JP5086610B2 - 警報装置 - Google Patents
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また、上記特徴構成によれば、検知対象の異常状態を監視する監視モードに移行するときに、警報外部信号の出力状態を通常警報状態へ強制的に切り替えて、外部機器による外部警報の出力が無意識に停止されていることを防止し、使用者の安全性を維持することができる。
図1は、警報装置100の立面図、図2は、警報装置100の構成を示すブロック図である。また、図3〜8は、警報装置100により実行される各種処理フローを示す図である。
尚、上記複数のLEDとしては、筐体1の前面右部に配置され赤色光を発する火災用LED42、及び、筐体1の前面左部に配置され赤色光、黄色光、及び、緑色光の夫々を発するガス漏れ用LED43、不完全燃焼用LED44、動作状態表示用LED45が設けられている。
また、外部信号線52には、屋外等に対して異常の発生を通報するべく玄関等で音声を出力するような集中監視盤やインターホン親機等の外部機器53が接続される。
上記有電圧信号は、上記異常が発生していないときには6Vに維持され、上記異常が発生しているときには12V乃至18Vとされる信号である。また、外部出力回路51は、警報装置100の故障時には、有電圧信号を0Vとすることで、外部機器53に対して故障を通知するように構成されている。
上記COセンサ12は、図示は省略するが公知の半導体式のセンサ素子と当該センサ素子を制御する制御回路とからなり、警報手段20からの信号に応答して周囲のCO濃度に応じた出力を警報手段20に発信する。
上記熱センサ13は、公知の熱電対からなり、室内温度に応じた出力を警報手段20に発信する。
以下、このような構成による処理を含め、警報手段20により実行される各種処理フローについて説明する。
警報装置100の警報手段20は、図3に示すように、電源がONとなったときに、先ず内部メモリ等の初期化(ステップ#11)を行った上で、詳細については後述する初期モード(ステップ#12)及び点検モード(ステップ#13)を実行した後に、ガス漏れ、不完全燃焼、火災等の異常を監視するための監視モード(ステップ#14)を実行する。
先ず、警報手段20が実行する上記監視モードについて説明する。
図6に示すように、以下で説明する監視モードを、繰り返し実行する。
警報手段20は、監視モードでは、図6に示すように、監視モード中であることを示すために動作状態表示用LED45を点灯させ(ステップ#301)、更に、後述する外部出力停止状態から通常警報状態へ強制的に切り替え(ステップ#302)、更に、ガス漏れ判定用閾値、不完全燃焼判定用閾値、及び、火災判定用閾値を、予めEEPROM6に記憶している監視閾値に設定する(ステップ#303)。
この異常判定処理は、ガス漏れ、不完全燃焼、火災等の異常の発生を判定する処理であり、具体的には、メタンセンサ11で検知されたメタン濃度が所定の遅延時間継続して上記ガス漏れ判定用閾値を越えた状態をガス漏れと判定し、COセンサ12で検知されたCO濃度が所定の遅延時間継続して上記不完全燃焼判定用閾値を越えた状態を不完全燃焼と判定し、熱センサ13で検知された室内温度が所定の遅延時間継続して上記火災判定用閾値を超えた状態を火災と判定する。また、ここで、上記夫々の判定用閾値を複数段階に設定し、異常の程度を複数段階に判定しても構わない。
また、不完全燃焼判定時には、表示回路41により不完全燃焼用LED44を点灯させる形態で警報表示出力を行い、音声回路31により「ピッポッピッポッ 空気が汚れて危険です。窓を開けて換気してください。」等の不完全燃焼警報音を出力させる形態で警報音出力を行い、更に、外部信号出力回路51により有電圧信号を18Vとする形態で警報外部信号の出力を行う。
また、火災判定時には、表示回路41により火災用LED42を点灯させる形態で警報表示出力を行い、音声回路31により「ピーッピーッ 火災警報装置が作動しました。確認してください。」等の火災警報音を出力させる形態で警報音出力を行い、更に、外部信号出力回路51により接点信号をONとする形態で警報外部信号の出力を行う。
尚、この警報出力処理において、上記ガス漏れ、上記不完全燃焼、及び、上記火災のうちの複数の異常が併発した場合には、複数の異常に対応する警報出力を組み合わせて行う。例えば、ガス漏れと不完全燃焼との両方が発生したと判定した場合には、表示回路41によりガス漏れ用LED43と不完全燃焼用LED44との両方を点灯させる形態で警報表示出力を行い、音声回路31により上記ガス漏れ警報音と上記不完全燃焼警報音との両方を順次出力させる形態で警報音出力を行い、更に、外部信号出力回路51により有電圧信号を12Vと18Vとに交互に切り替える形態で警報外部信号の出力を行う。
