JP5119594B2 - 非水電解液二次電池 - Google Patents

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Description

本発明は、負極活物質として非晶質炭素を用いた非水電解質二次電池に関するものである。
電子機器の急激な小型軽量化に伴い、その電源である電池に対して小型で軽量かつ高エネルギー密度、更に繰り返し充放電が可能な二次電池開発への要求が高まっている。また、大気汚染や二酸化炭素の増加等の環境問題により、電気自動車の早期実用化が望まれており、高効率、高出力、高エネルギー密度、軽量等の特徴を有する、優れた二次電池の開発が要望されている。
これらの要求を満たす二次電池として、非水電解液を使用した二次電池が実用化されている。この非水電解質二次電池は、従来の水溶性電解液を使用した電池の数倍のエネルギー密度を有している。非水電解質二次電池の正極活物質にはリチウム含有層状コバルト酸化物、リチウム含有層状ニッケル酸化物、スピネル型リチウムマンガン複合酸化物、又はこれら遷移金属を含むリチウム含有層状コバルトニッケルマンガン複合酸化物など種々の化合物が検討されている。
非水電解質二次電池の負極活物質には、従来からリチウムを吸蔵・放出可能な天然グラファイト、人造グラファイトのように三次元規則構造が発達した黒鉛が用いられてきたが、黒鉛以外にも、コークス類、難黒鉛化性炭素、低温焼成易黒鉛化性炭素のように三次元規則構造が未発達である非晶質炭素などが検討されている。
例えば、特許文献1では、リチウム二次電池用炭素材料として難黒鉛化性炭素を用いる技術が開示され、また、特許文献2では、リチウムイオン二次電池の負極材料に非晶質炭素材料を用いる技術が開示され、さらに、特許文献3では、非水系二次電池の負極活物質として、表面に非晶質炭素を付着させた黒鉛粒子を用いる技術が開示されている。
非水電解質二次電池の負極活物質を比較すると、非晶質炭素は黒鉛に比べて、充放電に伴う活物質の膨張・収縮が小さいため、電子伝導ネットワークが切断されにくい。そのため、負極に非晶質炭素を用いた非水電解質二次電池は、負極に黒鉛を用いた非水電解質二次電池に比べて寿命性能が良好であるという利点があり、電気自動車など長期寿命性能が重要となる用途に適している。
非水電解質二次電池において、正極・負極以外に、リチウム電極などの第三電極を備える技術が多数開示されている。例えば特許文献4では、非水電解質二次電池において、電池内部に電解液と接触しない状態で、金属リチウムを含む第三電極を備え、自己放電などで正極−負極の容量バランスが崩れた場合に、第三電極を電解液中に浸漬し、正極または負極と第三電極とを接続し、通電することにより、正極または負極の容量を回復する技術が開示されている。
また特許文献5には、リチウム二次電池において、電池外装体内に金属リリウムを含有する第3の電極を備え、正極から負極へ、負極の不可逆容量に相当するリチウム量以上の充電を行った後、第3の電極と正極との間で放電を行い、不可逆容量に相当するリチウム量を正極に充填する技術が開示されている。
さらに特許文献6には、リチウム二次電池の製造方法において、負極の電位が、参照電極としての金属リチウムに対して一定の値(ベース電位)に到達するまで定電流充電を行う第1充電工程を経る技術が開示されている。
特開平07−230803号公報 特開平10−125308号公報 特開平10−040914号公報 特開2002−324585平号公報 特開2004−303597号公報 特開2003−168482号公報
ところが、非水電解質二次電池において、負極活物質に特許文献1〜3で開示された非晶質炭素を用いた場合、充放電を繰り返すと急激に容量が低下するという現象が認められる、つまりサイクル寿命が短くなるという欠点があった。この欠点の解決のため、従来、負極活物質の成分や製法の検討、導電種を変更する等の試みが様々におこなわれているが、いずれも根本的な解決には至らなかった。
