JP5254715B2 - 複合導電性繊維 - Google Patents
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れない。この静電気の発生を防ぐ為に、アクリル繊維に混用できる導電糸が要望されてい
る。
本要望に対応する為には、導電性を付与したアクリル繊維を混用することが考えられ、従
来いくつか提案されている(特許文献1、2参照)。
、導電性粒子をアクリル樹脂に添加する方法、例えば、アクリル重合体と導電性酸化チタ
ン等の導電性粒子とを有機溶剤に溶解して紡糸原液を作成し、凝固液中へ吐出して半乾式
方法で紡糸し、後処理をして溶剤を抜くという煩雑な方法が挙げられる。この溶剤を抜く
時点で、アクリル繊維自体にはボイドが発生し、導電性に悪影響を及ぼす。
そこで考えられるのが、他素材の導電糸である。しかしながら、他素材の導電糸をアクリ
ル繊維に混用すると、アクリル繊維の染色と他素材の染色の2回の工程が必要となる。
本発明が解決しようとする課題は、導電化する上での問題点が少なく、アクリル繊維と同
一条件にての染色が可能な複合導電性繊維を提供することである。
能であり、製造上の問題点も少ない導電性繊維を得るために、溶融紡糸による複合導電性
繊維に着目し、複合導電性繊維表面の非導電層のポリマーをアクリルと同条件にて染色可
能、即ち常圧カチオン染色が可能なるポリマーとすることにより本発明に到達した。
可能で発色性が良好であり、よって、アクリル素材に混用したとき、製品の静電気の発生
を抑え且つアクリル繊維と同条件にて染色が可能である。
キレングリコールとを共重合したポリエステルである。
金属スルホネート基含有イソフタル酸(以下SIPと称する)は、非導電層のポリエステ
ル中に含有される酸成分に対し、0.5〜10モル%であることが好ましい。SIPが0
.5モル%未満であると、カチオン可染性が低下し、アクリルと同条件の染色とならず、
混用して染色した場合、導電性繊維が斑となって見える傾向にある。また、SIPが10
モル%を超えると、重合度が進まず、ポリマーの分子量が上がらず、紡糸をしても糸とな
らない傾向にある。
SIPは、例えば、5−金属スルホイソフタル酸ジメチル(以下SIPMと称する)又は
ジメチル基をエチレングリコールでエステル化させた化合物(以下SIPEと称する)が
挙げられる。SIPMを多量にスラリー槽へ投入するとスラリー物性を悪化させることが
あるのでSIPEを採用するのが好ましい。
また、SIP中金属はナトリウム、カリウム、リチウムなどが挙げられるが、最も好まし
いのはナトリウムである。
%であることが好ましい。ポリアルキレングリコールが1.5重量%未満であると、常圧
による染色性が劣り、高圧染色をしなければならず、アクリルに混用して同条件での常圧
染色をすると、導電糸の染色濃度が低く、斑に見える傾向にある。また、ポリアルキレン
グリコールが6重量%を超えると、重合度が進まず、分子量が上がらず、紡糸をしても糸
とならない傾向にある。
しい。
ポリアルキレングリコールの平均分子量が上記範囲内であれば、常圧100℃付近での染
色効果を発揮させ、かつポリアルキレングリコールが可塑効果を発揮する為にスルホネー
ト基に起因する増粘作用を低減させることが出来る為、ポリマーの重合度を上げることが
可能である。
上記ポリアルキレングリコールは、一般式HO(CnH2nO)mH(但し、n,mは正
の整数)で表されるもので、n=2のポリエチレングリコールが汎用的で最も好ましい。
タレート、ポリエチレンナフタレート等、繊維形成能のあるポリエステルポリマーを示す
。また、このポリエステルは酸化チタンを含有していてもよい。
する)が4.5〜6.0モル%含まれることが望ましい。このDEGは重合中の副反応に
より生成する。4.5モル%未満であれば、常圧カチオン可染性能が劣る。また、6.0
モル%を超えると、ポリマーの耐熱性、耐酸化性が劣り、溶融紡糸時の操業性が著しく悪
くなる。
また、ポリマーの末端カルボキシル基濃度を20〜30当量/トンにすることが好ましい
。末端カルボキシル基濃度が20当量/トン未満の場合、重合槽から押し出されるポリマ
ーのカラーが悪く、30当量/トンを超える場合、紡糸工程や後工程での耐熱性が悪くな
る。
inの比が 1.0≦[η]max/[η]min≦1.02 である。[η]max/[η]minが
上記範囲から外れると、溶融紡糸時の糸切れが多発し、紡糸濾過性が悪い為紡糸口金寿命
が短くなる等、操業性に劣る傾向にある。
電性繊維は導電性能があり、アクリル繊維と混用して衣服を作成して着用したとき、静電
気が発生しない。
化鉛、酸化マンガンなどが挙げられる。
導電性被膜には第2成分を添加しても良い。第2成分としては、異種金属の酸化物、同種
又は異種金属等が挙げられる。例えば、酸化銅/銅、酸化亜鉛/酸化アルミニウム、酸化
錫/酸化アンチモン、酸化亜鉛/亜鉛、酸化アルミニウム/アルミニウム、酸化錫/錫、
酸化アンチモン/アンチモン及びそれらの酸化物の一部が還元されたものを含有するもの
等が好適である。
)以下、特に102Ω・cm(オーダー)以下が好ましい。
て200kgの圧力を加えて直流(0.1〜100V)を印加して測定する。
ら望ましい。例えば、平均粒径1μm以下、特に0.7μm以下、最も好ましくは0.5
〜0.01μmのものが使用される。粒径が小さいほどポリマーと混合したとき、ポリマ
ー中における分散性に優れ、また混合物の導電性が優れる。
