JP5254825B2 - 非水電解液二次電池 - Google Patents

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Description

本発明は、非水電解液二次電池に関し、更に詳しくは、初期容量が大きく、高温での充放電サイクル特性に優れ、電池の膨れが小さい非水電解液二次電池に関する。
携帯型の電子機器の急速な普及に伴い、それに使用される電池への要求仕様は、年々厳しくなり、特に小型・薄型化、高容量でサイクル特性が優れ、性能の安定したものが要求されている。そして、二次電池分野では他の電池に比べて高エネルギー密度であるリチウム非水電解液二次電池が注目され、このリチウム非水電解液二次電池の占める割合は二次電池市場において大きな伸びを示している。
このリチウム非水電解液二次電池は、細長いシート状の銅箔等からなる負極芯体(集電体)の両面に負極用活物質合剤を塗布した負極と、細長いシート状のアルミニウム箔等からなる正極芯体の両面に正極用活物質合剤を塗布した正極との間に、微多孔性ポリオレフィンフィルム等からなるセパレータを配置し、負極及び正極をセパレータにより互いに絶縁した状態で円柱状又は楕円形状に巻回した後、角形電池の場合は更に巻回電極体を押し潰して偏平状に形成し、負極及び正極の各所定部分にそれぞれ負極リード及び正極リードを接続して所定形状の外装缶内に収納した構成を有している。
このリチウム非水電解液二次電池のうち、特に高エネルギー密度を有する4V級の非水電解液二次電池として、正極活物質がLiCoO、LiNiO、LiMn、LiFeO等のリチウム複合酸化物からなり、負極活物質が炭素質材料からなる非水電解液二次電池が多く開発されている。このような非水電解液二次電池に使用される非水溶媒には、電解質を電離させるために誘電率が高い必要があること、及び、広い温度範囲でイオン伝導度が高い必要があるということから、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、ブチレンカーボネート(BC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)等のカーボネート類、γ−ブチロラクトン等のラクトン類、その他、エーテル類、ケトン類、エステル類などの有機溶媒が使用されており、特にECと粘度の低い非環状カーボネート、例えばDMC、DEC、EMC等の混合溶媒が広く使用されている。
また、負極活物質としては、炭素質材料、特に黒鉛材料からなる負極活物質が、リチウム金属やリチウム合金に匹敵する放電電位を有しながらも、デンドライトが成長することがないために安全性が高く、更に初期効率に優れ、電位平坦性も良好であり、また、密度も高いという優れた性質を有しているために、広く使用されている。
しかしながら、負極活物質として黒鉛、非晶質炭素などの炭素質材料を用いると、充放電過程において電極表面で有機溶媒が還元分解され、ガスの発生、副反応生成物の堆積等により負極インピーダンスが増大し、充放電効率の低下、充放電サイクル特性の劣化等を引き起すという問題点が存在していた。
そこで、従来から、有機溶媒の還元分解を抑制するために、様々な化合物を非水系電解液に添加して、負極活物質が有機溶媒と直接反応しないように、不動態化層とも称される負極表面被膜(SEI:Solid Electrolyte Interface. 以下、「SEI表面被膜」という。)を制御する技術が重要となっている。例えば、下記特許文献1及び2には、非水電解液二次電池の非水系電解液として、非水系電解液中にビニレンカーボネート(VC)及びその誘導体から選択される少なくとも1種(特許文献1)或いはビニルエチレンカーボネート化合物(特許文献2)を添加し、これらの添加物により、最初の充電による負極へのリチウムの挿入前に、負極活物質層上にSEI表面被膜を形成させ、リチウムイオンの周囲の溶媒分子の挿入を阻止するバリアーとして機能させるようになしたものが開示されている。
しかしながら、VC単独では、室温での充放電サイクル特性等は良好な結果を与えるものの、高温で充放電サイクルを繰り返すと電池が膨れてしまうと言う問題点が存在していた。これは、VCにより形成されたSEI表面被膜が高温で溶解してしまい、電解液を分解してガスが発生するためと考えられる。
一方、下記特許文献3には、電解液中に下記一般式(I)で表されるアルキン誘導体のうち少なくとも1種を添加すると、充放電サイクル特性、電池容量、保存特性等にすぐれた非水電解液二次電池が得られることが示されているが、室温で50サイクル程度までは良好なサイクル特性を与えるものの、300サイクルもの長期充放電サイクル特性は劣る上、高温での充放電サイクル特性については改善効果はなかった。これは、下記一般式(I)で表されるアルキン誘導体によるSEI被膜が、充放電サイクル時や高温で変質し易いために、電池の特性低下につながっているものと考えられる。
Figure 0005254825
(式中、R、RおよびRは、それぞれ独立して炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数7〜12のアラルキル基、または水素原子を示す。また、R2とR3は、互いに結合して炭素数3〜6のシクロアルキル基を形成していても良い。ただし、nは1または2の整数を示す。式中、Xはスルホキシド基、スルホン基、オギザリル基を示し、Yは、炭素数1〜12のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基、炭素数6〜12のアリール基または炭素数7〜12のアラルキル基を示す。)
特開平08−045545号公報(特許請求の範囲、段落[0009]〜[0012]、[0023]〜[0036]) 特開2001−006729号公報(特許請求の範囲、段落[0006]〜[0014]) 特開2002−124297号公報(特許請求の範囲、段落[0012]〜[0016]
本発明者等は、上述の炭素負極の表面に生じるSEI表面被膜の生成機構につき種々検討を重ねた結果、非水系電解液中にVCを含有させる場合に、上記一般式(I)で表されるアルキン誘導体のうち下記化学式(II)で表されるジ(2−プロピニル)オギザレート(D2PO)を共存させると、初期容量を低下させることなく、それぞれの単独添加よりも飛躍的に高温での長期充放電サイクル特性が向上し、その際の電池の膨れを抑制できることを見出し、本発明を完成するに至ったのである。
Figure 0005254825
このような結果が得られる理由は、現在のところ定かではなく、今後の研究を待つ必要があるが、おそらくはSEI被膜としてD2POとVCとの混合被膜が形成されることにより、D2PO被膜の変質を防ぐことができるようになると共に、高温での充放電サイクル時のVC被膜の溶解が抑制されているものと考えられる。
したがって、本願発明の目的は、安定なSEI表面被膜を形成して、初期容量が大きく、高温での充放電サイクル特性に優れ、しかも電池の膨れが小さい非水電解液二次電池を提供することにある。
本発明の上記目的は以下の構成により達成し得る。すなわち、本発明の非水電解液二次電池の発明は、リチウムを可逆的に挿入脱離できる炭素質材料からなる負極と、リチウムを可逆的に挿入脱離できる正極と、これらの正極と負極とを隔離するセパレータと、有機溶媒にリチウム塩からなる溶質が溶解した非水電解液と、角形アルミニウム合金製の外装缶とを備えた非水電解液二次電池において、前記非水電解液中にビニレンカーボネート及びジ(2−プロピニル)オギザレートを含み、前記ビニレンカーボネートの添加量は前記非水電解液の質量に対して0.1質量%以上3質量%以下であり、前記ジ(2−プロピニル)オギザレートの添加量は前記非水電解液の質量に対して0.1質量%以上2質量%以下であり、前記非水電解液はエチレンカーボネートと非環状カーボネートとの混合溶媒からなり、前記エチレンカーボネートの含有割合は前記混合溶媒の20体積%以上40体積%以下であり、前記外装缶の厚みは0.15mm〜0.50mmであることを特徴とする。
この場合、前記VCの添加量は、前記非水電解液の質量に対して1質量%〜3質量%がより好ましく、1質量%〜2.5質量%が最も好ましい。また、前記D2POの添加量は、前記非水電解液の質量に対して0.3質量%〜2質量%が更に好ましい。前記の量範囲の時の前記VCと前記D2POの質量比率は、1/20以上30/1以下が好ましく、1/2以上10/1以下が更に好ましい。
前記非水電解液を構成する非水溶媒(有機溶媒)は、カーボネート類、ラクトン類、エーテル類、エステル類、芳香族炭化水素などが挙げられ、これらの中でカーボネート類、ラクトン類、エーテル類、ケトン類、エステル類などが好ましく、カーボネート類が更に好適に用いられる。
カーボネート類として具体的には、環状カーボネート類として、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、ブチレンカーボネート(BC)から選ばれる少なくとも1種以上が好ましく、鎖状カーボネート類(非環状カーボネート類)として、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジエチルカーボネート(DEC)から選ばれる少なくとも1種以上が好ましい。
前記非水溶媒は、環状カーボネート類と鎖状カーボネート類を混合して用いることが好ましい。環状カーボネート類と鎖状カーボネート類の体積比は、40/60〜20/80が好ましく、35/65〜25/75が更に好ましい。また、鎖状カーボネート類としては、非対称鎖状カーボネート類であるエチルメチルカーボネート(EMC)を使用することが好ましく、非対称鎖状カーボネート類であるEMCと対称カーボネート類であるDECを併用することが特に好ましい。この場合、溶媒全体に占めるEMCとDECとの体積比は、70/0〜40/30が好ましい。
非水系電解液を構成する電解質は、過塩素酸リチウム(LiClO)、六フッ化リン酸リチウム(LiPF)、ホウフッ化リチウム(LiBF)、六フッ化砒酸リチウム(LiAsF)、トリフルオロメチルスルホン酸リチウム(LiCFSO)、ビストリフルオロメチルスルホニルイミドリチウム[LiN(CFSO]などのリチウム塩が挙げられる。中でもLiPF、LiBFを用いるのが好ましく、前記非水溶媒に対する溶解量は、0.5〜2.0モル/lとするのが好ましい。
正極活物質には、LixMO(但し、MはCo、Ni、Mnの少なくとも1種である)で表されるリチウム遷移金属複合酸化物、すなわちLiCoO、LiNiO、LiNiCo1−y(y=0.01〜0.99)、LiMnO、LiCoMnNi(x+y+z=1)などや、LiMnで表わされるスピネル型コバルト酸リチウムが一種単独もしくは複数種を混合して用いられる。また、必要に応じて前記リチウム遷移金属複合酸化物中にチタン、マグネシウム、ジルコニウム、アルミニウム等の異種の金属元素を含有させてもよい。
負極活物質には、リチウムを吸蔵・放出することが可能な炭素質材料、特に人造黒鉛や天然黒鉛等のグラファイト類が用いられる。
また、本発明の非水電解液二次電池では、前記外装缶は、角形アルミニウム合金製であり、厚さを0.15mm以上0.50mm以下としている。外装缶の厚さが0.15mm未満であると、容量維持率が小さくなり、また、電池の膨れも大きくなるので好ましくない。外装缶の厚さが0.50mmを超えると、電池の初期容量が低下し、しかも、電解液中にVCとD2POを添加したことによる効果が有効に生じないので好ましくない。
本発明は、非水電解液にVC及びD2POを同時に含有させたために、SEI被膜の安定性が大きくなり、以下に詳細に述べるように、初期容量が大きく、高温でのサイクル特性に優れ、また、電池の膨れが小さい優れた非水電解液二次電池が得られる。
以下、本願発明を実施するための最良の形態を実施例及び比較例を用いて詳細に説明するが、まず最初に実施例及び比較例に共通する非水電解液二次電池の具体的製造方法について説明する。
<正極板の作製>
LiCoOからなる正極活物質をアセチレンブラック、グラファイト等の炭素系導電剤(例えば3質量%)と、ポリビニリデンフルオライド(PVdF)よりなる結着剤(例えば3質量%)等を、N−メチルピロリドンからなる有機溶剤等に溶解したものを混合して、活物質スラリーあるいは活物質ペーストとする。これらの活物質スラリーあるいは活物質ペーストを、スラリーの場合はダイコーター、ドクターブレード等を用いて、ペーストの場合はローラコーティング法等により正極芯体(例えば、厚みが15μmのアルミニウム箔あるいはアルミニウムメッシュ)の両面に均一に塗付して活物質層を塗布した正極板を形成する。この後、活物質層を塗布した正極板を乾燥機中に通過させて、スラリーあるいはペースト作製時に必要であった有機溶剤を除去して乾燥させ、乾燥後にこの正極板をロールプレス機により圧延して、厚みが0.14mmの正極板とする。
<負極板の作製>
天然黒鉛よりなる負極活物質、PVdFよりなる結着剤(例えば3質量%)等と、N−メチルピロリドンからなる有機溶剤等に溶解したものを混合して、スラリーあるいはペーストとする。これらのスラリーあるいはペーストを、スラリーの場合はダイコーター、ドクターブレード等を用いて、ペーストの場合はローラコーティング法等により負極芯体(例えば、厚みが10μmの銅箔)の両面の全面にわたって均一に塗布して、活物質層を塗布した負極板を形成する。この後、活物質層を塗布した負極板を乾燥機中に通過させて、スラリーあるいはペースト作製時に必要であった有機溶剤を除去して乾燥させる。乾燥後、この乾燥負極板をロールプレス機により圧延して、厚みが0.13mmの負極板とする。なお、負極活物質の充填密度は、ロールプレス機の加圧圧力を変えることにより所定の値に調節した。
<電極体の作製>
上述のようにして作製した正極板と負極板を、有機溶媒との反応性が低いポリオレフイン系樹脂からなる微多孔膜(例えば厚みが0.022mm)を間にセパレータとして挟んで、かつ、各極板の幅方向の中心線を一致させて重ね合わせる。この後、巻き取り機により捲回し、最外周をテープ止めして実施例及び比較例の渦巻状電極体とする。次いで、上述のようにして作製した電極体を所定の厚みのアルミニウム合金製角形外装缶にそれぞれ挿入し、電極体より延出した正極集電タブ、負極集電タブを外装缶と共に溶着する。
<電解液の作製>
所定の組成比となるようにECに非環状カーボネートを混合した溶媒中に1M−LiPFとなる割合で溶解させ、必要に応じてVC及びD2POも所定量添加して、電解液を作製した。
<電池の作製>
次いで、各種電解液を外装缶の開口部より必要量注液した後シールして、実施例及び比較例の全てについて設計容量が750mAhの非水電解液二次電池を作製した。
<充放電条件>
上述のようにして作製した実施例及び比較例のそれぞれについて、以下に示した充放電条件下で各種充放電試験を行った。なお、充放電試験は全て40℃に維持された恒温槽中で行った。
<初期容量の測定>
まず最初に、各電池について、1It=750mA(1C)の定電流で充電し、電池電圧が4.2Vに達した後は4.2Vの定電圧で電流値が20mAになるまで充電し、その後、1Itの定電流で電池電圧が3.0Vに達するまで放電を行い、この時の放電容量を初期容量として求めた。
<サイクル特性の測定>
サイクル特性の測定は、初期容量を測定した各電池について、1Itの定電流で電池電圧が4.2Vに達するまで充電した後に4.2Vの定電圧で電流値が20mAになるまで充電し、その後、1Itの定電流で電池電圧が3.0Vに達するまで放電することを1サイクルとし、300サイクルに達するまで繰返して300サイクル後の放電容量を求めた。そして、各電池について以下の計算式に基づいて300サイクル後の容量維持率(%)を求めた。
容量維持率(%)=(300サイクル後の放電容量/初期容量)×100
<電池膨れの測定>
前記サイクル特性を測定した各電池について、電池の膨れをマイクロメータで測定した。
(実施例1〜7、比較例1〜6)
非水電解液の溶媒として、EC/EMC=30/70の体積比で混合した溶媒中に1M−LiPFとなる割合で溶解させ、更にVC及びD2POをそれぞれ表1に示した割合で添加した電解液を用いて実施例1〜7及び比較例1〜6の非水電解液二次電池を作製し、ぞれぞれの電池について初期容量、容量維持率及び電池膨れの測定を行った。ただし、負極の充填密度は全て1.5g/mlであり、また、外装缶の厚みは全て0.3mmである。結果をまとめて表1に示す。
Figure 0005254825
表1に示した結果によると、以下のことが分かる。すなわち、VC及びD2POの両者とも添加されていない比較例1では、初期容量は780mAhと大きいが、300サイクル後の容量維持率が63%と非常に小さく、また、電池膨れも6.10mmと大きくなっている。また、VCは添加されているがD2POが添加されていない比較例2及び比較例5では、初期容量及び300サイクル後の容量維持率は大きいが、電池膨れが6.00mmないし6.03mmと大きく、逆にVCは添加されていないがD2POが添加されている比較例3では初期容量は大きいが、容量維持率が75%と小さく、また、電池膨れが6.05mmと大きくなっている。
これに対し、VC及びD2POの両者が添加されている実施例1〜7では、初期容量が比較例1のものよりも若干小さくなっているが、773mAh以上もあり、300サイクル後の容量維持率は全て80%以上と大きく、また、300サイクル後の電池膨れも全て5.80mm以下と小さく、非常に良好な結果が得られている。しかしながら、VCの添加量が4.0質量%と多い比較例4では容量維持率及び電池膨れに関しては実施例1〜7と同等の効果を奏しているが、初期容量が765mAhと小さくなっている。また、D2POの添加量が3.0質量%と多い比較例6では、初期容量及び容量維持率に関しては実施例1〜7と同等の効果を奏しているが、電池膨れについては5.90mmと大きくなっている。従って、上記表1に示した結果によれば、VC及びD2POの両者を同時に添加することにより優れた効果を奏し、VCの添加量は電解液の質量に対して0.1質量%以上3.0質量%以下、D2POの添加量は電解液の質量に対して0.1質量%以上2.0質量%以下が好ましいことが分かった。