一方、負極活物質として結晶子の大きさがc軸方向(Lc)で3nmより大きい非晶質炭素や黒鉛の電気化学特性は、層間へのリチウムの吸蔵・放出による二相反応が支配的となるため、平坦な充放電挙動を示す。また、負極活物質として黒鉛を用いた場合のリチウムの不可逆な消費は、初回の充電時に認められるリチウムを含有する表面皮膜層の形成が大部分であり、以降の充放電サイクルにおけるリチウムの不可逆な消費は少ない。
本発明者の研究によれば、充放電サイクルに伴う容量低下の原因は、負極活物質として用いた非晶質炭素表面でのリチウムの不可逆な消費にともなって負極の電位が貴となり、端子間電圧が一定である場合には正極の電位も貴となることがわかった。
すなわち、負極活物質として結晶子の大きさがc軸方向(Lc)で3nm以下である非晶質炭素を用いた場合、初回以降の充放電サイクルにおけるリチウムの不可逆な消費は黒鉛に比べて多い。また、結晶子の大きさがc軸方向(Lc)で3nm以下である非晶質炭素は黒鉛に比べて電位平坦性に乏しいため、リチウムの不可逆な消費に伴う負極電位の昇位が著しく、これが正極電位の昇位を加速させるのである。
正極の充電電位が金属リチウム電極に対して4.30Vを超えると、電解液の酸化分解にともなうガス発生やセパレータの酸化が加速的におこり、電池内部抵抗の増大を引き起こす。また、正極電位の昇位に伴って、正極活物質の結晶構造が急速に破壊される、あるいは正極から溶出する遷移金属成分が負極表面に析出して負極の電子伝導性を著しく低下させるのである。
そこで、本発明者は、これらの問題は正極の充電深度の制御により回避できるものと考えた。正極の充電深度を制御する場合、電池内に基準電極が必要となる。
特許文献4、5には、電池内に金属リチウムを含む第三電極を備える技術が開示されているが、いずれも第三電極からリチウムを正極または負極に供給することを目的としたものであり、この第三電極は正極または負極の電位測定の基準電極として用いられていなかった。また、特許文献6には、炭素繊維を含む負極を充電する場合の電位を金属リチウム電極を基準として決定しているが、電池内部に金属リチウム電極を備えたものではなかった。
本発明は、負極活物質として非晶質炭素を用いたものであって、良好なサイクル寿命性能を有する非水電解質二次電池の充電方法を提供することを目的とする。
請求項1の本発明は、結晶子の大きさがc軸方向(Lc)で3nm以下である非晶質炭素を含む負極と、正極と、基準電極とを備えた非水電解質二次電池の充電方法において、25℃における金属リチウム電極に対する正極電位を4.30V以下とすることを特徴とする。
本発明は、非水電解質二次電池の充電方法において、負極活物質として結晶子の大きさがc軸方向(Lc)で3nm以下である非晶質炭素を用い、25℃における充電時のリチウム電極に対する正極電位が4.30Vを超えないように制御するものである。そのために、非水電解質二次電池内に基準電極を設けることで正極の充電電位を制御し、正極電位の昇位を抑え、充放電サイクルに伴う非水電解質二次電池の急激な容量低下を極力抑えることができ、良好なサイクル寿命性能を有する非水電解質二次電池を提供することができる。
本発明は、正極と、負極と、金属リチウム基準電極とを備えた非水電解質二次電池の充電方法において、負極活物質として結晶子の大きさがc軸方向(Lc)で3nm以下である非晶質炭素を含む負極と、正極と、金属リチウム電極の電位に換算可能な基準電極とを備えた非水電解質二次電池の充電方法において、25℃における金属リチウム電極の電位に対する正極電位を4.30V以下とすることを特徴とするものである。
本発明において、負極活物質として用いる非晶質炭素のc軸方向結晶子の大きさ(Lc)は、X線回折法によりCukαをX線源、標準物質に高純度シリコンを使用して回折パターンを測定し、そのd(002)面の回折パターンのピーク位置、半値幅から算出した。算出方法は学振法に基づき算出した。
そして、非水電解質二次電池内に基準電極を設け、正極の充電電位を制御することで正極電位の昇位を抑え、充放電サイクルに伴う非水電解質二次電池の急激な容量低下を抑制するものである。その結果、優れた充放電サイクル特性を示す非水電解質二次電池を得ることができる。
