JP2008036937A - ラインヘッド及び該ラインヘッドを用いた画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】複数の発光素子グループを並べて配置するとともに該複数の発光素子グループに対して一対一で複数の結像レンズを配置するラインヘッドにおいて、クロストークの発生を抑制して、良好なスポット形成の実現を可能にする技術を提供する。
【解決手段】主走査グループ幅Gxが副走査グループ幅Gyより大きく設定されているラインヘッドにおいて、主走査グループピッチPxが副走査グループピッチPyより大きくなるように構成することで、主走査方向XXへのクロストークを抑制して良好なスポット形成を実現する。
【選択図】図12
【解決手段】主走査グループ幅Gxが副走査グループ幅Gyより大きく設定されているラインヘッドにおいて、主走査グループピッチPxが副走査グループピッチPyより大きくなるように構成することで、主走査方向XXへのクロストークを抑制して良好なスポット形成を実現する。
【選択図】図12
Description
この発明は、被走査面に対して光ビームを走査するラインヘッド及び該ラインヘッドを用いた画像形成装置に関するものである。
この種のラインヘッドとしては、例えば特許文献1に記載のように、複数の発光素子を配列して構成される発光素子グループ(同特許文献における「発光素子アレイ」)を用いたものが提案されている。さらに、特許文献1記載のラインヘッドでは、複数の発光素子グループを並べて配置するとともに、該複数の発光素子グループに対して一対一で複数の結像レンズを対向配置している。そして、発光素子グループの発光素子から射出された光ビームは、該発光素子グループに対向する結像レンズにより結像されて、被走査面にスポットが形成される。
ところで、上述のようなラインヘッドにおいては、発光素子グループの発光素子から射出された光ビームが、該発光素子グループに対向する結像レンズにのみ入射することが好適である。しかしながら、かかるラインヘッドでは、複数の発光素子グループを並べて配置するとともに該複数の発光素子グループに対して一対一で対向して複数の結像レンズを配置しているため、いわゆるクロストークが発生する場合があった。即ち、ある発光素子から射出された光ビームが、該発光素子に対向する結像レンズに隣り合う結像レンズにも入射することがあった。そして、その結果、良好なスポット形成が実現できないという問題が発生する場合があった。
この発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、複数の発光素子グループを並べて配置するとともに該複数の発光素子グループに対して一対一で複数の結像レンズを配置するラインヘッドにおいて、クロストークの発生を抑制して、良好なスポット形成の実現を可能にする技術を提供することを目的とする。
この発明にかかるラインヘッドは、主走査方向に略直交する副走査方向に搬送される被走査面に光ビームを結像してスポットを形成するラインヘッドであって、上記目的を達成するために、それぞれが複数の発光素子を有する複数の発光素子グループと、該複数の発光素子グループに一対一で対応して配置されるとともに各々がそれに対応する発光素子グループに属する複数の発光素子各々から射出される光ビームを被走査面に結像する複数の結像レンズと備え、複数の発光素子グループの各々では、主走査方向における最上流の発光素子と最下流の発光素子との距離Gxが副走査方向における最上流の発光素子と最下流の発光素子との距離Gyよりも大きくなるように、2個以上の発光素子を主走査方向に並べた発光素子列が副走査方向に複数並べられて複数の発光素子が2次元配置され、しかも、主走査グループピッチPxが副走査グループピッチPyよりも大きくなるように、2個以上の発光素子グループを主走査方向に主走査グループピッチPxで並べたグループ列が副走査方向に副走査グループピッチPyで複数並べられて複数の発光素子グループが2次元配置されていることを特徴としている。
このように構成されたラインヘッドでは、複数の発光素子により構成される発光素子グループが複数個設けられている。また、各発光素子グループに対応して結像レンズが配置されている。つまり、発光素子グループと同一個数の結像レンズが設けられ、複数の発光素子グループと複数の結像レンズとが互いに一対一の対応関係で配置されている。そして、複数の発光素子グループの各々では、2個以上の発光素子を主走査方向に並べた発光素子列が副走査方向に複数並べられて複数の発光素子が2次元配置されている。また、これらの発光素子から光ビームが射出されると、該発光素子グループに対応する結像レンズにより光ビームが被走査面に結像されてスポットが形成される。特に、本発明では、発光素子グループおよび発光素子は次のように配置されている。すなわち、発光素子グループは主走査方向に主走査グループピッチPxで並べられてグループ列が複数個形成されている。しかも、これらのグループ列は副走査方向に副走査グループピッチPyで並べられている。このような配列を採用することで複数の発光素子グループが2次元配置されている。
また、各発光素子グループでは、主走査方向における最上流の発光素子と最下流の発光素子との距離Gxが副走査方向における最上流の発光素子と最下流の発光素子との距離Gyよりも大きくなっている。したがって、各発光素子グループは主走査方向を長軸とする扁平配列構造を有している。その結果、主走査方向におけるクロストークが発生する可能性が生じている。というのも、上記のような配置構成を有するラインヘッドでは、発光素子グループの一方端側発光素子と、該発光素子に隣接する発光素子グループに対応する結像レンズと距離Δ(後の図12参照)が小さくなる傾向にあるからである。
そこで、本発明では、グループ列を構成する複数の発光素子グループ間のピッチ、つまり主走査グループピッチPxがグループ列のピッチ、つまり副走査グループピッチPyよりも大きくなるように構成されている。このため、主走査方向において互いに隣接する発光素子グループ間の間隔が十分に確保される。その結果、上記距離Δが十分に確保される。したがって、発光素子グループ端部に位置する発光素子から射出された光ビームが、該発光素子に対応する結像レンズに主走査方向に隣り合う結像レンズにも入射するという、主走査方向へのクロストークを抑制することが可能となり、良好なスポット形成の実現が可能となる。
ところで、上記ラインヘッドは、発光素子グループの発光素子から射出された光ビームを結像レンズにより結像することで、被走査面にスポットを形成する。この際、ラインヘッドは、所定の解像度を実現するように被走査面にスポットを形成する。換言すれば、被走査面で互いに隣接するスポット間の距離は、予め設定された解像度を実現するように設定されている。よって、結像レンズは、かかるスポット間距離を実現すべく、発光素子グループが有する複数の発光素子から射出される光ビームを所定の倍率で拡大・縮小して、被走査面にスポットを形成する。
