JP5256192B2 - バソヒビン含有治療剤 - Google Patents

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Description

本発明は、バソヒビン含有治療剤に関する。さらに詳しくは、バソヒビンからなる糖尿病性腎症進展抑制剤、該抑制剤を含有した糖尿病性腎症の治療剤、糖尿病性腎症の治療剤の製造のためのバソヒビンの使用、糖尿病性腎症の治療に使用するためのバソヒビン、及び該治療剤を投与する工程を含む糖尿病性腎症の治療方法に関する。また、バソヒビンからなる腹膜硬化症抑制剤、該抑制剤を含有した腹膜硬化症の治療剤、腹膜硬化症の治療剤の製造のためのバソヒビンの使用、腹膜硬化症の治療に使用するためのバソヒビン、及び該治療剤を投与する工程を含む腹膜硬化症の治療方法に関する。
糖尿病性腎症とは、長期の糖尿病罹病期間の後に、尿中アルブミン排泄量の増加することにより発症し、持続性蛋白尿を呈する顕性腎症、さらには慢性腎不全等の慢性腎臓病へと至る疾患である。前記疾患の治療法として、血圧・血糖管理やACE阻害薬あるいはアンジオテンシンレセプター拮抗薬の使用が挙げられるが、末期腎不全に至った場合には主として透析による治療が挙げられる。
また、糖尿病性腎症はわが国の透析療法導入原疾患の第1位を占め、その導入数は、年々増加の一途を辿っている。しかし、透析療法は患者に負担を与えるために、新たな治療法が要望されている。
非特許文献1には、腎不全の進行防止に有力なものとして、エリスロポエチンが開示されており、エリスロポエチンが透析患者における輸血の必要性を大幅に低下させ肝炎などのリスクを減らしたことに加え、患者のQOLを著明に向上し、透析患者の生活を大幅に変えた画期的薬剤であることが報告されている。また、非特許文献2、3には、中和型抗VEGF抗体による早期糖尿病性腎症の治療効果が示されている。
一方、体内に蓄積した病因物質、毒性物質などを血液から除去する治療法に、血液透析、腹膜透析、血液透析ろ過、血液吸着などがある。このなかでも、腹膜透析は、唯一体外循環を行わずに、腹膜を半透膜(透析膜)として利用する治療法であり、持続的に行われることを特徴とする。
しかしながら、腹膜透析を長期継続すると、腹膜の形態学的及び機能学的変化が生じ、例えば、非特許文献4では、腹膜透析患者の腹膜は、中皮下緻密層が肥厚・線維化し、血管変化が生じることが報告されている。非特許文献5では、腹膜透析が長期にわたると腹膜中皮細胞が上皮様の形質から間葉系の形質へ移行すること、非特許文献6では、TGF−β過剰発現による腹膜の線維化と上皮−間葉系移行が関与することが報告されている。また、非特許文献7では、長期にわたって腹膜透析を受けている腹膜においては、血管新生促進因子VEGFの発現が亢進しているとの報告がされている。このように、腹膜透析を長期継続すると、腹膜の変化が生じることにより腹膜硬化症を発症し、腹膜透析の継続が困難となる。
これに対して、非特許文献8では中和型抗VEGF抗体による治療効果が、非特許文献9では血管新生抑制剤TNP-470による腹膜の線維化抑制効果が開示されている。しかし、これらVEGF関連分子やTNP−470以外による治療についての報告はない。
Jones M, Ibels L, Schenkel B, Zagari M、Kidney International、2004、Vol.65、p.757-767 An S. De Vriese, et al.、Journal of the American Society of Nephrology、2001、Vol.12、p.993-1000 Allan Flyvbjerg, et al.、Diabetes、2002、Vol.51、p.3090-30941 John D. Williams, et al.、Journal of the American Society of Nephrology、2002、Vol.13、p.470-479 Maria Yanez-Mo, et al.、The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE、2005、Vol.348、p.403-413 Peter J. Margetts, et al.、Journal of the American Society of Nephrology、2005、Vol.16、p.425-436 Sophie Combet, et al.、Journal of the American Society of Nephrology、2000、Vol.11、p.717-728 Hiroaki Io, et al.、Kidney International、2004、Vol.65、p.1927-1936 Yoko Yoshio, et al.、Kidney International、2004、Vol.66、p.1677-1685
これら従来技術に拠って、糖尿病性腎症や腹膜硬化症の治療を行うことができるものの、前記疾病の発症機構が完全には解明されておらず、新規な治療方法の開発が望まれている。
本発明は、糖尿病性腎症の進展抑制作用を有する更なる有用な物質、該物質を含有する糖尿病性腎症の治療剤、糖尿病性腎症の治療剤の製造のための前記物質の使用、及び前記物質を用いた糖尿病性腎症の治療方法、ならびに、抗VEGF抗体やTNP−470以外の物質からなる腹膜硬化症抑制剤、該抑制剤を含有する腹膜硬化症の治療剤、腹膜硬化症の治療剤の製造のための前記物質の使用、及び前記物質を用いた腹膜硬化症の治療方法に関する。
本発明者等はこれまで、バソヒビンが血管新生におけるネガティブフィードバック調節因子として作用することを明らかにした。しかし、バソヒビンの糖尿病性腎症における作用や腹膜における作用は不明であり、本発明者等が鋭意検討した結果、バソヒビンを用いることにより糖尿病性腎症の進展を抑制したり腹膜硬化症を抑制したりすることが可能であることを見出して本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、
〔1〕 バソヒビンを含有してなる、糖尿病性腎症における腎肥大又は糸球体肥大の抑制のための治療剤、
〔2〕 バソヒビンをコードするポリヌクレオチドを含むベクターを含有してなる、糖尿病性腎症における腎肥大又は糸球体肥大の抑制のための治療剤、
〔3〕 ベクターがウイルスベクターである前記〔2〕記載の治療剤、
〔4〕 ウイルスベクターがアデノウイルスベクターである前記〔3〕記載の治療剤、
〔5〕 糖尿病性腎症における腎肥大又は糸球体肥大の抑制のための治療剤の製造のための、バソヒビンの使用、及び
〔6〕 糖尿病性腎症における腎肥大又は糸球体肥大の抑制のための治療剤の製造のための、バソヒビンをコードするポリヌクレオチドの使用
関する。
本発明により、糖尿病性腎症の進展抑制作用を有する更なる有用な物質が提供される。また、本発明により、腹膜硬化症の進展抑制作用を有する更なる有用な物質が提供される。
図1は、血清中VasohibinのWestern blot結果を示す。(a)は生理食塩水を投与した血清、(b)はAdVasohibin(1×10vp/マウス)を投与した血清、(c)はAdVasohibin(5×10vp/マウス)を投与した血清のWestern blot結果である。 図2は、腎臓のPAS染色光顕切片を示す。(a)は非糖尿病マウス群、(b)は糖尿病マウス−PBS投与群、(c)は糖尿病マウス−AdLacZ投与群、(d)は糖尿病マウス−AdVasohibin投与群の切片である。 図3は、腎重量と体重の比(腎重量/体重比)を示す。(a)は非糖尿病マウス群、(b)は非糖尿病マウス−AdVasohibin投与群、(c)は糖尿病マウス−PBS投与群、(d)は糖尿病マウス−AdLacZ投与群、(e)は糖尿病マウス−AdVasohibin投与群である。 図4は、尿中アルブミンとクレアチニン比(尿中アルブミン/クレアチニン比、UACR)を示す。(a)は非糖尿病マウス群、(b)は非糖尿病マウス−AdVasohibin投与群、(c)は糖尿病マウス−PBS投与群、(d)は糖尿病マウス−AdLacZ投与群、(e)は糖尿病マウス−AdVasohibin投与群である。 図5は、24時間クレアチニンクリアランス(Ccr)を示す。(a)は非糖尿病マウス群、(b)は非糖尿病マウス−AdVasohibin投与群、(c)は糖尿病マウス−PBS投与群、(d)は糖尿病マウス−AdLacZ投与群、(e)は糖尿病マウス−AdVasohibin投与群である。 図6は、糸球体容積比を示す。