JP5258158B2 - 警報装置 - Google Patents
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Description
また、本発明の警報装置では、前記解除条件が、前記複数の停止時間の各々に対して、複数種組み合わせて設定されることができる。
図1は、本発明の警報装置100の構成を示すブロック図である。また、図2は、本発明の警報装置100の具体的な構成例を示す斜視図であり、(a)は壁面設置タイプの警報装置、(b)は天井設置タイプの警報装置である。先ず、図1を参照して、警報装置100の構成を説明する。この警報装置100は、ガス漏れや火災等の異常状態を検知して警報を発報し、停止操作により前記発報を一時停止するものであり、その主要な構成要素として、制御部としての集積回路(以下、CPU)1と、記憶部としての不揮発性メモリ(以下、EEPROM)2とを備えている。また、その他の構成要素として、スイッチ3、センサー素子4、温度サーミスタ5、表示出力部6、音声出力部7等を備えることができる。なお、図2の製品例において、CPU1、EEPROM2、センサー素子4、および温度サーミスタ5は図示されていないが、警報装置100の内部に格納された基板上に配置されている。また。センサー素子4および温度サーミスタ5については、センサー室14内に配置されている。以下、警報装置100の各部について説明する。
さて、ユーザーが、上記スイッチ3によって停止操作を実行したとき、発報の一時停止をどれくらいの期間行うかは、警報装置100のCPU1が、前記操作パターンに基づいて、EEPROM2に格納されている互いに長さの異なる複数の停止時間を選択することによって決定される。この互いに長さの異なる複数の停止時間は、ユーザーが停止操作を行うときの操作パターンに対応付けられた時間である。すなわち、CPU1がユーザーの操作パターンを認識することにより、その操作パターンに対応した停止時間が選択されるようになっている。停止時間が選択されると、CPU1は、この選択された停止時間をLEVELタイマー8でカウントし、そのカウント中に亘って発報の一時停止を行う。
警報・・・KEIHO = 0:異常状態なし
1:警報状態あり
停止レベル・・・TEILEVEL = 0:警報一時停止なし
1:警報5分間一時停止
2:警報30分間一時停止
3:警報36時間一時停止
タイマー・・・LEVEL1タイマー:5分カウントタイマー
LEVEL2タイマー:30分カウントタイマー
LEVEL3タイマー:36時間カウントタイマー
警報音・・・OTO = 0:警報音の発報を許可
1:警報音の発報を停止
(初期設定値)
・KEIHO = 0
・TEILEVEL = 0
・LEVEL1タイマー = 0カウント
・LEVEL2タイマー = 0カウント
・LEVEL3タイマー = 0カウント
・OTO = 0
LEVEL1の割り込みではないと判断した場合は(S10;NO)、ステップ11においてLEVEL2の割り込みか否かを判断する。ここで、LEVEL2の割り込みとは、例えば、スイッチ3を1秒以上押し続けた後、1秒以上の間隔を空けて0.5秒以内の短時間の押し動作を2秒以内に3回繰り返し、その後1秒以上の間隔を空けて1秒以上押し続けたときの状態を意味する。この操作も、停止操作の操作パターンの一例を示すものである。このようなスイッチ操作は複雑であるので、ユーザーが警報装置100のマニュアル等を確認したり、業者に連絡して確認しなければ実行することはできず、また何らかの偶然によって実行される確率は非常に低いものである。従って、警報装置100にLEVEL2の割り込みを認識させることは容易ではない。このLEVEL2の割り込みがあったと判断した場合は(S11;YES)、<D>のルーチン(図6)に進行する。LEVEL2の割り込みではないと判断した場合は(S11;NO)、ステップ6に戻って表示・発報実行ルーチンを実行する。なお、この実施形態では、スイッチ割り込みありの状態(S8;YES)で、LEVEL1の割り込みがなく(S10;NO)、LEVEL2の割り込み有り(S11;YES)とされた場合に、本明細書における停止操作(第1停止操作)が行われたことになる。
≪解除条件1≫
規定時間(本条件では5分)内に都市ガス濃度がLELを超えると予想される場合に、LEVEL1の割り込みが実行される。
LEVEL1カウンターが規定時間内にカウントする時間をt秒とし、t−1秒からt秒までの都市ガスの平均濃度をE(t)とする。そうすると、1秒当たりの都市ガス濃度上昇量Dは、
D = E(t)−E(t−1) ・・・ (1)
