第1実施形態
図1は本発明の第1実施形態にかかる画像形成装置の構成を示す図である。また、図2は図1の画像形成装置の電気的構成を示す図である。この装置は、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)の4色のトナーを重ね合わせてカラー画像を形成するカラーモードと、ブラック(K)のトナーのみを用いてモノクロ画像を形成するモノクロモードとを選択的に実行可能な画像形成装置である。なお図1は、カラーモード実行時に対応する図面である。この画像形成装置では、ホストコンピューターなどの外部装置から画像形成指令がCPUやメモリなどを有するメインコントローラMCに与えられると、このメインコントローラMCはエンジンコントローラECに制御信号などを与えるとともに画像形成指令に対応するビデオデータVDをヘッドコントローラHCに与える。また、このヘッドコントローラHCは、メインコントローラMCからのビデオデータVDとエンジンコントローラECからの垂直同期信号Vsyncおよびパラメータ値とに基づき各色のラインヘッド29を制御する。これによって、エンジン部EGが所定の画像形成動作を実行し、複写紙、転写紙、用紙およびOHP用透明シートなどのシートに画像形成指令に対応する画像を形成する。
この実施形態にかかる画像形成装置が有するハウジング本体3内には、電源回路基板、メインコントローラMC、エンジンコントローラECおよびヘッドコントローラHCを内蔵する電装品ボックス5が設けられている。また、画像形成ユニット7、転写ベルトユニット8および給紙ユニット11もハウジング本体3内に配設されている。また、図1においてハウジング本体3内右側には、2次転写ユニット12、定着ユニット13、シート案内部材15が配設されている。なお、給紙ユニット11は、装置本体1に対して着脱自在に構成されている。そして、該給紙ユニット11および転写ベルトユニット8については、それぞれ取り外して修理または交換を行うことが可能な構成になっている。
画像形成ユニット7は、複数の異なる色の画像を形成する4個の画像形成ステーションSTY(イエロー用)、STM(マゼンダ用)、STC(シアン用)、STK(ブラック用)を備えている。また、各画像形成ステーションSTY、STM、STC、STKには、それぞれの色のトナー像がその表面に形成される感光体ドラム21が設けられている。各感光体ドラム21はそれぞれ専用の駆動モータに接続され図中矢印D21の方向に所定速度で回転駆動される。これにより感光体ドラム21の表面が副走査方向に搬送されることとなる。また、感光体ドラム21の周囲には、回転方向に沿って帯電部23、ラインヘッド29、現像部25および感光体クリーナ27が配設されている。そして、これらの機能部によって帯電動作、潜像形成動作及びトナー現像動作が実行される。したがって、カラーモード実行時は、全ての画像形成ステーションSTY、STM、STC、STKで形成されたトナー像を転写ベルトユニット8が有する転写ベルト81に重ね合わせてカラー画像を形成するとともに、モノクロモード実行時は、画像形成ステーションSTKで形成されたトナー像のみを用いてモノクロ画像を形成する。なお、図1において、画像形成ユニット7の各画像形成ステーションは構成が互いに同一のため、図示の便宜上一部の画像形成ステーションのみに符号をつけて、他の画像形成ステーションについては符号を省略する。
帯電部23は、その表面が弾性ゴムで構成された帯電ローラを備えている。この帯電ローラは帯電位置で感光体ドラム21の表面と当接して従動回転するように構成されており、感光体ドラム21の回転動作に伴って感光体ドラム21に対して従動方向に周速で従動回転する。また、この帯電ローラは帯電バイアス発生部(図示省略)に接続されており、帯電バイアス発生部からの帯電バイアスの給電を受けて帯電部23と感光体ドラム21が当接する帯電位置で感光体ドラム21の表面を帯電させる。
ラインヘッド29は、感光体ドラム21の軸方向(図1の紙面に対して垂直な方向)に配列された複数の発光素子を備えるとともに、感光体ドラム21から離間配置されている。そして、これらの発光素子から、帯電部23により帯電された感光体ドラム21の表面に対して光を照射して該表面に潜像を形成する。なお、この実施形態では、各色のラインヘッド29を制御するためにヘッドコントローラHCが設けられ、メインコントローラMCからのビデオデータVDと、エンジンコントローラECからの信号とに基づき各ラインヘッド29を制御している。すなわち、この実施形態では、画像形成指令に含まれる画像データがメインコントローラMCの画像処理部51に入力される。そして、該画像データに対して種々の画像処理が施されて各色のビデオデータVDが作成されるとともに、該ビデオデータVDがメイン側通信モジュール52を介してヘッドコントローラHCに与えられる。また、ヘッドコントローラHCでは、ビデオデータVDはヘッド側通信モジュール53を介してヘッド制御モジュール54に与えられる。このヘッド制御モジュール54には、上記したように潜像形成に関連するパラメータ値を示す信号と垂直同期信号VsyncがエンジンコントローラECから与えられている。そして、これらの信号およびビデオデータVDなどに基づきヘッドコントローラHCは各色のラインヘッド29に対して素子駆動を制御するための信号を作成し、各ラインヘッド29に出力する。こうすることで、各ラインヘッド29において発光素子の作動が適切に制御されて画像形成指令に対応する潜像が形成される。
そして、この実施形態においては、各画像形成ステーションSTY、STM、STC、STKの感光体ドラム21、帯電部23、現像部25および感光体クリーナ27を感光体カートリッジとしてユニット化している。また、各感光体カートリッジには、該感光体カートリッジに関する情報を記憶するための不揮発性メモリがそれぞれ設けられている。そして、エンジンコントローラECと各感光体カートリッジとの間で無線通信が行われる。こうすることで、各感光体カートリッジに関する情報がエンジンコントローラECに伝達されるとともに、各メモリ内の情報が更新記憶される。
現像部25は、その表面にトナーが担持する現像ローラ251を有する。そして、現像ローラ251と電気的に接続された現像バイアス発生部(図示省略)から現像ローラ251に印加される現像バイアスによって、現像ローラ251と感光体ドラム21とが当接する現像位置において、帯電トナーが現像ローラ251から感光体ドラム21に移動してラインヘッド29により形成された静電潜像が顕在化される。
このように上記現像位置において顕在化されたトナー像は、感光体ドラム21の回転方向D21に搬送された後、後に詳述する転写ベルト81と各感光体ドラム21が当接する1次転写位置TR1において転写ベルト81に1次転写される。
また、この実施形態では、感光体ドラム21の回転方向D21の1次転写位置TR1の下流側で且つ帯電部23の上流側に、感光体ドラム21の表面に当接して感光体クリーナ27が設けられている。この感光体クリーナ27は、感光体ドラムの表面に当接することで1次転写後に感光体ドラム21の表面に残留するトナーをクリーニング除去する。
転写ベルトユニット8は、駆動ローラ82と、図1において駆動ローラ82の左側に配設される従動ローラ83(ブレード対向ローラ)と、これらのローラに張架され図示矢印D81の方向(搬送方向)へ循環駆動される転写ベルト81とを備えている。また、転写ベルトユニット8は、転写ベルト81の内側に、感光体カートリッジ装着時において各画像形成ステーションSTY、STM、STC、STKが有する感光体ドラム21各々に対して1対1で対向配置される、4個の1次転写ローラ85Y,85M,85C,85Kを備えている。これらの1次転写ローラ85は、それぞれ1次転写バイアス発生部(図示省略)と電気的に接続される。そして、後に詳述するように、カラーモード実行時は、図1に示すように全ての1次転写ローラ85Y,85M,85C,85Kを画像形成ステーションSTY、STM、STC、STK側に位置決めすることで、転写ベルト81を画像形成ステーションSTY、STM、STC、STKそれぞれが有する感光体ドラム21に押し遣り当接させて、各感光体ドラム21と転写ベルト81との間に1次転写位置TR1を形成する。そして、適当なタイミングで上記1次転写バイアス発生部から1次転写ローラ85に1次転写バイアスを印加することで、各感光体ドラム21の表面上に形成されたトナー像を、それぞれに対応する1次転写位置TR1において転写ベルト81表面に転写してカラー画像を形成する。
一方、モノクロモード実行時は、4個の1次転写ローラ85のうち、カラー1次転写ローラ85Y,85M,85Cをそれぞれが対向する画像形成ステーションSTY、STM、STCから離間させるとともにモノクロ1次転写ローラ85Kのみを画像形成ステーションSTKに当接させることで、モノクロ画像形成ステーションSTKのみを転写ベルト81に当接させる。その結果、モノクロ1次転写ローラ85Kと画像形成ステーションSTKとの間にのみ1次転写位置TR1が形成される。そして、適当なタイミングで1次転写バイアス発生部からモノクロ1次転写ローラ85Kに1次転写バイアスを印加することで、各感光体ドラム21の表面上に形成されたトナー像を、1次転写位置TR1において転写ベルト81表面に転写してモノクロ画像を形成する。
さらに、転写ベルトユニット8は、モノクロ1次転写ローラ85Kの下流側で且つ駆動ローラ82の上流側に配設された下流ガイドローラ86を備える。また、この下流ガイドローラ86は、モノクロ1次転写ローラ85Kが画像形成ステーションSTKの感光体ドラム21に当接して形成する1次転写位置TR1での1次転写ローラ85Kと感光体ドラム21との共通内接線上において、転写ベルト81に当接するように構成されている。
駆動ローラ82は、転写ベルト81を図示矢印D81の方向に循環駆動するとともに、2次転写ローラ121のバックアップローラを兼ねている。駆動ローラ82の周面には、厚さ3mm程度、体積抵抗率が1000kΩ・cm以下のゴム層が形成されており、金属製の軸を介して接地することにより、図示を省略する2次転写バイアス発生部から2次転写ローラ121を介して供給される2次転写バイアスの導電経路としている。このように駆動ローラ82に高摩擦かつ衝撃吸収性を有するゴム層を設けることにより、駆動ローラ82と2次転写ローラ121との当接部分(2次転写位置TR2)へのシートが進入する際の衝撃が転写ベルト81に伝達しにくく、画質の劣化を防止することができる。
給紙ユニット11は、シートを積層保持可能である給紙カセット77と、給紙カセット77からシートを一枚ずつ給紙するピックアップローラ79とを有する給紙部を備えている。ピックアップローラ79により給紙部から給紙されたシートは、レジストローラ対80において給紙タイミングが調整された後、シート案内部材15に沿って2次転写位置TR2に給紙される。
2次転写ローラ121は、転写ベルト81に対して離当接自在に設けられ、2次転写ローラ駆動機構(図示省略)により離当接駆動される。定着ユニット13は、ハロゲンヒータ等の発熱体を内蔵して回転自在な加熱ローラ131と、この加熱ローラ131を押圧付勢する加圧部132とを有している。そして、その表面に画像が2次転写されたシートは、シート案内部材15により、加熱ローラ131と加圧部132の加圧ベルト1323とで形成するニップ部に案内され、該ニップ部において所定の温度で画像が熱定着される。加圧部132は、2つのローラ1321,1322と、これらに張架される加圧ベルト1323とで構成されている。そして、加圧ベルト1323の表面のうち、2つのローラ1321,1322により張られたベルト張面を加熱ローラ131の周面に押し付けることで、加熱ローラ131と加圧ベルト1323とで形成するニップ部が広くとれるように構成されている。また、こうして定着処理を受けたシートはハウジング本体3の上面部に設けられた排紙トレイ4に搬送される。
また、この装置では、ブレード対向ローラ83に対向してクリーナ部71が配設されている。クリーナ部71は、クリーナブレード711と廃トナーボックス713とを有する。クリーナブレード711は、その先端部を転写ベルト81を介してブレード対向ローラ83に当接することで、2次転写後に転写ベルトに残留するトナーや紙粉等の異物を除去する。そして、このように除去された異物は、廃トナーボックス713に回収される。また、クリーナブレード711及び廃トナーボックス713は、ブレード対向ローラ83と一体的に構成されている。したがって、次に説明するようにブレード対向ローラ83が移動する場合は、ブレード対向ローラ83と一緒にクリーナブレード711及び廃トナーボックス713も移動することとなる。
図3は、ラインヘッドの概略を示す斜視図である。また、図4は、ラインヘッドの幅方向の断面図である。ラインヘッド29が対向する感光体ドラム21の表面は、主走査方向MDに直交する副走査方向SDへと搬送される。そして、ラインヘッド29の長手方向LGDが主走査方向MDと平行となるとともに、長手方向LGDとほぼ直交する幅方向LTDが副走査方向SDと平行となるように、ラインヘッド29は感光体ドラム表面に対向して配置されている。つまり、感光体ドラム21側における主走査方向MDおよび副走査方向SDがそれぞれラインヘッド21側における長手方向LGDおよび幅方向LTDに対応している。
このラインヘッド29は、長手方向LGDと平行に延設されたケース291を備えるとともに、かかるケース291の両端には、位置決めピン2911とねじ挿入孔2912が設けられている。そして、かかる位置決めピン2911を、感光体ドラム21を覆うとともに感光体ドラム21に対して位置決めされた感光体カバー(図示省略)に穿設された位置決め孔(図示省略)に嵌め込むことで、ラインヘッド29が感光体ドラム21に対して位置決めされる。そして更に、ねじ挿入孔2912を介して固定ねじを感光体カバーのねじ孔(図示省略)にねじ込んで固定することで、ラインヘッド29が感光体ドラム21に対して位置決め固定される。
ケース291は、感光体ドラム21の表面に対向する位置にマイクロレンズアレイ299を保持するとともに、その内部に、該マイクロレンズアレイ299に近い順番で、遮光部材297及びヘッド基板293(第2基板)を備えている。また、ヘッド基板293の表面(ヘッド基板293が有する2つの面のうちマイクロレンズアレイ側の面)には、複数のチップCP(第1基板)が設けられている。各チップCPは、チップ長軸CLGがラインヘッド29の長手方向LGDに平行となるとともに、チップ短軸CLTがラインヘッド29の幅方向LTDに平行となるように、ヘッド基板293の表面に接合されている。つまり、例えば特開2002−314191号公報のように、ヘッド基板293(同公報のパッケージ基板)に対してチップCP(同公報のレーザアレイ)がボンディングされる。
チップCPは、発光素子2951としてのLED(Light
Emitting Diode)を複数有する所謂LEDアレイであり、例えば特開2002−222988号公報や2003−347581号公報等に記載のLEDアレイのように、小片状のシリコン基板に複数のLEDを形成した構成を有している。また、チップCPは、図3の破線内部に示すような構成を有する。つまり、各チップCPは、ラインヘッド29の長手方向LGD(チップ長軸CLG)に所定のピッチで配置された複数(図3においては3個)の発光素子グループ295を有する。複数の発光素子グループ295のそれぞれは、複数(図3においては8個)の発光素子2951を有している。より具体的には、各発光素子グループ295は、長手方向LGD(チップ長軸CLG)に複数(図3においては4個)の発光素子2951を直線状に並べて成る発行素子行2951Rを、ラインヘッド29の幅方向LTD(チップ短軸CLT)に2個並べて構成されている。このとき、各発光素子グループ295では、8個の発光素子2951の長手方向LGD(チップ長軸CLG)における位置は、互いに異なる。その結果、これら8個の発光素子2951は千鳥状に配置される。