また、異常が無いと判定した場合には、上記警報表示出力、上記警報音出力、及び、上記警報外部信号の出力を行わず、上記有電圧信号は6Vの状態となり、接点信号はOFFとなる。
ここで、不快度低下状態とは、上述したガス漏れ警報音、不完全燃焼警報音、火災警報音のように、当該不快度低下状態ではない状態での通常警報音に対して、不快度を低下させた不快度低下警報音を音声回路31に出力させる警報音出力状態である。
また、この不快度低下警報音としては、上記通常警報音に対して音圧レベル(音量)を低下させたものを利用することができるが、上記通常警報音に対して音圧レベルの低下を伴わないで不快度だけを低下させたものを利用することもできる。
例えば、音圧レベルの低下を伴わなくとも、通常警報音が間歇的に出力されるものである場合には、その間歇出力の間隔を拡大したものを上記不快度低下警報音として利用することができる。また、通常警報音が、不快度が比較的高いビープ音等の不快音を一部に含む、例えば、その不快音に続いて音声メッセージを付加したものである場合には、通常警報音の一部の不快音を消去したものや、その不快音をチャイム音等の不快度が小さい音に変更したものを上記不快度低下警報音として利用することができる。
更に、上記危険度に基づいて不快度低下状態を制御する不快度低下状態制御として、不快度低下状態において、危険度が上昇したときには、不快度低下状態ではない状態へ強制的に切り替える不快度低下解除制御を実行する(ステップ#310)。
即ち、この不快度低下解除制御では、異常判定処理(ステップ#308)において判定された上記危険度が、上記予め記録された初期危険度に対して上昇した場合には(ステップ#309)には、上記不快度低下状態を解除して、警報音出力状態を不快度低下状態ではない状態へ強制的に切り替えることで、利用者に対していち早く且つ正確に危険度の上昇を知らせることができる。
例えば、この不快度低下状態制御では、不快度低下状態において、危険度が高いほど、不快度低下警報音の音圧レベルの低下程度や間歇出力の間隔を拡大程度等の不快度低下警報音の不快度低下程度を減少させて、利用者に対していち早く且つ正確に危険度の上昇を知らせることができ、逆に、危険度が低いほど、同不快度低下程度を増加させて、利用者に対する不快度を低減することができる。
次に、警報手段20が実行する上記確認処理について説明する。
上記確認処理では、図7に示すように、先ず、音声回路31により「ピッ 自己診断中です。しばらくおまちください。」等の自己診断開始通知音を出力させた上で(ステップ#401)、自己診断を実行する(ステップ#402)。
ここで、自己診断としては、警報手段20として機能するCPU内部の異常チェック(ソフトチェック機能)や、メタンセンサ11、COセンサ12、熱センサ13、温度サーミスタ4等の異常出力チェック、各種回路の異常チェック等の内部チェックや、ガス漏れ、不完全燃焼、火災等の異常に対するテスト判定等のような診断を自動的に行う処理を実行することができる。
上記自己診断が終了したときには、音声回路31により「警報装置は正常です。安心してお使いください。」等の自己診断完了通知音を出力させる(ステップ#403)。よって、利用者は、正常に作動していることを認識することができる。
尚、警報表示、警報音、警報外部信号のテスト出力は、上述した警報出力処理でのガス漏れ判定時、不完全燃焼判定時、火災判定時の夫々における警報信号の出力状態(表1)を一定時間模擬したものである。
即ち、警報手段は、当該確認処理において、警報外部信号の出力を停止する外部出力停止状態に切り替え可能に構成されている。
次に、警報手段20が、電源ON時に続いて実行する初期モードについて説明する。
上記初期モードでは、図4に示すように、先ず、初期モード中であることを示すために動作状態表示用LED45を点滅させ(ステップ#101)、所定のリセット処理及び内部チェック処理を行う(ステップ#102)。
ここで、リセット処理においては、電源ONからの通電時間を0secに設定し、後述するガス漏れ判定用閾値、不完全燃焼判定用閾値、及び、火災判定用閾値を、予めEEPROM6に記憶している監視閾値に設定し、更に、外部出力回路51により出力される有電圧信号を警報外部信号を出力しない状態である6Vに設定する。
