JP2009137107A - ラインヘッドおよび該ラインヘッドを用いた画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】接続部材による光の反射を抑制して、良好な露光を可能とする技術の提供をする。
【解決手段】ヘッド基板に取り付けられる一端部と、ヘッド基板の外部に引き出される他端部とを有し、他端部に入力された信号に対応する信号を一端部を介して発光素子に与える接続部材が設けられている。ヘッド基板の一方面では、発光素子グループを第1方向に複数並べた発光素子グループ行が第1方向に直交もしくは略直交する第2方向に複数設けられている。遮光部材には、発光素子グループからレンズに向う導光孔が設けられている。接続部材の一端部は、第1方向においてヘッド基板の発光素子グループより外側に取り付けられている。
【選択図】図11
【解決手段】ヘッド基板に取り付けられる一端部と、ヘッド基板の外部に引き出される他端部とを有し、他端部に入力された信号に対応する信号を一端部を介して発光素子に与える接続部材が設けられている。ヘッド基板の一方面では、発光素子グループを第1方向に複数並べた発光素子グループ行が第1方向に直交もしくは略直交する第2方向に複数設けられている。遮光部材には、発光素子グループからレンズに向う導光孔が設けられている。接続部材の一端部は、第1方向においてヘッド基板の発光素子グループより外側に取り付けられている。
【選択図】図11
Description
この発明は、発光素子から射出された光をレンズにより結像するラインヘッドおよび該ラインヘッドを用いた画像形成装置に関するものである。
このようなラインヘッドでは、例えば特許文献1に記載のように、複数の発光素子を長手方向(同文献におけるX方向)に並べたものが2列かつ千鳥上に配列されている(同文献の図3等)。また、かかる発光素子として、いわゆるボトムエミッション型の有機EL(Electro-Luminescence)素子を用いることができる。つまり、ヘッド基板の裏面に有機EL素子が発光素子として配置され、この発光素子から射出された光ビームがヘッド基板の内部を透過して、ヘッド基板の表面から射出する。また、このときの各発光素子の発光動作はヘッド基板外部にあるコントローラにより制御される。そして、このようなヘッド基板外部のコントローラによる発光素子の制御は、例えば、いわゆるFPC(Flexible printed circuits)と称されるフレキシブルプリント基板等の接続部材を用いることで、実現できる。
つまり、このFPCの一端部がヘッド基板に取り付けられるとともに、このFPCの他端部がヘッド基板の外部に引き出される。また、各発光素子から引き出された配線は、FPCの一端部に接続される。そして、FPCの他端部にコントローラからの信号が入力されると、この信号に基づいて発光素子が光ビームを発光する。この光ビームは屈折率分布型ロッドレンズアレイにより結像されて、感光体等の潜像担持体の表面が露光される。
ところで、より高解像度での露光を可能とするために、複数の発光素子を発光素子グループ毎にグループ化したラインヘッドを用いることができる。つまり、このラインヘッドでは、複数の発光素子グループを長手方向に並べて発光素子グループ行が構成されるとともに、この発光素子グループ行が幅方向に複数並んでいる。これらの発光素子グループ行は長手方向に互いにずれており、その結果、各発光素子グループの長手方向における位置は互いに異なる。また、発光素子グループ毎にレンズが設けられており、発光素子グループは、該発光素子グループに対応して設けられたレンズに向けて光を射出する。そして、レンズに入射した光が結像されて、像面が露光される。
また、このラインヘッドでは、レンズに対して、該レンズに対応する発光素子グループ以外の発光素子グループからの光が入射するのを抑制するために、遮光部材を設けることができる。この遮光部材は発光素子グループとレンズとの間に設けられるとともに、発光素子グループからレンズに向う導光孔を有している。したがって、レンズには、該レンズに対応する発光素子グループから射出された光のうち導光孔を通過してくる光が入射する。このように、レンズに入射する光が導光孔により規制されており、その結果、レンズに対して、該レンズに対応する発光素子グループ以外の発光素子グループからの光が入射することが抑制される。
しかしながら、上述のように、ヘッド基板の裏面に発光素子を設けたラインヘッドでは、ヘッド基板に対するFPC等の接続部材の取り付け位置が適切でないことに起因して、次のような問題が発生する場合があった。つまり、ヘッド基板の裏面の発光素子グループから射出された光の一部は、ヘッド基板の表面で反射される場合がある。このとき、接続部材の取り付け位置が発光素子グループに近いと、ヘッド基板の表面で反射された光が、さらに接続部材で反射される場合があった。しかも、このラインヘッドでは遮光部材が設けられているため、接続部材で反射された光が導光孔に入射すると、この光が導光孔の内壁で反射を繰り返してレンズに入射する可能性があった。そして、このような反射光のレンズへの入射は露光不良の原因となる。
この発明は上記課題に鑑みなされたものであり、接続部材による光の反射を抑制して、良好な露光を可能とする技術の提供を目的とする。
この発明にかかるラインヘッドは、上記目的を達成するために、光を透過可能なヘッド基板と、ヘッド基板の一方面に、発光素子グループ毎にグループ化して設けられた複数の発光素子と、発光素子グループから射出されるとともにヘッド基板の内部を透過してヘッド基板の他方面から射出される光を結像するレンズを、発光素子グループ毎に設けたレンズアレイと、ヘッド基板の他方面とレンズアレイとの間に設けられた遮光部材と、ヘッド基板に取り付けられる一端部と、ヘッド基板の外側に引き出される他端部とを有し、他端部に入力された信号に対応する信号を一端部を介して発光素子に与える接続部材とを備え、ヘッド基板の一方面では、発光素子グループを第1方向に複数並べた発光素子グループ行が第1方向に直交もしくは略直交する第2方向に複数設けられ、遮光部材には、発光素子グループからレンズに向う導光孔が設けられ、接続部材の一端部は、第1方向においてヘッド基板の発光素子グループより外側に取り付けられていることを特徴としている。
また、この発明にかかる画像形成装置は、上記目的を達成するために、光を透過可能なヘッド基板と、ヘッド基板の一方面に発光素子グループ毎にグループ化して設けられた複数の発光素子と、発光素子グループから射出されるとともにヘッド基板の内部を透過してヘッド基板の他方面から射出される光を結像するレンズを発光素子グループ毎に設けたレンズアレイと、ヘッド基板の他方面とレンズアレイとの間に設けられた遮光部材と、ヘッド基板に取り付けられる一端部と、ヘッド基板の外側に引き出される他端部とを有して他端部に入力された信号に対応する信号を一端部を介して発光素子に与える接続部材とを有するラインヘッドと、接続部材の他端部に信号を与えるコントローラとを備え、ヘッド基板の一方面では、発光素子グループを第1方向に複数並べた発光素子グループ行が第1方向に直交もしくは略直交する第2方向に複数設けられ、遮光部材には、発光素子グループからレンズに向う導光孔が設けられ、接続部材の一端部は、第1方向においてヘッド基板の発光素子グループより外側に取り付けられていることを特徴としている。
このように構成された発明(ラインヘッド、画像形成装置)では、発光素子グループを第1方向に複数並べた発光素子グループ行がヘッド基板の一方面に設けられる。したがって、ヘッド基板は第2方向よりも第1方向に長い形状を有しており、換言すれば、第1方向がヘッド基板の長軸方向に対応し、第2方向がヘッド基板の短軸方向に対応する。そこで、この発明では、接続部材の一端部は、長軸方向に対応する第1方向においてヘッド基板の発光素子グループより外側に取り付けられている。つまり、このように接続部材を設けることで、発光素子グループと接続部材との距離が確保されている。したがって、この発明では、接続部材による光の反射が抑制されており、良好な露光が可能となっている。
また、接続部材はフレキシブルプリント基板であり、フレキシブル基板の一端部がヘッド基板に取り付けられるラインヘッドに対しては、本発明を適用することが好適である。なぜなら、かかるフレキシブルプリント基板の一端部は、導電性を有するように仕上げられているため、金属光沢を有している。その結果、この一端部は、比較的高い反射率でもって光を反射する。したがって、このようなラインヘッドに対しては本発明を適用して、フレキシブルプリント基板の一端部に対する光の入射を抑制して、良好な露光を可能とすることが好適であるからである。
また、接続部材の一端部は、異方性導電膜によりヘッド基板に取り付けられているラインヘッドに対しては、本発明を適用することが好適である。なぜなら、この異方性導電膜は導電粒子を有しているため、比較的高い反射率でもって光を反射する。したがって、このようなラインヘッドに対しては本発明を適用して、一端部をヘッド基板に取り付ける異方性導電膜に対する光の入射を抑制して、良好な露光を可能とすることが好適であるからである。
ヘッド基板はガラスを基材とするラインヘッドに対しては、本発明を適用することが好適である。このようなガラスを基材とするヘッド基板では、このヘッド基板の他方面に入射する光の一部は、反射される。したがって、このようなラインヘッドに対しては本発明を適用して、この反射光の一端部に対への入射を抑制して、良好な露光を可能とすることが好適であるからである。
また、ヘッド基板の一方面には発光素子に接続された薄膜トランジスタが形成されるとともに、接続部材の一端部は薄膜トランジスタに接続されており、接続部材は薄膜トランジスタを介して発光素子に信号を与えるように構成しても良い。このような構成では、発光素子と薄膜トランジスタとが、何れもヘッド基板の一方面に形成されるため、発光素子の近くに薄膜トランジスタを設けることができる。したがって、薄膜トランジスタは、浮遊容量等による鈍りの少ない信号を発光素子に供給することができ、良好な露光が可能となる。
また、各発光素子は、時分割駆動されるように構成しても良い。このように構成した場合、薄膜トランジスタの個数を減らすことが可能となり、製造コストを抑制することができる。
A.用語の説明
本発明の実施形態を説明する前に、本明細書で用いる用語について説明する。
本発明の実施形態を説明する前に、本明細書で用いる用語について説明する。
図1および図2は、本明細書で用いる用語の説明図である。ここで、これらの図を用いて本明細書において用いる用語について整理する。本明細書では、感光体ドラム21の表面(像面IP)の搬送方向を副走査方向SDと定義し、該副走査方向SDに直交あるいは略直交する方向を主走査方向MDと定義している。また、ラインヘッド29は、その長手方向LGDが主走査方向MDに対応し、その幅方向LTDが副走査方向SDに対応するように、感光体ドラム21の表面(像面IP)に対して配置されている。
レンズアレイ299が有する複数のレンズLSに一対一の対応関係でヘッド基板293に配置された、複数(図1および図2においては8個)の発光素子2951の集合を、発光素子グループ295と定義する。つまり、ヘッド基板293において、複数の発光素子2951からなる発光素子グループ295は、複数のレンズLSのそれぞれに対して配置されている。また、発光素子グループ295からの光ビームを該発光素子グループ295に対応するレンズLSにより像面IPに向けて結像することで、像面IPに形成される複数のスポットSPの集合を、スポットグループSGと定義する。つまり、複数の発光素子グループ295に一対一で対応して、複数のスポットグループSGを形成することができる。また、各スポットグループSGにおいて、主走査方向MDおよび副走査方向SDに最上流のスポットを、特に第1のスポットと定義する。そして、第1のスポットに対応する発光素子2951を、特に第1の発光素子と定義する。
また、図2の「像面上」の欄に示すように、スポットグループ行SGR、スポットグループ列SGCを定義する。つまり、主走査方向MDに並ぶ複数のスポットグループSGをスポットグループ行SGRと定義する。そして、複数行のスポットグループ行SGRは、所定のスポットグループ行ピッチPsgrで副走査方向SDに並んで配置される。また、副走査方向SDにスポットグループ行ピッチPsgrで且つ主走査方向MDにスポットグループピッチPsgで並ぶ複数(同図においては3個)のスポットグループSGをスポットグループ列SGCと定義する。なお、スポットグループ行ピッチPsgrは、副走査方向SDに互いに隣接する2つのスポットグループ行SGRそれぞれの幾何重心の、副走査方向SDにおける距離である。また、スポットグループピッチPsgは、主走査方向MDに互いに隣接する2つのスポットグループSGそれぞれの幾何重心の、主走査方向MDにおける距離である。
同図の「レンズアレイ」の欄に示すように、レンズ行LSR、レンズ列LSCを定義する。つまり、長手方向LGDに並ぶ複数のレンズLSをレンズ行LSRと定義する。そして、複数行のレンズ行LSRは、所定のレンズ行ピッチPlsrで幅方向LTDに並んで配置される。また、幅方向LTDにレンズ行ピッチPlsrで且つ長手方向LGDにレンズピッチPlsで並ぶ複数(同図においては3個)のレンズLSをレンズ列LSCと定義する。なお、レンズ行ピッチPlsrは、幅方向LTDに互いに隣接する2つのレンズ行LSRそれぞれの幾何重心の、幅方向LTDにおける距離である。また、レンズピッチPlsは、長手方向LGDに互いに隣接する2つのレンズLSそれぞれの幾何重心の、長手方向LGDにおける距離である。
同図の「ヘッド基板」の欄に示すように、発光素子グループ行295R、発光素子グループ列295Cを定義する。つまり、長手方向LGDに並ぶ複数の発光素子グループ295を発光素子グループ行295Rと定義する。そして、複数行の発光素子グループ行295Rは、所定の発光素子グループ行ピッチPegrで幅方向LTDに並んで配置される。また、幅方向LTDに発光素子グループ行ピッチPegrで且つ長手方向LGDに発光素子グループピッチPegで並ぶ複数(同図においては3個)の発光素子グループ295を発光素子グループ列295Cと定義する。なお、発光素子グループ行ピッチPegrは、幅方向LTDに互いに隣接する2つの発光素子グループ行295Rそれぞれの幾何重心の、幅方向LTDにおける距離である。また、発光素子グループピッチPegは、長手方向LGDに互いに隣接する2つの発光素子グループ295それぞれの幾何重心の、長手方向LGDにおける距離である。
同図の「発光素子グループ」の欄に示すように、発光素子行2951R、発光素子列2951Cを定義する。つまり、各発光素子グループ295において、長手方向LGDに並ぶ複数の発光素子2951を発光素子行2951Rと定義する。そして、複数行の発光素子行2951Rは、所定の発光素子行ピッチPelrで幅方向LTDに並んで配置される。また、幅方向LTDに発光素子行ピッチPelrで且つ長手方向LGDに発光素子ピッチPelで並ぶ複数(同図においては2個)の発光素子2951を発光素子列2951Cと定義する。なお、発光素子行ピッチPelrは、幅方向LTDに互いに隣接する2つの発光素子行2951Rそれぞれの幾何重心の、幅方向LTDにおける距離である。また、発光素子ピッチPelは、長手方向LGDに互いに隣接する2つの発光素子2951それぞれの幾何重心の、長手方向LGDにおける距離である。
同図の「スポットグループ」の欄に示すように、スポット行SPR、スポット列SPCを定義する。つまり、各スポットグループSGにおいて、長手方向LGDに並ぶ複数のスポットSPをスポット行SPRと定義する。そして、複数行のスポット行SPRは、所定のスポット行ピッチPsprで幅方向LTDに並んで配置される。また、幅方向LTDにスポットピッチPsprで且つ長手方向LGDにスポットピッチPspで並ぶ複数(同図においては2個)のスポットをスポット列SPCと定義する。なお、スポット行ピッチPsprは、副走査方向SDに互いに隣接する2つのスポット行SPRそれぞれの幾何重心の、副走査方向SDにおける距離である。また、スポットピッチPspは、主走査方向MDに互いに隣接する2つのスポットSPそれぞれの幾何重心の、長手方向LGDにおける距離である。
B.実施形態
図3は本発明にかかる画像形成装置の一例を示す図である。また、図4は図3の画像形成装置の電気的構成を示す図である。この装置は、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)の4色のトナーを重ね合わせてカラー画像を形成するカラーモードと、ブラック(K)のトナーのみを用いてモノクロ画像を形成するモノクロモードとを選択的に実行可能な画像形成装置である。なお図3は、カラーモード実行時に対応する図面である。この画像形成装置では、ホストコンピューターなどの外部装置から画像形成指令がCPUやメモリなどを有するメインコントローラMCに与えられると、このメインコントローラMCはエンジンコントローラECに制御信号などを与えるとともに画像形成指令に対応するビデオデータVDをヘッドコントローラHCに与える。また、このヘッドコントローラHCは、メインコントローラMCからのビデオデータVDとエンジンコントローラECからの垂直同期信号Vsyncおよびパラメータ値とに基づき各色のラインヘッド29を制御する。これによって、エンジン部EGが所定の画像形成動作を実行し、複写紙、転写紙、用紙およびOHP用透明シートなどのシートに画像形成指令に対応する画像を形成する。
図3は本発明にかかる画像形成装置の一例を示す図である。また、図4は図3の画像形成装置の電気的構成を示す図である。この装置は、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)の4色のトナーを重ね合わせてカラー画像を形成するカラーモードと、ブラック(K)のトナーのみを用いてモノクロ画像を形成するモノクロモードとを選択的に実行可能な画像形成装置である。なお図3は、カラーモード実行時に対応する図面である。この画像形成装置では、ホストコンピューターなどの外部装置から画像形成指令がCPUやメモリなどを有するメインコントローラMCに与えられると、このメインコントローラMCはエンジンコントローラECに制御信号などを与えるとともに画像形成指令に対応するビデオデータVDをヘッドコントローラHCに与える。また、このヘッドコントローラHCは、メインコントローラMCからのビデオデータVDとエンジンコントローラECからの垂直同期信号Vsyncおよびパラメータ値とに基づき各色のラインヘッド29を制御する。これによって、エンジン部EGが所定の画像形成動作を実行し、複写紙、転写紙、用紙およびOHP用透明シートなどのシートに画像形成指令に対応する画像を形成する。
画像形成装置が有するハウジング本体3内には、電源回路基板、メインコントローラMC、エンジンコントローラECおよびヘッドコントローラHCを内蔵する電装品ボックス5が設けられている。また、画像形成ユニット7、転写ベルトユニット8および給紙ユニット11もハウジング本体3内に配設されている。また、図3においてハウジング本体3内右側には、2次転写ユニット12、定着ユニット13、シート案内部材15が配設されている。なお、給紙ユニット11は、装置本体1に対して着脱自在に構成されている。そして、該給紙ユニット11および転写ベルトユニット8については、それぞれ取り外して修理または交換を行うことが可能な構成になっている。
画像形成ユニット7は、複数の異なる色の画像を形成する4個の画像形成ステーションY(イエロー用)、M(マゼンダ用)、C(シアン用)、K(ブラック用)を備えている。また、各画像形成ステーションY,M,C,Kは、主走査方向MDに所定長さの表面を有する円筒形の感光体ドラム21を設けている。そして、各画像形成ステーションY,M,C,Kそれぞれは、対応する色のトナー像を、感光体ドラム21の表面に形成する。感光体ドラムは、軸方向が主走査方向MDに略平行となるように配置されている。また、各感光体ドラム21はそれぞれ専用の駆動モータに接続され図中矢印D21の方向に所定速度で回転駆動される。これにより感光体ドラム21の表面が、主走査方向MDに直交もしくは略直交する副走査方向SDに搬送されることとなる。また、感光体ドラム21の周囲には、回転方向に沿って帯電部23、ラインヘッド29、現像部25および感光体クリーナ27が配設されている。そして、これらの機能部によって帯電動作、潜像形成動作及びトナー現像動作が実行される。したがって、カラーモード実行時は、全ての画像形成ステーションY,M,C,Kで形成されたトナー像を転写ベルトユニット8が有する転写ベルト81に重ね合わせてカラー画像を形成するとともに、モノクロモード実行時は、画像形成ステーションKで形成されたトナー像のみを用いてモノクロ画像を形成する。なお、図3において、画像形成ユニット7の各画像形成ステーションは構成が互いに同一のため、図示の便宜上一部の画像形成ステーションのみに符号をつけて、他の画像形成ステーションについては符号を省略する。