そして、複数のチップCPが長手方向LGDおよび幅方向LTDに互いに離れて2次元的にヘッド基板293に配置されることで、ヘッド基板293の表面には、複数の発光素子グループ295が長手方向LGDおよび幅方向LTDに互いに離れて2次元的に配置されることとなる。このとき、複数の発光素子グループ295の長手方向LGDにおける位置は互いに異なる。そして、ヘッド基板293に形成された駆動回路(図示省略)によって発光素子グループ295の発光素子2951が駆動されると、該発光素子2951から感光体ドラム21の方向に光ビームが射出される。そして、この光ビームは遮光部材297へ向うこととなる。
遮光部材297は、ヘッド基板293の表面に対向配置されるとともに、該ヘッド基板293の表面に対して離間している。かかる離間間隔は、チップCPの厚みに応じて設定される。つまり、離間間隔を設けることで、遮光部材297とチップCPとの接触を防止している。遮光部材297には、複数の発光素子グループ295に対して1対1で複数の導光孔2971が穿設されている。また、かかる導光孔2971は、ヘッド基板293の法線と平行な線を中心軸として遮光部材297を貫通する略円柱状の孔として穿設されている。よって、1つの発光素子グループ295に属する発光素子から出た光は全て同一の導光孔2971を介してマイクロレンズアレイ299へ向うとともに、異なる発光素子グループ295からでた光ビーム同士の干渉が遮光部材297により防止される。そして、遮光部材297に穿設された導光孔2971を通過した光ビームは、マイクロレンズアレイ299により、感光体ドラム21の表面にスポットとして結像されることとなる。なお、マイクロレンズアレイ299の具体的構成、及び、該マイクロレンズアレイ299による光ビームの結像状態については、後に詳述する。
図4に示すように、固定器具2914によって、裏蓋2913がヘッド基板293を介してケース291に押圧されている。つまり、固定器具2914は、裏蓋2913をケース291側に押圧する弾性力を有するとともに、かかる弾性力により裏蓋を押圧することで、ケース291の内部を光密に(つまり、ケース291内部から光が漏れないように、及び、ケース291の外部から光が侵入しないように)密閉している。なお、固定器具2914は、ケース291の長手方向に複数箇所設けられている。
図5は、マイクロレンズアレイの概略を示す斜視図である。また、図6は、マイクロレンズアレイの長手方向の断面図である。マイクロレンズアレイ299は、ガラス基板2991有するとともに、該ガラス基板2991を挟むように1対1で配置された2枚のレンズ2993A,2993Bにより構成されるレンズ対を複数有している。なお、これらレンズ2993A,2993Bは例えば樹脂により形成することができる。
つまり、ガラス基板2991の表面2991Aには複数のレンズ2993Aが配置されるとともに、複数のレンズ2993Aに1対1で対応するように、複数のレンズ2993Bがガラス基板2991の裏面2991Bに配置されている。また、レンズ対を構成する2枚のレンズ2993A,2993Bは、相互に光軸OAを共通にする。また、これら複数のレンズ対は、複数の発光素子グループ295に1対1で配置されている。つまり、これら複数のレンズ対は、発光素子グループ295の配置に対応して、長手方向LGD及び幅方向LTDに互いに所定間隔だけ離れて2次元的に配置されている。より詳しく説明すると、このマイクロレンズアレイ299では、レンズ2993A,2993Bから成るレンズ対と、該レンズ対に挟まれるガラス基板2991とで、マイクロレンズMLが構成されている。そして、これらのマイクロレンズMLを長手方向LGDに複数個並べたレンズ行MLRが幅方向LTDに複数行(図5では「3」行)並べられて、複数のマイクロレンズMLが互いに異なる長手方向位置に配置されている。そして、全てのマイクロレンズMLは同一構成であり、同一の倍率mを有している。なお、後述するように、本実施形態では、倍率mが負の値を有するマイクロレンズMLを用いているが、もちろん倍率mを正の値に設定してもよいことは言うまでもない。
図7は、マイクロレンズアレイの結像状態を示す図である。なお、同図では遮光部材297は省略されている。同図が示すように、チップCPは、マイクロレンズMLが対向する対向位置FPに発光素子グループ295を有している。そして、マイクロレンズMLは、対向位置FPにある発光素子グループ295の発光素子2951から射出された光ビームを感光体ドラムの表面(感光体表面)に向けて結像する。以下に、同図を用いてマイクロレンズMLの結像状態について説明する。なお、同図では、マイクロレンズアレイ299の結像特性の理解を容易とするために、発光素子グループ295の幾何重心E0と、該幾何重心E0より長手方向LGDに所定間隔だけ離れた位置E1,E2とから射出された光ビームの軌跡を表している。かかる軌跡が示すように、各位置から射出された光ビームは、マイクロレンズアレイ299を介して感光体表面(像面)に到達する。つまり、ヘッド基板293の表面に設けられたチップCPから射出された光ビームは、マイクロレンズアレイ299のマイクロレンズMLにより、感光体表面に結像される。
図7が示すように、発光素子グループ295の幾何重心位置E0から射出される光ビームは、感光体表面とレンズ2993A,2993Bの光軸OAとの交点I0に結像される。これは、発光素子グループ295の幾何重心位置E0がレンズ2993A,2993Bの光軸OAの上に在ることに起因するものである。また、位置E1,E2から射出される光ビームは、それぞれ感光体ドラム21の表面の位置I1,I2に結像される。つまり、位置E1から射出される光ビームは、主走査方向MDにおいてレンズ2993A,2993Bの光軸OAを挟んで逆側の位置I1に結像されるとともに、位置E2から射出される光ビームは、主走査方向MDにおいてレンズ2993A,2993Bの光軸OAを挟んで逆側の位置I2に結像される。このようにマイクロレンズMLは反転特性を有する(換言すれば、マイクロレンズMLの倍率mは負の値を有する)。また、同図が示すように、位置E1,E0の間の距離と比較して、光ビームが結像される位置I1,I0の間の距離は長い。つまり、マイクロレンズMLの倍率の絶対値は1より大きい。
図8、図9は、本明細書で用いる用語の説明図である。ここで、これらの図を用いて本明細書において用いる用語について整理する。本明細書では、上述の通り、感光体ドラム21の表面(像面IP)の搬送方向を副走査方向SDと定義し、該副走査方向SDに直交する方向を主走査方向MDと定義している。また、ラインヘッド29は、その長手方向LGDが主走査方向MDに対応し、その幅方向LTDが副走査方向SDに対応するように、感光体ドラム21の表面(像面IP)に対して配置されている。
レンズアレイ299が有する複数のマイクロレンズMLに一対一の対応関係でヘッド基板293に配置された、複数(図8、9においては8個)の発光素子2951の集合を、発光素子グループ295と定義する。つまり、ヘッド基板293において、複数の発光素子2951からなる発光素子グループ295は、複数のマイクロレンズMLのそれぞれに対して配置されている。また、発光素子グループ295からの光ビームを該発光素子グループ295に対応するマイクロレンズMLにより像面IPに向けて結像することで、像面IPに形成される複数のスポットSPの集合を、スポットグループSGと定義する。つまり、複数の発光素子グループ295に一対一で対応して、複数のスポットグループSGを形成することができる。また、各発光素子グループ295において、長手方向LGD及び幅方向LTDに最上流の発光素子2951を特に第1の発光素子と定義する。そして、書くスポットグループSGにおいて、第1の発光素子2951に対応するスポットSPを特に第1のスポットと定義する。
なお、図8、9は、発光素子グループ295とマイクロレンズMLとスポットグループSGとの対応関係が理解しやすいように、像面IPが静止した状態でスポットSPを形成した場合を表した。したがって、スポットグループSGにおけるスポットSPの形成位置は、発光素子グループ295における発光素子2951の配置位置に略相似する。しかしながら、後述するように、実際のスポット形成動作は、像面IP(感光体ドラム21の表面)を副走査方向SDに搬送しつつ実行する。その結果、ヘッド基板293が有する複数の発光素子2951により形成されるスポットSPは、主走査方向MDに略平行な直線上に形成される。
また、図9の「像面上」の欄に示すように、スポットグループ行SGR、スポットグループ列SGCを定義する。つまり、主走査方向MDに並ぶ複数のスポットグループSGをスポットグループ行SGRと定義する。そして、複数行のスポットグループ行SGRは、所定のスポットグループ行ピッチPsgrで副走査方向SDに並んで配置される。また、副走査方向SDにスポットグループ行ピッチPsgrで且つ主走査方向MDにスポットグループピッチPsgで並ぶ複数(同図においては3個)のスポットグループSGをスポットグループ列SGCと定義する。なお、スポットグループ行ピッチPsgrは、同ピッチで並ぶ2つのスポットグループ行SGRそれぞれの幾何重心の、副走査方向SDにおける距離である。また、スポットグループピッチPsgは、同ピッチで並ぶ2つのスポットグループSGそれぞれの幾何重心の、主走査方向MDにおける距離である。
同図の「レンズアレイ」の欄に示すように、レンズ行MLR、レンズ列MLCを定義する。つまり、長手方向LGDに並ぶ複数のマイクロレンズMLをレンズ行MLRと定義する。そして、複数行のレンズ行MLRは、所定のレンズ行ピッチPlsrで幅方向LTDに並んで配置される。また、幅方向LTDにレンズ行ピッチPlsrで且つ長手方向LGDにレンズピッチPlsで並ぶ複数(同図においては3個)のマイクロレンズMLをレンズ列MLCと定義する。なお、レンズ行ピッチPlsrは、同ピッチで並ぶ2つのレンズ行MLRそれぞれの幾何重心の、幅方向LTDにおける距離である。また、レンズピッチPlsは、同ピッチで並ぶ2つのマイクロレンズMLそれぞれの幾何重心の、長手方向LGDにおける距離である。
同図の「ヘッド基板」の欄に示すように、発光素子グループ行295R、発光素子グループ列295Cを定義する。つまり、長手方向LGDに並ぶ複数の発光素子グループ295を発光素子グループ行295Rと定義する。そして、複数行の発光素子グループ行295Rは、所定の発光素子グループ行ピッチPegrで幅方向LTDに並んで配置される。また、幅方向LTDに発光素子グループ行ピッチPegrで且つ長手方向LGDに発光素子グループピッチPegで並ぶ複数(同図においては3個)の発光素子グループ295を発光素子グループ列295Cと定義する。なお、発光素子グループ行ピッチPegrは、同ピッチで並ぶ2つの発光素子グループ行295Rそれぞれの幾何重心の、幅方向LTDにおける距離である。また、発光素子グループピッチPegは、同ピッチで並ぶ2つの発光素子グループ295それぞれの幾何重心の、長手方向LGDにおける距離である。
同図の「発光素子グループ」の欄に示すように、発光素子行2951R、発光素子列2951Cを定義する。つまり、各発光素子グループ295において、長手方向LGDに並ぶ複数の発光素子2951を発光素子行2951Rと定義する。そして、複数行の発光素子行2951Rは、所定の発光素子行ピッチPelrで幅方向LTDに並んで配置される。また、幅方向LTDに発光素子行ピッチPelrで且つ長手方向LGDに発光素子ピッチPelで並ぶ複数(同図においては2個)の発光素子2951を発光素子列2951Cと定義する。なお、発光素子行ピッチPelrは、同ピッチで並ぶ2つの発光素子行2951Rそれぞれの幾何重心の、幅方向LTDにおける距離である。また、発光素子ピッチPelは、同ピッチで並ぶ2つの発光素子2951それぞれの幾何重心の、長手方向LGDにおける距離である。
同図の「スポットグループ」の欄に示すように、スポット行SPR、スポット列SPCを定義する。つまり、各スポットグループSGにおいて、主走査方向MDに並ぶ複数のスポットSPをスポット行SPRと定義する。そして、複数行のスポット行SPRは、所定のスポット行ピッチPsprで副走査方向SDに並んで配置される。また、副走査方向SDにスポットピッチPsprで且つ主走査方向MDにスポットピッチPspで並ぶ複数(同図においては2個)のスポットをスポット列SPCと定義する。なお、スポット行ピッチPsprは、同ピッチで並ぶ2つのスポット行SPRそれぞれの幾何重心の、副走査方向SDにおける距離である。また、スポットピッチPspは、同ピッチで並ぶ2つのスポットSPそれぞれの幾何重心の、主走査方向MDにおける距離である。
図10はヘッド基板上におけるチップの配置を示す図である。同図に示すように、ヘッド基板293の表面には、複数のチップCP_A,CP_B,CP_C,…が配置されている。各チップCPは、長軸が長手方向LGDに平行となり、且つ、短軸が幅方向LTDと平行となるように、配置されている。ここで、本明細書において、複数のチップのうちの何れのチップであるかを特定しない場合は、単にチップCPと称することとする。そして、各チップCPには、複数のマイクロレンズMLが対向して配置されている。換言すれば、マイクロレンズアレイ299は、1つのチップCPに対して複数(同図では3個)のマイクロレンズMLを対向させている。そして、各チップCPは、マイクロレンズMLが対向する対向位置FPに発光素子グループ295を有している。同図では、1つのチップCPに3つのマイクロレンズMLが対向することから、1つのチップCPには3つの発光素子グループ295が形成されることとなる。例えば、チップCP_Aには、発光素子グループ295_A1〜発光素子グループ295_A3が、チップCP_Bには、発光素子グループ295_B1〜発光素子グループ295_B3が、チップCP_Cには、発光素子グループ295_C1〜発光素子グループ295_C3が形成されている。
このとき、同図が示すように、所定個数の発光素子グループ295が長手方向LGDにおいて相互に離間しながら配置されて発光素子グループ行295Rが形成されている。ここで、本明細書において、複数の発光素子グループのうちの何れの発光素子グループであるかを特定しない場合は、単に発光素子グループ295と称することとする。これらの発光素子グループ行295Rが幅方向LTDに複数行(図10では「3」行)並んで配置されている。そして、かかる3行の発光素子グループ行295Rは、互いに長手方向LGDに所定ピッチずれて配置されている。その結果、複数の発光素子グループ295は2次元的に配置されるとともに、複数の発光素子グループ295の長手方向における位置は互いに異なる。そして、図10に示すように配置された複数の発光素子グループ295に一対一の対応関係で複数のマイクロレンズMLが配置されている。