(a)は非糖尿病マウス群、(b)は糖尿病マウス−PBS投与群、(c)は糖尿病マウス−AdLacZ投与群、(d)は糖尿病マウス−AdVasohibin投与群である。 図7は、腹膜組織におけるVasohibinとactinのWestern blot結果を示す。(a)はbeta−galactosidase発現アデノウイルスベクター由来のウイルス液を投与した群の抽出蛋白、(b)はヒトVasohibin発現アデノウイルスベクター由来の精製ウイルス液を投与した群の抽出蛋白のWestern blot結果である。 図8は、腹膜組織におけるVasohibinとactinのDensitometry解析の結果を示す。(a)はbeta−galactosidase発現アデノウイルスベクター由来のウイルス液を投与した群の抽出蛋白、(b)はヒトVasohibin発現アデノウイルスベクター由来の精製ウイルス液を投与した群の抽出蛋白である。 図9は、腹膜のPAS染色光顕切片を示す。(a)は非腹膜硬化マウス群、(b)は腹膜硬化マウス群、(c)は腹膜硬化マウス−AdLacZ投与群、(d)は腹膜硬化マウス−AdVasohibin投与群の切片である。 図10は、腹膜肥厚部分の厚さ(μm)を示す。(a)は非腹膜硬化マウス群、(b)は腹膜硬化マウス群、(c)は腹膜硬化マウス−AdLacZ投与群、(d)は腹膜硬化マウス−AdVasohibin投与群である。
本発明は、糖尿病性腎症の進展抑制においてバソヒビンを用いることに大きな特徴を有し、本発明の糖尿病性腎症進展抑制剤としては、バソヒビンからなる抑制剤(態様1)とバソヒビンをコードするポリヌクレオチドを含有するベクターからなる抑制剤(態様2)が例示される。バソヒビンは、腫瘍細胞や間質細胞、マクロファージなどから分泌される血管新生促進因子(VEGF、FGF−2等)により血管内皮細胞に発現し、内皮細胞自身にオートクライン的に作用して、血管新生を抑制する物質である。バソヒビンの有するこのような血管新生抑制に関した優れた効果を利用し、バソヒビン蛋白質あるいはバソヒビン遺伝子を体外より投与することにより、さらに強く血管新生を抑制することができる。一方、糖尿病性腎症の糸球体係蹄においては、新たな毛細血管の形成や既存の血管の伸長などの血管新生が生じる。この血管新生の過程では、活性化された内皮細胞においてPDGF等のサイトカインの発現が亢進することが分かっており、これに関連して腎肥大、糸球体肥大等の組織変化が生じ、糸球体過剰ろ過、アルブミン尿等を呈して糖尿病性腎症を発症するのである。また、糖尿病性腎症進展の過程に単球/マクロファージ浸潤、線維化促進増殖因子TGF−beta発現増加などが関与することも分かっている。従って、糖尿病性腎症の進展抑制には、血管新生やサイトカイン産生を抑制することが重要であると考えられ、バソヒビンが血管新生を抑制する物質であることから、体外よりバソヒビン蛋白質あるいはバソヒビン遺伝子を投与することにより、糖尿病性腎症を抑制することが可能であると推定される。
また、本発明は、腹膜硬化症の進展抑制においてもバソヒビンを用いることに大きな特徴を有し、本発明の腹膜硬化症抑制剤としては、上記と同様に、バソヒビンからなる抑制剤(態様1)とバソヒビンをコードするポリヌクレオチドを含有してなるベクターからなる抑制剤(態様2)が例示される。腹膜透析患者においては、腹膜における血管新生が増大し、腹膜透過性の亢進が生じる。また、腹膜の硬化肥厚の程度と血管数の間には正の相関が認められ、血管の増生が腹膜硬化を促進する可能性があることも分かっている。しかしながら、血管新生に関する遺伝子を抑制したところ、血管数は減少し腹膜機能は回復したものの、腹膜肥厚は軽度改善されたのみであるとの報告もあり、どのような手段で血管新生を抑制するかによって効果に差がでる可能性も否定できない。上記で説明したように、バソヒビンが血管新生をオートクライン的に抑制する物質であることから、体外よりバソヒビン蛋白質あるいはバソヒビン遺伝子を投与することにより、より生理的現象に近い形で腹膜硬化症を抑制することが可能であると推定される。
本発明におけるバソヒビン(Vasohibin)としては、バソヒビン1及びバソヒビン2が挙げられ、好ましくはバソヒビン1が挙げられる。WO02/090546、WO2006/073052等に開示されているようにバソヒビン1とバソヒビン2は、異なる染色体上に存在する別の遺伝子であるが、それらの遺伝子がコードする蛋白質のアミノ酸配列は58%の相同性を有しており、共に血管新生に対する抑制活性を有する。バソヒビン1は配列番号1の386番目のAから1480番目のCで表される塩基配列からなるKIAA1036ポリヌクレオチドによりコードされるタンパク質、及び配列番号2で表されるアミノ酸配列からなるKIAA1036ポリペプチドのことを、バソヒビン2は配列番号3の1番目のAから1068番目のGで表される塩基配列からなるAY834202ポリヌクレオチドによりコードされるタンパク質、及び配列番号4で表されるアミノ酸配列からなるAY834202ポリペプチドのことをいう。
本発明におけるポリヌクレオチドとしては、配列番号1に表される塩基配列からなるKIAA1036ポリヌクレオチド、配列番号3に表される塩基配列からなるAY834202ポリヌクレオチド、及び前記ポリヌクレオチド又はそれらの相補鎖とストリンジェントな条件下にハイブリダイズしうるポリヌクレオチドが、例示される。
ここでいう「ストリンジェントな条件下にハイブリダイズしうるポリヌクレオチド」とは、ポリヌクレオチドの断片をプローブとして、当該分野において周知慣用な手法、例えば、コロニーハイブリダイゼーション法、プラークハイブリダイゼーション法あるいはサザンブロットハイブリダイゼーション法などを用いることにより得られるポリヌクレオチドを意味し、具体的には、コロニーあるいはプラーク由来のポリヌクレオチドを固定化したメンブランを用いて、0.7〜1.0MのNaCl存在下、65℃でハイブリダイゼーションを行った後、0.1〜2倍濃度のSSC(Saline Sodium Citrate:150mM 塩化ナトリウム、15mM クエン酸ナトリウム)溶液を用い、65℃でメンブランを洗浄することにより同定できるポリヌクレオチドを意味する。ハイブリダイゼーションは、Molecular Cloning:A Laboratory Manual,Second Edition(1989)(Cold Spring Harbor Laboratory Press)、Current Protocols in Molecular Biology(1994)(Wiley−Interscience)、DNA Cloning 1:A Practical Approach Core Techniques,Second Edition(1995)(Oxford University Press)などに記載されている方法に準じて行うことができる。ここで、ストリンジェントな条件でハイブリダイズする配列からは、好ましくは、アデニン(A)又はチミン(T)のみからなる配列は除外される。
本明細書において「ハイブリダイズしうるポリヌクレオチド」とは、上記ハイブリダイズ条件で別のポリヌクレオチドにハイブリダイズすることができるポリヌクレオチドをいう。そのようなポリヌクレオチドとして、具体的には、配列番号1で表されるKIAA1036ポリヌクレオチドや配列番号3で表されるAY834202ポリヌクレオチドと少なくとも60%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは95%以上の相同性を有するポリヌクレオチドを挙げることができる。なお、本明細書において、相同性は、例えば、Altschulら(The Journal of Molecular Biology,215,403−410(1990))の開発したアルゴリズムを使用した検索プログラムBLASTを用いることにより、スコアで類似度が示される。
上記ポリヌクレオチドは、公知の方法に準じて調製することができ、例えば、WO02/090546に開示された方法に従って調製することができる。また、アミノ酸配列に基づいて、KIAA1036ポリペプチドやAY834202ポリペプチドをコードするDNAを化学合成することによっても調製することができる。DNAの化学合成は、チオホスファイト法を利用した島津製作所製のDNA合成機、フォスフォアミダイト法を利用したパーキン・エルマー社製のDNA合成機model392などを用いて行うことができる。
