JP5257115B2 - 力学量センサ及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、外力に応じて変位可能な容量素子を用いて力学量を検出する力学量センサ及びその製造方法に関する。
近年、各種電子機器の小型軽量化、多機能化や高機能化が進み、実装される電子部品にも高密度化が要求されている。このような要求に応じて各種電子部品が半導体デバイスとして製造されるものが増加している。このため、回路素子として製造される半導体デバイス以外に力学量を検出するセンサ等も半導体デバイスを用いて製造されて、小型軽量化が図られている。例えば、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)技術を用いて小型で単純な構造を有する加速度センサあるいは角速度センサでは、外力に応じて変位する可動部を半導体基板に形成し、この可動部の変位が静電容量素子を利用して検出されるタイプのセンサ(いわゆる静電容量型センサ)等が実用化されている。
このようなセンサでは、可動部を安定して変位させるため、半導体基板を封止材(例えば、ガラス基板等)で密封する構造がとられており、密封された封止空間はガス抜き等が行われて、可動部の変位を阻害する要因が排除されている。このような可動部を密封した封止構造を有するデバイスを、本書面では封止型デバイスと呼称するものとする。封止型デバイスには、MEMS素子以外に、SAW(Surface Acoustic Wave)素子やF−BAR(Thin Film Bulk Acoustic Wave Resonators)素子等も含まれる。静電容量型センサは、一般に一対のガラス基板に挟まれて接合された半導体基板内に、所定の自由度をもって変位可能な錘部を用意し、当該錘部を加速度や角速度などに伴う変位を検出する錘部として利用する。変位の検出は、容量素子の静電容量の値に基づいて行われる。静電容量型センサにおいて、多軸成分の力学量を検出するために、従来、1軸のセンサを複数組み合わせて使われていたが、サイズやコストの点で問題であった。
そこで、1つのセンサ素子によって多軸成分の検出を行うことが可能な静電容量型センサの研究が進んでいる。このような1つのセンサ素子によって多軸成分の力学量を検出するセンサが開示されている(非特許文献1)。
静電容量型の角速度センサの動作原理について、図12を参照して説明する。図12(A)及び(B)は、静電容量型の角速度センサの概略構成と、基本動作を示す図である。図12(A)において、角速度センサ700は、上ガラス基板(第1基板)701と、半導体基板702と、下ガラス基板(第2基板)703と、により構成される。上ガラス基板701の半導体基板702との対向面には、駆動用の電極704が形成されている。半導体基板702には、錘部705と、錘部705を図中の上下方向に変位可能に支持する可撓部706が形成されている。半導体基板702は、その上面と下面が上ガラス基板701と下ガラス基板703に接合されて封止されることにより、その内部は真空封止されている。
図12(A)は、電極704に駆動電圧として5Vを印加した状態を示す図である。この場合、錘部705は電極704との間の静電引力Fcにより上方に引っ張り上げられる。図12(B)は、電極704に印加する駆動電圧を0Vにした状態を示す図である。この場合、錘部705は可撓部706のばね復元力Fbにより元の位置に戻される。この角速度センサ700では、図12(A)及び(B)の駆動電圧の印加動作を繰り返すことにより錘部705を振動させた状態で、角速度に伴うコリオリ力が検出される。
図12では、真空封止された静電容量型の角速度センサを例示したが、真空封止を必要としない静電容量型の加速度センサの製造方法が、例えば、特許文献1により提案されている。この加速度センサでは、シリコン基板をエッチング処理することにより互いに分離して形成された固定部と可動部とから構成されるくし形電極を有している。この加速度センサの製造方法では、シリコン基板の一側面のうち、固定部の固定電極と可動部の梁、質量部及び可動電極に相当する部位に保護膜(シリコン酸化膜:SiO)を形成し、エッチング処理により固定部及び可動部を分離して形成する際の寸法精度を良くすることを提案している。
特開平8−15307号公報
Transaction on Sensors and Micromachines,Vol.126,No.6,2006(電気学会論文誌E,126巻,6号,2006年)
しかしながら、上述の特許文献1により提案された加速度センサの製造方法では、最初に、固定部及び可動部の形成部位に関わらずシリコン基板の一側面全体にシリコン窒化膜(SiN)を形成し、パターンニングにより固定部及び可動部の形成部位のシリコン窒化膜(SiN)を除去し、エッチング処理により固定部及び可動部を分離形成し、半導体基板とガラス基板とを接合する前に余分なシリコン窒化膜(SiN)を除去している。このため、シリコン窒化膜(SiN)の形成時に半導体基板のガラス基板との接合面に強い応力を生じさせ、成膜された接合面に結晶欠陥が発生しやすくなる。このため、特許文献1の製造方法では、上述の封止型デバイスにおいて必須となる真空封止状態を維持することは困難である。
また、上述の図12に示したような静電容量型の角速度センサの製造では、可撓部の上面と下面にはシリコン酸化膜(SiO)が形成されており、エッチング処理により可撓部を形成する時のエッチングストップ層となる。しかし、可撓部の側壁はシリコン酸化膜(SiO)が形成されておらず、シリコン(Si)が露出しているため、錘部をエッチング処理(DRIE:Deep Reactive Ion Etching)により形成する際にエッチングガスの回り込み等により側壁部が腐食して、可撓部に形状不良が発生することを確認した。図13は、可撓部の側壁にエッチングガスによる腐食が発生する現象を模式的に示した図である。図14は、エッチングガスにより実際に腐食が発生した可撓部の部分を撮影した顕微鏡写真である。図14に示すように、エッチングガスにより可撓部の側壁が腐食すると、その側壁部分に形状不良が発生する。また、図14には示していないが、可撓部と錘部とが接続される付根部分にもエッチングガスによる腐食が発生し、付根部分が抉られて形状不良が発生する。
