JP2009202574A - レンズアレイ、露光ヘッドおよび画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】高解像度においても多くの光をレンズへ取り込んで良好な露光を可能とする技術を提供する。
【解決手段】第1の方向LGD/MDにレンズLSが配設されたレンズアレイ299と、レンズLSにより結像される光を発光する発光素子が配設された発光素子基板とを備え、第1の方向LGD/MDのレンズLSの長さL1および第1の方向に直交する第2の方向LTD/SDのレンズの長さL2が、次式
1<L2/L1
の関係を満たす。
【選択図】図9
【解決手段】第1の方向LGD/MDにレンズLSが配設されたレンズアレイ299と、レンズLSにより結像される光を発光する発光素子が配設された発光素子基板とを備え、第1の方向LGD/MDのレンズLSの長さL1および第1の方向に直交する第2の方向LTD/SDのレンズの長さL2が、次式
1<L2/L1
の関係を満たす。
【選択図】図9
Description
この発明は、光をレンズを用いて結像するレンズアレイ、該レンズアレイを備えた露光ヘッド、および該露光ヘッドヘッドを備えた画像形成装置に関するものである。
このような露光ヘッドとしては、例えば特許文献1の図2等に記載されているように、略円形のレンズを長手方向に複数並べたラインヘッドが知られている。このラインヘッドでは、長手方向に所定のピッチでレンズが並んでおり、各レンズは発光素子から入射してきた光を結像する。そして、各レンズが結像した光により感光体ドラム等の潜像担持体が露光されて、潜像が形成される。
ところで、露光を良好に行なうとの観点からは、レンズに入射する光の量は多いことが好適である。そこで、例えば、レンズを大きくすることが考えられる。しかしながら、上記従来技術のレンズは略円形であるため、レンズが大きくなると、長手方向(第1の方向)におけるレンズピッチが大きくなってしまい、所望の解像度が得られない可能性があった。つまり、従来の技術では、レンズへの入射光量を多くしたのと引き換えに、解像度が低下してしまう場合があった。
この発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、高解像度においても多くの光をレンズへ取り込んで良好な露光を可能とする技術の提供を目的とする。
この発明にかかる露光ヘッドは、上記目的を達成するために、第1の方向にレンズが配設されたレンズアレイと、レンズにより結像される光を発光する発光素子が配設された発光素子基板とを備え、第1の方向のレンズの長さL1および第1の方向に直交する第2の方向の前記レンズの長さL2が、次式
1<L2/L1
の関係を有することを特徴としている。
1<L2/L1
の関係を有することを特徴としている。
また、この発明にかかるレンズアレイは、上記目的を達成するために、第1の方向に配設されたレンズを備え、第1の方向のレンズの長さL1および第1の方向に直交する第2の方向のレンズの長さL2が、次式
1<L2/L1
の関係を満たすことを特徴としている。
1<L2/L1
の関係を満たすことを特徴としている。
また、この発明にかかる画像形成装置は、上記目的を達成するために、第1の方向にレンズが配設されたレンズアレイ、および、レンズにより結像される光を射出する発光素子が配設された発光素子基板を有する露光ヘッドを備え、第1の方向のレンズの長さL1および第1の方向に直交する第2の方向のレンズの長さL2が、次式
1<L2/L1
の関係を満たすことを特徴としている。
1<L2/L1
の関係を満たすことを特徴としている。
このように構成された発明(露光ヘッド、レンズアレイ、画像形成装置)では、第1の方向へのレンズの長さL1および第1の方向に直交もしくは略直交する第2の方向へのレンズの長さL2が、次式
1<L2/L1
の関係を満たしている。したがって、第1の方向に配設されるレンズのピッチを広げること無く、第2の方向に多くの光量をレンズに取り込んで良好な露光を行なうことが可能となっている。
1<L2/L1
の関係を満たしている。したがって、第1の方向に配設されるレンズのピッチを広げること無く、第2の方向に多くの光量をレンズに取り込んで良好な露光を行なうことが可能となっている。
また、第1の方向へのレンズの長さL1および第2の方向へレンズの長さL2が、次式
L2/L1<1.2
の関係を満たすように構成しても良い。このように構成することで、第1の方向へのレンズの長さL1と第2の方向へレンズの長さL2との差を抑制して非点収差の少ないレンズを容易に形成できるため、良好な露光を簡便に実現することができる。
L2/L1<1.2
の関係を満たすように構成しても良い。このように構成することで、第1の方向へのレンズの長さL1と第2の方向へレンズの長さL2との差を抑制して非点収差の少ないレンズを容易に形成できるため、良好な露光を簡便に実現することができる。
また、発光素子とレンズとの間に配設された絞りを備える構成に対しても、本発明を適用することができる。なお、上述のとおり、本発明ではレンズは第2の方向に多くの光量を取り込むことができる特性を備える一方、絞りは発光素子からレンズに向かう光の一部を遮光するものである。したがって、本発明のレンズの特性を効果的に活かすとの観点からは、絞りによる不要な遮光を抑制して発光素子からの光を有効利用すべく、絞りの形状は第2の方向に多くの光量をレンズに取り込むのに有利なものであることが好適である。そこで、第1の方向の絞りの長さLa1および第2の方向の絞りの長さLa2が、次式
1<La2/La1
の関係を満たすように構成すると良い。これにより、第2の方向により多くの光量をレンズに取り込むことができ、良好な露光が可能となる。
1<La2/La1
の関係を満たすように構成すると良い。これにより、第2の方向により多くの光量をレンズに取り込むことができ、良好な露光が可能となる。
このとき、第1の方向のレンズの長さL1、第2の方向のレンズの長さL2、第1の方向の絞りの長さLa1、および第2の方向の絞りの長さLa2が、次式
L2/L1=La2/La1
を満たすように構成しても良い。これにより、発光素子からの光をより有効に利用することが可能となる。
L2/L1=La2/La1
を満たすように構成しても良い。これにより、発光素子からの光をより有効に利用することが可能となる。
さらには、レンズの形状と絞りの形状とは相似であるように構成しても良い。これにより、発光素子からの光をさらに有効に利用することが可能となる。
なお、絞りの形状は楕円形とすることができる。
また、レンズは発光素子からの光の入射面が凸であるように構成することができる。この際、絞りはレンズの頂点よりも像面側に配設するように構成することで、発光素子からの光の利用効率をより向上させることができる。
また、レンズは自由曲面レンズであっても良い。なぜなら、自由曲面レンズを採用することで、レンズの結像特性が向上して、より良好な露光が実現可能となるからである。
この発明にかかるラインヘッドは、上記目的を達成するために、複数の発光素子をグループ化した発光素子グループを複数配したヘッド基板と、発光素子グループ毎に設けられたレンズが第1方向に複数並ぶレンズ行を有し、発光素子グループからの光が当該発光素子グループに対して設けられた前記レンズに入射するレンズアレイとを備え、発光素子グループでは、複数個の前記発光素子を前記第1方向に配した発光素子行が、前記第1方向に直交もしくは略直交する第2方向にn行(nは1以上の整数)配されており、各発光素子行の第1方向に配された発光素子の個数はm個以上(mは2以上でnより大きい整数)であって、レンズの第1方向における長さをL1とし、レンズの第2方向における長さをL2としたとき、次式L2>L1が満たされることを特徴としている。
また、この発明にかかる画像形成装置は、上記目的を達成するために、複数の発光素子をグループ化した発光素子グループを複数配したヘッド基板と、発光素子グループ毎に設けられたレンズが第1方向に複数並ぶレンズ行を有し、発光素子グループからの光が当該発光素子グループに対して設けられたレンズに入射するレンズアレイとを有するラインヘッドと、ラインヘッドにより露光される潜像担持体とを備え、発光素子グループでは、複数個の前記発光素子を前記第1方向に配した発光素子行が、前記第1方向に直交もしくは略直交する第2方向にn行(nは1以上の整数)配されており、各発光素子行の第1方向に配された発光素子の個数はm個以上(mは2以上でnより大きい整数)であって、レンズの第1方向における長さをL1とし、レンズの第2方向における長さをL2としたとき、次式L2>L1が満たされることを特徴としている。
このように構成された発明(ラインヘッド、画像形成装置)では、複数の発光素子をグループ化した発光素子グループを複数配したヘッド基板が設けられている。この発光素子グループでは、複数個の前記発光素子を前記第1方向に配した発光素子行が、前記第1方向に直交もしくは略直交する第2方向にn行(nは1以上の整数)配されており、各発光素子行の第1方向に配された発光素子の個数はm個以上(mは2以上でnより大きい整数)となっている。また、レンズアレイでは、発光素子グループ毎に設けられたレンズが第1方向に複数並ぶレンズ行が設けられており、発光素子グループからの光が当該発光素子グループに対して設けられたレンズに入射する。そして、本発明では、レンズの第1方向における長さをL1とし、レンズの第2方向における長さをL2としたとき、次式L2>L1が満たされる。つまり、レンズは第1方向よりも第2方向に長い形状を有している。したがって、第1方向に並ぶ複数のレンズのレンズピッチを大きくすること無く、第2方向により多くの光をレンズは取り込むことができる。したがって、高解像度においても多くの光をレンズへ取り込むことができ、良好な露光が可能となっている。
また、レンズアレイはレンズアレイ基板を有し、レンズアレイ基板に対してレンズが形成されても良い。このように、レンズアレイ基板とレンズとでレンズアレイを構成することで、レンズアレイ基板とレンズとで別の基材を選択することが可能になる等、レンズアレイの構成の自由度が向上する。したがって、ラインヘッドに求められる仕様に応じて、レンズアレイを適切に設計することが可能となり、ラインヘッドによる良好な露光がより簡便に実現することができる。
また、レンズアレイ基板はガラスにより形成されても良い。つまり、ガラスは線膨張係数が比較的小さい。したがって、レンズアレイ基板をガラスにより形成することで、温度変化によるレンズアレイの変形を抑制することができ、温度に依らず良好な露光が実現可能となる。
また、レンズは光硬化性樹脂により形成されても良い。つまり、光硬化性樹脂は光を照射することで硬化する。したがって、この光硬化性樹脂によりレンズを形成することで、簡便にレンズアレイを製造することができるため、ラインヘッドのコストを抑制することが可能となる。
また、レンズは自由曲面レンズであるように構成しても良い。なぜなら、自由曲面レンズを採用することで、レンズの結像特性が向上して、より良好な露光が実現可能となるからである。
