JP5255255B2 - 水性接着剤 - Google Patents

水性接着剤 Download PDF

Info

Publication number
JP5255255B2
JP5255255B2 JP2007273349A JP2007273349A JP5255255B2 JP 5255255 B2 JP5255255 B2 JP 5255255B2 JP 2007273349 A JP2007273349 A JP 2007273349A JP 2007273349 A JP2007273349 A JP 2007273349A JP 5255255 B2 JP5255255 B2 JP 5255255B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
latex
chloroprene
parts
aqueous adhesive
sulfur
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2007273349A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009102465A (ja
Inventor
浩佑 渡邉
健二 望月
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denka Co Ltd
Original Assignee
Denki Kagaku Kogyo KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denki Kagaku Kogyo KK filed Critical Denki Kagaku Kogyo KK
Priority to JP2007273349A priority Critical patent/JP5255255B2/ja
Publication of JP2009102465A publication Critical patent/JP2009102465A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5255255B2 publication Critical patent/JP5255255B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)

Description

本発明は、ポリクロロプレンラテックス組成物を用いた水性接着剤に関するものである。
ポリクロロプレンを用いた溶剤系接着性組成物は、被着体適応性の広さや接着特性のバランスの良さから種々の用途で使用されてきた。しかしながら、環境影響の観点から脱溶剤化の要求が年々高まり、水系の接着性組成物の開発が求められており、水系の接着性組成物として幾つかの提案もなされている。ところが、水系の接着性組成物は、溶剤系接着性組成物に較べて乾燥時間が遅く、それゆえに初期接着強度発現までの時間を要するなどの問題点を有している(例えば非特許文献1参照)。
ポリクロロプレンラテックスを使用した水性の接着性組成物の湿潤状態での初期接着強度を発現させる方法として、pH調節剤を添加することでラテックスを不安定化させる手段が知られている(例えば、非特許文献2、特許文献1、2参照)。しかし、この手段では、湿潤状態での初期接着強度の発現や粘着保持時間を延長する目的で、可塑剤や粘着付与樹脂の水性分散体が用いられることが一般的であり、そのため高温下での接着強度に劣る傾向がある。
接着の技術Vol.23,No.4(2004)通巻73号(第24頁;4.5項) 接着の技術Vol.21,No.4(2002)通巻65号(第35頁;2.5.5.2項) 特開2001−19922号公報(第2頁;請求項3、第6頁;実施例6,7) 特開2006−282892号公報(第2頁;請求項1、第4頁;実施例1)
本発明は、塗布直後の湿潤状態でも充分な初期接着強度を発現し、かつ高温下での接着
強度にも優れる水性接着剤を提供する。
本発明者らは、前記の課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、2−クロロ−1,3−ブタジエン(以下、クロロプレンと称す)単独、またはクロロプレン及びクロロプレンと共重合可能な単量体とを20℃以下の温度で乳化重合したメルカプタン変性タイプまたはキサントゲン変性タイプのポリクロロプレンラテックス(以下、ラテックス(A)と称す)と、クロロプレン単独、またはクロロプレン及びクロロプレンと共重合可能な単量体とを硫黄の存在下で乳化重合して得られる硫黄変性タイプのポリクロロプレンラテックス(以下、ラテックス(B)と称す)を混合して得られるポリクロロプレンラテックス組成物により、その達成が可能なことを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、クロロプレン単独、またはクロロプレン及びクロロプレンと共重合可能な単量体とを20℃以下の温度で乳化重合したラテックス(A)と、クロロプレン単独、またはクロロプレン及びクロロプレンと共重合可能な単量体とを硫黄の存在下で乳化重合したラテックス(B)を混合して得られるポリクロロプレンラテックス組成物からなる水性接着剤に関する。