供給するように適合されている水素計量供給装置を含む、上記1の炉。
26.
膨張室が該水素入口の上流に配置されている、上記23の炉。
27.
さらに、単原子窒素源を該炉室に加えるために該炉室と液体連通している窒素入口を含む、上記1の炉。
28.
該単原子窒素源が、アンモニア;単原子窒素を有する環状炭化水素;環の任意の炭素と結合するNH基、NH2基、またはNHCH3基のうち少なくとも1つを有する環状炭化水素(アニリン、メチルピペリジン、ピペリジン、スペリジン、シクロヘキシルアミン、アミノシクロヘキサンおよびシクロヘキサンアミンを含む);およびそれらの混合物のうち少なくとも1つ、またはそれらの混合物を含んでなる、上記25の炉。
29.
さらに、キャリア材料を該炉室に送るように適合されている少なくとも1つの発生器を含む、上記1の炉。
30.
さらにキャリアシステムを含む、上記1の炉。
31.
さらに富化システムを含む、上記1の炉。
32.
さらに、該膨張室を外部から加熱する;触媒加熱システムから熱を供給する、または生成ガス冷却器から熱を供給する、のうち1つ以上を行うように適合されている加熱装置を含む、上記2の発生器。
33.
該流体材料が、空気の存在下で解離し、一酸化炭素、水素、および窒素の混合物と、微量の二酸化炭素および水蒸気を生成する少なくとも1つの炭化水素材料を含んでなる、上記2の発生器。
34.
一酸化炭素(CO)濃度が少なくとも約18%で、水素濃度が少なくとも約19%以上である、上記31の発生器。
35.
一酸化炭素(CO)濃度が約17%以上で、水素濃度が該CO濃度以下である、上記31の発生器。
36.
導入空気濃度が変化し、酸素濃度が約21%未満である、上記31の発生器。
37.
該流体材料が、反応してキャリア材料の炭素ポテンシャルよりも高いまたは低い炭素ポテンシャルを生じる少なくとも1つの炭化水素材料を含んでなる、上記3の富化システム。
38.
該炭素ポテンシャルを低下させるために該炉が十分な量の空気を含んでいる、上記3の富化システム。
39.
該炉のブレンド物が空気またはシクロヘキサンを含んでなる、上記3の富化システム。
40.
一酸化炭素(CO)濃度が少なくとも約4%で、水素濃度が少なくとも約4%以上である、上記3の富化システム。
41.
一酸化炭素(CO)濃度が約4%以上で、水素濃度が約4%以下である、上記3の富化システム。
42.
さらに、該炉に導入される窒素源を含む、上記3の富化システム。
43.
該単原子窒素源が、アンモニア;単原子窒素を有する少なくとも1つの環状炭化水素;環の任意の炭素と結合するNH基、NH2基、またはNHCH3基のうち少なくとも1つを有する環状炭化水素(アニリン、メチルピペリジン、ピペリジン、スペリジン、シクロヘキシルアミン、アミノシクロヘキサン、シクロヘキサンアミン、カフェイン、ニコチンを含む)、およびそれらの混合物のうち少なくとも1つ、またはそれらの混合物を含んでなる、上記42の富化システム。
44.
該炭化水素材料が窒素の初期濃度を増減し、それによって窒素が該製品内に拡散していく、上記42の富化システム。
45.
さらに、該流体材料が空気を含む、上記4のキャリアシステム。
46.
さらに、該流体材料が窒素源を含む、上記4のキャリアシステム。
47.
該流体材料が、少なくとも4%の一酸化炭素(CO)濃度、および少なくとも4%以上の水素濃度を少なくとも含んでなる、上記4のキャリアシステム。
48.
一酸化炭素(CO)濃度が4%以上、および水素濃度が4%以下である、上記4のキャリアシステム。
49.
さらに、該炉室内で所望の一酸化炭素(CO)濃度および/または水素濃度を得るために、導入窒素濃度を変化させるように適合されている窒素制御装置を含む、上記4のキャリアシステム。
50.
さらに、該炉室内で所望の一酸化炭素(CO)濃度および/または水素濃度を得るために、導入空気濃度を変化させるように適合されている装置を含む、上記4のキャリアシステム。
51.
さらに、該炉室内で所望の一酸化炭素(CO)濃度および/または水素濃度を得るために、導入空気濃度と導入窒素濃度を変化させるように適合されている装置を含む、上記1のキャリアシステム。
52.
該炉室内の一酸化炭素(CO)濃度が少なくとも約17%以上で、水素濃度が該CO濃度未満である、上記4のキャリアシステム。
53.
該流体材料が、炭素ポテンシャルを増減させるための少なくとも1つの炭化水素富化材料を含んでなる、上記1のキャリアシステム。
54.
1つ以上の金属製品を雰囲気炉内で処理するための方法であって、該処理は浸炭、焼き入れ、窒化(浸炭窒化やフェライト窒化を含む)、青化、黒化、制御酸化および/または制御還元を含み、
該雰囲気炉内で該製品を浸炭、焼き入れ、窒化(浸炭窒化やフェライト窒化を含む)、青化、黒化、制御酸化および/または制御還元の温度まで加熱する工程、および
1つ以上の流体材料を該炉に計量供給し、それによって該流体材料が解離して該製品の外表面に吸収される基本的な材料を生成するかまたは製品のまわりを所望の環境にする工程
を含んでなる方法。
55.
該流体材料を液体の形状で供給する工程と、該液体材料を該炉に計量供給することにより、該流体材料が気化してガスになるかまたは該炉の熱によって霧状の液体になる工程を含む、上記54の方法。
56.
さらに、該炉と接続されている1つ以上の注入装置を準備する工程、および該注入装置によって該流体材料を該炉内へパルス注入する工程を含む、上記55の方法。
57.
該パルス注入が固定設定、またはパルス時間、パルス幅および/またはパルス周波数の少なくとも1つに対する変動設定で行われる、上記56の方法。
58.
さらに、該注入装置の下流かつ該炉の上流にあり該炉と直接液体連通する膨張室で該流体材料を気化する工程を含む、上記44の方法。
59.
さらに、該膨張室を外部から加熱する工程を含む、上記58の方法。
60.
さらに、他の該注入装置と関係する設定時間で各注入装置を点火する工程;該注入装置の点火順を変更する工程;および該流体材料を該炉内に注入する間に該パルス注入の幅と周波数のうち少なくとも1つを変化させる工程のうち1つ以上の工程を含む、上記56の方法。
61.
設定量の該流体材料が該炉内に注入されるまで該流体材料をパルス注入する工程、および該炉内で所望の温度に保つ工程を含む、上記60の方法。
62.
該流体材料が1つ以上の炭化水素材料を含み、さらに、設定の炭素ポテンシャルに達するまで該炭化水素材料をパルス注入する工程、および二酸化炭素濃度、露点レベル、または酸素濃度を測定する工程を含んでなる、上記54の方法。
63.
パルス幅またはパルス周波数を変更することによって該炭素ポテンシャルを増減させる工程を含む、上記62の方法。
64.
該炉内の一酸化炭素(CO)濃度を少なくとも約17%以上に維持する工程、および水素濃度を該CO濃度未満の濃度に保つ工程を含む、上記62の方法。
65.
該炉の炭素ポテンシャルを約0.10%炭素からほぼ飽和状態の間に維持する工程を含む、上記62の方法。
66.
該炉内のCO:水素の比を約1:1に保つ工程を含む、上記62の方法。
67.
一酸化炭素(CO)濃度が少なくとも4%で、水素濃度が少なくとも4%以上である、上記62の方法。
68.
一酸化炭素(CO)濃度が約4%以上で、水素濃度が約4%以下である、上記62の方法。
69.
所望の一酸化炭素(CO)濃度および/または水素濃度を得るために導入窒素濃度を変化させる工程を含む、上記62の方法。
70.
所望の一酸化炭素(CO)濃度および/または水素濃度を得るために導入空気濃度を変化させる工程を含む、上記62の方法。
71.
所望の一酸化炭素(CO)濃度および/または水素濃度を得るために導入空気濃度および導入窒素濃度を変化させる工程を含む、上記62の方法。
72.
一酸化炭素(CO)濃度が少なくとも約17%以上、および水素濃度が該CO濃度未満である、上記62の方法。
73.
該流体材料が、炭素ポテンシャルを増減させるための1つ以上の炭化水素富化材料を含んでなる、上記1の方法。
74.
該流体材料が、トルエン、アセトン、メタノール;シクロヘキサン、およびアセトンのうち少なくとも1つ、またはそれらの混合物から選択された少なくとも1つの炭化水素材料を含んでなる、上記54の方法。
75.
該流体材料が、
炭素数4を超える不飽和炭化水素;少なくとも1つの5または6員炭素環を含む環状炭化水素;飽和炭化水素;およびそれらの混合物;
メタノール、エタノール、ブタノールを含むアルコール、およびそれらの混合物;
アセトン、メチルケトン、エチルケトンを含むケトン、およびそれらの混合物;
液化プロパン、液化ブタン、液化ペンタン、液化ヘキサン、液化ヘプタン、液化オクタンおよびそれらの混合物;
エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテンを含む不飽和鎖状炭化水素およびそれらの混合物;
メチルシクロプロパンを含むシクロプロパン;シクロブタン;メチルシクロペンタンやエチルシクロペンタンを含むシクロペンタン;メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサン、トリメチルシクロヘキサンを含むシクロヘキサン;シクロヘプタンを含む飽和環状炭化水素、およびそれらの混合物;
ベンゼン、トルエン、キシレンを含む不飽和環状炭化水素およびそれらの混合物;並びに、
ディーゼル油、ジェット燃料油、灯油、ガソリン、およびそれらの混合物
のうち少なくとも1つ、またはそれらの混合物を含んでなる、上記54の方法。
76.
該流体材料が、
33%のメタノール、33%のトルエン、および33%のシクロヘキサン;
約20%〜約40%のトルエン、約40%〜約60%のアセトン、および約10%〜約25%のメタノール;
約43%のトルエン、約43%のアセトン、および約14%のメタノール;
約26%のトルエン、約55%のアセトン、および約18%のメタノール;
約20%のトルエン、約60%のアセトン、および約20%のメタノール;
約80%のアセトン、および約20%のメタノール;並びに
約98%のメタノール、および約2%の空気
のうち少なくとも1つ、またはそれらの混合物から選択される少なくとも1つの炭化水素材料を含んでなり、約30%〜約32%のCO濃度と約60%〜約64%の水素濃度で形成されている、上記54の方法。
77.
該流体材料が1つ以上の水、アンモニアまたは他の窒素源を含んでなる、上記54の方法。
78.
該炉が、空気とアセトンを用いて外部で生成されるキャリアを用いずに生成される雰囲気を有する、上記54の方法。
79.
該炉が、空気とシクロヘキサンを用いて外部で生成されるキャリアを用いずに生成される雰囲気を有する、上記54の方法。
80.
さらに、該炭化水素材料が、該炉内に該製品の外表面に実質的に飽和炭素を生成するのに十分な量で導入されるように、水素を該炉内に計量供給する工程を含む、上記54の方法。
81.
さらに、該炭化水素材料と水素を所望の浸炭レベルに達するまでパルス注入する工程を含む、上記80の方法。
82.
該炭化水素材料の体積流量が該浸炭温度の関数である、上記80の方法。
83.
水素の体積流量が、該炭化水素材料の約0.5〜1.5倍の流量である、上記80の方法。
84.
該炉内の体積流量が、1モルの炭化水素材料に対する約1モルの水素の割合にある、上記80の方法。
85.
さらに、該炉内に存在するメタンの濃度を測定する工程、および設定濃度のメタンを検知したときに該炭化水素材料の注入を停止または減少させる工程を含む、上記54の方法。
86.
さらに、
所望の濃度の水素を該炭化水素材料と共に該炉内へ計量供給する工程、および
該炉の該メタン濃度を検知することにより、該水素、該炭化水素材料、またはそれら両方のうち少なくとも1つの流量を制御する工程
を含む、上記85の方法。
87.
さらに、
該炉内の該水素濃度を検知する工程、および
該水素と該メタンの検知濃度により、該水素、該炭化水素材料、またはそれらの両方のうち少なくとも1つの流量を変更する工程
を含む、上記86の方法。
88.
さらに、単原子窒素源を該炉内に加える工程を含む、上記54の方法。
89.
該単原子窒素源が、アンモニア;単原子窒素を有する少なくとも1つの環状炭化水素;環の任意の炭素と結合するNH基、NH2基、またはNHCH3基のうち少なくとも1つを有する環状炭化水素(アニリン、メチルピペリジン、ピペリジン、スペリジン、シクロヘキシルアミン、アミノシクロヘキサン、シクロヘキサンアミン、カフェイン、ニコチンを含む)、およびそれらの混合物のうち少なくとも1つ、またはそれらの混合物を含んでなる、上記46の方法。
90.
浸炭、焼き入れまたは浸炭窒化処理が、該製品の表面が少なくとも約58のロックウェル硬度(約0.010インチの深さまで続く)を有するまで継続される、上記89の方法。
本発明は、特定の製品および製品の配列において物理的形態をとることができ、その好ましい態様を、本明細書の製品の形状を示す添付の図面によって詳細に説明し、例証する:
注入装置組立品の断面図; 複数の注入装置を配置した発生器の概略図; 注入装置の構成部品システムの概略図; 液体炭化水素用富化システムの概略図; 液体炭化水素用窒素キャリアシステムの概略図; 液体炭化水素用窒素富化システムおよび窒素キャリアシステムの概略図; 試験片のロックウェル硬度を示すグラフ; 試験片のロックウェル硬度を示すグラフ; シクロヘキサンに対するポンド基準の(kmol対kmol)を示すHSCグラフ; シクロヘキサンに対するモル基準の(mol%対kmol)を示すHSCグラフ; シクロヘキサン、トルエン、およびメタノールの混合物に対するモル基準の(mol%対kmol)を示すHSCグラフ; アセトン、トルエン、およびメタノールの第1混合物に対するモル基準の(mol%対kmol)を示すHSCグラフ; アセトン、トルエン、およびメタノールの第2混合物に対するモル基準の(mol%対kmol)を示すHSCグラフ; アセトン、トルエン、およびメタノールの第3混合物に対するモル基準の(mol%対kmol)を示すHSCグラフ;および アセトンおよびメタノールの混合物に対するモル基準の(mol%対kmol)を示すHSCグラフ。

Claims (31)

  1. 金属製品を浸炭、焼き入れ、浸炭窒化の少なくとも何れか一つを行うように構成された雰囲気圧に維持され、酸素が存在する環境を備える雰囲気炉室と、
    一つ以上の注入装置であって、その各々が液体炭化水素材料源に接続された入口と、前記雰囲気炉室に接続された出口と、を有する注入装置を備え、
    前記注入装置は、計量された霧状の液体炭化水素材料を、前記雰囲気炉室内に搬入するよう適合され、脈動する霧状の液体炭化水素材料を800ミリ秒以下の一パルスの期間で搬入するよう適合された
    一つ以上の金属製品を処理するための雰囲気炉。
  2. 一つ以上の液体炭化水素材料の供給物質を更に含み、
    各供給物質は、別々に供給される液体炭化水素材料を受け入れて混合し、混合された供給物質を前記雰囲気炉室に搬送するための供給用導管と、流体連通されている
    請求項1に記載の雰囲気炉。
  3. 前記注入装置は、第1流量の液体炭化水素材料を供給する少なくとも一つの主注入装置と、第2流量の同一又は相違する液体炭化水素材料を供給する少なくとも一つのトリム注入装置と、を含む
    請求項1又は2に記載の雰囲気炉。
  4. 前記注入装置が、設定時間間隔、変動時間間隔、設定パルス幅及び/又は設定パルス周波数、及び変動パルス幅及び/又は変動周波数のうちの一つ以上の条件で、別々の量の該炭化水素材料をパルス注入するように適合された
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の雰囲気炉。
  5. 前記雰囲気炉室と流体連通され、水素ガス源を受け入れるように適合された水素ガス入口と、
    前記水素ガス入口を介して前記雰囲気炉室に流入する水素ガスを計量するよう適合された水素計量装置と、を更に含む
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の雰囲気炉。
  6. 前記雰囲気炉室と流体連通され、単原子窒素源を前記雰囲気炉室に加える窒素入口を、更に備える
    請求項1〜5のいずれか1項に記載の雰囲気炉。
  7. 雰囲気炉に接続された少なくとも一つの触媒床であって、当該雰囲気炉が、金属製品を浸炭、焼き入れ、浸炭窒化の少なくとも何れか一つを行うように構成された雰囲気圧に維持され、酸素が存在する環境を備える触媒床と、
    一つ以上の注入装置であって、その各々が液体炭化水素材料源に接続された入口と、前記触媒床に接続された出口と、を有する注入装置と、を備え、
    前記注入装置は、計量された霧状の液体炭化水素材料を、前記触媒床内に搬入するように適合され、脈動する霧状の液体炭化水素材料を800ミリ秒以下の一パルスの期間で搬入するよう適合された、
    一つ以上の材料を処理する雰囲気炉の発生器。
  8. 前記注入装置の下流に位置する膨張室を外部から加熱する、触媒加熱システムから熱を供給する、又は生成ガス冷却器からの熱を供給する、のうちの一つ以上を行うように適合されている加熱装置を、更に含み、
    前記膨張室は、前記液体炭化水素材料が前記触媒床に入る前に、内部で前記液体炭化水素材料を気化又は霧化してガスにする、
    請求項7に記載の発生器。
  9. 一つ以上の液体炭化水素材料の供給物質を更に含み、
    各供給物質は、別々に供給される液体炭化水素材料を受け入れて混合し、混合された供給物質を前記触媒床に搬送するための供給用導管と、流体連通されている
    請求項7又は8に記載の発生器。
  10. 前記注入装置は、第1流量の液体炭化水素材料を供給する少なくとも一つの主注入装置と、第2流量の同一又は相違する液体炭化水素材料を供給する少なくとも一つのトリム注入装置と、を含む
    請求項7〜9のいずれか1項に記載の発生器。
  11. 前記注入装置が、設定時間間隔、変動時間間隔、設定パルス幅及び/又は設定パルス周波数、及び変動パルス幅及び/又は変動周波数のうちの一つ以上の条件で、別々の量の該炭化水素材料をパルス注入するように適合されている
    請求項7〜10のいずれか1項に記載の発生器。
  12. 一つ以上の注入装置であって、その各々が液体炭化水素材料源に接続された入口と、雰囲気炉室に接続された出口と、を有する注入装置と、を備え、前記雰囲気炉室は、金属製品を浸炭、焼き入れ、浸炭窒化の何れか一つを行うように構成され、少なくとも雰囲気圧に維持され、酸素が存在する環境を備え、
    前記注入装置は、計量された霧状の液体炭化水素材料を、前記雰囲気炉室内に搬入するよう適合され、脈動する霧状の液体炭化水素材料を800ミリ秒以下の一パルスの期間で搬入するよう適合された
    一つ以上の金属製品を処理するための雰囲気炉を備える富化システム。
  13. 前記雰囲気炉室に接続され、前記雰囲気炉室に導入される窒素源を加える窒素入口を、更に含む
    請求項12に記載の富化システム。
  14. 一つ以上の液体炭化水素材料の供給物質を更に含み、
    各供給物質は、別々に供給される液体炭化水素材料を受け入れて混合し、混合された供給物質を前記雰囲気炉室に搬送するための供給用導管と、流体連通されている
    請求項12又は13に記載の富化システム。
  15. 前記注入装置は、第1流量の液体炭化水素材料を供給する少なくとも一つの主注入装置と、第2流量の同一又は相違する液体炭化水素材料を供給する少なくとも一つのトリム注入装置と、を含む
    請求項12〜14のいずれか1項に記載の富化システム。
  16. 前記注入装置が、設定時間間隔、変動時間間隔、設定パルス幅及び/又は設定パルス周波数、及び変動パルス幅及び/又は変動周波数のうちの一つ以上の条件で、別々の量の該炭化水素材料をパルス注入するよう構成されたパルス機構を有する
    請求項12〜15のいずれか1項に記載の富化システム。
  17. 一つ以上の注入装置であって、その各々が液体炭化水素材料源に接続された入口と、雰囲気炉に接続された出口と、を有する注入装置を備え、前記雰囲気炉が、金属製品を浸炭、焼き入れ、浸炭窒化の少なくとも何れか一つを行うように構成された雰囲気圧に維持され、酸素が存在する環境を備え、
    前記注入装置は、計量された霧状の液体炭化水素材料を、前記雰囲気炉内に搬入するよう適合され、脈動する霧状の液体炭化水素材料を800ミリ秒以下の一パルスの期間で搬入するよう適合された
    一つ以上の金属製品を処理するための雰囲気炉を備えるキャリアシステム。
  18. 一つ以上の液体炭化水素材料の供給物質を更に含み、
    各供給物質は、別々に供給される液体炭化水素材料を受け入れて混合し、混合された供給物質を前記雰囲気炉に搬送するための供給用導管と、流体連通されている
    請求項17に記載のキャリアシステム。
  19. 前記注入装置は、第1流量の液体炭化水素材料を供給する少なくとも一つの主注入装置と、第2流量の同一又は相違する液体炭化水素材料を供給する少なくとも一つのトリム注入装置と、を含む
    請求項17又は18に記載のキャリアシステム。
  20. 前記注入装置が、設定時間間隔、変動時間間隔、設定パルス幅及び/又は設定パルス周波数、及び変動パルス幅及び/又は変動周波数のうちの一つ以上の条件で、別々の量の該炭化水素材料をパルス注入するよう構成されたパルス機構を有する
    請求項17〜19のいずれか1項に記載のキャリアシステム。
  21. 雰囲気炉が、雰囲気圧に維持され酸素が存在する環境を有し、浸炭、焼き入れ、窒化(炭化窒化及びフェライト窒化を含む)、青化、黒化、制御酸化、及び/又は制御還元の少なくとも一つを行うように構成され、
    前記雰囲気炉内で、浸炭、焼き入れ、窒化(炭化窒化及びフェライト窒化を含む)、青化、黒化、制御酸化、及び/又は制御還元の温度のために金属製品を加熱し、
    設定された炭素ポテンシャルが達成されるまで、注入装置が液体炭化水素材料をパルス注入させることによって、前記雰囲気炉に流入する一つ以上の液体炭素水素材料を計量し、前記注入装置は、脈動する霧状の液体炭化水素材料を、800ミリ秒以下の一パルスの期間で搬入し、それにより、前記液体炭化水素材料は、金属製品の外表面に吸着される元素物質を生産から切り離すか、当該金属製品の周囲に要求される環境を作りだし、
    前記雰囲気炉の二酸化炭素、露点、又は酸素レベルを測定する
    雰囲気炉内で一つ以上の金属製品を処理するための方法。
  22. 前記液体炭化水素材料を前記雰囲気炉に注入し、それにより、前記液体炭化水素材料は気化されてガスになるか、前記雰囲気炉の熱で霧状液体になることを含む
    請求項21に記載の方法。
  23. 前記雰囲気炉に接続された一つ以上の注入装置を更に含み、当該注入装置により前記液体炭化水素材料を前記雰囲気炉にパルス注入する
    請求項21又は22に記載の方法。
  24. 前記パルス注入は、固定されるか、パルス時間、パルス幅及び/又はパルス周波数の少なくとも一つに変化するように設定された
    請求項23に記載の方法。
  25. 前記液体炭化水素材料は、炭素ポテンシャルを上昇又は下降させる一つ以上の炭化水素富化材料からなる
    請求項21〜24のいずれか1項に記載の方法。
  26. 前記液体炭化水素材料は、トルエン、アセトン、メタノール;シクロヘキサン、及びアセトンの内の少なくとも一つ又は混合から選択される少なくとも一つの炭化水素材料からなる
    請求項21〜25のいずれか1項に記載の方法。
  27. 前記液体炭化水素材料は、
    炭素数4を超える不飽和炭化水素、少なくとも1つの5又は6員炭素環を含む環状炭素水素、飽和炭化水素、及びそれらの混合物、
    メタノール、エタノール、ブタノールを含むアルコール、及びそれらの混合物、
    アセトン、メチルケトン、エチルケトンを含むケトン、及びそれらの混合物、
    液化プロパン、液化ブタン、液化ペンタン、液化ヘキサン、液化ヘプタン、液体オクタン及びそれらの混合物、
    エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテンを含む不飽和鎖状炭化水素及びそれらの混合物、
    メチルシクロプロパンを含むシクロプロパン、シクロブタン、メチルシクロペンタン又はエチルシクロペンタンを含むシクロペンタン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサン、トリメチルシクロヘキサンを含むシクロヘキサン、シクロヘプタンを含む飽和環状炭化水素、及びそれらの混合物、
    ベンゼン、トルエン、キシレンを含む不飽和環状炭化水素及びそれらの混合物、並びに、
    ディーゼル油、ジェット燃料油、灯油、ガソリン、及びそれらの混合物、
    のうち少なくとも1つ、又はそれらの混合物からなる
    請求項21〜26のいずれか1項に記載の方法。
  28. 計量された1以上のアンモニア、又は他の窒素源が、前記雰囲気炉内に搬入される
    請求項21〜27のいずれか1項に記載の方法。
  29. 単原子窒素源を前記雰囲気炉に加える
    請求項21〜28のいずれか1項に記載の方法。
  30. 液体炭化水素材料の供給物質に接続された入口を含み、前記液体炭化窒素材料の前記供給物質は、多数の、混和する液体炭化水素材料を単一の供給物質として構成される
    請求項1に記載の雰囲気炉。
  31. 液体炭化水素材料の供給物質に接続された入口を含み、前記液体炭化窒素材料の前記供給物質は、多数の、非混和の液体炭化水素材料として構成され、各非混和の液体炭化水素材料は、別体の供給物質として保存される
    請求項1に記載の雰囲気炉。
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