帯電部23は、その表面が弾性ゴムで構成された帯電ローラを備えている。この帯電ローラは帯電位置で感光体ドラム21の表面と当接して従動回転するように構成されており、感光体ドラム21の回転動作に伴って感光体ドラム21に対して従動方向に周速で従動回転する。また、この帯電ローラは帯電バイアス発生部(図示省略)に接続されており、帯電バイアス発生部からの帯電バイアスの給電を受けて帯電部23と感光体ドラム21が当接する帯電位置で感光体ドラム21の表面を帯電させる。
ラインヘッド29は、その長手方向が主走査方向MDに対応するとともに、その幅方向が副走査方向SDに対応するように、感光体ドラム21に対して配置されており、ラインヘッド29の長手方向は主走査方向MDと略平行となっている。ラインヘッド29は、長手方向に並べて配置された複数の発光素子を備えるとともに、感光体ドラム21から離間配置されている。そして、これらの発光素子から、帯電部23により帯電された感光体ドラム21の表面に対して光が照射されて、該表面に静電潜像が形成される。
現像部25は、その表面にトナーが担持する現像ローラ251を有する。そして、現像ローラ251と電気的に接続された現像バイアス発生部(図示省略)から現像ローラ251に印加される現像バイアスによって、現像ローラ251と感光体ドラム21とが当接する現像位置において、帯電トナーが現像ローラ251から感光体ドラム21に移動してラインヘッド29により形成された静電潜像が顕在化される。
このように上記現像位置において顕在化されたトナー像は、感光体ドラム21の回転方向D21に搬送された後、後に詳述する転写ベルト81と各感光体ドラム21が当接する1次転写位置TR1において転写ベルト81に1次転写される。
また、この実施形態では、感光体ドラム21の回転方向D21の1次転写位置TR1の下流側で且つ帯電部23の上流側に、感光体ドラム21の表面に当接して感光体クリーナ27が設けられている。この感光体クリーナ27は、感光体ドラムの表面に当接することで1次転写後に感光体ドラム21の表面に残留するトナーをクリーニング除去する。
転写ベルトユニット8は、駆動ローラ82と、図3において駆動ローラ82の左側に配設される従動ローラ83(ブレード対向ローラ)と、これらのローラに張架され図示矢印D81の方向(搬送方向)へ循環駆動される転写ベルト81とを備えている。また、転写ベルトユニット8は、転写ベルト81の内側に、感光体カートリッジ装着時において各画像形成ステーションY,M,C,Kが有する感光体ドラム21各々に対して一対一で対向配置される、4個の1次転写ローラ85Y,85M,85C,85Kを備えている。これらの1次転写ローラ85は、それぞれ1次転写バイアス発生部(図示省略)と電気的に接続される。そして、後に詳述するように、カラーモード実行時は、図3に示すように全ての1次転写ローラ85Y,85M,85C,85Kを画像形成ステーションY,M,C,K側に位置決めすることで、転写ベルト81を画像形成ステーションY,M,C,Kそれぞれが有する感光体ドラム21に押し遣り当接させて、各感光体ドラム21と転写ベルト81との間に1次転写位置TR1を形成する。そして、適当なタイミングで上記1次転写バイアス発生部から1次転写ローラ85に1次転写バイアスを印加することで、各感光体ドラム21の表面上に形成されたトナー像を、それぞれに対応する1次転写位置TR1において転写ベルト81表面に転写してカラー画像を形成する。
一方、モノクロモード実行時は、4個の1次転写ローラ85のうち、カラー1次転写ローラ85Y,85M,85Cをそれぞれが対向する画像形成ステーションY,M,Cから離間させるとともにモノクロ1次転写ローラ85Kのみを画像形成ステーションKに当接させることで、モノクロ画像形成ステーションKのみを転写ベルト81に当接させる。その結果、モノクロ1次転写ローラ85Kと画像形成ステーションKとの間にのみ1次転写位置TR1が形成される。そして、適当なタイミングで前記1次転写バイアス発生部からモノクロ1次転写ローラ85Kに1次転写バイアスを印加することで、各感光体ドラム21の表面上に形成されたトナー像を、1次転写位置TR1において転写ベルト81表面に転写してモノクロ画像を形成する。
さらに、転写ベルトユニット8は、モノクロ1次転写ローラ85Kの下流側で且つ駆動ローラ82の上流側に配設された下流ガイドローラ86を備える。また、この下流ガイドローラ86は、モノクロ1次転写ローラ85Kが画像形成ステーションKの感光体ドラム21に当接して形成する1次転写位置TR1での1次転写ローラ85Kと感光体ドラム21との共通内接線上において、転写ベルト81に当接するように構成されている。
駆動ローラ82は、転写ベルト81を図示矢印D81の方向に循環駆動するとともに、2次転写ローラ121のバックアップローラを兼ねている。駆動ローラ82の周面には、厚さ3mm程度、体積抵抗率が1000kΩ・cm以下のゴム層が形成されており、金属製の軸を介して接地することにより、図示を省略する2次転写バイアス発生部から2次転写ローラ121を介して供給される2次転写バイアスの導電経路としている。このように駆動ローラ82に高摩擦かつ衝撃吸収性を有するゴム層を設けることにより、駆動ローラ82と2次転写ローラ121との当接部分(2次転写位置TR2)へのシートが進入する際の衝撃が転写ベルト81に伝達しにくく、画質の劣化を防止することができる。
給紙ユニット11は、シートを積層保持可能である給紙カセット77と、給紙カセット77からシートを一枚ずつ給紙するピックアップローラ79とを有する給紙部を備えている。ピックアップローラ79により給紙部から給紙されたシートは、レジストローラ対80において給紙タイミングが調整された後、シート案内部材15に沿って2次転写位置TR2に給紙される。
2次転写ローラ121は、転写ベルト81に対して離当接自在に設けられ、2次転写ローラ駆動機構(図示省略)により離当接駆動される。定着ユニット13は、ハロゲンヒータ等の発熱体を内蔵して回転自在な加熱ローラ131と、この加熱ローラ131を押圧付勢する加圧部132とを有している。そして、その表面に画像が2次転写されたシートは、シート案内部材15により、加熱ローラ131と加圧部132の加圧ベルト1323とで形成するニップ部に案内され、該ニップ部において所定の温度で画像が熱定着される。加圧部132は、2つのローラ1321,1322と、これらに張架される加圧ベルト1323とで構成されている。そして、加圧ベルト1323の表面のうち、2つのローラ1321,1322により張られたベルト張面を加熱ローラ131の周面に押し付けることで、加熱ローラ131と加圧ベルト1323とで形成するニップ部が広くとれるように構成されている。また、こうして定着処理を受けたシートはハウジング本体3の上面部に設けられた排紙トレイ4に搬送される。