ラテックス(A)はメルカプタン変性タイプまたはキサントゲン変性タイプのポリクロロプレンラテックスであり、メルカプタン変性タイプのポリクロロプレンラテックスであることが好ましい。また、ラテックス(A)は、クロロプレンの単独重合体のラテックスが好ましく、更にはラテックス(A)のポリクロロプレンは、1〜40%のゲル分を含み、かつゾルの重量平均分子量が40万以上であることが好ましい。一方、ラテックス(B)は、クロロプレン100質量部、またはクロロプレン及びクロロプレンと共重合可能な単量体の合計100質量部に対し、硫黄0.01〜2.5質量部の存在下、20〜50℃の温度で乳化重合して得られる硫黄変性タイプのポリクロロプレンラテックスであることが好ましい。また、ラテックス(A)及びラテックス(B)は、ロジン酸の存在下で乳化重合して得られたアニオン系ラテックスであることが好ましい。
更に、本願明の水性接着剤にはpH調整剤や可塑剤を配合させることができ、pH調整剤としては、グリシンが特に好ましい。
本発明のポリクロロプレンラテックス組成物を用いてなる水性接着剤は、湿潤状態でも充分な初期接着強度を発現し、かつ高温下での接着強度も優れている。本発明のポリクロロプレンラテックス組成物を用いてなる水性接着剤は、種々の用途に好適に使用でき、特にスプレータイプの接着剤として好適に使用することができる。
本発明のラテックス(A)とは、クロロプレン単独、またはクロロプレン及びクロロプレンと共重合可能な単量体とを20℃以下の温度で乳化重合したメルカプタン変性タイプまたはキサントゲン変性タイプのポリクロプレンラテックスである。
つまり、ラテックス(A)の乳化重合時には、連鎖移動剤として、例えばn−ドデシルメルカプタンやt−ドデシルメルカプタン等の長鎖アルキルメルカプタン類、ジイソプロピルキサントゲンジスルフィドやジエチルキサントゲンジスルフィド等のジアルキルキサントゲンジスルフィド類が使用される。本発明のラテックス(A)においては、連鎖移動剤として長鎖アルキルメルカプタン類を用いたメルカプタン変性タイプのポリクロロプレンラテックスが特に好適に使用できる。
ラテックス(A)におけるクロロプレンと共重合可能な単量体としては、例えば、2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエン、1−クロロ−1,3−ブタジエン、ブタジエン、イソプレン、スチレン、アクリロニトリル、アクリル酸又はそのエステル類、メタクリル酸又はそのエステル類等があり、硫黄は除外される。これらの単量体を必要に応じて2種類以上を併用することもできる。
ところで、クロロプレンの単独重合体においては、通常、トランス−1,4結合が85%以上を占めることが知られ、その分子構造は比較的規則性に富むものである。この分子構造の規則性の高さゆえに、ポリクロロプレンは典型的な結晶性のポリマーとしての性質を持つ。
ラテックス(A)は、20℃以下の温度で重合することが必須条件である。20℃以下の低温で重合することで、ポリクロロプレン分子内のトランス−1,4結合の比率がさらに高まり、より結晶化速度を速めることができ、水性接着剤とした際に充分な接着強度が達成される。また、結晶化速度を速めるという観点からは、分子構造の規則性を損ねるクロロプレン以外の単量体を併用することも好ましくなく、よって併用する場合でも接着強度を阻害しない範囲で極力少量とすべきである。
ラテックス(A)のポリクロロプレンの分子量は特に限定されるものではないが、水性接着剤とした際の初期接着強度を高くする観点からはできるだけ高い方が好ましい。これは、分子量が大きいほどポリクロロプレンの分子同士の絡み合いが起こり易くなり、この絡み合いの結果として初期接着強度が高くなるためと考えられる。一方で、ポリクロロプレンについては、分子量を大きくして行くと一般に溶剤不溶のゲルポリマーが生成することが知られている。ゲルポリマーは、複雑な分岐構造や架橋構造を有していることから、耐熱強度の点では有利に働くが、初期接着強度の点では不利となる。これは、分岐構造や架橋構造がある程度以上増えると、分子の運動が拘束され分子同士の絡み合いが起こり難くなるためと考えられる。接着強度のバランスの点からは、僅かなゲルポリマーを含有し、溶剤可溶なゾル成分の分子量はできるだけ大きいことが好ましい。具体的には、1〜40%のゲル分を含み、かつゾルの重量平均分子量が40万以上であることが好ましい。