また、発光素子が有機EL素子であるラインヘッドに対しては、本発明を適用することが特に好適である。つまり、発光素子として有機EL素子を用いた場合、LED等を用いた場合と比較して発光素子の光量が少ない。特に、ボトムエミッション型の有機EL素子を発光素子として用いた場合はなおさらである。そこで、良好な露光を実現するとの観点から、本発明を適用して、より多くの光をレンズに取り込むことが好適である。
以下では、最初に本明細書で用いる用語について説明する(「A.用語の説明」の項参照)。この用語の説明に続いて、本発明の実施形態について説明する(「B.実施形態」の項等参照)。
A.用語の説明
図1および図2は、本明細書で用いる用語の説明図である。ここで、これらの図を用いて本明細書において用いる用語について整理する。本明細書では、感光体ドラム21の表面(像面IP)の搬送方向を副走査方向SDと定義し、該副走査方向SDに直交あるいは略直交する方向を主走査方向MDと定義している。また、ラインヘッド29は、その長手方向LGDが主走査方向MDに対応し、その幅方向LTDが副走査方向SDに対応するように、感光体ドラム21の表面(像面IP)に対して配置されている。
図1および図2は、本明細書で用いる用語の説明図である。ここで、これらの図を用いて本明細書において用いる用語について整理する。本明細書では、感光体ドラム21の表面(像面IP)の搬送方向を副走査方向SDと定義し、該副走査方向SDに直交あるいは略直交する方向を主走査方向MDと定義している。また、ラインヘッド29は、その長手方向LGDが主走査方向MDに対応し、その幅方向LTDが副走査方向SDに対応するように、感光体ドラム21の表面(像面IP)に対して配置されている。
レンズアレイ299が有する複数のレンズLSに一対一の対応関係でヘッド基板293に配置された、複数(図1および図2においては8個)の発光素子2951の集合を、発光素子グループ295と定義する。つまり、ヘッド基板293において、複数の発光素子2951からなる発光素子グループ295は、複数のレンズLSのそれぞれに対して配置されている。また、発光素子グループ295からの光ビームが該発光素子グループ295に対応するレンズLSにより結像されて、像面IPに形成される複数のスポットSPの集合を、スポットグループSGと定義する。つまり、複数の発光素子グループ295に一対一で対応して、複数のスポットグループSGを形成することができる。また、各スポットグループSGにおいて、主走査方向MDおよび副走査方向SDに最上流のスポットを、特に第1のスポットと定義する。そして、第1のスポットに対応する発光素子2951を、特に第1の発光素子と定義する。
また、図2の「像面上」の欄に示すように、スポットグループ行SGR、スポットグループ列SGCを定義する。つまり、主走査方向MDに並ぶ複数のスポットグループSGをスポットグループ行SGRと定義する。そして、複数行のスポットグループ行SGRは、所定のスポットグループ行ピッチPsgrで副走査方向SDに並んで配置される。また、副走査方向SDにスポットグループ行ピッチPsgrで且つ主走査方向MDにスポットグループピッチPsgで並ぶ複数(同図においては3個)のスポットグループSGをスポットグループ列SGCと定義する。なお、スポットグループ行ピッチPsgrは、副走査方向SDに互いに隣接する2つのスポットグループ行SGRそれぞれの幾何重心の、副走査方向SDにおける距離である。また、スポットグループピッチPsgは、主走査方向MDに互いに隣接する2つのスポットグループSGそれぞれの幾何重心の、主走査方向MDにおける距離である。
同図の「レンズアレイ」の欄に示すように、レンズ行LSR、レンズ列LSCを定義する。つまり、長手方向LGDに並ぶ複数のレンズLSをレンズ行LSRと定義する。そして、複数行のレンズ行LSRは、所定のレンズ行ピッチPlsrで幅方向LTDに並んで配置される。また、幅方向LTDにレンズ行ピッチPlsrで且つ長手方向LGDにレンズピッチPlsで並ぶ複数(同図においては3個)のレンズLSをレンズ列LSCと定義する。なお、レンズ行ピッチPlsrは、幅方向LTDに互いに隣接する2つのレンズ行LSRそれぞれの幾何重心の、幅方向LTDにおける距離である。また、レンズピッチPlsは、長手方向LGDに互いに隣接する2つのレンズLSそれぞれの幾何重心の、長手方向LGDにおける距離である。
同図の「ヘッド基板」の欄に示すように、発光素子グループ行295R、発光素子グループ列295Cを定義する。つまり、長手方向LGDに並ぶ複数の発光素子グループ295を発光素子グループ行295Rと定義する。そして、複数行の発光素子グループ行295Rは、所定の発光素子グループ行ピッチPegrで幅方向LTDに並んで配置される。また、幅方向LTDに発光素子グループ行ピッチPegrで且つ長手方向LGDに発光素子グループピッチPegで並ぶ複数(同図においては3個)の発光素子グループ295を発光素子グループ列295Cと定義する。なお、発光素子グループ行ピッチPegrは、幅方向LTDに互いに隣接する2つの発光素子グループ行295Rそれぞれの幾何重心の、幅方向LTDにおける距離である。また、発光素子グループピッチPegは、長手方向LGDに互いに隣接する2つの発光素子グループ295それぞれの幾何重心の、長手方向LGDにおける距離である。
同図の「発光素子グループ」の欄に示すように、発光素子行2951R、発光素子列2951Cを定義する。つまり、各発光素子グループ295において、長手方向LGDに並ぶ複数の発光素子2951を発光素子行2951Rと定義する。そして、複数行の発光素子行2951Rは、所定の発光素子行ピッチPelrで幅方向LTDに並んで配置される。また、幅方向LTDに発光素子行ピッチPelrで且つ長手方向LGDに発光素子ピッチPelで並ぶ複数(同図においては2個)の発光素子2951を発光素子列2951Cと定義する。なお、発光素子行ピッチPelrは、幅方向LTDに互いに隣接する2つの発光素子行2951Rそれぞれの幾何重心の、幅方向LTDにおける距離である。また、発光素子ピッチPelは、長手方向LGDに互いに隣接する2つの発光素子2951それぞれの幾何重心の、長手方向LGDにおける距離である。
同図の「スポットグループ」の欄に示すように、スポット行SPR、スポット列SPCを定義する。つまり、各スポットグループSGにおいて、長手方向LGDに並ぶ複数のスポットSPをスポット行SPRと定義する。そして、複数行のスポット行SPRは、所定のスポット行ピッチPsprで幅方向LTDに並んで配置される。また、幅方向LTDにスポットピッチPsprで且つ長手方向LGDにスポットピッチPspで並ぶ複数(同図においては2個)のスポットをスポット列SPCと定義する。なお、スポット行ピッチPsprは、副走査方向SDに互いに隣接する2つのスポット行SPRそれぞれの幾何重心の、副走査方向SDにおける距離である。また、スポットピッチPspは、主走査方向MDに互いに隣接する2つのスポットSPそれぞれの幾何重心の、長手方向LGDにおける距離である。
B−1.第1実施形態
図3は本発明の適用対象であるラインヘッドを装備した画像形成装置の一例を示す図である。また、図4は図3の画像形成装置の電気的構成を示す図である。この装置は、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)の4色のトナーを重ね合わせてカラー画像を形成するカラーモードと、ブラック(K)のトナーのみを用いてモノクロ画像を形成するモノクロモードとを選択的に実行可能な画像形成装置である。なお図3は、カラーモード実行時に対応する図面である。この画像形成装置では、ホストコンピューターなどの外部装置から画像形成指令がCPUやメモリなどを有するメインコントローラMCに与えられると、このメインコントローラMCはエンジンコントローラECに制御信号などを与えるとともに画像形成指令に対応するビデオデータVDをヘッドコントローラHCに与える。また、このヘッドコントローラHCは、メインコントローラMCからのビデオデータVDとエンジンコントローラECからの垂直同期信号Vsyncおよびパラメータ値とに基づき各色のラインヘッド29を制御する。これによって、エンジン部EGが所定の画像形成動作を実行し、複写紙、転写紙、用紙およびOHP用透明シートなどのシートに画像形成指令に対応する画像を形成する。
図3は本発明の適用対象であるラインヘッドを装備した画像形成装置の一例を示す図である。また、図4は図3の画像形成装置の電気的構成を示す図である。この装置は、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)の4色のトナーを重ね合わせてカラー画像を形成するカラーモードと、ブラック(K)のトナーのみを用いてモノクロ画像を形成するモノクロモードとを選択的に実行可能な画像形成装置である。なお図3は、カラーモード実行時に対応する図面である。この画像形成装置では、ホストコンピューターなどの外部装置から画像形成指令がCPUやメモリなどを有するメインコントローラMCに与えられると、このメインコントローラMCはエンジンコントローラECに制御信号などを与えるとともに画像形成指令に対応するビデオデータVDをヘッドコントローラHCに与える。また、このヘッドコントローラHCは、メインコントローラMCからのビデオデータVDとエンジンコントローラECからの垂直同期信号Vsyncおよびパラメータ値とに基づき各色のラインヘッド29を制御する。これによって、エンジン部EGが所定の画像形成動作を実行し、複写紙、転写紙、用紙およびOHP用透明シートなどのシートに画像形成指令に対応する画像を形成する。
画像形成装置が有するハウジング本体3内には、電源回路基板、メインコントローラMC、エンジンコントローラECおよびヘッドコントローラHCを内蔵する電装品ボックス5が設けられている。また、画像形成ユニット7、転写ベルトユニット8および給紙ユニット11もハウジング本体3内に配設されている。また、図3においてハウジング本体3内右側には、2次転写ユニット12、定着ユニット13、シート案内部材15が配設されている。なお、給紙ユニット11は、装置本体1に対して着脱自在に構成されている。そして、該給紙ユニット11および転写ベルトユニット8については、それぞれ取り外して修理または交換を行うことが可能な構成になっている。