(実施例8〜14)
実施例8〜14では、電解液の溶媒系を環状カーボネートであるECに非環状カーボネートとしてEMCないしDECをそれぞれ表2に示すとおりに混合したものとし、これに支持塩としてLiPFを1Mとなるように添加し、更にVC(1.0質量%)及びD2PO(1.0質量%)の両成分を添加して、実施例1〜7ないし比較例1〜6の場合と同様にして初期容量、容量維持率及び電池膨れの測定を行った。ただし、負極の充填密度は全て1.5g/mlであり、また、外装缶の厚みは全て0.3mmである。結果をまとめて表2に示す。
Figure 0005254825
表2に示した結果によると、以下のことが分かる。すなわち、DEC量が10体積%である実施例10、13及び14の結果によれば、環状カーボネートであるEC量が有機溶媒の20体積%〜40体積%の間で変動しても電池特性にほとんど差異は生じないが、EC量が少なくなると若干初期容量が大きくなり、EC量が増えると若干初期容量が減少すると共に電池膨れも小さくなる傾向がある。EC量が30体積%と一定である実施例8〜12の結果によれば、DECの含有量が増加すると初期容量が徐々に減少すると共に電池の膨れも小さくなる傾向が認められる。
(実施例15〜20,比較例7〜12)
実施例15〜20,比較例7〜12では、非水電解液の溶媒として、EC/EMC/DEC=30/60/10の体積比で混合した溶媒中に1M−LiPFとなる割合で溶解させたものを使用し、外装缶の厚みを0.50mm〜0.15mmまで変化させて、VC(1.0質量%)及びD2PO(1.0質量%)の両成分を添加した(実施例15〜20)及び添加しない場合(比較例7〜12)のそれぞれの電解液に対応する非水電解液二次電池を作製し、実施例1〜7ないし比較例1〜6の場合と同様にして初期容量、容量維持率及び電池膨れの測定を行った。ただし、負極の充填密度は全て1.5g/mlである。結果をまとめて表3に示す。
Figure 0005254825
VC及びD2POの両者を含有していない比較例7〜12では、外装缶の厚みが0.50mmから0.15mmへと薄くなるに従って、初期容量は若干減少するが、容量維持率は大幅に減少すると共に電池膨れも大きく増加している。しかしながら、VC及びD2POの両者を含有させると、外装缶の厚みが0.50mmから0.15mmへと薄くなっても、初期容量は実質的に比較例比較例7〜12のものと同等の特性を維持しているとともに、容量維持率は比較例7〜12のものに比して大幅に大きく、また、電池膨れも比較例7〜12のものに比して大幅に小さくなっている。このような電解液中にVCとD2POを添加したことによる効果は外装缶の厚みの影響は、厚みが0.50mm以下0.15mm以上で顕著に表れ、前記外装缶の厚みが0.50mmを超えると電解液中にVCとD2POを添加したことによる効果が有効に生じないので好ましくなく、また、0.15mm未満であると容量維持率が大きく低下しだし、また、電池膨れも大きく増大するようになるので好ましくない。

Claims (2)

  1. リチウムを可逆的に挿入脱離できる炭素質材料からなる負極と、リチウムを可逆的に挿入脱離できる正極と、これらの正極と負極とを隔離するセパレータと、有機溶媒にリチウム塩からなる溶質が溶解した非水電解液と、角形アルミニウム合金製の外装缶とを備えた非水電解液二次電池において、
    前記非水電解液中にビニレンカーボネート及びジ(2−プロピニル)オギザレートを含み、前記ビニレンカーボネートの添加量は前記非水電解液の質量に対して0.1質量%以上3質量%以下であり、前記ジ(2−プロピニル)オギザレートの添加量は前記非水電解液の質量に対して0.1質量%以上2質量%以下であり、
    前記非水電解液はエチレンカーボネートと非環状カーボネートとの混合溶媒からなり、
    前記エチレンカーボネートの含有割合は前記混合溶媒の20体積%以上40体積%以下であり、
    前記外装缶の厚みは0.15mm〜0.50mmであることを特徴とする非水電解液二次電池。
  2. 前記非環状カーボネートがエチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネートから選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載の非水電解液二次電池。
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