本発明におけるポリペプチドとしては、配列番号2に表されるアミノ酸配列からなるKIAA1036ポリペプチド、配列番号4に表されるアミノ酸配列からなるAY834202ポリペプチド、前記アミノ酸配列において1もしくは数個のアミノ酸残基の欠失、付加、挿入又は置換を有するポリペプチド、及びそれらの誘導体、ならびにそれらの塩が例示される。
本明細書中において、「ポリペプチドの誘導体」とは、例えば、ポリペプチドをアセチル化、パルミトイル化、ミリスチル化、アミド化、アクリル化、ダンシル化、ビオチン化、リン酸化、サクシニル化、アニリド化、ベンジルオキシカルボニル化、ホルミル化、ニトロ化、スルフォン化、アルデヒド化、環状化、グリコシル化、モノメチル化、ジメチル化、トリメチル化、グアニジル化、アミジン化、マレイル化、トリフルオロアセチル化、カルバミル化、トリニトロフェニル化、ニトロトロポニル化、ポリエチレングリコール化又はアセトアセチル化した誘導体等をいう。これらの中でもN末端のアセチル化誘導体、C末端のアミド化誘導体、C末端のメチル化誘導体は、末端からポリペプチドを分解するエキソペプチダーゼに対する抵抗性が付与され、また、グリコシル化又はポリエチレングリコール化によっても生体中における安定性が高くなることが期待されるので好ましい。
本明細書において、「塩」とは、ポリペプチド又はそれらの誘導体の薬理学的に許容される任意の塩(無機塩及び有機塩を含む)をいい、例えば、ポリペプチド又はそれらの誘導体のナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、アンモニウム塩、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、燐酸塩、有機酸塩(酢酸塩、クエン酸塩、マレイン酸塩、リンゴ酸塩、シュウ酸塩、乳酸塩、コハク酸塩、フマル酸塩、プロピオン酸塩、蟻酸塩、安息香酸塩、ピクリン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩等)等が挙げられる。これらの中でも、好ましくは、ナトリウム塩、カリウム塩、燐酸塩が望ましい。
上記ポリペプチドは、公知の方法に準じて調製することができ、例えば、WO02/090546、WO2006/073052等に開示された方法に従って調製することができる。
また、上記ポリペプチドの誘導体は、当該分野で公知の方法により、作製され得る。また、上記ポリペプチドの塩も、当該分野で公知の任意の方法により、当業者によって容易に作製され得る。
態様1の抑制剤は、実質的に、前記バソヒビンにより構成されるが、態様2の抑制剤は前記バソヒビンをコードするポリヌクレオチドを含有するベクターにより構成される。
ベクターは、宿主細胞において自立複製可能であると同時に、プロモーター、リボソーム結合配列、バソヒビンをコードする遺伝子、転写終結配列により構成されていることが好ましい。また、プロモーターを制御する遺伝子が含まれていてもよい。本発明に用いられる好適なベクターとしては、後述するベクターが挙げられる。
また、本発明では、動物細胞での発現効率の観点から、ベクターはウイルスベクターであることが好ましい。本発明に用いられるウイルスベクターとしては、後述の動物細胞への感染用ウイルスベクター等が例示されるが、なかでも、アデノウイルスベクターが好ましい。本発明では、かかるウイルスベクターを用いることにより、かかるベクターの形質転換体から産生されるウイルス粒子は動物細胞に感染可能となり、動物細胞においてより高い効率でバソヒビンを発現することが可能となる。従って、本発明の糖尿病性腎症進展抑制剤、及び腹膜硬化症抑制剤としては、前記ウイルスベクターから作製されたウイルス粒子からなる抑制剤(態様3)も例示される。なお、ウイルスベクターからなる抑制剤に、さらにウイルスベクターから作製されたウイルス粒子を組み合わせた抑制剤、即ち、態様2と態様3の抑制剤を組み合わせた抑制剤もまた、本発明に含まれる。
本発明におけるウイルス粒子とは、前記ベクターを各種宿主細胞に導入し、それらに適した通常の培養方法に従って培養することにより、形質転換体及び/又は培養液より回収される。得られた回収物、即ち、ウイルス粒子は、培養液と形質転換体のいずれも含んでいてもよいが、遠心分離法、Adeno−X Virus Mini Purification kit(クローンテック社製)、又はVivapure(SARTORIUS社製)により精製して、濃縮することができる。
なお、上記ベクター、即ち、バソヒビンをコードするポリヌクレオチドを含有するベクター、及び該ポリヌクレオチドに加えてウイルスDNAをさらに含有するウイルスベクターは、公知の方法に準じて調製することができ、例えば、WO02/090546、WO2006/073052等に開示された方法に従って調製することができる。
本発明の抑制剤は、糖尿病性腎症における腎肥大・糸球体肥大等を効果的に抑制することができることから、本発明ではさらに、本発明の抑制剤を含有する糖尿病性腎症の治療剤を提供する。同様に、本発明の抑制剤は、腹膜硬化症における腹膜肥厚等を効果的に抑制することもできることから、本発明ではさらに、本発明の抑制剤を含有する腹膜硬化抑制作用を要する疾患の治療剤をも提供する。
また、糖尿病性腎症は進展すると腎不全などに至るが、本発明の抑制剤は、糖尿病性腎症の進展を抑制することができることから、本発明は、本発明の抑制剤を含有する糖尿病性腎症の進展抑制作用を要する疾患の治療剤も提供する。治療に糖尿病性腎症の進展抑制作用を要する疾患としては、糖尿病性腎症の進展を抑制することにより治療効果がみられる疾患であれば特に限定はないが、例えば、慢性腎臓病が例示される。慢性腎臓病はその進展の抑制に有効な治療法が未だに確立されていないため、本発明の治療剤の適用が期待される。
同様に、本発明の抑制剤は、腹膜硬化症における腹膜肥厚等を効果的に抑制することができることから、本発明ではさらに、本発明の抑制剤を含有する腹膜硬化抑制作用を要する疾患の治療剤を提供する。
腹膜硬化抑制作用を要する疾患としては、腹膜硬化症の進展を抑制することにより治療効果がみられる疾患であれば特に限定はないが、例えば、被嚢性腹膜硬化症が例示される。被嚢性腹膜硬化症の原因は長期間にわたる腹膜透析のみならず、自己免疫疾患・腹腔内悪性腫瘍・化学療法・腹部手術・感染症などもその成因となり得る。被嚢性腹膜硬化症は有効な治療方法がなく、腹膜透析を中止する必要が生じるため、本発明の治療剤の適用が期待される。
本発明の治療剤としては、本発明の抑制剤を公知の医薬用担体と組み合わせて製剤化したものが挙げられる。また、本発明の治療剤としては、バソヒビンをバソヒビンと同じ用途に使用可能な他の成分、例えば公知の糖尿病性腎症進展抑制作用を有する成分、公知の腹膜硬化症進展抑制作用を有する成分等、例えば中和型抗VEGF抗体などと配合することもできる。
本発明の治療剤の製造は、通常、本発明の抑制剤を薬学的に許容できる液状又は固体状の担体と配合することにより行われ、所望により溶剤、分散剤、乳化剤、緩衝剤、安定剤、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤等を加えて、錠剤、顆粒剤、散剤、粉末剤、カプセル剤等の固形剤や、通常液剤、懸濁剤、乳剤等の液剤とすることができる。また、使用前に適当な担体の添加によって液状となし得る乾燥品や、その他、外用剤とすることもできる。なお、医薬用担体は、治療剤の投与形態及び製剤形態に応じて選択することができ、特に限定はない。
上記のような各種製剤形態での治療剤は、それぞれ公知の医薬用担体などを利用して、適宜、常法により製造することができる。また、かかる治療剤における本発明の抑制剤の含有量は、その投与形態、投与方法などを考慮し、本発明の所望の効果の発現が得られ得るような量であればよく、特に限定されるものではない。本発明の治療剤中の本発明の抑制剤の含有量としては通常1〜100重量%程度である。
本発明の治療剤は、製剤形態に応じた適当な投与方法で投与される。投与方法も特に限定はなく、例えば内用、外用及び注射により投与することができる。本発明の治療剤を注射により投与する場合は、たとえば静脈内、筋肉内、皮下、皮内などに投与し得、外用により投与する場合は、たとえば、座剤等の外用剤として、その適する投与方法により投与すればよい。
本発明の治療剤の投与量は、その製剤形態、投与方法、使用目的及び当該治療剤の投与対象である患者の年齢、体重、症状によって適宜設定され一定ではない。また、投与は、所望の投与量範囲内において、1日内において単回で、又は数回に分けて行ってもよい。投与期間も任意である。