尚、上記特殊操作とは、偶然に起こりえないスイッチ5の操作であり、例えば、「長押し」や「複数回の連続押し」など、ある程度の確率で行われそうな操作ではなく、長押しと連続押しとを組み合わせた操作、例えば、「1回の長押しに続いて3回連続押し」、「10秒以上の長押しに続いて10回連続押し」など、その操作を知っていなければ偶然には起こりえないようなスイッチ5の押圧操作等を含む。また、上記特殊操作を、複数のスイッチ5の夫々に対する押圧操作を組み合わせた操作や、上記スイッチ5とは別の隠しスイッチを併用した操作等、より複雑なものとしても構わない。
ここで、外部出力停止状態に切り替えるとは、外部出力回路51において、有電圧信号を、警報外部信号の出力を停止した状態に対応する6Vの状態に固定すること、及び、接点信号を警報外部信号の出力を停止した状態に対応するOFF状態に固定することを言う。
次に、警報手段20が実行する上記個別設定処理について説明する。
上記個別設定処理では、音声回路31により「個別機能設定モードです。設定番号の数だけスイッチ5を押してください」などの通知音を出力させた上で、図8に示すように、スイッチ5の押圧回数をカウントし(ステップ#501)、次に、下記の表2に示すように、そのカウントした押圧回数に応じた設定番号の設定処理を行う(ステップ#502)。以下、その夫々の設定番号の設定処理内容について、説明する。
尚、上記ステップ#501において、使用者がスイッチ5の押圧回数を間違えないように、スイッチ5が押圧される毎にそれまでにカウントした押圧回数を通知するなどの形態で、スイッチ5の押圧回数を通知するように構成しても構わない。
そして、このような設定処理を行うことで、万一、メタンセンサ11、COセンサ12、熱センサ13等の検知手段の故障や誤作動が起きた場合、警報装置の電源を切ることなく、問題がある異常判定処理を停止することが可能となり、問題のない異常判定処理及び警報出力処理を生かした状態で警報装置の作動を継続することができる。
また、上記設定番号6の設定処理は、火災判定時に接点信号がOFFからONになることを禁止する形態で、上述した警報出力処理における火災判定時の外部出力回路51による警報外部信号の出力を停止する処理である。
そして、このような設定処理を行うことで、各種異常判定処理は停止したくないが、外部出力回路51による警報外部信号を出力した場合に集中監視盤やインターホン親機等の外部機器53により玄関等で音声が出力されることにより他人へ不快感を与えることを防止したい場合に、当該警報外部信号の出力を各種判定処理毎に停止することができる。
即ち、警報手段は、上記設定番号4〜6の設定処理において、複数の異常状態の夫々に対して警報外部信号の出力を各別に停止可能に構成されている。
そして、このような設定処理を行うことで、ガス漏れに対する判定処理の鋭敏化等により、明らかにガス漏れが判定されやすくなっている場合であっても、ガス漏れ判定を完全に停止させずに、ガス漏れ判定用閾値を上昇させて、そのガス漏れ判定の感度を下げることができる。よって、ガス漏れの誤判定を防止するとともに、より危険な状態に対してのガス漏れ判定の機能は残すことができる。
そして、このような設定処理を行うことで、点検等により異常判定処理において異常を判定した場合でも、外部出力回路51により集中監視盤やインターホン親機等の外部機器53への警報外部信号を出力せずに、外部機器53の音声出力を停止し、使用者や近隣に対して不要な不安感及び不快感を与えることを防止することができる。
そして、このような設定処理を行うことで、誤報により注意報メロディが出力されやすくなっている場合であっても、ガス漏れ判定を完全に停止させずに、注意報メロディの吹鳴を停止し、使用者や近隣に対して不要な不安感及び不快感を与えることを防止できる。
そして、このような設定処理を行うことで、故障していても、有電圧信号が0Vとなることが防止でき、0Vとなった場合に集中監視盤が故障警告を発するといったことや、インターホン親機が鳴るといったことがなく、使用者や近隣に対して不要な不安感及び不快感を与えることを防止することができる。
即ち、警報手段は、上記設定番号11の設定処理において、警報外部信号の出力を停止する外部出力停止状態に切り替え可能に構成されている。
そして、このような設定処理を行うことで、遅延時間が短すぎることによるガス漏れや不完全燃焼に対する判定処理の鋭敏化を抑制することができ、ガス漏れ判定時や不完全燃焼判定時の警報の頻発による利用者の不快感を低減できる。