上述のように可撓部及び付根部分に形状不良が発生すると、錘部を多軸方向(X方向、Y方向、Z方向)に変位可能に支持する可撓部の対称性が損なわれ、角速度センサの他軸感度を上昇させ、角速度の検出誤差を増加させる原因となる。すなわち、角速度センサでは、加えられる外力に応じて可撓部が撓むことにより錘部を外力に応じた方向のみに変位させることが好ましいが、可撓部の対称性が損なわれると錘部を異なる方向にも変位させることになる。このため、例えば、X軸方向の外力に対してX軸方向の変位のみが計測されるべき場合に、Y軸方向の変位も計測されてしまい、X軸方向の変位の計測値に対してY軸方向の変位の計測値がノイズ成分となり、角速度センサの検出精度を低下させる原因となる。このようなノイズ成分が発生する割合を示す値(%)が、角速度センサの他軸感度である。
本発明は上記に鑑み、封止型デバイスである静電容量型の力学量センサにおいて、対称性をもって錘部を多軸方向に変位可能に支持する可撓部の形状不良を低減して他軸感度を低減し、かつ、錘部が配置される封止空間内の真空封止状態を良好に維持する力学量センサ及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明の実施の形態に係る力学量センサは、フレーム部と、前記フレーム部の内側に配置された錘部と、前記錘部と前記フレーム部とを接続する可撓部と、を備えた半導体基板と、前記フレーム部の一方の側に接合された第1基板と、前記フレーム部の他方の側に接合された第2基板と、前記第1基板上に設けられ、前記錘部と対向する第1電極と、前記第2基板上に設けられ、前記錘部と対向する第2電極と、を備え、前記可撓部は保護膜で被覆され、前記錘部は前記フレーム部と前記第1基板及び前記第2基板との接合により前記半導体基板内に形成された封止空間内に配置されたことを特徴とする。
本発明の実施の形態に係る力学量センサの製造方法は、半導体基板に、フレーム部、前記フレーム部の内側に配置される錘部、および前記錘部と前記フレーム部とを接続する可撓部となる各領域を形成し、前記フレーム部領域、前記錘部領域、および可撓部領域の上に第1材料により第1保護膜を形成し、前記第1保護膜上に第2材料により第2保護膜を形成し、第1エッチング処理により少なくとも前記フレーム部領域上の前記第2保護膜を除去し、第2エッチング処理により前記フレーム部の接合面に残る前記第1保護膜を除去し、前記フレーム部の一方の側と接合される第1基板上に、第1電極を形成し、前記フレーム部の他方の側と接合される第2基板上に、第2電極と、前記第2電極を形成し、前記錘部と前記第1電極とを対向させて前記第1基板と前記フレーム部の一方の側とを接合し、前記錘部と前記第2電極とを対向させて前記第2基板と前記フレーム部の他方の側とを接合し、前記フレーム部と前記第1基板及び前記第2基板との接合により前記半導体基板内に封止空間を形成し、前記封止空間内に前記錘部を配置したことを特徴とする。
本発明によれば、封止型デバイスである静電容量型の力学量センサにおいて、対称性をもって錘部を多軸方向に変位可能に支持する可撓部の形状不良を低減して他軸感度を低減し、かつ、錘部が配置される封止空間内の真空封止状態を良好に維持する力学量センサ及びその製造方法を提供することができる。
本発明の一実施の形態に係る力学量センサを分解した状態を示す分解斜視図である。 半導体基板の構成を示す図であり、(A)は半導体基板の上面を示す平面図、(B)は(A)のA−A線から見た半導体基板の断面図、(C)は(A)のB−B線から見た半導体基板の断面図である。 基板の構成を示す図であり、(A)は第1基板の下面を示す平面図、(B)は第2基板の上面を示す平面図である。 力学量センサの製造方法を示す図であり、(A)は加工前の半導体基板を示す断面図、(B)は半導体基板にフレーム部、錘接合部及び可撓部に対応する領域に凹部を形成する工程を示す断面図、(C)は半導体基板にフレーム部、錘接合部、可撓部及びブロック上層部を形成する工程を示す断面図、(D)はフレーム部、錘接合部、可撓部及びブロック上層部の表面に酸化膜を形成する工程を示す断面図である。 力学量センサの製造方法を示す図であり、(A)は半導体基板の上面に窒化膜を形成する工程を示す断面図、(B)はフレーム部及びブロック上層部の上面の窒化膜を除去して錘接合部及び可撓部の上面にレジストを形成する工程を示す断面図、(C)はフレーム部上面、ブロック上層部及びBOX層の酸化膜を除去して錘接合部及び可撓部上面のレジストを除去する工程を示す断面図、(D)はフレーム部、錘接合部、可撓部及びブロック上層部に残る窒化膜を除去する工程を示す断面図である。 力学量センサの製造方法を示す図であり、(A)はブロック上層部に導通部を形成する工程を示す断面図、(B)は半導体基板に第1基板を接合する工程を示す断面図、(C)は錘接合部等に対応する領域に凹部を形成する工程を示す断面図である。 力学量センサの製造方法を示す図であり、(A)は半導体基板にフレーム部、錘部及びブロック下層部を形成する開口を形成する工程を示す断面図、(B)は半導体基板に第2基板を接合する工程を示す断面図である。 形状を改善した可撓部の顕微鏡写真を示す図である。 力学量センサにより検出される角速度の変位信号を処理する角速度処理回路の一例を示す図である。 力学量センサと処理回路を実装したセンサモジュールの一例を示す図である。 センサモジュールを実装したモバイル端末機の一例を示す図である。 静電容量型の角速度センサの動作原理を示す図である。 可撓部の側壁にエッチングガスによる腐食が発生する現象を模式的に示す図である。 形状不良が発生した可撓部の顕微鏡写真を示す図である。
以下、図面を参照して、本発明の一実施の形態を詳細に説明する。なお、本実施の形態では、封止型デバイスとして力学量センサの例について説明する。
<力学量センサの構造>