ここで、結像レンズが拡大光学系(倍率の絶対値が1より大きい結像レンズ)である場合と縮小光学系(倍率の絶対値が1より小さい結像レンズ)である場合とで、上述のような解像度実現のために求められる発光素子グループの構成について考える。結像レンズが拡大光学系の場合、主走査方向に隣り合う2個の発光素子から射出された光ビームは、拡大されながら被走査面に2個のスポットとして形成される。つまり、これら2個の発光素子間距離に比べて、被走査面の2個のスポット間距離は大きい。一方、結像レンズが縮小光学系の場合における発光素子間距離とスポット間距離との関係は、拡大光学系の場合と逆となる。つまり、2個の発光素子間距離に比べて、被走査面の2個のスポット間距離は小さい。よって、同じ解像度を実現するにあたっては、拡大光学系を用いた場合は、主走査方向に隣り合う発光素子間距離は小さいことが求められるのに対して、縮小光学系を用いた場合は、主走査方向に隣り合う発光素子間距離は大きいことが求められる。その結果、拡大光学系を用いた場合は、主走査グループ幅が小さい発光素子グループが求められるのに対して、縮小光学系を用いた場合は、主走査グループ幅が大きい発光素子グループが求められることとなる。
そこで、結像レンズの倍率の絶対値を1より大きい値に設定しても良い。なんとなれば、このように構成することで、上述のような、発光素子グループ端部に位置する発光素子から射出された光ビームが、該発光素子に対応する結像レンズに主走査方向に隣り合う結像レンズにも入射するという主走査方向へのクロストークを、より効果的に抑制することが可能となり、より良好なスポット形成の実現が可能となるからである。つまり、上述の議論が示すとおり、結像レンズとして拡大光学系を用いた場合、発光素子グループの主走査グループ幅を小さくすることができる。よって、主走査方向における発光素子グループの端部に位置する発光素子と、該発光素子に対応する結像レンズに主走査方向に隣り合う結像レンズとの距離を大きくすることが可能となる。したがって、発光素子グループ端部に位置する発光素子から射出された光ビームが、該発光素子に対応する結像レンズに主走査方向に隣り合う結像レンズにも入射するという主走査方向へのクロストークを、より効果的に抑制することが可能となり、より良好なスポット形成の実現が可能となる。
また、1つの発光素子グループにおいて、発光素子グループの位置に対して該発光素子グループに属する複数の発光素子が対称に配置されている場合、該発光素子グループの位置が対応する結像レンズの光軸上にあるように構成しても良い。なんとなれば、発光素子グループ端部に位置する発光素子から射出された光ビームが、該発光素子に対応する結像レンズに主走査方向に隣り合う結像レンズにも入射するという主走査方向へのクロストークを、より効果的に抑制することが可能となり、より良好なスポット形成の実現が可能となるからである。なお、この理由については後述する。
また、この発明にかかる画像形成装置は、上記目的を達成するために、その表面が副走査方向に搬送される潜像担持体と、潜像担持体の表面を被走査面として該潜像担持体表面にスポットを形成する上記ラインヘッドと同一構成を有する露光手段とを備えることを特徴としている。よって、発光素子グループ端部に位置する発光素子から射出された光ビームが、該発光素子に対応する結像レンズに主走査方向に隣り合う結像レンズにも入射するという、主走査方向へのクロストークを抑制することが可能となり、良好なスポットにより画像形成を実行することが可能となる。
図1は本発明にかかる画像形成装置の一実施形態を示す図である。また、図2は図1の画像形成装置の電気的構成を示す図である。この装置は、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)の4色のトナーを重ね合わせてカラー画像を形成するカラーモードと、ブラック(K)のトナーのみを用いてモノクロ画像を形成するモノクロモードとを選択的に実行可能な画像形成装置である。なお図1は、カラーモード実行時に対応する図面である。この画像形成装置では、ホストコンピューターなどの外部装置から画像形成指令がCPUやメモリなどを有するメインコントローラMCに与えられると、このメインコントローラMCはエンジンコントローラECに制御信号などを与えるとともに画像形成指令に対応するビデオデータVDをヘッドコントローラHCに与える。また、このヘッドコントローラHCは、メインコントローラMCからのビデオデータVDとエンジンコントローラECからの垂直同期信号Vsyncおよびパラメータ値とに基づき各色のラインヘッド29を制御する。これによって、エンジン部EGが所定の画像形成動作を実行し、複写紙、転写紙、用紙およびOHP用透明シートなどのシートに画像形成指令に対応する画像を形成する。
この実施形態にかかる画像形成装置が有するハウジング本体3内には、電源回路基板、メインコントローラMC、エンジンコントローラECおよびヘッドコントローラHCを内蔵する電装品ボックス5が設けられている。また、画像形成ユニット7、転写ベルトユニット8および給紙ユニット11もハウジング本体3内に配設されている。また、図1においてハウジング本体3内右側には、2次転写ユニット12、定着ユニット13、シート案内部材15が配設されている。なお、給紙ユニット11は、装置本体1に対して着脱自在に構成されている。そして、該給紙ユニット11および転写ベルトユニット8については、それぞれ取り外して修理または交換を行うことが可能な構成になっている。
画像形成ユニット7は、複数の異なる色の画像を形成する4個の画像形成ステーションY(イエロー用)、M(マゼンダ用)、C(シアン用)、K(ブラック用)を備えている。また、各画像形成ステーションY,M,C,Kには、それぞれの色のトナー像がその表面に形成される感光体ドラム21が設けられている。各感光体ドラム21はそれぞれ専用の駆動モータに接続され図中矢印D21の方向に所定速度で回転駆動される。これにより感光体ドラム21の表面が副走査方向に搬送されることとなる。また、感光体ドラム21の周囲には、回転方向に沿って帯電部23、ラインヘッド29、現像部25および感光体クリーナ27が配設されている。そして、これらの機能部によって帯電動作、潜像形成動作及びトナー現像動作が実行される。したがって、カラーモード実行時は、全ての画像形成ステーションY,M,C,Kで形成されたトナー像を転写ベルトユニット8が有する転写ベルト81に重ね合わせてカラー画像を形成するとともに、モノクロモード実行時は、画像形成ステーションKで形成されたトナー像のみを用いてモノクロ画像を形成する。なお、図1において、画像形成ユニット7の各画像形成ステーションは構成が互いに同一のため、図示の便宜上一部の画像形成ステーションのみに符号をつけて、他の画像形成ステーションについては符号を省略する。
帯電部23は、その表面が弾性ゴムで構成された帯電ローラを備えている。この帯電ローラは帯電位置で感光体ドラム21の表面と当接して従動回転するように構成されており、感光体ドラム21の回転動作に伴って感光体ドラム21に対して従動方向に周速で従動回転する。また、この帯電ローラは帯電バイアス発生部(図示省略)に接続されており、帯電バイアス発生部からの帯電バイアスの給電を受けて帯電部23と感光体ドラム21が当接する帯電位置で感光体ドラム21の表面を帯電させる。