画像形成ユニット7は、複数の異なる色の画像を形成する4個の画像形成ステーションY(イエロー用)、M(マゼンダ用)、C(シアン用)、K(ブラック用)を備えている。また、各画像形成ステーションY,M,C,Kは、主走査方向MDに所定長さの表面を有する円筒形の感光体ドラム21を設けている。そして、各画像形成ステーションY,M,C,Kそれぞれは、対応する色のトナー像を、感光体ドラム21の表面に形成する。感光体ドラムは、軸方向が主走査方向MDに略平行となるように配置されている。また、各感光体ドラム21はそれぞれ専用の駆動モータに接続され図中矢印D21の方向に所定速度で回転駆動される。これにより感光体ドラム21の表面が、主走査方向MDに直交もしくは略直交する副走査方向SDに搬送されることとなる。また、感光体ドラム21の周囲には、回転方向に沿って帯電部23、ラインヘッド29、現像部25および感光体クリーナ27が配設されている。そして、これらの機能部によって帯電動作、潜像形成動作及びトナー現像動作が実行される。したがって、カラーモード実行時は、全ての画像形成ステーションY,M,C,Kで形成されたトナー像を転写ベルトユニット8が有する転写ベルト81に重ね合わせてカラー画像を形成するとともに、モノクロモード実行時は、画像形成ステーションKで形成されたトナー像のみを用いてモノクロ画像を形成する。なお、図3において、画像形成ユニット7の各画像形成ステーションは構成が互いに同一のため、図示の便宜上一部の画像形成ステーションのみに符号をつけて、他の画像形成ステーションについては符号を省略する。
帯電部23は、その表面が弾性ゴムで構成された帯電ローラを備えている。この帯電ローラは帯電位置で感光体ドラム21の表面と当接して従動回転するように構成されており、感光体ドラム21の回転動作に伴って感光体ドラム21に対して従動方向に周速で従動回転する。また、この帯電ローラは帯電バイアス発生部(図示省略)に接続されており、帯電バイアス発生部からの帯電バイアスの給電を受けて帯電部23と感光体ドラム21が当接する帯電位置で感光体ドラム21の表面を帯電させる。
ラインヘッド29は、その長手方向が主走査方向MDに対応するとともに、その幅方向が副走査方向SDに対応するように、感光体ドラム21に対して配置されており、ラインヘッド29の長手方向は主走査方向MDと略平行となっている。ラインヘッド29は、長手方向に並べて配置された複数の発光素子を備えるとともに、感光体ドラム21から離間配置されている。そして、これらの発光素子から、帯電部23により帯電された感光体ドラム21の表面に対して光が照射されて、該表面に静電潜像が形成される。
現像部25は、その表面にトナーが担持する現像ローラ251を有する。そして、現像ローラ251と電気的に接続された現像バイアス発生部(図示省略)から現像ローラ251に印加される現像バイアスによって、現像ローラ251と感光体ドラム21とが当接する現像位置において、帯電トナーが現像ローラ251から感光体ドラム21に移動してラインヘッド29により形成された静電潜像が顕在化される。
このように上記現像位置において顕在化されたトナー像は、感光体ドラム21の回転方向D21に搬送された後、後に詳述する転写ベルト81と各感光体ドラム21が当接する1次転写位置TR1において転写ベルト81に1次転写される。
また、この実施形態では、感光体ドラム21の回転方向D21の1次転写位置TR1の下流側で且つ帯電部23の上流側に、感光体ドラム21の表面に当接して感光体クリーナ27が設けられている。この感光体クリーナ27は、感光体ドラムの表面に当接することで1次転写後に感光体ドラム21の表面に残留するトナーをクリーニング除去する。
転写ベルトユニット8は、駆動ローラ82と、図3において駆動ローラ82の左側に配設される従動ローラ83(ブレード対向ローラ)と、これらのローラに張架され図示矢印D81の方向(搬送方向)へ循環駆動される転写ベルト81とを備えている。また、転写ベルトユニット8は、転写ベルト81の内側に、感光体カートリッジ装着時において各画像形成ステーションY,M,C,Kが有する感光体ドラム21各々に対して一対一で対向配置される、4個の1次転写ローラ85Y,85M,85C,85Kを備えている。これらの1次転写ローラ85は、それぞれ1次転写バイアス発生部(図示省略)と電気的に接続される。そして、後に詳述するように、カラーモード実行時は、図3に示すように全ての1次転写ローラ85Y,85M,85C,85Kを画像形成ステーションY,M,C,K側に位置決めすることで、転写ベルト81を画像形成ステーションY,M,C,Kそれぞれが有する感光体ドラム21に押し遣り当接させて、各感光体ドラム21と転写ベルト81との間に1次転写位置TR1を形成する。そして、適当なタイミングで上記1次転写バイアス発生部から1次転写ローラ85に1次転写バイアスを印加することで、各感光体ドラム21の表面上に形成されたトナー像を、それぞれに対応する1次転写位置TR1において転写ベルト81表面に転写してカラー画像を形成する。
一方、モノクロモード実行時は、4個の1次転写ローラ85のうち、カラー1次転写ローラ85Y,85M,85Cをそれぞれが対向する画像形成ステーションY,M,Cから離間させるとともにモノクロ1次転写ローラ85Kのみを画像形成ステーションKに当接させることで、モノクロ画像形成ステーションKのみを転写ベルト81に当接させる。その結果、モノクロ1次転写ローラ85Kと画像形成ステーションKとの間にのみ1次転写位置TR1が形成される。そして、適当なタイミングで前記1次転写バイアス発生部からモノクロ1次転写ローラ85Kに1次転写バイアスを印加することで、各感光体ドラム21の表面上に形成されたトナー像を、1次転写位置TR1において転写ベルト81表面に転写してモノクロ画像を形成する。
さらに、転写ベルトユニット8は、モノクロ1次転写ローラ85Kの下流側で且つ駆動ローラ82の上流側に配設された下流ガイドローラ86を備える。また、この下流ガイドローラ86は、モノクロ1次転写ローラ85Kが画像形成ステーションKの感光体ドラム21に当接して形成する1次転写位置TR1での1次転写ローラ85Kと感光体ドラム21との共通内接線上において、転写ベルト81に当接するように構成されている。
駆動ローラ82は、転写ベルト81を図示矢印D81の方向に循環駆動するとともに、2次転写ローラ121のバックアップローラを兼ねている。駆動ローラ82の周面には、厚さ3mm程度、体積抵抗率が1000kΩ・cm以下のゴム層が形成されており、金属製の軸を介して接地することにより、図示を省略する2次転写バイアス発生部から2次転写ローラ121を介して供給される2次転写バイアスの導電経路としている。このように駆動ローラ82に高摩擦かつ衝撃吸収性を有するゴム層を設けることにより、駆動ローラ82と2次転写ローラ121との当接部分(2次転写位置TR2)へのシートが進入する際の衝撃が転写ベルト81に伝達しにくく、画質の劣化を防止することができる。
給紙ユニット11は、シートを積層保持可能である給紙カセット77と、給紙カセット77からシートを一枚ずつ給紙するピックアップローラ79とを有する給紙部を備えている。ピックアップローラ79により給紙部から給紙されたシートは、レジストローラ対80において給紙タイミングが調整された後、シート案内部材15に沿って2次転写位置TR2に給紙される。
2次転写ローラ121は、転写ベルト81に対して離当接自在に設けられ、2次転写ローラ駆動機構(図示省略)により離当接駆動される。定着ユニット13は、ハロゲンヒータ等の発熱体を内蔵して回転自在な加熱ローラ131と、この加熱ローラ131を押圧付勢する加圧部132とを有している。そして、その表面に画像が2次転写されたシートは、シート案内部材15により、加熱ローラ131と加圧部132の加圧ベルト1323とで形成するニップ部に案内され、該ニップ部において所定の温度で画像が熱定着される。加圧部132は、2つのローラ1321,1322と、これらに張架される加圧ベルト1323とで構成されている。そして、加圧ベルト1323の表面のうち、2つのローラ1321,1322により張られたベルト張面を加熱ローラ131の周面に押し付けることで、加熱ローラ131と加圧ベルト1323とで形成するニップ部が広くとれるように構成されている。また、こうして定着処理を受けたシートはハウジング本体3の上面部に設けられた排紙トレイ4に搬送される。
また、この装置では、ブレード対向ローラ83に対向してクリーナ部71が配設されている。クリーナ部71は、クリーナブレード711と廃トナーボックス713とを有する。クリーナブレード711は、その先端部を転写ベルト81を介してブレード対向ローラ83に当接することで、2次転写後に転写ベルトに残留するトナーや紙粉等の異物を除去する。そして、このように除去された異物は、廃トナーボックス713に回収される。また、クリーナブレード711及び廃トナーボックス713は、ブレード対向ローラ83と一体的に構成されている。したがって、次に説明するようにブレード対向ローラ83が移動する場合は、ブレード対向ローラ83と一緒にクリーナブレード711及び廃トナーボックス713も移動することとなる。
図5は、本実施形態におけるラインヘッドの概略を示す斜視図である。また、図6は、図5に示したラインヘッドの幅方向部分断面図であり、レンズの光軸に平行な断面である。上述した通り、その長手方向LGDが主走査方向MDに対応するとともに、その幅方向LTDが副走査方向SDに対応するように、ラインヘッド29は感光体ドラム21に対して配置されている。なお、長手方向LGDと幅方向LTDは、互いに直交もしくは略直交している。後述するように、このラインヘッド29では、ヘッド基板293に複数の発光素子が形成されており、各発光素子は感光体ドラム21の表面に向けて光ビームを射出する。そこで、本明細書では、長手方向LGDおよび幅方向LTDに直交する方向であって、発光素子から感光体ドラム表面に向う方向を、光ビームの進行方向Doaとする。この光ビームの進行方向Doaは、後述する光軸OAと平行もしくは略平行である。
ラインヘッド29は、ケース291を備えるとともに、かかるケース291の長手方向LGDの両端には、位置決めピン2911とねじ挿入孔2912が設けられている。そして、かかる位置決めピン2911を、感光体ドラム21を覆うとともに感光体ドラム21に対して位置決めされた感光体カバー(図示省略)に穿設された位置決め孔(図示省略)に嵌め込むことで、ラインヘッド29が感光体ドラム21に対して位置決めされる。そして更に、ねじ挿入孔2912を介して固定ねじを感光体カバーのねじ孔(図示省略)にねじ込んで固定することで、ラインヘッド29が感光体ドラム21に対して位置決め固定される。
ケース291の内部には、ヘッド基板293、遮光部材297、および2枚のレンズアレイ299(299A,299B)が配置されている。ヘッド基板293の表面293−hにはケース291の内部が当接する一方、ヘッド基板293の裏面293−tには裏蓋2913が当接している。この裏蓋2913は、固定器具2914によりヘッド基板293を介してケース291内部に押圧されている。つまり、固定器具2914は、裏蓋2913をケース291内部側(図6における上側)に押圧する弾性力を有しており、かかる弾性力により裏蓋が押圧されることで、ケース291の内部が光密に(換言すれば、ケース291内部から光が漏れないように、及び、ケース291の外部から光が侵入しないように)密閉される。なお、固定器具2914は、ケース291の長手方向LGDに複数箇所設けられている。