本発明はまた、糖尿病性腎症の治療剤又は腹膜硬化症の治療剤の製造のための、バソヒビンの使用、及びバソヒビンをコードするポリヌクレオチドの使用を提供する。ならびに、本発明は、糖尿病性腎症又は腹膜硬化症の治療に使用するためのバソヒビン、及びバソヒビンをコードするポリヌクレオチドを提供する。
本発明はまた、被験体に、バソヒビンを投与する工程を含む、糖尿病性腎症の進展抑制作用を要する疾患の治療方法を提供する。同様に、本発明は、被験体に、バソヒビンを投与する工程を含む、腹膜硬化抑制作用を要する疾患の治療方法を提供する。
本明細書中において被験体とは、好ましくは糖尿病性腎症の進展抑制作用、又は腹膜硬化抑制作用を必要とするヒトであるが、ペット動物等であってもよい。
また、本明細書中において有効量とは、バソヒビンを上記被験体に投与した場合に、バソヒビンを投与していない被験体と比較して、糖尿病性腎症の進展抑制作用を発揮するバソヒビンの量、又は腹膜硬化抑制作用を発揮するバソヒビンの量である。具体的な有効量としては、投与形態、投与方法、使用目的及び被験体の年齢、体重、症状等によって適宜設定され一定ではない。
本発明の糖尿病性腎症の進展抑制作用を要する疾患の治療方法、及び腹膜硬化抑制作用を要する疾患の治療方法においては、有効量のバソヒビンをそのまま上記被験体に投与してもよく、また、上記のような治療剤等の医薬として投与してもよい。また、投与方法にも限定はなく、例えば、上記の医薬と同様に、経口投与や注射等により投与すればよい。
本発明の治療方法によれば、前記の本発明の治療剤の対象となる疾患を治療することができ、例えば、糖尿病性腎症又は腹膜硬化が原因因子となって起こる疾患の治療を行う効果が発揮され得る。
また、本発明のバソヒビンをコードするポリヌクレオチドを含有してなるベクターからなる糖尿病性腎症進展抑制剤及び腹膜硬化症抑制剤は、糖尿病性腎症又は腹膜硬化が原因因子となって起こる疾患を有する患者における遺伝子治療に使用することができる。
本発明のベクターからなる抑制剤の患者への導入方法としては、該抑制剤を直接体内に導入するin vivo法及びヒトからある種の細胞を取り出して体外でDNAを該細胞に導入し、その細胞を体内に戻すex vivo法がある[日経サイエンス、4月号、20−45(1994)、月間薬事、36、23−48(1994)、実験医学増刊、12、15(1994)]。本発明では、in vivo法が好ましい。
in vivo法により投与する場合は、治療目的の疾患、標的臓器などに応じた適当な投与経路により投与される。例えば、病変の認められる組織に直接局所投与するか又は静脈、動脈、皮下、筋肉内、腹腔内、内視鏡的、エアロゾル的等により投与することも可能である。投与方法としては静脈内又は腹腔内投与が好ましい。また、病変の見られる組織の直接注射も好ましい。核磁気共鳴撮像又はコンピューター断層撮影等の当該技術分野で利用できる任意のものを使用して病変の見られる組織を撮影し、例えば、定位注射により本発明のベクターからなる抑制剤を投与することができる。
本発明のベクターからなる抑制剤を遺伝子治療用ベクターとして用いる場合、前記抑制剤の形態としては、上記の各投与形態にあった種々の製剤形態をとることができる。例えば、有効成分であるバソヒビンをコードするDNAを含有する注射剤とした場合、当該注射剤は常法により調製することができる。遺伝子治療剤に用いる基剤としては、通常注射剤に用いる基剤であれば、特に制限されず、蒸留水、塩化ナトリウム、又は塩化ナトリウムと無機塩等との混合物の塩溶液、マンニトール、ラクトース、デキストラン、グルコース等の溶液、グリシン、アルギニン等のアミノ酸溶液、有機酸溶液又は塩溶液とグルコース溶液との混合溶液等が挙げられ得る。また、常法に従い、これらの基剤に浸透圧調整剤、pH調整剤、ゴマ油、ダイズ油等の植物油又はレシチン若しくは非イオン性界面活性剤等の界面活性剤等の助剤を用いて、溶液、懸濁液、分散液として注射剤を調製してもよい。これらの注射剤を粉末化、凍結乾燥等の操作により用事溶解用製剤とすることもできる。
前記製剤中のバソヒビンをコードするDNAの含有量は、治療目的の疾患、投与部位、投与回数、所望治療期間、患者の年齢、体重等により異なり、適宜調整することができるが、通常患者(体重60kgとして)においては一般にバソヒビンをコードするDNAの重量にして約0.01〜2000mg、好ましくは0.1〜100mgである。
以下に、バソヒビンの作製方法及び遺伝子治療用ベクターの作成方法等を具体的に記載する。
(1)バソヒビンの作製方法
バソヒビンは、Molecular Cloning:A Laboratory Manual,Second Edition(1989)(Cold Spring Harbor Laboratory Press)、Current Protocols in Molecular Biology(1994)(Wiley−Interscience)等に記載された方法等を用い、例えば、以下の方法により、バソヒビンの遺伝子を宿主細胞中で発現させ、作製することができる。
バソヒビンのタンパク質をコードする全長DNAを基にして、必要に応じて、該タンパク質をコードする部分を含む適当な長さのDNA断片を調製する。また、該タンパク質をコードする部分の塩基配列を、宿主の発現に最適なコドンとなるように、塩基を置換したDNAを調製する。該DNAは該タンパク質の生産率を向上させるうえで有用である。該DNA断片、又は全長DNAを適当な発現ベクターのプロモーターの下流に挿入することにより、組換え体DNA(発現用プラスミド)を作製する。該発現用プラスミドを、該発現ベクターに適合した宿主細胞に導入することにより、バソヒビンを生産する形質転換体を得ることができる。
宿主細胞としては、原核細胞、動物細胞、昆虫細胞等、目的とする遺伝子を発現できるものであればいずれも用いることができる。発現ベクターとしては、上記宿主細胞において自立複製が可能、又は染色体中への組込みが可能で、バソヒビンをコードする遺伝子の転写に適した位置にプロモーターを含有しているものが用いられる。
(i)原核生物を宿主として用いる場合
バソヒビン蛋白質の発現ベクターは、原核生物中で自立複製可能であると同時に、プロモーター、リボソーム結合配列、バソヒビンをコードする遺伝子、転写終結配列より構成されていることが好ましい。プロモーターを制御する遺伝子が含まれていてもよい。
発現ベクターとしては、例えば、pBTrp2、pBTac1、pBTac2(ロシュダイアグノスティックス社製)、Bluescript II SK(+)、pBluescript II SK(−)(ストラタジーン社製)、pSTV28、pUC118、pUC19(宝酒造社製)、pKK233-2(アマシャムバイオサイエンス社製)、pSE280、pSupex、pUB110、pTP5、pC194、pTrxFus(インビトロジェン社製)、pGEMEX-1(プロメガ社製)、pQE-8(キアゲン社製)、pGEX(ファルマシア社製)、pETシステム(ノバジェン社製)、pMAL-c2(New England Biolabs社製)、pKYP10(特開昭58-110600)、pKYP200(Agricultural Biological Chemistry,48,669(1984))、pLSA1(Agricultural Biological Chemistry,53,277(1989))、pGEL1(Proceeding of the National Academy of Sciences USA,82,4306(1985))、pEG400(Journal of Bacteriology,172,2392(1990))、pTrs30(FERM BP-5407)、pTrs32(FERM BP-5408)、pGHA2(FERM BP-400)、pGKA2(FERM B-6798)、pPA1(特開昭63-233798)、pTerm2(特開平3-22979、US4686191、US4939094、US5160735)等を例示することができる。
プロモーターとしては、大腸菌等の宿主細胞中で発現できるものであればいかなるものでもよい。例えば、trpプロモーター(Ptrp)、lacプロモーター(Plac)、PLプロモーター、PRプロモーター、PSEプロモーター等の、大腸菌やファージ等に由来するプロモーター、SPO1プロモーター、SPO2プロモーター、penPプロモーター等をあげることができる。またPtrpを2つ直列させたプロモーター(Ptrpx2)、tacプロモーター、lacT7プロモーター、letIプロモーターのように人為的に設計改変されたプロモーター等も用いることができる。