また、この装置では、ブレード対向ローラ83に対向してクリーナ部71が配設されている。クリーナ部71は、クリーナブレード711と廃トナーボックス713とを有する。クリーナブレード711は、その先端部を転写ベルト81を介してブレード対向ローラ83に当接することで、2次転写後に転写ベルトに残留するトナーや紙粉等の異物を除去する。そして、このように除去された異物は、廃トナーボックス713に回収される。また、クリーナブレード711及び廃トナーボックス713は、ブレード対向ローラ83と一体的に構成されている。したがって、次に説明するようにブレード対向ローラ83が移動する場合は、ブレード対向ローラ83と一緒にクリーナブレード711及び廃トナーボックス713も移動することとなる。
図5は、本発明にかかるラインヘッドの概略を示す斜視図である。また、図6は、図5に示したラインヘッドの幅方向断面図である。上述の通り、その長手方向LGDが主走査方向MDに対応するとともに、その幅方向LTDが副走査方向SDに対応するように、ラインヘッド29は感光体ドラム21に対して配置されている。なお、長手方向LGDと幅方向LTDは、互いに略直交する。ラインヘッド29は、ケース291を備えるとともに、かかるケース291の長手方向LGDの両端には、位置決めピン2911とねじ挿入孔2912が設けられている。そして、かかる位置決めピン2911を、感光体ドラム21を覆うとともに感光体ドラム21に対して位置決めされた感光体カバー(図示省略)に穿設された位置決め孔(図示省略)に嵌め込むことで、ラインヘッド29が感光体ドラム21に対して位置決めされる。そして更に、ねじ挿入孔2912を介して固定ねじを感光体カバーのねじ孔(図示省略)にねじ込んで固定することで、ラインヘッド29が感光体ドラム21に対して位置決め固定される。
ケース291では、発光素子2951が配置されたヘッド基板293と、このヘッド基板293に対向配置されたレンズアレイ299とが設けられている。ヘッド基板293は、光ビームを透過可能な材料(例えばガラス)により形成されている。この、ヘッド基板293の裏面(ヘッド基板293が有する2つの面のうちレンズアレイ299と逆側の面)には、ボトムエミッション型の有機EL(Electro-Luminescence)が発光素子2951として複数配置されている。これら複数の発光素子2951は、後に図9等を用いて説明するように、発光素子グループ295毎にグループ化して配置されている。また、レンズアレイ299では、発光素子グループ295から射出された光ビームを結像するレンズLSが、発光素子グループ295毎に設けられている。したがって、発光素子グループ295が発光した光ビームは、ヘッド基板293の内部を透過してヘッド基板293の表面から射出されて、レンズLSへと入射する。
本実施形態でのケース291では、ヘッド基板293とレンズアレイ299との間に遮光部材297が、ヘッド基板293の表面に当接して設けられている。また、この遮光部材297には、発光素子グループ295毎に導光孔2971が設けられている。具体的には、遮光部材297では、発光素子グループ295から該発光素子グループ295に対応するレンズLS(つまり、該発光素子グループ295からの光ビームが入射するレンズLS)に向けて、導光孔2971が貫通形成されている。こうして、各発光素子グループ295に対応して導光孔2971が設けられている。したがって、基本的には、発光素子グループ295から該発光素子グループ295に対応する導光孔2971へ向けて射出された光ビームのみが、レンズLSに入射することができる。なんとなれば、発光素子グループ295から該発光素子グループ295に対応する導光孔2971の外側に向けて射出された光ビームは、遮光部材297により、反射吸収されるからである。そして、発光素子グループ295から射出されるとともに、導光孔2971を通過した光ビームは、レンズアレイ299により、感光体ドラム21表面にスポットとして結像される。
図6に示すように、固定器具2914によって、裏蓋2913がヘッド基板293を介してケース291に押圧されている。つまり、固定器具2914は、裏蓋2913をケース291側に押圧する弾性力を有するとともに、かかる弾性力により裏蓋を押圧することで、ケース291の内部を光密に(つまり、ケース291内部から光が漏れないように、及び、ケース291の外部から光が侵入しないように)密閉している。なお、固定器具2914は、ケース291の長手方向に複数箇所設けられている。また、発光素子グループ295は、封止部材294により覆われている。
図7はレンズアレイの概略を示す平面図であり、像面側(つまり、感光体ドラム21表面側)からレンズアレイを見た場合に相当する。同図に示すように、このレンズアレイ299では、長手方向LGDに沿って複数のレンズLSが並んでレンズ行LSRが構成されるとともに、このレンズ行がレンズ行ピッチPlsrで幅方向LTDに3行並んでいる。これら3行のレンズ行LSR1〜LSR3は、各レンズLSの位置が長手方向LGDにおいて互いに異なるように、長手方向LGDに互いにずれている。その結果、各レンズLSの長手方向LGDにおける位置は互いに異なっている。
図8はレンズアレイの長手方向の断面図であり、各レンズの光軸OAを含む断面でレンズアレイを見た場合に相当する。同図において、上側が像面側であり、下側が発光素子グループ側である。レンズアレイ299では、ガラスにより形成されたレンズ基板LBが1枚設けられており、このレンズ基板LBを挟むようにして光軸OA方向に並ぶ2枚のレンズ面LSF1、LSF2によりレンズLSが構成されている。これらのレンズ面LSF1、LSF2は例えば光硬化性樹脂により形成できる。2枚のレンズ面のうちレンズ面LSF1はレンズ基板LBの裏面LBF1に形成されており、レンズ面LSF2はレンズ基板LBの表面LBF2に形成されている。そして、このレンズLSが長手方向LGDに並んで、上述のレンズ行LSRが構成されている。
図9はヘッド基板の裏面の構成を示す図であり、ヘッド基板の表面から裏面を見た場合に相当する。なお、図9において、レンズLSが二点鎖線で示されているが、これはレンズLSに対して発光素子グループ295が一対一で設けられていることを示すためのものであり、レンズLSがヘッド基板裏面に配置されていることを示すものではない。ヘッド基板293は、長手方向LGDに長い略長方形の形状を有しており、換言すれば、長手方向LGDがヘッド基板293の長軸方向に相当するとともに、幅方向LTDがヘッド基板293の端軸方向に相当する。また、図9に示すように、長手方向LGDに沿って複数の発光素子グループ295を並べた発光素子グループ行295Rが、発光素子グループ行ピッチPegrで幅方向LTDに3行(295R_A,295R_B,295R_C)並んでいる。各発光素子グループ行295R_A〜295R_Cでは、複数の発光素子グループ295がスペースSCを空けて並んでいる。また、各発光素子グループ行295Rは長手方向LGDに相互にずれており、各発光素子グループ295の位置は長手方向LGDにおいて互いに異なる。具体的に説明すると、発光素子グループ295A1,295B1,295C1の長手方向LGDにおける位置LCA,LCB,LCCは、互いに異なっている。なお、同図において、位置LCA,LCB,LCCは、各発光素子グループ295A1,295B1,295C1の重心位置から長手方向LGD軸に下ろした垂線の足で代表して示されている。
このように各発光素子グループ行295Rが長手方向LGDにずらして配置されているため、各発光素子グループ295は、自分が属さない発光素子グループ行295RのスペースSCに、幅方向LTDにおいて対向することとなる。具体的には、例えば発光素子グループ295A2は、発光素子グループ行295R_B,295R_CのスペースSCに、幅方向LTDにおいて対向する。
各発光素子グループ295では、4個の発光素子2951を長手方向LGDに並べた発光素子行2951Rが、幅方向LTDに並んで配置されている。また、これらの発光素子行2951Rは長手方向LGDに発光素子ピッチPelだけずらして配置されており、各発光素子2951の位置は長手方向LGDにおいて互いに異なる。このように、発光素子グループ295において、2列の発光素子行2951Rが千鳥状に配置されている。
図10は、発光素子グループに対する配線の接続態様を示す平面図である。同図が示すように発光素子グループ295が有する複数の発光素子2951のそれぞれに、配線WLが接続されている。このように発光素子グループ295に接続された複数の配線WLは配線束WLBとして束ねられており、この配線束WLBがレンズLSの外側に引き出されている。幅方向LTDにおいて他方側の端にある発光素子グループ行295R_Aから引き出される配線WL(あるいは配線束WLB)は、いずれも他方側に引き出されている。一方、幅方向LTDにおいて一方側の端にある発光素子グループ行295R_Cから引き出される配線WL(あるいは配線束WLB)は、いずれも一方側に引き出されている。また、幅方向LTDにおいて中央部にある発光素子グループ行295R_Bから引き出される配線WLは、一方側および他方側の両方に引き出されている。つまり、発光素子グループ行295R_Bの各発光素子グループ295では、2つの発光素子行2951Rが幅方向LTDに並んでいる。そして、2つの発光素子行2951Rのうち、一方側にある発光素子行2951Rに接続された配線WL(あるいは配線束WLB)は、一方側に引き出されるとともに、他方側にある発光素子行2951Rに接続された配線WL(あるいは配線束WLB)は、他方側に引き出されている。このように、本実施形態では、幅方向LTDにある発光素子グループ行295R_Bを中心として、配線WLが幅方向LTDの両側に振り分けて引き出されている。そして、次に示すように、各配線WLにはFPCが接続されている。
図11は、FPCの取り付け態様を示す図である。なお、同図においては、レンズLSの外側に引き出された配線束WLBのみが記載されており、発光素子グループ295の各発光素子2951に接続される配線WLの詳細については図10に示した通りであるため、その記載が省略されている。さらに、同図においては、各レンズLSから引き出される配線束WLBのうちの一部の配線束WLBのみを示した。本実施形態では、長手方向LGDにおいて、発光素子グループ295が設けられた領域(同図では、レンズLSが設けられた領域)よりも、外側にFPCの一端部E1が取り付けられている。この一端部E1は、ACF(Anisotropic Conductive Film)と称される異方性導電膜により、ヘッド基板293の裏面(つまり、発光素子2951が形成された面)に取り付けられている。さらに、FPCの一端部E1は、配線束WLBに接続されている。一方、FPCの他端部E2はヘッド基板293の外部に引き出されており、この他端部E2には駆動信号が入力される。なお、駆動信号は、ヘッドコントローラHC(コントローラ)から出力されるビデオデータVDを、TFT(Thin film transistor)と称される薄膜トランジスタ等の駆動回路により変換することで得られる。FPCの他端部E2から入力された駆動信号は、FPCの一端部E2から出力されて、各配線束WLB(あるいは配線WL)に与えられる。こうして、各発光素子2951に駆動信号が与えられると、各発光素子2951は互いに等しい波長の光ビームを射出する。この発光素子2951の発光面はいわゆる完全拡散面光源であり、発光面から射出される光ビームはランバートの余弦則に従う。
図12は、上述のラインヘッドによるスポット形成動作を示す図である。以下に、図9、図12を用いて本実施形態におけるラインヘッドによるスポット形成動作を説明する。また、発明の理解を容易にするため、ここでは主走査方向MDに伸びる直線状に複数のスポットを並べてライン潜像を形成する場合について説明する。概略としては、かかる潜像形成動作では、感光体ドラム21の表面を副走査方向SD(幅方向LTD)に搬送しながら、ヘッドコントローラHCより出力されるビデオデータVDに従って、複数の発光素子を所定のタイミングで発光させることで、主走査方向MD(長手方向LGD)に伸びる直線状に複数のスポットが並べて形成される。以下に、詳細について説明する。
まず、幅方向LTDに最上流の発光素子グループ295A1,295A2,…に属する発光素子行2951Rのうち、幅方向LTDの下流側の発光素子行2951Rを発光させる。そして、かかる発光動作により射出される複数の光ビームは、レンズLSにより、感光体ドラム表面に結像される。なお、本実施形態では、レンズLSは倒立特性を有し、発光素子2951からの光ビームは倒立して結像される。こうして、図12の「1回目」のハッチングパターンの位置にスポットが形成される。なお、同図において、白抜きの丸印は、未だ形成されておらず今後形成される予定のスポットを表す。また、同図において、符号295C1,295B1,295A1,295C2でラベルされたスポットは、それぞれに付された符号に対応する発光素子グループ295により形成されるスポットであることを示す。
次に、同発光素子グループ295A1,295A2,…に属する発光素子行2951Rのうち、幅方向LTDの上流側の発光素子行2951Rを発光させる。そして、かかる発光動作により射出される複数の光ビームは、レンズLSにより感光体ドラム表面に結像される。こうして、図12の「2回目」のハッチングパターンの位置にスポットが形成される。ここで、幅方向WDの下流側の発光素子行2951Rから順番に発光させたのは、レンズLSが倒立特性を有することに対応するためである。
次に、幅方向上流側から2番目の発光素子グループ295B1,…に属する発光素子行2951Rのうち幅方向LTDの下流側の発光素子行2951Rを発光させる。そして、かかる発光動作により射出される複数の光ビームは、レンズLSにより感光体ドラム表面に結像される。こうして、図12の「3回目」のハッチングパターンの位置にスポットが形成される。
次に、幅方向上流側から2番目の発光素子グループ295B1,…に属する発光素子行2951Rのうち幅方向LTDの上流側の発光素子行2951Rを発光させる。そして、かかる発光動作により射出される複数の光ビームは、レンズLSにより感光体ドラム表面に結像される。こうして、図12の「4回目」のハッチングパターンの位置にスポットが形成される。