となる。従って、規定時間(5分)における都市ガスの予想濃度Xは、
X = E(t)+{E(t)−E(t−1)}×(300−t) ・・・ (2)
と表すことができる。上記(2)式が50000ppmを超える場合であるから、X>50000となった時点で割り込みが実行され、警報装置100のCPU1が発報の一時停止状態を解除する。
このように、今現在危険な状態にはなっていなくても、異常状態の危険度に応じて変化する状態値が規定時間内に閾値を超えると予想される場合は、一時停止を解除することで、ユーザーへの警報の発報が余裕をもって行われ、危険な状態を未然に回避することができる。
≪解除条件2≫
都市ガス濃度がLELの2分の1を超えた時点(すなわち、E(t)>25000)でLEVEL1の割り込みが実行され、警報装置100のCPU1が発報の一時停止状態を解除する。
このように、異常状態の危険度に応じて変化する状態値が所定の閾値を超えた場合に、一時停止を解除することで、たとえ一時停止中に危険な状態になってもユーザーへの警報の発報を確実に行うことができる。
≪解除条件3≫
別の種類の異常状態を検知した場合にLEVEL1の割り込みが実行され、警報装置100のCPU1が発報の一時停止状態を解除する。これは、発報の一時停止状態において、不完全燃焼(COの発生)や、火災(熱または煙)を検知した場合がある。なお、この解除条件3は、上記解除条件1または解除条件2と組み合わせることも可能である。
上記不完全燃焼警報には、300ppm以上のCOが10分間継続して検知された場合の低濃度警報と、550ppm以上のCOが検知された場合の高濃度警報とがある。低濃度警報による解除条件としては、規定時間内にCO濃度が800ppmを超えると予想される場合(条件1)、CO濃度が550ppmに達した場合(条件2)が挙げられる。高濃度警報による解除条件としては、規定時間内にCO濃度が1000ppmを超えると予想される場合(条件1)、CO濃度が800ppmに達した場合(条件2)が挙げられる。
火災警報(熱)は、約65℃の温度が継続した場合に発報される。火災警報(熱)による解除条件としては、規定時間内に温度が80℃を超えると予想される場合(条件1)、温度が70℃に達した場合(条件2)が挙げられる。
火災警報(煙)は、煙の透過率が約10%になった場合に発報される。火災警報(煙)による解除条件としては、規定時間内に透過率が20%を超えると予想される場合(条件1)、透過率が15%に達した場合(条件2)が挙げられる。
このように、発報の一時停止中に危険度に応じて変化する状態値を監視するにあたり、複数種の危険度(例えば、CO濃度、火災による温度上昇、煙の増加)を検知することができる。このため、異常状態の変化を確実に判断でき、発報の再開によって危険度の増大をユーザーに確実に報知することができる。従って、本実施形態の警報装置100は、信頼性および安全性が高いものである。
≪解除条件1≫
都市ガス濃度がLELの2分の1(すなわち、25000ppm)を超え、かつ規定時間(本条件では30分)内にLELを超えると予想される場合、つまり、
E(t) > 25000 ・・・ (3)
X > 50000 ・・・ (4)
を満たす場合にLEVEL2の割り込みが実行され、警報装置100のCPU1が発報の一時停止状態を解除する。
≪解除条件2≫
別の種類の異常状態を検知した場合にLEVEL2の割り込みが実行され、警報装置100のCPU1が発報の一時停止状態を解除する。これは、上記「(a)停止レベル1(TEILEVEL=1)の解除(割り込み)条件」で述べたのと同様に、発報の一時停止状態において、不完全燃焼(COの発生)や、火災(熱または煙)を検知した場合がある。
COの低濃度警報による解除条件としては、CO濃度が550ppmに達した場合(条件1)が挙げられる。COの高濃度警報による解除条件としては、CO濃度が800ppmに達した場合(条件1)が挙げられる。
火災警報(熱)による解除条件としては、温度が70℃に達し、かつ規定時間内に温度が80℃を超えると予想される場合(条件1)が挙げられる。
火災警報(煙)による解除条件としては、透過率が20%に達した場合(条件1)が挙げられる。
≪解除条件1≫
都市ガス濃度がLELの2分の1(すなわち、25000ppm)を超え、かつ1時間後にLELを超えると予想される場合、つまり、
E(t) > 25000 ・・・ (5)
E(t+3600) > 50000 ・・・ (6)
を満たす場合にLEVEL3の割り込みが実行され、警報装置100のCPU1が発報の一時停止状態を解除する。
≪解除条件2≫