そして、このような設定処理を行うことで、設置場所の環境下で変化したガス漏れ判定用閾値や不完全燃焼閾値を、メタンセンサ11やCOセンサ12に標準メタンガス(5000ppm)や標準COガス(500ppm)をかけてその設置環境の条件下で設定しなおすことができ、工場での設定環境と全くことなる設置環境下で、目標のガス濃度に対し、適正にガス漏れや不完全燃焼の判定を行うことができる。
次に、警報手段20が、上記初期モードに続いて実行する点検モードについて説明する。
上記点検モードでは、図5に示すように、上述した監視モードと同様に動作状態表示用LED45を点灯させ(ステップ#201)、ガス漏れ判定用閾値を、予めEEPROM6に記憶している点検閾値に設定し(ステップ#202)、それ以降のステップを、通電時間が所定の設定時間(例えば1分)に達して点検モード終了と判定されるまでに(ステップ#212)繰り返し実行する。
また、本実施形態では、ガス漏れ判定用閾値のみを監視閾値よりも小さい点検閾値に設定するが、別に、不完全燃焼判定用閾値や火災判定用閾値等についても監視閾値よりも小さい点検閾値に設定しても構わない。
ここで、この点検モードでの異常判定処理においては、ガス漏れ判定用閾値が監視閾値よりも小さい点検閾値に設定されているので、比較的メタン濃度が低い点検用ガスを吹きかけたときでも、ガス漏れを判定しやすい状態となる。
また、この点検モードにおける異常判定処理では、監視モードとは異なり、例えば火災の発生を省略するように構成してもよい。
即ち、警報手段は、当該点検モードにおいて、警報外部信号の出力を停止する外部出力停止状態に切り替え可能に構成されている。
これにより、点検モード中の一旦警報を出力している状態から、スイッチ5の押圧により速やかに点検モードを終了して、監視モードを開始することができる。すると、各種判定用閾値が、点検閾値から監視閾値に変更されることになるため、点検のために警報を出力しやすくなっていた状態を元の状態に戻して、早く警報の出力を停止することができる。
また、このように監視モードに移行する際に、適宜、警報音出力状態を不快度低下状態に切り替えるように構成して、例えば監視モードに移行した後でも、警報の出力が継続される場合に、不快度を低下させた不快度低下警報音を出力させることができる。
(1)上記実施形態では、監視モード(図6)に移行すると強制的に、警報外部信号の出力状態を外部出力停止状態から通常警報状態へ強制的に切り替えた(ステップ#302)が、危険度上昇や、設定時間の経過に応じて、外部出力停止状態を通常警報状態に切り替える構成としても構わない。
2:通気孔
4:温度サーミスタ
5:スイッチ
6:不揮発性メモリ(EEPROM)
10:検知手段
20:警報手段
25:コンセント
31:音声回路
32:スピーカ
41:表示回路
42:火災用LED
43:ガス漏れ用LED
44:不完全燃焼用LED
45:動作状態表示用LED
51:外部出力回路(外部出力手段)
52:外部信号線
53:外部機器
100:警報装置
Claims (2)
- 検知対象の異常状態を検知する検知手段と、外部へ外部警報を出力する外部機器へ警報外部信号を出力可能な外部出力手段と、前記検知手段で前記異常状態を検知した場合に前記外部出力手段に前記警報外部信号を出力させる警報手段を備え、初期モード、点検モード及び監視モードを含み、初期モードを実行した後に点検モードを実行する警報装置であって、
前記警報手段が、前記警報外部信号の出力を許容する通常警報状態と、前記警報外部信号の出力を停止する外部出力停止状態との間で、前記警報外部信号の出力状態を切り替え可能に構成されるとともに、前記初期モード時に前記外部出力停止状態に切り替え可能に構成され、
前記警報外部信号の出力状態の切り替えは、スイッチの操作により行うように構成され、
さらに、前記点検モード時、前記スイッチの操作が行われ、且つ、前記検知手段が異常状態を検知している場合には、前記監視モードに移行するように構成され、
前記監視モードに移行するときに、前記警報外部信号の出力状態を前記通常警報状態へ強制的に切り替える警報装置。 - 前記検知手段が、複数の異常状態を検知し、
前記外部出力手段が、前記複数の異常状態の夫々に対して警報外部信号を出力可能であり、
前記警報手段が、前記外部出力停止状態において、前記警報外部信号の夫々の出力を各別に停止可能に構成されている請求項1に記載の警報装置。
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