また、リボソーム結合配列であるシャイン−ダルガノ(Shine-Dalgarno)配列と開始コドンとの間を適当な距離、例えば、6〜18塩基に調節したプラスミドを用いることが好ましい。バソヒビン遺伝子の発現において転写終結配列は必ずしも必要ではないが、構造遺伝子直下に転写終結配列を配置することが好ましい。
宿主細胞としては、Escherichia属、Serratia属、Bacillus属、Brevibacterium属、Corynebacterium属、Microbacterium属、Pseudomonas属等の原核生物が挙げられ、Escherichia属としてE.coliのXL1−Blue株、XL2−Blue株、DH1株、MC1000株、KY3276株、W1485株、JM109株、HB101株、No.49株、W3110株、NY49株、BL21(DE3)株、BL21(DE3)pLysS株、HMS174(DE3)株及びHMS174(DE3)pLysS株等が、Serratia属として、S.ficaria株、S.fonticola株、S.liquefaciens、S.marcescens株等が、Bacillus属として、B.subtilis株、B.amyloliquefaciens株等が、Brevibacterium属として、B.ammoniagenes株、B.Immariophilum(ATCC:14068)株、B.saccharolyticum(ATCC:14066)株等が、Corynebacterium属として、C.glutamicum(ATCC:13032)株、C.glutamicum(ATCC:14067)株、C.gulutamicum(ATCC:13869)株、C.acetoacidophilum(ATCC:13870)株等が、Microbacterium属として、M.ammoniaphilum(ATCC:15354)株等が、Pseudomonas属として、S.mephitica株等が例示される。
発現用プラスミドの導入方法としては、上記宿主細胞へDNAを導入する方法であればいずれも用いることができ、例えば、エレクトロポレーション法(Nucleic Acids Research,16,6127(1988))、リン酸カルシウム法(Proceedings of the National Academy of Sciences,USA,69,2110(1972))、プロトプラスト法〔特開昭63−2483942、Gene,17,107(1982)やMolecular & General Genetics,168,111(1979)〕に記載の方法等が挙げられる。
(ii)動物細胞を宿主として用いる場合
宿主として動物細胞を用いる場合、発現ベクターとして、例えば、pcDNA1/Amp、pcDNA1、pCDM8、pREP4(インビトロジェン社製)、pHM6(ロシュダイアグノスティクス社製)、pKK223−3、pGEX(アマシャムバイオサイエンス社製)、pAGE107(Cytotechnology,3,133(1990))、pAGE103(The Journal of Biochemistry,101,1307(1987))、pAMo、pAMoA(pAMoPRSA)(The Journal of Biological Chemistry,268,22782−22787(1993))、pAS3−3(特開平2−22705)等を用いることができる。
プロモーターとしては、宿主中で発現できるものであればいずれも用いることができ、例えば、ヒトサイトメガロウイルス(hCMV)のIE(Immediate−early)遺伝子のプロモーター、SV40の初期プロモーター、モロニー株マウス白血病ウイルス(Moloney Murine Leulemia Virus)のロング・ターミナル・リピート・プロモーター(Long Terminal Repeat Promoter)、レトロウイルスのプロモーター、HSPプロモーター、SRαプロモーター及びメタロチオネインのプロモーター等を挙げることができる。また、hCMVのIE遺伝子のエンハンサーをプロモーターと共に用いてもよい。
宿主に用いる動物細胞としては、ヒト由来株細胞のHEK293(ヒト胎児腎細胞、ATCC:CRL−1573)、Namalwa(バーキットリンパ腫、ATCC:CRL−1432)、HeLa(子宮頚部癌細胞、ATCC:CCL−2)、HBT5637(白血病細胞、特開昭63−299)、BALL−1(白血病細胞)及びHCT−15(大腸癌細胞);マウス由来株細胞のSp2/0−Ag14(マウス骨髄種細胞、ATCC:CRL−1581)及びNSO(マウス骨髄種細胞);サル由来株細胞のCOS−1(アフリカミドリザル腎細胞(SV40形質転換細胞)、ATCC:CRL−1650)及びCOS−7(アフリカミドリザル腎細胞(SV40形質転換細胞)、ATCC:CRL−1651);ハムスター由来株細胞のCHO−K1(チャイニーズハムスター卵巣細胞、ATCC:CCL−61)及びBHK−21(C−13)(シシリアンハムスター仔腎細胞、ATCC:CCL−10);ラット由来株細胞のPC12(副腎褐色細胞腫、ATCC:CRL−1721)及びYB2/0(ラット骨髄種細胞、ATCC:CRL−1662)等を例示することができる。
発現用プラスミドの導入方法としては、宿主にDNAを導入する方法であればいずれも用いることができ、例えば、エレクトロポレーション法(Cytotechnology,3,133,(1990))、リン酸カルシウム法(特開平2−22705)、リポフェクション法(Proceedings of the National Academy of Sciences,USA,84,7413(1987)、Virology,52,456(1973))が挙げられる。また、動物細胞培養液に目的遺伝子を含む発現ベクター及び動物細胞への感染用ウイルスDNAを添加し、組換えにより作製された目的遺伝子を発現するウイルスが動物細胞に感染することによりバソヒビンを発現することができる。感染用ウイルスとしては、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス、レトロウイルス等が挙げられ、アデノウイルスゲノムDNA−TPC(タカラバイオ社製)を感染用ウイルスDNAとして好適に用いることができる。
(iii)昆虫細胞を宿主として用いる場合
宿主として昆虫細胞を用いる場合、発現ベクターとしては、例えば、pVL1392、pVL1393、pBlueBacIII、pFASTBac1(インビトロジェン社製)等が、感染用ウイルスとしては、例えば、ヨトウガ科昆虫に感染するバキュロウイルス(Vaculovirus)Autographa california nuclear polyhedrosis virus(AcMNPV)Bac−N−Blue DNA等が挙げられる。昆虫細胞の形質転換の方法は、例えば、Baculovirus Expression Vector:A Laboratory Manual(1992)(W.H.Freeman and Company)、Molecular Cloning:A Laboratory Manual,Second Edition(1989)(Cold Spring Harbor Laboratory Press)、Current Protocols in Molecular Biology(1994)(Wiley−Interscience)、Biotechnology,6,47(1988)等に記載の方法が用いられる。
昆虫細胞培養液に目的遺伝子を含む発現ベクター及び昆虫細胞への感染用のバキュロウイルスDNAを添加し、組換えにより作製された目的遺伝子を発現するウイルスが昆虫細胞に感染することによりバソヒビンを発現することができる。
宿主に用いる昆虫細胞としては、Spodoptera frugiperda(ヨトウガ)由来株細胞、Trichoplusia ni(イラクサキンウワバ)由来株細胞等が挙げられ、具体的には、S.frugiperda由来細胞としては、Sf9(ATCC:CRL−1711、卵巣細胞)、Sf21(卵巣細胞)等が、T.ni由来細胞株としては、High Five、BTI−TN−5B1−4(卵細胞、インビトロジェン社製)等が例示される。
発現用プラスミドの導入方法としては、宿主に導入できる方法であればいずれも用いることができ、例えば、リン酸カルシウム法(特開平2−22705)、リポフェクション法(Proceedings of the National Academy of Sciences USA,84,7413(1987))等を挙げることができる。リポフェクション法では、CELLFECTIN試薬(インビトロジェン社)を用いることができる。また、動物細胞と同様に、エレクトロポレーション法(Cytotechnology,3,133(1990))等も用いることができる。
(iv)形質転換体の培養方法
バソヒビンをコードするDNAを組み込んだ発現用プラスミドを保有する形質転換体が、大腸菌、動物細胞等の細胞の場合、各種宿主に適した通常の培養方法に従って培養し、該タンパク質を産生・蓄積させ、形質転換体又は培養液より該タンパク質を回収することにより、該タンパク質を作製することができる。形質転換体が、動物個体又は植物個体の場合、各種宿主に適した通常の生育方法に従って飼育又は栽培し、該タンパク質を産生・蓄積させ、該動物個体又は植物個体より該タンパク質を回収することにより、該タンパク質を作製することができる。
宿主が動物個体の場合、例えば、バソヒビンをコードする遺伝子を保有する非ヒトトランスジェニック動物を飼育し、該プラスミドのコードするバソヒビンを該動物中に産生・蓄積させ、該動物個体中から該タンパク質を回収することにより、バソヒビンを作製することができる。動物個体中の産生・蓄積場所としては、例えば、該動物のミルク、唾液、卵等を挙げることができる。
宿主が大腸菌等の原核生物である場合、例えば、バソヒビンをコードする遺伝子を保有する形質転換体を培地中で培養し、該プラスミドのコードするバソヒビンを培養液に産生・蓄積させ、該培養液から該タンパク質を回収することにより、バソヒビンを作製することができる。
バソヒビンの形質転換体を培地で培養する方法は、宿主の培養に用いられる通常の方法に従って行うことができる。
得られた形質転換体を培養する培地としては、該生物が資化し得る炭素源、窒素源、無機塩類等を含有し、形質転換体の培養を効率的に行える培地であれば天然培地、合成培地のいずれを用いてもよい。
炭素源としては、それぞれの微生物が資化し得るものであればよく、グルコース、フラクトース、スクロース、これらを含有する糖蜜、デンプンあるいはデンプン加水分解物等の炭水化物、酢酸、プロピオン酸等の有機酸、エタノール、プロパノール等のアルコール類を用いることができる。
窒素源としては、アンモニア、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、リン酸アンモニウム等の各種無機酸や有機酸のアンモニウム塩、その他含窒素物質、並びに、ペプトン、肉エキス、酵母エキス、コーンスチープリカー、カゼイン加水分解物、大豆粕及び大豆粕加水分解物、各種発酵菌体及びその消化物等を用いることができる。
無機塩としては、リン酸第一カリウム、リン酸第二カリウム、リン酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、塩化ナトリウム、硫酸第一鉄、硫酸マンガン、硫酸銅、炭酸カルシウム等を用いることができる。培養は、振盪培養又は深部通気攪拌培養等の好気的条件下で行う。
形質転換体が大腸菌等の原核生物である場合、かかる培地としては、例えば、バクトトリプトン、イーストエクストラクト及び塩化ナトリウムを含むYT培地が好ましい。
培養温度は15〜40℃がよく、培養時間は、通常5時間〜7日間である。培養中pHは、3.0〜9.0に保持する。pHの調整は、無機あるいは有機の酸、アルカリ溶液、尿素、炭酸カルシウム、アンモニア等を用いて行う。また培養中必要に応じて、アンピシリンやテトラサイクリン等の抗生物質を培地に添加してもよい。
プロモーターとして誘導性のプロモーターを用いた発現ベクターで形質転換した微生物を培養するときには、必要に応じてインデューサーを培地に添加してもよい。例えば、lacプロモーターを用いた発現ベクターで形質転換した形質転換体を培養するときにはイソプロピル−β−D−チオガラクトピラノシド等を、trpプロモーターを用いた発現ベクターで形質転換した形質転換体を培養するときにはインドールアクリル酸等を培地に添加してもよい。
バソヒビン作製用形質転換体が動物細胞である場合、該細胞を培養する培地は、一般に使用されているRPMI1640培地(The Journal of the American Medical Association,199,519(1967))、MEM培地(Science,130,432(1959))、D−MEM培地(Virology,8,396(1959))、199培地(Proceedings of the Society for the Biological Medicine,73,1(1950))又はこれら培地に牛胎児血清(FCS)等を添加した培地等が用いられる。
培養は、通常pH6〜8、25〜40℃、5% CO存在下等の条件で1〜7日間行う。また培養中必要に応じて、カナマイシン、ペニシリン、ストレプトマイシン等の抗生物質を培地に添加してもよい。
形質転換体が昆虫細胞である場合、培養する培地としては、一般に使用されているTNM−FH培地(ファーミンジェン社製)、Sf−900II SFM培地(インビトロジェン社製)、ExCell400、ExCell405(JRHバイオサイエンシーズ社製)、Grace’s InsectMedium(Nature,195,788(1962))等を用いることができる。
(v)作製方法
バソヒビンは、形質転換体を培養し、培養液からバソヒビンを単離・精製することにより作製することができる。バソヒビンの単離・精製方法は、当該分野において周知慣用の常法により行うことができ、例えば、酵素の単離・精製方法やSandlerらの糖転移酵素の精製方法(Methods in Enzymology,83,458)を用いることができる。
バソヒビンが溶解性ポリペプチドとして産生・蓄積される場合、上記のように形質転換体を培養した培養液を、例えば、遠心分離等の方法で細胞又は菌体と培地に分離する。バソヒビンが宿主細胞内に存在する場合、採取した細胞又は菌体をSTE溶液等の適当な緩衝液で洗浄した後、超音波、フレンチプレス、マントンガウリンホモジナイザー、ダイノミル等で細胞又は菌体を破砕し、遠心分離やろ過により無細胞溶液として得ることができる。
バソヒビンの分離・精製に用いる緩衝液には界面活性剤が適量含まれていてもよく、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム(SDS)やN−ラウロイルサルコシンナトリウム(サルコシル)等を含んでいてもよい。
得られた粗精製物に含まれる目的タンパク質の分離・精製方法は自体公知の各種分離・精製方法を組み合わせて行うことができる。これらの公知の方法としては、例えば、溶媒抽出法、硫酸アンモニウム等による塩析法、透析法、有機溶媒による沈殿法、限外濾過法、ゲル濾過、ジエチルアミノエチル(DEAE)−セファロースクロマトグラフィー、DIAION HPA−75(三菱化学社製)等のリジンを用いた陰イオンクロマトグラフィーやイオン交換クロマトグラフィー、S−Sepharose FF(ファルマシア社製)等のリジンを用いた陽イオンクロマトグラフィー、ブチルセファロース等の疎水性クロマトグラフィーやアフィニティークロマトグラフィー等の各種クロマトグラフィー法、SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動法や等電点電気泳動法等の各種電気泳動法等が例示される。アフィニティークロマトグラフィーは、バソヒビンに対する抗体を用いることによっても行うことができる。
バソヒビンが不溶性ポリペプチドとして産生・蓄積される場合、上記同様に細胞又は菌体を分離し、適当な方法により破砕後、該ポリペプチドを含む分画を回収する。回収した試料は、ラウリル硫酸ナトリウム(SDS)やN−ラウロイルサルコシンナトリウム(サルコシル)等の界面活性剤等の可溶化剤で可溶化する。該可溶化液は、可溶化剤を含まないか殆ど含まれない濃度にまで希釈又は透析し、該ポリペプチドを正常な立体構造に構成させた後、上記と同様の分離・精製方法により精製標品を得ることができる。