尚、ラテックス(A)のポリクロロプレンのゲル含有量、及びゾル成分の分子量の制御は、例えば特開平11−158327号公報(第3頁の段落[0012])等に記載されている様に、1)連鎖移動剤の使用とその使用量、2)重合温度、3)最終重合率等を調整することで可能である。
ラテックス(A)における単量体の最終重合率は特に限定されるものではないが、生産性とゲル含有量の制御の観点からは、全単量体に対し50%以上が好ましい。より好ましくは70〜95%であり、更に好ましくは80〜95%である。
一方、ラテックス(B)とは、クロロプレン単独、またはクロロプレン及びクロロプレンと共重合可能な単量体とを硫黄の存在下で乳化重合させて得られたものであり、クロロプレンと硫黄とが共重合した所謂、硫黄変性タイプのポリクロロプレンのラテックスのことである。
ラテックス(B)おける、硫黄以外でクロロプレンと共重合可能な単量体としては、例えば、2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエン、1−クロロ−1,3−ブタジエン、ブタジエン、イソプレン、スチレン、アクリロニトリル、アクリル酸又はそのエステル類、メタクリル酸又はそのエステル類等があり、これらの単量体を必要に応じて2種類以上を併用することもできる。
ラテックス(B)を乳化重合する温度は特に限定されるものではないが、水の凝固点、クロロプレンの沸点を考慮すると0〜55℃が好ましい。より好ましくは20〜50℃であり、更に好ましくは30〜50℃である。
乳化重合を行う際の硫黄の添加量は、クロロプレン100質量部、またはクロロプレン及びクロロプレンと共重合可能な単量体の合計100質量部に対し、硫黄0.01〜2.5質量部が好ましく、より好ましくは0.1〜1.0質量部である。硫黄の添加量が少な過ぎると水性接着剤とした際の耐熱強度の改良が不充分であり、多過ぎると重合中に硫黄が析出する虞がある。つまり、硫黄の添加量は、重合温度における硫黄のクロロプレンに対する溶解度も勘案して決定する必要がある。
ラテックス(B)における単量体の最終重合率は特に限定するものではないが、生産性を考慮すると使用した全単量体に対して50%以上が好ましく、より好ましくは60〜95%、更に好ましくは65〜90%である。
ラテックス(B)の硫黄変性タイプのポリクロロプレンは、連鎖移動剤を使用して分子量を調節することも可能であるが、連鎖移動剤を用いず、重合後の所謂、解膠工程にて分子量を調節することもでき、寧ろこの方法が一般的である。つまり、連鎖移動剤を用いない場合、クロロプレンと硫黄とが共重合を繰り返し、極度に高分子量のゲルポリマーにまで成長を続ける。解膠工程とは、このゲルポリマー中の硫黄によって形成されるポリスルフィド結合を、チウラム化合物等を用いて化学的に切断するものである。ゲルポリマーは、解膠工程でのポリスルフィド結合の切断量の制御により分子量が適宜調節され、その大小に応じてゲルポリマー、高分子量ゾルポリマー、低分子量ゾルポリマー、液状ポリマーの何れのポリマー形態にも成すことができる。本発明のラテックス(B)の硫黄変性タイプのポリクロロプレンとしては、特に限定されるものではなく、前記何れのポリマー形態でも使用可能である。
本発明に用いられるラテックス(A)及びラテックス(B)は、単量体を乳化重合させる際に用いる乳化剤や分散剤によって、アニオン系、ノニオン系、カチオン系の何れのラテックスにも調製できる。接着剤の原材料として使用する場合には、アニオン系ラテックスとすると、初期接着強度の観点から好ましい。アニオン系ラテックスとは、アニオン系の乳化剤や分散剤を主体として用いて、単量体を乳化重合させて得られたラテックスである。
アニオン系の乳化剤や分散剤としては、例えば、ロジン酸のアルカリ金属塩、炭素数が8〜20個のアルキルスルホネート、アルキルアリールサルフェート、ナフタリンスルホン酸ナトリウムとホルムアルデヒドの縮合物、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム等が挙げられる。
アニオン系の乳化剤や分散剤として最も好ましいのはロジン酸であり、ウッドロジン酸、ガムロジン酸、トール油ロジン酸、またはこれらを不均化した不均化ロジン酸の何れも使用可能である。ロジン酸を使用した乳化重合は高アルカリ性で実施されることから、ポリクロロプレンラテックス中で、ロジン酸はアルキル金属塩の形態で存在している。従ってロジン酸はロジン酸アルキル金属塩の形態で用いることも可能である。ロジン酸の添加量は、用いる全単量体100質量部に対し、0.5〜10質量部が好ましく、2〜6質量部がより好ましい。
ロジン酸を使用する場合には、pH調節剤添加後のポリクロロプレンラテックス組成物を安定化させるため、硫酸塩系やスルホン酸塩系のアニオン系乳化剤や分散剤を併用することが好ましい。この場合、ロジン酸以外のアニオン系の乳化剤や分散剤の添加量は、用いる全単量体100質量部に対し、0.05〜5質量部が好ましく、更に好ましくは0.1〜2質量部である。