ラインヘッド29は、感光体ドラム21の軸方向(図1の紙面に対して垂直な方向)に配列された複数の発光素子を備えるとともに、感光体ドラム21から離間配置されている。そして、これらの発光素子から、帯電部23により帯電された感光体ドラム21の表面に対して光を照射して該表面に潜像を形成する。なお、この実施形態では、各色のラインヘッド29を制御するためにヘッドコントローラHCが設けられ、メインコントローラMCからのビデオデータVDと、エンジンコントローラECからの信号とに基づき各ラインヘッド29を制御している。すなわち、この実施形態では、画像形成指令に含まれる画像データがメインコントローラMCの画像処理部51に入力される。そして、該画像データに対して種々の画像処理が施されて各色のビデオデータVDが作成されるとともに、該ビデオデータVDがメイン側通信モジュール52を介してヘッドコントローラHCに与えられる。また、ヘッドコントローラHCでは、ビデオデータVDはヘッド側通信モジュール53を介してヘッド制御モジュール54に与えられる。このヘッド制御モジュール54には、上記したように潜像形成に関連するパラメータ値を示す信号と垂直同期信号VsyncがエンジンコントローラECから与えられている。そして、これらの信号およびビデオデータVDなどに基づきヘッドコントローラHCは各色のラインヘッド29に対して素子駆動を制御するための信号を作成し、各ラインヘッド29に出力する。こうすることで、各ラインヘッド29において発光素子の作動が適切に制御されて画像形成指令に対応する潜像が形成される。
そして、この実施形態においては、各画像形成ステーションY,M,C,Kの感光体ドラム21、帯電部23、現像部25および感光体クリーナ27を感光体カートリッジとしてユニット化している。また、各感光体カートリッジには、該感光体カートリッジに関する情報を記憶するための不揮発性メモリがそれぞれ設けられている。そして、エンジンコントローラECと各感光体カートリッジとの間で無線通信が行われる。こうすることで、各感光体カートリッジに関する情報がエンジンコントローラECに伝達されるとともに、各メモリ内の情報が更新記憶される。
現像部25は、その表面にトナーが担持する現像ローラ251を有する。そして、現像ローラ251と電気的に接続された現像バイアス発生部(図示省略)から現像ローラ251に印加される現像バイアスによって、現像ローラ251と感光体ドラム21とが当接する現像位置において、帯電トナーが現像ローラ251から感光体ドラム21に移動してラインヘッド29により形成された静電潜像が顕在化される。
このように上記現像位置において顕在化されたトナー像は、感光体ドラム21の回転方向D21に搬送された後、後に詳述する転写ベルト81と各感光体ドラム21が当接する1次転写位置TR1において転写ベルト81に1次転写される。
また、この実施形態では、感光体ドラム21の回転方向D21の1次転写位置TR1の下流側で且つ帯電部23の上流側に、感光体ドラム21の表面に当接して感光体クリーナ27が設けられている。この感光体クリーナ27は、感光体ドラムの表面に当接することで1次転写後に感光体ドラム21の表面に残留するトナーをクリーニング除去する。
転写ベルトユニット8は、駆動ローラ82と、図1において駆動ローラ82の左側に配設される従動ローラ83(ブレード対向ローラ)と、これらのローラに張架され図示矢印D81の方向(搬送方向)へ循環駆動される転写ベルト81とを備えている。また、転写ベルトユニット8は、転写ベルト81の内側に、感光体カートリッジ装着時において各画像形成ステーションY,M,C,Kが有する感光体ドラム21各々に対して一対一で対向配置される、4個の1次転写ローラ85Y,85M,85C,85Kを備えている。これらの1次転写ローラ85は、それぞれ1次転写バイアス発生部(図示省略)と電気的に接続される。そして、後に詳述するように、カラーモード実行時は、図1に示すように全ての1次転写ローラ85Y,85M,85C,85Kを画像形成ステーションY,M,C,K側に位置決めすることで、転写ベルト81を画像形成ステーションY,M,C,Kそれぞれが有する感光体ドラム21に押し遣り当接させて、各感光体ドラム21と転写ベルト81との間に1次転写位置TR1を形成する。そして、適当なタイミングで上記1次転写バイアス発生部から1次転写ローラ85に1次転写バイアスを印加することで、各感光体ドラム21の表面上に形成されたトナー像を、それぞれに対応する1次転写位置TR1において転写ベルト81表面に転写してカラー画像を形成する。
一方、モノクロモード実行時は、4個の1次転写ローラ85のうち、カラー1次転写ローラ85Y,85M,85Cをそれぞれが対向する画像形成ステーションY,M,Cから離間させるとともにモノクロ1次転写ローラ85Kのみを画像形成ステーションKに当接させることで、モノクロ画像形成ステーションKのみを転写ベルト81に当接させる。その結果、モノクロ1次転写ローラ85Kと画像形成ステーションKとの間にのみ1次転写位置TR1が形成される。そして、適当なタイミングで前記1次転写バイアス発生部からモノクロ1次転写ローラ85Kに1次転写バイアスを印加することで、各感光体ドラム21の表面上に形成されたトナー像を、1次転写位置TR1において転写ベルト81表面に転写してモノクロ画像を形成する。
さらに、転写ベルトユニット8は、モノクロ1次転写ローラ85Kの下流側で且つ駆動ローラ82の上流側に配設された下流ガイドローラ86を備える。また、この下流ガイドローラ86は、モノクロ1次転写ローラ85Kが画像形成ステーションKの感光体ドラム21に当接して形成する1次転写位置TR1での1次転写ローラ85Kと感光体ドラム21との共通内接線上において、転写ベルト81に当接するように構成されている。
駆動ローラ82は、転写ベルト81を図示矢印D81の方向に循環駆動するとともに、2次転写ローラ121のバックアップローラを兼ねている。駆動ローラ82の周面には、厚さ3mm程度、体積抵抗率が1000kΩ・cm以下のゴム層が形成されており、金属製の軸を介して接地することにより、図示を省略する2次転写バイアス発生部から2次転写ローラ121を介して供給される2次転写バイアスの導電経路としている。このように駆動ローラ82に高摩擦かつ衝撃吸収性を有するゴム層を設けることにより、駆動ローラ82と2次転写ローラ121との当接部分(2次転写位置TR2)へのシートが進入する際の衝撃が転写ベルト81に伝達しにくく、画質の劣化を防止することができる。
給紙ユニット11は、シートを積層保持可能である給紙カセット77と、給紙カセット77からシートを一枚ずつ給紙するピックアップローラ79とを有する給紙部を備えている。ピックアップローラ79により給紙部から給紙されたシートは、レジストローラ対80において給紙タイミングが調整された後、シート案内部材15に沿って2次転写位置TR2に給紙される。
2次転写ローラ121は、転写ベルト81に対して離当接自在に設けられ、2次転写ローラ駆動機構(図示省略)により離当接駆動される。定着ユニット13は、ハロゲンヒータ等の発熱体を内蔵して回転自在な加熱ローラ131と、この加熱ローラ131を押圧付勢する加圧部132とを有している。そして、その表面に画像が2次転写されたシートは、シート案内部材15により、加熱ローラ131と加圧部132の加圧ベルト1323とで形成するニップ部に案内され、該ニップ部において所定の温度で画像が熱定着される。加圧部132は、2つのローラ1321,1322と、これらに張架される加圧ベルト1323とで構成されている。そして、加圧ベルト1323の表面のうち、2つのローラ1321,1322により張られたベルト張面を加熱ローラ131の周面に押し付けることで、加熱ローラ131と加圧ベルト1323とで形成するニップ部が広くとれるように構成されている。また、こうして定着処理を受けたシートはハウジング本体3の上面部に設けられた排紙トレイ4に搬送される。
また、この装置では、ブレード対向ローラ83に対向してクリーナ部71が配設されている。クリーナ部71は、クリーナブレード711と廃トナーボックス713とを有する。クリーナブレード711は、その先端部を転写ベルト81を介してブレード対向ローラ83に当接することで、2次転写後に転写ベルトに残留するトナーや紙粉等の異物を除去する。そして、このように除去された異物は、廃トナーボックス713に回収される。また、クリーナブレード711及び廃トナーボックス713は、ブレード対向ローラ83と一体的に構成されている。したがって、次に説明するようにブレード対向ローラ83が移動する場合は、ブレード対向ローラ83と一緒にクリーナブレード711及び廃トナーボックス713も移動することとなる。
図3は、本発明にかかるラインヘッド(露光手段)の一実施形態の概略を示す斜視図である。また、図4は、本発明にかかるラインヘッド(露光手段)の一実施形態の副走査方向の断面図である。本実施形態におけるラインヘッド29は、主走査方向XXを長手方向とするケース291を備えるとともに、かかるケース291の両端には、位置決めピン2911とねじ挿入孔2912が設けられている。そして、かかる位置決めピン2911を、感光体ドラム21を覆うとともに感光体ドラム21に対して位置決めされた感光体カバー(図示省略)に穿設された位置決め孔(図示省略)に嵌め込むことで、ラインヘッド29が感光体ドラム21に対して位置決めされる。そして更に、ねじ挿入孔2912を介して固定ねじを感光体カバーのねじ孔(図示省略)にねじ込んで固定することで、ラインヘッド29が感光体ドラム21に対して位置決め固定される。
ケース291は、感光体ドラム21の表面に対向する位置にマイクロレンズアレイ299を保持するとともに、その内部に、該マイクロレンズアレイ299に近い順番で、遮光部材297及びガラス基板293を備えている。また、ガラス基板293の裏面(ガラス基板293が有する2つの面のうちマイクロレンズアレイ299と逆側の面)には、複数の発光素子グループ295が設けられている。即ち、複数の発光素子グループ295は、ガラス基板293の裏面に、主走査方向XX及び副走査方向YYに互いに所定間隔だけ離れて2次元的に配置されている。ここで、複数の発光素子グループ295の各々は、複数の発光素子を2次元的に配列して構成されるが、これについては後に説明する。また、本実施形態では、発光素子として有機EL(Electro-Luminescence)を用いる。つまり、本実施形態では、ガラス基板293の裏面に有機ELを発光素子として配置している。そして、複数の発光素子それぞれから感光体ドラム21の方向に射出される光ビームは、ガラス基板293を介して遮光部材297へ向うこととなる。
遮光部材297には、複数の発光素子グループ295に対して一対一で複数の導光孔2971が穿設されている。また、かかる導光孔2971は、ガラス基板293の法線と平行な線を中心軸として遮光部材297を貫通する略円柱状の孔として穿設されている。よって、1つの発光素子グループ295に属する発光素子から出た光は全て同一の導光孔2971を介してマイクロレンズアレイ299へ向うとともに、異なる発光素子グループ295からでた光ビーム同士の干渉が遮光部材297により防止される。そして、遮光部材297に穿設された導光孔2971を通過した光ビームは、マイクロレンズアレイ299により、感光体ドラム21の表面にスポットとして結像されることとなる。なお、マイクロレンズアレイ299の具体的構成、及び、該マイクロレンズアレイ299による光ビームの結像状態については、後に詳述する。
図4に示すように、固定器具2914によって、裏蓋2913がガラス基板2913を介してケース291に押圧されている。つまり、固定器具2914は、裏蓋293をケース291側に押圧する弾性力を有するとともに、かかる弾性力により裏蓋を押圧することで、ケース291の内部を光密に(つまり、ケース291内部から光が漏れないように、及び、ケース291の外部から光が侵入しないように)密閉している。なお、固定器具2914は、ケース291の長手方向に複数箇所設けられている。また、発光素子グループ295は、封止部材294により覆われている。
図5は、マイクロレンズアレイの概略を示す斜視図である。また、図6は、マイクロレンズアレイの主走査方向の断面図である。マイクロレンズアレイ299は、ガラス基板2991を有するとともに、該ガラス基板2991を挟むように一対一で配置された2枚のレンズ2993A,2993Bにより構成されるレンズ対を複数有している。なお、これらレンズ2993A,2993Bは樹脂により形成することができる。
つまり、ガラス基板2991の表面2991Aには複数のレンズ2993Aが配置されるとともに、複数のレンズ2993Aに一対一で対応するように、複数のレンズ2993Bがガラス基板2991の裏面2991Bに配置されている。また、レンズ対を構成する2枚のレンズ2993A,2993Bは、相互に光軸OAを共通にする。また、これら複数のレンズ対は、複数の発光素子グループ295に一対一で配置されている。なお、この明細書では、一対一の対を成すレンズ対2993A,2993Bと、かかるレンズ対によって挟まれたガラス基板2991とから成る光学系を「マイクロレンズML」と称することとする。そして、これら複数のレンズ対(マイクロレンズML)は、発光素子グループ295の配置に対応して、主走査方向XX及び副走査方向YYに互いに所定間隔だけ離れて2次元的に配置されている。
図7は、複数の発光素子グループの配置を示す図である。本実施形態では、主走査方向XXに4個の発光素子2951を所定間隔毎に並べて構成される発光素子列L2951を、副走査方向YYに2個並べて、1つの発光素子グループ295を構成している。つまり、同図の2点鎖線で示されるマイクロレンズMLに対応して8個の発光素子2951が、発光素子グループ295を構成している。そして、複数の発光素子グループ295は次のように配置されている。
つまり、主走査方向XXに発光素子グループ295を所定個数(2個以上)並べて構成される発光素子グループ列L295(グループ列)が副走査方向YYに3個並ぶように、発光素子グループ295は2次元的に配置されている。また、全ての発光素子グループ295は、互いに異なる主走査方向位置に配置されている。更に、主走査方向位置が隣り合う発光素子グループ(例えば、発光素子グループ295C1と発光素子グループ295B1)の副走査方向位置が互いに異なるように、複数の発光素子グループ295は配置されている。なお、本明細書において、発光素子2951の幾何重心点を発光素子2951の位置とする。よって、2個の発光素子の間の距離は、各発光素子の幾何重心間距離を意味する。また、本明細書において「発光素子グループの幾何重心」とは、同一の発光素子グループ295に属する全ての発光素子位置の幾何重心を意味する。また、主走査方向位置及び副走査方向位置とはそれぞれ注目する位置の主走査方向成分及び副走査方向成分を意味する。
そして、かかる発光素子グループ295の配置に対応して、遮光部材297に導光孔2971が穿設されるとともに、レンズ2993A,2993Bで構成されるレンズ対が配置される。つまり、本実施形態においては、発光素子グループ295の重心位置と、導光孔2971の中心軸と、レンズ2993A,2993Bで構成されるレンズ対の光軸OAとは、略一致するように構成されている。そして、発光素子グループ295の発光素子2951から射出された光ビームは、対応する導光孔2971を介してマイクロレンズアレイ299に入射するとともに、該マイクロレンズアレイ299により感光体ドラム21の表面にスポットとして結像される。
図8は、本実施形態におけるマイクロレンズアレイの結像状態を示す図である。また、同図では、マイクロレンズアレイ299の結像特性を示すために、発光素子グループ295の幾何重心E0と、該幾何重心E0より所定間隔だけ離れた位置E1,E2とから射出された光ビームの軌跡を表している。かかる軌跡が示すように、各位置から射出された光ビームは、ガラス基板293の裏面に入射した後、該ガラス基板293の表面から射出される。そして、ガラス基板293の表面から射出された光ビームはマイクロレンズアレイ299を介して感光体ドラム表面(被走査面)に到達する。
図8が示すように、発光素子グループの幾何重心位置E0から射出される光ビームは、感光体ドラム21の表面とレンズ2993A,2993Bの光軸OAとの交点I0に結像される。これは、上述の通り、本実施形態では、発光素子グループ295の幾何重心位置E0(発光素子グループ295の位置)がレンズ2993A,2993Bの光軸OAの上に在ることに起因するものである。また、位置E1,E2から射出される光ビームは、それぞれ感光体ドラム21の表面の位置I1,I2に結像される。つまり、位置E1から射出される光ビームは、主走査方向XXにおいてレンズ2993A,2993Bの光軸OAを挟んで逆側の位置I1に結像されるとともに、位置E2から射出される光ビームは、主走査方向XXにおいてレンズ2993A,2993Bの光軸OAを挟んで逆側の位置I2に結像される。即ち、互いに光軸を共通にするレンズ2993A,2993Bから成るレンズ対と、該レンズ対に挟まれるガラス基板2991とで構成された結像レンズは、反転特性を有するいわゆる反転光学系である。
また、同図が示すように、位置E1,E0の間の距離と比較して、光ビームが結像される位置I1,I0の間の距離は長い。即ち、本実施形態における上記光学系の倍率(光学倍率)の絶対値は1より大きい。つまり、本実施形態における上記光学系は、拡大特性を有するいわゆる拡大光学系である。このように本実施形態では、互いに光軸を共通にするレンズ2993A,2993Bから成るレンズ対と、該レンズ対に挟まれるガラス基板2991とで構成された光学系であるマイクロレンズMLが、本発明における「結像レンズ」として機能している。
図9は、本実施形態における発光素子の配置の詳細を示す図である。同図において符号CG2951は、発光素子2951の幾何重心(発光素子2951の位置)を表す。また、符号CG295は、発光素子グループ295に属する8個の発光素子2951各々の位置全ての幾何重心(発光素子グループ295の幾何重心)を表す。同図が示すように、本実施形態では、主走査方向XXに所定間隔毎に4個の発光素子を並べて構成される発光素子列L2951が副走査方向YYに2個並ぶように、8個の発光素子2951が2次元的に配置されている。そして、同一の発光素子グループ内において、8個の発光素子2951の主走査方向XXの位置がそれぞれ異なるとともに、主走査方向XXの位置が隣り合う2個の発光素子2951が互いに異なる発光素子列L2951に属するように、これら2つの発光素子列L2951を副走査方向YYに並べている。このように、本実施形態では、同一の発光素子グループに属する8個の発光素子2951が、本発明における「複数の発光素子」に相当する。
また、図9において、符号Gxは、1つの発光素子グループ295における、主走査方向XXに最上流の発光素子2951と最下流の発光素子2951との距離(主走査グループ幅)を表す。また、符号Gyは、1つの発光素子グループ295における、副走査方向YYに最上流の発光素子2951の位置と最下流の発光素子2951の位置との距離(副走査グループ幅)を表す。そして、同図が示すように、本実施形態では、主走査グループ幅Gxが副走査グループ幅Gyより大きく設定されている。つまり、各発光素子グループ295は主走査方向XXを長軸とする扁平配列構造を有している。具体的には、本実施形態では、Gx=0.148mm、Gy=0.021mmに設定されている。
図10は、本実施形態における、隣り合う発光素子グループ間の関係を示す図である。同図において、符号Pxは、主走査方向XXの位置が隣り合う2個の発光素子グループ295それぞれの幾何重心CG295の間の距離(主走査グループピッチ)を表している。また、符号Pyは、副走査方向YYの位置が隣り合う2個の発光素子グループ295それぞれの幾何重心CG295の間の距離(副走査グループピッチ)を表している。そして、同図が示すように、本実施形態では、主走査グループピッチPxは副走査グループピッチPyよりも大きく設定されている。具体的には、本実施形態では、Px=1.016mm、Py=0.9mmに設定されている。
図11は、上述のラインヘッドによるスポット形成動作を示す図である。以下に、図2、図7、図11を用いて本実施形態におけるラインヘッドによるスポット形成動作を説明する。また、発明の理解を容易にするため、ここでは主走査方向XXに伸びる直線上に複数のスポットを並べて形成する場合について説明する。本実施形態では、感光体ドラム21(潜像担持体)の表面(被走査面)を副走査方向YYに搬送しながら、ヘッド制御モジュール54により複数の発光素子を所定のタイミングで発光させることで、主走査方向XXに伸びる直線上に複数のスポットを並べて形成する。
つまり、本実施形態のラインヘッドでは、副走査方向位置Y1〜Y6の各位置に対応して、副走査方向YYに6個の発光素子列L2951が並べて配置されている(図7)。そこで、本実施形態では、同一の副走査方向位置にある発光素子列L2951は、略同一のタイミングで発光させるとともに、異なる副走査方向位置にある発光素子列L2951は、互いに異なるタイミングで発光させる。より具体的には、副走査方向位置Y1〜Y6の順番で、発光素子列L2951を発光させる。そして、感光体ドラム21の表面を副走査方向YYに搬送しながら、上述の順番で発光素子列L2951を発光させることで、該表面の主走査方向XXに伸びる直線上に複数のスポットを並べて形成する。
かかる動作を、図7,11を用いて説明する。まず最初に、副走査方向YYに最上流の発光素子グループ295A1,295A2,295A3,…に属する副走査方向位置Y1の発光素子列L2951の発光素子2951を発光させる。そして、かかる発光動作により射出される複数の光ビームは、上述の反転拡大特性を有する「結像レンズ」により、反転されつつ拡大されて感光体ドラム表面に結像される。つまり、図11の「1回目」のハッチングパターンの位置にスポットが形成される。なお、同図において、白抜きの丸印は、未だ形成されておらず今後形成される予定のスポットを表す。また、同図において、符号295C1,295B1,295A1,295C2でラベルされたスポットは、それぞれに付された符号に対応する発光素子グループ295により形成されるスポットであることを示す。
次に、同発光素子グループ295A1,295A2,295A3,…に属する副走査方向位置Y2の発光素子列L2951の発光素子2951を発光させる。そして、かかる発光動作により射出される複数の光ビームは、上述の反転拡大特性を有する「結像レンズ」により、反転されつつ拡大されて感光体ドラム表面に結像される。つまり、図11の「2回目」のハッチングパターンの位置にスポットが形成される。ここで、感光体ドラム21の表面の搬送方向が副走査方向YYであるのに対して、副走査方向YYの下流側の発光素子列L2951から順番に(つまり、副走査方向位置Y1,Y2の順番に)発光させたのは、「結像レンズ」が反転特性を有することに対応するためである。
次に、副走査方向上流側から2番目の発光素子グループ295B1,295B2,295B3,…に属する副走査方向位置Y3の発光素子列L2951の発光素子2951を発光させる。そして、かかる発光動作により射出される複数の光ビームは、上述の反転拡大特性を有する「結像レンズ」により、反転されつつ拡大されて感光体ドラム表面に結像される。つまり、図11の「3回目」のハッチングパターンの位置にスポットが形成される。
次に、同発光素子グループ295B1,295B2,295B3,…に属する副走査方向位置Y4の発光素子列L2951の発光素子2951を発光させる。そして、かかる発光動作により射出される複数の光ビームは、上述の反転拡大特性を有する「結像レンズ」により、反転されつつ拡大されて感光体ドラム表面に結像される。つまり、図11の「4回目」のハッチングパターンの位置にスポットが形成される。
次に、副走査方向最下流の発光素子グループ295C1,295C2,295C3,…に属する副走査方向位置Y5の発光素子列L2951の発光素子2951を発光させる。そして、かかる発光動作により射出される複数の光ビームは、上述の反転拡大特性を有する「結像レンズ」により、反転されつつ拡大されて感光体ドラム表面に結像される。つまり、図11の「5回目」のハッチングパターンの位置にスポットが形成される。
そして最後に、同発光素子グループ295C1,295C2,295C3,…に属する副走査方向位置Y6の発光素子列L2951の発光素子2951を発光させる。そして、かかる発光動作により射出される複数の光ビームは、上述の反転拡大特性を有する「結像レンズ」により、反転されつつ拡大されて感光体ドラム表面に結像される。つまり、図11の「6回目」のハッチングパターンの位置にスポットが形成される。このように、1〜6回目までの発光動作を実行することで、主走査方向XXに伸びる直線上に複数のスポットを並べて形成する。
このように、本実施形態におけるラインヘッドでは、それぞれが複数の発光素子2951を有する複数の発光素子グループ295と、該複数の発光素子グループ295に一対一で対応して配置されるとともに各々がそれに対応する発光素子グループ295に属する複数の発光素子2951各々から射出される光ビームを感光体ドラム表面(被走査面)に結像する複数のマイクロレンズML(結像レンズ)とを備える。そして、複数の発光素子グループ295及び複数の発光素子2951は、次のように配置されている。つまり、複数の発光素子グループ295は、2個以上の発光素子グループ295を主走査方向XXに並べて成るグループ列L295が副走査方向YYに複数並ぶように2次元的に配置されている。また、同一の発光素子グループ295に属する複数の発光素子2951は、2個以上の発光素子2951を主走査方向XXに並べて構成される発光素子列L2951が副走査方向YYに複数並ぶように2次元的に配置されている。
また、上記ラインヘッド29は、主走査グループ幅Gxが副走査グループ幅Gyより大きくなるように構成されている。かかるラインヘッド29では、発光素子グループ295が主走査方向XXを長軸とする扁平配列構造を有しているため、主走査方向へのクロストークが発生する可能性がある。つまり、このように発光素子グループ295が構成された場合、主走査方向XXにおける発光素子グループ295の端部に位置する発光素子2951と、該発光素子2951に対応する結像レンズに主走査方向に隣り合う結像レンズとの距離Δが小さくなる傾向にある。よって、かかる発光素子グループ295の端部に位置する発光素子2951から射出された光ビームが、該発光素子2951に対応する結像レンズに主走査方向に隣り合う結像レンズにも入射するという、主走査方向XXへのクロストークが発生する可能性がある。そして、かかるクロストークが発生すると、良好なスポット形成が実現できない可能性がある。次に、かかる課題と該課題の解決手段について図を用いて説明する。
図12は、本発明の原理を示す模式図である。同図において、実線円2993B及び2993BTは、マイクロレンズML(結像レンズ)の構成部材の1つであるレンズ2993Bを表している。なお上述の通り、該レンズ2993Bは発光素子グループ295に対応して配置されている。本実施形態のラインヘッドのように、発光素子グループ295が主走査方向XXを長軸とする扁平配列構造を有する場合においては、主走査方向XXへのクロストークが発生する可能性がある。つまり、発光素子グループ295の端部に位置する発光素子2951T(図12)から射出された光ビームが、該発光素子2951Tに対応する結像レンズに主走査方向XXに隣り合う結像レンズにもレンズ2993BTを介して入射する可能性がある。これに対して、上記ラインヘッドは次のように構成している。つまり、主走査方向XXの位置が隣り合う2個の発光素子グループ295それぞれの幾何重心CG295の間の距離を主走査グループピッチPxと、副走査方向YYの位置が隣り合う2個の発光素子グループ295それぞれの幾何重心の間の距離を副走査グループピッチPyと定義したとき、主走査グループピッチPxが副走査グループピッチPyより大きくなるように構成されている。よって、主走査方向位置が隣り合う2個の発光素子グループの間の距離Pxが十分に確保される。その結果、主走査方向XXにおける発光素子グループ295の端部に位置する発光素子2951Tと、該発光素子2951Tに対応する結像レンズに主走査方向XXに隣り合う結像レンズとの距離Δも十分に確保されることとなる。したがって、発光素子グループ295の端部に位置する発光素子2951Tから射出された光ビームが、該発光素子2951Tに対応する結像レンズに主走査方向XXに隣り合う結像レンズにも入射するという、主走査方向XXへのクロストークを抑制することが可能となり、良好なスポット形成の実現が可能となる。
ところで、上記ラインヘッド29は、発光素子グループ295の発光素子2951から射出された光ビームをマイクロレンズML(結像レンズ)により結像することで、被走査面にスポットを形成する。この際、ラインヘッド29は、所定の解像度を実現するように被走査面にスポットを形成する。換言すれば、被走査面で互いに隣接するスポット間の距離は、予め設定された解像度を実現するように設定されている。よって、結像レンズは、かかるスポット間距離を実現すべく、発光素子グループ295が有する複数の発光素子2951から射出される光ビームを所定の倍率(光学倍率)で被走査面にスポットとして結像する。そして、上記実施形態にかかるラインヘッド29では、結像レンズとして、倍率の絶対値が1より大きい拡大光学系を用いている。よって、主走査方向XXへのクロストークを、より効果的に抑制することが可能となり、より良好なスポット形成の実現が可能となる。この理由について説明する。
まず、上記理由を説明するにあたり、結像レンズが拡大光学系(倍率の絶対値が1より大きい結像レンズ)である場合と縮小光学系(倍率の絶対値が1より小さい結像レンズ)である場合とで、上述のような解像度実現のために求められる発光素子グループ295の構成について考える。結像レンズが拡大光学系の場合、主走査方向XXに隣り合う2個の発光素子2951から射出された光ビームは、拡大されながら感光体表面(被走査面)に2個のスポットとして形成される。つまり、これら2個の発光素子間距離に比べて、感光体表面の2個のスポット間距離は大きい。一方、結像レンズが縮小光学系の場合における発光素子間距離とスポット間距離との関係は、拡大光学系の場合と逆となる。つまり、2個の発光素子間距離に比べて、感光体表面の2個のスポット間距離は小さい。よって、同じ解像度を実現する(つまり、同じスポット間距離を実現する)にあたっては、拡大光学系を用いた場合は、主走査方向XXに隣り合う発光素子間距離は小さいことが求められるのに対して、縮小光学系を用いた場合は、主走査方向XXに隣り合う発光素子間距離は大きいことが求められる。その結果、拡大光学系を用いた場合は、主走査グループ幅Gxが小さい発光素子グループ295が求められるのに対して、縮小光学系を用いた場合は、主走査グループ幅Pxが大きい発光素子グループが求められることとなる。
そこで、上記実施形態におけるラインヘッドでは、結像レンズの倍率の絶対値を1より大きい値に設定している。なんとなれば、このように構成することで、上述のような、発光素子グループ295の端部に位置する発光素子2951Tから射出された光ビームが、該発光素子2951Tに対応する結像レンズに主走査方向XXに隣り合う結像レンズにも入射するという主走査方向XXへのクロストークを、より効果的に抑制することが可能となり、より良好なスポット形成の実現が可能となるからである。つまり、上述の議論が示すとおり、結像レンズとして拡大光学系を用いた場合、発光素子グループ295の主走査グループ幅Gxを小さくすることができる。よって、主走査方向XXにおける発光素子グループ295の端部に位置する発光素子2951Tと、該発光素子2951Tに対応する結像レンズに主走査方向XXに隣り合う結像レンズとの距離Δを大きくすることが可能となる。したがって、発光素子グループ295の端部に位置する発光素子2951から射出された光ビームが、該発光素子2951に対応する結像レンズに主走査方向XXに隣り合う結像レンズにも入射するという主走査方向XXへのクロストークを、より効果的に抑制することが可能となり、より良好なスポット形成の実現が可能となる。
また、上記実施形態では、1つの発光素子グループ295において、発光素子グループ295の幾何重心CG295に対して該発光素子グループ295に属する複数の発光素子2951が対称に配置されている。そして、上記実施形態では、発光素子グループ295の位置が対応する結像レンズの光軸OAの上にあるように構成している。なんとなれば、発光素子グループ295の端部に位置する発光素子2951から射出された光ビームが、該発光素子2951に対応する結像レンズに主走査方向XXに隣り合う結像レンズにも入射するという主走査方向XXへのクロストークを、より効果的に抑制することが可能となり、より良好なスポット形成の実現が可能となるからである。この理由について説明する。
図13は、発光素子グループの位置が結像レンズの光軸と一致している場合を示す図であり、図14は、発光素子グループの位置が結像レンズの光軸と一致していない場合を示す図である。発光素子グループ295は、主走査方向XXの両端部それぞれに発光素子2951を有する。また、上述ように構成されたラインヘッド29では、発光素子グループ295の位置を対称軸として複数の発光素子2951を対称配置するとともに、結像レンズの光軸OA(レンズ2993Bの光軸)と該対称軸とを一致させている。なお、図13,14において結像レンズの光軸OAは、各レンズ2993Bの略中央に位置しており、縦横に伸びる2つの1点鎖線の交点に位置している。よって、上記実施形態のように構成されたラインヘッド29では、結像レンズの光軸OAから主走査方向両端部の各発光素子2951TD,2951TUまでの距離は、互いに等しくなる(図13)。よって、主走査方向他方端部の発光素子2951TUからレンズ2993BUまでの距離ΔUと、主走査方向一方端部の発光素子2951TDからレンズ2993BDまでの距離ΔDとは等しい。
一方、発光素子グループ295の対称軸と結像レンズの光軸とが一致せずに、対称軸が光軸に対して主走査方向の何れかにずれているような場合、即ち、図14のような場合は、上記距離関係が異なってくる。図14では、発光素子グループの幾何重心CG295が、結像レンズの光軸OA(レンズ2993の光軸)に対して主走査方向XXの上流側にずれている。よって、主走査方向他方端部の発光素子2951TUからレンズ2993BUまでの距離ΔUが、主走査方向一方端部の発光素子2951TDからレンズ2993BDまでの距離ΔDより小さい。つまり、発光素子2951TUと結像レンズとの距離が短くなる。その結果、発光素子2951TUから射出された光ビームが、レンズ2993BUに入射する可能性が高くなる。つまり、上述の主走査方向XXへのクロストークの発生する可能性が高くなる。
上述の議論が示すように、発光素子グループの幾何重心CG295が、対応する結像レンズの光軸OAと一致しない場合、主走査方向XXへのクロストークの発生する可能性が高くなる。これに対して上記実施形態では、発光素子グループ295の位置が対応する結像レンズの光軸OAの上にあるように構成している。よって、発光素子グループ295の端部に位置する発光素子2951から射出された光ビームが、該発光素子2951に対応する結像レンズに主走査方向XXに隣り合う結像レンズにも入射するという主走査方向XXへのクロストークを、より効果的に抑制することが可能となり、より良好なスポット形成の実現が可能となっている。
また、上述してきたラインヘッドを用いる本実施形態の画像形成装置は、上記ラインヘッドを用いて感光体ドラム表面(潜像担持体表面)にスポットを形成する。つまり、クロストークを抑制しながら、感光体ドラム表面に潜像を形成することができる。よって、良好な画像形成を実現することが可能となり好適である。
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。つまり、上記実施形態では、図7に示すように発光素子グループ295を構成しているが、発光素子グループ295の構成の態様としてはこれに限られない。要は、主走査グループ幅Gxが副走査グループ幅Gyより大きく設定されているラインヘッドにおいて、主走査グループピッチPxが副走査グループピッチPyより大きくなるように構成することで、主走査方向XXへのクロストークを抑制して良好なスポット形成を実現することが可能となる。したがって、例えば、次に説明するように発光素子グループを構成しても良い。
図15は、本発明の別の実施形態における発光素子グループの構成を示す図である。同図では、主走査方向XXに6個の発光素子2951を所定間隔毎に並べて構成される発光素子列L2951を、副走査方向YYに2個並べて、1つの発光素子グループ295を構成している。そして、複数の発光素子グループ295は次のように配置されている。つまり、主走査方向XXに発光素子グループ295を所定個数(2個以上)並べて構成される発光素子グループ列L295(グループ列)が副走査方向YYに2個並ぶように、発光素子グループ295は2次元的に配置されている。
また、図15に示す実施形態においても、主走査グループ幅Gxが副走査グループ幅Gyより大きく設定されている。つまり、発光素子グループ295は主走査方向XXを長軸とする扁平配列構造を有している。具体的には、本実施形態では、Gx=0.310mm、Gy=0.032mmに設定されている。また、同図が示すように、主走査グループピッチPxは副走査グループピッチPyよりも大きく設定されている。具体的には、本実施形態では、Px=1.016mm、Py=0.847mmに設定されている。