また、バソヒビンを他のタンパク質との融合タンパク質として生産し、融合したタンパク質に親和性をもつ物質を用いたアフィニティークロマトグラフィーを利用して精製することもできる(山川彰夫,実験医学,13,469−474(1995))。融合タンパク質に使用する付加タンパク質としてはプロテインA、FLAG等が例示される(Proceedings of the National Academy of Sciences,USA,86,8227(1989)、Genes Development,4,1288(1990)、特開平5−336963、特開平6−823021)。プロテインAを使用する場合、バソヒビンとプロテインAの融合タンパク質を生産し、イムノグロブリンGを用いてアフィニティークロマトグラフィーを行うことにより精製することができる。FLAGペプチドを使用する場合、バソヒビンとFLAGの融合タンパク質を生産し、抗FLAG抗体を用いてアフィニティークロマトグラフィーを行うことにより精製することができる。
上記の形質転換体により作製する方法以外には、バソヒビンは、公知の方法に準じて、in vitro転写・翻訳系を用いても生産することができる(Journal of Biomolecular NMR,6,129−134(1995)、Science,242,1162−1164(1988)、The Journal of Biochemistry,110,166−168(1991))。
また、バソヒビンは、そのアミノ酸配列を基に、Fmoc法(フルオレニルメチルオキシカルボニル法)、tBoc法(t−ブチルオキシカルボニル法)等の化学合成法や市販されているペプチド合成機器、例えば、APEX396(アドバンストケムテック社製)、433A(アプライドバイオシステムズ社製)、PS3(プロテインテクノロジーズ社製)、9050(パーセプティブ社製)、PSSM−8(島津製作所製)等のペプチド合成機器により化学合成することができる。
(2)遺伝子治療用ベクターの作製方法
遺伝子治療用ベクターの作製方法、細胞における発現方法等は上記「バソヒビンの作製方法」に記載の発現ベクターと同様である。
発現ベクターは安全で低毒性であるので、例えば、哺乳動物(例えば、ヒト、ラット、マウス、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ネコ、イヌ、サル等)に対して投与することができる。遺伝子治療に用いる際には、ヒトを含む哺乳動物の細胞内で蛋白質を発現でき、かつ、安全性の高いDNA若しくはRNAウイルスベクター又はプラスミドベクターを用いるのが好ましい。遺伝子治療に好ましいウイルスベクターとしては,アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス(AAV)、レトロウイルス、ポックスウイルス、ヘルペスウイルス、単純ヘルペスウイルス、レンチウイルス(HIV)、センダイウイルス、エプスタイン−バールウイルス(EBV)、ワクシニアウイルス、ポリオウイルス、シンビスウイルス、SV40等が挙げられる。遺伝子治療に好ましいプラスミドとしては、pCAGGS(Gene,108,193−200(1991))、pBK−CMV、pcDNA3.1、pZeoSV(インビトロゲン社、ストラジーン社)等が挙げられる。
なお、バソヒビンをコードするDNAにシグナル配列を付加することにより、分泌蛋白質となり、局所投与する必要は必ずしもなく、細胞内で産生、分泌された蛋白質が遠く離れた標的臓器に作用し、糖尿病性腎症の進展抑制作用を生ずる。従って、病理組織以外の正常組織内又は正常細胞内への投与も可能である。なお、ヒトに投与する場合は静脈内投与又は筋肉内投与が好ましい。
以下、実施例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。なお、遺伝子操作的手法として、特に断らない限り、Molecular Cloning:A Laboratory Manual,2nd Edition(Cold Spring Harbor Laboratory)に記載されている方法を用いた。
実施例1
[組換えアデノウイルスの作成]
プラスミドpFLAG13−1036(WO02/090546参照)を、制限酵素NotI及びXbaI処理することにより回収したヒトVasohibin−1をコードするcDNAをT4DNAポリメラーゼ(タカラバイオ社)処理することにより平滑末端化し精製した。精製したcDNAを、制限酵素SmiI消化したコスミドベクターpAxCAwtit(タカラバイオ社製)に、ライゲーション・キットver.2(タカラバイオ社製)を用いて挿入し、制限酵素SmiIによる処理後、Gigapack III XL Extract(Stratagene社製)によりパッケージングを行い、大腸菌DH5αに感染させ、アンピシリン(Sigma社製)を含む寒天プレートに撒くことによりコスミドベクターpAxCAwtit−Vh1を得た。得られたベクターを、アデノウイルスゲノムDNA−TPC(タカラバイオ社製)と共にTransIT−293試薬(タカラバイオ社製)によりHEK293細胞に導入し、細胞内における相同組換えにより組換えアデノウイルス(Ad−Vasohibin−1)を産生する形質転換細胞を得た。この遺伝子導入293細胞を12時間時間培養後、EDTA/PBS(−)を用いて回収し、得られた懸濁液を段階希釈してコラーゲンコート96穴プレート(Corning社製)に撒きなおし、10%牛胎児血清(FCS)を含むダルベッコ変法イーグル培地(DMEM、Sigma社製)にて18日間培養した。細胞の変性が見られたウェルより細胞と培養液を回収し、ドライアイスと37℃温浴による凍結融解を6回繰り返し、4℃で5000r/min、5分間遠心した上清を1次ウイルス液として−80℃保存した。次に、コラーゲンコート24穴プレート(Corning社製)に70〜100%コンフルエントまで培養した293細胞に、ウェルあたり10μLの前記1次ウイルス液と5%FCSを含むDMEM0.1mLを加えて感染させた。この操作を15分ごと4回行い、5%FCSを含むDMEM0.4mLを加えた後、培養液ごと細胞を回収し凍結融解を6回繰り返し4℃で5000r/min、5分間遠心した上清を2次ウイルス液として−80℃保存した。なお、陰性対照として用いたbeta−galactosidase発現アデノウイルスAxCAiLacZはタカラバイオ社より購入した。
[高力価アデノウイルス液の調製]
コラーゲンコート25cmフラスコ(Corning社製)に100%コンフルエントまで培養した293細胞に、得られた2次ウイルス液15μLと5%FCSを含むDMEM0.5mLを加える操作を15分ごと4回行った後、5%FCSを含むDMEM4.5mLを加え3日間培養した。その後、培養液ごと回収した細胞を密閉型ソニケーターで破砕し、4℃で3000r/min、10分間遠心し上清を回収したものをドライアイスで急凍して−80℃保存した(3次ウイルス液)。同様に、この3次ウイルス液50μLと5%FCSを含むDMEM2mLを、コラーゲンコート75cmフラスコ(Corning社製)に100%コンフルエントまで培養した293細胞に感染させ、5%FCSを含むDMEM13mLをさらに加えて3日間培養し、3次ウイルス液と同様にウイルス液を調製した(4次ウイルス液)。得られたウイルスの力価はTCID50法により測定した。なお、4次ウイルス液は、1mL/バイアルに分注し、ドライアイスで急凍後、使用するまで−80℃に保管した。
[アデノウイルス液の精製]
コラーゲンコート225cmフラスコ(Corning社製)6本に70〜100%コンフルエントまで培養した293細胞に、約1.0pfu/mLの4次ウイルス液をそれぞれ加えて感染させた。この操作を15分ごと4回行った後、フラスコ1本あたり5%FCSを含むDMEM30mLを加え4日間培養し、培養液ごと回収した細胞を4℃で3000r/min、10分間遠心し、上清30mLを除去した。その後、残りを密閉型ソニケーターで破砕してウイルスを遊離させ、4℃で3000r/min、10分間遠心し上清を回収した。4M 塩化セシウム/10mM HEPES 10mL、2.2M 塩化セシウム/10mM HEPES 5mLの順に重層したチューブにウイルス液20mLを加え、スウィングローターにて4℃で25000r/min、2時間遠心後、ウイルスのバンドをシリンジで回収した。さらに、前記回収に使用したシリンジチューブ内で、前記回収したウイルス液に等量の飽和塩化セシウムを加えた後、4M塩化セシウム/10mM HEPES 2mL、2.2M塩化セシウム/10mM HEPES 4mLをこの順に重層し、スウィングローターにて4℃で35000r/min、3時間遠心し、ウイルスのバンドをシリンジで回収した。回収したウイルス液を10%グリセロールを含むPBS(−)1Lで終夜透析を行い、得られた精製ウイルス液を分注後、−80℃で使用するまで凍結保存した。
参考例1−1
得られた精製ウイルス液の最適投与量を決定するために、以下の検討を行った。
5週齢の雄性ICRマウス(Streptozotocin誘発I型糖尿病モデルマウス)に、上記で得られたヒトVasohibin発現アデノウイルスベクター由来の精製ウイルス液(AdVasohibin)を1×10もしくは5×10vp/マウスの用量にて尾静脈内投与した。対照として生理食塩水を投与した。(各ウイルス液について、各投与量をマウス3匹ずつ投与した)。投与後第7日目及び14日目に各投与群につきマウス3匹ずつ屠殺し、血液を採取したのち血清を分離し−20℃にて保存した。
上記で得られた血清サンプルを、Western blotに供した。Western blotは公知の方法により行った(Kidenye International,71,227−238(2006))。血清サンプル中のバソヒビン発現量は、Monoclonalマウス抗ヒトVasohibin抗体を一次抗体として用い、ECL法(ECL液:Amersham社)にて確認した。結果を図1に示す。なお、各レーンには、サンプルを50μgずつapplyした。
以上より、精製ウイルス液の最適投与量は5×10vp/マウスであることが分かった。
試験例1−1
得られた精製ウイルス液が糖尿病性腎症の進展抑制作用を有するかを調べるために、以下の検討を行った。
5週齢の雄性ICRマウスに、streptozotocin(STZ:120mg/kg)を48時間毎に3回投与することにより、糖尿病性腎症が惹起された糖尿病性腎症モデルマウス(糖尿病マウス)を作製した。得られた糖尿病マウスの高血糖(250mg/dL以上)を確認した後に、PBS(300μL/マウス、STZ−Ve群)、AdLacZ(5×10vp/マウス、STZ−LacZ群)もしくはAdVasohibin(5×10vp/マウス、STZ−Vas群)を前記マウスに尾静脈内投与した(STZ投与開始1週間後、各群n=5)。また、比較対象として、腎症が惹起される前のICRマウス(非糖尿病マウス)についても、何も投与しない群(N群)、及びAdVasohibinを尾静脈内投与した群(5×10vp/マウス、Vas群)を準備した(各群n=5)。2週間後、AdLacZ及びAdVasohibinを投与した群については、同投与量で再投与を行った。なお、血糖値及び血圧は毎週測定した。その後、STZ投与開始5週後の時点で蓄尿(24時間)及び体重測定を行った後に屠殺し、血液を採取したのち血清を分離し−20℃にて保存した。また、同時に腎臓を採取し重量を測定後、10%ホルマリンにて固定後パラフィン包埋し、4μm厚のパラフィン切片を作成した。
各臓器のパラフィン切片について、PAS染色を行った。N群、STZ−Ve群、STZ−LacZ群及びSTZ−Vas群の結果を図2に示す。
尿中アルブミンとクレアチニン比(尿中アルブミン/クレアチニン比、UACR)、24時間クレアチニンクリアランス(Ccr)、腎重量と体重の比(腎重量/体重比)を測定した。結果を図3〜5に示す。また、PAS染色光顕切片にて画像解析により糸球体面積を測定し、糸球体容積を算出した。正常対照群(N群)の糸球体面積を100%とした場合の、それぞれの糸球体容積比を算出した。結果を図6に示す。
ウイルス液投与による治療開始後4週の時点で、糖尿病マウス群は、非糖尿病マウス群に比して有意な高血糖及び体重減少を認めたが、糖尿病マウス間でのAdLacZもしくはAdVasohibin投与による影響は認められなかった。腎重量/体重比の結果から、糖尿病マウス群は非糖尿病マウス群に比して有意に腎肥大が確認されたが、糖尿病マウス群内ではAdVasohibin投与群がAdLacZ投与群に比べて、有意な腎肥大抑制効果を認めた。UACR及びCcrは糖尿病マウス群にて非糖尿病マウス群に比して有意に高値を呈したが、糖尿病マウス群内ではAdVasohibin投与群がAdLacZ投与群に比して有意な抑制効果を認めた。これは、バソヒビンは糖尿病性腎症における糸球体過剰濾過の是正効果を有するものであると推察される。また、糸球体容積は、糖尿病マウス群にて非糖尿病マウス群に比して有意に増加したが、糖尿病マウス群内ではAdVasohibin投与群がAdLacZ投与群に比して有意な抑制効果を認めた。このことから、バソヒビンが糸球体肥大の抑制効果を有することが分かる。
参考例2−1
次に、得られた精製ウイルス液を投与することにより、腹膜におけるバソヒビンの発現量が亢進するかを調べるために、以下の検討を行った。
6週齢の雌性ICRマウスに、上記で得られたヒトVasohibin発現アデノウイルスベクター由来の精製ウイルス液(AdVasohibin)、もしくは対照のbeta−galactosidase発現アデノウイルスベクター由来のウイルス液(AdLacZ)を、1×10vp/マウス(500μL)の用量にて腹腔内投与した(各ウイルス液について、マウス3匹ずつ投与した)。投与後第14日目にマウスを屠殺し、壁側腹膜を採取し、−80℃にて保存した。
腹膜組織より常法にて蛋白抽出を行った後、公知の方法によりWestern blotを行った(Kidney International,71,227−238(2006))。Monoclonalマウス抗ヒトVasohibin抗体及びウサギ抗actin抗体を一次抗体として用い、ECL法(ECL液:Amersham社)にて発現量を確認した。NIH image softwareを用いてDensitometry解析を行い、Vasohibin/actin比を求めて比較検討した。Western blotの結果を図7に、Densitometry解析の結果を図8に示す。なお、Western blotの各レーンには、サンプルを10μgずつapplyした。
以上より、精製ウイルス液の投与により、バソヒビンの発現量が亢進することが分かった。
試験例2−1
得られた精製ウイルス液が腹膜硬化症の進展抑制作用を有するかを調べるために、以下の検討を行った。
以下の4群にて検討を行った。1)正常群(CG非投与群、非腹膜硬化マウス)、2)CG注射群、3)CG注射AdLacZ投与群、4)CG注射AdVasohibin投与群(各群n=6、)。なお、腹膜硬化症モデルマウス(腹膜硬化マウス)は、6週齢の雌性ICRマウスに、0.1% CG(グルコン酸クロルヘキシジン)0.35mLを隔日腹腔内投与することにより作製した。また、AdVasohibinもしくは対照のAdLacZの投与は、CG投与開始前日に5×10vp/マウスにて腹腔内投与した。CG投与開始後第18日目にマウスを屠殺し、壁側腹膜を採取した。採取した腹膜は、10%ホルマリンにて固定した後にパラフィン包埋し、4μm厚のパラフィン切片を作成した。また、腹膜中皮下の肥厚は、Masson−trichrome染色を行い、100倍拡大倍率にて観察し、腹膜筋層上の線維性肥厚部分の厚さの平均値(μm)として算出した。結果を図9及び10に示す。
腹膜硬化マウスは、非腹膜硬化マウスに比して腹膜炎症細胞浸潤、腹膜線維化が生じているが、腹膜硬化マウス群内ではAdVasohibin投与群がAdLacZ投与群に比べて、腹膜炎症細胞浸潤、腹膜線維化の抑制効果が認められた。また、腹膜肥厚の結果から、腹膜硬化マウス群は非腹膜硬化マウス群に比して有意に腹膜肥厚が確認されたが、腹膜硬化マウス群内ではAdVasohibin投与群がAdLacZ投与群に比べて、有意な腹膜硬化抑制効果を認めた。
本発明のバソヒビンを含有する治療剤は、例えば、糖尿病性腎症の進展抑制作用を要する疾患、及び腹膜硬化症抑制作用を要する疾患の治療などに好適に用いられる。
配列表の配列番号1は、KIAA1036ポリヌクレオチドである。
配列表の配列番号2は、KIAA1036ポリペプチドである。
配列表の配列番号3は、AY834202ポリヌクレオチドである。
配列表の配列番号4は、AY834202ポリペプチドである。

Claims (6)

  1. バソヒビンを含有してなる、糖尿病性腎症における腎肥大又は糸球体肥大の抑制のための治療剤。
  2. バソヒビンをコードするポリヌクレオチドを含むベクターを含有してなる、糖尿病性腎症における腎肥大又は糸球体肥大の抑制のための治療剤。
  3. ベクターがウイルスベクターである請求項2記載の治療剤。
  4. ウイルスベクターがアデノウイルスベクターである請求項3記載の治療剤。
  5. 糖尿病性腎症における腎肥大又は糸球体肥大の抑制のための治療剤の製造のための、バソヒビンの使用。
  6. 糖尿病性腎症における腎肥大又は糸球体肥大の抑制のための治療剤の製造のための、バソヒビンをコードするポリヌクレオチドの使用。
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