基準電極としては、非水電解質二次電池に用いる非水電解質中で長期間にわたって電位が安定な電極なら、どのような電極でも用いることができる。そして、あらかじめ使用する非水電解質中での金属リチウム電極に対する基準電極の電位を求めておくことにより、基準電極に対する正極電位を金属リチウム電極に対する正極電位に換算して、充電時の正極電位を制御することができる。
基準電極としては、金属リチウム電極が適しているが、その他にも、「非水溶液の電気化学」(伊豆津公佑著、1995年2月、培風舘発行)の137〜140ページに記載されている、銀−銀イオン電極、銀−銀クリプテート電極、銀−塩化銀電極、Pt/I ,I電極などを、塩橋と組み合わせて、非水電解質二次電池に用いる非水電解質に応じて適宜選択して用いることができる。
本発明の非水電解質二次電池の正極活物質としては、特に制限はなく、次のような「4V級」の種々の材料を適宜使用できる。例えば、遷移金属とリチウムの複合酸化物LiMO2−δ(ただし、Mは、Co、NiまたはMnを表し、0.4≦x≦1.2、0≦δ≦0.5である複合酸化物)、またはこれらの複合酸化物にAl、Mn、Fe、Ni、Co、Cr、Ti、Znから選ばれる少なくとも一種の元素、または、P、Bなどの非金属元素を含有した化合物を使用することができる。また、リチウム含有層状コバルト酸化物、リチウム含有層状ニッケル酸化物、又はこれら遷移金属を含むリチウム含有層状コバルト−ニッケル−マンガン複合酸化物なども使用することができる。
負極活物質に用いるc軸方向結晶子の大きさ(Lc)が3nm以下である非晶質炭素としては、低温焼成易黒鉛化性炭素、難黒鉛化性炭素、あるいはこれらの混合物を用いることができる。
セパレータは、例えばポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂を主成分とする微多孔膜が用いられ、材料の種類、重量平均分子量、空孔率、厚さ等の異なる複数の微多孔膜を積層してなるものや、これらの微多孔膜に各種の可塑剤、酸化防止剤、難燃剤などの添加剤を適量含有しているものであってもよい。
本発明の非水電解質二次電池に用いる電解液の有機溶媒には特に制限はなく、例えばエーテル類、ケトン類、ラクトン類、ニトリル類、アミン類、アミド類、硫黄化合物、ハロゲン化炭化水素類、エステル類、カーボネート類、ニトロ化合物、リン酸エステル系化合物、スルホラン系炭化水素類等を用いることができるが、これらのうちでもエーテル類、ケトン類、エステル類、ラクトン類、ハロゲン化炭化水素類、カーボネート類、スルホラン系化合物が好ましい。
これらの例としては、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、アニソール、モノグライム、4−メチル−2−ペンタノン、酢酸エチル、酢酸メチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、1,2−ジクロロエタン、γ−ブチロラクトン、ジメトキシエタン、メチルフォルメイト、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジエチルカーボネート、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ビニレンカーボネート、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチルチオホルムアミド、スルホラン、3−メチル−スルホラン、リン酸トリメチル、リン酸トリエチルおよびこれらの混合溶媒等を挙げることができるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
好ましくは環状カーボネート類および環状エステル類である。もっとも好ましくは、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、メチルエチルカーボネート(MEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ビニレンカーボネート(VC)のうち1種または2種以上した混合物の有機溶媒である。
また、本発明の非水電解液二次電池に用いる電解質塩としては、特に制限はないが、LiClO、LiBF、LiAsF、LiCFSO、LiPF、LiN(CFSO、LiN(CSO、LiI、LiAlCl、LiBOB等およびそれらの混合物が挙げられる。好ましくは、LiBF、LiPFのうち1種または2種以上を混合したリチウム塩がよい。
本発明の非水電解質二次電池に用いる金属製の角型外装体としては、ステンレス、ニッケルメッキ鉄、アルミニウム、アルミニウム合金、チタンなどからなる容器を使用することができる。その他の電池の構成要素として、集電体、端子、絶縁板等があるが、これらの部品についても従来用いられてきたものをそのまま用いて差し支えない。
[実施例1および比較例1]
[実施例1]
実施例1の非水電解質二次電池は、正極活物質にスピネル形マンガン酸リチウム、負極活物質に難黒鉛化性炭素を用い、基準電極としてのリチウム電極を設けたものである。
実施例1の非水電解質二次電池の充放電サイクル試験に用いた回路を図1に示す。図1において、11は非水電解質二次電池、12は負極、13は正極、14はリチウム基準電極、20は制御回路、21は充電スイッチ、22は放電スイッチ、30は直流電源、40は負荷である。
非水電解質二次電池11は、充電用電源30と負荷40とに、制御回路20により制御可能なスイッチ21、22を介して接続され、正極13と負極12の間で充放電される。制御回路20は、リチウム基準電極14にも接続され、リチウム基準電極14に対する正極13の電位を測定・制御できるようになっている。
正極13は、活物質としての市販のスピネル形マンガン酸リチウム(LiMn)と、導電助剤としてアセチレンブラックと、結着剤としてフッ素化樹脂とを、重量比89:4:7で混合し、これにN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を加えてペースト状としたスラリーを、集電体としてのアルミニウム箔の両面に均等に塗布・乾燥して、正極合材層を形成したものである。
負極12は、活物質としての、X線回折法により算出されるc軸方向結晶子の大きさ(Lc)が1.1nmである難黒鉛化性炭素と、結着剤としてポリビニリデンフルオライド(PVdF)とを、重量比94:6で混合し、NMPを加えてペースト状としたスラリーを、集電体としての銅箔の両面に均等に塗布・乾燥して、負極合材層を形成したものである。
基準電極14は金属リチウム薄片からなる。また、セパレータには、ポリエチレンを主成分とする微多孔膜を用いた。電解液としては、エチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)との体積比を1:1とした混合溶媒に、濃度1mol/lの六フッ化リン酸リチウム(LiPF)を加えた非水電解液を用いた。
図1に示す回路を用いて非水電解質二次電池11を充電しつつ、制御回路20により、リチウム基準電極14に対する正極13の電位を測定する。このとき、リチウム基準電極14は、負荷40とは回路的に切り離されているため、常にリチウム基準極14に対する正極13の電位を測定することができる。
実施例1の非水電解質二次電池について、つぎの条件で、充放電サイクル試験をおこなった。なお、試験中は電池を25℃恒温槽中に保持した。
実施例1の非水電解質二次電池について、正極−リチウム基準電極間の電圧を測定しながら、正極−負極間に電流を流して電池の充放電を行った。まず、0.5mA/cmの定電流でリチウム基準電極に対する正極電位が4.30Vとなるまで、続いてリチウム基準電極に対する正極電位を4.30Vとする定電圧で、合計3時間充電を行った。その後、リチウム基準電極に対する正極電位が4.10V(正極−負極間の端子電圧2.50Vと同等)となるまで、0.5mA/cmの定電流放電を行った。この充放電を500サイクル繰り返し、501サイクル目の充電をおこない、試験を終了した。
なお、4.30Vの定電圧充電開始直後には、リチウム基準電極に対する負極電位は約0.05Vになっているものと推定されるため、正極−負極間の端子電圧は約4.25Vになっているものと推定される。
[比較例1]
比較例1の非水電解質二次電池は、実施例1と同様に、正極活物質にスピネル形マンガン酸リチウム、負極活物質に難黒鉛化性炭素を用いたが、リチウム基準電極は設けなかった。その他の構造は実施例1と同様である。
比較例1の非水電解質二次電池の充放電サイクル試験に用いた回路を図2に示す。図2における記号11〜40は図1と同じものを示す。図2に示した回路は、図1に示した実施例1の非水電解質二次電池11において、リチウム基準電極14がないものに相当し、制御回路20によって非水電解質二次電池11の正極−負極間の端子電圧を測定・制御した。
比較例1の非水電解質二次電池について、正極−負極間の端子電圧を測定しながら、正極−負極間に電流を流して電池の充放電を行った。まず、0.5mA/cmの定電流で正極−負極間の端子間電圧が4.25Vとなるまで、続いて正極−負極間の端子間電圧を4.25Vとする定電圧で、合計3時間充電を行った。その後、正極−負極間の端子電圧が2.50Vとなるまで、0.5mA/cmの定電流放電を行った。この充放電を500サイクル繰り返し、501サイクル目の充電をおこない、試験を終了した。
なお、正極−負極間の端子間電圧4.25Vは、充放電サイクルの初期には、リチウム基準電極に対する正極電位4.30Vおよびリチウム基準電極に対する負極電位0.05Vと同等である。
比較例1の電池については、1サイクル目の充電終了後および501サイクル目の充電終了後、アルゴンドライボックス中で電池から正極を取り出し、同じ電解液中に浸漬し、リチウム基準電極に対する正極電位を測定した。
実施例1および比較例1の電池の、1サイクル目および501サイクル目の充電後の正極−リチウム基準電極間電位を表1にまとめた。
Figure 0005119594
501サイクル目の充電終了後の正極−リチウム基準電極間電位は、表1に示すように、実施例1の電池では、当然のことながら4.30Vであった。一方、比較例1の電池では4.335Vに昇位していることがわかった。
その理由は、充放電サイクルを繰り返すと、負極活物質である非晶質炭素表面でリチウムの不可逆的に消費され、その結果、負極の電位も貴となる。比較例1の電池では、定電圧充電時には、正極−負極間の端子間電圧が4.25V一定であることから、負極の電位が貴にシフトするのに伴い、正極の電位も貴にシフトするためである。
実施例1および比較例1の電池の、充放電サイクル数と容量保持率との関係を図3に示す。図3において、記号aは実施例1の結果を示し、記号dは比較例1の結果を示す。なお、ここで「容量保持率」は、1サイクル目の放電容量に対する各サイクルの放電容量の比(%)を示すものとする。
図3から、比較例1の電池の容量保持率は、200サイクル経過時点まで良好であるが、その後充放電サイクルを繰り返した場合、リチウム基準電極に対する正極電位が4.30Vよりも貴にシフトすることで、電池の容量低下が加速されることがわかった。一方、実施例1の電池の容量保持率は、比較例1の電池に比べて優れており、本発明により、良好なサイクル寿命性能を有する非水電解質二次電池が得られることがわかった。
[実施例2、3および比較例2]
[実施例2]
実施例1で用いたのと同じ非水電解質二次電池および回路を用い、0.5mA/cmの定電流でリチウム基準電極に対する正極電位が4.25Vとなるまで、続いてリチウム基準電極に対する正極電位を4.25Vとする定電圧で、合計3時間充電を行った。その後、リチウム基準電極に対する正極電位が4.10Vとなるまで、0.5mA/cmの定電流放電を行った。この充放電を500サイクル繰り返し、試験を終了した。
[実施例3]
実施例1で用いたのと同じ非水電解質二次電池および回路を用い、0.5mA/cmの定電流でリチウム基準電極に対する正極電位が4.20Vとなるまで、続いてリチウム基準電極に対する正極電位を4.20Vとする定電圧で、合計3時間充電を行った。その後、リチウム基準電極に対する正極電位が4.10Vとなるまで、0.5mA/cmの定電流放電を行った。この充放電を500サイクル繰り返し、試験を終了した。
[比較例2]
実施例1で用いたのと同じ非水電解質二次電池および回路を用い、0.5mA/cmの定電流でリチウム基準電極に対する正極電位が4.40Vとなるまで、続いてリチウム基準電極に対する正極電位を4.40Vとする定電圧で、合計3時間充電を行った。その後、リチウム基準電極に対する正極電位が4.10Vとなるまで、0.5mA/cmの定電流放電を行った。この充放電を500サイクル繰り返し、試験を終了した。
実施例2、3および比較例2の電池の、充放電サイクル数と容量保持率との関係を図3に示す。図3において、記号bは実施例2の、記号cは実施例3の、記号eは比較例2の、それぞれの結果を示す。
図3から、定電圧充電時のリチウム基準電極に対する正極電位が4.30V以下である実施例2および実施例3の電池の容量保持率は、実施例1の電池と同様、優れていることがわかった。一方、定電圧充電時のリチウム基準電極に対する正極電位が4.30Vを越えた比較例2の電池の容量保持率は、約150サイク目から急速に減少することがわかった。
[実施例4、5]
[実施例4]
負極活物質として難黒鉛化性炭素に代えてLc=2.0nmの低温焼成易黒鉛化性炭素を用いたこと以外は実施例1と同じ非水電解質二次電池および回路を用い、同じ条件で充放電を500サイクル繰り返し、501サイクル目の充電をおこない、試験を終了した。
[実施例5]
負極活物質として難黒鉛化性炭素に代えて、実施例1で用いたLc=1.1nmの難黒鉛化性炭素と実施例4で用いたLc=2.0nmの低温焼成易黒鉛化性炭素の重量比1:1混合物を用いたこと以外は実施例1と同じ非水電解質二次電池および回路を用い、同じ条件で充放電を500サイクル繰り返し、501サイクル目の充電をおこない、試験を終了した。
実施例4および実施例5では、いずれの場合も、501サイクル目の充電終了後の正極電位は4.30Vであり、充放電サイクル数と容量保持率の関係は、図3に示した実施例1の場合とほぼ同じであった。したがって、結晶子の大きさがc軸方向(Lc)で3nm以下である場合に、非晶質炭素の種類にかかわらず、良好なサイクル寿命性能を有する非水電解質二次電池が得られることがわかった。
また、正極活物質としてスピネル形マンガン酸リチウムに代えて、コバルト酸リチウム(LiCoO)、コバルトの一部をニッケルで置換したコバルト酸リチウム(LiCo0.8Ni0.2)、ニッケル酸リチウム(LiNiO)、マンガンの一部をアルミニウムで置換したスピネル形マンガン酸リチウム(LiMn1.8Al0.2)を用いて、実施例1と同様の非水電解質二次電池を作製し、500サイクルの充放電を行ったが、充放電サイクル数と容量保持率との関係は、図3のaで示した実施例1の結果とほぼ同様であることがわかった。
実施例1の非水電解質二次電池の充放電サイクル試験に用いた回路を示す図。 比較例1の非水電解質二次電池の充放電サイクル試験に用いた回路を示す図。 実施例1〜3および比較例1、2の電池の、充放電サイクル数と容量保持率との関係を示す図。
符号の説明
11 非水電解質二次電池
12 負極
13 正極
14 リチウム基準電極
20 制御回路
21 充電スイッチ
22 放電スイッチ
30 電源
40 負荷

Claims (1)

  1. 結晶子の大きさがc軸方向(Lc)で3nm以下である非晶質炭素を含む負極と、正極と、金属リチウム電極の電位に換算可能な基準電極とを備えた非水電解質二次電池の充電方法において、25℃における金属リチウム電極の電位に対する正極電位を4.30V以下とすることを特徴とする非水電解質二次電池の充電方法。
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