都市ガス濃度がLELの4分の3を超えた時点(すなわち、E(t)>37500)でLEVEL3の割り込みが実行され、警報装置100のCPU1が発報の一時停止状態を解除する。
≪解除条件3≫
別の種類の異常状態を検知した場合にLEVEL3の割り込みが実行され、警報装置100のCPU1が発報の一時停止状態を解除する。これは、上記「(a)停止レベル1(TEILEVEL=1)の解除(割り込み)条件」で述べたのと同様に、発報の一時停止状態において、不完全燃焼(COの発生)や、火災(熱または煙)を検知した場合がある。
COの低濃度警報による解除条件としては、CO濃度が550ppmに達した場合(条件1)が挙げられる。高濃度警報による解除条件としては、CO濃度が800ppmに達した場合(条件1)が挙げられる。
火災警報(熱)による解除条件としては、温度が70℃に達し、かつ1時間後に温度が80℃を超えると予想される場合(条件1)が挙げられる。
火災警報(煙)による解除条件としては、透過率が20%に達した場合(条件1)が挙げられる。
前述したように、LEVEL3の割り込み操作を行うには、ユーザーが操作できないような隠しスイッチを使用する場合がある。そこで、このような隠しスイッチについて、いくつかの実施例を以下に具体的に説明する。
図10は、表示出力部6を構成するLEDを隠しスイッチに利用した例を示す模式図である。このLEDスイッチ20は、LED21に有色透明または無色透明プラスチック22を対峙させ、当該プラスチック22の一方を押圧部23、他方を接点24としたものである。LED21から発光された光は、プラスチック22の内部を伝播し、押圧部23から出射するようになっている。ユーザーが押圧部23を押すことにより、LEVEL3の割り込み操作が行われる。本構成のLEDスイッチ20の場合、外観上は通常のLEDと見分けがつかないので、通常、ユーザーはスイッチであることに気付かず、隠しスイッチとして有効である。また、このLEDスイッチ20では、LED21を小型化するとともにプラスチック22を多用しているので、スイッチ全体のコストを低減することができる。
図11は、衝撃スイッチ30を隠しスイッチとした例を示す模式図である。衝撃スイッチ30は、基板に接続された一対の導電性のある支持部31と、支持部31に接触状態で載置された金属体32と、この金属体32および支持部31の一部を覆うケース33とから構成されている。警報装置100に対して衝撃を与えると、金属体32が支持部31から浮き上がる。あるいは、警報装置100を傾けても同様に、金属体32が支持部31から浮き上がる。このとき衝撃スイッチ30は一瞬非導電状態となり、このような電気的な変化を検知することでLEVEL3の割り込み操作が行われる。ユーザーは、通常、警報装置100に衝撃を与えるような行動は取らないので、本構成の衝撃スイッチ30は、隠しスイッチとして有効である。
図12は、風圧スイッチ40を隠しスイッチとした例を示す模式図である。風圧スイッチ40は、基板に接続された一対の導電性のピン41と、このピン41の側方に配置された膜部材42と、膜部材42に取り付けられピン41側に突出した形状の押圧部43と、膜部材42に気流を導く吹込部44とから構成されている。この風圧スイッチ40では、例えば、ユーザーが吹込部44から息を吹き込むと、膜部材42がピン41側に撓み、押圧部43が一対のピン41のうちの一方を押圧する。これにより一対のピン41は互いに接触し、導通状態となる。従って、このような電気的な変化を検知することでLEVEL3の割り込み操作が行われる。ユーザーは、通常、警報装置100に息を吹きかける等の行動は取らないので、本構成の風圧スイッチ40は、隠しスイッチとして有効である。
図13は、発光―受光スイッチ50を隠しスイッチとした例を示す模式図である。発光―受光スイッチ50は、例えば、警報装置100の側部に設けられた発光部51と、受光部52と、孔部53とから構成されている。発光部51が発光していても、通常はその光が受光部52に到達することはない。しかし、ユーザーが、孔部53を指等で塞ぐと、発光部51から発せられた光はその一部が指等で反射し、受光部52に到達する。従って、このような光の反射を利用することでLEVEL3の割り込み操作が行われる。ユーザーは、通常、警報装置100の側部の孔部53には気付きにくく、たとえ気付いたとしても孔部53を指等で塞ぐ可能性は小さいと考えられるので、本構成の衝撃スイッチ30は、隠しスイッチとして有効である。