次に、幅方向上流側から3番目の発光素子グループ295C1,…に属する発光素子行2951Rのうち幅方向LTDの下流側の発光素子行2951Rを発光させる。そして、かかる発光動作により射出される複数の光ビームは、レンズLSにより感光体ドラム表面に結像される。こうして、図12の「5回目」のハッチングパターンの位置にスポットが形成される。
そして最後に、幅方向上流側から3番目の発光素子グループ295C1,…に属する発光素子行2951Rのうち幅方向LTDの上流側の発光素子行2951Rを発光させる。そして、かかる発光動作により射出される複数の光ビームは、レンズLSにより感光体ドラム表面に結像される。こうして、図12の「6回目」のハッチングパターンの位置にスポットが形成される。このように、1〜6回目までの発光動作を実行することで、長手方向LGD(主走査方向MD)に伸びる直線状に複数のスポットが並べて形成される。
ところで、本実施形態のように遮光部材297を用いたラインヘッド29では、FPCの取り付け位置が適切でないこと起因して、次のような問題が発生する場合がある。図13は、ラインヘッドにおいて発生し得る問題の説明図である。なお同図において、符号NEで表された部材は、有機EL素子(発光素子2951)に駆動電流を印加するための陰極である。このラインヘッド29では、ヘッド基板293の裏面2931に発光素子2951が設けられており、この発光素子2951から射出された光ビームはヘッド基板293の内部を透過してレンズLSへと向う。このとき、ガラスを基材とするヘッド基板293の屈折率は空気の屈折率よりも大きい。したがって、ヘッド基板293の表面2932において、光ビームLBの一部は反射光ビームRLBとして反射されて、ヘッド基板293に取り付けられているFPCの一端部E1へと向う。
一方、このFPCの一端部E1は、導電性を有するように仕上げられているため、金属光沢を有している。したがって、反射光ビームRLBの一部が、FPCの一端部E1により更に反射されて迷光GLBとなる場合があった。また、FPCの一端部E1はACFによりヘッド基板293に接着して取り付けられており、このACF中には樹脂粒子にニッケルおよび金等が鍍金された微細な粒子が導電粒子として分散されている。したがって、この導電粒子によって反射されて迷光GLBとなってしまう、反射光ビームRLBも存在する。
この際、図13(または、後に説明する図14、図15)に示すように、FPCの取り付け位置が、短軸方向に対応する幅方向LTDにおいて発光素子グループ295より一方側あるいは他方側の領域であると、FPCの取り付け位置(一端部E1)に到達する反射光ビームRLBが比較的多いため、このような迷光GLBが増大する傾向にあった。なぜなら、短軸方向(幅方向LTD)において発光素子グループ295より一方側あるいは他方側等にFPCを取り付けた場合、発光素子グループ295とFPCの取り付け位置との距離を確保することが困難であるからである。しかも、本実施形態のラインヘッド29では、遮光部材297が設けられているために、この迷光GLBがレンズLSに入射してしまう場合があった。これについて、遮光部材を用いない従来のラインヘッドと比較しながら説明する。
図14は、遮光部材を用いない従来のラインヘッドにおける迷光の様子を示す図である。図15は、遮光部材を用いたラインヘッドにおける迷光の様子を示す図である。なお、これらの図において、ACFの記載は省略されている。図14に示すラインヘッド29では、複数の屈折率分布型ロッドレンズRIを俵積みしてなるロッドレンズアレイRIAがヘッド基板293に対向して配置されている。また、この従来のラインヘッドでは、ヘッド基板293とレンズアレイRIAとの間に遮光部材297は設けられておらず、ヘッド基板293から射出された迷光GLBはまっすぐ進む。したがって、この迷光GLBの大部分は、屈折率分布型レンズRIには入射しない。このようなロッドレンズアレイRIAを用いた具体例を挙げると、例えば、日本板硝子製SLA−20Dを用いた場合は、ガラス基板293とレンズ端面との間は約2mm程度離れており、しかも、この間に遮光部材等の構造物は存在しない。したがって、迷光GLBの大部分はレンズRIには入射しない。一方、図15に示すラインヘッドでは、ヘッド基板293とレンズアレイ299との間に遮光部材297が設けられている。したがって、このラインヘッド29では、迷光RLBの一部は導光孔2971内部に入射して、導光孔2971の内壁2971aで更に反射される場合がある。その結果、迷光RLBがレンズLSに入射してしまい、良好に露光動作が実行できない場合があった。
このような問題に対して、本実施形態では、長軸方向に相当する長手方向LGDにおいて、発光素子グループ295が設けられた領域よりも、外側にFPCの一端部E1が取り付けられている。したがって、発光素子グループ295FPCの一端部E1までの距離を十分に確保することが可能となっている。よって、本実施形態では、上述のように迷光RLBがレンズLSに入射するとの問題の発生が抑制されており、良好な露光動作が実行可能となっている。
C.その他
このように本実施形態では、長手方向LGDが本発明の「第1方向」に相当し、幅方向LTDが本発明の「第2方向」に相当し、感光体ドラム21が本発明の「潜像担持体」に相当し、感光体ドラム21の表面が本発明の「像面」に相当している。また、FPCが本発明の「接続部材」に相当する。また、ヘッド基板293の裏面2931が本発明の「一方面」に相当し、ヘッド基板293の表面2932が本発明の「他方面」に相当している。
このように本実施形態では、長手方向LGDが本発明の「第1方向」に相当し、幅方向LTDが本発明の「第2方向」に相当し、感光体ドラム21が本発明の「潜像担持体」に相当し、感光体ドラム21の表面が本発明の「像面」に相当している。また、FPCが本発明の「接続部材」に相当する。また、ヘッド基板293の裏面2931が本発明の「一方面」に相当し、ヘッド基板293の表面2932が本発明の「他方面」に相当している。
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、上記実施形態では、幅方向LTDに並ぶ2個の発光素子行2951Rから発光素子グループ295は構成されている。しかしながら、発光素子グループ295の構成態様はこれに限られず、例えば、発光素子グループ295を構成する発光素子行2951Rは3個以上であっても良い。
また、上記実施形態では、2個あるいは3個の発光素子グループ行295Rが幅方向LTDに並んでいるが、発光素子グループ行295Rの個数はこれに限られず3個以上であればよい。
また、上記実施形態では、FPCの一端部E1が、直接配線束WLBに接続されている。しかしながら、この一端部E1は、他の電子回路を介して配線束WLBに接続されても良い。図16は、他の実施形態におけるFPCの取り付け態様を示す図である。同図に示すように、ヘッド基板293の裏面にはTFT(電子回路)が形成されている。FPCの一端部E1は、このTFTを介して、配線束WLBに接続されている。また、FPCの他端部E2はヘッド基板293の外部に引き出されている。そして、ヘッドコントローラHC(コントローラ)から出力されるビデオデータVDが他端部E2に入力されると、このビデオデータVDは一端部E1を介してTFTに向けて出力される。TFTでは、このビデオデータVDが駆動信号に変換されるとともに、この駆動信号が配線束WLBを介して発光素子2951に供給される。
また、各発光素子2951を、いわゆる時分割駆動により駆動することもできる。なお、この時分割駆動による駆動は、従来から提案されている技術により行なうことができ、例えば、特開平11−268333号公報、特開2007−203555号公報、あるいは特開2007−160650号公報等に記載の技術により行なうことができる。このように構成した場合、ドライバICの個数を減らすことが可能となり、製造コストを抑制することができる。
また、上記実施形態では、「接続部材」としてFPCを用いている。つまり、第1・第2実施形態では、ビデオデータVDが他端部E2に入力されるとともに、このビデオデータVDが一端部E1に出力される「接続部材」としてFPCが機能している。また、第3実施形態では、ビデオデータVDが他端部E2に入力されるとともに、ビデオデータVDを変換して得られる駆動信号が一端部E1に出力される「接続部材」としてFPCが機能している。さらに、第4・第5実施形態では、駆動信号が他端部E2に入力されるとともに、この駆動信号VDが一端部E1に出力される「接続部材」としてFPCが機能している。しかしながら、かかるFPCと同様に、他端部E2に入力された信号に対応する信号を一端部E1から出力可能である他の部材を、「接続部材」として用いることもできる。
21Y、21K…感光体ドラム(潜像担持体)、 29…ラインヘッド、 293…ヘッド基板、 2931…ヘッド基板の裏面(一方面)、 2932…ヘッド基板の表面(他方面)、 295…発光素子グループ、 295R…発光素子グループ行、 2951…発光素子、 2951R…発光素子行、 297…遮光部材、 2971…導光孔、 299…レンズアレイ、 LS…レンズ、 MD…主走査方向, SD…副走査方向、 LGD…長手方向(第1方向)、 LTD…幅方向(第2方向)、 WL…配線、 WLB…配線束、 FPC…フレキシブルプリント基板、 E1…一端部、 E2…他端部
Claims (7)
- 光を透過可能なヘッド基板と、
前記ヘッド基板の一方面に、発光素子グループ毎にグループ化して設けられた複数の発光素子と、
前記発光素子グループから射出されるとともに前記ヘッド基板の内部を透過して前記ヘッド基板の他方面から射出される光を結像するレンズを、前記発光素子グループ毎に設けたレンズアレイと、
前記ヘッド基板の他方面と前記レンズアレイとの間に設けられた遮光部材と、
前記ヘッド基板に取り付けられる一端部と、前記ヘッド基板の外部に引き出される他端部とを有し、前記他端部に入力された信号に対応する信号を前記一端部を介して前記発光素子に与える接続部材と
を備え、
前記ヘッド基板の前記一方面では、前記発光素子グループを第1方向に複数並べた発光素子グループ行が前記第1方向に直交もしくは略直交する第2方向に複数設けられ、
前記遮光部材には、前記発光素子グループから前記レンズに向う導光孔が設けられ、
前記接続部材の前記一端部は、前記第1方向において前記ヘッド基板の前記発光素子グループより外側に取り付けられていることを特徴とするラインヘッド。 - 前記接続部材はフレキシブルプリント基板であり、前記フレキシブル基板の一端部が前記ヘッド基板に取り付けられている請求項1記載のラインヘッド。
- 前記接続部材の前記一端部は、異方性導電膜により前記ヘッド基板に取り付けられている請求項1または2記載のラインヘッド。
- 前記ヘッド基板は、ガラスを基材とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載のラインヘッド。
- 前記ヘッド基板の前記一方面には前記発光素子に接続された薄膜トランジスタが形成されるとともに、前記接続部材の前記一端部は前記薄膜トランジスタに接続されており、前記接続部材は前記薄膜トランジスタを介して前記発光素子に信号を与える請求項1ないし4のいずれか一項に記載のラインヘッド。
- 前記各発光素子は、時分割駆動される請求項1ないし5のいずれか一項に記載のラインヘッド。
- 光を透過可能なヘッド基板と、前記ヘッド基板の一方面に発光素子グループ毎にグループ化して設けられた複数の発光素子と、前記発光素子グループから射出されるとともに前記ヘッド基板の内部を透過して前記ヘッド基板の他方面から射出される光を結像するレンズを前記発光素子グループ毎に設けたレンズアレイと、前記ヘッド基板の他方面と前記レンズアレイとの間に設けられた遮光部材と、前記ヘッド基板に取り付けられる一端部と、前記ヘッド基板の外部に引き出される他端部とを有して前記他端部に入力された信号に対応する信号を前記一端部を介して前記発光素子に与える接続部材とを有するラインヘッドと、
前記接続部材の前記他端部に信号を与えるコントローラと
を備え、
前記ヘッド基板の前記一方面では、前記発光素子グループを第1方向に複数並べた発光素子グループ行が前記第1方向に直交もしくは略直交する第2方向に複数設けられ、
前記遮光部材には、前記発光素子グループから前記レンズに向う導光孔が設けられ、
前記接続部材の前記一端部は、前記第1方向において前記ヘッド基板の前記発光素子グループより外側に取り付けられていることを特徴とする画像形成装置。
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JP2007314662A Withdrawn JP2009137107A (ja) | 2007-12-05 | 2007-12-05 | ラインヘッドおよび該ラインヘッドを用いた画像形成装置 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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-
2007
- 2007-12-05 JP JP2007314662A patent/JP2009137107A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2020026139A (ja) * | 2018-08-10 | 2020-02-20 | 双葉電子工業株式会社 | プリントヘッド |
US10823902B2 (en) | 2018-08-10 | 2020-11-03 | Futaba Corporation | Print head |
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