成して酸化物にすることや、それを部分還元することで形成することができる。
ゆる熱可塑性重合体を使用することが出来る。例えば、ポリアミド、ポリエステル、ポリ
オレフィン、ポリカーボネートなどが挙げられる。溶融紡糸したとき繊維形状になる熱可
塑性樹脂であればよい。
が好ましい。
導電性被膜を有する酸化チタンの混合率が上記範囲内であれば、導電性能良好である。
必要であり、例えば、図1〜図4に示すような断面形状の複合繊維とすることが好適であ
る。
染色の均一性を考えると、図1〜図4に示すような、非導電層が繊維表面全体を占めて
いる繊維とすることが好適である。
。
導電層比率が2:1より大きいと、強度が下がり、紡糸巻き取りが不可能となる傾向にあ
る。また、導電層比率が1:30より小さいと導電性不足となり、制電性能を発揮できな
くなる傾向にある。
る方法は特に規定されず、2軸混練など公知の方法にて混合する。得られた導電性樹脂を
用いて、複合導電性繊維の製造は、例えば、導電性樹脂と非導電層用のポリエステルとを
それぞれ溶融して、例えば、図1に示す断面形状となるように紡糸口金より吐出する。
、マルチフィラメントもしくはモノフィラメントを得る。巻き取り速度は導電層、非導電
層の組み合わせ、比率に適したスピードであれば良いが、糸質及び巻き取り易さなどから
、600m/min〜1600m/minが望ましい。
る。
延伸糸の単糸繊度は、アクリル繊維と混用の場合、単糸繊度は1.5〜5.0dtexが
望ましい。
例えば、30万dtex程度となるように収束して、棟とする。棟にした導電糸に公知の
方法にてクリンプを掛ける。クリンプを掛けた後、紡糸油剤を除去し、アクリルに混用す
べくアフターオイルを添加して乾燥する。乾燥後、5mm以下にカットし綿状とし、別途
常法にて製造したアクリル綿に1〜数十重量%混合する。混合の割合は、最終製品の要求
される制電性能にあう割合であればよい。混合した後に公知の方法にて棟とする。得られ
た複合導電性繊維混アクリル棟を更に非導電性アクリルの棟と合わせて更に棟とし紡績糸
としてチーズ状に巻き取る。
得られたアクリル糸のチーズをチーズ染色としてカチオン染料にて98℃にて45分〜6
0分染色する。染色された複合導電性繊維混アクリル糸を公知の方法にて編み込み、起毛
加工して、フリースなどの衣服にする。
本発明の複合導電性繊維は、アクリル繊維と同一条件にて染色ができ斑とならず、本発明
の複合導電性繊維を混用したアクリル製衣服は静電気の発生も抑えられる画期的なもので
ある。
はない。尚、各評価は下記のようにして行った。
制電性は本発明品及び比較対象品をアクリルに混用して衣服まで作成し、着用試験をした
。着用後衣服を脱ぐときにパチパチとなる静電気の発生が無ければ○、静電気の発生があ
れば×とした。
染色性は本発明品及び比較対象品をアクリルに混用したものをKyacryl Red
GL 2omfと酢酸0.2cc/l浴比1:50にて常圧染色を行い、その結果を目
視で判断して、複合導電糸の斑が見えなければ○、斑が見えれば×とした。
酸化アンチモンをドーピングした酸化錫をコーティングした酸化チタン粒子を、ポリエチ
レンに75重量%含有せしめたポリマーを導電層とした。ポリエステル中に含有する酸成
分に対し、2.5モル%のSIPEを含有し、平均分子量200のポリエチレングリコー
ルをポリマー中に5.0重量%含有した繊維形成性ポリエステルを非導電層とした。尚、
非導電層の繊維形成性ポリエステルにおいて、グリコール成分に対するジエチレングリコ
ール含有量は、5.9モル%であり、末端カルボキシル基濃度は、25当量/トンであり
、極限粘度比[η]max/[η]minは、1.005であった。
上記導電層と非導電層を、図1のような断面となるように、275℃、直径0.25mm
のオリフィスから紡出し、冷却・オイリングして1200m/minの速度で巻き取り、
100℃の熱をかけながら延伸して80dtex/24fの延伸糸を得た。
得られた延伸糸を詳細説明の通り短繊維綿にして、アクリル綿に10重量%含有させ、棟
とした。得られた棟を非導電のアクリルの棟19本と合わせて合計含有量0.5wt%と
なるようにして紡績糸を得た。本紡績糸のチーズ巻きのものをKyacryl Red
GL 2omfと酢酸0.2cc/l浴比1:50にて98℃×60分の染色を実施した
。その後編みたてを行い、起毛処理を行いフリースを作成した。
得られたフリースは、染色斑は見られず、着用試験による静電気の発生も見られなかった
。
できる複合導電性繊維であり、アクリル繊維と混用するに好適である。
B:導電層
Claims (3)
- 非導電層と導電層とからなる複合導電性繊維であって、非導電層が繊維表面の少なくとも70%を占めてなり、非導電層が、金属スルホネート基含有イソフタル酸とポリアルキレングリコールとを共重合したポリエステルであって、更に、前記共重合ポリエステル中にジエチレングリコールを4.5〜6.0モル%含有するものであり、導電層が、ポリエチレンであって、導電性被膜を有する酸化チタン粒子を含む熱可塑性重合体である複合導電性繊維。
- 導電層における導電性被覆を有する酸化チタン粒子の混合率が30〜85重量%である請求項1記載の複合導電性繊維。
- 導電層と非導電層の比率が繊維横断面積比率で1:30〜2:1である請求項1記載の複合導電性繊維。
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