図14は、マイクスイッチ60を隠しスイッチとした例を示す模式図である。マイクスイッチ60は、マイク61およびコンピュータ62を主要な構成要素として有している。マイク61は、警報装置100の音声出力部(スピーカ)7と並べて設置される。また、マイクスイッチ60は、コンピュータ62に接続された音声IC63と、音声出力(スピーカ)7に接続されたアンプ64とを備えることもできる。このマイクスイッチ60では、例えば、ユーザーがマイク61に向かって大きな声を発することでLEVEL3の割り込み操作が行われる。コンピュータ62がユーザーの声および言語を認識できる場合は、特定のユーザーが特定の言語(例えば、「故障発生」と複数回連呼する)を発したときにLEVEL3の割り込み操作が行われる。ユーザーは、通常、警報装置100に向かって大きな声を出すという行動(しかも、特定の言語を発する行動)をとることはほとんどないと考えられるので、本構成のマイクスイッチ60は、隠しスイッチとして有効である。また、マイクスイッチ60は、声によって反応するスイッチであるので、図2の(b)で示した天井設置タイプのように手の届かない場所にある警報装置100に用いれば、ユーザーにとって便利である。
図15は、治具スイッチ70を隠しスイッチとした例を示す模式図である。治具スイッチ70は、LEDからの光を受けるフォトダイオード71と、LEDとフォトダイオードとの間に挿入するための治具72と、治具72の差込口73とから構成されている。LED(特に、緑色LED)は、常時点灯状態にある。従って、フォトダイオード71をLEDの近傍に設置しておくと、フォトダイオード71には光電流が常時流れている。ここで、ユーザーが差込口73に治具72を挿入すると、LEDからフォトダイオード71への光が遮蔽されるので、フォトダイオード71の光電流は一時的に停止する。従って、このような電気的な変化を検知することでLEVEL3の割り込み操作が行われる。ユーザーは、通常、治具72の差込口73には気付きにくく、たとえ差込口73に気付いたとしても治具72がなければスイッチとして機能することはできないので、本構成の治具スイッチ70は、隠しスイッチとして有効である。なお、図15に示すように治具72に複数の切り抜きを設けておけば、治具72を差込口73から抜き差しする際に複雑な光信号を生成することができるため、隠しスイッチとしてより多くの機能を持たせることができる。
その他にも隠しスイッチとして、図示はしないが、磁気によって接点をオンオフさせる磁気スイッチ、コンデンサに蓄えられる電荷の変化を利用した静電スイッチ、電波をキャッチして電流のオンオフを行う電波スイッチ、温度変化を利用したサーミスタスイッチ等を採用することも可能である。
2 記憶部(EEPROM)
3 スイッチ
4 センサー素子
5 温度サーミスタ
6 出力表示部
7 音声出力部
8 LEVELタイマー
100 警報装置
Claims (6)
- 異常状態を検知して警報を発報するとともに、操作部に対する停止操作により前記発報を一時停止する警報装置であって、
互いに長さが異なる複数の停止時間を格納した記憶部と、
前記停止操作に基づいて、前記複数の停止時間の中から一の停止時間を選択し、当該一の停止時間に亘って前記発報を一時停止する制御部とを備えるとともに、
前記制御部が、危険度に応じて変化する状態値を監視し、
前記状態値が、危険度の増大に対して前記発報の一時停止状態を解除するための条件として設定された解除条件を満たす場合には、前記発報の一時停止状態を解除し、
前記状態値は、都市ガス濃度、CO濃度、火災に伴う温度、及び、火災に伴う煙の少なくとも2つ以上の値とされ、
前記解除条件が、複数種組み合わせて設定される警報装置。 - 前記制御部は、前記停止操作の操作パターンを認識するとともに、当該操作パターンに対応する停止時間を選択し、当該停止時間に亘って前記発報を一時停止する請求項1に記載の警報装置。
- 前記停止操作は、第1停止時間に亘って前記発報を一時停止する第1停止操作と、第2停止時間に亘って前記発報を一時停止する第2停止操作とを含み、
前記制御部は、前記第1停止操作に基づく一時停止中に、前記第2停止操作が行われた場合に前記第2停止時間に亘って前記発報を一時停止する請求項1または2に記載の警報装置。 - 前記警報の発報が一時停止状態にある場合において、警報停止解除の割込操作がなされることにより、前記制御部は前記一時停止状態を解除する請求項1〜3の何れか一項に記載の警報装置。
- 前記警報停止解除の割込操作は、前記操作部に対する前記警報停止解除の割込操作の操作パターンを、前記制御部が認識することにより行われる請求項4に記載の警報装置。
- 前記解除条件が、前記複数の停止時間の各々に対して、複数種組み合わせて設定される請求項1〜5の何れか一項に記載の警報装置。
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