図3にも示した通り、各発光素子グループ295は8個の発光素子2951を有しており、発光素子2951は以下のように配置されている。すなわち、各発光素子グループ295では、4個の発光素子2951が長手方向LGDに所定間隔(=素子ピッチPelの2倍)毎に並べられて発光素子行2951Rが形成されている。また、発光素子行2951Rは幅方向LTDに2行並べられている。しかも、長手方向LGDにおける発光素子行2951Rのシフト量は素子ピッチPelとなっている。このため、各発光素子グループ295では、全ての発光素子2951は互いに異なる長手方向位置に素子ピッチPelで配置されている。したがって、各発光素子グループ295が8個全ての発光素子2951から光ビームを射出した場合、これら8個の発光素子2951から射出された光ビームはマイクロレンズMLにより主走査方向MDにおいて互いに異なる位置で感光体表面に向けて結像される。つまり、発光素子グループ295が8個全ての発光素子2951を発光させることで、8個のスポットが主走査方向MDに並ぶスポットグループを形成することができる。そして、このようにして感光体表面のうちスポットグループが形成された領域が露光されることとなる。
図11及び図12はラインヘッドにより感光体表面に形成されるスポットの位置を示す図であり、4つの発光素子グループ、例えば図10中の発光素子グループ295_A1,295_B1,295_C1,295_A2によりスポットが形成される様子を模式的に示している。なお、図11及び図12中のスポットグループSG_A1は発光素子グループ295_A1により形成されたスポットSPの一群を示し、スポットグループSG_B1は発光素子グループ295_B1により形成されたスポットSPの一群を示し、スポットグループSG_C1は発光素子グループ295_C1により形成されたスポットSPの一群を示し、スポットグループSG_A2は発光素子グループ295_A2により形成されたスポットSPの一群を示している。つまり、スポットグループSG_A1及びスポットグループSG_A2はチップCP_Aにより形成され、スポットグループSG_B1はチップCP_Bにより形成され、スポットグループSG_C1はチップCP_Cにより形成される。なお、図11に示すように、発光素子2951を同時に点灯させると、感光体表面に形成されるスポットグループSG_A1,SG_B1,SG_C1,SG_A2も2次元配置されてしまう。
そこで、図12に示すように、発光素子行2951Rの各々では、感光体ドラム21の回転移動に応じたタイミングで、即ち、感光体表面の副走査方向SDへの移動に応じたタイミングで、該発光素子行2951Rを構成する発光素子2951が発光するように構成している。具体的には、発光素子グループ295_A1,295_B1,295_C1,295_A2を構成する発光素子行2951Rの点灯タイミングを次のように感光体ドラム21の回転移動に対応して相違させている。
つまり、
(a)タイミングT01:発光素子グループ295_C1の上段発光素子行2951Rの点灯タイミング、
(b)タイミングT02:発光素子グループ295_C1の下段発光素子行2951Rの点灯タイミング、
(c)タイミングT03:発光素子グループ295_B1の上段発光素子行2951Rの点灯タイミング、
(d)タイミングT04:発光素子グループ295_B1の下段発光素子行2951Rの点灯タイミング、
(e)タイミングT05:発光素子グループ295_A1及び発光素子グループ295_A2の上段発光素子行2951Rの点灯タイミング、
(f)タイミングT6:発光素子グループ295_A1及び発光素子グループ295_A2の下段発光素子行2951Rの点灯タイミング
に基づいて、発光素子行2951Rの点灯を制御している。このため、このタイミング調整のみにより上段発光素子行により形成されるスポットSPと下段発光素子行により形成されるスポットSPとを主走査方向MDに並んで形成することができる。このように、簡単な発光タイミング調整によりスポットSPを主走査方向MDに一列に形成することができる。
図11、図12に示すように、ヘッド基板293に設けられた複数のチップCPのそれぞれは、該チップが対応する露光領域に対してスポットを形成して該露光領域を露光することができる。つまり、各チップCPは発光素子グループ295を有するとともに、各チップCPは該チップCPが有する発光素子グループ295が露光する露光領域を露光可能である。しかも、各チップCPは複数の(図10では3個の)発光素子グループ295を有しており、かかる複数の発光素子グループ295は互いに異なる露光領域を露光可能である。このように、図10に示すラインヘッド29では、各チップCPは、互いに異なる3個の露光領域を露光可能である。具体的には、チップCP_Aは、該チップCP_Aが対応する露光領域EX_A1,EX_A2に対してスポットグループSG_A1,SG_A2を形成して、露光領域EX_A1,EX_A2を露光可能である。また同様に、チップCP_Bは、該チップCP_Bが対応する露光領域EX_B1に対してスポットグループSG_B1を形成して露光領域EX_B1を露光可能である。さらに、チップCP_Cは、該チップCP_Cが対応する露光領域EX_C1に対してスポットグループSG_C1を形成して露光領域EX_C1を露光可能である。
このように第1実施形態にかかるラインヘッド29は、光ビームを射出する複数の発光素子2951が形成されたチップCPと、チップCPが複数接合されるヘッド基板293(基板)と、1つのチップCPに対して複数のマイクロレンズML(レンズ)が対向して設けられたマイクロレンズアレイ299(光学系)とを備える。そして、チップCPはマイクロレンズMLが対向する対向位置FPに発光素子グループ295を有し、マイクロレンズMLは対向位置FPの発光素子グループ295から射出された光ビームを感光体表面(像面、潜像担持体表面)に向けて結像する。
このように第1実施形態にかかるラインヘッド29では、1つのチップCPに対向して複数のマイクロレンズMLが対向して設けられている。したがって、1つのチップCPに対して1つのマイクロレンズMLが対向して設けられた場合と比較して、第1実施形態にかかるラインヘッド29が必要とするチップCPの個数は少ない。なんとなれば、1つのチップCP対して1つのマイクロレンズMLが対向して設けられたラインヘッド29ではマイクロレンズMLの数と同数のチップCPが必要であるが、第1実施形態にかかるラインヘッド29では1つのチップCPに対して複数のマイクロレンズMLが対向して設けられており、必要なチップCPの個数はマイクロレンズMLの個数の略半分以下に抑えられるからである。したがって、第1実施形態にかかるラインヘッド29では、ラインヘッド29の組立におけるチップCPの接合回数を抑えて、組立に要する時間やコストの削減が可能となっている。
また、上記実施形態のマイクロレンズアレイ299(光学系)では、幅方向LTD(第2方向)にマイクロレンズMLを複数配したレンズ行MLRが、長手方向LGD(第1方向)に複数配されている。このような構成では、図5等に示したように、複数のマイクロレンズMLが2次元的に配置される。マイクロレンズMLを長手方向LGDに直線的に並べた場合と比較して、このように2次元的に配置した場合は、長手方向LGDに隣り合う2つのマイクロレンズML間の距離を大きくとることができる。したがって、比較的容易にマイクロレンズMLの径を大きくすることができ、その結果、多くの光をレンズに取り込んで、良好な露光が可能となっている。
また、チップCP(第1基板)では、マイクロレンズMLが対向する対向位置FPに発光素子グループ(対向位置FPに設けられた複数の発光素子2951)が形成されている。つまり、各マイクロレンズMLに対して発光素子グループ295が配されており、発光素子グループ295からの光ビームは対応して設けられたマイクロレンズMLにより結像される。したがって、例えば、セルフォックレンズ(日本板硝子株式会社の登録商標)等の屈折率分布型ロッドレンズを俵積みして成るレンズアレイにより光ビームを結像する場合と比較して、良好な収差でもって光ビームを結像することができ、良好な露光が可能となっている。
また、チップCP(第1基板)では、長手方向LGD(第2方向)に発光素子グループ295が複数配されている。つまり、長手方向LGDに配された発光素子グループ295は、同一のチップCPに形成されている。したがって、高い位置精度でもってこれら発光素子グループ295を長手方向LGDに並べて配置することが可能となるため、良好な露光が可能となっている。
また、発光素子グループ295では、発光素子2951が長手方向LGDに複数並んで発光素子行2951Rを構成している。したがって、複数の発光素子2951を長手方向LGDに並べて、簡便に発光素子グループ295を形成することが可能となっている。
さらに、発光素子グループ295では、幅方向LTDの互いに異なる位置に複数の発光素子行2951Rが配されている。したがって、発光素子2951を2次元的に配置した発光素子グループを、簡便に形成することが可能となっている。
また、上記実施形態では、発光素子2951としてLEDが採用されている。さらに、チップCPはLEDが形成されたLEDアレイチップである。このように、比較的高い輝度を有するLEDが発光素子2951として採用されており、良好な露光が可能となっている。
第2実施形態
図13は、第2実施形態でのラインヘッドの概略を示す斜視図である。また、図14は、第2実施形態でのヘッド基板上におけるチップの配置を示す図である。なお、以下の第2実施形態についての説明は、上述の第1実施形態との相違点について主に行い、共通部分については相当符号を付して省略する。
第2実施形態は、チップCPとして、発光素子2951であるLED(Light Emitting Diode)を複数有する所謂LEDアレイを用いる点では、第1実施形態と同様であるが、次の点で第1実施形態と異なる。つまり、第2実施形態のラインヘッド29と、第1実施形態のラインヘッド29との相違点は、チップCPの構成と、該チップCPのヘッド基板293への配置態様である。詳述すると、第2実施形態のチップCPには、3個の発光素子グループ295から成る発光素子グループ列295Cが形成されている。このとき、発光素子グループ列295Cは、該発光素子グループ列295Cが伸びる方向D295C(つまり、発光素子グループ列295Cにおける発光素子グループ295の配列方向D295C)とチップCPのチップ長軸CLGとが平行となるように、チップCPに形成されている。
そして、複数のチップCPが、ヘッド基板293に長手方向LGDに並べて配置される。このとき、各チップCPは、チップ長軸CLGが方向D295Cと並行となるようにヘッド基板293の表面に接合されるため、該チップCPのチップ長軸CLGはラインヘッド29の長手方向LGDに対して傾斜するとともに、該チップCPのチップ短軸CLTはラインヘッド29の幅方向LTDに対して傾斜している。
そして、各チップCPには、複数のマイクロレンズMLが対向して配置されている。換言すれば、マイクロレンズアレイ299は、1つのチップCPに対して複数(同図では3個)のマイクロレンズMLを対向させている。そして、各チップCPは、マイクロレンズMLが対向する対向位置FPに発光素子グループ295を有している(つまり、複数の発光素子グループ295に一対一の対応関係で複数のマイクロレンズMLが配置されている)。同図では、1つのチップCPに3つのマイクロレンズMLが対向することから、1つのチップCPには3つの発光素子グループ295が形成されることとなる。例えば、チップCP_Aには、発光素子グループ295_A1〜発光素子グループ295_A3が、チップCP_Bには、発光素子グループ295_B1〜発光素子グループ295_B3が、チップCP_Cには、発光素子グループ295_C1〜発光素子グループ295_C3が形成されている。
図14に示すように。ヘッド基板293の表面には、所定個数の発光素子グループ295が長手方向LGDにおいて相互に離間しながら配置されて発光素子グループ行295Rが形成されている。これらの発光素子グループ行295Rが幅方向LTDに複数行(第2実施形態では「3」行)並んで配置されている。そして、かかる3行の発光素子グループ行295Rは、互いに長手方向LGDに所定ピッチずれて配置されている。その結果、複数の発光素子グループ295は2次元的に配置されるとともに、複数の発光素子グループ295の長手方向における位置は互いに異なる。
そして、第2実施形態では、各発光素子グループ列295Cを構成する3個の発光素子グループ295は、それぞれ次のように構成されている。発光素子グループ295は、10個の発光素子2951を有しており、発光素子2951は以下のように配置されている。つまり、各発光素子グループ295において、5個の発光素子2951が長手方向LGDに所定間隔(=素子ピッチPelの2倍)毎に並べられて発光素子行2951Rが形成されている。また、発光素子行2951Rは幅方向LTDに2行並べられている。しかも、長手方向LGDにおける発光素子行2951Rのシフト量は素子ピッチPelとなっている。このため、各発光素子グループ295では、全ての発光素子2951は互いに異なる長手方向位置に素子ピッチPelで配置されている。したがって、発光素子グループ295が10個全ての発光素子2951から光ビームを射出した場合、10個の発光素子2951から射出された光ビームはマイクロレンズMLにより主走査方向MDにおいて互いに異なる位置で感光体表面に結像される。つまり、発光素子グループ295が10個全ての発光素子2951を発光させることで、10個のスポットが主走査方向MDに並ぶスポットグループを形成することができる。そして、感光体表面のうちスポットグループが形成された領域が露光されることとなる。
図15及び図16はラインヘッドにより感光体表面に形成されるスポットの位置を示す図であり、4つの発光素子グループ、例えば図14中の発光素子グループ295_A1,295_A2,295_A3,295_B1によりスポットが形成される様子を模式的に示している。なお、同図中のスポットグループSG_A1は発光素子グループ295_A1により形成されたスポットSPの一群を示し、スポットグループSG_A2は発光素子グループ295_A2により形成されたスポットSPの一群を示し、スポットグループSG_A3は発光素子グループ295_A3により形成されたスポットSPの一群を示し、スポットグループSG_B1は発光素子グループ295_B1により形成されたスポットSPの一群を示している。かかる発光素子グループ295とスポットグループSGとの対応関係は、後述する図19〜図22についても同様である。このように、スポットグループSG_A1からスポットグループSG_A3はチップCP_Aにより形成され、スポットグループSG_B1はチップCP_Bにより形成される。しかも、図15に示すように、同一のチップCPに対応する露光領域は互いに隣接している。つまり、チップCP_Aに対応する3個の露光領域EX_A1、EX_A2、EX_A3は互いに隣接している。
ところで、図15に示すように、発光素子2951を同時に点灯させると、感光体表面に形成されるスポットグループSG_A1,SG_A2,SG_A3,SG_B1も2次元配置されてしまう。そこで、第2実施形態では、図16に示すように、発光素子行2951Rの各々では、感光体ドラム21の回転移動に応じたタイミングで、即ち、感光体表面の副走査方向SDへの移動に応じたタイミングで、該発光素子行2951Rを構成する発光素子2951が発光するように構成している。具体的には、発光素子グループ295_A1,295_A2,295_A3,295_B1を構成する発光素子行2951Rの点灯タイミングを次のように感光体ドラム21の回転移動に対応して相違させている。
つまり、
(a)タイミングT31:発光素子グループ295_A3の上段発光素子行2951Rの点灯タイミング、
(b)タイミングT32:発光素子グループ295_A3の下段発光素子行2951Rの点灯タイミング、
(c)タイミングT33:発光素子グループ295_A2の上段発光素子行2951Rの点灯タイミング、
(d)タイミングT34:発光素子グループ295_A2の下段発光素子行2951Rの点灯タイミング、
(e)タイミングT35:発光素子グループ295_A1及び発光素子グループ295_B1の上段発光素子行2951Rの点灯タイミング、
(f)タイミングT36:発光素子グループ295_A1及び発光素子グループ295_B1の下段発光素子行2951Rの点灯タイミング
に基づいて、発光素子行2951Rの点灯を制御している。このようにタイミング調整することで、スポットSPを主走査方向MDに一列に形成することができる。
そして、図15及び図16が示すように、第2実施形態では、主走査方向MDにおいて隣接する露光領域は、主走査方向MDにおいて部分的に重複して重複露光領域EX_ORを形成している。例えば、主走査方向MDにおいて隣接する露光領域SG_A1,SG,_A2は部分的に重複して重複露光領域EX_ORを形成している。なお、第2実施形態では、重複露光領域EX_ORの主走査方向MDにおける幅は、主走査方向MDにおけるスポットピッチ(Psp=m・Pel)以上(図15及び図16ではスポットピッチの2倍(2・Psp=2・m・Pel))である。
このように第2実施形態においても第1実施形態と同様に、ラインヘッド29では1つのチップCPに対向して複数のマイクロレンズMLが対向して設けられている。したがって、1つのチップCPに対して1つのマイクロレンズMLが対向して設けられた場合と比較して、第2実施形態にかかるラインヘッド29が必要とするチップCPの個数は少ない。なんとなれば、1つのチップCP対して1つのマイクロレンズMLが対向して設けられたラインヘッド29ではマイクロレンズMLの数と同数のチップCPが必要であるが、第2実施形態にかかるラインヘッド29では1つのチップCPに対して複数のマイクロレンズMLが対向して設けられており、必要なチップCPの個数はマイクロレンズMLの個数の略半分以下に抑えられるからである。したがって、第2実施形態にかかるラインヘッド29では、ラインヘッド29の組立におけるチップCPの接合回数を抑えて、組立に要する時間やコストの削減が可能となっている。
また、第2実施形態のラインヘッド29では、主走査方向MDにおいて隣接する露光領域は、主走査方向MDにおいて部分的に重複して重複露光領域EX_ORを形成している。これにより、第2実施形態のラインヘッド29は、マイクロレンズMLの特性が所望の特性からずれた場合であっても良好な露光動作を可能にするという、更なる作用効果を奏する。これについて次に詳述する。
上述のラインヘッド29では、各マイクロレンズMLは、対向する発光素子グループ295からの光ビームを結像することで、該マイクロレンズMLに対応する露光領域を露光することができる。しかしながら、かかるラインヘッド29において、マイクロレンズMLの特性が所望の特性からずれる(特性ずれが発生する)場合がある。
このようなマイクロレンズMLの特性ずれの発生原因を例示すると、例えば、マイクロレンズMLと該マイクロレンズMLに対向する発光素子グループ295の相対的位置関係が所望の位置関係からずれる場合が挙げられる。そして、マイクロレンズMLと発光素子グループ295の相対的位置関係がずれると、発光素子グループ295からの光ビームをマイクロレンズMLにより結像することで露光される露光領域の位置もずれることとなる。また、図6に示したように、マイクロレンズMLは、2枚のレンズ2993A,2993Bを相互に対向させた構成を有し、これら2枚のレンズ2993A,2993Bは相互に光軸OAを共通にする。しかしながら、2枚のレンズ2993A,2993Bの光軸OAが相互にずれる場合があり、その結果、マイクロレンズMLの特性が所望の特性からずれる可能性がある。そして、マイクロレンズMLの特性がずれると、該マイクロレンズMLにより露光される露光領域の位置もずれることとなる。
そして、上述のラインヘッド29では、複数のチップCPのそれぞれは、副走査方向SD(第1方向)への感光体表面の移動に応じたタイミングで対向位置FPの発光素子2951から光ビームを射出する。そして、対向位置FPから射出された光ビームを該対向位置FPに対向するマイクロレンズMLにより結像することで、ラインヘッド29は露光領域を露光可能である。ところで、かかるラインヘッド29では、副走査方向SDにおいて隣接する露光領域は互いに同じマイクロレンズMLにより露光可能であるため、副走査方向SDに隣接する露光領域の間では位置ずれはほとんど発生しない。しかしながら、副走査方向SDに直交する主走査方向MD(第2方向)においては、隣接する露光領域が互いに異なるマイクロレンズMLにより露光される。したがって、本発明を適用しないラインヘッド29では、マイクロレンズMLの特性ずれに起因して主走査方向MDにおいて隣接する露光領域の間に隙間が発生する可能性がある。そして、このような主走査方向MDにおける隙間が発生した状況において、感光体表面を副走査方向SDに移動させつつ露光動作を実行するとかかる隙間が副走査方向SDに連続して、所謂縦筋が引き起こされる可能性がある。
かかる問題に対して、第2実施形態におけるラインヘッド29は、重複露光領域EX_ORを形成している。そして、かかる重複露光領域EX_ORに対しては、互いに異なるマイクロレンズMLが重複してスポットSPを形成することができる。そこで、第2実施形態では、重複露光領域EX_ORに対して互いに異なるマイクロレンズMLによって重複してスポットを形成することで、重複露光領域EX_ORに重複スポット領域ORを形成している。
図17は、重複露光領域に対して重複スポット領域を形成した場合に得られる2次元潜像を示す図である。つまり、重複露光領域EX_ORに対して重複スポット領域ORを形成した場合、図17に示すような2次元潜像LIが得ることができる。なお、第2実施形態では、主走査方向MDにおける重複露光領域EX_ORの幅がスポットピッチの2倍であることから、重複スポット領域ORのそれぞれでは、主走査方向MDに2つのスポットSPを並べて形成することができる(図16のスポットSP_ORを参照)。よって、マイクロレンズMLの特性ずれが発生しない場合(同図(a))はもちろんのこと、マイクロレンズMLの特性ずれが発生して露光領域に位置ずれが発生したとしてもスポットグループSG間に隙間が生じるのを防止することができ、良好なスポット形成を行うことができる。また、このようなラインヘッド29を用いて画像形成を行うことで縦筋を発生させることなく高品質なトナー像を形成することができる。
ところで、上記第2実施形態では、重複露光領域EX_ORに対して形成可能であるスポットの全てを、実際に重複露光領域EX_ORに対して形成し、重複スポット領域ORを形成している。しかしながら、このようにして重複露光領域EX_ORに対して重複スポット領域ORを形成することは必須では無く、次の第3実施形態において説明するようにラインヘッド29を構成しても良い。
第3実施形態
図18は、重複露光領域EX_ORの内部に形成可能であるスポットの説明図である。第3実施形態の具体的内容の説明の前に、重複露光領域EX_ORの内部に形成可能であるスポットについて説明する。つまり、重複露光領域EX_ORの内部に形成可能であるスポットは、図18に示すように定義される。すなわち、主走査方向MDにおいて、スポットSPの中心CTPが重複露光領域EX_OR以内にある場合、該スポットは重複露光領域EX_ORの内部にある。一方、スポットSPの中心CTPが重複露光領域EX_ORよりも外にある場合は、該スポットSPは重複露光領域EX_ORの外部にある。同図を用いて具体的に説明すると、スポットSPc,SPd,SPeは重複露光領域EX_ORの内部にあり、スポットSPa,SPb,SPf,SPgは重複露光領域EX_ORの外部にある。
図19、図20、図21及び図22は、第3実施形態における露光動作の説明図である。第3実施形態は、主走査方向MDに隣接する露光領域が、主走査方向MDにおいて部分的に重複して重複露光領域EX_ORを形成する点では第2実施形態と同様であるが、該重複露光領域EX_ORに対するスポット形成動作の点で第2実施形態と異なる。つまり、これから説明するように、第3実施形態でのラインヘッド29は、重複露光領域EX_ORの内部に形成可能である複数のスポットSPのうちから実際に形成するスポットSPを選択して、露光動作を実行する。
図19は、マイクロレンズMLの特性にずれが無く、露光領域に位置ずれが無い場合に対応する。この場合、発光素子グループ295_A1により露光可能な露光領域と、発光素子グループ295_A2により露光可能な露光領域が重複して形成される重複露光領域EX_OR1の主走査方向MDにおける幅は、スポットピッチPspの2倍(2・Psp)となる。そして、該露光領域EX_OR1に対して形成可能であるスポットは、スポットグループSG_A1のスポットSP9及びスポットSP10と、スポットグループSG_A2のスポットSP1及びスポットSP2との4個ある。そして、図19では、露光領域EX_OR1に形成可能であるこれら4個のスポットのうち、スポットグループSG_A1のスポットSP9及びスポットSP10のみを実際に露光領域EX_OR1に形成し、スポットグループSG_A2のスポットSP1及びスポットSP2は形成しない。ここで、同図の実線円は形成可能であるスポットSPを示す。また、これらの実線円のうち、内部が斜線で塗りつぶされている実線円は実際に形成されるスポットを示すとともに、内部が空白である実線円は実際には形成されないスポットを示す。以下、図20〜図22においても、実線円の意味は同様である。このように、図19では、重複露光領域EX_OR1に対して形成可能である複数のスポットSPから実際に形成するスポットSPを選択して、露光動作を実行する。
また、重複露光領域EX_OR2,EX_OR3についても、これらの重複露光領域に対して形成可能である複数のスポットSPから実際に形成するスポットSPを選択して、露光動作を実行する。具体的には、露光領域EX_OR2に形成可能である複数のスポットのうち、スポットグループSG_A2のスポットSP9及びスポットSP10のみを実際に露光領域EX_OR1に形成し、スポットグループSG_A3のスポットSP1及びスポットSP2は形成しない。また、露光領域EX_OR3に形成可能である複数のスポットのうち、スポットグループSG_A3のスポットSP9及びスポットSP10のみを実際に露光領域EX_OR3に形成し、スポットグループSG_B1のスポットSP1及びスポットSP2は形成しない。
図20は、発光素子グループ295_A2に対向するマイクロレンズMLの特性にずれが発生し、その結果、発光素子グループ295_A2に対応する露光領域が主走査方向MDにスポットピッチPspの0.4倍(0.4・Psp)だけずれた場合に対応する。この場合、発光素子グループ295_A1対応する露光領域と発光素子グループ295_A2に対応する露光領域との重複露光領域EX_OR1の主走査方向MDにおける幅は、スポットピッチPspの2.4倍(2.4・Psp)となる。そして、該露光領域EX_OR1に対して形成可能であるスポットは、スポットグループSG_A1のスポットSP9及びスポットSP10と、スポットグループSG_A2のスポットSP1及びスポットSP2との4個ある。そして、図20では、露光領域EX_OR1に形成可能であるこれら4個のスポットのうち、スポットグループSG_A1のスポットSP9及びスポットSP10のみを実際に露光領域EX_OR1に形成し、スポットグループSG_A2のスポットSP1及びスポットSP2は形成しない。
また、図20では、発光素子グループ295_A2に対応する露光領域と発光素子グループ295_A3に対応する露光領域との重複露光領域EX_OR2の主走査方向MDにおける幅は、スポットピッチPspの1.6倍(1.6・Psp)となる。そして、該露光領域EX_OR2に対して形成可能であるスポットは、スポットグループSG_A2のスポットSP9及びスポットSP10と、スポットグループSG_A3のスポットSP1及びスポットSP2との4個ある。そして、図20では、露光領域EX_OR2に形成可能であるこれら4個のスポットのうち、スポットグループSG_A2のスポットSP9及びスポットSP10のみを実際に露光領域EX_OR2に形成し、スポットグループSG_A3のスポットSP1及びスポットSP2は形成しない。
さらに、図20では、発光素子グループ295_A3に対応する露光領域と発光素子グループ295_B1に対応する露光領域との重複露光領域EX_OR3の主走査方向MDにおける幅は、スポットピッチPspの2倍(2・Psp)となる。そして、該露光領域EX_OR3に対して形成可能であるスポットは、スポットグループSG_A3のスポットSP9及びスポットSP10と、スポットグループSG_B1のスポットSP1及びスポットSP2との4個ある。そして、図20では、露光領域EX_OR3に形成可能であるこれら4個のスポットのうち、スポットグループSG_A3のスポットSP9及びスポットSP10のみを実際に露光領域EX_OR3に形成し、スポットグループSG_B1のスポットSP1及びスポットSP2は形成しない。
図21は、発光素子グループ295_A2に対向するマイクロレンズMLの特性にずれが発生し、その結果、発光素子グループ295_A2に対応する露光領域が主走査方向MDにスポットピッチPspの0.7倍(0.7・Psp)だけずれた場合に対応する。この場合、発光素子グループ295_A1に対応する露光領域と発光素子グループ295_A2に対応する露光領域との重複露光領域EX_OR1の主走査方向MDにおける幅は、スポットピッチPspの2.7倍(2.7・Psp)となる。そして、該露光領域EX_OR1に対して形成可能であるスポットは、スポットグループSG_A1のスポットSP8,スポットSP9及びスポットSP10と、スポットグループSG_A2のスポットSP1,スポットSP2及びスポットSP3との6個ある。そして、図21では、露光領域EX_OR1に形成可能であるこれら6個のスポットのうち、スポットグループSG_A1のスポットSP8,スポットSP9及びスポットSP10のみを実際に露光領域EX_OR1に形成し、スポットグループSG_A2のスポットSP1,スポットSP2及びスポットSP3は形成しない。
また、図21では、発光素子グループ295_A2対応する露光領域と発光素子グループ295_A3に対応する露光領域との重複露光領域EX_OR2の主走査方向MDにおける幅は、スポットピッチPspの1.3倍(1.3・Psp)となる。そして、該露光領域EX_OR2に対して形成可能であるスポットは、スポットグループSG_A2のスポットSP10と、スポットグループSG_A3のスポットSP1との2個ある。そして、図21では、露光領域EX_OR2に形成可能であるこれら2個のスポットのうち、スポットグループSG_A2のスポットSP10のみを実際に露光領域EX_OR2に形成し、スポットグループSG_A3のスポットSP1は形成しない。
さらに、図21では、発光素子グループ295_A3に対応する露光領域と発光素子グループ295_B1に対応する露光領域との重複露光領域EX_OR3の主走査方向MDにおける幅は、スポットピッチPspの2倍(2・Psp)となる。そして、該露光領域EX_OR3に対して形成可能であるスポットは、スポットグループSG_A3のスポットSP9及びスポットSP10と、スポットグループSG_B1のスポットSP1及びスポットSP2との4個ある。そして、図21では、露光領域EX_OR3に形成可能であるこれら4個のスポットのうち、スポットグループSG_A3のスポットSP9及びスポットSP10のみを実際に露光領域EX_OR3に形成し、スポットグループSG_B1のスポットSP1及びスポットSP2は形成しない。
図22は、発光素子グループ295_A2に対向するマイクロレンズMLの特性にずれが発生し、その結果、発光素子グループ295_A2に対応する露光領域が主走査方向MDにスポットピッチPspの1.4倍(1.4・Psp)だけずれた場合に対応する。この場合、発光素子グループ295_A1に対応する露光領域と発光素子グループ295_A2に対応する露光領域との重複露光領域EX_OR1の主走査方向MDにおける幅は、スポットピッチPspの3.4倍(3.4・Psp)となる。そして、該露光領域EX_OR1に対して形成可能であるスポットは、スポットグループSG_A1のスポットSP8,スポットSP9及びスポットSP10と、スポットグループSG_A2のスポットSP1,スポットSP2及びスポットSP3との6個ある。そして、図22では、露光領域EX_OR1に形成可能であるこれら6個のスポットのうち、スポットグループSG_A1のスポットSP8,スポットSP9及びスポットSP10のみを実際に露光領域EX_OR1に形成し、スポットグループSG_A2のスポットSP1,スポットSP2及びスポットSP3は形成しない。
また、図22では、発光素子グループ295_A2に対応する露光領域と発光素子グループ295_A3に対応する露光領域との重複露光領域EX_OR2の主走査方向MDにおける幅は、スポットピッチPspの0.6倍(0.6・Psp)となる。そして、該露光領域EX_OR2に対して形成可能であるスポットは、スポットグループSG_A2のスポットSP10と、スポットグループSG_A3のスポットSP1との2個ある。そして、図22では、露光領域EX_OR2に形成可能であるこれら2個のスポットのうち、スポットグループSG_A2のスポットSP10のみを実際に露光領域EX_OR2に形成し、スポットグループSG_A3のスポットSP1は形成しない。
さらに、図22では、発光素子グループ295_A3に対応する露光領域と発光素子グループ295_B1に対応する露光領域との重複露光領域EX_OR3の主走査方向MDにおける幅は、スポットピッチPspの2倍(2・Psp)となる。そして、該露光領域EX_OR3に対して形成可能であるスポットは、スポットグループSG_A3のスポットSP9及びスポットSP10と、スポットグループSG_B1のスポットSP1及びスポットSP2との4個ある。そして、図22では、露光領域EX_OR3に形成可能であるこれら4個のスポットのうち、スポットグループSG_A3のスポットSP9及びスポットSP10のみを実際に露光領域EX_OR3に形成し、スポットグループSG_B1のスポットSP1及びスポットSP2は形成しない。
このように、第3実施形態においても、第2実施形態と同様に、主走査方向MDにおいて隣接する露光領域は、主走査方向MDにおいて部分的に重複して重複露光領域EX_ORを形成している。したがって、マイクロレンズMLの特性にずれが発生して、露光領域の位置が多少ずれたとしても、隣接する露光領域の間における隙間の発生が抑制されている。そして、第3実施形態におけるラインヘッド29は、かかる露光領域の隙間に起因する縦筋の発生を抑制することが可能である。
また、第3実施形態におけるラインヘッド29は、重複露光領域EX_ORの内部に形成可能である複数のスポットSPのうちから実際に形成するスポットSPを選択して、露光動作を実行する。換言すれば、重複露光領域EX_ORを露光可能である複数の発光素子2951から選択するとともに、該重複露光領域EX_ORを露光するに際しては、該選択した発光素子のみから光ビームを射出して重複露光領域EX_ORにスポットを形成(つまり露光動作を実行)している。これにより、次のような効果が奏される。つまり、重複露光領域EX_ORの露光に寄与するスポットの数を適切にして、該重複露光領域EX_ORを過度に露光するとの状況の発生が抑制される。そして、このようなラインヘッド29を用いて画像を形成することで、良好な画像形成が可能となる。
第4実施形態
図23は第4実施形態におけるチップの配置を示す図である。以下では、上記実施形態との差異点について主に説明することとし、同様部分については相当符号を付して説明を省略する。同図に示すように、ヘッド基板293の表面には、複数のチップCP_A,CP_B,CP_C,…が配置されている。各チップCPは、長軸CLGが長手方向LGDに平行となり、且つ、短軸CLTが幅方向LTDと平行となるように、配置されている。そして、各チップCPには、複数のマイクロレンズMLが対向して配置されている。換言すれば、マイクロレンズアレイ299は、1つのチップCPに対して複数(同図では3個)のマイクロレンズMLを対向させている。そして、各チップCPは、マイクロレンズMLが対向する対向位置FPに発光素子グループ295を有している。同図では、1つのチップCPに3つのマイクロレンズMLが対向することから、1つのチップCPには3つの発光素子グループ295が形成されることとなる。例えば、チップCP_Aには、発光素子グループ295_A1〜発光素子グループ295_A3が、チップCP_Bには、発光素子グループ295_B1〜発光素子グループ295_B3が、チップCP_Cには、発光素子グループ295_C1〜発光素子グループ295_C3が、長手方向LGDに並んで形成されている。また、各発光素子グループ295では、5個の発光素子2951が長手方向LGDに並んで発光素子行2951Rが構成されるとともに、この発光素子行2951Rが幅方向LTDに2個配置されている。
第1〜第3実施形態と異なって第4実施形態では、2つの発光素子グループ行295Rが長手方向LGDに配置されている。つまり、チップCP_A、CP_C、…が長手方向LGDに所定ピッチで配置されて、1つの発光素子グループ行295Rが構成されるとともに、チップCP_B、CP_D、…が長手方向LGDに所定ピッチで配置されて、1つの発光素子グループ行295Rが構成される。こうして構成された発光素子グループ行295Rが幅方向LTDの互いに異なる位置に並んで配置されている。
図24は第4実施形態にかかるラインヘッドにより感光体表面に形成されるスポットの位置を示す図であり、4つの発光素子グループ、例えば図23中の発光素子グループ295_A1,295_B1,295_A2,295_B2によりスポットが形成される様子を模式的に示している。なお、図24中のスポットグループSG_A1は発光素子グループ295_A1により形成されたスポットSPの一群を示し、スポットグループSG_B1は発光素子グループ295_B1により形成されたスポットSPの一群を示し、スポットグループSG_A2は発光素子グループ295_A2により形成されたスポットSPの一群を示し、スポットグループSG_B2は発光素子グループ295_B2により形成されたスポットSPの一群を示している。つまり、スポットグループSG_A1及びスポットグループSG_A2はチップCP_Aにより形成され、スポットグループSG_B1およびスポットグループSG_B2はチップCP_Bにより形成される。なお、図24に示すように、発光素子2951を同時に点灯させると、感光体表面に形成されるスポットグループSG_A1,SG_B1,SG_A2,SG_B2も2次元配置されてしまう。したがって、第4実施形態においても、第1〜第3実施形態と同様に、発光素子行2951Rの点灯タイミングが制御されている。かかるタイミング制御については、上述と同様であるので説明を省略する。
このように第4実施形態にかかるラインヘッド29においても、1つのチップCPに対向して複数のマイクロレンズMLが対向して設けられている。したがって、ラインヘッド29の組立におけるチップCPの接合回数を抑えて、組立に要する時間やコストの削減が可能となっている。
また、チップCP(第1基板)では、長手方向LGD(第2方向)に発光素子グループ295が複数配されている。つまり、長手方向LGDに配された発光素子グループ295は、同一のチップCPに形成されている。したがって、高い位置精度でもってこれら発光素子グループ295を長手方向LGDに並べて配置することが可能となるため、良好な露光が可能となっている。
第5実施形態
図25は第5実施形態におけるチップの配置を示す図である。以下では、上記実施形態との差異点について主に説明することとし、同様部分については相当符号を付して説明を省略する。同図に示すように、第5実施形態は、発光素子グループ行295Rの個数が2個であるという点では、第4実施形態と同様であるが、次の点で第4実施形態と異なる。つまり、第5実施形態のラインヘッド29と、第4実施形態のラインヘッド29との相違点は、チップCPの構成と、該チップCPのヘッド基板293への配置態様である。詳述すると、第5実施形態の各チップCPには、2個の発光素子グループ295から成る発光素子グループ列295Cが形成されている。このとき、発光素子グループ列295Cは、該発光素子グループ列295Cが伸びる方向D295C(つまり、発光素子グループ列295Cにおける発光素子グループ295の配列方向D295C)とチップCPのチップ長軸CLGとが平行となるように、チップCPに形成されている。
そして、複数のチップCPが、ヘッド基板293に長手方向LGDに並べて配置される。このとき、各チップCPは、チップ長軸CLGが方向D295Cと並行となるようにヘッド基板293の表面に接合されるため、該チップCPのチップ長軸CLGはラインヘッド29の長手方向LGDに対して傾斜するとともに、該チップCPのチップ短軸CLTはラインヘッド29の幅方向LTDに対して傾斜している。
そして、各チップCPには、複数のマイクロレンズMLが対向して配置されている。換言すれば、マイクロレンズアレイ299は、1つのチップCPに対して複数(同図では2個)のマイクロレンズMLを対向させている。そして、各チップCPは、マイクロレンズMLが対向する対向位置FPに発光素子グループ295を有している(つまり、複数の発光素子グループ295に一対一の対応関係で複数のマイクロレンズMLが配置されている)。同図では、1つのチップCPに2つのマイクロレンズMLが対向することから、1つのチップCPには2つの発光素子グループ295が形成されることとなる。例えば、チップCP_Aには、発光素子グループ295_A1および発光素子グループ295_A2が、チップCP_Bには、発光素子グループ295_B1および発光素子グループ295_B2が、チップCP_Cには、発光素子グループ295_C1および発光素子グループ295_C2が形成されている。
このように第5実施形態にかかるラインヘッド29においても、1つのチップCPに対向して複数のマイクロレンズMLが対向して設けられている。したがって、ラインヘッド29の組立におけるチップCPの接合回数を抑えて、組立に要する時間やコストの削減が可能となっている。
第6実施形態
図26は第6実施形態におけるチップの配置を示す図である。以下では、上記実施形態との差異点について主に説明することとし、同様部分については相当符号を付して説明を省略する。同図に示すように、第6実施形態は、発光素子グループ行295Rの個数が2個であるという点では、第4・第5実施形態と同様であるが、次の点で異なる。つまり、第6実施形態のラインヘッド29と、第4・第5実施形態のラインヘッド29との相違点は、チップCPの構成と、該チップCPのヘッド基板293への配置態様である。詳述すると、第6実施形態のチップCPには、2個の発光素子グループ295から成る発光素子グループ列295Cが、チップ長軸CLGに複数(同図では3個)並んでいる。例えば、チップCP_Aでは、発光素子グループ295_A1、295_A2で1つの発光素子グループ列295Cが構成され、発光素子グループ295_A3、295_A4で1つの発光素子グループ列295Cが構成され、発光素子グループ295_A5、295_A6で1つの発光素子グループ列295Cが構成されている。そして、こうして構成された3個の発光素子グループ列295Cが、チップ長軸CLGに並んでいる。
このように構成されたチップCPは、複数長手方向LGDに並べて配置されている。このとき、チップ長軸CLGが長手方向LGDに平行となるとともに、チップ短軸CLTが幅方向LTDに平行となるように、各チップCPはヘッド基板293の表面に接合されている。つまり、チップCP_A等のそれぞれにおいて、長手方向LGDに複数の発光素子グループ295_A1、295A_3、295A_5等が並んで配置されるとともに、さらに、幅方向LTDに異なる位置に複数の発光素子グループ295_A1、295_A2等が並んで配置されている。そして、各発光素子グループ295には、マイクロレンズMLが対向配置されている。その結果、各チップCPには、複数(同図では6個)のマイクロレンズMLが対向して配置されることとなる。
このように第6実施形態にかかるラインヘッド29においても、1つのチップCPに対向して複数のマイクロレンズMLが対向して設けられている。したがって、ラインヘッド29の組立におけるチップCPの接合回数を抑えて、組立に要する時間やコストの削減が可能となっている。
また、チップCP(第1基板)では、長手方向LGD(第2方向)に発光素子グループ295(例えば、発光素子グループ295_A1、295A_3、295A_5)が複数配されている。つまり、長手方向LGDに配された発光素子グループ295は、同一のチップCPに形成されている。したがって、高い位置精度でもってこれら発光素子グループ295を長手方向LGDに並べて配置することが可能となるため、良好な露光が可能となっている。
さらに、チップCP(第1基板)では、幅方向LTD(第1方向)の互いに異なる位置に複数の発光素子グループ295(例えば、発光素子グループ295_A1、295_A4)が配されているように構成している。したがって、同一のチップCPにおいて、幅方向LTDの互いに異なる位置に配された発光素子グループ295が複数設けられることとなる。したがって、高い位置精度でもってこれら発光素子グループ295を幅方向LTDの互いに異なる位置に配することが可能となるため、良好な露光が可能となっている。
第7実施形態
図27は第7実施形態におけるヘッド基板上でのチップの配置を示す図である。同図に示すように。ヘッド基板293の表面には、複数のチップCP_A,CP_B,CP_C,…が配置されている。各チップCPは、長軸が長手方向LGDに平行となり、且つ、短軸が幅方向LTDと平行となるように、配置されている。そして、各チップCPは、ラインヘッド29の長手方向LGD(チップ長軸CLG)に所定のピッチで配置された複数(第7実施形態では3個)の発光素子グループ295を有する。つまり、例えば、チップCP_Aには、発光素子グループ295_A1〜発光素子グループ295_A3が、チップCP_Bには、発光素子グループ295_B1〜発光素子グループ295_B3が、チップCP_Cには、発光素子グループ295_C1〜発光素子グループ295_C3が形成されている。
このようなチップCPが複数接合されたヘッド基板293上では、複数の発光素子グループ295が長手方向LGDに離間しつつ並べられて、発光素子グループ行295Rが構成されている。また、これらの発光素子グループ行295Rが幅方向LTDに複数(第7実施形態では3個)配置されている。そして、かかる3個の発光素子グループ行295Rは、互いに長手方向LGDに所定ピッチずれている。その結果、複数の発光素子グループ295は2次元的に配置されるとともに、複数の発光素子グループ295の長手方向LGDにおける位置は互いに異なる。そして、これら複数の発光素子グループ295に一対一の対応関係で複数のマイクロレンズMLが配置されている。
各発光素子グループ295は10個の発光素子2951を有しており、発光素子2951は以下のように配置されている。すなわち、各発光素子グループ295では、5個の発光素子2951が長手方向LGDに所定間隔(=素子ピッチPelの2倍)毎に並べられて発光素子行2951Rが形成されている。また、発光素子行2951Rは幅方向LTDに2個並べられている。しかも、長手方向LGDにおける発光素子行2951Rのシフト量は素子ピッチPelとなっている。このため、各発光素子グループ295では、全ての発光素子2951は互いに異なる長手方向位置に素子ピッチPelで配置されている。したがって、各発光素子グループ295が10個全ての発光素子2951から光ビームを射出した場合、10個の発光素子2951から射出された光ビームはマイクロレンズMLにより主走査方向MDにおいて互いに異なる位置で感光体表面に結像される。つまり、発光素子グループ295が10個全ての発光素子2951を発光させることで、10個のスポットが主走査方向MDに並ぶスポットグループを形成することができる。そして、感光体表面のうちスポットグループが形成された領域が露光されることとなる。
図28は第7実施形態にかかるラインヘッドにより感光体表面に形成されるスポットの位置を示す図であり、4つの発光素子グループ、例えば図27中の発光素子グループ295_A1,295_B1,295_C1,295_A2によりスポットが形成される様子を模式的に示している。なお、同図中のスポットグループSG_A1は発光素子グループ295_A1により形成されたスポットSPの一群を示し、スポットグループSG_B1は発光素子グループ295_B1により形成されたスポットSPの一群を示し、スポットグループSG_C1は発光素子グループ295_C1により形成されたスポットSPの一群を示し、スポットグループSG_A2は発光素子グループ295_A2により形成されたスポットSPの一群を示している。つまり、スポットグループSG_A1及びスポットグループSG_A2はチップCP_Aにより形成され、スポットグループSG_B1はチップCP_Bにより形成され、スポットグループSG_C1はチップCP_Cにより形成される。なお、図28に示すように、発光素子2951を同時に点灯させると、感光体表面に形成されるスポットグループSG_A1,SG_B1,SG_C1,SG_A2も2次元配置されてしまう。したがって、第7実施形態においても第1〜第3実施形態と同様に、発光素子行2951Rの点灯タイミングが制御されている。かかるタイミング制御については、上述と同様であるので説明を省略する。
図28に示すように、第7実施形態では、互いに異なるチップCPに対応するとともに主走査方向MDにおいて隣接する露光領域は、主走査方向MDにおいて部分的に重複して重複露光領域EX_ORを形成している。具体的には、露光領域EX_A1はチップCP_Aに対応するとともに露光領域EX_B1はチップCP_Bに対応しており、露光領域EX_A1と露光領域EX_B1は互いに異なるチップCPに対応する。また、これらの露光領域EX_A1及び露光領域EX_B1とは、主走査方向MDにおいて隣接する。そして、第1実施形態では、このような関係にある露光領域EX_A1と露光領域EX_B1とが、主走査方向MDにおいて部分的に重複して重複露光領域EX_ORを形成している。なお、第7実施形態では、重複露光領域EX_ORの主走査方向MDにおける幅は、主走査方向MDにおけるスポットピッチ(Psp=m・Pel)以上(図28ではスポットピッチの2倍(2・Psp=2・m・Pel))である。
さらに、互いに異なるチップCPに対応するとともに主走査方向MDにおいて隣接する露光領域EX_B1と露光領域EX_C1とは主走査方向MDにおいて部分的に重複して重複露光領域EX_ORを形成する。また、互いに異なるチップCPに対応するとともに主走査方向MDにおいて隣接する露光領域EX_C1と露光領域EX_A2とは主走査方向MDにおいて部分的に重複して重複露光領域EX_ORを形成する。
なお、図28に示す例では、重複露光領域EX_ORを露光可能な全てのスポットSPが形成されている。しかしながら、第3実施形態で説明したように、重複露光領域EX_ORの内部に形成可能である複数のスポットSPのうちから実際に形成するスポットSPを選択して、露光動作を実行しても構わない。
このように第7実施形態にかかるラインヘッド29においても、1つのチップCPに対向して複数のマイクロレンズMLが対向して設けられている。したがって、ラインヘッド29の組立におけるチップCPの接合回数を抑えて、組立に要する時間やコストの削減が可能となっている。
第8実施形態
図29は、第8実施形態でのラインヘッドの概略を示す斜視図である。また、図30は、第8実施形態でのヘッド基板上におけるチップの配置を示す図である。なお、以下の第8実施形態についての説明は、上述の実施形態との相違点について主に行い、共通部分については相当符号を付して省略する。
第8実施形態のチップCPには、3個の発光素子グループ295から成る発光素子グループ列295Cが形成されている。このとき、発光素子グループ列295Cは、該発光素子グループ列295Cが伸びる方向D295C(つまり、発光素子グループ列295Cにおける発光素子グループ295の配列方向D295C)とチップCPのチップ長軸CLGとが平行となるように、チップCPに形成されている。
そして、複数のチップCPが、ヘッド基板293に長手方向LGDに並べて配置される。このとき、各チップCPは、チップ長軸CLGが方向D295Cと並行となるようにヘッド基板293の表面に接合されるため、該チップCPのチップ長軸CLGはラインヘッド29の長手方向LGDに対して傾斜するとともに、該チップCPのチップ短軸CLTはラインヘッド29の幅方向LTDに対して傾斜している。
図30に示すように。ヘッド基板293の表面には、所定個数の発光素子グループ295が長手方向LGDにおいて相互に離間しながら配置されて発光素子グループ行295Rが形成されている。これらの発光素子グループ行295Rが幅方向LTDに複数(第8実施形態では3個)並んで配置されている。そして、かかる3個の発光素子グループ行295Rは、互いに長手方向LGDに所定ピッチずれて配置されている。その結果、複数の発光素子グループ295は2次元的に配置されるとともに、複数の発光素子グループ295の長手方向における位置は互いに異なる。そして、図30に示すように配置された複数の発光素子グループ295に一対一の対応関係で複数のマイクロレンズMLが配置されている。
そして、第8実施形態では、各発光素子グループ列295Cを構成する3個の発光素子グループ295は、それぞれ次のように構成されている。各発光素子グループ列295Cにおいて方向D295Cの最上流に位置する最上流発光素子グループ295は、10個の発光素子2951を有しており、発光素子2951は以下のように配置されている。つまり、最上流発光素子グループ295では、5個の発光素子2951が長手方向LGDに所定間隔(=素子ピッチPelの2倍)毎に並べられて発光素子行2951Rが形成されている。また、発光素子行2951Rは幅方向LTDに2行並べられている。しかも、長手方向LGDにおける発光素子行2951Rのシフト量は素子ピッチPelとなっている。このため、最上流発光素子グループ295では、全ての発光素子2951は互いに異なる長手方向位置に素子ピッチPelで配置されている。したがって、最上流発光素子グループ295が10個全ての発光素子2951から光ビームを射出した場合、10個の発光素子2951から射出された光ビームはマイクロレンズMLにより主走査方向MDにおいて互いに異なる位置で感光体表面に結像される。つまり、最上流発光素子グループ295が10個全ての発光素子2951を発光させることで、10個のスポットが主走査方向MDに並ぶスポットグループを形成することができる。そして、感光体表面のうちスポットグループが形成された領域が露光されることとなる。
一方、各発光素子グループ列295Cにおいて方向D295Cの最上流以外に位置する発光素子グループ295は、8個の発光素子2951を有しており、発光素子2951は以下のように配置されている。つまり、これらの発光素子グループ295では、4個の発光素子2951が長手方向LGDに所定間隔(=素子ピッチPelの2倍)毎に並べられて発光素子行2951Rが形成されている。また、発光素子行2951Rは幅方向LTDに2行並べられている。しかも、長手方向LGDにおける発光素子行2951Rのシフト量は素子ピッチPelとなっている。このため、発光素子グループ295では、全ての発光素子2951は互いに異なる長手方向位置に素子ピッチPelで配置されている。したがって、発光素子グループ295が8個全ての発光素子2951から光ビームを射出した場合、8個の発光素子2951から射出された光ビームはマイクロレンズMLにより主走査方向MDにおいて互いに異なる位置で感光体表面に結像される。つまり、発光素子グループ295が8個全ての発光素子2951を発光させることで、8個のスポットが主走査方向MDに並ぶスポットグループを形成することができる。そして、感光体表面のうちスポットグループが形成された領域が露光されることとなる。
図31は第8実施形態にかかるラインヘッドにより感光体表面に形成されるスポットの位置を示す図であり、4つの発光素子グループ、例えば図30中の発光素子グループ295_A1,295_A2,295_A3,295_B1によりスポットが形成される様子を模式的に示している。なお、図31中のスポットグループSG_A1は発光素子グループ295_A1により形成されたスポットSPの一群を示し、スポットグループSG_A2は発光素子グループ295_A2により形成されたスポットSPの一群を示し、スポットグループSG_A3は発光素子グループ295_A3により形成されたスポットSPの一群を示し、スポットグループSG_B1は発光素子グループ295_B1により形成されたスポットSPの一群を示している。つまり、スポットグループSG_A1からスポットグループSG_A3はチップCP_Aにより形成され、スポットグループSG_B1はチップCP_Bにより形成される。なお、図31に示すように、発光素子2951を同時に点灯させると、感光体表面に形成されるスポットグループSG_A1,SG_A2,SG_A3,SG_B1も2次元配置されてしまう。したがって、第7実施形態においても第1〜第3実施形態と同様に、発光素子行2951Rの点灯タイミングが制御されている。かかるタイミング制御については、上述と同様であるので説明を省略する。
そして、図31に示すように、第8実施形態では、互いに異なるチップCPに対応するとともに主走査方向MDにおいて隣接する露光領域は、主走査方向MDにおいて部分的に重複して重複露光領域EX_ORを形成している。具体的には、露光領域EX_A3はチップCP_Aに対応するとともに露光領域EX_B1はチップCP_Bに対応しており、露光領域EX_A3と露光領域EX_B1は互いに異なるチップCPに対応する。また、これらの露光領域EX_A3及び露光領域EX_B1とは、主走査方向MDにおいて隣接する。そして、このような関係にある露光領域EX_A3と露光領域EX_B1とが、主走査方向MDにおいて部分的に重複して重複露光領域EX_ORを形成している。なお、第8実施形態では、重複露光領域EX_ORの主走査方向MDにおける幅は、主走査方向MDにおけるスポットピッチ(Psp=m・Pel)以上(図31ではスポットピッチの2倍(2・Psp=2・m・Pel))である。
このように第8実施形態にかかるラインヘッド29においても、1つのチップCPに対向して複数のマイクロレンズMLが対向して設けられている。したがって、ラインヘッド29の組立におけるチップCPの接合回数を抑えて、組立に要する時間やコストの削減が可能となっている。
第9実施形態
図32は、第9実施形態におけるラインヘッドを示す斜視図である。図33は、第9実施形態におけるヘッド基板上でのチップの配置を示す図である。これらの図に示すように。ヘッド基板293の表面には、複数のチップCP_A,CP_B,CP_C,CP_D,…が配置されている。各チップCPは、長軸CLGが長手方向LGDに平行となり、且つ、短軸CLTが幅方向LTDと平行となるように、配置されている。また、各チップCPには、複数の発光素子2951から成る素子集合2951SETが形成されている。そして、図32、図33が示すように、複数(本実施形態では3個)のチップCP(例えば、チップCP_A,CP_B,CP_C)が、幅方向LTDに並ぶとともに長手方向LGDに互いにシフトして、配置されている。よって、幅方向LTDに隣り合うチップ(例えば、チップCP_A,CP_B)の素子集合2951SETは、長手方向LGDにおいて部分的に重なり合う。
各チップCPに形成された素子集合2951SETは、ラインヘッド29の長手方向LGD(チップ長軸CLG)に複数の発光素子2951を発光素子ピッチPelで配置している。詳しくは、素子集合2951SETは、所定個数の発光素子2951を長手方向LGDに所定ピッチ(=素子ピッチPelの2倍)で直線状に並べた発光素子ライン2951Lを幅方向LTDに2つ並べて成る。しかも、長手方向LGDにおける発光素子ライン2951Lのシフト量は素子ピッチPelとなっている。このため、素子集合2951SETでは、全ての発光素子2951は互いに異なるチップ長軸位置(長手方向位置)に素子ピッチPelで千鳥状に配置されている。このように、素子集合2951SETでは、複数の発光素子2951が長手方向LGDに素子ピッチPelで敷き詰められている。
そして、このような素子集合2951SETに対して、複数(本実施形態では3個)のマイクロレンズMLが対向して設けられている。つまり、本実施形態では、3個のマイクロレンズMLがチップCPに対向して配置されている。なお、これら3個のマイクロレンズMLは、対向するチップCPのチップ長軸CLGに所定ピッチ(レンズピッチPlsの3倍のピッチ)で並ぶ。具体的には、例えば3個のマイクロレンズML_A1,ML_A2,ML_A3がチップCP_Aに対向するとともに、これら3個のマイクロレンズML_A1,ML_A2,ML_A3はチップCP_Aのチップ長軸にレンズピッチPlsの3倍のピッチで並ぶ。そして、各マイクロレンズMLは、対向するチップCPの発光素子2951から射出された光ビームを感光体表面に結像して、感光体表面にスポットグループSGを形成する。
ところで、後のスポット形成動作の説明を通じて詳述するが、本実施形態では各スポットグループSGは、8個のスポットからなる。つまり、各マイクロレンズMLは、8個の発光素子2951から射出された光ビームを結像して、1つのスポットグループSGを形成する。一方、各マイクロレンズMLが対向する素子集合2951SETは、上述のような複数の発光素子2951が敷き詰められた構成を有する。したがって、素子集合2951SETの各マイクロレンズMLが対向する範囲には、スポットグループSGを形成するのに必要な個数である8個よりも多くの発光素子2951が、長手方向LGD(チップ長軸)に素子ピッチPelで並んで存在する。そこで、後述するように、第9実施形態のラインヘッド29は、素子集合2951SETが有する複数の発光素子2951から照射領域の形成に適当な8個の発光素子2951を選択して発光させている。
図34は、マイクロレンズアレイの結像状態を示す図である。なお、同図では遮光部材297は省略されている。また、同図では、マイクロレンズアレイ299の結像特性の理解を容易とするために、素子集合2951SETにおいて、マイクロレンズML(ML1〜ML3)の光軸OA(OA1〜OA3)の上にある位置(E1_0,E2_0,E3_0)と、かかる光軸上の位置より長手方向LGDに向いて所定間隔だけ離れた位置(E1_1,E2_1,E3_1)と、かかる光軸上の位置より長手方向LGDの逆側に向いて所定間隔だけ離れた位置(E1_2,E2_2,E3_2)とから射出された光ビームの軌跡を表している。かかる軌跡が示すように、各位置から射出された光ビームは、マイクロレンズアレイ299を介して感光体ドラム21の表面(感光体表面)に到達する。つまり、ヘッド基板293の表面に設けられたチップCPから射出された光ビームは、マイクロレンズアレイ299のマイクロレンズMLにより、感光体表面に結像される。
より具体的には、マイクロレンズML1が対向する位置(例えば、位置E1_0,E1_1,E1_2)から射出される光ビームは、該マイクロレンズML1により次のように結像される。つまり、位置E1_0から射出される光ビームは、感光体表面とマイクロレンズML1の光軸OA1との交点I1_0に結像される。また、位置E1_1,E1_2から射出される光ビームは、それぞれ感光体ドラム21の表面の位置I1_1,I1_2に結像される。つまり、位置E1_1から射出される光ビームは、主走査方向MDにおいてマイクロレンズML1の光軸OA1を挟んで逆側の位置I1_1に結像されるとともに、位置E1_2から射出される光ビームは、主走査方向MDにおいてマイクロレンズML1の光軸OA1を挟んで逆側の位置I1_2に結像される。このようにマイクロレンズML1は反転特性を有する(換言すれば、マイクロレンズML1の倍率mは負の値を有する)。また、同図が示すように、位置E1_1,E1_0の間の距離と比較して、光ビームが結像される位置I1_1,I1_0の間の距離は長い。つまり、マイクロレンズML1の倍率の絶対値は1より大きい。
また、上述のマイクロレンズML1による結像と同様にして、マイクロレンズML2が対向する位置(例えば、位置E2_0,E2_1,E2_2)から射出される光ビームは該マイクロレンズML2により感光体表面の位置(位置I2_0,I2_1,I2_2)に結像されるとともに、マイクロレンズML3が対向する位置(例えば、位置E3_0,E3_1,E3_2)から射出される光ビームは該マイクロレンズML3により感光体表面の位置(位置I3_0,I3_1,I3_2)に結像される。
図35は、第9実施形態にかかるラインヘッドにより感光体表面に形成されるスポットの位置を示す図である。ここで、同図の実線円は形成可能であるスポットSPを示す。また、これらの実線円のうち、内部が斜線で塗りつぶされている実線円は実際に形成されるスポットを示すとともに、内部が空白である実線円は実際には形成されないスポットを示す。なお、発明の理解を容易とするために、同図では感光体表面が静止した状態でスポットSPを形成した場合を表した。したがって、スポットグループSGにおけるスポットSPは2次元的に配置される。しかしながら、図12を用いて説明したように、実際のスポット形成動作は、感光体表面を副走査方向SDに移動させるとともに、該感光体表面の移動に応じて発光素子2951を発光させて実行される。その結果、ヘッド基板293が有する複数の発光素子2951により形成されるスポットSPは、主走査方向MDに略平行な直線上に形成される。なお、これら図35について説明した内容は、後に示す図36〜図39についても同様である。
2点鎖線で区切られた3つの段のうち、上段にあるスポットSPはチップCP_Aにより形成可能なスポットSPである。また、同図では特に、チップCP_Aにより形成可能なスポットSPのうち、該チップCP_Aに対向するマイクロレンズML_A2により形成可能なスポットSPと、該チップCP_Aに対向するマイクロレンズML_A3により形成可能なスポットSPとを示している。
また、2点鎖線で区切られた複数の段のうち、中段にあるスポットSPはチップCP_Bにより形成可能なスポットSPである。また、同図では特に、チップCP_Bにより形成可能なスポットSPのうち、該チップCP_Bに対向するマイクロレンズML_B2により形成可能なスポットSPと、該チップCP_Bに対向するマイクロレンズML_B3により形成可能なスポットSPとを示している。
更に、2点鎖線で区切られた複数の段のうち、下段にあるスポットSPはチップCP_Cにより形成可能なスポットSPである。また、同図では特に、チップCP_Cにより形成可能なスポットSPのうち、該チップCP_Cに対向するマイクロレンズML_C1により形成可能なスポットSPと、該チップCP_Cに対向するマイクロレンズML_C2により形成可能なスポットSPとを示している。
同図が示すように、各チップCPは、形成可能な複数のスポットSPのうちから選択したスポットSP(同図斜線スポット)のみを形成する。つまり、同図に示す範囲においては、チップCP_Aは、実際のスポット形成動作において、形成可能な複数のスポットSPのうちから16個のスポットSPのみを実際に形成している。かかるスポット形成動作を実行すべく、チップCP_Aは、マイクロレンズML_A2に対向する複数の発光素子2951から8個の発光素子2951を選択して発光させることで、マイクロレンズML_A2により形成可能な複数のスポットのうち8個のスポットSP7〜SP14を主走査方向MDに並べて(つまりスポットグループSG_A2を形成して)照射領域IR_A2を形成している。また、チップCP_Aは、マイクロレンズML_A3に対向する複数の発光素子2951から8個の発光素子2951を選択して発光させることで、マイクロレンズML_A3により形成可能な複数のスポットのうち8個のスポットSP7〜SP14を主走査方向MDに並べて(つまりスポットグループSG_A3を形成して)照射領域IR_A3を形成している。
また、同図に示す範囲においては、チップCP_Bは、実際のスポット形成動作において、形成可能な複数のスポットSPのうちから8個のスポットSPのみを実際に形成している。かかるスポット形成動作を実行すべく、チップCP_Bは、マイクロレンズML_B2に対向する複数の発光素子2951から8個の発光素子2951を選択して発光させることで、マイクロレンズML_B2により形成可能な複数のスポットのうち8個のスポットSP7〜SP14を主走査方向MDに並べて(つまりスポットグループSG_B2を形成して)照射領域IR_B2を形成している。更に、同図に示す範囲においては、チップCP_Cは、実際のスポット形成動作において、形成可能な複数のスポットSPのうちから8個のスポットSPのみを実際に形成している。かかるスポット形成動作を実行すべく、チップCP_Cは、マイクロレンズML_C2に対向する複数の発光素子2951から8個の発光素子2951を選択して発光させることで、マイクロレンズML_C2により形成可能なスポットのうち8個のスポットSP7〜SP14を主走査方向MDに並べて(つまりスポットグループSG_C2を形成して)照射領域IR_C2を形成している。
なお、同図においては、チップCP_Aにより形成されるスポットグループSGとして、スポットグループSG_A2,SG_A3の2つのみが示され、チップCP_Bにより形成されるスポットグループSGとして、スポットグループSG_B2のみが示され、チップCP_Cにより形成されるスポットグループSGとして、スポットグループSG_C2のみが示されている。しかしながら、各チップCPに対向する3つのマイクロレンズMLのそれぞれがスポットグループSGを形成可能である。したがって、実際には、1つのチップCPにより3つのスポットグループSGが形成可能である。
ここで注目すべきは、チップCP_Aにより形成される照射領域IR_A2と、チップCP_Bにより形成される照射領域IR_B2とが主走査方向MDにおいて繋がるように、チップCP_A及びチップCP_Bそれぞれの素子集合2951SETの発光素子2951が発光している点である。つまり、チップCP_Aは、素子集合2951SETが有する複数の発光素子2951のうち、照射領域IR_A2を照射するスポットSP7〜SP14に対応する8個の発光素子2951のみを発光させる。また、チップCP_Bは、素子集合2951SETが有する複数の発光素子2951のうち、照射領域IR_B2を照射するスポットSP7〜SP14に対応する8個の発光素子2951のみを発光させる。これにより、主走査方向MDにおいて隣接する照射領域IR_A2と照射領域IR_B2とが繋がることとなる。
また、同様に、チップCP_Bにより形成される照射領域IR_B2と、チップCP_Cにより形成される照射領域IR_C2とが主走査方向MDにおいて繋がるように、チップCP_B及びチップCP_Cそれぞれの素子集合2951SETの発光素子2951が発光している。つまり、チップCP_Bは、素子集合2951SETが有する複数の発光素子2951のうち、照射領域IR_B2を照射するスポットSP7〜SP14に対応する8個の発光素子2951のみを発光させる。また、チップCP_Cは、素子集合2951SETが有する複数の発光素子2951のうち、照射領域IR_C2を照射するスポットSP7〜SP14に対応する8個の発光素子2951のみを発光させる。これにより、主走査方向MDにおいて隣接する照射領域IR_B2と照射領域IR_C2とが繋がることとなる。
このように、第9実施形態では、互いに異なるチップCPにより形成されるとともに主走査方向MDにおいて隣接する照射領域が繋がるように、素子集合2951SETの発光素子2951の発光が制御されている。特に、第9実施形態では、照射領域を良好に繋げるために、互いに異なるチップCPにより形成されるとともに隣接するスポットSPの間のピッチが、最大ピッチ以下で且つ最小ピッチ以上となるように、発光素子2951の発光を制御している。具体的には、同一のチップにより形成されるとともに主走査方向MDにおいて隣接するスポットSPの間のスポットピッチをチップ内スポットピッチPsp_inと定義し、互いに異なるチップCPにより形成されるとともに主走査方向MDにおいて隣接するスポットSPの間のスポットピッチをチップ外スポットピッチPsp_outと定義したとき、次式
0.5×Psp_in≦Psp_out≦1.5×Psp_in …式1
を満たすように、素子集合2951SETの発光素子2951の発光が制御されている。なお、上述のような発光素子2951の制御は、例えば、ヘッドコントローラHCのヘッド制御モジュール54(制御手段)により実行することができる。
なお、図35では、照射領域IR_A2と照射領域IR_B2との間のスポット外ピッチPsp_outは、スポット内ピッチPsp_inと同じである。また、照射領域IR_B2と照射領域IR_C2との間のスポット外ピッチPsp_outも、スポット内ピッチPsp_inと同じである。
また、第9実施形態にかかるラインヘッド29においても、1つのチップCPに対向して複数のマイクロレンズMLが対向して設けられている。したがって、ラインヘッド29の組立におけるチップCPの接合回数を抑えて、組立に要する時間やコストの削減が可能となっている。
第10実施形態
ところで、チップCPが所望の位置からずれた位置に接合される接合誤差等に起因して、像面でのスポットグループSGの位置が所望位置からずれる場合がある。そこで、これから説明するように、スポットグループSGを形成しても良い。
図36は、第10実施形態にかかるラインヘッドにより感光体表面に形成されるスポットの位置を示す図である。図36についての以下の説明では、主に図35との違いを説明し、図35との共通部分については相当符号を付して説明を省略する。図36は、チップCP_Bの位置が所望位置から長手方向LGDにずれて、結果として、チップCP_Bにより形成可能なスポットの位置が、主走査方向MDの上流側にチップ内スポットピッチPsp_inの0.4倍(つまり、0.4・Psp_in)だけずれた場合に対応する。かかるチップの位置ずれにより、例えば、位置ずれが無い状態(図35)では主走査方向位置が一致していたマイクロレンズML_A2により形成可能なスポットSP7と、マイクロレンズML_B2により形成可能なスポットSP15とが、主走査方向MDにおいてチップ内スポットピッチPsp_inの0.4倍だけ位置ずれを起こしている。また、位置ずれが無い状態(図35)では主走査方向位置が一致していたマイクロレンズML_B2により形成可能なスポットSP7と、マイクロレンズML_C2により形成可能なスポットSP15とが、主走査方向MDにおいてチップ内スポットピッチPsp_inの0.4倍だけ位置ずれを起こしている。
図36では、照射領域IR_A2と照射領域IR_B2との間のスポット外ピッチPsp_outはスポット内ピッチPsp_inの0.6倍(つまり、Psp_out=0.6・Psp_in)である。さらに、照射領域IR_B2と照射領域IR_C2との間のスポット外ピッチPsp_outはスポット内ピッチPsp_inの1.4倍(つまり、Psp_out=1.4・Psp_in)である。このように、照射領域IR_A2と照射領域IR_B2との間のスポット外ピッチPsp_out及び照射領域IR_B2と照射領域IR_C2との間のスポット外ピッチPsp_outの何れもが、上述の式1の条件を満たすように、素子集合2951SETの発光素子の発光が制御されている。こうして、主走査方向MDにおいて隣接する照射領域が繋がることとなる。
また、第10実施形態にかかるラインヘッド29においても、1つのチップCPに対向して複数のマイクロレンズMLが対向して設けられている。したがって、ラインヘッド29の組立におけるチップCPの接合回数を抑えて、組立に要する時間やコストの削減が可能となっている。
第11実施形態
図37は、第11実施形態にかかるラインヘッドにより感光体表面に形成されるスポットの位置を示す図である。図37についての以下の説明では、主に図35との違いを説明し、図35との共通部分については相当符号を付して説明を省略する。図37は、チップCP_Bの位置が所望位置から長手方向LGDにずれて、結果として、チップCP_Bにより形成可能なスポットの位置が、主走査方向MDの上流側にチップ内スポットピッチPsp_inの0.7倍(つまり、0.7・Psp_in)だけずれた場合に対応する。かかるチップの位置ずれにより、例えば、位置ずれが無い状態(図35)では主走査方向位置が一致していたマイクロレンズML_A2により形成可能なスポットSP7と、マイクロレンズML_B2により形成可能なスポットSP15とが、主走査方向MDにおいてチップ内スポットピッチPsp_inの0.7倍だけ位置ずれを起こしている。また、位置ずれが無い状態(図35)では主走査方向位置が一致していたマイクロレンズML_B2により形成可能なスポットSP7と、マイクロレンズML_C2により形成可能なスポットSP15とが、主走査方向MDにおいてチップ内スポットピッチPsp_inの0.7倍だけ位置ずれを起こしている。
図37では、チップCP_Bは、その照射領域IR_B2をチップCP_Aの照射領域IR_A2と繋げるために、図35、図36では形成していたスポットSP14を形成していない。換言すれば、照射領域IR_A2と照射領域IR_B2とを繋げるために、チップCP_Bの素子集合2951SETが有する複数の発光素子2951のうち、該スポットSP14に対応する発光素子2951が発光しないように、素子集合2951SETの発光が制御されている。つまり、図37では、チップCP_Bの位置ずれに応じて、チップCP_Bの素子集合2951SETの発光素子の発光が制御されている。これにより、チップCP_Bに位置ずれが発生しているにも拘わらず、主走査方向MDにおいて隣接する照射領域IR_A2と照射領域IR_B2とが繋がることとなる。
さらに、図37では、チップCP_Bは、その照射領域IR_B2をチップCP_Cの照射領域IR_C2と繋げるために、図35、図36では形成していなかったスポットSP6を形成している。換言すれば、照射領域IR_C2と照射領域IR_B2とを繋げるために、チップCP_Bの素子集合2951SETが有する複数の発光素子2951のうち、該スポットSP6に対応する発光素子2951が発光するように、素子集合2951SETの発光が制御されている。つまり、図37では、チップCP_Bの位置ずれに応じて、チップCP_Bの素子集合2951SETの発光素子の発光が制御されている。これにより、チップCP_Bに位置ずれが発生しているにも拘わらず、主走査方向MDにおいて隣接する照射領域IR_B2と照射領域IR_C2とが繋がることとなる。
また、図37では、照射領域IR_A2と照射領域IR_B2との間のスポット外ピッチPsp_outはスポット内ピッチPsp_inの1.3倍(つまり、Psp_out=1.3・Psp_in)である。さらに、照射領域IR_B2と照射領域IR_C2との間のスポット外ピッチPsp_outはスポット内ピッチPsp_inの0.7倍(つまり、Psp_out=0.7・Psp_in)である。このように、照射領域IR_A2と照射領域IR_B2との間のスポット外ピッチPsp_out及び照射領域IR_B2と照射領域IR_C2との間のスポット外ピッチPsp_outの何れもが、上述の式1の条件を満たすように、素子集合2951SETの発光素子の発光が制御されている。こうして、主走査方向MDにおいて隣接する照射領域が繋がることとなる。
また、第11実施形態にかかるラインヘッド29においても、1つのチップCPに対向して複数のマイクロレンズMLが対向して設けられている。したがって、ラインヘッド29の組立におけるチップCPの接合回数を抑えて、組立に要する時間やコストの削減が可能となっている。
第12実施形態
図38は、第12実施形態にかかるラインヘッドにより感光体表面に形成されるスポットの位置を示す図である。図38についての以下の説明では、主に図35との違いを説明し、図35との共通部分については相当符号を付して説明を省略する。図38は、チップCP_Bの位置が所望位置から長手方向LGDにずれて、結果として、チップCP_Bにより形成可能なスポットの位置が、主走査方向MDの上流側にチップ内スポットピッチPsp_inの1.4倍(つまり、1.4・Psp_in)だけずれた場合に対応する。かかるチップの位置ずれにより、例えば、位置ずれが無い状態(図35)では主走査方向位置が一致していたマイクロレンズML_A2により形成可能なスポットSP7と、マイクロレンズML_B2により形成可能なスポットSP15とが、主走査方向MDにおいてチップ内スポットピッチPsp_inの1.4倍だけ位置ずれを起こしている。また、位置ずれが無い状態(図35)では主走査方向位置が一致していたマイクロレンズML_B2により形成可能なスポットSP7と、マイクロレンズML_C2により形成可能なスポットSP15とが、主走査方向MDにおいてチップ内スポットピッチPsp_inの1.4倍だけ位置ずれを起こしている。
図38では、チップCP_Bは、その照射領域IR_B2をチップCP_Aの照射領域IR_A2と繋げるために、図35、図36では形成していたスポットSP14を形成していない。換言すれば、照射領域IR_A2と照射領域IR_B2とを繋げるために、チップCP_Bの素子集合2951SETが有する複数の発光素子2951のうち、該スポットSP14に対応する発光素子2951が発光しないように、素子集合2951SETの発光が制御されている。つまり、図38では、チップCP_Bの位置ずれに応じて、チップCP_Bの素子集合2951SETの発光素子の発光が制御されている。これにより、チップCP_Bに位置ずれが発生しているにも拘わらず、主走査方向MDにおいて隣接する照射領域IR_A2と照射領域IR_B2とが繋がることとなる。
さらに、図38では、チップCP_Bは、その照射領域IR_B2をチップCP_Cの照射領域IR_C2と繋げるために、図35、図36では形成していなかったスポットSP6を形成している。換言すれば、照射領域IR_C2と照射領域IR_B2とを繋げるために、チップCP_Bの素子集合2951SETが有する複数の発光素子2951のうち、該スポットSP6に対応する発光素子2951が発光するように、素子集合2951SETの発光が制御されている。つまり、図38では、チップCP_Bの位置ずれに応じて、チップCP_Bの素子集合2951SETの発光素子の発光が制御されている。これにより、チップCP_Bに位置ずれが発生しているにも拘わらず、主走査方向MDにおいて隣接する照射領域IR_B2と照射領域IR_C2とが繋がることとなる。
また、図38では、照射領域IR_A2と照射領域IR_B2との間のスポット外ピッチPsp_outはスポット内ピッチPsp_inの0.6倍(つまり、Psp_out=0.6・Psp_in)である。さらに、照射領域IR_B2と照射領域IR_C2との間のスポット外ピッチPsp_outはスポット内ピッチPsp_inの1.4倍(つまり、Psp_out=1.4・Psp_in)である。このように、照射領域IR_A2と照射領域IR_B2との間のスポット外ピッチPsp_out及び照射領域IR_B2と照射領域IR_C2との間のスポット外ピッチPsp_outの何れもが、上述の式1の条件を満たすように、素子集合2951SETの発光素子の発光が制御されている。こうして、主走査方向MDにおいて隣接する照射領域がつながることとなる。
また、第12実施形態にかかるラインヘッド29においても、1つのチップCPに対向して複数のマイクロレンズMLが対向して設けられている。したがって、ラインヘッド29の組立におけるチップCPの接合回数を抑えて、組立に要する時間やコストの削減が可能となっている。
第13実施形態
図39は、第13実施形態にかかるラインヘッドにより感光体表面に形成されるスポットの位置を示す図である。図39についての以下の説明では、主に図35との違いを説明し、図35との共通部分については相当符号を付して説明を省略する。図39は、チップCP_Bの位置が所望位置から長手方向LGDにずれて、結果として、チップCP_Bにより形成可能なスポットの位置が、主走査方向MDの上流側にチップ内スポットピッチPsp_inの1.7倍(つまり、1.7・Psp_in)だけずれた場合に対応する。かかるチップの位置ずれにより、例えば、位置ずれが無い状態(図35)では主走査方向位置が一致していたマイクロレンズML_A2により形成可能なスポットSP7と、マイクロレンズML_B2により形成可能なスポットSP15とが、主走査方向MDにおいてチップ内スポットピッチPsp_inの1.7倍だけ位置ずれを起こしている。また、位置ずれが無い状態(図35)では主走査方向位置が一致していたマイクロレンズML_B2により形成可能なスポットSP7と、マイクロレンズML_C2により形成可能なスポットSP15とが、主走査方向MDにおいてチップ内スポットピッチPsp_inの1.7倍だけ位置ずれを起こしている。
図39では、チップCP_Bは、その照射領域IR_B2をチップCP_Aの照射領域IR_A2と繋げるために、図35、図36では形成していたスポットSP14を形成していない。さらに図35〜図38では形成していたスポットSP13をも形成していない。換言すれば、照射領域IR_A2と照射領域IR_B2とを繋げるために、チップCP_Bの素子集合2951SETが有する複数の発光素子2951のうち、これらのスポットSP13,SP14に対応する発光素子2951が発光しないように、素子集合2951SETの発光が制御されている。つまり、図39では、チップCP_Bの位置ずれに応じて、チップCP_Bの素子集合2951SETの発光素子の発光が制御されている。これにより、チップCP_Bに位置ずれが発生しているにも拘わらず、主走査方向MDにおいて隣接する照射領域IR_A2と照射領域IR_B2とが繋がることとなる。
さらに、図39では、チップCP_Bは、その照射領域IR_B2をチップCP_Cの照射領域IR_C2と繋げるために、図35、図36では形成していなかったスポットSP6を形成している。さらに図35〜図38では形成していなかったスポットSP5をも形成している。換言すれば、照射領域IR_C2と照射領域IR_B2とを繋げるために、チップCP_Bの素子集合2951SETが有する複数の発光素子2951のうち、該スポットSP5,SP6に対応する発光素子2951が発光するように、素子集合2951SETの発光が制御されている。つまり、図39では、チップCP_Bの位置ずれに応じて、チップCP_Bの素子集合2951SETの発光素子の発光が制御されている。これにより、チップCP_Bに位置ずれが発生しているにも拘わらず、主走査方向MDにおいて隣接する照射領域IR_B2と照射領域IR_C2とが繋がることとなる。
また、図39では、照射領域IR_A2と照射領域IR_B2との間のスポット外ピッチPsp_outはスポット内ピッチPsp_inの1.3倍(つまり、Psp_out=1.3・Psp_in)である。さらに、照射領域IR_B2と照射領域IR_C2との間のスポット外ピッチPsp_outはスポット内ピッチPsp_inの0.7倍(つまり、Psp_out=0.7・Psp_in)である。このように、照射領域IR_A2と照射領域IR_B2との間のスポット外ピッチPsp_out及び照射領域IR_B2と照射領域IR_C2との間のスポット外ピッチPsp_outの何れもが、上述の式1の条件を満たすように、素子集合2951SETの発光素子の発光が制御されている。こうして、主走査方向MDにおいて隣接する照射領域が繋がることとなる。
また、第13実施形態にかかるラインヘッド29においても、1つのチップCPに対向して複数のマイクロレンズMLが対向して設けられている。したがって、ラインヘッド29の組立におけるチップCPの接合回数を抑えて、組立に要する時間やコストの削減が可能となっている。
その他
このように、上記実施形態では、長手方向LGD・主走査方向MDが本発明の「第2方向」に相当し、幅方向LTD・副走査方向SDが本発明の「第1方向」に相当し、チップCPが本発明の「第1基板」に相当し、ヘッド基板293が本発明の「第2基板」に相当し、マイクロレンズアレイ299が本発明の「光学系」に相当し、感光体ドラム21が本発明の「潜像担持体」に相当し、感光体ドラム21の表面が本発明の「像面」に相当している。
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、上記実施形態でのチップCPは、発光素子2951としてのLED(Light Emitting Diode)を複数有する所謂LEDアレイであるが、チップCPはこれに限られない。つまり、所謂VCSEL(Vertical Cavity Surface Emitting Laser)と称される面発光レーザを有するチップCPを用いても良い。なお、このような面発光レーザを有するチップとしては、例えば特開2001−358411号公報に記載の2次元面発光レーザアレイが知られている。このような面発光レーザダイオードも比較的高い輝度を有するため、良好な露光が可能となる。
また上記実施形態は、1つのチップCPに3個のマイクロレンズMLを対向させている。しかしながら、1つのチップCPに対向させるマイクロレンズMLの個数は3個に限られず、要するに2個以上であれば良い。換言すれば、1つのチップCPで複数のスポットグループSGを形成するように構成すれば良い。
また、上記第2,第3実施形態では、同一のチップCPに対応する露光領域は互いに隣接しているが、このように構成することは本発明に必須ではない。しかしながら、同一のチップCPに対応する露光領域が互いに隣接する構成は、次の点で好適である。上述のような隙間または縦筋は、ヘッド基板上におけるチップCPが所望位置からずれることによっても起こる可能性がある。つまり、互いに隣接する露光領域を露光可能である2つのチップCPを考えた場合、ヘッド基板上における2つのチップCPの相対関係がずれると、これら2つのチップCPにより露光可能である露光領域の間に隙間が発生する可能性がある。換言すれば、互いに異なるチップにより露光可能であるとともに隣接する露光領域の間には、チップCPの位置ずれに起因して隙間が発生する可能性がある。したがって、隙間の発生原因を排除するとの観点から、隣接する露光領域は、できるだけ互いに同一のチップCPにより露光可能であることが好適である。そこで、同一のチップCPに対応する露光領域は互いに隣接するようにラインヘッド29を構成しても良い。
また、上述の実施形態では、マイクロレンズMLの倍率の絶対値は1より大きいが、マイクロレンズMLの倍率はこれに限られない。しかしながら、マイクロレンズMLの倍率の絶対値が1より大きいラインヘッド29にあっては、マイクロレンズMLとチップCPの相対位置のずれが僅かであっても、かかる位置ずれは拡大されて感光体表面での露光領域のずれとなる。したがって、かかるマイクロレンズMLを備えるラインヘッド29では、上述のような隙間の問題が発生しやすい。そこで、かかるラインヘッド29では、互いに隣接する露光領域が、部分的に重複して重複露光領域EX_ORを形成するように構成することが、特に好適である。
また、上記実施形態では、長手方向LGDに所定間隔毎に4個または5個の発光素子2951を並べて構成される発光素子行2951Rを、幅方向LTDに2個並べている。しかしながら、発光素子行2951Rの構成及び配置の態様(換言すれば、複数の発光素子の配置態様)は、これに限られるものではない。要は、複数の発光素子2951の配置態様としては、長手方向LGDの位置がそれぞれ異なるように配置すればよい。
また、上記実施形態では、発光素子グループ列295Cを構成する発光素子グループ295の個数は2または3であった。しかしながら、発光素子グループ列295Cを構成する発光素子グループ295の個数は、これに限られず複数であれば良い。
また、上記実施形態では、カラー画像形成装置に本発明が適用されているが、本発明の適用対象はこれに限定されるものではなく、いわゆる単色画像を形成するモノクロ画像形成装置に対しても本発明を適用することができる。
21Y、21K…感光体ドラム(潜像担持体)、 29…ラインヘッド、 295…発光素子グループ、 2951…発光素子、 295C…発光素子グループ列、 2951R…発光素子行、 293…ヘッド基板(第2基板)、299…マイクロレンズアレイ(光学系)、 ML…マイクロレンズ、 CP…チップ(第1基板)、 EX_A1,EX_A2,EX_A3,EX_B1…露光領域、 EX_OR,EX_OR1,EX_OR2,EX_OR3…重複露光領域、 MD…主走査方向(第2方向), SD…副走査方向(第1方向)、 FP…対向位置、 LGD…長手方向(第2方向)、 LTD…幅方向(第1方向)、 CLG…チップ長軸、 CLT…チップ短軸