JP5255954B2 - 樹脂製燃料タンク用燃料ホースおよびその製法 - Google Patents
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(A)ポリアミド6と変性高密度ポリエチレンと高密度ポリエチレンとを主成分とし、上記ポリアミド6の配合割合が30〜45重量%の範囲内に設定され、上記ポリアミド6からなる島相が上記変性高密度ポリエチレンと上記高密度ポリエチレンとからなる海相中に分散した海島構造を形成しているアロイ材料。
(B)高密度ポリエチレン。
ポリアミド6(宇部興産社製、UBEナイロン1013B)を準備した。
HDPE(日本ポリエチレン社製、ノバテックHY430)に、無水マレイン酸0.4重量%および2,5−ジメチル−2,5ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン0.015重量%を配合し、二軸混練押出機を用いて溶融混練することにより変性HDPEを作製した。これを変性HDPE−1とする。一方、無水マレイン酸2.5重量%を用いた変性HDPEとして市販のユーメックス2000(三洋化成社製)を準備した。これを変性HDPE−2(高変性HDPE)とする。
HDPE(日本ポリエチレン社製、ノバテックHY430)を準備した。
〔アロイ材料(バリア層の材料)〕
上記ポリアミド6を35重量%、変性HDPE−1を30重量%、HDPEを35重量%の割合で配合し、二軸混練押出機を用いて溶融混練し、アロイ材料からなるペレットを作製した。
HDPE(日本ポリエチレン社製、HB122R)を準備した。
プラ技研社製、5層押出機を準備した。
上記材料および成形機を用い、上記実施の形態と同様にして、溶着層/バリア層/溶着層/バリア層/溶着層の5層構造からなり、中央部が蛇腹部に形成され、両端部がストレート部に形成され、そのうちの一端部が拡径部(肉厚部)に形成された略円筒状の燃料ホースを製造することができた。この製造において、上下各金型の移動速度は、ホース基体の押し出しが蛇腹部分およびストレート部分の時は4m/分、拡径部分の時は0.5m/分とした。また、ホース基体の押し出し時に、エア供給管からホース基体の中空部にエアを送り込むとともに、上記金型で真空引きすることにより、ホース基体を型面に密着させた。その送り込んだエアの圧力は、ホース基体の押し出しが蛇腹部分およびストレート部分の時は0.05MPa(ゲージ圧)、拡径部分の時は0.2MPa(ゲージ圧)とした。そして、製造された燃料ホースの外径は、ストレート部が30mm、蛇腹部が35mm、拡径部が45mmであった。また、バリア層の厚み(1層分の厚み)は、蛇腹部が70μm、ストレート部が150μm、拡径部が600μmであった。また、溶着層の厚み(1層分の厚み)は、蛇腹部が200μmおよびストレート部が400μm、拡径部が1600μmであった。なお、上記外径はノギスを用いて測定し、各層の厚みは、蛇腹部およびストレート部の断面ならびに拡径部の開口面をマイクロスコープ(キーエンス社製、VH−8000)で見て測定した。
下記燃料透過量の測定に用いる試験用ホースとして、上記材料および成形機を用い、ストレート部のみのものを長さ300mmに製造した。
上記実施例1において、アロイ材料のポリアミド6の配合割合を40重量%、変性HDPE−1の配合割合を35重量%、HDPEの配合割合を25重量%に変え、上記実施例1と同様にして燃料ホースおよび試験用ホースを製造した。
上記実施例1において、アロイ材料のポリアミド6の配合割合を45重量%、変性HDPE−1の配合割合を40重量%、HDPEの配合割合を15重量%に変え、上記実施例1と同様にして燃料ホースおよび試験用ホースを製造した。
上記実施例1において、アロイ材料のポリアミド6の配合割合を30重量%、変性HDPE−1の配合割合を25重量%、HDPEの配合割合を45重量%に変え、上記実施例1と同様にして燃料ホースおよび試験用ホースを製造した。
上記実施例1において、アロイ材料のポリアミド6の配合割合を30重量%、変性HDPE−1の配合割合を10重量%、HDPEの配合割合を50重量%に変えるとともに、変性HDPE−2を10重量%の配合割合で加え、上記実施例1と同様にして燃料ホースおよび試験用ホースを製造した。
上記実施例1において、アロイ材料のポリアミド6の配合割合を35重量%、変性HDPE−1の配合割合を33重量%、HDPEの配合割合を30重量%に変えるとともに、変性HDPE−2を2重量%の配合割合で加え、上記実施例1と同様にして燃料ホースおよび試験用ホースを製造した。
上記実施例1において、アロイ材料のポリアミド6の配合割合を50重量%、変性HDPE−1の配合割合を50重量%に変え、上記実施例1と同様にして燃料ホースおよび試験用ホースを製造した。しかし、材料増粘により練り加工および押出加工ができなかった(燃料ホースおよび試験用ホースが製造できなかった)。このため、下記のバリア性等の評価はできなかった。