アニオン系の乳化剤や分散剤とノニオン系の乳化剤や分散剤を併用することもできる。ノニオン系の乳化剤や分散剤と併用することで、ラテックスの凍結安定性や接着剤とした時の接着特性を改良することができる。なお、乳化重合時の乳化剤や分散剤として、ノニオン系やカチオン系を単独で使用した場合には、pH調節剤を加えて水性接着剤とした際に充分な不安定化を起こさず、初期接着強度の発現が不充分となる可能性がある。
ラテックス(A)とラテックス(B)の混合比は特に限定するものではないが、(A)/(B)=50/50〜99/1(固形分質量比)の範囲が好ましく、より好ましくは70/30〜95/5、更に好ましくは80/20〜90/10である。ラテックス(B)の混合比率が高過ぎると接着剤とした際の初期接着強度が低下し、少な過ぎると耐熱強度が改良される効果が充分ではない。
ラテックス(A)とラテックス(B)を混合したポリクロロプレンラテックス組成物の固形分は特に限定するものではないが、水性接着剤の原材料として使用するのであれば、40%以上が好ましく、より好ましくは50〜70%である。固形分が低過ぎると乾燥に時間を要し、固形分が高過ぎるとラテックスの安定性を損なう虞がある。
本発明の水性接着剤は、pH調節剤を添加してラテックスを適度に不安定化させることで湿潤状態での初期接着強度を発現させる所謂、「易乳化破壊型接着剤」として特に適している。
ここでpH調節剤は、接着性組成物のpHを7〜10の範囲に調整して適度に不安定化させるために添加するものである。こうして得られる「易乳化破壊型接着剤」は、このpHの範囲において良好な初期接着強度を発現する。
pH調節剤としては、弱酸や緩衝液が使用可能であり、例えばアミノ酸、ホウ酸、希酢酸、リン酸、クエン酸、グルタミン酸等が例示できる。コストや接着性能、ハンドリングの容易さ等からアミノ酸の一種であるグリシンの使用が好ましい。
pH調節剤の添加量は、特に限定するものではないが、接着性組成物のpHを7〜10の範囲に調整できる量を使用するべきである。より好ましくは、pHの範囲を8〜10に調整することが望ましい。
pH調節剤としてグリシンを使用する場合には、ポリクロロプレンラテックス組成物100質量部(対固形分)に対し、好ましくは1〜20質量部、より好ましくは4〜16質量部、更に好ましくは7〜13質量部を使用する。グリシンの添加量が少な過ぎると充分な強度が発現せず、多過ぎるとコスト的に不利となる。
本発明の水性接着剤には、可塑剤を添加してもよい。可塑剤を添加することによって、得られる水性接着剤の初期接着強度をさらに向上させるとともに、ポリウレタンフォーム等の軟質素材へ使用した際に接着剤層の風合いを柔らかくできる効果がある。
使用可能な可塑剤としては、特に限定するものではないが、例えばジオクチルフタレートやジブチルフタレート等のフタル酸エステル系可塑剤、ジブチルセバケートやジオクチルアジペート等のアルキレンジカルボン酸ジエステル類可塑剤、菜種油やオリーブオイル等の植物油、トリクレジルホスフェートやトリフェニルホスフェート等の芳香族リン酸エステル系可塑剤等が例示される。
可塑剤の添加量は、ポリクロロプレンラテックス組成物100質量部(対固形分)に対して1〜20質量部の範囲が好ましく、より好ましくは2〜15質量部の範囲、更に好ましくは5〜10質量部の範囲である。
本発明の水性接着剤には、発明の効果を損なわない範囲で粘着付与樹脂、増粘剤、金属酸化物、充填剤、造膜助剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、可塑剤、加硫剤、加硫促進剤、消泡剤等を任意に配合することができる。
水性接着剤の用途は特に限定されるものではなく、セメント、モルタル、スレート、布類、木材、合成ゴム素材、ポリウレタン系素材、ポリ塩化ビニル系素材、ポリオレフィン系素材等の種々の材料を接着する際に好適に使用できるが、pH調節剤を加え「易乳化破壊型接着剤」とした際には、ポリウレタンフォーム系素材同士やポリウレタンフォーム及びその他の素材との貼り合わせに特に好適に使用できる。
以下、実施例及び比較例により本発明の効果を詳しく説明するが、これらの実施例は本発明を限定するものではない。なお、以下の説明において特に断りのない限り、部、及び%は質量基準で表す。
[実施例1]
[ラテックス(A)の重合例]
内容積5リットルの反応器を用いて、窒素雰囲気中、水100部に不均化ロジン酸4部、水酸化ナトリウム0.6部、水酸化カリウム0.5部、ホルムアルデヒド−ナフタレンスルホン酸縮合物のナトリウム塩0.3部、亜硫酸水素ナトリウム0.3部を溶解した。攪拌しながらクロロプレン単量体100部とn−ドデシルメルカプタン0.14部を加えた。窒素雰囲気下、10℃で、過硫酸カリウムを開始剤として重合を行い、最終重合率が90%に達したところでフェノチアジンの乳濁液を加え、重合を停止した。減圧下で加熱し、未反応の単量体を除去し、次いで固形分が50%となる様に濃縮し、ラテックス(A)を得た。