ヘッド基板293の裏面293−tには、複数の発光素子をグループ化した発光素子グループ295が設けられている。ヘッド基板293はガラス等の光透過性部材で形成されており、発光素子グループ295の各発光素子が射出した光ビームは、ヘッド基板293の裏面293−tから表面293−hへと透過可能である。この発光素子はボトムエミッション型の有機EL(Electro-Luminescence)素子であり、封止部材294により覆われている。このヘッド基板293の裏面293−tにおける、発光素子の配置の詳細は次の通りである。
図7はヘッド基板の裏面の構成を示す図であり、ヘッド基板の表面から裏面を見た場合に相当する。また、図8は、ヘッド基板裏面に設けられた発光素子グループの構成を示す図である。図7に示すように、発光素子グループ295は8個の発光素子2951をグループ化して構成されている。そして、各発光素子グループ295において、8個の発光素子2951は次のように配置されている。つまり、図8に示すように、発光素子グループ295では、長手方向LGDに沿って4個の発光素子2951を並べて発光素子行2951Rが構成されるとともに、2個の発光素子行2951Rが幅方向LTDに発光素子行ピッチPelrで並んで設けられている。また、各発光素子行2951Rは長手方向LGDに素子ピッチPelだけ相互にずれており、各発光素子2951の長手方向LGDにおける位置は互いに異なる。このように構成された発光素子グループ295は、長手方向LGDに長手方向幅Weggを有するとともに、幅方向LTDに幅方向幅Wegtを有しており、長手方向幅Weggは幅方向幅Wegtよりも長い。このように、本実施形態では、各発光素子行2951Rにおいて長手方向LGDに並ぶ発光素子2951の個数はm(=4)個であり、発光素子グループ295において幅方向LTDに並ぶ発行素子行2951Rの個数はn(=2)個である。
また、ヘッド基板293の裏面293−tでは、このように構成された発光素子グループ295が複数配置されている。つまり、幅方向LTDにおいて互いに異なる位置に3個の発光素子グループ295を配置して発光素子グループ列295Cが構成されるとともに、複数の発光素子グループ列295Cが長手方向LGDに沿って並んでいる。各発光素子グループ列295Cでは、3個の発光素子グループ295が長手方向LGDに発光素子グループピッチPegだけ互いにずらして配置されており、その結果、各発光素子グループ295の長手方向LGDにおける位置PTEは互いに異なる。換言すれば、ヘッド基板293の裏面293−tでは、長手方向LGDに複数の発光素子グループ295を並べて発光素子グループ行295Rが構成されるとともに、3行の発光素子グループ行295Rが幅方向LTDに設けられている。また、各発光素子グループ行295Rは長手方向LGDに発光素子グループピッチPegだけ互いにずらして配置されており、その結果、各発光素子グループ295の長手方向LGDにおける位置PTEは互いに異なる。このように本実施形態では、ヘッド基板293において複数の発光素子グループ295が2次元的に配置されている。なお、同図においては、発光素子グループ295の位置は発光素子グループ295の重心位置で代表されており、発光素子グループ295の長手方向LGDにおける位置PTEは、発光素子グループ295の位置から長手方向軸LGDに下ろした垂線の足で表されている。
このようにしてヘッド基板293に形成された各発光素子2951は、例えばTFT(Thin Film Transistor)回路等からの駆動を受けて、互いに等しい波長の光ビームを射出する。この発光素子2951の発光面はいわゆる完全拡散面光源であり、発光面から射出される光ビームはランバートの余弦則に従う。
図5、図6に戻って説明を続ける。ヘッド基板293の表面293−hには、遮光部材297が当接配置されている。遮光部材297には、複数の発光素子グループ295毎に導光孔2971が設けられている(換言すれば、複数の発光素子グループ295に対して一対一で複数の導光孔2971が設けられている)。各導光孔2971は、光ビームの進行方向Doaに貫通する孔として、遮光部材297に形成されている。また、遮光部材297の上側(ヘッド基板293の反対側)には、2枚のレンズアレイ299が光ビームの進行方向Doaに並べて配置されている。
このように、光ビームDoaの進行方向において、発光素子グループ295とレンズアレイ299との間には、発光素子グループ295毎に導光孔2971を設けた遮光部材297が配置されている。したがって、発光素子グループ295から出た光ビームは、該発光素子グループ295に対応する導光孔2971を通過してレンズアレイ299へと向う。逆に言うと、発光素子グループ295から射出された光ビームのうち、該発光素子グループ295に対応する導光孔2971以外に向う光ビームは、遮光部材297により遮光されることとなる。こうして、1つの発光素子グループ295から出た光は全て同一の導光孔2971を介してレンズアレイ299へ向うとともに、異なる発光素子グループ295から出た光ビーム同士の干渉が遮光部材297により防止されている。
図9は、本実施形態におけるレンズアレイの平面図であり、像面側(光ビームの進行方向Doa側)からレンズアレイを見た場合に相当する。なお、同図における各レンズLSはレンズアレイ基板2991の表面2991−hに形成されており、同図はこのレンズアレイ基板表面2991−hの構成を示している。レンズアレイ299では、発光素子グループ295毎にレンズLSが設けられている。つまり、レンズアレイ299では、幅方向LTDの異なる位置に配された3個のレンズLSを配置してレンズ列LSCが構成されるとともに、複数のレンズ列LSCが長手方向LTDに沿って並んでいる。各レンズ列LSCでは、3個のレンズが長手方向LGDにレンズピッチPlsだけ互いにずらして配置されており、その結果、各レンズLSの長手方向LGDにおける位置PTLは互いに異なる。換言すれば、レンズアレイ299では、長手方向LGDに複数のレンズLSを並べてレンズ行LSRが構成されるとともに、3行のレンズ行LSRが幅方向LTDに設けられている。また、各レンズ行LSRは長手方向LGDにレンズピッチPlsだけ互いにずらして配置されており、各レンズLSの長手方向LGDにおける位置PTLは互いに異なる。このように、レンズアレイ299において複数のレンズLSは2次元的に配置されている。なお、同図においては、レンズLSの位置は、レンズLSの頂点(つまり、サグが最大となる点)で代表されており、レンズLSの長手方向LGDにおける位置PTLは、レンズLSの頂点から長手方向軸LGDに下ろした垂線の足で表されている。
図9に示すように本実施形態では、各レンズLSは、幅方向LTDに長い楕円形状を有している。つまり、レンズLSの長手方向LGDにおける長さをレンズ長手方向長さL1とし、レンズLSの幅方向LTDにおける長さをレンズ幅方向長さL2としたとき、次式
L2>L1
が満たされるように、各レンズLSは構成されている。また、上述の遮光部材297の導光孔2971の形状も、レンズLSの形状に対応して、幅方向LTDに長い楕円形状である。
L2>L1
が満たされるように、各レンズLSは構成されている。また、上述の遮光部材297の導光孔2971の形状も、レンズLSの形状に対応して、幅方向LTDに長い楕円形状である。
図10は、レンズアレイおよびヘッド基板等の長手方向の断面図であり、レンズアレイに形成されたレンズLSの光軸を含む長手方向断面を示している。レンズアレイ299は光透過性のレンズアレイ基板2991を有している。本実施形態では、このレンズアレイ基板2991は、線膨張係数の比較的小さいガラスにより形成されている。レンズアレイ基板2991の表面2991−hおよび裏面2991−tのうち、レンズアレイ基板2991表面2991−hにレンズLSが形成されている。このレンズアレイ299は、例えば特開2005−276849号公報等に記載の方法により形成される。つまり、レンズLSの形状に応じた凹部を有する金型が、レンズアレイ基板2991としてのガラス基板に対して当接される。金型と光透過性基板との間には、光硬化性樹脂が充填される。この光硬化性樹脂に光が照射されると、光硬化性樹脂が硬化して、光透過性基板にレンズLSが形成される。そして、光硬化性樹脂が硬化してレンズLSが形成されると、金型が離型される。
このように本実施形態では、レンズアレイ基板2991とレンズLSとでレンズアレイ299が構成されている。したがって、レンズアレイ基板2991とレンズLSとで別の基材を選択することが可能になる等、レンズアレイ299の構成の自由度が向上する。よって、ラインヘッド29に求められる仕様に応じて、レンズアレイ299を適切に設計することが可能となり、ラインヘッド29による良好な露光がより簡便に実現することができる。また、本実施形態では、光を照射することで速やかに硬化させることができる光硬化性樹脂によりレンズLSが形成される。したがって、簡便にレンズLSを形成することができるため、レンズアレイ299の作成工程を簡素化して、レンズアレイ299のコスト低下が可能となっている。さらに、レンズアレイ基板2991は線膨張係数の小さいガラスにより形成されているため、温度変化によるレンズアレイ299の変形が抑制されて、温度に依らず良好な露光が実現可能となっている。
このラインヘッド29では、このような構成を有するレンズアレイ299が2枚(299A,299B)光ビームの進行方向Doaに並べて配置されている。これら2枚のレンズアレイ299A,299Bは台座296を挟んで対向しており、この台座296はレンズアレイ299A,299Bの間隔を規定する機能を果たしている。このように、本実施形態では、光の進行方向Doaに並ぶ2枚のレンズLS1,LS2が各発光素子グループ295毎に配置されることとなる(図5、図6、図10)。また、互いに同じ発光素子グループ295に対応する第1レンズLS1および第2レンズLS2それぞれのレンズ中心を通る光軸OA(図10二点鎖線)は、ヘッド基板293の裏面293−tに直交もしくは略直交している。ここで、光ビームの進行方向Doaの上流側のレンズアレイ299AのレンズLSが第1レンズLS1であり、光ビームの進行方向Doaの下流側のレンズアレイ299BのレンズLSが第2レンズLS2である。本実施形態では、複数のレンズアレイ299が光ビームの進行方向Doaに並べて配置されているため、光学設計の自由度を向上させることが可能となっている。
このように、ラインヘッド29は、第1・第2レンズLS1,LS2を有する結像光学系を備えている。したがって、発光素子グループ295から射出された光ビームは、第1レンズLS1および第2レンズLS2により結像されて、感光体ドラム表面(像面)にスポットSPが形成される。一方、上述のとおり、感光体ドラム表面は、スポット形成に先立って帯電部23により帯電されている。したがって、スポットSPが形成された領域は除電されて、スポット潜像Lspが形成される。そして、このように形成されたスポット潜像Lspは感光体ドラム表面に担持されながら、副走査方向SDの下流側へと搬送される。そして、次に説明するように、スポットSPは感光体ドラム表面の移動に応じたタイミングで形成されて、主走査方向MDに並ぶ複数のスポット潜像Lspが形成される。