上記実施例1において、アロイ材料のポリアミド6の配合割合を50重量%、HDPEの配合割合を50重量%に変え、上記実施例1と同様にして燃料ホースおよび試験用ホースを製造した。
上記実施例1〜6および比較例2の試験用ホース内に、レギュラーガソリン(新日石社製)にエタノールを10vol%混合したガソリン(E10)を封入(試験用ホース両端をスェージロックで密封)した試験体を、40℃で2週間放置した。そして、試験開始時の試験体の質量と4週間後の試験体の質量との差から、燃料透過量を算出した。その結果、燃料透過量が10mg/本/day以下のものは、バリア性に優れるとして○、10mg/本/dayを超え15mg/本/day以下のものは、バリア性に少し劣るとして△、15mg/本/dayを超えるものは、バリア性に大変劣るとして×と評価し、下記の表1に併せて表記した。
上記実施例1〜6および比較例2の燃料ホースを、超高圧水切断機(スギノマシン社製、アクア・ジェットカッタRb)にセットし、水圧を250MPaに設定して切断した。そして、その断面を観察した。その結果、バリア層と溶着層との界面が剥離することなく、界面以外で破断していたものは、層間接着性に優れるとして○、バリア層と溶着層との界面が剥離していたものは、層間接着性に劣るとして×と評価し、下記の表1に併せて表記した。
燃料タンクの最外層に相当するHDPE製シート材(厚み8mm)を準備し、このシート材に、上記燃料ホースの拡径部内径と同径の開口部を形成した。そして、この開口部の外周部表面に240℃の熱板を30秒間当てることにより、その部分を加熱溶融し、上記熱板を取り外した後すぐに、その加熱溶融部分に燃料ホースの拡径部を溶着した。そして、室温(25℃)下で充分に冷却した後、それを10mm幅で短冊状に切断し、各短冊状におけるシート材の先端部と燃料ホース部分の先端部とを引張試験機(東洋精機社製)の各チャックに挟み、引張速度50mm/秒の条件で、引張試験を行った。その結果、上記燃料ホースとシート材との界面で剥離することなく、界面以外で破断したものは、タンクとの溶着性に優れるとして○、上記燃料ホースとシート材との界面で剥離したものは、タンクとの溶着性に劣るとして×と評価し、下記の表1に併せて表記した。
2 溶着層
Claims (4)
- 下記の(A)からなる略筒状のバリア層と、このバリア層の内周面および外周面に形成された下記の(B)からなる略筒状の溶着層とからなる3層構造を有し、この3層構造の略筒状の一端開口部が、拡径部に形成されているとともに肉厚部に形成され、樹脂製燃料タンクの開口部外周表面のポリエチレン層への溶着部に形成されていることを特徴とする樹脂製燃料タンク用燃料ホース。
(A)ポリアミド6と変性高密度ポリエチレンと高密度ポリエチレンとを主成分とし、上記ポリアミド6の配合割合が30〜45重量%の範囲内に設定され、上記ポリアミド6からなる島相が上記変性高密度ポリエチレンと上記高密度ポリエチレンとからなる海相中に分散した海島構造を形成しているアロイ材料。
(B)高密度ポリエチレン。 - 少なくとも一部が蛇腹状に形成されている請求項1記載の樹脂製燃料タンク用燃料ホース。
- 略円柱状の成形空間を形成する一対の上金型と下金型とがそれぞれ複数連結された無端環状の連結上金型と連結下金型とをそれぞれ循環回転させながら、一端部では、上記一対の上金型と下金型とを順次突き合わせて上記成形空間を形成するとともに、その成形空間に燃料ホース用形成材料製の略筒状のホース基体を押出機から押し出し上記成形空間の型面に密着させることにより、そのホース基体を連続的にホース状に成形し、他端部では、上記突き合わされた一対の上金型と下金型とを順次分離することにより、形成されたホースを連続的に脱型する請求項1記載の樹脂製燃料タンク用燃料ホースの製法であって、上記複数の上金型と下金型のうちの所定の上金型と下金型とで形成される成形空間の型面に拡径部分が形成されており、上記ホース基体が、下記の(A)からなる略筒状のバリア層基材と、このバリア層基材の内周面および外周面に形成された下記の(B)からなる略筒状の溶着層基材とからなる3層構造を有しており、上記型面の拡径部分に上記ホース基体が押出機から押し出される際に、上記連結上金型と連結下金型との循環回転速度を低下させることにより、上記拡径部分に押し出されたホース基体部分を、拡径部に形成するとともに肉厚部に形成し、脱型後、上記拡径部を周方向に沿って切断することを特徴とする樹脂製燃料タンク用燃料ホースの製法。
(A)ポリアミド6と変性高密度ポリエチレンと高密度ポリエチレンとを主成分とし、上記ポリアミド6の配合割合が30〜45重量%の範囲内に設定され、上記ポリアミド6からなる島相が上記変性高密度ポリエチレンと上記高密度ポリエチレンとからなる海相中に分散した海島構造を形成しているアロイ材料。
(B)高密度ポリエチレン。 - 上記拡径部の切断が、高圧噴射水により行われる請求項3記載の樹脂製燃料タンク用燃料ホースの製法。
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