[ゲル分測定]
得られたラテックス(A)を凍結乾燥し、試料とした。乾燥後、試料の一部を精秤し166倍量のトルエン中に浸漬し、低速撹拌しながら23℃で20時間放置した。遠心分離機により分離後、更に200メッシュの金網を用いて不溶分を分取した。不溶分を風乾後、更に110℃雰囲気下で1時間乾燥した。デシケーター中で室温に戻した後、不溶分を精秤し、ゲル分を下記の式により求めた。
(ゲル分)=(不溶分量)/(試料採取量)×100 (%)
[分子量測定]
ゲル分測定に使用した凍結乾燥試料の一部をTHFに溶解し、フィルター濾過により不溶分を除いた後、GPCにより重量平均分子量を測定した。尚、重量平均分子量はポリスチレン換算により算出した。
前記重合例で得られたラテックス(A)のポリクロロプレンについてゲル分及びゾル成分の分子量を測定した結果、ゲル分は10%ゾル成分の重量平均分子量は65万であった。
[ラテックス(B)の重合例]
内容積5リットルの反応器を用いて、窒素雰囲気中、水110部に不均化ロジン酸5部、水酸化ナトリウム0.6部、水酸化カリウム0.5部、ホルムアルデヒド−ナフタレンスルホン酸縮合物のナトリウム塩0.5部を溶解した。攪拌しながらクロロプレン単量体97部、2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエン3部、及び硫黄0.6部を加え、乳化させた。尚、ここで硫黄は、事前にクロロプレン単量体に溶解した状態で用いた。窒素雰囲気下、40℃で、過硫酸カリウムを開始剤として重合を行い、最終重合率が80%に達したところでフェノチアジンの乳濁液、テトラエチルチウラムジスルフィド2部の乳濁液、ジブチルジチオカルバミン酸ナトリウム1部の水溶液を加え、重合を停止した。減圧下で加熱し、未反応の単量体を除去し、次いで固形分が50%となる様に濃縮し、ラテックス(B)を得た。
[接着剤の調製]
ラテックス(A)90質量部(ウェット基準)に、ラテックス(B)10質量部(ウェット基準)を加え、撹拌した。更にジブチルセバケート(大八化学社製DBS)5質量部を攪拌しながら添加した。次いでグリシン6質量部を添加し、良く攪拌後、接着剤とした。
[接着試験]
得られた接着剤をガラス板上に薄く引き伸ばし、密度30kg/mのウレタンフォーム(厚さ20mm×長さ50mm×幅50mm)を良く密着させ、ウレタンフォーム表面上へ接着剤を転写させた。尚、接着剤をガラス板上に引き伸ばした際の厚みは、ウレタンフォーム表面へ転写される接着剤塗布量が約70g/mになる様に調節した。所定のオープンタイムの後、ウレタンフォーム同士を貼り合せ、所定の時間放置後、引張り強度を測定した。
[耐熱強度試験]
耐熱強度試験は、被着体として帆布を用い、JIS K 6854−3:1999に規定された方法に準じて行った。得られた接着剤を帆布に約300g/mの塗布量となるように刷毛にて塗布した。30分放置後、帆布同士を貼り合わせ圧着した。貼り合わせた被着体は、7日間養生した後、200×25mmのサイズに裁断され、耐熱強度試験に供された。試料は、80℃雰囲気下に15分間放置された後、80℃雰囲気下で200mm/分の速度でT型剥離試験を行った。
[接着剤の軟化点]
軟化点試験は、被着体として帆布を用い、JIS K 6833−1994に規定された剥離試験片の方法に準じて実施された。得られた接着剤を帆布に約300g/mの塗布量となるように刷毛にて塗布した。30分放置後、帆布同士を貼り合わせ圧着した。貼り合わせた被着体は、7日間養生した後、35×25mmのサイズに裁断され、軟化点の測定に供された。試料は、500gのおもりを吊り下げた状態で、試験槽内にセットされた。試験槽内を38℃雰囲気下で15分保持後、5分間に2℃の割合で昇温し、おもりが落下する温度を測定した。
[実施例2、3]
ラテックス(A)とラテックス(B)の混合比率を表1に示す通り変更した以外は、実施例1と同様に試験を実施し、実施例2及び3とした。
[比較例1、2]
ラテックス(A)、またはラテックス(B)を単独で使用した以外は、実施例1と同様に試験を実施し、それぞれ比較例1及び2とした。
表1から判る通り、本発明のポリクロロプレン水系接着剤は、初期接着強度、耐熱強度ともに優れていることが判る。
本発明によって得られるポリクロロプレン水系接着剤は、湿潤状態でも充分な初期接着強度を発現し、かつ耐熱強度も優れることから、木工・建材,製靴,自動車用途等、種々の分野で好適に用いることができる。特にウレタンフォーム系材料の貼り合わせに最適であり、優れた初期接着強度、耐熱強度を発揮する。
Figure 0005255255