図11はラインヘッドにより形成されるスポットを説明するための斜視図である。なお、図11においてレンズアレイ299の記載は省略されている。図11に示すように、各発光素子グループ295は、主走査方向MDにおいて互いに異なる露光領域ERにスポットグループSGを形成可能である。ここで、スポットグループSGは、発光素子グループ295の全発光素子2951が同時発光して形成される複数のスポットSPの集合である。同図に示すように、主走査方向MDに連続する露光領域ERにスポットグループSGを形成可能である3個の発光素子グループ295は、幅方向LTDに相互にずらして配置されている。つまり、例えば、主走査方向MDに連続する露光領域ER_1,ER_2,ER3にスポットグループSG_1,SG2,SG3を形成可能である3個の発光素子グループ295_1,295_2,295_3は、幅方向LTDに相互にずらして配置されている。これら3個の発光素子グループ295は発光素子グループ列295Cを構成し、複数の発光素子グループ列295Cが長手方向LGDに沿って並ぶ。その結果、図7の説明の際にも述べたが、3行の発光素子グループ行295R_A,295R_B,295R_Cが幅方向LTDに並ぶとともに、各発光素子グループ行295R_A等は、副走査方向SDにおいて互いに異なる位置にスポットグループSGを形成する。
つまり、このラインヘッド29では、複数の発光素子グループ295(例えば、発光素子グループ295_1,295_2,295_3)は、幅方向LTDにおいて互いに異なる位置に配置されている。そして、幅方向LTDにおいて互いに異なる位置に配置された各発光素子グループ295は、副走査方向SDにおいて互いに異なる位置にスポットグループSG(例えば、スポットグループSG_1,SG_2,SG_3)を形成する。
換言すれば、このラインヘッド29では、幅方向LTDにおいて互いに異なる位置に複数の発光素子2951が配置されている(例えば、発光素子グループ295_1に属する発光素子2951と、発光素子グループ295_2に属する発光素子2951とは、幅方向LTDにおいて互いに異なる位置に配置されている)。そして、幅方向LTDにおいて互いに異なる位置に配置された各発光素子2951は、副走査方向SDにおいて互いに異なる位置にスポットSPを形成する(例えば、スポットグループSG_1に属するスポットSPと、スポットグループSG_2に属するスポットSPとは、副走査方向SDにおいて互いに異なる位置に形成される)。
このように、発光素子2951によって副走査方向SDにおけるスポットSPの形成位置が異なる。したがって、複数のスポット潜像Lspを主走査方向MDに並べて形成するためには(つまり、複数のスポット潜像Lspを副走査方向SDにおいて同じ位置に形成するためには)、かかるスポット形成位置の違いを考慮する必要がある。そこで、このラインヘッド29では、各発光素子2951は感光体ドラム表面の移動に応じたタイミングで発光する。
図12は、上述のラインヘッドによるスポット形成動作を示す図である。以下に、図7、図11、図12を用いてラインヘッドによるスポット形成動作を説明する。概略的には、感光体ドラム表面(潜像担持体表面)が副走査方向SDに移動するとともに、ヘッド制御モジュール54(図4)が感光体ドラム表面の移動に応じたタイミングで発光素子2951を発光させることで、主走査方向MDに並ぶ複数のスポット潜像Lspが形成される。
まず、幅方向LTDに最上流の発光素子グループ295_1,295A4等に属する発光素子行2951R(図11)のうち、幅方向LTDの下流側の発光素子行2951Rを発光させる。そして、かかる発光動作により射出される複数の光ビームは、レンズLSにより結像されて、感光体ドラム表面にスポットSPが形成される。なお、レンズLSは倒立特性を有し、発光素子2951からの光ビームは倒立して結像される。こうして、図12の「1回目」のハッチングパターンの位置にスポット潜像Lspが形成される。なお、同図において、白抜きの丸印は、未だ形成されておらず今後形成される予定のスポット潜像を表す。また、同図において、符号295_1〜295_4でラベルされたスポット潜像は、それぞれに付された符号に対応する発光素子グループ295により形成されるスポット潜像であることを示す。
次に、同発光素子グループ295_1,295A4等に属する発光素子行2951Rのうち、幅方向LTDの上流側の発光素子行2951Rを発光させる。そして、かかる発光動作により射出される複数の光ビームはレンズLSにより結像されて、感光体ドラム表面にスポットSPが形成される。こうして、図12の「2回目」のハッチングパターンの位置にスポット潜像Lspが形成される。ここで、幅方向LTDの下流側の発光素子行2951Rから順番に発光させたのは、レンズLSが倒立特性を有することに対応するためである。
次に、幅方向上流側から2番目の発光素子グループ295_2等に属する発光素子行2951Rのうち幅方向LTDの下流側の発光素子行2951Rを発光させる。そして、かかる発光動作により射出される複数の光ビームはレンズLSにより結像されて、感光体ドラム表面にスポットSPが形成される。こうして、図12の「3回目」のハッチングパターンの位置にスポット潜像Lspが形成される。
次に、幅方向上流側から2番目の発光素子グループ295_2等に属する発光素子行2951Rのうち幅方向LTDの上流側の発光素子行2951Rを発光させる。そして、かかる発光動作により射出される複数の光ビームはレンズLSにより結像されて、感光体ドラム表面にスポットSPが形成される。こうして、図12の「4回目」のハッチングパターンの位置にスポット潜像Lspが形成される。
次に、幅方向上流側から3番目の発光素子グループ295_3等に属する発光素子行2951Rのうち幅方向LTDの下流側の発光素子行2951Rを発光させる。そして、かかる発光動作により射出される複数の光ビームはレンズLSにより結像されて、感光体ドラム表面にスポットSPが形成される。こうして、図12の「5回目」のハッチングパターンの位置にスポット潜像Lspが形成される。
そして最後に、幅方向上流側から3番目の発光素子グループ295_3に属する発光素子行2951Rのうち幅方向LTDの上流側の発光素子行2951Rを発光させる。そして、かかる発光動作により射出される複数の光ビームはレンズLSにより結像されて、感光体ドラム表面にスポットSPが形成される。こうして、図12の「6回目」のハッチングパターンの位置にスポット潜像Lspが形成される。このように、1〜6回目までの発光動作を実行することで、副走査方向SDの上流側のスポットSPから順番にスポットSPが形成されて、主走査方向MDに並ぶ複数のスポット潜像Lspが形成される。
上述してきたとおり、本実施形態では、レンズ長手方向長さL1とレンズ幅方向長さL2とが、次式
L2>L1
を満たすように各レンズLSは構成されている。つまり、レンズLSは長手方向LGD(第1方向)よりも幅方向LTD(第2方向)に長い形状を有している。したがって、長手方向LGDに並ぶ複数のレンズLSのレンズピッチPlsを大きくすること無く、幅方向LTDにより多くの光をレンズLSは取り込むことができる。したがって、高解像度においても多くの光をレンズLSへ取り込むことができ、良好な露光が可能となっている。
L2>L1
を満たすように各レンズLSは構成されている。つまり、レンズLSは長手方向LGD(第1方向)よりも幅方向LTD(第2方向)に長い形状を有している。したがって、長手方向LGDに並ぶ複数のレンズLSのレンズピッチPlsを大きくすること無く、幅方向LTDにより多くの光をレンズLSは取り込むことができる。したがって、高解像度においても多くの光をレンズLSへ取り込むことができ、良好な露光が可能となっている。
ところで、上記実施形態では、発光素子2951として有機EL素子が用いられており、この有機EL素子はLED(Light Emitting Diode)等と比較して光量が少ないため、レンズLSに取り込める光量は少なくなる傾向にある。特にボトムエミッション型の有機EL素子を用いた場合、有機EL素子から射出された光ビームの一部はヘッド基板293に吸収されるため、レンズLSに取り込める光量がなおさら少なくなる。これに対して、本実施形態では、レンズLSは長手方向LGD(第1方向)よりも幅方向LTD(第2方向)に長い形状を有しているため、幅方向LTDにより多くの光をレンズLSにとりこ込むことが可能となっている。したがって、発光素子2951としてボトムエミッション型の有機EL素子を用いた構成においても、良好な露光が可能となっている。
B−2.第2実施形態
図13は、本発明の第2実施形態を示す部分断面図である。同図において、二点鎖線の大きい円に示された構成は、二点鎖線の小さい円に示された構成を拡大したものである。図13に示すように、2枚のレンズアレイ299A、299Bに形成されたレンズLS1、LS2は、いずれも発光素子グループ295に対して凸である。換言すれば、レンズLS1、LS2の発光素子グループ295(発光素子2951)からの入射面が凸である。さらに、この第2実施形態では、レンズLS1と発光素子グループ295との間に絞りDIAが設けられている。この絞りDIAは、絞り用平板298に開口APを開けて形成される。
図13は、本発明の第2実施形態を示す部分断面図である。同図において、二点鎖線の大きい円に示された構成は、二点鎖線の小さい円に示された構成を拡大したものである。図13に示すように、2枚のレンズアレイ299A、299Bに形成されたレンズLS1、LS2は、いずれも発光素子グループ295に対して凸である。換言すれば、レンズLS1、LS2の発光素子グループ295(発光素子2951)からの入射面が凸である。さらに、この第2実施形態では、レンズLS1と発光素子グループ295との間に絞りDIAが設けられている。この絞りDIAは、絞り用平板298に開口APを開けて形成される。
絞りDIAとレンズLS(LS1)との光ビームの進行方向Doaにおける位置関係は次のとおりである。つまり、絞りDIAは、光ビームの進行方向DoaにおいてレンズLSの頂点Ltから当該レンズLSのサグLsgの10%以内の範囲に配置されている。同図の二点鎖線の大きい円を用いてより具体的に説明する。まず、レンズLSの頂点Ltを通って長手方向LGDに平行な直線を直線L(0)としたとき、当該直線L(0)とレンズアレイ基板2991の裏面2991−tとの光ビームの進行方向Doaにおける距離が、レンズLSのサグLsgとなる。そして、光ビームの進行方向Doaにおいてレンズアレイ基板裏面2991−tとの距離が0.9×Lsgであって長手方向LGDに平行な直線を直線L(-1)とし、光ビームの進行方向Doaにおいてレンズアレイ基板裏面2991−tとの距離が1.1×Lsgであって長手方向LGDに平行な直線を直線L(+1)としたとき、絞りDIAは、光ビームの進行方向Doaにおいて直線(-1)と直線(+1)との間に配置されている。特に、第2実施形態では、絞りDIAはレンズLSの頂点Ltよりも像面側にあり、すなわち、絞りDIAは、光ビームの進行方向Doaにおいて直線(0)と直線(-1)との間に配置されている。つまり、発光素子2951の位置を原点とする光ビームの進行方向Doaへの頂点Ltの位置P1と、発光素子2951の位置を原点とする光ビームの進行方向Doaへの絞りDIAの位置P2とは、次式
P1≦P2≦P1+0.1×Lsg
を満たす。
P1≦P2≦P1+0.1×Lsg
を満たす。
図14は、第2実施形態の絞りの構成を示す部分平面図である。同図において、レンズLS1が破線で示されているが、これはレンズLS1と絞りDIAとの関係を示すものであり、絞り用平板298にレンズLS1が設けられていることを示すものではない。まず、第2実施形態でのレンズLS1の平面視における構成を説明すると次のとおりである。レンズLSは、平面視において楕円形状を有している。また、長手方向LGDへのレンズLS1への長さL1(レンズ主走査幅L1)および幅方向LTDへのレンズLS1の長さL2(レンズ副走査幅L2)は、次式
1<L2/L1<1.2
を満たす。また、長手方向LGDにレンズLSはレンズピッチPlsで配列される一方、幅方向LTDにレンズLSはレンズ行ピッチPlsrで配列される。
1<L2/L1<1.2
を満たす。また、長手方向LGDにレンズLSはレンズピッチPlsで配列される一方、幅方向LTDにレンズLSはレンズ行ピッチPlsrで配列される。
次に、絞りの平面視における構成を説明する。図14に示すように、絞り用平板298には、複数のレンズLS1に一対一で対応して複数の絞りDIAが設けられており、互いに対応関係にあるレンズLS1と絞りDIAとの幾何重心が一致している。そして、第2実施形態では、長手方向LGDへの絞りDIAの長さLa1(絞り主走査直径La1)および幅方向LTDへの絞りDIAの長さLa2(絞り副走査直径La2)が、次式
1<La2/La1
を満たす。特に、第2実施形態では、
L2/L1=La2/La1
となっている。しかも、各絞りDIAは対応するレンズLS1と相似である楕円形状を有している。
1<La2/La1
を満たす。特に、第2実施形態では、
L2/L1=La2/La1
となっている。しかも、各絞りDIAは対応するレンズLS1と相似である楕円形状を有している。
このように第2実施形態では、レンズ主走査幅L1およびレンズ副走査幅L2が、次式
1<L2/L1
の関係を満たしている。したがって、長手方向LGDに配設されるレンズLSのピッチPlsを広げること無く、副走査方向SD(幅方向LTD)に多くの光量をレンズLS1に取り込んで良好な露光を行なうことが可能となっている。
1<L2/L1
の関係を満たしている。したがって、長手方向LGDに配設されるレンズLSのピッチPlsを広げること無く、副走査方向SD(幅方向LTD)に多くの光量をレンズLS1に取り込んで良好な露光を行なうことが可能となっている。
そして、かかる構成は、レンズピッチPlsを広げる必要が無いため、高解像度化に有利である。つまり、各レンズLSの相対的位置関係は、レンズの製造工程の精度の範囲内でばらつく。そして、各レンズLSの位置ばらつきは、各レンズLSが形成するスポットの位置のばらつきの原因となる。このとき、レンズピッチPlsが広いと、かかるスポット位置のばらつきが、目標とする解像度に比較して長い周期で現れてしまい、人が見た場合に目立ってしまう。これに対して、レンズピッチPlsを短く抑えることで、このようなスポット位置のばらつきの影響を抑制して、高解像度化を図ることが可能となる。
また、第2実施形態では、レンズ主走査幅L1およびレンズ副走査幅L2が、次式
L2/L1<1.2
の関係を満たすように構成している。このように構成することで、レンズ主走査幅L1とレンズ副走査幅L2との差を抑制して非点収差の少ないレンズを容易に形成できるため、良好な露光を簡便に実現することができる。特に、金型を用いてレンズを形成する場合、式 L2/L1<1.2を満たす構成は好適である。つまり、金型によるレンズ形成では、金型に対してレンズを収縮させることで金型からレンズを離型する。このとき、レンズ主走査幅L1とレンズ副走査幅L2との差が大きいと、長手方向LGD(主走査方向MD)と幅方向LTD(副走査方向SD)とでレンズの収縮の程度に差が生じてしまい、非点収差が発生しやすい。これに対して、式 L2/L1<1.2を満たすように構成することで、非点収差を問題の無いレベルにまで容易に抑制することができ、良好な露光が簡便に実現できる。
L2/L1<1.2
の関係を満たすように構成している。このように構成することで、レンズ主走査幅L1とレンズ副走査幅L2との差を抑制して非点収差の少ないレンズを容易に形成できるため、良好な露光を簡便に実現することができる。特に、金型を用いてレンズを形成する場合、式 L2/L1<1.2を満たす構成は好適である。つまり、金型によるレンズ形成では、金型に対してレンズを収縮させることで金型からレンズを離型する。このとき、レンズ主走査幅L1とレンズ副走査幅L2との差が大きいと、長手方向LGD(主走査方向MD)と幅方向LTD(副走査方向SD)とでレンズの収縮の程度に差が生じてしまい、非点収差が発生しやすい。これに対して、式 L2/L1<1.2を満たすように構成することで、非点収差を問題の無いレベルにまで容易に抑制することができ、良好な露光が簡便に実現できる。
また、第2実施形態は、絞り主走査直径La1と絞り副走査直径La2とが、次式、
1<La2/La1
の関係を満たしており、好適である。つまり、上述のとおり、第2実施形態ではレンズLS1は副走査方向SD(幅方向LTD)に多くの光量を取り込むことができる特性を備える一方、絞りDIAは発光素子2951からレンズLS1に向かう光の一部を遮光するものである。したがって、本実施形態のレンズ特性を効果的に活かすとの観点からは、絞りDIAによる不要な遮光を抑制して発光素子2951からの光を有効利用すべく、絞りDIAの形状は副走査方向SD(幅方向LTD)に多くの光量をレンズに取り込むのに有利なものであることが好適である。これに対して第2実施形態は、式 1<La2/La1を満たしているため、副走査方向SD(幅方向LTD)により多くの光量をレンズLS1に取り込むことができ、良好な露光が可能となる。
1<La2/La1
の関係を満たしており、好適である。つまり、上述のとおり、第2実施形態ではレンズLS1は副走査方向SD(幅方向LTD)に多くの光量を取り込むことができる特性を備える一方、絞りDIAは発光素子2951からレンズLS1に向かう光の一部を遮光するものである。したがって、本実施形態のレンズ特性を効果的に活かすとの観点からは、絞りDIAによる不要な遮光を抑制して発光素子2951からの光を有効利用すべく、絞りDIAの形状は副走査方向SD(幅方向LTD)に多くの光量をレンズに取り込むのに有利なものであることが好適である。これに対して第2実施形態は、式 1<La2/La1を満たしているため、副走査方向SD(幅方向LTD)により多くの光量をレンズLS1に取り込むことができ、良好な露光が可能となる。
また、第2実施形態は、レンズ主走査幅L1、レンズ副走査幅L2、絞り主走査直径La1、および絞り副走査直径La2が、次式
L2/L1=La2/La1
を満たすように構成している。したがって、発光素子2951からの光をより有効に利用することが可能となっている。
L2/L1=La2/La1
を満たすように構成している。したがって、発光素子2951からの光をより有効に利用することが可能となっている。
さらに第2実施形態は、レンズLS1の形状と絞りDIAの形状とは相似であるように構成しており、発光素子2951からの光をより有効に利用することが可能となる。
また、第2実施形態では、絞りDIAはレンズLS1の頂点LtからレンズLSのサグLsgの10%以内の範囲にあるように構成している。したがって、絞りDIAによる不要な遮光を抑制して、発光素子2951からの光を極めて有効に利用することができる。しかも、絞りDIAはレンズLSの頂点Ltよりも像面側に位置している。したがって、発光素子2951からの光の利用効率をより向上させることが可能となっている。
C.その他
このように上記実施形態では、長手方向LGDと幅方向LTDとが互いに直交もしくは略直交しており、主走査方向MDと副走査方向SDとが互いに直交もしくは略直交しており、長手方向LGDと主走査方向MDとが互いに平行もしくは略平行であり、幅方向LTDの副走査方向SDとが互いに平行もしくは略平行であることから、長手方向LGDおよび主走査方向MDが本発明の「第1の方向」に相当し、幅方向LTDおよび副走査方向SDが本発明の「第2の方向」に相当している。また、ヘッド基板293が本発明の「発光素子基板」に相当している。また、ラインヘッド29が本発明の「露光ヘッド」に相当している。また、感光体ドラム21が本発明の「潜像担持体」に相当している。
このように上記実施形態では、長手方向LGDと幅方向LTDとが互いに直交もしくは略直交しており、主走査方向MDと副走査方向SDとが互いに直交もしくは略直交しており、長手方向LGDと主走査方向MDとが互いに平行もしくは略平行であり、幅方向LTDの副走査方向SDとが互いに平行もしくは略平行であることから、長手方向LGDおよび主走査方向MDが本発明の「第1の方向」に相当し、幅方向LTDおよび副走査方向SDが本発明の「第2の方向」に相当している。また、ヘッド基板293が本発明の「発光素子基板」に相当している。また、ラインヘッド29が本発明の「露光ヘッド」に相当している。また、感光体ドラム21が本発明の「潜像担持体」に相当している。
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、上記実施形態では、発光素子グループ295を構成する各発光素子行2951Rにおいて、長手方向LGDに並ぶ発光素子2951の個数はm(=4)個である。しかしながら、mの値は4に限られず、要するに、mは2以上でnより大きい整数であれば良い(nは発光素子グループ295を構成する発光素子行2951Rの個数)。また、上記実施形態では、何れの発光素子行2951Rも、m個の発光素子2951を長手方向LGDに並べて構成されている。しかしながら、発光素子行2951Rの構成態様はこれに限られない。つまり、発光素子グループ295を構成する発光素子行2951Rのうち、一の発光素子行2951Rはm個の発光素子2951を並べて構成される一方で、他の発光素子行2951Rは(m+q)個の発光素子2951を並べて構成されても良い。ここで、qは1以上の整数である。要するに、発光素子グループ295を構成する各発光素子行2951Rの長手方向LGDに配された発光素子2951の個数はm個以上であれば良く、各発光素子行2951Rを同じ個数の発光素子2951で構成する必要は無い。また、上記実施形態では、発光素子グループ295において幅方向LTDに並ぶ発行素子行2951Rの個数はn(=2)個であるが、nの値は2に限られず1以上の整数であれば良い。したがって、次に示すように、発光素子グループ295を構成することもできる。
図15は、発光素子グループの別の構成を示す平面図である。また、図16は、図15の発光素子グループを複数配したヘッド基板の裏面の構成を示す図であり、ヘッド基板の表面から裏面を見た場合に相当する。図15に示す別の構成では、長手方向LGDに15個の発光素子2951が並んで発光素子行2951Rが構成されている(つまり、図15に示す例はm=15の場合に相当する)。この発光素子行2951Rにおいて、各発光素子2951は素子ピッチPel(=0.021[mm])の4倍のピッチ(=0.084[mm])で並んでいる。そして、このように構成された発光素子行2951Rが4個(2951R−1,2951R−2,2951R−3,2951R−4)幅方向LTDに並んでいる(つまり、図15に示す例はn=4の場合に相当する)。幅方向LTDにおいて、発光素子行2951R−4と発光素子行2951R−1との間のピッチは0.1155[mm]であり、発光素子行2951R−4と発光素子行2951R−2との間のピッチは0.084[mm]であり、発光素子行2951R−4と発光素子行2951R−3との間のピッチは0.0315[mm]である。また、発光素子グループ295の中心(重心)を通って幅方向LTDに平行な直線を中心線CTLとしたとき、発光素子行2951R−1および発光素子行2951R−4それぞれと、中心線CTLとのピッチは0.05775[mm]である。
また、図15において、中心線CTLより上側の2行2951R−1,2951R−2で1つの発光素子行組2951RTが構成されるとともに、中心線CTLより下側の2行2951R−3,2951R−4で1つの発光素子行組2951RTが構成されている。発光素子行組2951RTそれぞれでは、2つの発光素子行2951Rが長手方向LGDに素子ピッチPel(=0.021[mm])の2倍(=0.042[mm])だけ相互にずれている。しかも、2つの発光素子行組2951RTは、長手方向LGDに素子ピッチPel(=0.021[mm])だけ相互にずれている。したがって、4個の発光素子行2951Rは、長手方向LGDに素子ピッチPel(=0.021[mm])だけ相互にずれることとなり、その結果、長手方向LGDにおいて各発光素子2951の位置は異なっている。ここで、発光素子グループ295の長手方向LGDにおける両端に位置する発光素子2951を端部発光素子2951xとすると、長手方向LGDにおける端部発光素子2951x間のピッチは1.239[mm]であり、長手方向LGDにおける端部発光素子2951xと発光素子グループ295中心とのピッチは0.6195[mm]となる。
図16に示す例では、図15に示した発光素子グループ295が2次元的に配置されている。図16に示すように、長手方向LGDに複数の発光素子グループ295が並んで発光素子グループ行295Rが構成されている。この発光素子グループ行295Rにおいて、各発光素子グループ295は発光素子グループピッチPegの3倍のピッチ(=1.778[mm])で並んでいる。そして、このように構成された発光素子グループ行295Rが3個(295R−1,295R−2,295R−3)幅方向LTDに、発光素子グループ行ピッチPegr(=1.77[mm])で並んでいる。また、各発光素子グループ行295Rは長手方向LGDにおいて発光素子グループピッチPeg(約0.593[mm])だけ相互にずれている。つまり、発光素子グループ行295R−1と発光素子グループ行295R−2とは、長手方向LGDに0.59275[mm]だけずれており、発光素子グループ行295R−2と発光素子グループ行295R−3とは、長手方向LGDに0.5925[mm]だけずれており、発光素子グループ行295R−3と発光素子グループ行295R−1とは、長手方向LGDに0.59275[mm]だけずれている。したがって、発光素子グループ行295R−1と発光素子グループ行295R−3とは、長手方向LGDに1.18525[mm]だけずれている。
また、上記実施形態では、3個のレンズ行LSRが幅方向LTDに並んでいる。しかしながら、レンズ行LSRの個数は3個に限られない。したがって、例えば次の別の実施形態に示すようにレンズ行LSRの個数は1個でもよい。
図17は、ラインヘッドの別の実施形態を示す斜視図である。また、図18は、図17に示したラインヘッドの幅方向部分断面図であり、レンズの光軸に平行な断面である。また、図19は、別の実施形態における発光素子グループとレンズとの関係を示す平面図であり、像面側(光ビームの進行方向Doa側)から見た場合に相当する。以下では、図5等を用いて説明した実施形態と、別の実施形態との差異点について主に説明することとし、共通点については相当符号を付して説明を省略する。
別の実施形態においても、発光素子グループ295が配置されたヘッド基板293が設けられるとともに、光ビームの進行方向Doaに2枚のレンズアレイ299A,299Bが並んで設けられている。ヘッド基板293では、長手方向LGDに複数の発光素子グループ295が並んで配置されている。各レンズアレイ299A,299Bでは、発光素子グループ295毎にレンズLSが設けられており、長手方向LGDにおいて複数のレンズLSがレンズピッチPlsで並んで1個のレンズ行LSRが構成されている。この別の実施形態では、各レンズアレイ299A,299Bにおいて、レンズLSはレンズアレイ基板2991の裏面2991−tに形成されている。
図19に示すように、レンズLSは、U字と逆U字とを繋いだような形状を有している。したがって、レンズLSの外周部は、幅方向LTDに伸びる直線部LIPと、この直線部LIPに接続する円弧部CAPとを有している。このレンズLSのレンズ長手方向長さL1およびレンズ幅方向長さL2とは、次式
L2>L1
を満たしている。また、遮光部材297の導光孔2971の形状も、レンズLSの形状に対応した形状である。
L2>L1
を満たしている。また、遮光部材297の導光孔2971の形状も、レンズLSの形状に対応した形状である。
このように、別の実施形態においても、レンズLSは長手方向LGD(第1方向)よりも幅方向LTD(第2方向)に長い形状を有している。したがって、長手方向LGDに並ぶ複数のレンズLSのレンズピッチPlsを大きくすること無く、幅方向LTDにより多くの光をレンズLSは取り込むことができる。したがって、高解像度においても多くの光をレンズLSへ取り込むことができ、良好な露光が可能となっている。
また、図17〜図19の構成において、遮光部材297に代えて絞りDIAを設けるように構成することもできる。図20は、図17〜図19の構成において遮光部材に代えて絞りを設けた構成を示す部分平面図である。同図において、レンズLSが破線で示されているが、これはレンズLSと絞りDIAとの関係を示すものであり、絞り用平板298にレンズLSが設けられていることを示すものではない。同図に示すように、複数のレンズLSに一対一で対応して複数の絞りDIAが絞り用平板298に設けられている。また、レンズLSはU字と逆U字とを繋いだような形状を有している一方、絞りDIAは楕円形状を有している。また、絞り主走査直径La1および絞り副走査直径La2が、次式
1<La2/La1
を満たす。したがって、副走査方向SD(幅方向LTD)により多くの光量を取り込めるというレンズ特性を効果的に活かして、良好な露光が可能となっている。
1<La2/La1
を満たす。したがって、副走査方向SD(幅方向LTD)により多くの光量を取り込めるというレンズ特性を効果的に活かして、良好な露光が可能となっている。
また、上記実施形態では、レンズアレイ299は、レンズアレイ基板の表面2991−hあるいは裏面2991−tにレンズLSを形成して構成されている。しかしながら、レンズアレイの構成態様はこれに限られない。つまり、レンズアレイ基板の両面2991−t,2991−hにレンズLSを形成してレンズアレイ299を構成しても良い。
また、上記実施形態では、2枚のレンズアレイ299が用いられているが、レンズアレイ299の枚数はこれに限られない。
また、上記実施形態では、発光素子2951として有機EL素子が用いられている。しかしながら、有機EL素子以外のものを発光素子2951として用いても良く、例えば、LED(Light Emitting Diode)を発光素子2951として用いても良い。
次に本発明の実施例を示すが、本発明はもとより下記の実施例によって制限を受けるものではなく、前後記の趣旨に適合しうる範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に含まれる。
<第1実施例>
図21は第1実施例における光学系を示す図であり、主走査方向MDにおける断面を示している。この実施例では、光ビームの進行方向Doaにおいて第1レンズLS1の手前に絞りDIAが設けられており、絞りDIAにより絞られた光ビームが第1レンズLS1に入射する。同図では、光軸OA上の物点OB0から出て像点IM0に結像する光ビームの光路と、光軸OAとは異なる物点OB1から出て像点IM1に結像する光ビームの光路とが示されている。絞りDIA以外の構成は、別の実施形態で示したのと略同様である。
図21は第1実施例における光学系を示す図であり、主走査方向MDにおける断面を示している。この実施例では、光ビームの進行方向Doaにおいて第1レンズLS1の手前に絞りDIAが設けられており、絞りDIAにより絞られた光ビームが第1レンズLS1に入射する。同図では、光軸OA上の物点OB0から出て像点IM0に結像する光ビームの光路と、光軸OAとは異なる物点OB1から出て像点IM1に結像する光ビームの光路とが示されている。絞りDIA以外の構成は、別の実施形態で示したのと略同様である。
図22は、第1実施例における光学系を示す図であり、副走査方向SDにおける断面を示している。同図では、物点OBs1から出て像点IS1に結像する光ビームの光路と、物点OBs2から出て像点IS2に結像する光ビームの光路とが示されている。図21および図22に示すように、第1実施例の光学系は反転光学系である。
図23は第1実施例における光学系諸元を表す図である。同図に示すように、発光素子から射出される光ビームの波長は690[nm]である。また、レンズ長手方向長さL1は1.4[mm]であり、レンズ幅方向長さL2は1.63[mm]であり、次式
L2>L1
が満たされている。図24は、図21に示す第1実施例の光学系のデータを示す図である。同図が示すように、この光学系では、第1レンズLS1のレンズ面(面番号S4)および第2レンズLS2のレンズ面(面番号S7)は何れも自由曲面(XY多項式面)である。図25はXY多項式面の定義式を示す図であり、第1レンズLS1のレンズ面形状は同定義式と図26に示す係数で与えられ、第2レンズLS2のレンズ面形状は同定義式と図27に示す係数で与えられる。ここで、図26は第1実施例の光学系の面S4の係数値を示す図であり、図27は第1実施例の光学系の面S7の係数値を示す図である。
L2>L1
が満たされている。図24は、図21に示す第1実施例の光学系のデータを示す図である。同図が示すように、この光学系では、第1レンズLS1のレンズ面(面番号S4)および第2レンズLS2のレンズ面(面番号S7)は何れも自由曲面(XY多項式面)である。図25はXY多項式面の定義式を示す図であり、第1レンズLS1のレンズ面形状は同定義式と図26に示す係数で与えられ、第2レンズLS2のレンズ面形状は同定義式と図27に示す係数で与えられる。ここで、図26は第1実施例の光学系の面S4の係数値を示す図であり、図27は第1実施例の光学系の面S7の係数値を示す図である。
この実施例においても、レンズLSは長手方向LGD(第1方向)よりも幅方向LTD(第2方向)に長い形状を有している。したがって、長手方向LGDに並ぶ複数のレンズLSのレンズピッチPlsを大きくすること無く、幅方向LTDにより多くの光をレンズLSは取り込むことができる。したがって、高解像度においても多くの光をレンズLSへ取り込むことができ、良好な露光が可能となっている。
また、この実施例では、レンズアレイ299のレンズLSは自由曲面レンズである。ここで、自由曲面レンズとはレンズ面が自由曲面であるレンズである。したがって、レンズの結像特性が向上して、より良好な露光が実現可能となるっている。
<第2実施例>
図28は第2実施例における光学系を示す図であり、主走査方向MDにおける断面を示している。図29は第2実施例における光学系を示す図であり、副走査方向SDにおける断面を示している。この実施例では、光ビームの進行方向Doaにおいて第1レンズLS1の手前に絞りDIAが設けられており、絞りDIAにより絞られた光ビームが第1レンズLS1に入射する。こうして、第1レンズLS1に入射した光ビームは、当該第1レンズLS1および第2レンズLS2により結像される。図28では、光軸OA上の物点OBm0から出て像点IM0に結像する光ビームの光路と、光軸OAとは異なる物点OBm1から出て像点IM1に結像する光ビームの光路とが示されている。図29では、物点OBs1から出て像点IS1に結像する光ビームの光路と、物点OBs2から出て像点IS2に結像する光ビームの光路とが示されている。これらの図が示すように、第2実施例の光学系は反転縮小光学系である。
図28は第2実施例における光学系を示す図であり、主走査方向MDにおける断面を示している。図29は第2実施例における光学系を示す図であり、副走査方向SDにおける断面を示している。この実施例では、光ビームの進行方向Doaにおいて第1レンズLS1の手前に絞りDIAが設けられており、絞りDIAにより絞られた光ビームが第1レンズLS1に入射する。こうして、第1レンズLS1に入射した光ビームは、当該第1レンズLS1および第2レンズLS2により結像される。図28では、光軸OA上の物点OBm0から出て像点IM0に結像する光ビームの光路と、光軸OAとは異なる物点OBm1から出て像点IM1に結像する光ビームの光路とが示されている。図29では、物点OBs1から出て像点IS1に結像する光ビームの光路と、物点OBs2から出て像点IS2に結像する光ビームの光路とが示されている。これらの図が示すように、第2実施例の光学系は反転縮小光学系である。
図30は第2実施例における光学系諸元を表す図である。同図に示すように、発光素子から射出される光ビームの波長は690[nm]である。絞りDIAの形状は楕円である。また、絞り主走査直径La1(絞り長手方向長さLa1)は1.4[mm]であり、絞り副走査直径La2(絞り幅方向長さLa2)は1.6[mm]である。したがって、比La2/La1は1.14となる。また、第1レンズ主走査直径L1(1)(第1レンズ長手方向長さL1(1))は1.66[mm]であり、第1レンズ副走査直径L2(1)(第1レンズ幅方向長さL2(1))は1.9[mm]である。したがって、比L2(1)/L1(1)は1.14となる。また、第2レンズ主走査直径L1(2)(第2レンズ長手方向長さL1(2))は1.66[mm]であり、第2レンズ副走査直径L2(2)(第1レンズ幅方向長さL2(2))は2.0[mm]である。したがって、比L2(2)/L1(2)は1.2となる。また、「レンズ主走査有効系」は、第1レンズLS1および第2レンズLS2を1つのレンズとして見なした際の該レンズの主走査方向MDにおける有効径であり、「レンズ副走査有効系」は、第1レンズLS1および第2レンズLS2を1つのレンズ(結像光学系)として見なした際の該レンズの主走査方向SDにおける有効径である。また、「レンズ行数」の欄は、本実施例が1行のレンズ行LSRを備えるラインヘッドに対応するものであることを示している。
図31は、図28および図29に示す光学系のデータを示す図である。同図が示すように、この光学系では、第1レンズLS1のレンズ面(面番号S4)および第2レンズLS2のレンズ面(面番号S7)は何れも自由曲面(XY多項式面)である。そして、第1レンズLS1のレンズ面形状は図25に示したXY多項式面の定義式と図32に示す係数と
で与えられ、第2レンズLS2のレンズ面形状は同定義式と図33に示す係数で与えられる。ここで、図32は第2実施例の光学系の面S4の係数値を示す図であり、図33は第2実施例の光学系の面S7の係数値を示す図である。
で与えられ、第2レンズLS2のレンズ面形状は同定義式と図33に示す係数で与えられる。ここで、図32は第2実施例の光学系の面S4の係数値を示す図であり、図33は第2実施例の光学系の面S7の係数値を示す図である。
この実施例においても、レンズ主走査幅L1(L1(1)あるいはL1(2))およびレンズ副走査幅L2(L2(1)あるいはL2(2))が、次式
1<L2/L1
の関係を満たしている。したがって、長手方向LGDに配設されるレンズLSのピッチPlsを広げること無く、副走査方向SD(幅方向LTD)に多くの光量をレンズLS1取り込んで良好な露光を行なうことが可能となっている。
1<L2/L1
の関係を満たしている。したがって、長手方向LGDに配設されるレンズLSのピッチPlsを広げること無く、副走査方向SD(幅方向LTD)に多くの光量をレンズLS1取り込んで良好な露光を行なうことが可能となっている。
そして、かかる構成は、レンズピッチPlsを広げる必要が無いため、高解像度化に有利である。つまり、各レンズLSの相対的位置関係は、レンズの製造工程の精度の範囲内でばらつく。そして、各レンズLSの位置ばらつきは、各レンズLSが形成するスポットの位置のばらつきの原因となる。このとき、レンズピッチPlsが広いと、かかるスポット位置のばらつきが、目標とする解像度に比較して長い周期で現れてしまい、人が見た場合に目立ってしまう。これに対して、レンズピッチPlsを短く抑えることで、このようなスポット位置のばらつきの影響を抑制して、高解像度化を図ることが可能となる。
また、レンズ主走査幅L1(1)およびレンズ副走査幅L2(1)が、次式
L2(1)/L1(1)<1.2
の関係を満たしている。したがって、レンズ主走査幅L1(1)とレンズ副走査幅L2(2)との差を抑制して非点収差の少ないレンズを容易に形成できるため、良好な露光を簡便に実現することができる。
L2(1)/L1(1)<1.2
の関係を満たしている。したがって、レンズ主走査幅L1(1)とレンズ副走査幅L2(2)との差を抑制して非点収差の少ないレンズを容易に形成できるため、良好な露光を簡便に実現することができる。
また、第2実施例では、絞り主走査直径La1と絞り副走査直径La2とが、次式、
1<La2/La1
の関係を満たしており、、副走査方向SD(幅方向LTD)により多くの光量をレンズLS1に取り込むことができ、良好な露光が可能となっている。
1<La2/La1
の関係を満たしており、、副走査方向SD(幅方向LTD)により多くの光量をレンズLS1に取り込むことができ、良好な露光が可能となっている。
また、第2実施例では、第1レンズ主走査幅L1(1)、第1レンズ副走査幅L2(2)、絞り主走査直径La1、および絞り副走査直径La2が、次式
L2(1)/L1(1)=La2/La1(=1.14)
を満たすように構成している。したがって、発光素子2951からの光をより有効に利用することが可能となっている。
L2(1)/L1(1)=La2/La1(=1.14)
を満たすように構成している。したがって、発光素子2951からの光をより有効に利用することが可能となっている。
21Y、21K…感光体ドラム(潜像担持体)、 29…ラインヘッド、 293…ヘッド基板、 295…発光素子グループ、 2951…発光素子、 299,299A,299B…レンズアレイ、 2991…レンズアレイ基板、 LS,LS1,LS2…レンズ、 SP…スポット、 Lsp…スポット潜像、 MD…主走査方向(第1の方向), SD…副走査方向(第2の方向)、 LGD…長手方向(第1の方向)、 LTD…幅方向(第2の方向)
Claims (13)
- 第1の方向にレンズが配設されたレンズアレイと、
前記レンズにより結像される光を発光する発光素子が配設された発光素子基板と
を備え、
前記第1の方向の前記レンズの長さL1および前記第1の方向に直交する第2の方向の前記レンズの長さL2が、次式
1<L2/L1
の関係を有することを特徴とする露光ヘッド。 - 前記第1の方向の前記レンズの長さL1および前記第2の方向の前記レンズの長さL2が、
L2/L1<1.2
の関係を有する請求項1に記載の露光ヘッド。 - 前記発光素子と前記レンズとの間に配設された絞りを備える請求項1ないしまたは2に記載の露光ヘッド。
- 前記第1の方向の前記絞りの長さLa1および前記第2の方向の前記絞りの長さLa2が、次式
1<La2/La1
の関係を有する請求項3に記載の露光ヘッド。 - 前記第1の方向の前記レンズの長さL1、前記第2の方向の前記レンズの長さL2、前記第1の方向の前記絞りの長さLa1、および前記第2の方向の前記絞りの長さLa2が、次式
L2/L1=La2/La1
の関係を有する請求項4に記載の露光ヘッド。 - 前記レンズの形状と前記絞りの形状とは相似である請求項5に記載の露光ヘッド。
- 前記絞りの形状は楕円形である請求項3ないし6のいずれか一項に記載の露光ヘッド。
- 前記レンズは前記発光素子からの光の入射面が凸である請求項3ないし7のいずれか一項に記載の露光ヘッド。
- 前記絞りは前記レンズの頂点よりも像面側に配設する請求項9または10に記載の露光ヘッド。
- 前記レンズは自由曲面レンズである請求項1ないし11のいずれか一項に記載の露光ヘッド。
- 前記発光素子は有機EL素子である請求項1ないし12のいずれか一項に記載の露光ヘッド。
- 第1の方向に配設されたレンズを備え、前記第1の方向の前記レンズの長さL1および前記第1の方向に直交する第2の方向の前記レンズの長さL2が、次式
1<L2/L1
の関係を有することを特徴とするレンズアレイ。 - 第1の方向にレンズが配設されたレンズアレイ、および、前記レンズにより結像される光を射出する発光素子が配設された発光素子基板を有する露光ヘッドを備え、
前記第1の方向の前記レンズの長さL1および前記第1の方向に直交する第2の方向の前記レンズの長さL2が、次式
1<L2/L1
の関係を満たすことを特徴とする画像形成装置。
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