図1は力学量センサ100を分解した状態を示す分解斜視図である。図1では力学量センサ100の面内に直交する2軸(X軸とY軸)を設定し、この2軸に垂直な方向をZ軸と定めている。力学量センサ100は、半導体基板Wを、その上下に位置する第1基板140と第2基板150とで挟んで構成されている。半導体基板Wは、シリコン膜110、BOX層120、シリコン基板130が順に積層して構成される。半導体基板Wは後述するような製造工程により、枠状のフレーム(フレーム部111とフレーム部131とを含む)と、このフレーム内に可撓性を有する可撓部113(113a〜113d)により変位可能に支持される錘接合部(錘接合部112と錘接合部132とを含む)とが、一体的に構成され、力学量を検出するセンサ部を形成している。また、シリコン膜110には、フレーム部111、錘接合部112a〜112e及び可撓部113(113a〜113d)から離隔して、ブロック上層部114a〜114jが形成されている。
シリコン膜110、BOX層120、シリコン基板130、第1基板140、第2基板150は、その外周が例えば3mm×3mmの略正方形状であり、これらの高さはそれぞれ20μm、2μm、600μm、500μm、500μmである。これらの外形、高さは一例であり、上記に限定されるものではない。
シリコン膜110、BOX層120、シリコン基板130から構成される半導体基板Wは、SOI(Silicon On Insulator)基板を用いて製造可能である。また、第1基板140および第2基板150は、ガラス材料、半導体材料、金属材料、絶縁性樹脂材料のいずれかにより構成される。
次に、半導体基板Wの詳細な構成について、図2を参照して説明する。図2において、(A)は半導体基板Wの平面図、(B)は(A)のA−A線から見た半導体基板Wの断面図、(C)は(A)のB−B線から見た半導体基板Wの断面図である。
図2(A)に示すシリコン膜110には、フレーム部111、錘接合部112a〜112e、可撓部113a〜113e及びブロック上層部114a〜114jが形成されている。フレーム部111は、外周が略正方形、内周が錘接合部112a〜112eの形状に応じた多角形の枠形状の基板である。錘接合部112a〜112eは、図2(A)をZ方向から見た場合、略クローバー状の形状を有している。錘接合部112a〜112eは、該錘接合部112a〜112eと略同一形状の錘部132(図2(B)及び(C)に示す錘部132)とBOX層120を介して接合され、フレーム部111に対して一体的に変位する。可撓部113a〜113dは、それぞれ略長方形の基板であり、フレーム部111と錘接合部112b〜112eとを4方向で接続する。可撓部113a〜113dは、厚みが薄いため可撓性を有しており、撓みが可能な梁として機能する。可撓部113a〜113dが撓むことで、錘接合部112a〜112eがフレーム部111に対して変位可能である。なお、ブロック上層部114a〜114jは、フレーム部111、錘接合部112a〜112e及び可撓部113a〜113eから離間して形成されている。
錘接合部112a〜112e及び可撓部113a〜113eは、その一部を図2(B)に示すように、フレーム部111表面よりも低い位置に形成されており、第1基板140に対して変位可能である。
錘接合部112aの上面は、駆動用電極として機能する。この錘接合部112aの上面は、第1基板140の下面に設置された後述する駆動用電極144a〜144e(図3参照)との間に印加された電圧によって錘接合部112a〜112eをZ軸方向に振動させる。この駆動の詳細については後述する。
錘接合部112b〜112eの上面は、錘接合部112b〜112eのX軸およびY軸方向の変位を検出する後述する検出用電極としてそれぞれ機能する。この錘接合部112b〜112eの上面は、第1基板140の下面に設置された後述する検出用電極141b〜141eとそれぞれ容量性結合する。なお、錘接合部112b〜112eと検出用電極141b〜141eにそれぞれ付した符号のアルファベット部分(b〜e)は、それぞれ相互の位置関係に対応させて同様の順序で付している。この検出の詳細については後述する。
図2(B)において、シリコン基板130には、フレーム部131と、錘部132(132a〜132e)と、ブロック下層部134a〜134jと、が形成されている。シリコン基板130は、半導体基板Wをエッチングして開口を形成することで、フレーム部131と錘部132(132a〜132e)が作成可能である。なお、錘部132の高さ(図2(B)のZ軸方向)は、フレーム部131の高さより低く作成する。これは、錘部132と第2基板150との間に測定レンジに相当するギャップを確保し、錘部132の変位を可能にするためである。なお、ブロック下層部134a〜134jは、フレーム部131、錘部132及び可撓部113a〜113eから離間して形成されている。
フレーム部131は、外周が略正方形、内周が錘部132の形状に応じた多角形の枠形状の基板であり、シリコン膜110のフレーム部111と対応した形状を有する。フレーム部131は、BOX層120aを介してフレーム部111に接合されており、フレーム部111と一体化されている。
錘部132は、加速度に起因する力、あるいは、角速度に起因するコリオリ力を受ける錘(作用体)として機能する。錘部132は、略直方体形状の錘部132a〜132eに区分される。中心に配置された錘部132aには、4方向から錘部132b〜132eが接続され、全体として一体的に変位(移動、回転)することが可能となっている。即ち、錘部132aは、錘部132b〜132eを接続する接続部として機能する。錘部132は、図2(A)を鉛直方向から見た場合に、略クローバー状の形状を有している。
錘部132a〜132eは、それぞれ錘接合部112a〜112eと対応する略正方形の断面形状(図2(A)のX−Y座標平面から見た形状)を有する。錘部132a〜132eは、BOX層120bを介して錘接合部112a〜112eと接合される。錘部132a〜132eに加わった力に応じて錘接合部112が変位し、その結果、力学量の測定が可能となる。
錘部132を錘部132a〜132として構成している理由は、力学量センサ100の小型化と高感度化の両立を図るためである。力学量センサ100を小型化(小容量化)すると、錘部132の容量も小さくなり、その質量が小さくなることから、力学量に対する感度も低下する。可撓部113a〜113dの撓みを阻害しないように錘部132b〜132eを分散配置することで、錘部132全体としての質量を確保している。この結果、力学量センサ100の小型化と高感度化の両立が図られる。
錘部132aの下面(第2基板150の上面に対向する面)は、後述する駆動用電極Eとして機能する。この錘部132aの下面は、第2基板150の上面に設置された後述する駆動用電極151a(図3(B)参照)との間に印加された電圧によって錘接合部112a〜112eをZ軸方向に振動させる。なお、この駆動の詳細については後述する。
錘部132b〜132eのそれぞれの下面は、錘接合部112b〜112eのX軸およびY軸方向の変位を検出する後述する検出用電極としてそれぞれ機能する。これらの錘部132b〜132eの裏面の検出用電極は、第2基板150の上面に設置された後述する検出用電極151b〜151e(図3(B)参照)とそれぞれ容量性結合する。なお、錘部132b〜132eと検出用電極151b〜151eにそれぞれ付した符号のアルファベット部分(b〜e)は、それぞれ相互の位置関係に対応させて同様の順序で付している。この検出の詳細については後述する。
図2(B)及び(C)に示すBOX層120は、フレーム部111とフレーム部131とを接続するBOX層120aと、錘接合部112a〜112eと錘部132a〜132eを接続するBOX層120bと、ブロック上層部114a〜114jとブロック下層部134a〜134jを接続するBOX層120cと、により構成される。BOX層120は、図2(B)及び(C)に示す部分以外の部分では、シリコン膜110及びシリコン基板130とは接続されていない。
ブロック下層部134a〜134jは、それぞれブロック上層部114a〜114jと対応する略正方形の断面形状を有し、BOX層120cによりブロック上層部114a〜114jと接合される。ブロック上層部114a〜114j及びブロック下層部134a〜134jを接合したブロックは、それぞれ駆動用電極141a及び検出用電極141b〜141eと、後述する駆動用電極151a及び検出用電極151b〜151eに電源を供給するための配線の用途で用いられる。
また、図2(A)〜(C)に示すシリコン膜110のフレーム部111の一部及びブロック上層部114a〜114jの各中央部と、BOX層120bの一部及びBOX層120cの各中央部には、第1基板140とシリコン基板130とを必要な部分で導通させるため導通部160が形成されている。導通部160は、第1基板140とシリコン基板130とを導通させるものであり、シリコン膜110のフレーム部111の一部及びブロック上層部114a〜114jと、BOX層120bの一部及びBOX層120cを貫通して形成されている。導通部160は、例えば、テーパー形状の貫通孔内に金属層を配置して構成されている。これらの導通部160は、後述する第1基板140に形成された配線用端子T1〜T11の各形成位置に合わせて形成されている。なお、導通部160はシリコン膜110の上面より突出しないことが好ましい。
次に、図3を参照して第1、第2基板140、150について説明する。図3(A)は第1基板140をZ正方向から透視した平面図である。第1基板140の下面(シリコン膜110と対向する側)には駆動電極141aと検出電極141b〜141eが配置されている。駆動電極141aは配線L1を通じて配線用端子T1と電気的に接続されている。検出電極141b〜eは配線L3〜L6を通じて配線用端子T3〜T6と電気的に接続されている。なお、添え字の番号は対応している。なお、配線L1,L3〜L6と配線用端子T1,T3〜T6にそれぞれ付した符号の数字部分(1,3〜6)は、それぞれ相互の位置関係に対応させて同様の順序で付している。このように、駆動電極141aと検出電極141b〜eからの電気信号を外部に取り出すことが可能である。
図3(B)はZ正方向からみた第2基板150の平面図である。第2基板150の上面(シリコン基板130と対向する側)には駆動電極151aと検出電極151b〜eが配置されている。駆動電極151aは配線L2を通じて配線用端子T2と電気的に接続されている。検出電極151b〜eは配線L7〜L10を通じて配線用端子T7〜T10と電気的に接続されている。ここでは詳細を図示しないが、配線L1〜L10は、ブロック部と第1基板または第2基板との間に介在された状態にある。このようにして、駆動電極151aと検出電極151b〜eからの電気信号を外部に取り出すことが可能である。なお、配線L2,L7〜L10と配線用端子T2,T7〜T10にそれぞれ付した符号の数字部分(2,7〜10)は、それぞれ相互の位置関係に対応させて同様の順序で付している。
以上の図2及び図3に示した構成により、力学量センサ100の外部(C−V変換回路など)と駆動用電極141a,151a及び検出用電極141b〜141e,151b〜151eとの電気的接続を可能としている。
<力学量センサの動作>
上述したように、この力学量センサ100では、錘接合部112と錘部132(132a〜132e)が一体形成された錘部が、フレーム部111から延びる可撓部113により支持され、第1基板140、第2基板150、半導体基板Wにより囲まれた空間内で変位できるように構成されている。
力学量センサ100を加速度センサとして用いる場合は、加速度の作用に起因して生じる錘部132の変位を検出すればよい。加速度は、錘接合部112および錘部132と検出電極とで形成した容量素子の静電容量変化により、錘部(錘接合部112と錘部132の接合体)の変位を検出する。X、Y軸方向の加速度は錘部の傾き、Z軸方向の加速度はZ軸方向に沿った錘部の変位を検出することで検出可能である。
力学量センサ100を角速度センサとして用いる場合は、錘部132を駆動用電極141a,151aにより上下振動させ(一般に、交流電圧を印加し、単振動させる)、角速度の作用に起因して生じる錘部132の変位を検出すればよい。例えば、錘部132がZ軸方向に速度vzで移動しているときに角速度ωが印加されると錘部132にコリオリ力Fが作用する。具体的には、X軸方向の角速度ωxおよびY軸方向の角速度ωyそれぞれに応じて、Y軸方向のコリオリ力FyおよびX軸方向のコリオリ力Fxが錘部132に作用する。X軸方向の角速度ωxによるコリオリ力Fyが印加されると、錘接合部112にY方向への傾きが生じる。このように、角速度ωx,ωyに起因するコリオリ力Fy,Fxによって錘接合部112にY方向、X方向の傾き(変位)が生じる。したがって、錘部132の各軸方向の変位をそれぞれ検出すれば、各軸方向成分の角速度の値を求めることができる。力学量センサ100においては、各軸方向成分の角速度の値を、錘部132と各電極との間で形成される容量素子の静電容量変化を検出することで検出が可能である。
駆動原理の一例について説明する。駆動用電極と錘部の間に電圧を印加すると、クーロン力によって駆動用電極と錘部が互いに引き合い、錘部(錘接合部112と錘部132)はZ軸正方向または負方向に変位する。上下の駆動用電極に電圧印加を交互に行うことで、錘接合部112(錘部132も)はZ軸方向に振動する。この電圧の印加は正又は負の直流波形(非印加時も考慮するとパルス波形)、半波波形等を用いることができる。駆動用電極と錘部の間、又は駆動用電極のいずれか一方のみに、錘部132の固有振動数の1/2の周波数の交流電圧を印加してもよい。錘部はフレーム部、第1基板140、及び第2基板150で囲まれた減圧空間内に配置されているため、安定して変位することができる。
一般に、角速度信号は数kHz以上であり、加速度信号は角速度信号よりも2桁以上低い周波数であるため、外部の信号処理回路において各々を識別することができる。すなわち、加速度、角速度は外部に設けた信号処理回路により、低周波数成分(あるいはバイアス成分)、振動周波数に追随する信号をそれぞれフィルタ回路で処理し、その処理後の各信号を検出することで、3軸(X,Y,Z)方向の加速度および2軸(X,Y)方向の角速度を検出することが可能である。すなわち、1つのセンサ素子である力学量センサ100を用いることにより、3軸(X,Y,Z)方向の加速度および2軸(X,Y)方向の角速度の双方あるいはいずれか一方を検出することが可能である。本実施の形態に記載した力学量センサ100は、3軸(X,Y,Z)方向の加速度と、2軸まわり(X,Y)の角速度を検出することができる。
<力学量センサの製造方法>
以下、力学量センサ100の製造方法について図4(A)〜(D)と、図5(A)〜(D)と、図6(A)〜(D)と、図7(A),(B)を参照しながら説明する。なお、図4(A)〜(D)、図5(A)〜(C)、図6(A)〜(D)、図7(A),(B)は、図2(A)に示したA−A線から見た断面に基づいて各製造工程を示している。
(1)半導体基板Wの準備(図4(A)参照)
シリコン膜110、BOX層120、シリコン基板130を積層してなる半導体基板W(SOI基板)を用意する。上述したように、シリコン膜110は、フレーム部111、錘接合部112、可撓部113、およびブロック上層部114を構成する層である。BOX層120は、シリコン膜110とシリコン基板130とを接合する層であり、かつエッチングストッパ層として機能する層である。シリコン基板130は、フレーム部131、錘部132、およびブロック下層部134を構成する層である。半導体基板Wは、SIMOXないし、貼り合せ法等により作成される。
(2)シリコン膜110の加工(図4(B)参照)
フレーム部111、錘接合部112a〜112e、可撓部113a〜113d、ブロック上層部114a〜114jを加工するためのマスクを形成し、該マスクを介してシリコン膜110をエッチングすることにより、フレーム部111と、錘接合部112a〜112e及び可撓部113a〜113dを形成する位置に凹部170を形成する。エッチング方法として、RIE(Reactive Ion Etching)法を用いることができる。
(3)シリコン膜110とBOX層120の加工(図4(C)参照)
所定のマスクが形成されたシリコン膜110をエッチングすることにより、フレーム部111、錘接合部112a〜112e、可撓部113a〜113d、ブロック上層部114a〜114jをそれぞれ形成する。エッチング方法として、DRIE(Deep Reactive Ion Etching)を用いることができる。この場合、酸化シリコンとシリコンとでエッチング選択性を有するガスを用いればよい。
(4)シリコン酸化膜(SiO)の形成(図4(D)参照)
図4(C)においてフレーム部111、錘接合部112a〜112e、可撓部113a〜113d、ブロック上層部114a〜114jが形成されたシリコン膜110上面の全面に熱酸化処理によりシリコン酸化膜(SiO)201を形成する。この場合、熱酸化処理を用いることにより、フレーム部111、錘接合部112a〜112e、可撓部113a〜113d、ブロック上層部114a〜114jの各表面(図中の上面及び側面を含む)にシリコン酸化膜(SiO)201を形成することができる。このシリコン酸化膜(SiO)201は、後述するフレーム部111、錘接合部112a〜112e、可撓部113a〜113d、ブロック上層部114a〜114jをエッチングにより分離する際に、特に、可撓部113a〜113dの表面(図中の上面及び側面を含む)をエッチングガスの腐食に対して保護するエッチングストッパ層(第1保護膜)になる。
(5)シリコン窒化膜(SiN)の形成(図5(A)参照)
図4(D)においてシリコン酸化膜(SiO)201が形成されたシリコン膜110上面の全面にLPCVD(Low Pressure Chemical Vapor Deposition)法によりシリコン窒化膜(SiN)202を形成する。この場合、LPCVD法を用いることにより、フレーム部111、錘接合部112a〜112e、可撓部113a〜113d、ブロック上層部114a〜114jの表面(図中の上面及び側面を含む)にシリコン窒化膜(SiN)202を形成することができる。
(6)シリコン窒化膜(SiN)の除去(図5(B)参照)
図5(B)において、錘接合部112a〜112eと可撓部113a〜113dの形成領域に対応するマスク(図示せず)を用いて、錘接合部112a〜112eと可撓部113a〜113dの上面にレジスト203を形成する。次いで、図中の上方からエッチングガスを流すドライエッチングにより、フレーム部111、錘接合部112a〜112e、ブロック上層部114a〜114j、及びBOX層120の各上面のシリコン窒化膜(SiN)202を除去する。ドライエッチング方法としては、RIE(Reactive Ion Etching)法を用いることができる。
(7)シリコン酸化膜(SiO)とレジストの除去(図5(C)参照)
さらに、図5(C)において、ウエットエッチングにより、フレーム部111、錘接合部112a〜112e、及びブロック上層部114a〜114jの各上面のシリコン酸化膜(SiO)と、これら各部の間のBOX層120を除去するとともに、可撓部113a〜113d上面のレジスト203を除去する。
(8)シリコン窒化膜(SiN)の除去(図5(D)参照)
次いで、熱リン酸を利用するウエットエッチングにより、フレーム部111及びブロック上層部114a〜114jの側壁に残るシリコン窒化膜(SiN)を除去し、錘接合部112a〜112e及び可撓部113a〜113dの上面と側壁に残るシリコン窒化膜(SiN)を除去する。
以上の工程により、可撓部113a〜113dの表面(図中の上面及び側面を含む)は、シリコン酸化膜(SiO)で被覆されるため、素子を分離する際のエッチングガスの回り込みによる腐食から可撓部113a〜113dの表面(図中の上面及び側面を含む)を保護することが可能になる。また、第1基板140と接合されるフレーム部111及びブロック上層部114a〜114jの各接合面からシリコン酸化膜(SiO)とシリコン窒化膜(SiN)の残滓は除去されるため、第1基板140に接合する際に密着性を向上できる。
(9)導通部160の形成(図6(A)参照)
導通部160の形成領域に対応するマスク(図示せず)を用いてブロック上層部114a〜114j及びBOX層120をエッチングすることにより、導通部160の加工位置を決める開口(図示せず)を形成する。エッチング方法として、DRIE(Deep Reactive Ion Etching)を用いることができる。続いて、ブロック上層部114a〜114jとBOX層120aを貫通する開口に対して、例えば、Alを蒸着法やスパッタ法等により堆積させて、導通部160を形成する。ブロック上層部114a〜114jの上面に堆積した不要な金属層(導通部160の上端の縁(図示せず)の外側の金属層)はエッチングで除去する。
(10)第1基板の接合(図6(B)参照)
第1基板140の接合は、以下の1)〜3)に示す工程により行われる。
1)第1基板140の作成
第1基板140は、ガラス材料、半導体、金属材料、絶縁性樹脂材料のいずれかより構成される。第1基板140としてガラス材料を用いる場合について説明する。可動イオンを含むガラス基板(例えばテンパックス(登録商標)ガラス)を用いる。第1基板140のシリコン膜110との対向面の錘接合部112a〜112eにそれぞれ対向する位置に駆動用電極141a、検出用電極141b〜141e、及び配線L1,L3〜L6を、例えば、Alからなるパターンによって形成する(図3(A)参照)。また、第1基板140をエッチングあるいはサンドブラストにより、配線用端子T1〜T11を形成するための上広の錐状貫通孔(図示せず)を11個形成する(図6(B)、図3(A)参照)。なお、図6(B)では、配線用端子T4,T6が形成された断面を示している。
2)半導体基板Wと第1基板140の接合
第1基板140と半導体基板Wとを、陽極接合により接合する(図6(B)参照)。可動部を形成する前に、第1基板140を陽極接合しているので、半導体基板Wと第1基板140の陽極接合時に静電引力が発生しても錘接合部112a〜112eは第1基板140側に引き寄せられることはない。
3)配線用端子T1〜T11の形成
第1基板140の上面及び錐状貫通孔(図示せず)内に、例えば、Cr層、Au層の順に金属層を蒸着法やスパッタ法等により形成する。不要な金属層(配線用端子T1〜T11の上端の縁の外側の金属層)をエッチングにより除去し、配線用端子T1〜T11を形成する(図3(A)参照)。配線用端子T1〜T11は、半導体基板Wとの接合前に形成しておいてもよい。
(11)シリコン基板130の加工(図6(C)参照)
シリコン基板130の第2基板150との対向面の、フレーム部131、錘部132a〜132e及びブロック下層部134a〜134jの形成位置に対応する領域をエッチングすることにより凹部180を形成する。エッチング方法として、RIE(Reactive Ion Etching)法を用いることができる。
(12)シリコン基板130の加工(図7(A)参照)
フレーム部131、錘部132a〜132e、ブロック下層部134a〜134jを加工するためのマスクを形成し、該マスクを介してシリコン基板130をエッチングすることにより、フレーム部111と、錘接合部112a〜112e及び可撓部113a〜113dに対応する開口181を形成する。エッチング方法として、DRIE(Deep Reactive Ion Etching)法を用いることができる。なお、図7(A)では、フレーム部131、錘部132c,132d、ブロック下層部134d,134fが加工された断面を示している。
(13)第2基板150の接合(図7(B)参照)
第2基板150の接合は、以下の1)〜2)に示す工程により行われる。
1)第2基板150の作成
第2基板150としては、前述した第1基板140と略同様の材料を用いることができる。本実施の形態では、第2基板150としてガラス基板を用いた場合について説明する。可動イオンを含むガラス基板の錘部132a〜132eにそれぞれ対向する位置に、駆動用電極151a、検出用電極151b〜151e、及び配線L2,L7〜L10を、例えば、アルミニウムAl等からなるパターンによって形成する(図3(B)参照)。
2)半導体基板Wと第2基板150の接合
第2基板150と半導体基板Wとを、真空中で陽極接合により接合する。図7(B)は、半導体基板Wと第2基板150を接合した状態を示す。
上述の第1基板140と第2基板150を半導体基板Wに陽極接合することにより、半導体基板Wの内部には封止空間が形成される。
(14)半導体基板W、第1基板140、第2基板150のダイシング
互いに接合された半導体基板W、第1基板140、及び第2基板150をダイシングソー等で切断し、個々の力学量センサ100に分離する。以上のように力学量センサ100が製造できる。
上述の製造方法により製造された力学量センサ100内の可撓部113a〜113dの一例を図8に示す。図8は、可撓部を上面から撮影した顕微鏡写真を示す図である。この可撓部は、その表面(図中の上面)がエッチングガスの腐食に対して保護するエッチングストッパ層(第1保護膜)になるシリコン酸化膜(SiO)により被覆されている。このため、図8に示す可撓部では、図14に示したような形状不良が発生していない。その結果、錘部を多軸方向(X方向、Y方向、Z方向)に変位可能に支持する可撓部の対称性を改善することができ、角速度センサの他軸感度を低減し、角速度の検出誤差を低減することが可能になる。また、図8には示していないが、可撓部と錘部とが接続される付根部分もシリコン酸化膜(SiO)により被覆されているため、付根部分が抉られる形状不良が発生しなくなり、可撓部の対称性を改善することができ、角速度センサの他軸感度を低減し、角速度の検出誤差を低減することが可能になる。
他軸感度の低減について具体的に説明する。X軸方向の角速度を計測する場合は、錘部をY軸周りに回転させる。この場合、錘部はY軸を中心に傾き、X軸方向の左右のギャップが変化し、Y軸を中心にして一方のギャップは拡がり、他方のギャップは縮まる。この時の静電容量の変化を、X1(電極1と錘部との静電容量差)とし、X2(電極2と錘部との静電容量差)とすると、計測される角速度信号Xは、X=X1(電極1と錘部との静電容量差)−X2(電極2と錘部との静電容量差)に比例したものとみなせる。但し、電極1と電極2は、上述の第1基板140に形成された検出電極141b〜141eと、第2基板150に形成された検出用電極151b〜151eのことである。
また、Y軸方向の角速度を計測する場合は、錘部をX軸周りに回転させる。この場合、錘部はX軸を中心に傾き、Y軸方向の左右のギャップが変化し、X軸を中心にして一方のギャップは拡がり、他方のギャップは縮まる。この時の静電容量の変化を、Y1(電極1と錘部との静電容量差)とし、Y2(電極2と錘部との静電容量差)とすると、計測される角速度信号Yは、Y=Y1(電極1と錘部との静電容量差)−Y2(電極2と錘部との静電容量差)に比例したものとみなせる。
したがって、X軸方向の角速度を計測する場合は角速度信号Xのみが出力され、Y軸方向の角速度を計測する場合は角速度信号Yのみが出力されることが望ましい。この前提に基づいて、X軸他軸感度とY軸他軸感度を以下に示す式(1),(2)により表すことができる。
X軸他軸感度(Y軸回転)=100×(Y軸感度/X軸感度)[%]・・・(1)
Y軸他軸感度(X軸回転)=100×(X軸感度/Y軸感度)[%]・・・(2)
但し、Y軸感度:角速度信号Y,X軸感度:角速度信号X
従来の製造方法で製造した力学量センサと、本実施の形態の製造方法で製造した力学量センサの他軸感度を計測した結果、従来の力学量センサは他軸感度が30%以上であり、本実施の形態の力学量センサは他軸感度が5%に改善したことを確認した。
なお、上記実施の形態では、第1保護膜としてシリコン酸化膜(SiO)を形成し、第2保護膜としてシリコン窒化膜(SiN)を形成する場合を示したが、これらの材料の組み合わせに限るものではない。例えば、第1保護膜/第2保護膜の組み合わせとして、Ti/Cr,Ti/Al(合金を含む),Cr/Al,TiNi/Cr,TiN/Al等も適用可能である。すなわち、第1保護膜に適用する材料の条件は、第2保護膜をドライエッチング処理で形成する際に選択比がとれること、DRIEの回り込みエッチングで選択比がとれることである。また、第2保護膜に適用する材料の条件は、第1保護膜をウエットエッチング処理によりエッチングされないことである。
また、本実施の形態の力学量センサ100は、第1基板140と接合されるフレーム部111及びブロック上層部114a〜114jの各接合面からシリコン酸化膜(SiO)とシリコン窒化膜(SiN)の残滓は除去されるため、第1基板140に接合する際に密着性を向上でき、半導体基板W内で錘部が配置される封止空間内の真空封止状態を良好に維持することができる。
本発明の実施の形態に係る力学量センサ100は、例えば、IC等の能動素子を搭載する回路基板上に実装され、ワイヤボンディング接続等の周知の方法および材料によって配線用端子T(T1〜T11)と、電子回路基板もしくはIC等の能動素子とを接続することにより、力学量センサと電子回路とを1つの電子部品として提供することができる。この電子部品は、例えば、ゲーム機、携帯電話等のモバイル端末機に搭載されて市場に流通することが可能である。
以下に、力学量センサ100により検出される加速度と角速度の各変位信号を処理する処理回路について説明する。
<処理回路>
上記力学量センサ100により検出される加速度と角速度の変位信号を処理する各処理回路の構成例について図9を参照して説明する。
図9は、力学量センサ100により検出される加速度及び角速度の変位信号を処理する処理回路300の回路構成を示す図である。図9において、処理回路300は、C−Vコンバータ301と、アンプ回路(Amp)302と、フィルタ回路303と、から構成される。
C−Vコンバータ301は、印加される加速度及び角速度に応じて力学量センサ100から出力される各軸方向の各変位信号(静電容量変化)を電圧信号に変換してアンプ回路302に出力する。アンプ回路302は、C−Vコンバータ301から入力される電圧信号を所定の増幅率で増幅してフィルタ回路303に出力する。フィルタ回路303は、数kHz以上の信号成分を通過させるフィルタ機能を有する。フィルタ回路303は、アンプ回路302で増幅された電圧信号から数kHz以上の信号成分を通過させて、X軸方向とY軸方向の角速度検出信号として出力する。フィルタ回路303は、低周波数の信号成分をX軸方向、Y軸方向、Z軸方向の加速度検出信号として出力する。
次に、上記力学量センサ100と処理回路300を実装した半導体装置とした例について説明する。なお、本明細書において半導体装置とは、半導体技術を利用して機能しうる装置全般を指し、電子機器も半導体装置の範囲に含まれるものとする。
図10は、上記力学量センサ100と処理回路300を実装した半導体装置として、例えば、センサモジュール400の一例を示す図である。図10において、センサモジュール400は、上記処理回路300を含む信号処理チップ401と、メモリチップ402と、上記力学量センサ100を含むセンサチップ403と、が基板404上に実装されている。各チップ401,402,403は、ボンディングワイヤ405により接続されている。メモリチップ402は、信号処理チップ401の制御用のプログラムやパラメータ等を記憶するメモリである。
上記のようなセンサモジュール400を提供することにより、ゲーム機、携帯電話等のモバイル端末機への実装が容易になる。
次に、図10に示したセンサモジュール400を電子機器として、例えば、モバイル端末機に実装した例について説明する。
図11は、センサモジュール400を実装した携帯型情報端末500の一例を示す図である。図11において、携帯型情報端末500は、ディスプレイ部501と、キーボード部502と、から構成される。センサモジュール400は、キーボード部502の内部に実装されている。携帯型情報端末500は、その内部に各種プログラムを記憶し、各種プログラムにより通信処理や情報処理等を実行する機能を有する。この携帯型情報端末500では、センサモジュール400により検出される加速度や角速度をアプリケーションプログラムで利用することにより、例えば、落下時の加速度を検出して電源をオフさせる等の機能を付加することが可能になる。
上記のようにセンサモジュール400をモバイル端末機に実装することにより加速度、角速度を精度良く検出できるようになるため、モバイル端末機の信頼性を向上させることが可能になる。
100…力学量センサ、110…シリコン膜、111,131…フレーム部、112a〜112e…錘接合部、113a〜113d…可撓部、120…BOX層、130…シリコン基板、132(132a〜132e)…錘部、140…第1基板、141a,151a…駆動用電極、141b〜141e,151b〜151e…検出用電極、150…第2基板、160…導通部、201…シリコン酸化膜、202…シリコン窒化膜、300…処理回路、400…センサモジュール、500…携帯型情報端末、L1,L2…(駆動用電極と接続する)配線、L3〜L10…(検出用電極と接続する)配線。

Claims (8)

  1. シリコン基板、BOX層、及びシリコン膜が順に積層して構成された半導体基板であって、フレーム部前記フレーム部の内側に配置された錘部、前記フレーム部の内側に配置されたブロック、及び前記錘部と前記フレーム部とを接続する前記シリコン膜を含む可撓部を備えた半導体基板と、
    前記フレーム部の一方の側に接合された第1基板と、
    前記フレーム部の他方の側に接合された第2基板と、
    前記第1基板上に設けられ、前記錘部と対向する第1電極と、
    前記第2基板上に設けられ、前記錘部と対向する第2電極と、を備え、
    前記ブロックは、前記シリコン膜により形成されたブロック上層部と、前記ブロック上層部と前記BOX層を介して接合されたブロック下層部とを含み、
    前記ブロック上層部は、前記半導体基板と前記第1基板とを導通させる導通部を含み、前記可撓部の側面及び前記ブロック上層部の側面は保護膜で被覆され、前記錘部は前記フレーム部と前記第1基板及び前記第2基板との接合により前記半導体基板内に形成された封止空間内に配置されたことを特徴とする力学量センサ。
  2. 前記可撓部は、少なくとも一つの軸とそれに直交する方向から前記錘部と前記フレーム部とを接続し、前記錘部を外力に応じて多軸方向に変位可能に支持することを特徴とする請求項1記載の力学量センサ。
  3. 半導体基板に、フレーム部、前記フレーム部の内側に配置される錘部、および前記錘部と前記フレーム部とを接続する可撓部となる各領域を形成し、
    前記フレーム部領域、前記錘部領域、および前記可撓部領域の上に第1材料により第1保護膜を形成し、
    前記第1保護膜上に第2材料により第2保護膜を形成し、
    第1エッチング処理により少なくとも前記フレーム部領域上の前記第2保護膜を除去し、
    第2エッチング処理により前記フレーム部の接合面に残る前記第1保護膜を除去し、
    前記フレーム部の一方の側と接合される第1基板上に、第1電極を形成し、
    前記フレーム部の他方の側と接合される第2基板上に、第2電極を形成し、
    前記錘部と前記第1電極とを対向させて前記第1基板と前記フレーム部の一方の側とを接合し、
    前記錘部と前記第2電極とを対向させて前記第2基板と前記フレーム部の他方の側とを接合し、
    前記フレーム部と前記第1基板及び前記第2基板との接合により前記半導体基板内に封止空間を形成し、前記封止空間内に前記錘部を配置したことを特徴とする力学量センサの製造方法。
  4. 前記第1保護膜は、前記第エッチング処理に対するエッチングストップ層であることを特徴とする請求項3記載の力学量センサの製造方法。
  5. 前記第1保護膜はシリコン酸化膜であり、前記第2保護膜はシリコン窒化膜であることを特徴とする請求項3又は4記載の力学量センサの製造方法。
  6. 前記第1エッチング処理及び前記第2エッチング処理に際して、前記第1材料のエッチング速度は、前記第2材料のエッチング速度より小さいことを特徴とする請求項3乃至5のいずれか一項に記載の力学量センサの製造方法。
  7. 前記可撓部は、少なくとも一つの軸とそれに直交する方向から前記錘部と前記フレーム部とを接続するように形成され、前記錘部が外力に応じて多軸方向に変位可能に支持したことを特徴とする請求項3又は4項に記載の力学量センサの製造方法。
  8. 請求項1又は2に記載の力学量センサと、
    前記力学量センサにより検出される力学量検出信号を処理する処理回路と、
    を備えることを特徴とする半導体装置。
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