Claims (9)

  1. クロロプレン単独、またはクロロプレン及びクロロプレンと共重合可能な単量体とを20℃以下の温度で乳化重合したメルカプタン変性タイプまたはキサントゲン変性タイプのポリクロロプレンラテックス(以下、ラテックス(A)と称す)と、クロロプレン単独、またはクロロプレン及びクロロプレンと共重合可能な単量体とを硫黄の存在下で乳化重合して得られる硫黄変性タイプのポリクロロプレンラテックス(以下、ラテックス(B)と称す)を混合して得られるポリクロロプレンラテックス組成物からなる水性接着剤
  2. ラテックス(A)がメルカプタン変性タイプのポリクロロプレンラテックスであることを特徴とする請求項1に記載の水性接着剤
  3. ラテックス(A)がクロロプレンの単独重合体のラテックスであることを特徴とする請求項1または2に記載の水性接着剤
  4. ラテックス(A)のクロロプレンポリマーが、1〜40%のゲル分を含み、かつゾルの重量平均分子量が40万以上であることを特徴とする請求項1から請求項3の何れか1項に記載の水性接着剤
  5. ラテックス(B)が、クロロプレン100質量部、またはクロロプレン及びクロロプレンと共重合可能な単量体の合計100質量部に対し、硫黄0.01〜2.5質量部の存在下、20〜50℃の温度で乳化重合して得られる硫黄変性タイプのポリクロロプレンラテックスであることを特徴とする請求項1から請求項4の何れか1項に記載の水性接着剤
  6. ラテックス(A)及びラテックス(B)がロジン酸の存在下で乳化重合して得られたアニ
    オン系ラテックスであることを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の水性接着剤
  7. pH調節剤を配合してなることを特徴とする請求項1から請求項6の何れか1項に記載の水性接着剤
  8. pH調節剤がグリシンであることを特徴とする請求項7に記載の水性接着剤
  9. さらに可塑剤を配合してなることを特徴とする請求項1から請求項8の何れか1項に記載の水性接着剤
JP2007273349A 2007-10-22 2007-10-22 水性接着剤 Expired - Fee Related JP5255255B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007273349A JP5255255B2 (ja) 2007-10-22 2007-10-22 水性接着剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007273349A JP5255255B2 (ja) 2007-10-22 2007-10-22 水性接着剤