このように、図15に示す実施形態においても、主走査グループ幅Gxが副走査グループ幅Gyより大きい、即ち、発光素子グループ295は主走査方向XXを長軸としている。よって、上述したような、主走査方向へのクロストークが発生する可能性がある。しかしながら、かかる問題に対して図15に示す実施形態では、主走査グループピッチPxが副走査グループピッチPyより大きくなるように構成されている。よって、主走査方向位置が隣り合う2個の発光素子グループの間の距離Pxが十分に確保される。したがって、図15に示す実施形態においても、発光素子グループ295の端部に位置する発光素子2951から射出された光ビームが、該発光素子2951に対応する結像レンズに主走査方向XXに隣り合う結像レンズにも入射するという、主走査方向XXへのクロストークを抑制することが可能となり、良好なスポット形成の実現が可能となっている。
また、上記実施形態では、距離Gx,Gy,Px,Pyの具体的な値を示しているが、これら各距離が上記の値に限定されないことは言うまでも無い。要は、主走査グループ幅Gxが副走査グループ幅Gyより大きく設定されているラインヘッドにおいて、主走査グループピッチPxが副走査グループピッチPyより大きくなるように構成することで、主走査方向XXへのクロストークを抑制して良好なスポット形成を実現することが可能となる。
また、上記実施形態では、結像レンズとして拡大光学系を採用したが、これは本発明に必須の要件ではない。要は、主走査グループ幅Gxが副走査グループ幅Gyより大きく設定されているラインヘッドにおいて、主走査グループピッチPxが副走査グループピッチPyより大きくなるように構成することで、主走査方向XXへのクロストークを抑制して良好なスポット形成を実現することが可能となる。但し、結像レンズとして拡大光学系を採用した場合、上述した通り、主走査方向へのクロストークをより効果的に抑制することが可能になるという点で好適である。
また、上記実施形態では、発光素子グループ295において複数の発光素子2951を該発光素子グループ295の幾何重心に対して対称に配置するとともに、発光素子グループ295の幾何重心が結像レンズの光軸OAと一致するように構成しているが、これは本発明に必須の要件ではない。要は、主走査グループ幅Gxが副走査グループ幅Gyより大きく設定されているラインヘッドにおいて、主走査グループピッチPxが副走査グループピッチPyより大きくなるように構成することで、主走査方向XXへのクロストークを抑制して良好なスポット形成を実現することが可能となる。但し、結像レンズの光軸OAに対して複数の発光素子を対称配置した場合、上述のように主走査方向へのクロストークをより効果的に抑制することが可能になるという点で好適である。
また、上記実施形態では、本発明にかかるラインヘッドを用いて、図11に示すような主走査方向XXに直線状に複数個のスポットを並べて形成している。しかしながら、かかるスポット形成動作は、本発明にかかるラインヘッドの動作の一例を示すものであり、該ラインヘッドが実行可能な動作はこれに限られるものではない。つまり、形成されるスポットは、主走査方向XXに並んで直線状に形成される必要は無く、例えば、主走査方向XXに所定の角度を有するように並べて形成しても良いし、ジグザグ状或いは波状に形成しても良い。
また、上記実施形態では、発光素子2951として有機ELを用いたが、発光素子2951の具体的構成はこれに限られるものではなく、例えばLED(Light Emitting Diode)を発光素子2951として用いても良い。
図16は、本発明にかかるラインヘッド(露光手段)の別の実施形態の副走査方向の断面図である。つまり、図16のラインヘッドでは発光素子としてLEDを用いている。発光素子として有機ELを用いた図4記載のラインヘッドとの主な違いは、発光素子の配置場所である。つまり、図4に示すように、発光素子として有機ELを用いたラインヘッドでは、ガラス基板293の裏面に発光素子(発光素子グループ295)が配置されている。これに対して、発光素子としてLEDを用いた図16記載のラインヘッドでは、基板293の表面に発光素子を配置している。また、その他の構成は、図4、図16記載のラインヘッドは互いに共通するため、相当符号を付して説明を省略する。なお、基板293の面内における発光素子2951の配置態様としては、有機ELの場合と同様の配置態様をLEDの場合においても採用できる。
また、上記実施形態では、カラー画像形成装置に本発明が適用されているが、本発明の適用対象はこれに限定されるものではなく、いわゆる単色画像を形成するモノクロ画像形成装置に対しても本発明を適用することができる。
21Y,21M,21C,21K…感光体ドラム(潜像担持体)、 29…ラインヘッド(露光手段)、 295…発光素子グループ、 L295…グループ列、 CG295…発光素子グループの位置、 2951…発光素子、 L2951…発光素子列、 CG2951…発光素子の位置、 293…基板,ガラス基板(結像レンズ)、 299…マイクロレンズアレイ、 2991…ガラス基板、 2993A,2993B…レンズ、 ML…マイクロレンズ(結像レンズ)、 OA…光軸、 Gx…主走査グループ幅、 Gy…副走査グループ幅、 Px…主走査グループピッチ、 Py…副走査グループピッチ、 XX…主走査方向、 YY…副走査方向
Claims (4)
- 主走査方向に略直交する副走査方向に搬送される被走査面に光ビームを結像してスポットを形成するラインヘッドにおいて、
それぞれが複数の発光素子を有する複数の発光素子グループと、
前記複数の発光素子グループに一対一で対応して配置されるとともに、各々がそれに対応する前記発光素子グループに属する前記複数の発光素子各々から射出される光ビームを前記被走査面に結像する複数の結像レンズと
を備え、
前記複数の発光素子グループの各々では、前記主走査方向における最上流の発光素子と最下流の発光素子との距離Gxが前記副走査方向における最上流の発光素子と最下流の発光素子との距離Gyよりも大きくなるように、2個以上の前記発光素子を前記主走査方向に並べた発光素子列が前記副走査方向に複数並べられて前記複数の発光素子が2次元配置され、しかも、
主走査グループピッチPxが副走査グループピッチPyよりも大きくなるように、2個以上の前記発光素子グループを前記主走査方向に前記主走査グループピッチPxで並べたグループ列が前記副走査方向に前記副走査グループピッチPyで複数並べられて前記複数の発光素子グループが2次元配置されていることを特徴とするラインヘッド。 - 前記結像レンズの倍率の絶対値は1より大きい請求項1記載のラインヘッド。
- 前記発光素子グループの幾何重心に対して該発光素子グループに属する前記複数の発光素子が対称に配置されており、且つ、該発光素子グループの幾何重心はそれに対応する前記結像レンズの光軸上にある請求項1または2記載のラインヘッド。
- その表面が副走査方向に搬送される潜像担持体と、
前記潜像担持体の表面を被走査面として該潜像担持体表面にスポットを形成する請求項1乃至3いずれか記載のラインヘッドと同一構成を有する露光手段と
を備えることを特徴とする画像形成装置。
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