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009102465A JP2009102465A (ja) 2009-05-14
JP5255255B2 true JP5255255B2 (ja) 2013-08-07

Family

ID=40704490

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007273349A Expired - Fee Related JP5255255B2 (ja) 2007-10-22 2007-10-22 水性接着剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5255255B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5153735B2 (ja) * 2009-07-24 2013-02-27 電気化学工業株式会社 接着剤及びその製造方法
KR20130124276A (ko) 2010-08-06 2013-11-13 덴끼 가가꾸 고교 가부시키가이샤 폴리클로로프렌 라텍스, 고무 아스팔트 조성물 및 그 시공 방법, 시트 및 방수 도포막
CN101962519A (zh) * 2010-09-18 2011-02-02 海宁市科泰克金属表面技术有限公司 一种用于电缆接头的液体绝缘胶
JP5658011B2 (ja) * 2010-11-25 2015-01-21 電気化学工業株式会社 ポリクロロプレン系接着剤組成物及びその製造方法
JP6627097B2 (ja) * 2015-02-19 2020-01-08 デンカ株式会社 ラテックス組成物及び一液型水系接着剤
US10844252B2 (en) 2016-07-05 2020-11-24 Denka Company Limited Latex composition and one-pack type aqueous adhesive composed of said latex composition

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS48102149A (ja) * 1972-04-07 1973-12-22
DE3725042A1 (de) * 1987-07-29 1989-02-09 Bayer Ag Polychloroprenmischungen
EP0712418A1 (en) * 1993-08-04 1996-05-22 E.I. Du Pont De Nemours And Company Polychloroprene copolymer composition
US5407993A (en) * 1993-12-08 1995-04-18 E. I. Du Pont De Nemours And Company Polychloroprene blend composition
JP4180195B2 (ja) * 1999-07-05 2008-11-12 電気化学工業株式会社 クロロプレンラテックスを用いた接着剤組成物
JP4493753B2 (ja) * 1999-07-26 2010-06-30 電気化学工業株式会社 クロロプレンラテックス接着剤を用いた接着方法および積層体
JP3722774B2 (ja) * 2002-04-03 2005-11-30 電気化学工業株式会社 クロロプレン系ゴム組成物

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009102465A (ja) 2009-05-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5255255B2 (ja) 水性接着剤
JP3652860B2 (ja) クロロプレンラテックス組成物及びその製造方法、それを用いた接着剤組成物
JP5221353B2 (ja) クロロプレン系重合体ラテックス、及びその製造方法
JP5904942B2 (ja) ポリクロロプレンラテックス、ゴムアスファルト組成物及びその施工方法、シート並びに防水塗膜
JP6627097B2 (ja) ラテックス組成物及び一液型水系接着剤
JP2013543022A (ja) 粘着性製品を製造するための水性感圧接着剤分散液の多段階での製造
JP3979749B2 (ja) クロロプレンラテックス組成物およびその製造方法
KR101021709B1 (ko) 수성 접착제 분산액
WO2008026429A1 (fr) Adhésif aqueux vulcanisable et son utilisation
JP2007332207A (ja) ポリクロロプレン水性接着剤
EP1167446B1 (en) Chloroprene latex composition, process for producing the same, and adhesive composition comprising the same
JP5521205B2 (ja) クロロプレンラテックス及びその製造方法
JP2004059895A (ja) 水系接着剤組成物
JP5658011B2 (ja) ポリクロロプレン系接着剤組成物及びその製造方法
JP2001019922A (ja) クロロプレンラテックスを用いた接着剤組成物
JP4597607B2 (ja) 水系接着剤組成物およびその製造方法
JP5663827B2 (ja) クロロプレンラテックス及びその製造法
JP3995362B2 (ja) クロロプレンラテックス組成物からなる水系接着剤およびその製造方法
JP4112119B2 (ja) クロロプレンラテックス組成物からなる水系接着剤およびその製造方法
JP4413319B2 (ja) クロロプレンラテックスを用いた接着剤組成物
JP4730983B2 (ja) クロロプレンラテックス、その製造方法およびそれを用いた接着剤組成物
WO2003042314A1 (fr) Procede de prolongation de la vie en pot d'adhesif polychloropropene aqueux en deux parties
JP3957624B2 (ja) ポリクロロプレン系ラテックス組成物、水系接着剤、それらを用いた接着方法
JP4921624B2 (ja) クロロプレンラテックス組成物およびその製造方法、それを用いた接着剤組成物
JP5066451B2 (ja) 接着性組成物およびこれを用いた接着剤

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100702

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120207

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130115

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130306

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130402

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130419

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160426

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees